JP3440342B2 - 熱転写シート - Google Patents
熱転写シートInfo
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Description
して移行する染料を用いた熱転写シートにおいて、熱転
写シートから熱転写受像シートが有する染料受容層に染
料画像を一度転写した後、染料受容層を被転写体に接触
させて加熱し、染料画像のみを任意の被転写体に再度転
写する画像形成方法の、染料画像が高熱を受ける用途に
適した再転写用熱転写シートに関する。
方法が公知であるが、これらの中で、熱により昇華又は
拡散するいわゆる昇華性染料を色材として用いた感熱昇
華転写方式においては、ポリエステルフィルム等の支持
体上の片面に結着剤樹脂中に昇華性染料を担持させた染
料担持層を設けた熱転写シートが使用されている。この
熱転写シートは、耐熱性を有する支持体上に、結着剤樹
脂に昇華性染料を混合したインキ又は塗液を印刷又は塗
工して乾燥形成したものである。そして、サーマルヘッ
ド等の加熱手段を有するプリンタにより画像情報により
熱転写シートを背面側から選択的に加熱して、基材シー
ト上に染料で染着可能な染料受容層を設けた熱転写受像
シートに画像を形成する。形成された染料画像は、使用
する色材が染料であることから鮮明で透明性に優れるた
め、中間調の再現性や階調性が高い。このため、3色又
は4色の多数の色ドットを熱転写受像シートに転移さて
形成するフルカラー画像の再現に適しており、従来のフ
ルカラー写真画像と同等の高品質画像の形成が可能であ
る。このようなことから、感熱昇華転写方式は、コンピ
ュータ画像やビデオ画像のフルカラーのハードコピーを
極めて短時間且つ容易に得られる点で重宝であり、よく
用いられてきている。
はプリンターの機構上、熱転写受像シートのようなシー
ト状の被熱転写材以外には直接形成することは、非常に
困難であった。それゆえ、シート状の被熱転写材以外
の、任意の形状の被転写体に、上記の熱転写シートを用
いた染料画像の形成方法が試みられてきた。そこで、特
開昭62−66997号公報及び特開昭60−2034
94号公報では、染料画像が形成された熱転写受像シー
トの基材シートごと被転写体にラベルの如く貼着する方
法が提案されている。ただ、この方法によれば、貼着部
周囲に熱転写受像シートの厚みに相当する段差が付き、
そこから剥がれやすいという難点があった。しかし、上
記段差の問題については、特開平4−229292号公
報にて、染料画像が形成された染料受容層を熱転写受像
シートの基材シートから剥離し、その染料受容層を被転
写体に接触させて高温に加熱して、染料画像のみを被転
写体に転移させた後、染料受容層を被転写体から剥離す
るという染料画像のみを転写する再転写方法が提案さ
れ、従ってこの方法によれば段差の問題は解決する。
開平4−229292号公報の方法によれば、使用され
る熱転写シートの材料に特に限定がなく、記載された熱
転写シートを用いて被転写体に染料画像を再転写する
と、再転写時の高温加熱により染料が変色してしまうも
のがあることが見いだされた。このため、感熱昇華転写
方式の優れた特徴であるフルカラー画像の再現性を著し
く損ない、原画像の色再現を実質上不可能とするもので
あった。また、再転写による画像形成方法では、中間媒
体として熱転写受像シートを使用するために、熱転写受
像シートに形成された染料画像の染料が完全に最終的な
被転写体に移行すぜに、被転写体に高濃度の染料画像が
得にくいという問題もあった。さらには、移行過程の染
料分子の拡散により画像がぼけ鮮明性が低下するなどと
いう問題もあった。
する染料受容層に染料画像を一度転写した後、染料受容
層を被転写体に接触させて加熱し、染料画像のみを任意
の被転写体に再度転写する画像形成方法の染料画像が高
熱を受ける用途、染料画像を再移行する用途において、
染料の変色がなく、また高濃度で良好な色再現を示す再
転写用熱転写シートを提供することを目的とする。
は、上記課題を解決し目的を達成するために、支持体上
に少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの染料担持層
が設けられ、該染料担持層が熱移行性染料と結着剤樹脂
とを含有する熱転写シートにおいて、熱移行性染料とし
て、耐熱性の優れた下記の式1〜式6の染料を使用し、
イエローの染料担持層が式1,2から選ばれた1種又は
2種の染料を含み、マゼンタの染料担持層が式3と、式
4及び/又は式5の染料を含み、シアンの染料担持層が
式6の染料を含むことを特徴とする再転写用熱転写シー
ト。
で示される特定の化学構造式の染料を用いることに特徴
があり、それ以外の構成は従来公知の熱転写シートの構
成と同じでよい。
5は本発明の熱転写シートの一実施例の縦断面図であ
る。本発明の熱転写シート1は、少なくとも支持体11
と染料担持層12とから構成される。支持体11として
は、熱転写時の熱に耐えうる耐熱性と強度を有するもの
であればよく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、1,4−ポリシクロヘキシレ
ンジメチルテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、セロハン、酢酸セルロース等の
セルロース系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリ
ビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマ
ー等の樹脂等のフィルムが使用できる。またコンデンサ
ー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等、あるいはこれ
らのものと前記樹脂との複合体であってもよい。これら
の中でも一般的なのはポリエチレンテレフタレートフィ
ルムである。
熱伝導性等が適切になるように、用途、素材に応じて適
宜選択すれば良く、一般には例えば、1.5〜50μm
程度、好ましくは2〜10μmである。
される、加熱により昇華又は拡散して被転写材に移行す
る熱移行性を有する染料を任意の結着剤樹脂中に溶解あ
るいは分散することにより担持させた層である。結着剤
樹脂としては、従来公知のものが使用されうる。かよう
な結着剤樹脂として具備すべき特性としては、染料と適
