以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はメダル、コイン、遊技球またはトークンなどを遊技媒体として用いる各種遊技機に適用することができるが、ここではメダルを遊技媒体として用いるパチスロ機に適用した場合を示すこととする。
まず、パチスロ機の外観構成について説明する。図1は本発明に係る遊技機(パチスロ機)の外観を示す前面視の斜視図である。図1に示すように、パチスロ機1は、主として前面扉100と、当該前面扉100によって前面開口を開閉される矩形箱形のキャビネット200とを有した外観を呈している。
前面扉100は、図1において左側部に配設した蝶番(図示せず)を介してキャビネット200に取り付けてあり、当該蝶番を介してキャビネット200の前面開口を開閉可能に設けてある。また、前面扉100は、図1において右側部に配設した施錠機構101によってキャビネット200に対する閉塞状態が維持される。
前面扉100の前面中央には、リール102が設けてある。リール102は、複数種類の図柄(21個)が外周面に描かれており、当該図柄を前面視で上方から下方に移動する態様で回転可能に設けてある。そして、リール102は、一定の速度(例えば80回転/分)で回転し、回転停止状態において上下方向に並ぶ3個の図柄(図示せず)を前面にあらわす。このリール102は、横一列に3個(102L,102C,102R)設けてある。各リール102L,102C,102Rは、回転停止状態においてそれぞれ上下方向にあらわした3個の図柄を横方向に上段、中段、下段、右上がり斜め、および右下がり斜めに組み合わせた5列の表示ラインとしてあらわす。
前面扉100の前面においてリール102の下方には、前面に突出した台座部103が設けてある。台座部103の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口104が設けてある。メダル投入口104に投入されたメダルは、クレジットされるか、またはゲームに賭けられる。
台座部103の上面左側には、クレジットされているメダルを賭けるためのBETボタン105が設けてある。本実施の形態におけるBETボタン105には、1−BETボタン105aと最大BETボタン105bとがある。1−BETボタン105aは、1回の押下操作ごとにクレジットされたメダルから1枚のメダルが賭けられる。最大BETボタン105bは、1回の押下操作によりクレジットされたメダルから1ゲームに賭け得る最大枚数のメダル(通常は3枚)が賭けられる。
上記BETボタン105が押下操作するか、もしくはメダル投入口104にメダルを投入すると、リール102の表示ラインが有効化される。例えば、1−BETボタン105aを1回押下操作するか、もしくはメダル投入口104に1枚のメダルを投入することで、3個のリール102L,102C,102Rの中段のみの1つの表示ラインが有効化される。また、1−BETボタン105aを2回押下操作するか、もしくはメダル投入口104に2枚のメダルを投入することで、3個のリール102L,102C,102Rの上段、中段、下段の3つの表示ラインが有効化される。さらに、1−BETボタン105aを3回押下操作するか、もしくはメダル投入口104に3枚のメダルを投入することで、3個のリール102L,102C,102Rの上段、中段、下段、右上がり斜め、右下がり斜めの5つの表示ラインが有効化される。また、メダル投入口104に3枚以上のメダルを投入すると4枚目以降のメダルはクレジットされることになる。一方、最大BETボタン105bを1回押下操作することで、3個のリール102L,102C,102Rの上段、中段、下段、右上がり斜め、右下がり斜めの5つの表示ラインが有効化される。なお、本実施の形態では、BETボタン105の押下操作、もしくはメダル投入口104へのメダル投入操作を「BET操作」と呼ぶこととする。
台座部103の前面左側には、クレジットの有効化または無効化を押下操作で切り替えるC/Pボタン106が設けてある。C/Pボタン106の1回の押下操作ごとにクレジットの有効化/無効化が切り替えられることになる。例えば、所定枚数のメダルがクレジットされた状態でC/Pボタン106が押下操作されると、クレジットが無効化されてクレジットされている枚数分のメダルが後述のメダル払出口110から払い出される。一方、クレジットが無効化された状態でC/Pボタン106が押下操作されると、クレジットが有効となる。
台座部103の前面であってC/Pボタン106の右側には、遊技者の操作によって上記各リール102L,102C,102Rの回転を始動させるスタートレバー107が設けてある。スタートレバー107は、上下方向の所定の角度範囲で揺動可能に設けてあり、通常は上方に付勢されていて、下方への傾動操作によってリール102L,102C,102Rの回転が始動される。
台座部103の前面であってスタートレバー107の右側には、遊技者の操作によってリール102の回転を停止させるための停止ボタン108が設けてある。停止ボタン108は、上記各リール102L,102C,102Rにそれぞれ対応して3個(108L,108C,108R)設けてあり、各リール102L,102C,102Rの直下の位置に配置してある。
