JP3437850B2 - ピキア・パストリスの酸ホスファターゼ遺伝子 - Google Patents

ピキア・パストリスの酸ホスファターゼ遺伝子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵母宿主システムおよ
び発現ベクターを用いる組換えバイオテクノロジーの分
野に関する。一つの態様において、本発明は、酵母ピキ
ア・パストリス(Pichia pastoris)の
酸ホスファターゼ遺伝子(配列確認番号:1)の一部分
または全部を含む新規なDNA断片に関する。もう一つ
の態様において、本発明は、ピキア・パストリスの酸ホ
スファターゼ遺伝子(配列確認番号:1)に由来する
NA断片を含む新規なベクターに関する。更にもう一つ
の態様において、本発明は、ピキア・パストリスの酸ホ
スファターゼ遺伝子(配列確認番号:1)に由来する
片を含むベクターによって形質転換された宿主細胞に関
する。もう一つの態様において、本発明は、前記に記載
したDNA断片を用いて酵母での異種タンパク質の発現
および/または分泌を促進することに関する。
【0002】
【従来の技術】組換えDNAバイオテクノロジーが近年
発達するに従い、莫大な種類の有用なポリペプチドの微
生物による制御生産が可能になってきた。多くのポリペ
プチド、例えばヒト成長ホルモン、白血球インターフェ
ロン、ヒトインシュリンおよびヒトプロインシュリンな
どが種々の微生物によって既に生産されている。すでに
掌中にある技法を引続き用いることにより、他の種々の
有用なポリペプチド製品の生産が可能になると予想され
る。
【0003】組換えDNA技術の分野で用いられる基本
的技法は、当業者によって周知である。組換えDNA技
術の実施に与えられる好ましい要素としては、制限され
ないが、 (1)1種類またはそれ以上の望ましいポリペプチドを
コードし且つ宿主生物において遺伝子の発現に必要な適
当な調節配列と機能的に関係した遺伝子; (2)遺伝子を挿入することができるベクター; (3)遺伝子を有するベクターを形質転換させることが
できる適当な宿主生物;(4)異種タンパク質の分泌が
望まれる場合に、異種タンパク質を宿主細胞の分泌経路
に、そして次に細胞外へ方向付けることが可能なシグナ
ル配列; (5)形質転換システム;および (6)形質転換体を選択する方法; が挙げられる。
【0004】組換え体遺伝子の構築は、組換え体タンパ
ク質が宿主の分泌経路を通過し且つ増殖培地中に分泌さ
れるように設計することができる。分泌は、いくつかの
理由により組換え体発現の望ましい様式である。第一
に、ある種の異種タンパク質は宿主生物に対する毒性作
用がある。このような異種遺伝子生成物が宿主内に蓄積
されるよりもむしろ分泌される場合には、それらは通常
の細胞機能をほとんど妨げないと考えられる。第二に、
細胞内に産生された場合に不活性であるある種のタンパ
ク質は、分泌された場合には活性である。第三に、培地
への分泌は生成物を回収するために細胞を破壊して開放
する必要をなくする。生成物の精製は、生成物が増殖培
地中に存在する場合には、極めて容易であり且つ原価効
率がよい。そして第四に、組換え体生成物は栄養培地中
に存在するので、所望の生成物を連続的に取り出すこと
ができるし、しかも培地を再使用することができる。
【0005】大部分の分泌されたタンパク質は、シグナ
ルペプチドと称される付加されたアミノ末端延長部分を
含む前駆物質またはプレ−タンパク質の形で細胞内部に
最初に発現される。シグナルペプチドは、付加されたペ
プチドを、限定的な細胞膜中におよび/またはそれを介
して輸送する本質的な役割を果たす。次に、シグナルペ
プチドは、成熟タンパク質生成物を生じる分泌中または
分泌後に、シグナルペプチドによるタンパク質加水分解
によって開裂する。
【0006】異種または外来のタンパク質の分泌は、シ
グナルペプチドをコードするDNAに対して異種DNA
のコード配列を結合させることによって達成することが
できる。このシグナルペプチドをコードするシグナル配
列を単離することが望ましく、それが分泌を容易にする
と考えられる。
【0007】シグナル配列は、発現ベクターの生成にお
いて特に有用である。このようなベクターを用いること
によって、適合した宿主細胞を形質転換することが可能
に成り、その結果、それらは異種遺伝子生成物を産生し
且つ分泌する。酵母宿主から組換え体タンパク質を首尾
よく分泌させるのに用いられてきたリーダー配列の例と
しては、サッカロミセス・セレビシエー(Saccha
romyces cerevisiae)のα型接合因
子、a型接合因子およびキラー毒素遺伝子からのものが
挙げられる。ピキア・パストトリスのようなメチロトロ
ーフ酵母からのシグナル配列の単離は記載されていなか
った。
【0008】好都合に、このようなベクターを用いて異
種遺伝子生成物の発現を調節するプモーターは、シグナ
ル配列と本来的に関係したプロモーターであることがで
きる。シグナル配列と本来的に関係したプロモーターが
高水準のDNA転写を与え且つ外因性環境刺激に対して
反応するならば、それは特に好都合であろう。このよう
なプロモーターの例は、ピキア・パストリスの酸ホスフ
ァターゼ(PHO1)遺伝子の5′調節領域であり(配
列確認番号:2)、それは培地中のリン酸(phosp
hate)塩不存在に対して反応して高水準で転写さ
れ、培地中のリン酸塩の存在によって抑制される。
【0009】ピキア・パストリスのゲノムの正確な位置
で組込みする組換え体DNAの構築によってピキア・パ
ストリス宿主を形質転換するのが望ましいことが多い。
第一および第二の挿入可能なDNA断片としてもそれぞ
れ知られているピキア・パストリスPHO1遺伝子を側
面に位置している5′および3′配列を発現ベクターで
用いてPHO1遺伝子座での組換え体配列の組込みを促
す。組換え体DNAをPHO1遺伝子座で組込む能力は
少なくとも二つの理由で好都合であり、すなわち、
(I)ピキア・パストリスの発生において、発現菌株が
PHO1遺伝子座または別のピキア属遺伝子座で同じま
たは異なる発現カセットの多数のコピーを有すること、
または(2)本来の遺伝子またはメタノール代謝経路の
遺伝子の分断が望ましくない宿主ピキア・パストリス菌
株において、PHO1遺伝子座のみで1種類以上の発現
カセットが安定に挿入されることである。
【0010】PHO1遺伝子が分断された細胞は、付随
して酸ホスファターゼ酵素活性の欠損を示す。PHO1
遺伝子の分断を示すものであるPho表現型は、その
細胞を低リン酸塩指示プレート上で平板培養し且つコロ
ニーを一晩中増殖させることによってスクリーンするこ
とができる。PHO1遺伝子が分断されているコロニー
は白色であるが、完全なままのPHO1遺伝子を有する
このようなコロニーは緑色である。この測色法スクリー
ンにより、発現カセットが正確にPHO1遺伝子座で組
込まれ、それによって遺伝子が分断されている細胞を検
出するための速やかで且つ容易な方法が提供される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、宿主細胞
からのタンパク質の分泌を促進させるシグナル配列を単
離することは当該技術分野にかなり貢献すると考えられ
る。
【0012】更に、高水準のDNA転写のために用意さ
れていると考えられ且つ外因性環境刺激に対して反応す
る5′調節領域を単離することは好都合であると考えら
れる。現在のところ、培地中のリン酸塩不存在に対して
反応して高水準で転写され且つ高生産性発酵酵母ピキア
・パストリスと一緒に用いることができる5′調節領域
は当該技術分野で知られていない。
【0013】更に、酸ホスファターゼ(AP)構造遺伝
子を単離することは好都合であると考えられる。
【0014】酸ホスファターゼ遺伝子の断片を含む新規
なベクターを提供することも好都合であると考えられ
る。
【0015】更に、3′転写終結配列を単離することは
好都合であると考えられる。
【0016】ピキア・パストリスPHO1遺伝子座での
組込みを指示するインテグレイティブベクターを提供す
ることも好都合であると考えられる。
【0017】更に、断片を同定する方法を提供すること
は好都合であると思われる。
【0018】したがって、本発明の一つの態様により、
細胞からのタンパク質の分泌を促進させるシグナル配列
を提供する。
【0019】更に別の態様は、リン酸塩不存在に反応し
て転写された5′調節領域である。本発明のもう一つの
態様は、ピキア・パストリス酸ホスファターゼ構造遺伝
子(配列確認番号:4)のDNA配列である。
【0020】本発明のまた更に別の態様は、少なくとも
1個のポリペプチドをコードする異種DNA配列に対し
て操作可能に結合した(operably linke
d)調節領域および/またはシグナル配列を含む新規な
ベクターであり、前記の調節領域を誘発して前記の異種
DNA配列の発現を促進させることを意味する。
【0021】他の態様として、酸ホスファターゼ遺伝子
からの3′転写終結配列、ピキア・パストリスPHO1
遺伝子座での組込みを指示すると考えられるインテグレ
イティブベクターおよび断片を同定する方法が上げられ
る。
【0022】本発明の他の態様、目的および利点は、以
下の説明、実施例および請求の範囲から明らかになるも
のである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明により、細胞から
のタンパク質の分泌を促進させるピキア・パストリス酸
ホスファターゼ遺伝子(配列確認番号:3)からのシグ
ナル配列を含む新規なDNA断片を提供する。
【0024】本発明の更に別の態様により、ピキア・パ
ストリス酸ホスファターゼ5′調節領域(配列確認番
号:2)を含む新規なDNA断片を提供する。
【0025】本発明の更にもう一つの態様において、ピ
キア・パストリス酸ホスファターゼ(AP)構造遺伝子
(配列確認番号:4)のDNA配列を含む新規なDNA
断片を提供する。
【0026】本発明の更に別の態様により、少なくとも
1個のポリペプチドをコードする異種DNA配列に対し
て操作可能に結合した調節領域および/またはシグナル
配列を含む新規なベクターを提供し、前記の調節領域を
誘発して前記の異種DNA配列の発現を促進させること
を意味する。
【0027】本発明のもう一つの態様において、ピキア
・パストリスの酸ホスファターゼ遺伝子からの3′転写
終結配列(配列確認番号:5)を含む新規なDNAベク
ターを提供する。
【0028】本発明の別の態様により、ピキア・パスト
リスPHO1遺伝子座でのベクターの組込みを促すイン
テグレイティブベクターを提供する。
【0029】本発明の更に別の態様は、断片を同定する
方法を提供することである。
【0030】本発明は、ピキア・パストリスに由来する
酸ホスファターゼ遺伝子にそのプロモーターを含むもの
(または5′調節領域)、転写ターミネーターおよびフ
ランキング配列(flanking sequenc