度の親和性があり、且つサーマルヘッド等の加熱手段に
よる加熱により結着剤樹脂中の染料が昇華あるいは拡散
して被転写材としての熱転写受像シート等に転写する移
行性がよく、また染料担持層が露出している場合に加熱
されても結着剤樹脂そのものは被転写材に融着したり転
移したりしないことである。このような結着剤樹脂とし
ては、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、メチルセルロース、硝酸セルロ
ース、酢酸セルロース、酢酸・酪酸セルロース等のセル
ロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセター
ル等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリエス
テル、ポリアミド等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂
は単独又は混合物として使用される。これらのなかでも
耐熱性、染料移行性の点から、特にポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタ
ール系樹脂等を主体とした結着剤樹脂を使用することが
好ましい。
した式1〜式6に示される染料を用いる。式1及び式2
はイエロー、式3、式4及び式5はマゼンタ、式6はシ
アンの色相を示す。これらの染料は単独で用いてもよい
が、特にマゼンタ用の染料は混合使用することが好まし
い。通常、フルカラー画像用の熱転写シートは、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの3色の染料を使用し、さらにこ
れに必要に応じてブラックを加えた4色の染料を使用す
る。熱転写シートとしては、これら複数の色成分を有す
る染料担持層12を、連続した支持体11上に面順次に
形成するのが普通であり、面順次で配列する順番は任意
である。なお、互いに独立した単色の熱転写シートを複
数使うことでもフルカラー印字の目的は達成される。ま
た、本発明の熱転写シートにブラックの染料担持層を形
成する場合には、例えば、式1〜式6で示されるイエロ
ー、マゼンタ、シアンの染料を組合わせることで可能で
ある。
の染料担持層が必須成分として式4及び/又は式5の染
料を含有させるのは、両染料とも耐熱性が高い為に、本
発明の熱転写シートの如く耐熱性の要求される熱履歴を
受ける用途に対して変色が少なく非常に優れた色再現を
もたらすからである。ただ、式4及び/又は式5の染料
のみでは、一旦熱転写受像シート上に、染料画像を形成
した後、マグカップ等の被転写体に染料のみを再転写さ
せると、濃度が低下し、原画や一旦熱転写受像シート上
に形成した染料画像とは異なり、色バランスが悪化する
という問題がある。そこで、本発明の熱転写シートで
は、マゼンタの染料担持層に対して、必須成分の式4及
び/又は式5の染料の他に、更に式3の染料を含有させ
る。式3の染料は式4及び式5の染料に比べて耐熱性は
劣るものの、一回の転写ではもちろん、再転写を行って
も高濃度の染料画像が得られるという効果がある。
い程度に本記録方式において従来使用されている染料を
加えることにより色相調整を行ってもよい。もちろん、
本発明で特定する式1〜式6の染料の範囲内で適宜混合
すれば、例えばマゼンタ用に主として使用される式3〜
式5にイエロー用の式1又は/及び式2、シアン用の式
6を加える等すれば、耐熱性に優れた熱転写シートを得
ることができる。
ロー染料、マゼンタ染料、シアン染料を混合してもよ
く、一般的には、ジアリールメタン系、トリアリールメ
タン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、イ
ンドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロア
ゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチ
ン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キ
サンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシ
アノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン
系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリド
ンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロー
ルアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジア
ゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾに代表される
複素環アゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラ
ン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキ
ノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等の染料が
代表的であり、具体的には以下の様な染料が好ましく用
いられ得る。
51, 3,54,79,60,23, 7,141,201,231 C.I.ディスパースブルー24,56,14,301,334,165,19,72,8
7,287,154,26,354 C.I.ディスパースレッド135,146,59, 1,73,60,167 C.I.ディスパースバイオレット 4,13,26,36,56,31 C.I.ディスパースオレンジ149 C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29 C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,50,49,111,105,97,1
1 C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,19,23,24,143,146,
182 C.I.ソルベントバイオレット13、C.I.ソルベントブラッ
