JP3436265B2 - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP3436265B2
JP3436265B2 JP2001313546A JP2001313546A JP3436265B2 JP 3436265 B2 JP3436265 B2 JP 3436265B2 JP 2001313546 A JP2001313546 A JP 2001313546A JP 2001313546 A JP2001313546 A JP 2001313546A JP 3436265 B2 JP3436265 B2 JP 3436265B2
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禎人 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技価値払出装置
から不正に遊技価値を払い出すために、不正操作者によ
る不正操作の対象となる複数の不正対象を、装置筺体内
部に収容した遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような遊技機としては、パチンコ店
等に設置され、遊技者が遊技価値であるメダルの獲得を
目指してゲームを行うスロットマシンが知られている。
スロットマシンでは、不正にメダル獲得を図ろうとする
不正操作者による不正を防止することが重要であり、従
来から種々の不正防止策が提案されている。例えば、ゲ
ーム内容が制御回路基板により制御されているスロット
マシンでは、制御回路基板が不正操作者の不正操作対象
になっている。そのため、その制御回路基板をケースに
収容し、かつ、そのケースを容易に開閉できないような
カシメ構造にして不正を防止している。これによれば、
不正操作者が制御回路基板に不正操作を施そうとする場
合、カシメ構造のケースにより保護されているので、そ
の不正操作がしずらく、その操作に時間を要することに
なり、制御回路基板に対する不正操作を防止することが
できる。
【0003】また、近年では、上記制御回路基板以外に
も、店舗の営業方針等に応じて遊技者に対するメダル払
出率を変更するために店員(オペレータ)により操作さ
れる確率変更設定スイッチ(払出率設定装置)や、モー
タを駆動してバケットに貯留されているメダルをメダル
受皿に排出するホッパ装置(遊技価値払出装置)など
も、不正操作者の不正操作の対象となっている。そのた
め、ホッパ装置や確率変更設定スイッチに対しても、そ
れぞれ個別にカバーを設ける等して、上記制御回路基板
の場合と同様の不正防止を図っている。さらに昨今で
は、不正操作対象が個別の装置だけでなく、各装置間を
接続するケーブル類にまでも、不正操作が及んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来は、不
正操作の対象が発覚したら、その不正操作の対象に対し
て個別に不正操作防止策を施すという方法で不正操作の
防止を図っていたため、次々と発覚する新しい不正操作
を予想して予め、効果的に対処することができていなか
った。また、不正操作対象に対して個別に不正防止策を
施すことは、コストの増大にもつながるという問題もあ
る。
【0005】本発明は、以上の問題に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、従来よりも低コスト
で、効果的に不正を防止することが可能な遊技機を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、遊技者に対し、そのゲーム結果
に応じて遊技価値を払い出す遊技価値払出装置と、上記
遊技価値払出装置から不正に遊技価値を払い出させるた
めに、不正操作の対象となる複数の不正対象と、遊技者
と対面する側が開口しており、上記遊技価値払出装置及
び上記複数の不正対象を収容する装置筺体と、上記装置
筺体の開口を覆って該装置筺体を閉塞するための開閉可
能な筺体前面閉塞手段とを有する遊技機において、上記
開口側から上記複数の不正対象を、単一の部材で遮蔽す
る遮蔽手段を、1又は2以上備え、該遮蔽手段が遮蔽状
態にあるとき、該遮蔽手段が非遮蔽状態になることを禁
止する、上記筺体前面閉塞手段の施錠手段とは別の施錠
手段を設け、該単一の部材で遮蔽される複数の不正対象
の1つは、上記遊技価値払出装置であり、該単一の部材
は、該複数の不正対象を遮蔽している遮蔽状態のまま、
上記筺体前面閉塞手段を開口状態にして該遊技価値払出
装置の遊技価値貯留部に遊技価値を補給することが可能
な形状を有することを特徴とするものである。
【0007】この遊技機は、スロットマシン等のよう
に、遊技価値払出装置により、ゲーム結果に応じて遊技
価値を遊技者に払い出すものである。この遊技機は、遊
技者と対面する側(以下、「前面側」という。)が開口
した装置筺体と、その装置筺体の前面開口を覆って装置
筺体を閉塞するための開閉可能な筺体前面閉塞手段とを
備えている。この装置筺体の中には、遊技価値払出装置
から不正に遊技価値を払い出させるために不正操作の対
象となる複数の不正対象が収容されている。この不正対
象としては、まず、遊技価値払出装置が挙げられる。こ
の遊技価値払出装置は、遊技価値の払い出しに直接的に
関与するため、この遊技価値払出装置に対して不正がな
されると、その不正による損害が大きく、不正防止の重
要度が比較的高い。また、不正対象としては、例えば、
遊技者に対する遊技価値の払い出しに関与するものが挙
げられ、具体的には、遊技価値払出装置の払出動作を制
御するものが挙げられる。このような装置としては、例
えば、遊技価値が払い出される確率や払い出される遊技
価値の量に関与する遊技制御回路基板、あるいは、上記
制御のための信号を遊技価値払出装置に送信したり、遊
技価値払出装置の払出動作の駆動源に電力を供給したり
するためのケーブル類等が挙げられる。スロットマシン
を例に挙げると、遊技制御回路基板とは、所定の払出率
に従って行われる内部抽選等を制御するためのメイン制
御回路基板、及び、所定の賞群が内部抽選により当選し
た旨を視覚的又は聴覚的に報知する報知手段による報知
等を制御するサブ制御回路基板をいう。また、遊技制御
回路基板等が行う払出動作制御の制御内容を変更する装
置も不正対象となる。このような装置としては、例え
ば、遊技価値を払い出す確率に関与する上述した確率変
更設定スイッチ等が挙げられる。また、遊技価値払出装
置自体も、遊技価値の払い出し動作に直接関与するの
で、不正対象に含まれる。また、遊技者に対する遊技価
値の払い出しに関与しないものであっても、外部から内
部が視認できず、内部に不正な機器等を設置するスペー