e)を含む新規な単離されたDNA断片(配列確認番
号:1)を提供する。
【0031】酸ホスファターゼ(AP)は、ピキア・パ
ストリスおよび他の酵母によって無機リン酸塩飢餓の条
件下で分泌される細胞外酵素である。分泌された酸ホス
ファターゼは有機物質からのリン酸塩の放出を触媒し、
それによってそのリン酸塩は細胞の増殖および生存に役
立つ。
【0032】酸ホスファターゼをコードする遺伝子が単
離され且ついくつかの酵母種で研究が行われ、酸ホスフ
ァターゼ遺伝子発現の調節可能な性質は、酸ホスファタ
ーゼプロモーター因子に局限されてきた。無機リン酸塩
の培地濃度が低い条件において、酸ホスファターゼプロ
モーター(または5′調節領域)は刺激され、酸ホスフ
ァターゼ遺伝子は転写され、そして引き続き酸ホスファ
ターゼ酵素に翻訳される。新規に合成された酸ホスファ
ターゼ酵素は有機物質からリン酸塩を放出し且つそのリ
ン酸塩を細胞に対して利用可能にする。リン酸塩濃度の
引き続きの増加は酸ホスファターゼプロモーターを変調
し、酸ホスファターゼタンパク質の必要性の減少と同時
に、酸ホスファターゼ遺伝子の転写が減少する結果とな
る。したがって、酸ホスファターゼプロモーターは、低
いまたは高いリン酸塩濃度によって、それぞれ誘発また
は抑制することができる。ピキア・パストリス酸ホスフ
ァターゼプロモーターの同定および単離は重要である。
酸ホスファターゼ発現の調節は、この発現ついて分析さ
れた酵母種の中で変化するので、ピキア・パストリスで
の酸ホスファターゼ発現について観察された厳密な調節
は、同種のプロモーター配列の利用可能性および使用に
依存することが予想される。
【0033】ピキア・パストリスPHO1遺伝子シグナ
ル配列(配列確認番号:3)の同定および単離は、ピキ
ア・パストリス遺伝子から単離された最初のシグナル配
列であることに加えて、それがメチロトローフ性(me
thylotrophic)酵母から単離された最初の
シグナル配列を示すという点で重要である。それは、ピ
キア・パストリスからの異種タンパク質、例えばtPA
またはインベルターゼの分泌を促すことにおいて、本来
の遺伝子シグナル配列、例えばtPA(組織プラスミノ
ーゲン活性化因子)またはインベルターゼ遺伝子からの
シグナル配列と同等であるかまたはそれより優れている
ことが発見された。
【0034】自律的複製因子として組換え体発現ベクタ
ーを保持する代りにそれらを宿主ゲノムへ組込むことが
望ましいことが多い。組込まれたベクターは、自律的ベ
クターよりも有意に安定であり、しかも本発明の実施に
好ましい。具体的には、本明細書に参考文献として記述
される米国特許第4,882,279号明細書に記載の
線状部位特異性インテグレイティブベクターが好まし
い。このようなベクターは、少なくとも(1)第一の挿
入可能なDNA断片;(2)選択可能な標識遺伝子;お
よび(3)第二の挿入可能なDNA断片;を有する連続
的に配置された配列を含む。
【0035】第一および第二の挿入可能なDNA断片は
それぞれ、ヌクレオチドが少なくとも約200個の長さ
であり且つ形質転換される種のゲノムDNAの位置に対
して相同性であるヌクレオチド配列を有する。インテグ
レイティブベクターの各種成分は、連続的に配置され
て、発現カセットおよび選択可能な標識遺伝子が第一の
挿入可能なDNA断片の3′末端と第二の挿入可能なD
NA断片の5′の間に位置するようにDNAの線状断片
を形成する。第一および第二の挿入可能なDNA断片
は、それらが親ゲノムで位置が定められているように、
連続的に配置された線状断片での互いの関係によって位
置が定められている。
【0036】第一および第二の挿入可能なDNA断片と
して有用なヌクレオチド配列は、ゲノムの変異が生じる
べき本来のゲノム部位の単独の部分と相同であるヌクレ
オチド配列である。したがって、例えば、ゲノム変異が
酸ホスファターゼ遺伝子の座で生じるべきである場合、
用いられる第一および第二の挿入可能なDNA断片は酸
ホスファターゼ遺伝子座の単独の部分に対して相同の配
列でなければならない。ゲノム変異が生じるためには、
2種類の挿入可能なDNA断片は、それらが親ゲノムで
存在しているのと同じ相対的な配置で、線状断片での互
いの関係によって位置が定められなければならない。第
一および第二の挿入可能なDNA断片として用いること
ができるヌクレオチド配列の例は、酸ホスファターゼP
HO1遺伝子、アルコールオキシダーゼAOX1遺伝
子、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼHIS4遺伝子お
よびジヒドロキシアセトンシンテターゼDHAS遺伝子
から成る群より選択されるヌクレオチド配列である。
【0037】第一の挿入可能なDNA断片は、発現カセ
ットで用いられる調節領域を含むことができる操作可能
な調節領域を含むことができる。第一の挿入可能なDN
A断片を発現カセットの調節領域として用いることは本
発明の好ましい実施態様である。所望により、1か所ま
たは複数の挿入部位および3′終結配列を第一の挿入可
能なDNA断片に対して直接3′に置いてもよい。線状
部位特異性インテグレイティブベクターのこのコンホー
メーションには、適合した3′終結配列の追加を必要と
せずに構造遺伝子を挿入するのに用意された部位を与え
るという更に別の利点がある。
【0038】更に、宿主菌株を形質転換するのに用いら
れるDNAには少なくとも1個の選択可能な標識遺伝子
が含まれる必要がある。これにより、形質転換するDN
Aが組み込まれたこのような生物の選択および単離が容
易になる。標識遺伝子は、形質転換生物に対して、非形
質転換宿主が特異的アミノ酸生合成経路での欠点または
抗生物質等に対する耐性を有する場合に宿主が有してい
なかった表現型形質、例えば特異的アミノ酸を産生する
元の能力を与える。代表的な選択可能な標識遺伝子は、
ピキア・パストリスおよびサッカロミセス・セレビシエ
ーからのHIS4遺伝子およびARG4遺伝子;サッカ
ロミセス・セレビシエーからのインベルターゼ遺伝子
(SUC2);および大腸菌転位因子Tn601または
Tn903からのG418Rカナマイシン耐性遺伝子;
から成る群より選択することができる。
【0039】第一の挿入可能なDNA断片が調節領域を
含まない場合、操作可能な発現カセットを与えるため
に、適当な調節領域を挿入して構造遺伝子に操作可能に
結合させる必要がある。同様に、発現カセットを完全に
するのに挿入部位で3′終結配列が与えられていなけれ
ば、3′終結配列を、挿入が行われる構造遺伝子に対し
て操作可能に結合させなければならない。
【0040】宿主細胞に対して有害に作用しないゲノム
の位置で組込みが生じることが重要である。組換え体発
現構築物のピキア・パストリス酸ホスファターゼ遺伝子
座(PHO1)での組込みがピキア属宿主に対して有害
ではなく且つその組換え体配列の安定な組込みを導いた
ということは意外な発見であった。PHO1遺伝子座で
促される組込みは、組換え体発現ベクターにおいて(第
一および第二の挿入可能なDNA断片とも称される)ピ
キア・パストリスPHO1遺伝子を側面に位置する5′
および3′配列を用いることによって行われる。
【0041】もう一つの発見は、形質転換された細胞を
スクリーンするために、PHO1遺伝子座を分断するこ
とによって発現ベクター配列を組込んだものを同定する
方法であった。PHO1遺伝子が分断された細胞は、付
随して酸ホスファターゼ酵素活性の損失を示す。PHO
1の分断を示すものであるPho表現型は、その細胞
を低リン酸塩指示プレート上で平板培養し且つコロニー
を一晩中増殖させることによってスクリーンすることが
できる。PHO1遺伝子が分断されているコロニーは白
色であるが、そのままのPHO1遺伝子を有するこのよ
うなコロニーは緑色である。この測色法スクリーンによ
り、発現カセットが正確にPHO1遺伝子座で組込まれ
た細胞を検出する速やかで且つ容易な方法が与えられ
る。
【0042】ピキア・パストリス酸ホスファターゼ遺伝
子(配列確認番号:1)の部分制限地図を図1に示す。
この遺伝子は、表1に示しているヌクレオチド配列を更
に特徴とする。
【0043】更に、本発明により、ピキア・パストリス
酸ホスファターゼ5′調節領域(配列確認番号:2)、
シグナル配列(配列確認番号:3)、構造遺伝子(配列
確認番号:4)および3′転写終結配列(配列確認番
号:5)を含む新規なDNA断片を提供する。
【0044】下記の表に、ピキア・パストリス酸ホスフ
ァターゼ遺伝子(配列確認番号:1)の配列およびそれ
らの断片を示す。
【0045】 酸ホスファターゼ遺伝子はピキア・パストリス培養物、
例えばピキア・パストリスNRRL Y−11430か
ら、下記の実施例に記載の方法によって回収される(ピ
キア・パストリスNRRL Y−11430は、197
9年1月30日に米国農務省北部地域研究所に寄託され
たものであり、そこから入手可能である)。ピキア・パ
ストリス酸ホスファターゼ遺伝子(配列確認番号:1)
を回収する一般的な方法は、酸ホスファターゼプロー
ブ、例えば、下記の実施例で記載した低リン酸塩(L
P)プローブを用いてピキア・パストリスDNAのライ
ブラリーをスクリーンすることから成る。他のプローブ
は、表1で開示した配列に基づいて選択且つ合成するこ
とができる。プローブのハイブリダイセーションは、当
業者に既知の任意の適当なプロトコルによって行うこと
ができる。ピキア・パストリスライブラリーは当該技術
分野で既知の技法によって調製することができ、制限さ
れないが、グレッグ(Gregg)らによるMol.C
ell Bio.,3376〜3385に記載され
た方法が挙げられる。
【0046】或いは、酸ホスファターゼ5′調節領域
(配列確認番号:2)、シグナル配列(配列確認番号:
3)、構造遺伝子(配列確認番号:4)および3′調節
領域(配列確認番号:5)を、表1〜5に定義の適当な
配列を既知の酵素的手段または化学的手段を用いて合成
することによって得ることができる。適当な手段とし
て、制限されないが、ホスホトリエステル、亜リン酸エ
ステルまたはシアノエチルホスホルアミダイト化学に基
づく化学的方法が挙げられる。
【0047】当業者は、更に、本発明の単離されたピキ
ア・パストリス酸ホスファターゼ5′調節領域(配列確
認番号:2)、シグナル配列(配列確認番号:3)、構
造遺伝子(配列確認番号:4)および3′転写終結配列
(配列確認番号:5)が、引続き単離されたピキア・パ
ストリス酸ホスファターゼ5′調節領域、シグナル配
列、構造遺伝子および3′転写終結配列と比較すると、
生じることがあるクローン変異または配列の誤りによる
極僅かにヌクレオチド数が減少した相違を含むことがあ
ることを認めている。
【0048】ピキア・パストリス酸ホスファターゼ5′
調節領域(配列確認番号:2)、シグナル配列(配列確
認番号:3)、構造遺伝子(配列確認番号:4)および
3′転写終結配列(配列確認番号:5)の変異も行うこ