前面扉100の前面であってリール102の左側には、表示部109が設けてある。表示部109は、数字を表示する7セグメントLEDを2桁1組として、2組が並べて配設してある。そして、例えば左の1組はクレジットしてあるメダル枚数を表示するクレジット表示部であり、右の1組は遊技者がゲームで獲得したメダルの払い出し枚数を表示する払出表示部である。
前面扉100の前面下部には、メダル払出口110およびメダル受け部111が設けてある。メダル払出口110は、主に遊技者がゲームで獲得したメダルをメダル受け部111に払い出す部位である。また、メダル払出口110は、上記C/Pボタン106の押下操作によってクレジットが無効化された場合、クレジットされている枚数分のメダルを前面扉100の外部に払い出す。さらに、メダル払出口110は、クレジットの最大枚数(例えばメダル50枚分)を超えた場合に、当該超えた分の枚数のメダルを前面扉100の外部に払い出す。メダル受け部111は、メダル払出口110から払い出されたメダルを受け取る受け皿である。
前面扉100の前面であってリール102の上方には、液晶表示部112が設けてある。液晶表示部112には、パチスロ遊技時の各種演出表示や待機時のデモ表示などが行われる。
前面扉100の前面上部には、左右対称にスピーカ113が設けてある。スピーカ113は、遊技の演出に関する効果音などを出音する。
キャビネット200は、図には明示しないが遊技場に設置される島設備に取り付けられるものである。キャビネット200の内部には、主として、各所に電力を供給する電源部と、上記メダル投入口104から投入されたメダルを受けるとともにメダル払出口110から払い出すためのメダルを貯留し払い出すホッパー512(図8参照)などが配置してある。
次に、パチスロ機1の内部であってキャビネット200の内部側である前面扉100の後側の構成について説明する。図2は図1に示す遊技機(パチスロ機)の前面扉の後側を示す図、図3はミドルドアを示す後面図、図4はミドルドアを外した状態の前面扉の後側(裏側)を示す図、図5はミドルドアを示す斜視図である。
図2に示すように前面扉100の後側(裏側)中央には、ミドルドア300が取り付けてある。図2および図3に示すようにミドルドア300には、図2および図3において右方に延在する2つのヒンジアーム301が設けてある。そして、ヒンジアーム301の延在した先端部には、下方に突出するヒンジピン302が設けてある。ヒンジピン302は、前面扉100側に設けた軸受120に挿入して係合する。すなわち、ミドルドア300は、ヒンジピン302を軸受120に挿入した状態で、ヒンジピン302と軸受120との係合を基にして前面扉100に対して開閉可能に設けてある。
また、図2および図3に示すようにミドルドア300には、ヒンジアーム301の下方の位置で図2および図3において右方斜め下に延在する揺動支持アーム303が設けてある。そして、揺動支持アーム303の延在した先端部には、下方に突出する支持ピン304が設けてある。支持ピン304は、前面扉100側に設けたガイド突起121に当接して係合する。さらに、支持ピン304は、ガイド突起121の先端に設けた円弧状の凹部(図示せず)に嵌合する。すなわち、ミドルドア300は、ヒンジピン302と軸受120との係合を基にして前面扉100に対して開閉する場合に、支持ピン304とガイド突起121との係合によってその開閉が案内され、さらに開放状態において凹部への支持ピン304の嵌合によって前面扉100に対して開放した状態を保持される。
さらに、図2および図3に示すようにミドルドア300には、上方の左右側部および下部の3箇所の位置にロック部材305が設けてある。ロック部材305は、図3に示すミドルドア300の後面側に摘み部305aを有し、図には明示しないがミドルドア300の前面側に貫通した端部に鉤部を有している。この鉤部は、図4に示すように前面扉100の後側に設けた係止孔122に挿入して係合する。すなわち、ミドルドア300は、ヒンジピン302と軸受120との係合を基にして前面扉100に対して閉塞した場合に、ロック部材305の鉤部を係止孔122に挿入して摘み部305aを持ってロック部材305を回転させ、鉤部を係止孔122に掛止させることによって、前面扉100に対して閉塞した状態を保持されて取り付けられる。
上記のごとく前面扉100の後側に取り付けたミドルドア300には、図5に示すように上述した各リール102L,102C,102Rがステッピングモータ513L,513C,513R(図8参照)とともに取り付けてある。リール102は、ミドルドア300の前面側では表出してあり、ミドルドア300を前面扉100に対して閉塞した状態において、前面扉100の中央に設けた窓部123(図4参照)を介して前面扉100の前面側から見えるように設けてある。また、リール102は、ミドルドア300の後面側では保護カバー306で覆われている。