スを有する電源ボックス等の箱状部材などは、上記不正
対象となる。ここで、本請求項の遊技機では、前面側か
遊技価値払出装置を含む複数の不正対象を単一の部材
で遮蔽する遮蔽手段を、1又は2以上備えている。これ
により、不正操作者が筺体前面閉塞手段を不正に歪める
などして前面側からそれらの不正対象に不正操作を行お
うとしても、遮蔽手段によりそれらの不正対象への接触
を妨げることができる。また、本遊技機では、遊技価値
払出装置を含む複数の不正対象の前面側を単一の部材で
遮蔽しているので、複数の不正対象に対して遮蔽手段を
設ける等の不正防止策を個別に施していた従来の遊技機
に比べて、装置構成の簡略化、部品点数の低減が可能と
なり、低コストで不正防止を図ることが可能となる。こ
こで、単一の部材とは、前面側から複数の不正対象を遮
蔽するものであって、破壊又は分解しなければ物理的に
分離させることが不可能なものをいう。よって、例えば
単一の部材が扉部材である場合、1枚の板材からなる扉
部材だけでなく、複数の板材を格子状のフレームにはめ
込んで形成された扉部材なども、ここでいう単一の部材
である。また、本遊技機は、単一の部材で遮蔽すること
で複数の不正対象に対して一括した不正防止策を施すこ
とができるので、遊技機メーカー等は、既に不正が発覚
している不正対象だけでなく、これに近接して配置さ
れ、かつ、未だ不正されている事実は発覚していないが
不正されるおそれのある不正対象も、ついでに遮蔽手段
で遮蔽しようとする発想を契機させることができる。こ
れにより、不正防止の予防が促進でき、既に発覚してい
る不正だけでなく、未発覚の不正も比較的容易に防止す
ることが可能となる。尚、遮蔽手段は、単一の部材で複
数の不正対象を遮蔽する遮蔽状態と複数の不正対象を遮
蔽しない非遮蔽状態とを切換可能な構成としてもよい。
また、遮蔽手段は、上記単一の部材が不正操作者により
変形させられたり破壊されたりしない限り、遮蔽状態が
維持されるような構成であってもよい。また、不正行為
は、メンテナンスのために筺体前面閉塞手段を施錠する
ための鍵を不正に複製し、その複製した鍵を使用して筺
体前面閉塞手段を開け、不正対象である制御回路基板を
不正な制御回路基板に交換するなどの不正行為を行うこ
とがある。このような不正も防止できるように、遮蔽手
段は、複数の不正対象の前面側だけでなくその四方を単
一の部材で遮蔽する構成としてもよい。この場合、不正
に複製した鍵を使用して筺体前面閉塞手段を開けても、
不正対象を簡単に操作できないので、上述した不正行為
も防止することが可能となる。また、本請求項の遊技機
においては、扉手段が閉じられて遮蔽手段が遮蔽状態に
あるとき、施錠手段により扉手段が開いて非遮蔽状態に
なることが、上記筺体 前面閉塞手段の施錠手段とは別の
施錠手段により禁止される。例えば、上記扉手段の一端
部を、装置筐体内部の一側面に回動自在に取り付けた場
合、その扉手段の他端部とその一側面の反対側面とが組
み合う部分を、上記別の施錠手段により留める。本遊技
機では、筺体前面閉塞手段を施錠するための鍵とは異な
る施錠手段の施錠状態を解除する鍵がなければ、扉手段
を開けて遮蔽手段の遮蔽状態を解くことができないの
で、その鍵を持っていなければ、例え筺体前面閉塞手段
を非閉塞状態にできたとしても、その扉手段により遮蔽
されている不正対象に対して不正を働くことが困難とな
る。したがって、営業中のメンテナンスのために筺体前
面閉塞手段を施錠するための鍵を所持している店員等に
よる不正を効果的に防止することが可能となる。また、
遊技価値払出装置がバケット(遊技価値貯留部)に貯留
されているメダル(遊技価値)から遊技者に対するメダ
ルを払い出す構成である場合、そのバケット内のメダル
残量が少なくなる又は空になることがゲーム中断原因と
なる。そのとき、店員等は、そのバケットにメダルを補
給する措置を施すことになる。このため、本遊技機で
は、複数の不正対象を遮蔽している遮蔽状態のまま、上
記筺体前面閉塞手段を開口状態にして遊技価値払出装置
の遊技価値貯留部に遊技価値を補給することが可能な形
状を有する単一の部材で、複数の不正対象を遮蔽してい
る。例えば、遮蔽手段が遮蔽状態のままでも、店員等が
遊技価値払出装置の遊技価値貯留部に対して上記措置を
施すことができるように、その単一の部材の対応部分に
開口を設けたり、切欠部を設けたりする。その結果、従
来と同様のメンテナンス性を維持したまま、遮蔽手段に
より不正対象を適切に遮蔽することができる。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1の遊技
機において、上記遮蔽手段は、上記装置筺体における開
口の少なくとも一部を遮蔽するように該装置筐体に取り
付けられた単一の部材で、上記開口側から上記複数の不
正対象を遮蔽することを特徴とするものである。
【0009】この遊技機においては、装置筺体における
開口の少なくとも一部を遮蔽するように装置筐体に取り
付けられた単一の部材で、複数の不正対象の前面側を遮
蔽するので、この単一の部材で遮蔽される複数の不正対
象に対する構成変更は全く必要ない。よって、複数の不
正対象を備える既存の遊技機に対して遮蔽手段を適用す
ることが容易となる。
【0010】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
の遊技機において、上記筺体前面閉塞手段を開口状態に
して、遊技者のゲーム中に発生したゲーム中断原因を解
決し、遊技者のゲームを再開させるための措置を施す対
象となる遊技再開措置対象装置を備えており、上記遮蔽
手段は、上記複数の不正対象を遮蔽している遮蔽状態の
まま上記措置を施すことが可能な形状を有する単一の部
材で、上記開口側から上記複数の不正対象を遮蔽するこ
とを特徴とするものである。
【0011】この遊技機においては、遊技者のゲーム中
にゲーム中断原因が発生したとき、店員等により、筺体
前面閉塞手段を開口状態にし、そのゲーム中断原因を解
決して遊技者のゲームを再開させるための措置を施す対
象となる遊技再開措置対象装置を備えている。ゲーム中
断原因は、メダルが詰まったり、メダルが不足したりと
いうメダルに関連することが多く、一般に、その原因を
解決するための措置を施す必要がある遊技再開措置対象
装置は、不正操作をしても不正にメダルを獲得すること
が困難である。このため、本遊技機では、遮蔽手段によ
り不正対象を遮蔽している遮蔽状態のままでも遊技者の
ゲームを再開させるための措置を施すことが可能な形状
を有する単一の部材で、複数の不正対象を遮蔽してい
る。例えば、その単一の部材で遮蔽される複数の不正対
象の間に遊技再開措置対象装置が設置されている場合、