とができ、例えばリンカーDNAを加えるかまたは突然
変異誘発(例えば、M13突然変異誘発)を行って1か
所または複数の制限部位を与えるかまたは除去すること
等ができる。
【0049】ピキア・パストリス酸ホスファターゼ遺伝
子はいったん回収されると、それを真核性または原核性
プラスミド宿主システムで保持または複製することがで
き、例えばpBR322は大腸菌でまたは当該技術分野
で既知の他の任意の適当なシステムで保持される。
【0050】当業者は、更に、多数の別のDNA配列を
用いられるベクターに組み込むこともできることを認め
ており、例えば、少数の代表的な例だけを挙げると、細
菌のプラスミドDNA、種々の標識遺伝子、バクテリオ
ファージDNA、自律的複製配列および動原体DNAで
ある。
【0051】酸ホスファターゼ5′調節領域(配列確認
番号:2)は、図1および表2に示したように、ヌクレ
オチド 399からおよそヌクレオチド0まで延長して
いるDNA断片内に含まれる。この断片は、少なくとも
1個のポリペプチドをコードする異種DNA配列の5′
末端に操作可能に結合し且つそこに位置した場合に、R
NAに対するDNAの転写を行うことができる。
【0052】本明細書中で開示された酸ホスファターゼ
5′調節領域(配列確認番号:2)を用いるために、図
1および表2に記載した断片を、少なくとも1個のポリ
ペプチドをコードする異種DNA配列に対して操作可能
に結合することができる。本明細書の目的上、異種DN
A配列は、宿主でまたは前記の調節領域との関係で本来
生じないDNA配列の組合わせである。酸ホスファター
ゼ5′調節領域(配列確認番号:2)と操作可能に結合
することができる少なくとも1個のポリペプチドをコー
ドする適当な異種DNA配列として、制限されないが、
組織プラスミノーゲン活性化因子、ヒト血清アルブミン
およびインベルターゼが挙げられる。本発明によって用
いられる異種DNA配列は、5′ATG開始コドンおよ
び3′終結コドンを含んでいなければならないし、更に
mRNAを安定化させるかまたはポリアデニル化を促す
作用をするヌクレオチド配列を含んでいてもよい。
【0053】異種DNA配列に操作可能に結合した酸ホ
スファターゼ5′調節領域(配列確認番号:2)の組合
わせを、適当なベクターに挿入してもよい。多数の酵母
ベクター 宿主組合わせが可能であり且つ当業者に知ら
れている。更に別の配列、例えば細菌または酵母での増
殖増幅または急速な増殖が可能なベクターを与える標識
遺伝子または他の配列も存在することができる。
【0054】酸ホスファターゼ5′調節領域を含むベク
ターによって形質転換することができる適当な宿主細胞
として、酵母、例えばサッカロミセス属、ピキア属およ
びハンセヌラ属(Hansenula)、好ましくはピ
キア属からのもの、最も好ましくはピキア・パストリス
が挙げられる。
【0055】酸ホスファターゼ5′調節領域(配列確認
番号:2)を含むベクターによる適当な宿主細胞の形質
転換は、当業者に既知の任意の適当な形質転換技法によ
って行うことができる。
【0056】酸ホスファターゼ5′調節領域(配列確認
番号:2)は、培地中のリン酸塩濃度によって制御され
る。具体的には、この調節領域は低濃度のリン酸塩によ
って抑制解除される。したがって、5′調節領域は培地
中に存在するリン酸塩濃度を変化させることによって調
節される。
【0057】酸ホスファターゼシグナル配列(配列確認
番号:3)は、図1および表3に示したようなヌクレオ
チド1からおよそヌクレオチド66まで延長しているD
NA断片内に含まれる。本明細書で開示された酸ホスフ
ァターゼシグナル配列(配列確認番号:3)を用いるの
に、図1および表3に記載した断片を、少なくとも1個
のポリペプチドをコードする異種DNA配列に対して操
作可能に結合させることができる。適当な異種DNA配
列として、制限されないが、組織プラスミノーゲン活性
化因子、ヒト血清アルブミンおよびインベルターゼから
成る群より選択されるこのようなDNA配列が挙げられ
る。
【0058】次に、異種DNA配列に操作可能に結合し
た酸ホスファターゼシグナル配列(配列確認番号:3)
の組合わせを適当なプロモーターに結合することができ
る。便宜上、用いられるプロモーターは、リーダー配列
に関係したプロモーターであってもよい。或いは、天然
に存在するPHO1プロモーターを、転写調節に用意さ
れていると考えられる他の異種プロモーターと置き換え
てもよい。適当な異種プロモーターの例は、本明細書中
に参考文献として記述される米国特許第4,808,5
37号明細書で開示されたピキア・パストリスアルコー
ルオキシダーゼ(AOX1)プロモーター(または5′
調節領域)であると考えられる。
【0059】酸ホスファターゼシグナル配列(配列確認
番号:3)を含むこのDNA断片を挿入することができ
る適当なベクターは、前記に記載したように得ることが
できる。更に、シグナル配列をコードするDNA断片を
含んで得られるベクターを用いて形質転換することがで
きる適当な宿主細胞として酵母、例えばサッカロミセス
属、ハンセヌラ属およびピキア属からのものが挙げら
れ、ピキア・パストリスが好ましい。これらの宿主細胞
の形質転換は、当業者に既知の任意の適当な手段によっ
て行うことができる。これらのベクター/宿主システム
の一つによって産生されたタンパク質に対して操作可能
に結合しているシグナル配列は、宿主細胞からの前記の
タンパク質の分泌を促すことができる。
【0060】酸ホスファターゼ構造遺伝子(配列確認番
号:4)は、図1および表4に示したようなヌクレオチ
ド67からヌクレオチド1407まで延長しているDN
A断片内に含まれる。酸ホスファターゼ構造遺伝子(配
列確認番号:4)は、組換えバイオテクノロジーにおい
て様々な目的に用いることができ、例えば、制限されな
いが、(a)分断性相同性組換え(異種DNA配列を酸
ホスファターゼ遺伝子座でピキア・パストリスゲノムに
挿入し、それによって酸ホスファターゼ遺伝子活性を破
壊するための方法)を行うためのDNA構造および
(b)様々な生物検定で用いるための酸ホスファターゼ
タンパク質の製造用である。
【0061】酸ホスファターゼ3′転写終結配列(配列
確認番号:5)は、ポリペプチドの産生をコードするD
NA配列の3′末端に操作可能に結合した場合に、mR
NAの転写を終結させるかまたはmRNAを安定化させ
る。この酸ホスファターゼ3′転写終結配列(配列確認
番号:5)は、図1および表5に示したようなヌクレオ
チド1408からヌクレオチド1594まで延長してい
るDNA断片内に含まれる。酸ホスファターゼ3′転写
終結配列(配列確認番号:5)はポリペプチドをコード
する異種DNA配列に操作可能に結合させることがで
き、そしてそれを用いて酵母、例えばサッカロミセス
属、ハンセヌラ属およびピキア属からの酵母のmRNA
の転写を終結させるまたはmRNAを安定化させること
ができるが、それはピキア・パストリスで用いるのに特
に十分に適している。
【0062】下記の非制限実施例を、本発明の実施を更
に例証するために提供する。
【0063】
【実施例】菌株 これらの実施例において下記の菌株を用いた。
【0064】ピキア・パストリスKM71(AOX1,
his4) ピキア・パストリスGS115(his4)NRRL
Y 15851 ピキア・パストリスGS190(arg4)NRRL
Y 18014 ピキア・パストリスGS247(Ade) ピキア・パストリスKM71:GS102(Mut) ピキア・パストリスGS115:GS102(Mut
+) ピキア・パストリスMD100 20(his4,Ad
e) ピキア・パストリスMB102 26(pho,his
4,Ade) ピキア・パストリスMB102 28ピキア・パストリ
スMB102 51 ピキア・パストリスKM71:pPSU216(Mu
t) ピキア・パストリスGS115:pPSU216(Mu
t+) 大腸菌JM103デルタ(lac pro)thi rp
sl(strA) supE endA sbcB hsdR ボウズ(Bowes)黒色腫tPA過発現細胞系ATC
C#CRL9607(ヒト黒色腫細胞)は、アメリカン
・タイプ・カルチャー・コレクション(America
n Type Culture Collection)
から入手可能である。ピキア・パストリス菌株GS11
5およびGS190は、米国農務省北部地域研究所に寄
託番号NRRL Y 15851およびY 18014
として、それぞれ1984年8月31日および1985
年10月17日に寄託された。それらの微生物の寄託は
ブダペスト条約に基づく国際寄託である。それらはこの
源から入手可能である。
【0065】培地、緩衝液および溶液 下記の実施例で用いた培地、緩衝液および溶液は下記に
示した組成を有する。 LP培地(低リン酸塩) ビオチン 2μg/リットル パントテン酸カルシウム 400μg/リットル 葉酸 2μg/リットル ニコチン酸 400μg/リットル p−アミノ安息香酸 2μg/リットル ピリドキシン塩酸塩 400μg/リットル リボフラビン 200μg/リットル チアミン−HCl 400μg/リットル ホウ酸 500μg/リットル 硫酸第二銅 40μg/リットル ヨウ化カリウム 100μg/リットル 塩化第二鉄 200μg/リットル 硫酸マンガン 400μg/リットル 硫酸亜鉛 400μg/リットル イノシトール 2mg/リットル モリブデン酸ナトリウム 200μg/リットル 硫酸アンモニウム 5 g/リットル 一塩基性リン酸カリウム 30mg/リットル 塩化カリウム 1.5 g/リットル 塩化ナトリウム 1.7 ミリモル 塩化カルシウム 0.68ミリモル 硫酸マグネシウム 4.2 ミリモル TE緩衝液 トリスHCl,pH8.0 10 ミリモル EDTA 1 ミリモル SSPE(×1) NaCl 180 ミリモル NaPO,pH7.7 10 ミリモル EDTA 1 ミリモル SSC(×1) NaCl 150 ミリモル クエン酸ナトリウム 15 ミリモル デンハルト溶液(Denhardt′s solution)(×1) フィコール 200mg/リットル ポリビニルピロリドン 200mg/リットル ウシ血清アルブミン 200mg/リットル REB LiCl 100 ミリモル トリスHCl,pH7.4 100 ミリモル EDTA 0.1 ミリモル PCI フェノール 500ml/リットル クロロホルム 480ml/リットル イソアミルアルコール 20ml/リットル CI クロロホルム 960ml/リットル イソアミルアルコール 40ml/リットルLP指示プレート 、1リットル LP培地 ×1 クエン酸 22.5ミリモル pH4.8 デキストロース 20g 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート
[シグマ(Sigma)] 60mg ノーブル(Noble)寒天[ディフコ(Difc