ク 3、C.I.ソルベントグリーン 3
としてカヤセットブルー714(日本化薬製、ソルベン
トブルー63)、フォロンブリリアントブルーS−R(サ
ンド製、ディスパースブルー354 )、ワクソリンAP−
FW(ICI製、ソルベントブルー36)、マゼンタ染料
としてMS−REDG(三井東圧製、ディスパースレッ
ド60)、マクロレックスレッドバイオレットR(バイエ
ル製、ディスパースバイオレット26)、イエロー染料と
してフォロンブリリアントイエローS−6GL(サンド
製、ディスパースイエロー231 )、マクロレックスイエ
ロー6G(バイエル製、ディスパースイエロー201 )、
さらに以下に示す骨格のものが挙げられる。
28451号、同60−28453号、同60−535
64号、同61−148096号、同60−28929
0号、同60−31565号、同60−30393号、
同60−53565号、同60−27594号、同61
−262191号、同60−152563号、同61−
244595号及び同62−196186号及び国際公
開WO92/05032に記載の昇華性イエロー染料、
同60−223862号、同60−28452号、同6
0−31563号、同59−78896号、同60−3
1564号、同60−30391号、同61−2270
92号、同61−227091号、同60−30392
号、同60−30394号、同60−131293号、
同61−227093号、同60−159091号、同
61−262190号、米国特許4,698,651号
及び特願昭62−220793号、米国特許5,07
9,365号に記載の昇華性マゼンタ染料、特開昭59
−78894号、同59−227490号、同60−1
51098号、同59−227493号、同61−24
4594号、同59−227948号、同60−131
292号、同60−172591号、同60−1510
97号、同60−131294号、同60−21726
6号、同60−31559号、同60−53563号、
同61−255897号、同60−239289号、同
61−22993号、同61−19396号、同61−
268493号、同61−35994号、同61−31
467号、同61−148269号、同61−4989
3号、同61−57651号、同60−239291
号、同60−239292号、同61−284489
号、同62−191191号公報及び特願昭62−17
6625号、米国特許5,079,365号等の公報や
明細書に記載の昇華性シアン染料も好適に用いられる。
なかでも、好ましい染料を一般式として例示すると下記
の如くなる。
の置換基を表わす。R1 及びR2 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基、又は置換又は非置換のアラルキル基。R3 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコ
キシ基、置換又は非置換のアルキルカルボニルアミノ
基、置換又は非置換のアルキルスルホニルアミノ基、置
換又は非置換のアルキルアミノカルボニ基、置換又は非
置換のアルキルアミノスルホニル基、又はハロゲン原
子。R4 置換又は非置換のアルコキシカルボニル基、置換又は非
置換のアルキルアミノカルボニル基、置換又は非置換の
アルコキシ基、置換又は非置換のアルキル基、置換又は
非置換のシクロアルキル基、複素環基、又はハロゲン原
子。R5 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアルコ
キシカルボニル基、置換又は非置換のアルキルアミノカ
ルボニル基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は
非置換のアルキルアミノスルホニル基、置換又は非置換
のシクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原
子、又は水素原子。
ル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置換のシ
クロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、又はハロゲン原
子。R7 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアミノ
基、置換又は非置換のアルコキシ基、置換又は非置換の
アルコキシカルボニル基、又はハロゲン原子。R8 置換又は非置換のアリール基、芳香族複素環基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子、又は他の電子吸引基。R9 CONHR10、SO2 NHR10、NHCOR11、NHS
O2 R11、又はハロゲン原子。R10 置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のシクロ
アルキル基、置換又は非置換のアリール基、又は置換又
は非置換の芳香族複素環基。
アルキル基、置換又は非置換のアミノ基、置換又は非置
換のアリール基、又は置換又は非置換の芳香族複素環
基。R12 置換又は非置換のアルキル基。R13 アミノ基、又は水酸基。X ハロゲン原子。Y 置換又は非置換のアリール基、又は置換又は非置換の芳
香族複素環基。
は、昇華(又は溶融)温度、染料移行性等によって適宜
調整するが、通常は、染料担持層の全重量に対して5〜
75wt%、好ましくは10〜60wt%である。5w
t%未満であると熱転写受像シートへの印字濃度や熱感
度が低下し、逆に75wt%を越えると熱転写シートの
保存性や、染料担持層と支持体との密着性が低下する。
は、従来公知の方法によって行えば良い。すなわち、染
料、結着剤樹脂その他任意の添加成分を加えて、これら
を適当な溶剤と共に溶解もしくは分散して染料担持層形
成用塗液又はインキを調整し、これを公知の塗工方法又
は印刷方法によって支持体上に施して、溶剤成分を乾燥
させればよい。このようにして形成する染料担持層12
の厚さは、0.2〜5.0μm、好ましくは0.4〜
2.0μm程度の厚さである。
得られるが、図6に示すように、さらに染料担持層12
の表面上に粘着防止層13を、また熱転写シート1の背
面に滑性層14を設けてもよい。さらに、染料担持層1
2と支持体11、滑性層14と支持体11の密着性を改