遮蔽手段が遮蔽状態のままでも、店員等が遊技再開措置
対象装置に対して上記措置を施すことができるように、
その単一の部材の対応部分に開口を設けたり、切欠部を
設けたりする。その結果、不正対象の間に遊技再開措置
対象装置が設置されているなど、装置筐体内部の装置配
置に関係なく、従来と同様のメンテナンス性を維持した
まま、遮蔽手段により不正対象を適切に遮蔽することが
できる。
【0012】また、請求項4の発明は、請求項1、2又
は3の遊技機において、上記遮蔽手段は、上記単一の部
材で遮蔽されている複数の不正対象を上記開口側から視
認できる構成を有することを特徴とするものである。
【0013】この遊技機においては、上記単一の部材に
より遮蔽されている複数の不正対象を前面側から視認で
きる構成を有するので、仮に不正対象に対して不正な機
器が取り付けられる等の不正がされた場合であっても、
その不正をいち早く発見することができる。尚、例え
ば、遮蔽状態にある遮蔽手段における不正対象に対応す
る上記単一の部材の一部又は全部を透明部材で形成す
る。
【0014】また、請求項5の発明は、請求項1、2、
3又は4の遊技機において、上記単一の部材は、上記複
数の不正対象を遮蔽する遮蔽状態と該複数の不正対象を
遮蔽しない非遮蔽状態とを切り換えるべく開閉可能な扉
手段であることを特徴とするものである。
【0015】この遊技機においては、上記単一の部材が
開閉可能な扉手段であるので、不正対象をメンテナンス
するときなど遮蔽状態を解く必要があるときに、そのメ
ンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0016】
【0017】
【0018】また、請求項の発明は、請求項1、2、
3、4又の遊技機において、上記遮蔽手段は、上記
単一の部材で上記複数の不正対象を遮蔽する遮蔽状態と
該複数の不正対象を遮蔽しない非遮蔽状態とを切換可能
な切換手段を有しており、上記遮蔽手段が非遮蔽状態に
あるとき、上記単一の部材で遮蔽される装置への電源供
給を遮断する電源供給遮断手段を備えることを特徴とす
るものである。
【0019】この遊技機においては、遮蔽手段が非遮蔽
状態にあるとき、電源供給遮断手段により、上記単一の
部材で遮蔽される少なくとも一部の装置への電源供給が
遮断される。尚、ここでいう非遮蔽状態には、不正対象
が完全に遮蔽されていない状態だけでなく、上記単一の
部材が不正に歪められる等して正常な遮蔽状態が崩され
た状態をも含む意味である。ここでいう正常な遮蔽状態
が崩された状態とは、遮蔽手段の構成により予定されて
いる切換方法以外の方法で遮蔽状態を解き、上記単一の
部材で遮蔽される複数の不正対象に前面側から接触可能
となった状態を意味する。このように遮蔽手段が非遮蔽
状態のときに電源供給を遮断することで、仮に、不正操
作者により遮蔽手段が非遮蔽状態にされても、不正対象
に対する電気的な不正操作を抑制することが可能とな
る。また、上記単一の部材により遮蔽される駆動装置へ
の電源供給を遮断することで、遮蔽手段を非遮蔽状態に
して、その単一の部材により遮蔽される装置に対して何
らかの作業を行うとき、その作業者が駆動装置に指を挟
むなどして怪我をするのを未然に防止することもでき
る。尚、上記単一の部材で遮蔽される全ての装置に対す
る電源供給を遮断する必要はなく、むしろ、遮蔽手段を
非遮蔽状態にして作業を行うときに電源供給が必要な装
置については電源供給を遮断しないのが望ましい。
【0020】また、請求項の発明は、請求項1、2、
3、4、5又の遊技機において、遊技者に対する遊
技価値の払出率を設定する払出率設定装置と、遊技者に
対する実際の払出率が上記払出率設定装置により設定さ
れた払出率となるように、ゲームを制御する遊技制御回
路基板と、内部空間を有し該内部空間を外部から視認で
きない箱状部材と、上記遊技機を構成する装置間を電気
的に接続するケーブル部材とが装置筺体の内部に収容さ
れており、上記単一の部材で遮蔽される複数の不正対象
には、上記遊技価値払出装置のほか、上記払出率設定装
置、上記遊技制御回路基板、上記箱状部材及び上記ケー
ブル部材の少なくとも1つが含まれることを特徴とする
ものである。
【0021】この遊技機においては、遊技者に対する遊
技価値の払出率を設定する払出率設定装置が備わってお
り、遊技者に対する実際の払出率が払出率設定装置によ
り設定された払出率となるように、遊技制御装置により
ゲームが制御される。よって、払出率設定装置を店員等
のオペレータが操作して払出率を適宜設定することで、
店舗の営業方針等に沿った店舗運営が可能となる。しか
し、不正操作者により払出率設定装置が不正に操作され
ると、営業方針等に関係なく遊技者の遊技価値獲得を容
易にすることが可能であるため、他の不正対象に比べ
て、不正防止の重要度が比較的高い。また、内部空間を
有し該内部空間を外部から視認できない箱状部材は、不
正操作者によりその内部に不正な機器等が設置される
と、店員等により不正が発覚するのが遅くなるため、不
正防止の重要度が比較的高い。また、遊技機を構成する
装置間を電気的に接続するケーブル部材は、不正操作者
による不正操作が比較的容易であるので、不正操作がさ
れるおそれが高く、不正防止の重要度が比較的高い。そ
こで、本遊技機では、複数の不正対象に上記遊技価値払
出装置のほか、上記払出率設定装置、上記遊技制御回路
基板、上記箱状部材及び上記ケーブル部材の少なくとも
1つを含んだものを、遮蔽手段の単一の部材で遮蔽する
構成をとっている。これにより、不正防止の重要度が比
較的高いこれら装置や部材に対して一括した不正防止策
を施すことができ、これらの装置に対して個別に遮蔽手
段を設ける等の不正防止策を施す場合に比べて、装置構
成を簡略化でき、かつ、部品点数も削減することができ
る。したがって、不正防止の重要度が比較的高いこれら
の装置に対する不正を低コストで効果的に不正を防止す
ることが可能となる。
【0022】また、請求項の発明は、請求項1、2、
3、4、5、6又の遊技機において、上記遮蔽手段
は、一部が開口した単一の部材で、上記開口側から上記
複数の不正対象を遮蔽するものであり、複数種の図柄が
設けられた外周面の一部を上記単一の部材に形成された
開口から上記装置筺体の開口側に突出させて、回転駆動
することにより上記筺体前面閉塞手段に形成されている
表示窓に該複数種の図柄を可変表示させる可変表示手段
と、上記可変表示手段の回転方向側部のうち、少なくと
も、上記単一の部材により上記装置筺体の開口側に突出
した部分を被覆する可変表示手段被覆部材とを有するこ
とを特徴とするものである。
【0023】この遊技機の遮蔽手段は、可変表示手段の
外周面の一部を上記装置筺体の開口側に突出させるため