o)] 25gSCE緩衝液 dH050ml中、 ソルビトール 9.1g クエン酸ナトリウム 1.47g EDTA 0.168g HClでpH5.8に調整、オートクレーブYNB培地 水1リットル中、 アミノ酸不含酵母窒素基剤(ディフコ) 6.75g
【0066】
【実施例I】pLP24の構築 ピキア・パストリスからの酸ホスファターゼ遺伝子(配
列確認番号:1)を単離し且つ確認するために、下記の
実験を行った。ピキア・パストリスGS115(NRR
L Y−15851)を高リン酸塩(HP)[アミノ酸
不含酵母窒素基剤(ディフコ)、2%デキストロースお
よびヒスチジン20mg/リットルから成る]環境およ
び低リン酸塩(LP)[LP培地、2%デキストロース
およびヒスチジン20mg/リットルから成る]環境の
双方においてそれぞれの全容量300ml中で増殖させ
た。細胞をペレットにし、REB10mlで1回洗浄
し、そして30mlのコレックス(Corex)管中で
REB4mlに懸濁させた。次に、ガラスビーズ8gお
よびPCI4mlを加えた。懸濁液を高速のボルテック
スミキサーでそれぞれ20秒間で8回混合し、混合の合
間に氷上で20秒間冷却した。次に、懸濁液を10,0
00×gで10分間遠心分離した。水性(上部)層をP
CI4mlおよびCI4mlで2回抽出した。−20℃
で、pH5.2の3モル酢酸カリウム0.1容量および
エタノール2.5容量を用いて、RNAを水性層から沈
殿させた。ポリARNAを、マニアティス(Mani
atis)ら(Molecular Cloning,
A LaboratoryManual)によって、N
aClの代りにLiClを置換させて選択した。ポリA
RNAの各種類を2μg用いるLPまたはHPのmR
NA標識cDNAプローブの合成も、マニアティスらに
従った。
【0067】YEP13の精製されたピキア・パストリ
スプラスミドライブラリー[ブローチ(Broach)
ら、Gene:8121(1979)]60ngを用い
て大腸菌MC1061を形質転換した[マンデル(Ma
ndel)およびヒガ(Higa)、1970,J.M
ol.Biol.,53:154]。約8,000個の
コロニーが得られた。コロニーを二重のニトロセルロー
スフィルターに移し、アンピシリン100μg/mlお
よびクロラムフェニコール170μg/mlを含むLB
プレート上で増幅させ、標準プロトコルによって溶解し
[グルンステイン(Grunstein)およびワリス
(Wallis)、1979,Methods in
Enzymology68,379〜389)、80
℃で90分間熱処理し、そしてそれぞれのフィルターで
LPかまたはHPのcDNAプローブを用いてハイブリ
ッド形成を行った。ハイブリダイセーションは、ハイブ
リダイセーション溶液1ml当り、2×SSPE、1×
デンハルト溶液、0.2%ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)および標識cDNAプローブ2.5×10cp
mを用いて行った。ハイブリダイセーションは全容量2
5ml中55℃で40時間行った。ハイブリダイセーシ
ョンに続いて、フィルターを2×SSC、0.1%SD
S中室温で2回および2×SSC、0.1%SDS中6
5℃で2回洗浄した後、乾燥させ、そしてX線フィルム
に露出させた。
【0068】HPcDNAプローブによるよりもLPc
DNAプローブによって強くハイブリッド形成し、した
がって、酸ホスファターゼ遺伝子をコードした挿入部分
を含む可能な目的物である24個のゲノムクローンを同
定した。これらの24個のクローンを、LPおよびHP
のプローブを用いる前と同様に再度スクリーンして、再
度スクリーンされたクローンの内14個がLPcDNA
プローブに一層強く再度ハイブリッド形成した。プラス
ミドDNAをこれらの14個のクローンそれぞれから単
離し、EcoRIで消化し、アガロースゲル電気泳動に
よって分離し、二重のニトロセルロースフィルターにブ
ロットし、そして各フィルターをLPかまたはHPのc
DNAを用いて前と同じ条件下でハイブリッド形成させ
た。4個の別個のクローンからの遺伝子断片は、LPc
DNAプローブに対しては強くハイブリッド形成した
が、HPcDNAプローブに対しては弱いかまたは全く
ハイブリッド形成しなかった。次に、これらの断片を、
EcoRI+HindIII、EcoRI+SalI、
およびEcoRI+BamHIの二重消化を用いて制限
地図に示し、LPcDNAプローブを用いて再度ハイブ
リッド形成させた。その断片は、それらの制限地図での
相違によって確認されたように、リン酸塩調節遺伝子と
は無関係の部分をコードした。
【0069】この方法によってLP調節遺伝子をコード
すると確認された領域を、pUC8またはpUC19
[ニュー・イングランド・バイオラブズ(New En
gland Biolabs)]にサブクローン化し
た。結果として生じたプラスミドを32Pを用いてニッ
クトランスレーションによって標識した(マニアティ
ス)。標識プラスミドを用いてLPおよびHPのRNA
のRNAブロット(5μg/ブロット)をプローブし
た。pLP24と同定された元の24個のクローンの内
の一つを、更に別の研究用に選択した。
【0070】
【実施例II】pLP2411の構築 実施例Iで生じ且つピキア・パストリス酸ホスファター
ゼ遺伝子(配列確認番号:1)またはその断片を含むと
考えられるプラスミドpLP24を、下記の方法で更に
確認した。10μgのpLP24をEcoRI/Sal
Iで消化し、その2.1kbの断片をゲル精製した。
【0071】pYM25(NRRL B−18015)
10μgをSphI/SalIで消化し、3.1kbの
断片をゲル精製した。NRRL B−18015は米国
農務省北部地域研究所に1985年10月17日に寄託
されたものであり、そこから入手可能である。5μgの
pUC19をEcoRI/SalIで消化し、PCI抽
出し、CI抽出し、そしてEtOH沈殿させた。Eco
RI/SalIで線状化したpUC19の100μg
を、pLP24の2.1kbのEcoRI/SalI断
片200ngおよびpYM25の3.1kbのSphI
/SalI断450ngと一緒に3部分の連結で、連結
反応用緩衝液20μl+1mmATP+T4−DNAリ
ガーゼ1単位中で連結させた。大腸菌株MC1061を
形質転換させ、正確なプラスミドを、2.1kbのEc
oRI/SalI断片および3.1kbのSphI/S
alI断片の存在によって確認した。
【0072】
【実施例III】pLP2412 PHO1分断ベクタ
ーの構築およびGS190:pLP2412の発生プラ
スミドpLP24に由来するプラスミドpLP2411
(実施例IIを参照されたい)をXbaIで消化し、ク
レノウDNAポリメラーゼで処理してブラント末端を生
じ、そしてプラスミドpYM25からの2.1kbのH
paI断片と連結させた。この断片にはサッカロミセス
・セレビシエーARG4遺伝子が含まれた。(プラスミ
ドpYM25はNRRL B 18015として入手可
能である)。得られるプラスミドをpLP2412と称
した。次に、pLP2412をEcoRIおよびBam
HIで消化した。3.3kbの断片を単離し且つ用いて
ピキア・パストリスGS190(NRRL Y 180
14)をArg+原栄養株に形質転換させた(形質転換
方法は実施例IVに記載している)。アルギニン原栄養
株を、アルギニンを欠いている培地で増殖するそれらの
能力によって確認した。それらを単離し且つLP指示プ
レート上で酸ホスファターゼの存在についてスクリーン
した。コロニーをLP指示プレートにレプリカ培養し且
つ30℃で一晩中増殖させた。LP指示プレート上のコ
ロニーは緑色(PHO1)かまたは白色(php1)で
あった。白色コロニーは、前記からのピキア・パストリ
スゲノムのPHO遺伝子座での分断によって安定に組込
まれた3.3kbの発現カセットを含む形質転換体であ
った。
【0073】安定なArg菌株からのゲノムDNA
を、サザン法フィルターハイブリダイセーションによっ
て分析して発現カセットの位置を決定した。サッカロミ
セス・セレビシエーARG4遺伝子を含む3.3kbの
EcoRI−BamHI断片は、特異的に組込まれ、そ
してpLP2411に含まれたDNA断片に類似したゲ
ノム配列を分断し、それによってこの遺伝子座が酸ホス
ファターゼ(PHO1)をコードしたことが確認され
た。この形質転換体をGS190:pLP2412と称
した。
【0074】
【実施例IV】ピキア・パストリスの形質転換 下記のプロトコルをピキア・パストリスの形質転換で用
いた。
【0075】酵母細胞をYPD培地約10ml中に接種
し且つ30℃で16〜20時間振とう培養した。次に、
細胞をA600が約0.01〜0.1になるまで稀釈
し、YPD培地中30℃で約6〜8時間対数期で保持し
た。YPD培地100mlに、A600が約0.1の種
培養物0.5mlを接種し且つ30℃で約16〜20時
間振とう培養した。次に、A600が約0.2〜0.3
での(約16〜20時間後の)培養物を、ダモン(DA
MON)IEC DPR−6000遠心機を用いて15
00gで5分間遠心分離することによって採取した。
【0076】スフェロプラストを調製するのに、細胞を
滅菌水10ml中で1回洗浄し(前記に記載したように
各洗浄後に遠心分離を行った)、新たに調製したSED
10ml中で1回、滅菌1モルソルビトール10ml中
で1回洗浄し、そしてSCE緩衝液5mlに再懸濁させ
た。4mg/mlのチモリアーゼ(Zymolyas
e)60,000[マイルス・ラボラトリーズ(Mil
es Laboratories)から入手可能]5μ
lを加え、細胞を30℃で約30分間インキュベートし
た。
【0077】スフェロプラスト生成を下記のように監視
した。細胞100μlずつを、5%SDS900μlお
よび1モルソルビトール900μlに対して、チモリア
ーゼを加える前かまたは直後におよびインキュベーショ
ン時間中の種々の時間に加えた。細胞がSDS中には溶
解したがソルビトールには溶解しない時点でインキュベ
ーションを停止した。いったん生成されたスフェロプラ
ストを滅菌1モルソルビトール10ml中で1回、1,
000gで5〜10分間遠心分離することによって洗浄
し、滅菌CaS10ml中で1回、遠心分離によって洗
浄し、そしてCaS0.6mlに再懸濁させた。
【0078】実際の形質転換には、水またはTE緩衝液
中のDNA試料(全容量が最大20μlまで)を、12
×75mmの滅菌ポリプロピレン試験管に加えた。(少
量のDNAには、各試料中に5mg/mlの音波処理し
た大腸菌DNAを約1μl用いて最大の形質転換が生じ
る)。スフェロプラスト100μlを各DNA試料に加
え、室温で約20分間インキュベートした。PEG溶液
1mlを各試料に加え、室温で約15分間インキュベー
トした。試料を1,000gで5〜10分間遠心分離
し、その上澄みを捨てた。ペレットをSOS150μl
に再懸濁させ、室温で30分間インキュベートした。滅
菌1モルソルビトール850μlをそれぞれに加え、そ