良する意味で、コロナ放電処理やアンカー層等の公知の
易接着処理を支持体11に施してもよい。これらの層及
び易接着処理は、一種のみ、あるいは任意の複数の組み
合わせで使用される。
受像シート等の被転写材との熱転写時の融着を防止する
ものであり、粘着防止性の無機粉末を付着させたのみで
もかなりの程度の効果を発揮するが、さらに例えば、ケ
イ素樹脂、アクリル樹脂、フッ素含有樹脂の如き離型性
に優れた離型性樹脂からなる層を0.01〜5μm、好
ましくは0.05〜2μm程度の厚さで設けたものであ
る。あるいは、結着剤樹脂に上記の粘着防止性の離型性
樹脂を混合又はそれらの微粒子や無機微粒子を混合して
染料担持層に含有させても良い。また、ポリシロキサン
セグメント、長鎖アルキル基セグメント、フッ化炭化水
素セグメント等の離型性セグメントを上述した結着剤樹
脂にグラフト重合した離型性結着剤樹脂を用いることも
できる。
背面に接触するサーマルヘッドとの融着を防止し且つ滑
りをよくするためのものであり、通常は耐熱性がある例
えばウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ
素樹脂、あるいはイソシアネートとポリビニルブチラー
ルやポリビニルアセトアセタール等の活性水素含有樹脂
との反応物を用い、さらに必要に応じてこれに公知の帯
電防止剤、滑剤、充填剤等の添加剤を含有させてなる層
を0.5〜5μm、好ましくは1〜2μm程度の厚さで
設けたものである。
要の寸法に断裁した枚葉シートであってもよく、また連
続状あるいは巻き取り状であってもよく、さらに幅の狭
いリボン状であってもよい。
に発揮する熱転写受像シートについて説明する。ここで
いう熱転写受像シートとは、一度熱転写シートから染料
画像の転移を受け、この染料画像を最終的な被転写体に
再度転写するために使用する中間媒体として使用される
ものである。しかし、中間媒体としてではなく、熱転写
受像シート自身が最終的な被転写材として用いるもので
あってもよい。図7に熱転写受像シートの層構成を示
す。熱転写受像シート2は基本的には基材シート21の
片面に染料受像層22を設けた構成ものである。
ト21としては、例えば、ポリオレフィン系やポリスチ
レン系等の合成紙類、アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙等の塗工紙、グラシン紙、コンデンサー紙、パラ
フィン紙等の薄葉紙、上質紙等の紙類、あるいはポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
1,4−ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート
等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セ
ロハン、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ナイロン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、フッ素
樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等の樹脂等のフィルム
類、あるいは不織布類、あるいは例えば、紙類と樹脂フ
ィルム類の積層体、又は紙類に樹脂を塗工した複合体の
ように、上記合成紙類、紙類、樹脂フィルム類相互の複
合体であってもよい。また、樹脂中に白色顔料や充填剤
を添加して成膜して白色不透明化させたり発泡させたシ
ートとして、この上に上記した樹脂の層を溶融押出法等
により設けたものも使用できる。これらのなかでも、天
然パルプを用いた紙類の受容層側面又は両面にポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等の熱
可塑性樹脂を積層した樹脂コート紙がよい。このような
積層体の製造方法としては、溶融押出し法や、フィルム
を接着剤等により貼合する方法等が挙げられる。なお、
基材シートとしては透明又は不透明のものが使用できる
が、熱転写受像シート2を被転写体にあてがって再転写
させる時は、染料画像は裏側になるために、被転写体と
染料画像との位置合わせの点で透明な方が良い場合もあ
る。基材シートの厚みは、最終的な被転写材として用い
る場合は、従来公知の10〜300μm程度の厚みであ
り、再転写に使用する中間媒体として用いる場合、通常
30〜300μm、好ましくは150〜200μmであ
る。
行してくる熱移行性染料を受容して染料画像を保持し、
次いで、最終的な被転写体にその受容した染料画像を熱
により再度移行させる、すなわち放出させる中間媒体と
しての機能を果たす。このような、熱移行性染料の受容
性と放出性という一見矛盾する特性が要求される染料受
容層22であるが、基本的には染料を受容する温度条件
及び染料を放出する温度条件、並びに用いる染料、熱転
写シートの染料担持層及び染料受容層を形成する樹脂等
の材料の選択によって、従来公知の染料受容層22を構
成する樹脂でも、相当の目的は達成される。ただ、好ま
しくは、被転写体への転写時に、被転写体表面と融着を
起こしにくいものを使用するのが良い。
の熱可塑性樹脂が使用でき、例えば、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン等のハロゲン含有樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体等の酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアセタール系
樹脂、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系樹
脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、エチレンや
プロピレン等のオレフィン系モノマーと他のビニルモノ
マーとの共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系
樹脂、ポリアミド、アイオノマー等の一種又は二種以上
の混合物が使用される。
な有機ケイ素化合物を含有させたり、架橋剤を添加して
熱硬化性樹脂としたものは、被転写体と融着を起こしに
くく、好ましいものである。使用する有機ケイ素化合物