の開口を有する単一の部材で、複数の不正対象の前面側
を遮蔽している。この可変表示手段は、外周面に複数種
の図柄が設けられ、回転駆動することにより筺体前面閉
塞手段に形成されている表示窓にその複数種の図柄を可
変表示させるものである。このような遊技機としては、
スロットマシンが挙げられる。ここで、本遊技機では、
可変表示手段の回転方向側部のうち、少なくとも、上記
単一の部材によりも上記装置筺体の開口側に突出した部
分が、可変表示手段被覆部材により被覆されている。こ
れにより、例えば、店員等が、筺体前面閉塞手段を開け
て装置筐体内部の装置に対してメンテナンス作業を行う
ときに、可変表示手段の側部に誤って指を入れて怪我す
るのを未然に防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、遊技機としての
スロットマシンに適用した一実施形態について説明す
る。まず、本実施形態に係るスロットマシンの基本的な
構成について説明する。図2は、本実施形態に係るスロ
ットマシンの外観斜視図である。このスロットマシン1
は、箱型の装置筺体2、この装置筺体2の前面側に開閉
自在に取り付けられた筺体前面閉塞手段としての前面扉
3などを有する。前面扉3には、後述の可変表示装置と
しての切替表示ユニットの一部を構成する表示窓4、メ
ダル投入口5、スタートレバー6、可変表示停止装置を
構成する3つの停止操作部である停止ボタン7a,7
b,7c、クレジット精算ボタン8、2つのスピーカ9
a,9b、メダル払出ロ10aを有するメダル受皿1
0、後述する報知を行うための報知手段としての表示ユ
ニット11、ライン表示部12、ゲーム表示部13、カ
ウント表示部14、BET操作部15などが設けられて
いる。上記表示ユニット11は、前面扉3の上部内側に
設置されており、後述するサブ制御回路基板21に設け
られた表示制御回路21gにより、表示内容が制御され
ている。
【0025】図3は、スロットマシン1の内部構造を示
す概略構成図である。装置筺体2の内部には、外周面上
に複数種の図柄がプリントされた3個の可変表示手段と
してのリール16a,16b,16cが組み込まれてい
る。また、CPUやROMその他種々の電子部品によっ
て電子回路が形成された遊技制御装置としてのメイン制
御回路基板17、遊技価値であるメダルを多数枚収容可
能なメダル貯留部を構成するバケット31を持つ遊技価
値払出装置としてのホッパ装置30、リセットスイッチ
19a、払出率設定装置としての段階設定キースイッチ
19b、電源スイッチ19cを有する設定操作部19、
2つの内部スピーカ20a,20bなども組み込まれて
いる。段階設定キースイッチ19bは、オペレータによ
り操作されることで、ゲーム中に使用される後述の賞群
抽選テーブルを当選確率の高いものに設定したり、低い
ものに設定したりできるものである。また、リセットス
イッチ19aは、メダル払出の異常によりゲームが停止
した状態から通常の状態に戻すためのものである。
【0026】図4は、ホッパ装置30を示す外観図であ
る。ホッパ装置30は、基台32、回転円板33、カバ
ー34等からなり、多量のメダル200を収容するバケ
ット31がカバー34に取り付けられた構成をもつ。基
台32には、回転円板33を回転駆動させる図示しない
メダル払出モータが取り付けられている。回転円板33
には、メダル200よりも少し大きい径からなる円形開
口が形成されており、その円形開口に保持されたメダル
200は、回転円板33が回転駆動することにより遠心
力で所定のメダル排出方向に勢いよく飛ばされる。これ
により、メダル200は、メダル排出口35からメダル
受皿10に排出される。
【0027】上記3つのリール16a,16b,16c
(以下、適宜、それぞれを「左リール」、「中リー
ル」、「右リール」という。)は、それぞれ、ステッピ
ングモータで構成された図示しないリール駆動モータに
よって回転駆動するようになっている。また、これらの
外周面には、7種類の図柄が所定の順序で21個プリン
トされている。各リール16a,16b,16cの所定
の回転位置における約3コマ分の図柄は、前面扉3の表
示窓4を通して遊技者に視認されるようになっている。
この表示窓4には、リール16a,16b,16cを横
断する5本の入賞ラインILが描かれており、その入賞
ラインIL上に予め定められた賞群に対応した役を構成
する図柄の組み合わせが揃う(以下、単に「役が揃う」
という。)と、メダル受皿10にメダルが払い出された
り、リプレイが許可されたりする。なお、入賞ラインの
数は、遊技者のメダルベット枚数に応じて決定される。
【0028】図5は、スロットマシン1のメイン制御回
路基板17及びサブ制御回路基板21の一部を示すブロ
ック図である。メイン制御回路基板17は、CPU17
a、クロック発生回路17b、ROM17c、RAM1
7d、乱数発生回路17e、データ送出回路17f、送
出タイミング制御回路17g、入力ポート17h、出力
ポート17iなどを有している。クロック発生回路17
bは、所定の周波数のクロック信号をCPU17aに出
力する。また、ROM17cは、各種の制御プログラム
や後述の賞群抽選テーブルなどのデータを格納してお
り、これらをCPU17aに出力する。また、RAM1
7dは、CPU17aによって演算された変数データな
どを一時的に格納する。また、乱数発生回路17eは、
所定の周期毎に乱数を発生させてそのデータをCPU1
7aに出力する。また、サブ制御回路基板21は、上記
前面扉3の裏側に配設され、このデータ入力回路21i
の他、CPU21a、クロック発生回路21b、表示パ
ターン用ROM21c、RAM21d、音響用ROM2
1e、音響LSI21f、表示制御回路21g、アンプ
回路21h、制御用ROM21jなどを備えている。ク
ロック発生回路21bは、所定の周波数のクロック信号
をCPU21aに出力する。表示パターン用ROM21
cは、遊技者に対して内部抽選で役が当選した旨を報知
するために、上記表示ユニット11内部に備えた液晶デ
ィスプレイに表示される画像パターンの制御プログラム
が格納しており、必要に応じてこれらをCPU21aに
出力する。RAM17dは、CPU21aによって演算
された変数データなどを一時的に格納する。音響用RO
M21eは、各種の音情報である音響データを格納して
おり、必要に応じてこれらを音響LSI21fに出力す
る。
【0029】上記メイン制御回路基板のCPU17aに
は、入力ポート17hを介して、1BETボタン15
a、2BETボタン15b、マックスBETボタン15
c、スタートレバー6、停止ボタン7a,7b,7c、
クレジット精算ボタン8、段階設定キースイッチ19