の試料を下記に記載したように平板培養した。
【0079】形質転換試料を用意する少なくとも30分
前に、再生寒天10mlをプレート毎に注加した。再生
寒天10mlずつを、形質転換試料がSOS中にある間
中、45〜50℃の浴中で試験管に更に分配した。次
に、試料を試験管に加え、固形底部寒天層を含むプレー
ト上に注加し、そして30℃で3〜5日間インキュベー
トした。
【0080】種々の時点でのスフェロプラスト品質を下
記のように決定した。試料10μlを取出し、1モルソ
ルビトール990μlに加えることによって100倍に
稀釈した。稀釈液10μlを取出し、1モルソルビトー
ルを更に990μlずつ加えた。双方の稀釈液100μ
lをYPD寒天培地上に塗布培養して、調製試料中に残
っている非スフェロプラストの全細胞の濃度を決定し
た。各稀釈液100μlを、宿主によって必要とされる
全アミノ酸40μg/mlを補給した再生寒天10ml
に加えて再生可能な全スフェロプラストを決定した。形
質転換実験に十分な値は、再生可能な全スフェロプラス
トが1〜3×10/mlおよび全細胞数約1×10
/mlであった。
【0081】
【実施例V】酵母DNAの調製 下記のプロトコルをピキア・パストリスDNAの調製で
用いた。
【0082】酵母細胞を、2%デキストロースを加えた
YBN培地100ml中、30℃で、A600が1〜2
になるまで増殖させた後、ダモンIEC DPR−60
00遠心機を2,000gで5分間用いてペレットにし
た。ペレットをdHO中で1回、SED中で1回、1
モルソルビトール中で1回洗浄した後、0.1モルトリ
ス−Cl、pH7.0および1モルソルビトールの溶液
5ml中に再懸濁させた。次に、細胞をチモリアーゼ6
0,000(マイルス・ラボラトリーズ)の4mg/m
lの溶液50〜100μlと混合し、30℃で1時間イ
ンキュベートした。次に、得られるスフェロプラストを
1,000gで5〜10分間遠心分離し、リシスバッフ
ァー[0.1%SDS、10ミリモルトリス−Cl(p
H7.4)、5ミリモルEDTAおよび50ミリモルN
aCl]5ml中に懸濁させた。プロテイナーゼK[ベ
ーリンガー・マンハイム(Boeringer Man
heim)]およびRNアーゼA(シグマ)をそれぞれ
100μl/mlまで加え、その溶液を37℃で30分
間インキュベートした。調製試料と等量のCIとを静か
に混合することによってDNAを除タンパク質し、その
相を12,000gで20分間遠心分離することによっ
て分離した。上部(水性)相を新しい試験管に取出し、
等量のPCIで抽出した。前と同様にその相を分離し、
上部相を、冷100%エタノールが2〜3容量入ってい
る試験管に入れた。試料を静かに混合し、プラスチック
ロッドにスプールすることによってDNAを採取した。
DNAをTE緩衝液1mlに速やかに溶解させ、100
容量のTE緩衝液に対して4℃で一晩中透析した。
【0083】
【実施例VI】完全な長さのPHO1遺伝子の単離 完全ピキア・パストリスPHO1遺伝子(配列確認番
号:1)を含むプラスミドを単離するために、MC10
61の最初のピキア・パストリスゲノムライブラリー
を、前記に記載した条件下で、pLP24からの600
bpのBamHI断片を用いてハイブリッド形成させ
た。この方法で5種類の明確なクローンが確認された。
プラスミドDNAをこれらのクローンから調製し、Ba
mHIで消化し、ニトロセルロースフィルターにブロッ
トし、そして同じ600bpのプローブとハイブリッド
形成させた。5種類のクローンはそれぞれ2.0kbの
BamHI断片を有し、ピキア・パストリスPHO1遺
伝子を含んでいた。クローンの一つを更に別の分析用に
選択し、pLP2420と称した。
【0084】pLP2420の2.0kbのBamHI
断片を、制限酵素で消化された断片をM13(ニュー・
イングランド・バイオラブズから入手可能)にサブクロ
ーン化したものを配列させる標準ジデオキシ法によって
配列させた。その配列を分析することにより、2.0k
bのBamHI断片内に完全に含まれた468個のアミ
ノ酸の読み取り枠が示された。
【0085】
【実施例VII】MB102−26:pLP2430−T1菌株およびM
B102−26:pLP2430−T3菌株の発生 PHO1遺伝を含む2.0kbのBamHI断片を、サ
ッカロミセス・セレビシエーHIS4遺伝子およびpB
R322配列を含むプラスミドであるpYM8のBam
HI部位に連結させた。[pYM8は下記のように調製
することができる。すなわち、pYA2(NRRL B
−15874)10μgをSphI/ThaIで消化
し、3.4kbの断片をゲル精製した。10μgのpB
R322をSphI/NruIで消化し、3.95kb
の断片をゲル精製した。NRRLB−15874は19
84年8月31日に米国農務省北部地域研究所に寄託さ
れたものであり、そこから入手可能である。3.95k
bのpBR322断片100ngと3.4kbのpYA
2断片250ngとを標準条件下で連結させた。正確な
プラスミドを3.1kbのXhoI/SphI断片基準
で確認し、pHM8と称した]。得られるプラスミドを
pLP2430と称し、サッカロミセス・セレビシエー
HIS4遺伝子配列に与えられている偶発的なARS機
能(自律的複製配列)によってピキア・パストリスで自
律的に複製するコンピテントであった。 酸ホスファタ
ーゼ活性を欠いているピキア・パストリス菌株であるG
S190:pLP2412(Pho)(実施例III
を参照されたい)を、ピキア・パストリス菌株MD10
0−20(his4,Ade)と交配した。用いた交
配プロトコルは、本明細書中に参考文献として記述され
る米国特許第4,812,405号明細書に開示された
ものと同様であった。菌株MD100−20を下記のよ
うに発生させた。すなわち、ピキア・パストリス菌株G
S115(his4)NRRL Y−15851の細胞
を菌株GS247(Ade)の細胞と一緒に接合体形
成および二倍体化を促進する既知の条件下で混合し(こ
の方法のプロトコルは、本明細書中に参考文献として記
述される米国特許第4,812,405号明細書で見出
されている)、原栄養性二倍体を選択するためのYNB
+デキストロースプレート上で平板培養した。二倍体菌
株をMD100と称した。MD100を、ピキア・パス
トリス二倍体の胞子形成を誘発させる既知の条件下で培
養し(米国特許第4,812,405号明細書でも開示
されている)、その胞子子孫をYNBデキストロース+
アデニン+ヒスチジンプレート上で培養した。個々のコ
ロニーのアデニンまたはヒスチジン補給なしで増殖する
能力を試験した。ヒスチジン補給なしで増殖することが
できるが、アデニン補給なしでは増殖することができな
い菌株を確認し且つMD100−20と称した。
【0086】この交雑からの二倍体菌株であるMB10
2(Pho/Pho,HIS4/his4,Ade
/Ade)を胞子形成させて(米国特許第4,81
2,405号明細書)半数体子孫を生じた。これらの子
孫を、ヒスチジンまたはアデニンを補給したまたは補給
しないLP指示プレート上およびYNBデキストロース
プレート上でスクリーンして、MB102−26(Ph
,his4,Ade)菌株を単離した。
【0087】菌株MB102−26を、実施例IVに記
載したようにpLP2430を用いて形質転換させた。
His形質転換体を選択し且つLP指示プレート上で
酸ホスファターゼ発現についてスクリーンした(実施例
IIIを参照されたい)。5種類の形質転換体は酸ホス
ファターゼ発現に対して陽性であった。
【0088】これらの形質転換体の内の二つ、すなわ
ち、MB102−26:pLP2430−T1およびM
B102−26:pLP2430−T3の酸ホスファタ
ーゼ発現の適当な調節について分析した。各菌株をHP
またはLP培地でA600が2.0になるまで24時間
増殖させた。各培養物からの細胞の酸ホスファターゼ発
現について、Pho表現型を有する非形質転換HIS
4細胞(MB102−28)およびPhoの野生型表
現型を有するHIS4細胞(MB102−51)(表
I)と比較して分析した[ボスチャン(Bostia
n)ら、1980,Proc.Natl.Acad.S
ci.77,4504〜4508)。形質転換体pL
P2430の誘発水準は野生型菌株の水準と実質的に同
一であった。したがって、pLP2430に挿入された
PHO1遺伝子を含む2.0kbのBamHI断片に
は、完全な酸ホスファターゼコード領域並びに適当なリ
ン酸塩で調節される酸ホスファターゼの発現を与えるの
に十分な配列が含まれた。
【0089】
【0090】
【実施例VIII】インベルターゼの分泌この実施例
で、PHO1シグナル配列(配列確認番号:3)は、
遺伝子に対して操作可能に結合した場合に機能するこ
とを実証する。サッカロミセス・セレビシエーのSUC
2遺伝子を含む2.2kbのSmaIPvuII断片を
pSEYC306から単離し[ジョンソン(Johns
on)ら、Cell,48,875(1987)]、p
AO810かまたはpPSV218のSmaI部位にク
ローン化した(これらの親プラスミドについては実施例
XIおよびXIIを参照されたい)。この方法によりプ
ラスミドpAPINV1およびpAPINV2がそれぞ
れ生じた。これらはピキア・パストリスAOX1プロモ
ーターを用いて、SUC2構造遺伝子へのPHO1シグ
ナル配列(配列確認番号:3)からの読み取り枠の転写
を調節する。
【0091】 プラスミドpAPINV1またはpAPINV2のそれ
ぞれ10μgをBglIIで消化し且つ用いて実施例I
VでのようにGS115を形質転換した。GS115:
pAPINV1と称されるpAPINV1のBglII
断片を含む形質転換体をヒスチジン原栄養株として選択
し、そしてAOX1遺伝子座での適当な組込みおよび分
断を示すMut表現型についてスクリーンした。Mu
tのスクリーンは、グルコース含有培地からのコロニー
をメタノール含有培地へレプリカ培養し且つメタノール
上での増殖速度を評価することによって行われた。メタ
ノール上での遅い増殖はMut表現型を示すものであ
った。GS115:pAPINV2と称されるpAPI
NV2のBglII断片を含む形質転換体もヒスチジン
原栄養株として選択したが、PHO1遺伝子座での適当
な組込みおよび分断を示すPhol表現型についてス
クリーンした(実施例IIIを参照されたい)。
【0092】各クラスの形質転換体を同定し、そしてS
UC2遺伝子がその本来のシグナル配列を含み且つPH
O1シグナル配列を欠いていること以外はpAPINV
1と一致する組込まれたプラスミドを含むピキア・パス
トリス菌株KM71:GS102(Mut)およびG
S115:GS102(Mut)と対比させて、YN
B+2%グリセロール中で培養した。これらの2種類の
菌株は欧州特許第256,421号明細書に記載されて
いる。更に、SUC2配列を欠いていること以外はpA
PINV2と一致する組込まれたプラスミドを含む菌株