としては、アミノ基、水酸基、メルカプト基、エポキシ
基、イソシアネート基、カルボキシル基、ビニル基等の
官能基を含有するシリコーンオイル等の反応性有機ケイ
素化合物をその前駆体として用いる。そして、当該前駆
体としての反応性有機ケイ素化合物と反応しうる官能基
を有する反応性熱可塑性樹脂とを反応させることによっ
て得られる、グラフトポリマーとした有機ケイ素化合物
が先ず挙げられる。なお、ここで反応性熱可塑性樹脂と
は、反応性を有す官能基がありさえすれば、上記した熱
可塑性樹脂群の中から選ばれるものでよい。あるいは、
有機ケイ素化合物として上記以外に、ポリイソシアネー
ト、ポリアミン等の多官能反応性化合物を架橋剤として
用いて、これらと反応しうる官能基を有する、前記反応
性有機ケイ素化合物と前記反応性熱可塑性樹脂とを反応
させてグラフトポリマーとした有機ケイ素化合物でもよ
い。あるいは、ビニル基を有するシリコーンオイル等の
反応性有機ケイ素化合物と、ビニル基やアクリロイル基
等を有する一般的なモノマーとを共重合させてグラフト
ポリマーとした有機ケイ素化合物であってもよい。
を染料受容層を構成する樹脂中に添加すると、グラフト
化された反応性有機ケイ素化合物から構成される枝ポリ
マー部分が染料受容層の表面に分配され、一方、反応性
熱可塑性樹脂から構成される幹ポリマー部分は染料受容
層を形成する樹脂と相溶している結果、染料受容層の表
面に優れた撥油性及び滑り性を付与し、また再転写の際
の被転写体との融着防止効果を付与することも出来る。
料受容層を構成する樹脂100重量部当たり1〜50重
量部の範囲で使用するのが好ましい。添加量が少なすぎ
ると撥油性及び滑り性が不十分となり、望ましい耐指紋
性、耐可塑剤性及び耐擦過性が得られない。逆に添加量
が多すぎると、熱転写シートからの染料の移行性が不十
分となり高濃度の転写画像が得られず、染料受容層の皮
膜強度も低下し、好ましくない。
剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ基を
有するポリエポキシド化合物、ポリアミン化合物、キレ
ート化剤、アルコラート、エステルガム等が挙げられ、
特にチタン系、アルミニウム系、ジルコニウム系のキレ
ート化剤が好ましい。架橋剤の使用量は、架橋剤と反応
性を有す反応性熱可塑性樹脂の種類、官能基数、架橋剤
の分子量、官能基数等によって適宜調整するが、熱可塑
性樹脂100重量部当たり0.5〜20重量部程度が好
ましい。架橋剤の使用により、耐指紋性が向上すると共
に再転写時の被転写体への熱転写受像シートの融着を防
止する効果がある。
るには、従来公知の方法によって行えば良い。すなわ
ち、前記した熱可塑性樹脂、必要に応じて有機ケイ素化
合物や架橋剤、さらにその他任意の添加成分を加えて、
これらを適当な溶剤と共に溶解もしくは分散して染料受
容層形成用塗液又はインキを調整し、これを公知の塗工
方法又は印刷方法によって基材シート上に施して、溶剤
成分を乾燥させ、さらに必要に応じて架橋剤を用いる場
合には加熱硬化させればよい。このようにして形成する
染料受容層22の厚さは、0.5〜20μm、好ましく
は1〜10μm程度であり、特に再転写に使用する場合
には通常1〜10μm程度で好ましくは2〜5μmの厚
さである。
被転写体に染料画像を再転写するに必要な中間媒体とし
て使用する熱転写受像シート2は上記した基材シート2
1と染料受容層22とからの構成物であっても基本的に
は良いが、図8の示すように、さらに基材シート21と
熱転写受像層22との間に染料放出層23を設けると、
熱転写受像シートに転移した染料画像を被転写体へより
確実に移行させることができる。
あり、具体的には、水に親和性の極性基を有する高分子
帯電防止樹脂や、水に親和性の極性基を有するポリビニ
ルアルコール系樹脂等から選んだ一種又は二種以上の混
合物が用いられる。水に親和性の極性基を有する高分子
帯電防止樹脂としては、例えば、水に親和性の極性基を
有するアクリル系共重合体が挙げられる。
重合体の作成において、水に親和性の極性基を有する成
分と共重合させる共重合成分としては、例えば以下のよ
うなものが挙げられる。メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレ
ート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレー
ト、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソ
ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、ター
シャリーブチルアクリレート、ターシャリーブチルメタ
クリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタ
クリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリ
レート、ラウリルトリデシルアクリレート、ラウリルト
リデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、ト
リデシルメタクリレート、セリルステアリルアクリレー
ト、セリルステアリルメタクリレート、ステアリルアク
リレート、ステアリルメタクリレート、エチルヘキシル
アクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、オクチ
ルアクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベ
ンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、アクリ
ル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、
ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドキシプロピルア
クリレート、ヒドキシプロピルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジ
エチルアミノエチルメタクリレート、ターシャリーブチ
ルアミノエチルアクリレート、ターシャリーブチルアミ
ノエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアク
リレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート。
ンジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、デカエチレングリコールジアクリレート、デカエチ
レングリコールジメタクリレート、ペタンデカエチレン
グリコールジアクリレート、ペタンデカエチレングリコ
ールジメタクリレート、ペンタコンタヘクタエチレング
リコールジアクリレート、ペンタコンタヘクタエチレン
グリコールジメタクリレート、ブチレンジアクリレー
ト、ブチレンジメタクリレート、アリルアクリレート、
アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオー
ルジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアク
リレート、トリプロピレングリコールジメタクリレー
ト、ペンタエリストールテトラアクリレート、ペンタエ
リストールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールペンタアクリレート、ネオペン
チルグリコールペンタメタクリレート、ホスファゼンヘ
キサアクリレート、ホスファゼンヘキサメタクリレート
等のモノマー成分が挙げられる。
に限らずそれらのオリゴマーも使用してもよく、更に上
記モノマーの重合体、又は、その誘導体からなるポリエ
ステルアクリレート系(ポリエステルポリアクリレー
ト、ポリエステルメタクリレート、ポリエステルポリメ
タクリレートも含む。以下同様。)、エポキシアクリレ
ート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリ
レート系等のアクリル系反応性重合体も使用できる。
しては、水に親和性の極性基、例えば、第4級アンモニ
ウム塩、スルホン酸塩、酢酸塩等の極性基を上述の共重
合成分に付与したものと、上述の共重合成分との共重合
体を、水に親和性の極性基を有する高分子帯電防止樹脂
として用いることができる。上記した水に親和性の極性
基を有する成分のなかでも、好ましくは水に親和性の極
性基としてアンモニウム塩を形成しうる下記の式8で示
されるモノマーを、前記した各種共重合成分と共重合さ
せて得られるアクリル系共重合体のポリカチオンの高分
子電解質が、水に親和性の極性基を有する高分子帯電防
止樹脂として挙げられる。
はメチル基、エチル基等のアルキル基である。なお、塩
は通常、塩素等のハロゲンを対イオンとして構成され
る。これらの極性基を有するアクリル系共重合体樹脂と
しては、具体的には例えば、樹脂自身が帯電防止効果を
有する高分子帯電防止樹脂として市販されている、ジュ
リマーSP−65T、SP−50T、SP−50TF
(以上、日本純薬(株)製)、エレコンド PQ−50
B(綜研化学(株)製)等が挙げられる。また、ポリビ
ニルアルコール系樹脂としては、酢酸ビニルユニットが
残留した任意のケン化度のものが用いられるが、ケン化
度が小さすぎると染料放出性が低下する。また、親水性
を逸脱しない範囲で、変性した誘導体、あるいは共重合
体としたポリビニルアルコール系樹脂でもよい。
る樹脂中に、白色度、強度、硬度、耐光性等を向上させ
るために、必要に応じて、シリカ、アルミナ、クレイ、
タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機充填
剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フッ素樹
脂、シリコーン樹脂等の樹脂の粒子又は微粒子等の充填
剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等を添加剤
として含有させることもある。このような添加剤の量
は、蛍光増白剤は少なくても良いが、通常樹脂100重
量部あたり10〜300重量部である。
るには、従来公知の塗膜形成方法によって行えば良い。
すなわち、上記の樹脂、その他任意の添加成分を加え
て、これらを適当な溶剤と共に溶解もしくは分散して染
料放出層形成用塗液又はインキを調整し、これを公知の
塗工方法又は印刷方法によって支持体上に施して、溶剤
成分を乾燥させればよい。このようにして形成する染料
放出層23の厚さは、0.5〜10μm、好ましくは1
〜5μm程度の厚さである。
とは反対面に背面層を設けたものもある。背面層はアク
リル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース
系樹脂等を用い、これに必要に応じてシリカ、タルク等
の無機充填剤、フッ素樹脂、シリコーン、ポリアミド樹
脂等の樹脂微粒子、ポリエチレンワックス等のワック
ス、変性シリコーンオイル等の滑剤等を添加したものを
用いる。
れた染料画像を、さらに再転写する被転写体について述
べる。被転写体としは、上記した熱転写受像シートのよ
うに染料画像をプリンタにて形成するのと違い、プリン
タの機構上の制約を受けない。機構状の制約とは、被転
写体の厚さ、大きさ、熱容量、外形形状などである。そ
の結果、任意の形を有する被転写体全てを対象と出来
る。例えば、具体的には図4に示すような、陶器、磁
器、ほうろう、金属、プラスチック等で出来た飲料用の
マグカップ等のコップが挙げられる。このような、曲面
を有する被転写体にも染料画像を形成できる点が、熱転
写受像シートを中間媒体として用いる再転写方法の利点
である。さらに、被転写体としては、従来の直接転写方
式による制限を受けず、例えば、材質としては上記した
様な陶器、磁器、さらにガラス等のセラミックス、金
属、ほうろう、プラスチック等、材質を選ばない。ま
た、形状は、上記したカップ状は一例であり、この他、
ガラス板、プラスチック板、タイル、金属板等の薄板及
び厚板状のもの、円柱状、多角形柱状、湾曲物等であっ
てもよい。あるいは、熱転写受像シートの様に薄いシー
ト状のもであってもよい。
質の限定は受けないが、ガラス、セラミックス等の材
質、あるいはプラスッチクでも、熱転写受像シートから
の染料画像の受容性を確保ないしは向上させて高濃度の
画像を得る目的で、被転写体の表面に染料染着性を有す
る特定の樹脂の層を形成しておくことが良い。かかる樹
脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂等を主体
とする樹脂が好ましい。例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、あるいは臭素化エポキシ樹脂、スチレ
ン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂を硬
化剤として、例えばアミン系化合物、酸無水物系化合
物、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メルカプタン系化合
物、ジシアンジアミド、ルイス酸錯化合物等を用いて硬
化させたものを用いる。被転写体の表面に形成する上記
樹脂の層の厚みは、染料を受容するに足る厚みがあれば
よく、0.5〜30μm程度である。なお、かかる樹脂
層は被転写体の少なくとも被転写面にあれば良い。
として熱転写受像シートを用い被転写体に染料画像を再
転写する方法について述べる。先ず、本発明の熱転写シ
ートを用いた熱転写受像シートへの染料画像の形成は、
従来公知の方法であるサーマルプリンタ、ビデオプリン
タ等の公知の熱転写印刷装置を用いて行えばよい。図1
は、サーマルヘッド5を用いた熱転写印刷装置により、
熱転写シート1から熱転写受像シート2に染料画像3を
形成しているところを示すものであり、このようにし
て、図2に示すように染料画像3が形成された中間媒体
としての熱転写受像シート2aが得られる。
体に染料画像3を再転写させる。図3では、被転写体と
して外表面が二次曲面をしたセラミックス製の飲料用カ
ップであるマグカップ4の外表面に熱転写受像シート2
aを接触させつつあり、これから加熱して再転写せんと
するとこを示している。図4は、染料画像3が再転写し
たマグカップ4aと、染料画像が抜けた熱転写受像シー
ト2bを示している。
た熱転写受像シート2aの染料受容層側面を、被転写体
の被転写面に接触させて加熱することで行う。被転写面
への接触は、熱転写受像シートとの間に空隙があると、
得られる染料画像の濃度が低下したり、ぼけが発生しや
すくなるため、加圧密着する。密着させれば良いのであ
り加圧力は大きい必要はなく、ゴム等の弾性体で熱転写
受像シートを被転写体に圧接するのが好ましい。加熱は
熱転写受像シート側、あるいは被転写体側、あるいは両
面から行い、例えばヒーターを加圧用のゴムの上から覆
って加熱すれば良い。加熱温度、加熱時間は、染料分子
が被転写体側へ十分に移行するに足る温度及び時間で且
つ、熱転写受像シートが被転写体面に融着したり、ある
いは染料が品質を害するほど熱変色したりしない程度を
加えるが、被転写体の耐熱性、熱容量等によって変わっ
てくる。例えば、図3、図4に例示するマグカップのよ
うな被転写体に対しては、通常100〜250℃で1〜
10分程度の加熱を行う。所要時間加熱後、被転写体を
空冷もしくは水冷して温度が室温付近まで冷えてから、
熱転写受像シートを被転写体から引き剥がす。以上で、
被転写体に染料画像が形成される。なお、図4は、この
ようにして得られた染料画像3aが再転写したマグカッ
プ4aと、染料画像が抜けた熱転写受像シート2bを示
している。
用いれば、任意の材料、外形の被転写体へ染料画像を再
転写する方法において、その耐熱性に優れた熱移行性染
料を用いているという特性を有効に発揮することができ
る。また、任意形状への再転写方法は、本発明の熱転写
シートの特性を発揮する一用途であるが、その再転写方
法は、上記した熱転写受像シートごと被転写体に接触さ
せる方法に限定されない。既に述べた特開平4−229
292号公報で提案された熱転写受像シートから染料画
像が転写された染料受像層を剥がし、染料受像層のみを
被転写体に接触加熱する方法であってもよい。
れば、耐熱性に優れる特定の染料を使用する為に、熱転
写シートから染料画像が転写された物体が高温に晒され
る再転写用途で変色がないので、優れた色再現性を示
す。また、マゼンタの色再現においては、耐熱性に優れ
る染料と濃度に優れる染料とを組合わせて使用すること
で優れた色再現性を示す。この結果、一度、熱転写受像
シートに染料画像を転写し、次いで熱転写受像シートを
他の任意の形状をした被転写体に接触させ、高温に加熱
して前記染料画像のみを再度転写する再転写方法におい
て、優れた色再現性を示す。
体的に説明する。説明中、部、又は%とあるのは、特に
断りのないかぎり重量基準である。
理をした厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを用い、その片面に染料担持層として下記組成の染
料担持層形成用塗液を乾燥時塗布量が1.0g/m2になる
ようにグラビアコート法にて塗布、乾燥して本発明の熱
転写シートを得た。なお、各色を塗布した熱転写シート
は面順次につなぎ合わせた。染料担持層形成用塗液 (A) イエロー成分 式1の染料 3部 ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部 (積水化学工業(株)製 KS−5) 溶剤 90部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) (B) マゼンタ成分 式3の染料 1部 式4の染料 1部 式5の染料 1部 ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部 (積水化学工業(株)製 KS−5) 溶剤 90部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1) (C) シアン成分 式6の染料 3部 ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.5部 (積水化学工業(株)製 KS−5) 溶剤 90部 (トルエン/メチルエチルケトン=1/1)
は、実施例1と同様にして本発明の熱転写シートを得
た。 (A) イエロー成分 式1の染料 1.5部 式2の染料 1.5部
した以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得
た。 (A) イエロー成分 式1の染料 3部 (B) マゼンタ成分 式3の染料 3部 (C) シアン成分 式6の染料 3部