b、リセットスイッチ19a、メダル投入センサ22、
左リール位置センサ25、中リール位置センサ26、及
び右リール位置センサ27からの出力信号が入力される
ようになっている。また、メダル残量検出センサ15
0、マイクロスイッチ24等からの出力信号も入力され
るようになっている。また、上記CPU17aは、出力
ポート17iを介して、左リール駆動モータ28a、中
リール駆動モータ28b、右リール駆動モータ28c、
ホッパ装置30のメダル払出モータ111、メダルブロ
ックソレノイド31等に制御信号を出力するようになっ
ている。
【0030】図1は、本実施形態に係るスロットマシン
の前面扉3を開けた状態を示す斜視図である。遊技者に
よって正常なメダルがメダル投入口5に投入されると、
そのメダルはメダル通路5aを通ってバケット31に落
ちる。このようにメダル通路5aを通過する正常なメダ
ルは、1つずつフォトセンサ等で構成された図5に示す
メダル投入センサ22で検知される。また、規定外のメ
ダルが投入されると、小さいメダルはメダル通路5aの
途中から落とされ、大きいメダルは通過が阻止されて、
メダル落下受部材40を通ってメダル払出ロ10aに戻
される。投入されたメダルがメダル投入センサ22に検
知された後、バケット31に落ちて正式に受け付けられ
ると、CPU17aは、遊技者によりスタートレバー6
が操作されることで、リール16a,16b,16cの
回転駆動を開始させる。そして、CPU17aは、賞群
選択手段として機能し、乱数発生回路17eから送られ
てくる乱数のデータを、ROM17に記憶されている賞
群抽選テーブルに照らし合わせる。この賞群抽選テーブ
ルは、各乱数と、賞群のいずれか又はハズレとを関連付
けるものである。このように関連付けられることで、各
種の役がそれぞれ所定の確率で内部当選したり、ハズレ
が所定確率で発生したりする。尚、ここで使用される賞
群抽選テーブルは、段階設定キースイッチ19bの設定
に応じて決定される。よって、店員等のオペレータは、
段階設定キースイッチ19bを適宜設定することで、理
論上、役が当選しやすい状態にしたり、役が当選しにく
い状態にしたりすることができる。
【0031】停止ボタン7a,7b,7cが遊技者によ
って押下されると、CPU17aは、停止制御手段とし
て機能し、その押下タイミングと抽選結果とに基づい
て、「引き込み」や「飛ばし」を行いながらリール16
a,16b,16cを停止させる。具体的には、「引き
込み」では、内部当選した賞群に対応する役を構成する
図柄が停止ボタン7a,7b,7cの押下時に有効な入
賞ラインIL上になく、これよりも回転上流側の4コマ
分の引込範囲(停止制御範囲)内にある場合に、その図
柄を入賞ラインILの位置まで回転移動させてからリー
ル16a,16b,16cの回転を停止させる。また、
「飛ばし」では、内部抽選結果がハズレであるにもかか
わらず、有効な入賞ライン上に役が揃いそうな場合に
は、その役に係る図柄を、有効な入賞ラインIL上に停
止させないように、4コマ分を限度としてリール16
a,16b,16cを追加回転させて停止させる。
【0032】リール16a,16b,16cの停止によ
り、有効な入賞ラインIL上にいわゆるメダル払出賞に
係る役が揃うと入賞として取り扱い、CPU17aは、
クレジット表示器14aのメダルクレジットを、その役
に対応するメダル払出枚数の分だけ増加させる。但し、
増加させている途中でメダルクレジットが50に達した
場合には、残りの枚数のメダルを上記ホッパ装置30に
よって払い出させる。また、レギュラーボーナス(以
下、「RB」という。)賞に係る役が揃うと、まず、1
5枚のメダルが払い出された後、遊技者はRBゲームを
行うことができる。このRBゲームでは、「JAC当り
賞」しか定められていないJACゲームが行われる。こ
のRBゲームは、累計で12回のJACゲームが実施さ
れるか、あるいは、合計でJAC入賞役が8回揃うと、
通常のゲームに戻る。このJACゲームでは、「JAC
当り賞」に対応する図柄の組み合わせが揃うと、メダル
が15枚払い出され、その「JAC当り賞」の当選確率
が極めて高いRBゲーム専用の賞群抽選テーブルが用い
られるので、遊技者は、大量のメダルを獲得することが
できる。また、ビッグボーナス(以下、「BB」とい
う。)賞に係る役が揃うと、まず、15枚のメダルが払
い出された後、遊技者はBBゲームを行うことができ
る。このBBゲームは、累計で3回のRBゲームが実施
されるか、あるいは、累計ゲーム回数が30回に達する
かすると、通常のゲームに戻る。このBBゲーム中に行
われるゲームでは、RB賞及び他のメダル払出賞の当選
確率が比較的高い賞群抽選テーブルが用いられるので、
遊技者は、大量のメダルを獲得することができる。
【0033】以下、本発明の特徴部分について説明す
る。本実施形態のスロットマシンにおいて、遊技者に対
する遊技価値の払い出しに関与し、不正操作者による不
正の対象となり得る不正対象としては、メイン制御回路
基板17、ホッパ装置30、段階設定キースイッチ19
bなどが挙げられる。これらは、例えば、悪意ある遊技
者が前面扉3の前面側から見て右側端部を不正に歪めて
その隙間から不正な操作がされると、その遊技者に対し
て不正にメダルが払い出されるおそれがある。このよう
な不正を防止するため、本実施形態では、装置筺体2の
内部であって前面扉3の更に内側に、遮蔽手段を構成す
る中扉100を設けている。この中扉100は、前面扉
3を装置筺体2に対して回動自在に取り付けるための切
換手段としての蝶番3aにより、装置筺体2に対して回
動自在に取り付けられている。尚、中扉100を前面扉
3用の蝶番3aとは別の蝶番で装置筺体2に取り付けて
もよい。中扉100は、透明な板材で形成されており、
中扉100を閉じた状態(遮蔽状態)にしても、その内
部を視認することができる。
【0034】また、蝶番3aに取り付けられている側と
は反対側の中扉100端部における上下方向中央部分に
は、図示しない中扉用鍵が挿入される施錠手段を構成す
るシリンダー錠101aが取り付けられている。また、
そのシリンダー錠101aに対応する装置筺体2の部分
には、そのシリンダー錠101aに設けられる錠動作に
応じて進退動作する固定部材101bと係合可能な施錠
手段を構成する係合装置3bが設けられている。その固
定部材101bが係合装置3bの固定溝に入り込んで係
合状態になると、中扉100は、閉じた状態から開いた
状態(非遮蔽状態)になるのを禁止される。すなわち、
中扉100が閉じた状態にあるときに、シリンダー錠1
01aに中扉用鍵を挿入して所定方向に回転させると、
そのシリンダー錠101aの固定部材101bが係合装