KN71:pPSV216(Mut)およびGS11
5:pPSV216(Mut)も同時に培養した。
【0093】各培養物をYBN+2%グリセロール中で
600が約3.0になるまで増殖させた。それぞれの
一部分を取出し、滅菌水で洗浄し、そして10mlずつ
のYBN+0.5%MeOH中に再懸濁させた。Mut
の培養物をA600=0.02でおよびMutの培
養物をA600=0.2で再懸濁させ、30℃で、およ
そA600=0.3〜0.4まで24時間増殖させた。
この時点で、インベルターゼ活性について約1.0mの
OD600が検定された。結果を表IIに示す。
【0094】 結果により、PHO1シグナル配列はSUC2シグナル
配列と同程度に有効に機能してピキア・パストリスから
のインベルターゼ分泌を促進することが明らかに示され
る。
【0095】
【実施例IX】tPA(組織プラスミノーゲン活性因
子)の分泌この実施例で、PHO1シグナル配列(配列
確認番号:3)は、異種遺伝に対して操作可能に結合
した場合に機能することを実証する。
【0096】1.tPAをコードするcDNAの単離 ボウズ黒色腫tPA過発現細胞系であるATCC#CR
L9607が、cDNAライブラリーを構築するのに用
いられたRNA源であった。この細胞系は、tPA配列
をクローン化する他のもので用いられた[ペニカ(Pe
nnica)ら、Nature301:214,19
83;エドルンド(Edlund)ら、PNAS
:349、1983;レモント(Lemontt)
ら、DNA:419,1985]。PolyA+R
NAを単離し、概してマニアティスの方法にしたがって
オリゴdTプライマーにした[Molecular C
loning:A Laboratory Manua
;コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(Cold Spring Harbor Labor
atory)、1982]。RNAを用いて、市販のc
DNAクローニングキット[アマーシャム(Amers
ham)から入手可能]を用いてcDNAを製造し、λ
gtllクローニングベクターに挿入した。挿入部分を
含むλgtllファージを、市販の包装混合物[ストラ
タジーン(Stratagene)から入手可能]を用
いて大腸菌宿主Y1088に感染させた。
【0097】ライブラリーを三通りに平板培養し、ヒト
tPAcDNAの公表された配列から設計された3種類
の異なるオリゴヌクレオチドを用いてプローブした(ペ
ニカら、前記)。cDNAの5′部分、中間部分および
3′部分に対応するオリゴヌクレオチドは下記の配列か
ら構成された。
【0098】 3種類全部のプローブにハイブリッド形成した5種類の
プラークを確認した。これらのクローンの挿入部分の制
限消化物は、公表された制限パターンに基づいてtPA
をコードするものとして同定された(ペニカら、前
記)。クローンは存在する5′非コード配列の程度だけ
が異なった。クローン4およびクローン5を、それらに
EcoRI消化による0.8kb(5′末端)、0.4
7kb(中間)および1.3kb(3′末端)のDNA
挿入部分が含まれていたので、更に確認するために選択
し、それによって完全な長さのt−PAコード配列の存
在が示唆された。クローン4からのBglII断片をB
amHI切断pUC18にサブロクーン化し、その連結
を大腸菌MC1061細胞に形質転換させた。明確な形
質転換体をEcoRI消化によって確認した。読取りの
方向付け(senseorientation)で挿入
部分を有するクローンを、420bp、624bp、7
60bpおよび2.7kbの断片のPstI制限パター
ンによって確認し且つpUC18#3と称した。反対の
読取り方向付け(antisenseorientat
ion)で挿入部分を有するクローンを、420bp、
624bpおよび3.46kbの断片のPstI制限パ
ターンによって確認し且つpUC18#2と称した。挿
入部分は、成熟tPAの最初のアミノ酸の前の2個のヌ
クレオチドから3′非コード配列の1972個のヌクレ
オチドまでをコードしている。
【0099】2.ベクターpT37(PHO1ss−t
PA−pUC)の構築 pU18#2からのtPA挿入をピキア・パストリス発
現プラスミドpAO810にクローン化した。プラスミ
ドpAO810は、ピキア・パストリスAOX1プロモ
ーター、ピキア・パストリスPHO1シグナル配列、A
OX1転写ターミネーター、選択用ピキア・パストリス
HIS4遺伝子、複製開始点f1並びに細菌の複製およ
び選択に必要な配列から成る。pAO810の構築を実
施例XIに記載する。
【0100】1%アガロースゲル上で予め精製したtP
Aの5′部分をコードするpUC18#2の1600b
pのSalI/SamI断片2μgを、XhoI/Sa
mIで消化したpAO810の300ngに連結した。
連結反応を大腸菌MC1061細胞に形質転換させ、a
mpRコロニーを選択した。陽性のものがPstIでの
消化による420bp、620bp、2kbおよび6.
3kbの断片のパターンによって確認された。得られる
ベクターをpT1と称した。特定部位の突然変異誘発を
複製開始点f1ベクターのための標準方法にしたがって
行い、成熟tPAコード配列に対する5′の2個の余分
のヌクレオチドを削除した。突然変異誘発性オリゴヌク
レオチドは配列させると下記であった。
【0101】 正確なプラスミドは、SalI/SbaIで消化したミ
ニプレプ(mini−preps)をスクリーニングす
ることによって確認された。元のベクターpT1の制限
パターンは1.2kb、2.3kbおよび616kbで
あった。正確に突然変異が誘発されたプラスミドのパタ
ーンは1.2kbおよび9.8kbであり且つそれをp
T2−3と称した。
【0102】pUC18#3の50μgをSmaI/S
au3Aで消化した。tPAの3′部分をコードする7
2bpおよび118bpの間の3種類のバンド(75b
p、90bp、110bp)を8%ポリアクリルアミド
ゲル上で精製し、0.5μgのSmaI/BamHI切
断プラスミドpT2−3に連結した。連結を大腸菌MC
1061細胞に形質転換させ、ampRコロニーを選択
した。陽性のものがPvuII/ApaIで消化したミ
ニプレプによって確認された。正確なプラスミドは42
1bpの断片を示した(225bpの断片は不正確であ
った)。正確なベクターをpT37と称した。5′突然
変異誘発は、正確な配列から成ることが示されたが、し
かしながら、配列順序により、プラスミドにはtPA
3′非コード配列の末端に続くpUC18配列が含まれ
ることが示され;プラスミドpT37は、pUC18か
らのSau3A断片、位置1894〜2004、すぐに
続くt−PA配列を有することが示された。
【0103】プラスミドpT37の10μgをStuI
で消化し且つ用いてピキア・パストリス菌株KM71
(aox1、his4)を形質転換した。形質転換体を
ヒスチジン原栄養株について選択した。形質転換体であ
るKM71:pT37を、PHO1シグナル配列が本来
のヒトtPAシグナル配列によって複製され且つ3′末
端でのpUC18配列が除去されたこと以外はpT37
とほぼ一致するプラスミド(pT7)が含まれる菌株K
M71:pT37と対比して、YNB+2%グリセロー
ル中で培養した。pT7の説明を本明細書中下記に記載
する。YNB+2%グリセロール中で増殖する各菌株の
培養物50mlを1リットルの発酵器中に播種し且つ連
続方式かまたはバッチ供給方式で増殖させた。この実験
の結果を表IIIに示す。
【0104】 この実験の結果により、発酵方式とは無関係に、PHO
1シグナル配列(配列確認番号:3)は、ピキア・パス
トリスでのtPA分泌を促進することでは、本来のシグ
ナル配列よりも有効であったということが示される。
【0105】さらに、ミクロエドマン(micro−E
dman)分解分析法により、PHO1シグナル配列
(配列確認番号:3)を用いて菌株KM71:pT3か
らの分泌されたtPAである組換え体のN末端アミノ酸
配列は、培養されたヒト組織(黒色腫)源から精製され
た本来のtPAに一致した。
【0106】3.pT7(tPAss−tPA−no
pUC)の構築 pUC18#3からの約100bpのSmaI/Sau
3A断片5μgを500ngのSmaI/BamHI切
断pT1に連結させた。連結反応を大腸菌MC1061
細胞に形質転換させ、ampRコロニーを選択した。陽
性のものが、ApaI/PvuIIでの消化による26
0bpのバンドよりもむしろ360bpのバンドの存在
によって確認された。変異した3′末端を配列させ、そ
れによって余分なpUC18配列を含まない正確な配列
から成ることが示された。このプラスミドをpT49と
称した。
【0107】真のtPAシグナル配列をコードするオリ
ゴヌクレオチドをプラスミドpT49のXbaI部位に
加えた後、2種類の突然変異誘発を行って、(1)tP
Aシグナル配列と成熟tPAをコードする配列との間に
残っている配列の余分の8個のヌクレオチドを削除し且
つ(2)PHO1シグナル配列を削除した。これらの操
作を下記のように行った。
【0108】下記の配列を有するオリゴヌクレオチドを
合成した(ヌクレオチド109個)。
【0109】 第二のストランドに必要な相補的オリゴヌクレオチド
を、長さがヌクレオチド33個、37個および39個の
3種類のオリゴヌクレオチドとして合成し、それぞれ下
記の配列から成った。
【0110】 完全な長さのオリゴヌクレオチドおよび3種類の相補的
オリゴヌクレオチドにキナーゼを作用させた後、沸騰水
浴中で3分間加熱することによって一緒にアニーリング
し、次に、室温まで徐々に冷却した。アニーリングした
オリゴヌクレオチドを5%ポリアクリルアミドゲルから
分離し且つ単離した。
【0111】XbaIで部分的に線状化したpT49の
200ngを、アニーリングした二重鎖オリゴヌクレオ
チド1μgに連結した。連結反応を大腸菌MC1061
細胞に形質転換させ、ampRコロニーを選択した。正
確に変換されたプラスミドを含むクローンを、AsuI
Iでの消化による追加の700bpのバンドによって確
認した。正確なプラスミドをpT544と称した。
【0112】最初の突然変異誘発を、pT544DNA
(5μg)および下記の配列を有するオリゴヌクレオチ
ド(1μg)を用いる標準f1起点特定部位の突然変異
誘発によって行った。
【0113】 正確なプラスミドをBglII消化によってスクリーン
した。正確な制限パターン(1.1kb、2.8kbお
よび5.3kb)は正確なプラスミドを示すものであ
り、pT64と称した(不正確なプラスミドでは2.8
kbおよび6.3kbのバンドのパターンを示した)。
【0114】第二回目の突然変異誘発を、プラスミドp
T64を用いて行ってPHO1シグナル配列を削除し
た。下記の配列を有するオリゴヌクレオチドを用いた。
【0115】 3μgのpT64および前記のオリゴヌクレオチド0.