た以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。 (A) イエロー成分 式2の染料 3部 (B) マゼンタ成分 式4の染料 3部
以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを得た。 (A) イエロー成分 式1の染料 3部 式3の染料 0.03部 (B) マゼンタ成分 式4の染料 1.5部 式5の染料 1.5部 式2の染料 0.03部 (C) シアン成分 式6の染料 3部 式3の染料 0.03部
リントパックUPC5010Aの熱転写シートとした。
にして得た。基材シートとして、コート紙(新王子製紙
(株)製 サテン金藤 坪量84.9g/m2)の心材の両
面に中密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの1:1
の混合物を溶融押出し法で表裏共30μmにコーティン
グした樹脂コート紙を用い、その片面に染料放出層とし
て下記組成の染料放出層形成用塗液を乾燥時塗布量が
1.5g/m2になるようにバーコート法にて塗布、乾燥し
て、次いで、染料受容層として下記組成の染料受容層形
成用塗液を乾燥時塗布量が3g/m2になるように同様に塗
布、乾燥して熱転写受像シートを得た。 染料放出層形成用塗液 極性基含有アクリル系樹脂(帯電防止樹脂) 20部 (日本純薬(株)製 ジュリマー SP−65T) イソプピルアルコール 80部 染料受容層形成用塗液 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 50部 (電気化学工業(株)製 #1000GK) ポリエステル樹脂 50部 (東洋紡績(株)製 バイロン 600) チタネート系キレート剤 10部 〔 (C3 H7 O)2 Ti(C5 H7 O2 )2 〕 エポキシ変性シリコーン 5部 (信越化学工業(株) X−22−343) メチルエチルケトン/トルエン(1:1) 400部
ラミックス製のマグカップを下記の樹脂組成物の液に浸
漬して、150℃10分間加熱硬化させて、外表面に厚
さ20μmのエポキシ樹脂層を形成した。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100部 (東都化成(株)製 エピコート YD8125) ポリアミド系硬化剤 25部 (東都化成(株)製 グッドマイド G700)
た本発明の熱転写シートをビデオプリンタ((株)日立
製作所製 VY−200)を用いて、市販の熱転写受像
シート((株)日立製作所製 ペーパーインクセット
VY−SX100)に染料画像を先ず転写した。なお、
転写画像は3色重ねのグレースケールとフルカラー人物
画像を用いた。次いで、染料画像が転写された熱転写受
像シートをマグカップ転写機(米国Express社製
Mugpress)を用い、上記の転写機に専用のマ
グカップに再転写した。再転写時の温度は、177℃
(350°F)、ゲージ圧3、3分の条件で行った。
て熱転写受像シート及び被転写体に転写して得られた染
料画像の目視による色再現、また転写濃度の評価結果を
表1に示す。
ように特定の染料を用いて構成されているので、得られ
る染料画像の耐熱性が優れており、その結果、耐熱性が
要求される用途において、変色せず、優れた色再現性を
示すという顕著な作用効果を有する。
トから熱転写受像シートに転写中の工程を示す図)
像が転写された熱転写受像シートを示す図)
写受像シートを被転写体に熱転写する直前の図)
像が転写された被転写体と使用済み熱転写受像シートを
示す図)
写受像シートの縦断面図
熱転写受像シートの縦断面図
Claims (1)
- 【請求項1】 支持体上に少なくともイエロー、マゼン
タ、シアンの染料担持層が設けられ、該染料担持層が熱
移行性染料と結着剤樹脂とを含有する熱転写シートにお
いて、熱移行性染料として、イエローの染料担持層が式
1,2から選ばれた1種又は2種の染料を含み、マゼン
タの染料担持層が式3と、式4及び/又は式5の染料を
含み、シアンの染料担持層が式6の染料を含むことを特
徴とする再転写用熱転写シート。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
Priority Applications (9)
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---|---|---|---|
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EP19980112766 EP0879710B1 (en) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Multicolour thermal transfer dye-donor sheet |
DE69521445T DE69521445T2 (de) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Mehrfarbige farbstoffgebende Schicht für die thermische Übertragung |
DE69507726T DE69507726T2 (de) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Verfahren zur Aufzeichnung eines Bildes auf einem Gegenstand |
EP19980112765 EP0879711B1 (en) | 1994-03-18 | 1995-03-17 | Thermal transfer image-receiving sheet |
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US09/009,944 US6040269A (en) | 1994-03-18 | 1998-01-21 | Method for forming image on object and thermal transfer sheet and thermal transfer image-receiving sheet for use in said method |
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