置3bの固定溝に入り込み、中扉100がロックされた
状態になる。尚、中扉100をロックした状態にするた
めの施錠手段には、公知の施錠手段を採用することがで
きる。また、本実施形態では、施錠手段を、中扉100
端部の上下方向中央部分にだけ設けているが、更にセキ
ュリティ性を高めるために、その端部の上下方向上部と
下部の2箇所に設置するなどしてもよい。
【0035】また、中扉100に設けられているシリン
ダー錠101aと装置筺体2の係合装置3bは、図5に
示すマイクロスイッチ24としても構成されている。こ
のマイクロスイッチ24は、その信号ラインがメイン制
御回路基板17に接続されている。中扉100が開けら
れてシリンダー錠101aと係合装置3bとの係合状態
が解除されると、図5に示すように、マイクロスイッチ
24から所定の信号が出力され、その信号は、メイン制
御回路基板17のCPU17aに送られる。この信号を
受信したCPU17aは、電源のON/OFFを制御す
る電源供給遮断手段としての電源制御回路23に所定の
制御信号を出力する。この制御信号を受信した電源制御
回路23は、少なくとも、リール16a,16b,16
cをそれぞれ回転駆動させるリール駆動モータ及びホッ
パ装置30への電源供給を遮断する。すなわち、本実施
形態では、中扉100が開けられると、リール駆動モー
タ及びホッパ装置30への電源供給を遮断されることに
なる。
【0036】このように、中扉100が開いた状態にあ
るときにリール駆動モータへの電源供給を遮断すること
で、中扉100が開けて店員等のオペレータがメンテナ
ンス作業を行う間、リール16a,16b,16cが回
転駆動されることはない。よって、メンテナンス作業中
に店員等がリール側部に誤って指を入れて怪我するのを
未然に防ぐことができる。また、中扉100が開いた状
態にあるときにホッパ装置30への電源供給を遮断する
ことで、仮に不正操作者により中扉100が開けられた
としても、ホッパ装置30に対する電気的な不正操作を
抑制することができる。具体的には、例えば、不正操作
者が、ホッパ装置30の回転円板33を回転駆動させる
メダル払出モータに外部から不正な信号を与えることで
メダルを払い出させるという不正な手口を施そうとして
も、本実施形態では、メダル払出モータへの電源供給が
遮断されているので、そのような不正な手口による不正
を防止することができる。
【0037】尚、中扉100を開けたときに電源供給を
遮断する対象は、リール駆動モータ及びホッパ装置30
に限らず、電気的な不正操作により不正にメダルを獲得
し得る装置であれば、不正を有効に防止することができ
る。ただし、中扉100を開けてメンテナンス作業を行
うときに、電源供給が必要になる段階設定キースイッチ
19b等への電源供給は遮断しないのが望ましい。ま
た、上述のようなマイクロスイッチを中扉100ではな
く、前面扉3に設けてもよい。この場合であっても、上
記と同様に不正を防止することができる。
【0038】また、中扉100が比較的可撓性を有する
材料で形成されている場合、シリンダー錠101aと係
合装置3bとの係合状態を維持したまま、電源供給がさ
れているホッパ装置30等に電気的な不正操作が施され
るおそれがある。すなわち、その中扉100が不正操作
者により不正に歪められて、その隙間から電源供給がさ
れているホッパ装置30等に電気的な不正操作が施され
るおそれがある。このような不正を防止するため、シリ
ンダー錠101aと係合装置3bによりマイクロスイッ
チ24を構成するのではなく、例えば、これらシリンダ
ー錠101aが設けられている中扉100の端部側にお
ける上部と下部に対応する部分にマイクロスイッチ24
を設置するようにしてもよい。この場合、シリンダー錠
101aと係合装置3bとの係合状態を維持したまま、
中扉100が不正操作者により不正に歪められても、中
扉100が開けられたことを検出できる。よって、上記
不正を有効に防止できる。尚、中扉100が開けられた
ことを検出する手段としては、マイクロスイッチに限ら
ず、フォトセンサ等の他の手段を用いることができる。
【0039】図6は、スロットマシンの前面扉3の下部
近傍の断面図である。上述のように、中扉100が不正
に歪められてホッパ装置30等に対して不正操作がされ
るおそれがある。これを抑制するため、本実施形態で
は、図6に示すように、中扉100が閉じた状態にある
とき、その中扉100の下端部が装置筺体2の底面上に
ぴったりと接触して位置決めされる構成となっている。
これにより、例え前面扉3が不正に歪められて装置筺体
2の内部を操作できることとなっても、中扉100の下
端部に指や道具などを入り込ませることが困難となる。
また、前面扉3が開いた状態で中扉100を不正に歪め
るのも困難となる。したがって、中扉100が不正に歪
められる危険性が少なくなり、ホッパ装置30等に対す
る不正操作のおそれも低くなり、不正を有効に防止する
ことができる。
【0040】また、本実施形態では、中扉100と前面
扉3は、ともに前面側から見て左開きの構成になってい
るが、中扉100と前面扉3の開き方向を互いに異なる
方向にしてもよい。例えば、中扉100の蝶番を、前面
扉3の蝶番3aとは逆側の装置筺体2の内部側面に取り
付けたり、装置筺体2の内部底面に取り付けたりしても
よい。このような構成とすれば、前面扉3を全開にしな
いと中扉100を開くことができないので、監視の目を
潜って中扉100を開けて不正を行うことが困難とな
り、不正を有効に防止することができる。
【0041】図7は、中扉100を閉じた状態を示すス
ロットマシンの斜視図である。図示のように、中扉10
0を閉じた状態にした場合、3つのリール16a,16
b,16cが前面扉3側に突出した状態になる。このた
め、中扉100のリール対応部分には、3つのリール1
6a,16b,16cの突出部分を挿通させる開口10
0aが形成されている。
【0042】ところで、遊技者のゲーム中にバケット3
1内のメダル残量が不足した場合、これがゲーム中断原
因となって、図5に示すメダル残量検出センサ150か
ら所定の制御信号がメイン制御回路基板17のCPU1
7aに送られ、ゲームが中断される。この場合、店員等
は、所持する前面扉用鍵を使って前面扉を開け、遊技再
開措置対象装置としてのバケット31内にメダルを補充
するメンテナンス作業を行うことになる。このようなメ
ンテナンス作業のときに、いちいち中扉100を開ける
必要が生じる構成とすると、メンテナンス作業を迅速に
行うことができず、遊技者を待たせる結果となる。ま
た、そのような構成であると、一般の店員すべてに中扉
用鍵を使用できる状態にしなければならず、悪意ある店
員により中扉用鍵が不正に複製される危険性もあり、不