4μgで突然変異誘発を行った。ミニプレプをBglI
Iによる消化によってスクリーンした。正確なプラスミ
ドを、寸法が1kb、2.8kbおよび5.3kbの3
種類のDNA断片によって確認した(不正確なプラスミ
ドでは1kbの代わりに1.1kbの最小バンドが示さ
れた)。突然変異誘発を配列順序によって確認し、正確
なプラスミドをpT7と称した。
【0116】
【実施例X】pAPB101:PHO1プロモーター
lacZ発現プラスミドの構築この実施例で、PHO1
プロモーター(または5′調節領域)(配列確認番号:
2)は、異種遺伝子に操作可能に結合した場合に機能す
ることを実証する。lacZ含有プラスミドpSAOH
5(NRRL B 15862)1μgをEcoRIお
よびBamHIで消化し、10.1kbのベクター断片
を0.8%アガロースゲルから単離した。5μgのpL
P2420をEcoRIおよびBclIで消化し、37
5bpのpBR322DNAを含む1.6kbの断片
と、PHO1プロモーター(配列確認番号:2)を含む
1075bpのPHO15′フランキングDNAと、1
23bpのPHO1コード配列とを1%アガロースゲル
から単離した。pSAOH5のEcoRI BamHI
断片100ngおよびpLP2420の1.6kbのE
coRI BclI断片60ngを、1ミリモルATP
およびT4DNAリガーゼ(ベーリンガー・マンハイム
から入手可能)1単位を含むリガーゼ緩衝液の混合物2
0μl中で連結させた。連結反応混合物を大腸菌JM1
03に形質転換させ、形質転換した細胞を、40μg/
mlのX galを含んだLB Ampプレート上に平
板培養した。青色に着色したコロニーを選択し且つLB
Amp中で増殖させ、プラスミドDNAを単離した。
DNAをEcoRIおよびSmaIで消化し、正確なプ
ラスミドを1450bpの断片の放出によって確認し
た。正確なプラスミドをpAPB101と称した。ピキ
ア・パストリスPHO1プロモーター因子(配列確認番
号:2)の調節下に置かれた大腸菌lacZ遺伝子から
成る発現カセットはpAPB101に含まれた。
【0117】非切断pAPB101の10μgをGS1
15スフェロプラストに形質転換させ、ヒスチジン原栄
養株を選択した。12種類のHisコロニーを選択
し、その菌株を高リン酸塩(HP)液およびLP培地で
増殖させ、そしてβ−ガラクトシダーゼ活性について検
定した。陽性の形質転換菌株を、LP培地で増殖後のβ
−ガラクトシダーゼ発現およびHP培地中で増殖後のβ
−ガラクトシダーゼ欠損の基準で同定した。β−ガラク
トシダーゼは、ジェイ・エイチ・ミラー(J.H.Mi
ller)、Experiments in Mole
cular Genetics、コールド・スプリング
・ハーバー・ラブズ、コールドスプリングハーバー、ニ
ューヨーク、1972によって検定された。青色コロニ
ーはLP−X−galプレートで見られ、白色コロニー
はHP−X−galプレートで見られた。
【0118】
【実施例XI】下記のプラスミドを本出願の他の実施例
で用いるのに構築した。
【0119】1.プラスミドpAO810の構築 M13mp19ΔRIを、EcoRIで1μgのM13
mp19を消化し、クレノウを用いて完成させ、そして
完成した断片をそれ自体で連結させることによって構築
し、その連結を用いて大腸菌JM103細胞を形質転換
し、そしてDNAを単離し且つそれをEcoRIで消化
することによって正確なファージを同定した。正確なフ
ァージはEcoRIでは切断されず、それをM13mp
19ΔRIと称した。プラスミドpAO804(その構
築については、参考文献として本明細書中に記述される
WO89/04320に記載されている)をSstIお
よびEcoRVで消化し、約1.2kbの断片を0.8
%アガロースゲルから単離した。(この構築での断片は
全部0.8〜1%アガロースゲルから単離された)。断
片100ngをSstIで消化し且つSmaIたM13
mp19ΔRIの500ngに連結した。連結を用いて
大腸菌JM103細胞を形質転換し、DNAを単離し且
つSstIおよびPvuIIでそれを消化することによ
って正確なファージを同定した。正確なファージを95
0bpの断片の存在によって同定し、pPSV101と
称した。
【0120】1ピコモルのpPSV101に、下記の配
列を有するオリゴヌクレオチド20ピコモルを用いて、
インビトロでのオリゴヌクレオチドに向けられた特定部
位の突然変異誘発を行った。
【0121】 反応混合物を用いて大腸菌JM103細胞を形質転換し
た。BglIIおよびBamHIによるミニプレプDN
Aの消化によって正確なファージを同定し、1.4kb
および0.5kbのDNA断片の存在が示された。正確
なファージをpPSV102と称した。
【0122】プラスミドpPSV102をEcoRIで
消化し、8.5kbの断片500ngを、ピキア・パス
トリスPHO1シグナル配列(配列確認番号:3)をコ
ードする下記の二重鎖合成DNA断片50ngに対して
下記の最適化したピキア属コドンを用いて連結した。
【0123】 連結反応混合物を大腸菌CJ236細胞に形質転換さ
せ、正確なファージDNAを、32Pで標識された酵母
シグナル配列の一つのコードストランドを用いるプラー
クハイブリダイセーションによっておよびSstIおよ
びBamHIによるハイブリッド形成DNAの消化によ
って同定し、700bpの断片が示された。そのプラス
ミドをpPSV103と称した。
【0124】1ピコモルのpPSV103で、配列 を有する20ピコモルのオリゴヌクレオチドを用いてイ
ンビトロで突然変異誘発を行った。正確なファージDN
Aを前記で用いた同じオリゴヌクレオチドによるプラー
クハイブリダイセーションによって同定した。正確なプ
ラスミドをpPSV104と称した。
【0125】プラスミドpPAO810を、HindI
IIによって10μgのpPSV104を消化し且つ
1.2%アガロースゲルから400bpのDNA断片を
単離することによって調製した。この断片50ngをp
AO807(この調製試料は下記に記載される)の0.