正防止効果が減退する。
【0043】そこで、本実施形態では、店員等が中扉1
00を閉じたままバケット31内にメダルを補充できる
ように、バケット31上部に対応する中扉100の部分
にメダル補充用開口100bが形成されている。これに
より、メンテナンス作業のときに、いちいち中扉100
を開ける必要がなく、メンテナンス作業を迅速に行うこ
とができ、遊技者を待たせることもない。更に、一般の
店員には、前面扉用鍵だけを使用できる状態にしてお
き、中扉用鍵を使用できない状態で保管しておけば、悪
意ある店員により不正に中扉100が開けられて不正さ
れるのを防止することができる。
【0044】また、前面扉3を閉じた状態にしたとき、
前面扉3側に設けられているメダル通路5aの先端部分
はバケット31の上部に位置することになる。そのた
め、そのメダル通路5aの先端部分に対応する中扉10
0の部分にも開口を設ける必要がある。本実施形態の場
合、メダル通路5aの先端部分は、中扉100に形成さ
れているメダル補充用開口100bを通ってバケット3
1の上部に位置することができるので、メダル通路5a
用の開口を別途設ける必要がない。
【0045】また、上述のように、店員等が中扉100
が閉じた状態でバケット31にメダルを補充する等のメ
ンテナンス作業を行うときには、リール駆動モータへの
電源供給が遮断されないので、店員等がリール側部に誤
って指を入れて怪我するおそれがある。このような怪我
を未然に防止するため、中扉100には、図8に示すよ
うに、中扉100の開口100aの両側部分に、中扉1
00から突出したリール側面部分を覆うための可変表示
手段被覆部材としてのリール側面カバー102が設けら
れている。これにより、中扉100が閉じた状態で、店
員等がメンテナンス作業を行うときに、リール側部に誤
って指を入れて怪我することを防止することができる。
尚、このようなリール側面カバーを、左リール16a及
び右リール16cに直接設けてもよい。この場合、中扉
100を開けたときにリール駆動モータへの電源供給を
遮断しなくても、中扉100を開けてメンテナンス作業
を行うときの怪我を防止することができる。
【0046】以上、本実施形態によれば、前面扉3の内
側に更に中扉100が設けられているので、例えば、不
正操作者が前面扉3を不正に歪めてその隙間から不正な
処理が施されるおそれのあるメイン制御回路基板17、
段階設定キースイッチ19b、ホッパ装置30等の複数
の不正対象をに対する不正を、中扉100という単一の
部材により効果的に防止することができる。
【0047】また、設定操作部19は内部に電源装置を
収容する電源ボックスを構成しているが、この設定操作
部19は、外部から内部を視認できない構成となってい
る。このような外部から内部を視認できない部材の内部
に、不正操作者により、例えばホッパ装置30を不正に
制御するような制御装置が設置されると、管理者が気が
付かないまま不正が継続されるおそれがあるため、電源
ボックス等の部材も不正対象となり得る。本実施形態で
は、中扉100により電源ボックスを構成する設定操作
部19も外部から容易に接触できない状態になっている
ので、その内部に不正な制御装置が設置されて行われる
不正も防止できる。また、サブ制御回路基板21は、特
定の条件下、例えばBBゲームが終了して通常のゲーム
に戻ってから50ゲームが終了するまでの間において、
表示ユニット11内部に備えた液晶ディスプレイに表示
される画像を制御して、遊技者に対して内部抽選で賞群
が当選した旨を報知を行う。遊技者は、この報知を受け
ることで、この報知を受けないときに比べて内部当選し
た賞群に対応する役を揃えやすくなり、より多くのメダ
ルを獲得しやすくなる。このため、サブ制御回路基板2
1が不正に操作され、例えば、常に報知が行われるよう
になると、遊技者に不正にメダルが払い出されることに
なり、このサブ制御回路基板21も不正対象となり得
る。本実施形態では、サブ制御回路基板21が前面扉3
の裏側に配設されているので、中扉100による不正防
止効果が得られない構成となっているが、サブ制御回路
基板21も中扉100により覆うことができるように、
例えば、サブ制御回路基板21をメイン制御回路基板1
7の近傍に配置変更してもよい。
【0048】また、本実施形態では、装置筺体2の内部
に設置される不正対象となり得るすべての装置を中扉1
00で覆っているので、不正操作者による不正に対する
セキュリティ性が非常に高い言えるが、必要な部分のみ
を覆うように中扉100を設置してもよい。例えば、装
置筺体2の内部におけるリール16a,16b,16c
の下側に位置する部分だけを覆うような中扉を設けるよ
うにしてもよい。
【0049】
【発明の効果】請求項1乃至9の発明によれば、複数の
不正対象に対する不正防止を単一の部材で実現すること
ができ、これにより既に発覚している不正だけでなく未
発覚の不正も比較的容易に防止することが可能となるの
で、複数の不正対象に対して個別に不正防止策を施す従
来の遊技機に比べて、低コストで効果的に不正を防止す
ることが可能となるという優れた効果がある。また、不
正防止の重要度が比較的高い遊技価値払出装置に対する
不正を低コストで効果的に防止することが可能となり、
不正防止の効果が高いという優れた効果がある。更に、
営業中のメンテナンスのために筺体前面閉塞手段を施錠
するための鍵を所持している店員等による不正に対して
も、効果的に不正防止を図ることが可能となるという優
れた効果もある。特に、請求項2の発明によれば、複数
の不正対象を備える既存の遊技機に対して遮蔽手段を適
用することが容易となり、実用性が高くなるという優れ
た効果がある。また、請求項3の発明によれば、装置筐
体内部の装置配置に関係なく、従来と同様のメンテナン
ス性を維持したまま、遮蔽手段による不正防止を図るこ
とができるという優れた効果がある。また、請求項4の
発明によれば、遮蔽手段により遮蔽されている複数の不
正対象に対する不正をいち早く発見することができ、不
正の早期解決を図ることができるという優れた効果があ
る。また、請求項5の発明によれば、不正対象をメンテ
ナンスするときの作業性を向上させることができるとい
う優れた効果がある。また、請求項6の発明によれば、
遮蔽手段により遮蔽される不正対象に対する電気的な不
正操作を抑制することが可能となるという優れた効果が
ある。また、遮蔽手段により遮蔽される装置に対して作
業を行う作業者の怪我を未然に防止することができると
いう優れた効果もある。また、請求項7の発明によれ
ば、不正防止の重要度が比較的高い装置や部材に対する
不正を低コストで効果的に不正を防止することが可能と
なり、不正防止の 効果を高めるという優れた効果があ
る。また、請求項8の発明によれば、メンテナンス作業
等を行う店員等の怪我を未然に防止することができると
いう優れた効果もある。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るスロットマシンの前面扉を開け
た状態を示す斜視図。
【図2】同スロットマシンの外観斜視図。
【図3】同スロットマシンの内部構造を示す概略構成
図。
【図4】同スロットマシンのホッパ装置を示す外観図。
【図5】同スロットマシンのメイン制御回路基板及びサ
ブ制御回路基板の一部を示すブロック図。
【図6】同スロットマシンの前面扉の下部近傍の断面
図。
【図7】中扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視
図。
【図8】同中扉を示す斜視図。
【符号の説明】
1 スロットマシン 2 装置筐体 3 前面扉 3b 係合装置 6 スタートレバー 7a,7b,7c 停止ボタン 11 表示ユニット 16 リール 17 メイン制御回路基板 19 設定操作部 19b 段階設定キースイッチ 21 サブ制御回路基板 30 ホッパー装置 31 バケット 100 中扉 100a 開口 100b メダル補充用開口 101a シリンダー錠 102 リール側面カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63F 5/04 A63F 7/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊技者に対し、そのゲーム結果に応じて遊
    技価値を払い出す遊技価値払出装置と、 上記遊技価値払出装置から不正に遊技価値を払い出させ
    るために、不正操作の対象となる複数の不正対象と、 遊技者と対面する側が開口しており、上記遊技価値払出
    装置及び上記複数の不正対象を収容する装置筺体と、 上記装置筺体の開口を覆って該装置筺体を閉塞するため
    の開閉可能な筺体前面閉塞手段とを有する遊技機におい
    て、 上記開口側から上記複数の不正対象を、単一の部材で遮
    蔽する遮蔽手段を、1又は2以上備え、該遮蔽手段が遮蔽状態にあるとき、該遮蔽手段が非遮蔽
    状態になることを禁止する、上記筺体前面閉塞手段の施
    錠手段とは別の施錠手段を設け、 該単一の部材で遮蔽される複数の不正対象の1つは、上
    記遊技価値払出装置であり、 該単一の部材は、該複数の不正対象を遮蔽している遮蔽
    状態のまま、上記筺体前面閉塞手段を開口状態にして該
    遊技価値払出装置の遊技価値貯留部に遊技価値を補給す
    ることが可能な形状を有す ることを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】請求項1の遊技機において、 上記遮蔽手段は、上記装置筺体における開口の少なくと
    も一部を遮蔽するように該装置筐体に取り付けられた単
    一の部材で、上記開口側から上記複数の不正対象を遮蔽
    することを特徴とする遊技機。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の遊技機において、 上記筺体前面閉塞手段を開口状態にして、遊技者のゲー
    ム中に発生したゲーム中断原因を解決し、遊技者のゲー
    ムを再開させるための措置を施す対象となる遊技再開措
    置対象装置を備えており、 上記遮蔽手段は、上記複数の不正対象を遮蔽している遮
    蔽状態のまま上記措置を施すことが可能な形状を有する
    単一の部材で、上記開口側から上記複数の不正対象を遮
    蔽することを特徴とする遊技機。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の遊技機において、 上記遮蔽手段は、上記単一の部材で遮蔽されている複数
    の不正対象を上記開口側から視認できる構成を有するこ
    とを特徴とする遊技機。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4の遊技機におい
    て、 上記単一の部材は、上記複数の不正対象を遮蔽する遮蔽
    状態と該複数の不正対象を遮蔽しない非遮蔽状態とを切
    り換えるべく開閉可能な扉手段であることを特徴とする
    遊技機。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5の遊技機にお
    いて、上記遮蔽手段は、上記単一の部材で上記複数の不正対象
    を遮蔽する遮蔽状態と該複数の不正対象を遮蔽しない非
    遮蔽状態とを切換可能な切換手段を有しており、 上記遮蔽手段が非遮蔽状態にあるとき、上記単一の部材
    で遮蔽される装置への電源供給を遮断する電源供給遮断
    手段を を備えることを特徴とする遊技機。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5又は6の遊技機
    において、遊技者に対する遊技価値の払出率を設定する払出率設定
    装置と、 遊技者に対する実際の払出率が上記払出率設定装置によ
    り設定された払出率となるように、ゲームを制御する遊
    技制御回路基板と、 内部空間を有し該内部空間を外部から視認できない箱状
    部材と、 上記遊技機を構成する装置間を電気的に接続するケーブ
    ル部材とが装置筺体の内部に収容されており、 上記単一の部材で遮蔽される複数の不正対象には、上記
    遊技価値払出装置のほか、上記払出率設定装置、上記遊
    技制御回路基板、上記箱状部材及び上記ケーブル部材の
    少なくとも1つが含まれる ことを特徴とする遊技機。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6又は7の遊
    技機において、上記遮蔽手段は、一部が開口した単一の部材で、上記開
    口側から上記複数の不正対象を遮蔽するものであり、 複数種の図柄が設けられた外周面の一部を上記単一の部
    材に形成された開口から上記装置筺体の開口側に突出さ
    せて、回転駆動することにより上記筺体前面閉塞手段に
    形成されている表示窓に該複数種の図柄を可変表示させ
    る可変表示手段と、 上記可変表示手段の回転方向側部のうち、少なくとも、
    上記単一の部材により上記装置筺体の開口側に突出した
    部分を被覆する可変表示手段被覆部材とを有する ことを
    特徴とする遊技機。
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