8%アガロースゲルから単離される7.9kbのHin
dIII消化生成物250ngと連結させた。連結を大
腸菌MC1061細胞に形質転換させ、ampRコロニ
ーを選択した。BamHIおよびEcoRVでの消化に
よる450bpのバンドの存在によって正確なプラスミ
ドを同定し、pAO810と称した。
【0126】2.pAO807の生成 a.f1−oriDNAの調製 f1バクテリオファージDNA(50μg)を、50単
位のRsaIおよびDraIで(製造者の使用説明書に
したがって)消化してf1複製開始点(ori)を含む
458bpのDNA断片を放出させた。消化混合物を等
量のPCIで抽出した後、水性層を等量のCIで抽出
し、最後に、水性相のDNAを、NaCl濃度を0.2
モルに調整し且つ2.5容量の無水エタノールを加える
ことによって沈殿させた。混合物を氷上(4℃)で10
分間放置し、そしてミクロ遠心機中4℃、10,000
gで30分間遠心分離することによってDNA沈殿を採
取した。 DNAペレットを70%水性エタノールで2
回洗浄した。洗浄したペレットを真空乾燥し且つTE緩
衝液25μlに溶解させた。このDNAに1.5%アガ
ロースゲル上の電気泳動を行って、458bpのf1−
ori断片を含むゲル部分を摘出し、そしてゲル中のD
NAをDE81[ワットマン(Whatman)]紙上
に電気溶離させ且つ1モルNaCl中でその紙から溶離
した。DNA溶液を前記に詳述したように沈殿させ、そ
のDNA沈殿をTE緩衝液25μlに溶解させた(f1
−ori断片)。
【0127】b.pBR322のDraI部位へのf1
−oriのクローニング pBR322(2μg)を2単位のDraIで(製造者
の使用説明書にしたがって)部分的に消化した。PCI
抽出に続いて前記の段階で詳述したようなDNAの沈殿
によって反応を終結させた。DNAペレットをTE緩衝
液20μlに溶解させた。このDNAの約100ng
を、1単位のT4DNAリガーゼと一緒に、連結反応用
緩衝液20μl中、14℃で一晩中インキュベートする
ことによってf1−ori断片(段階a)100ngと
連結させた。70℃まで10分間加熱することによって
連結反応を終結させた後、それを用いて大腸菌株JM1
03を形質転換して、pBR322のDraI部位(3
232位および3251位のヌクレオチド)にクローン
化したf1−oriを含むpBRf1−oriが得られ
た。
【0128】c.pAO807の生成 pBRfl−ori(10μg)を、それぞれ10単位
のPstIおよびNdeIを用いて37℃で4時間消化
した。消化したDNAを、前記の段階1で詳述したよう
に、PCIで抽出し、沈殿させ、そしてTE緩衝液25
μlに溶解させた。この材料に、前記の段階aで詳述し
たように、1.2%アガロースゲル上の電気泳動を行っ
て、fl−oriを含むNdeI−PstI断片(約
0.8kb)を単離し且つTE緩衝液20μlに溶解さ
せた。このDNAの約100ngを、PstIおよびN
deIで消化され且つホスファターゼで処理された10
0ngのpAO804と混合した。pAO804の説明
はWO89/04320に記載されている。この混合物
を、1単位のT4DNAリガーゼと一緒に連結反応用緩
衝液20μl中、14℃で一晩中インキュベートするこ
とによって連結させた。70℃まで10分間加熱するこ
とによって連結反応を終結させた。このDNAを用いて
大腸菌菌株JM103を形質転換してpAO807が得
られた。
【0129】
【実施例XII】pPSV218の構築 pLP2420の1.6kbのEcoRI/BclI断
片200ngと、pPG2.5(下記の説明を参照され
たい)の0.8kbのBglII/HindIII断片
100ngと、pUC8(ニュー・イングランド・バイ
オラブズ・インコーボレーテッド)の2.6kbのEc
oRI/HindIII断片100ngとを、連結反応
用緩衝液20μl容量、1mmATP、T4リガーゼ1
単位中で三つの連結部分で連結し、大腸菌菌株MC10
61にAmp耐性について形質転換させた。[プラスミ
ドpPG2.5は、アルコールオキシダーゼプロモータ
ーを含むpBR322に配置されたpPG4.0(NR
RL B−15868)の2.5kbのEcoRI−S
alI断片である]。耐性クローンを、2.4kbのE
coRI+HindIII断片が含まれたプラスミドに
ついて分析し、正確なプラスミドをpPSV201と称
した。pPSV201の50ngをBamHIで消化
し、脱リン酸化し、そしてBamHI部位をBglII
部位に変換する下記の配列 を有する50倍モル過剰のオリゴヌクレオチドと連結さ
せた。陽性のクローンを、この基準で確認し、そのプラ
スミドをpPSV203と称した。pPSV203の1
0ngを制限量のHindIIIで部分的に消化し、ク
レノウを用いてブラント末端にした。線状の完全な長さ
のプラスミド断片をゲル精製し且つ100μl容量で自
己連結させた。正確なクローンを、1350bpのBg
lII/HindIII断片を含むプラスミドDNA基
準で同定し、正確なプラスミドをpPSV210と称し
た。
【0130】pPL2420の500bpのBglII
−BamHI断片60ngを、BamHIで消化したp
UC8の100ngと連結した。正確なプラスミドを、
422bpのNcoI−BamHI断片基準で同定し、
得られるプラスミドをpPSV202と称した。pPS
V202の50ngをBamHIで消化し、脱リン酸化
し、そしてBamHI部位をBglII部位に変換する
下記の配列 を有する50倍モル過剰のオリゴヌクレオチドと連結さ
せた。正確なプラスミドを、422bpのNcoI/B
glII断片基準で同定し、pPSV204と称した。
【0131】pPSV210の10μgをBglIIお
よびSacIで消化し、700bpの断片をゲル精製し
た。この断片25ngを、pAO810のゲル精製され
た8200bpのBglII/SacI断片100ng
に連結させた。正確なプラスミドを、700bpのBg
lII/SacI断片の存在によって確認し、pPSV
212と称した。pPSV212の10μgをSphI
で消化し、T4DNAポリメラーゼ(マイアティスらに
よる)を用いてブラント末端にし、BglIIで部分的
に消化し、そして800bpの断片をゲル精製した。p
PSV204の10μgをNcoIで消化し、クレノウ
を用いてブラント末端にし、BglIIで消化し、そし
て440bpの断片をゲル精製した。前記に記載したp
PSV212からの8kbの断片100ngをpPSV
204からの440bpの断片15ngに連結させた。
正確なプラスミドを、5500bpのBglII断片基
準で同定し、pPSV218と称した。
【0132】実施例は、本発明の実施を単に例証するた
めに記載したものであり、いずれの方法でも、発明の範
囲または添付の請求の範囲を制限するように読取るべき
ではない。発明の本質および精神から逸脱しない正当な
変更および修正は、望まれる且つ必要とされる特許権保
護の範囲内であると考えられる。
【0133】
【配列表】
(1)一般情報 (i)出願人:リチャード・ジー・バックホルツ(Ri
chard G.Buckholz) (ii)発明の名称:ピキア・パストリス(Pichi
a pastoris)酸ホスファターゼ遺伝子 (iii)配列の数:5 (iv)宛先: (A)住所:リッチモンド、フィリップス、ヒッチコッ
ク・アンド・アンフレット(RICHMND,PHIL
LIPS,HITHCOCK & UMPHLETT) (B)地区:私書箱2443 (C)市名:バートルズビル (D)州名:オクラホマ (E)国名:米国 (F)郵便番号:74005 (v)コンピューター読取り形式: (A)中型:小型ディスク (B)コンピューター:IBM PC (C)操作システム:PC−DOS/MS−DOS (D)ソフトウェア:ディスプレイライト(Displ
ay Write)4 (vi)最近の出願資料 (A)出願番号:07/627,539 (B)出願日:1990年12月14日 (C)分類: (vii)弁理士/代理人情報: (A)氏名:ジャック・イー・フィリップス(Jack
E.Phillips) (B)登録番号:19,903 (C)照会/事件整理番号:32427 (ix)通信情報 (A)電話:1−918−661−0520 (2)配列確認番号:1の情報 (i)配列の特徴 (A)長さ:1994bp (B)種類:核酸 (C)ストランド:一重 (D)位相:線状 (ii)分子種類:ゲノムDNA (xi)配列種類:配列確認番号:1 (2)配列確認番号:2の情報 (i)配列の特徴 (A)長さ:400bp (B)種類:核酸 (C)ストランド:一重 (D)位相:線状 (ii)分子種類:ゲノムDNA (xi)配列種類:配列確認番号:2 (2)配列確認番号:3の情報 (i)配列の特徴 (A)長さ:66bp (B)種類:核酸 (C)ストランド:一重 (D)位相:線状 (ii)分子種類:ゲノムDNA (xi)配列種類:配列確認番号:3 (2)配列確認番号:4の情報 (i)配列の特徴 (A)長さ:1341bp (B)種類:核酸 (C)ストランド:一重 (D)位相:線状 (ii)分子種類:ゲノムDNA (xi)配列種類:配列確認番号:4 (2)配列確認番号:5の情報 (i)配列の特徴 (A)長さ:187bp (B)種類:核酸 (C)ストランド:一重 (D)位相:線状 (ii)分子種類:ゲノムDNA (xi)配列種類:配列確認番号:5
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ピキア・パストリス酸ホスファターゼ
遺伝子(配列確認番号:1)の制限地図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:84) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/09 C12N 1/19 C12P 21/02 SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピキア・パストリス(Pichia p
    astoris)の酸ホスファターゼ遺伝子(配列確認
    番号:1)を含む単離されたDNA断片。
  2. 【請求項2】 前記のDNA断片が以下の制限地図 【化1】 を有する請求項1に記載のDNA断片。
  3. 【請求項3】 前記のDNA断片が下記のヌクレオチド
    配列 【化2】 【化3】 【化4】 を有する請求項1に記載のDNA断片。
  4. 【請求項4】 ピキア・パストリスの酸ホスファターゼ
    5′調節領域(配列確認番号:2)を含む単離されたD
    NA断片。
  5. 【請求項5】 ピキア・パストリスの酸ホスファターゼ
    シグナル配列(配列確認番号:3) 【化5】 を含む単離されたDNA断片。
  6. 【請求項6】 前記のDNA断片が、少なくとも1個の
    ポリペプチドをコードする異種DNA配列に対して操作
    可能に結合している請求項5に記載のDNA断片。
  7. 【請求項7】 前記の異種DNA配列が組織プラスミノ
    ーゲン活性化因子をコードする請求項6に記載のDNA
    断片。
  8. 【請求項8】 タンパク質の分泌を、ピキア・パストリ
    スの酸ホスファターゼ遺伝子由来のシグナル配列(配列
    確認番号:3)の存在によって指示する、真核細胞から
    タンパク質を分泌させる方法。
  9. 【請求項9】 前記の真核細胞が酵母細胞である請求項
    8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記の酵母がピキア・パストリスであ
    る請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記のタンパク質が組織プラスミノー
    ゲン活性化因子である請求項8、9および10のいずれ
    か1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ピキア・パストリスの酸ホスファター
    ゼ構造遺伝子(配列確認番号:4)を含む単離されたD
    NA断片。
  13. 【請求項13】 前記のDNA断片が以下の制限地図 【化6】 を有する請求項12に記載のDNA断片。
  14. 【請求項14】 前記のDNA断片が下記のヌクレオチ
    ド配列(配列確認番号:4) 【化7】 【化8】 【化9】 を有する請求項12に記載のDNA断片。
  15. 【請求項15】 ピキア・パストリスの酸ホスファター
    ゼ3′転写終結配列(配列確認番号:5)を含む単離さ
    れたDNA断片。
  16. 【請求項16】 前記のDNA断片が以下の制限地図 【化10】 を有する請求項15に記載のDNA断片。
  17. 【請求項17】 前記のDNA断片が下記のヌクレオチ
    ド配列(配列確認番号:5) 【化11】 を有する請求項15に記載のDNA断片。
  18. 【請求項18】 異種ポリペプチドコードDNA配列に
    操作可能に結合した、配列確認番号2に記載のピキア・
    パストリス由来の酸ホスファターゼ5′調節領域で形質
    転換された適当な宿主細胞を、リン酸塩濃度が発現をも
    たらす媒質と接触させることを含む、宿主細胞からポリ
    ペプチドを発現させるための方法。
  19. 【請求項19】 前記の宿主細胞がピキア・パストリス
    である請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記の異種DNAが、それに対して操
    作可能に結合したシグナル配列を更に含む請求項18ま
    たは19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記のシグナル配列がピキア・パスト
    リスの酸ホスファターゼシグナル配列(配列確認番号:
    3)である請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 5′調節領域に対して操作可能に結合
    したピキア・パストリスの酸ホスファターゼシグナル配
    列(配列確認番号:3)を含む単離されたDNA断片。
  23. 【請求項23】 前記の5′調節領域がピキア・パスト
    リスの酸ホスファターゼ5′調節領域(配列確認番号:
    2)である請求項22に記載のDNA断片。
  24. 【請求項24】 前記の5′調節領域がピキア・パスト
    リスのアルコールオキシダーゼ(AOX1)5′調節領
    域である請求項22に記載のDNA断片。
  25. 【請求項25】 前記のDNA断片が少なくとも1個の
    ポリペプチドをコードする異種DNA配列に対して操作
    可能に結合している請求項22、23または24に記載
    のDNA断片。
  26. 【請求項26】 前記の異種DNAが組織プラスミノー
    ゲン活性化因子をコードする請求項25に記載のDNA
    断片。
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