また、ミドルドア300においてリール102を取り付けた上側には、図2、図3、図5に示すように基板ケース400が取り付けてある。すなわち、基板ケース400は、前面扉100の後側(裏側)に設けてある。図6は基板ケースを示す分解斜視図、図7は基板ケースの上ケースを示す斜視図である。
図6に示すように基板ケース400は、本実施の形態では透明な合成樹脂材で成形した上ケース410および下ケース420を有し、当該上ケース410および下ケース420を組み合わせた内部に主制御基板430と設定用鍵型スイッチ(設定用スイッチ)440とを収納してある。
基板ケース400の上ケース410は、図7に示すように下方に開口する箱体をなしており、当該箱体の内部を収納領域411として形成してある。この収納領域411は、上ケース410の箱体の内部に一体に成形した隔壁412を境にして、主制御基板430を収納する基板収納領域411aと、設定用鍵型スイッチ440を収納するスイッチ収納領域411bとに隔てて形成してある。また、上ケース410には、その外部から設定用鍵型スイッチ440を操作できるようにスイッチ収納領域411bに通じる操作用口413が設けてある。この操作用口413は、蓋414によって開閉自在である。また、操作用口413は、ミドルドア300を前面扉100に対して閉塞し、かつ、前面扉100をキャビネット200に対して閉塞した状態で、キャビネット200の内部に収納されてキャビネット200の奥方(前面扉100から離反する方向)に向くように配置してある。なお、上ケース410には、その外部から主制御基板430の接続コネクタ(後述するモータ接続コネクタ433および中継基板接続コネクタ434)への接続操作ができるように、それぞれ接続用口415,416が設けてある。そして、中継基板接続コネクタ434への接続操作を行うための接続用口416は、図6に示す蓋417によって開閉自在である。
基板ケース400の下ケース420は、図6に示すように板体をなし、上ケース410の開口を閉塞して収納領域411を塞ぐように形成してある。そして、下ケース420の上面には、主制御基板430の外周縁を覆う枠部421が上方に開口して設けてある。この枠部421の端縁の一部は、上ケース410と下ケース420とを組み合わせた状態で、上ケース410の隔壁412の端縁と当接する。
これら、上ケース410と下ケース420は、相互に組み合わせて、主制御基板430および設定用鍵型スイッチ440を収納した状態にして封着される。
主制御基板430は、パチスロ機1における遊技処理動作や、遊技に関する特別遊技状態の発生確率の設定値の設定変更処理動作などを制御する主制御回路500(図8参照)を有している。なお、ここで、「遊技に関する設定値」とは、遊技機に対して外的に設定でき且つ遊技中に遊技機内で行なわれる任意の処理のために設定すべき値のことであり、また、「特別遊技状態」とは、具体的には、例えばパチスロ機の場合、所定回数の有利な遊技を行なえる状態のことであって、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームが所定回数行えるビッグボーナスや、遊技者に相対的に小さい利益を与える遊技を所定ゲーム行えるレギュラーボーナスのことである。
また、主制御基板430は、主制御回路500を、設定用鍵型スイッチ440に電気的に接続するためのスイッチ接続コネクタ432と、リール102(102L,102C,102R)のステッピングモータ(図示せず)に電気的に接続するためのモータ接続コネクタ433と、ホッパー512、リセットスイッチ514、電源部などに接続された中継基板(図示せず)に電気的に接続するための中継基板接続コネクタ434とを有している。
設定用鍵型スイッチ440は、遊技に関する特別遊技状態の発生確率の設定値を設定変更する場合に、当該設定変更を鍵操作によって有効化する一方で無効化するためのものである。設定用鍵型スイッチ440は、鍵操作を行うための鍵を挿入する操作部としての鍵穴441と、主制御回路500に設定変更が有効もしくは無効であるかの信号を出力するケーブル442と、当該ケーブル442を主制御基板430のスイッチ接続コネクタ432に接続するための基板接続コネクタ443とを有している。この設定用鍵型スイッチ440は、基板ケース400に収納した状態では、鍵穴441が操作用口413から上ケース410の外部に向けて配置してある。さらに、設定用鍵型スイッチ440は、基板ケース400に収納した状態で、ケーブル442が基板ケース400の内部で配線され、かつ、基板ケース400の内部で基板接続コネクタ443が主制御基板430のスイッチ接続コネクタ432に接続される。すなわち、設定用鍵型スイッチ440は、基板ケース400の内部に主制御基板430と共に収納してあり、ケーブル442の配線や、主制御基板430への電気的接続が基板ケース400の内部でなされている。そして、鍵操作に関しては、上ケース410(基板ケース400)の操作用口413を介してのみ行われる。
以下、上述したパチスロ機1の制御系および動作を説明する。図8は本発明に係る遊技機(パチスロ機)の制御系を示すブロック図である。
図8に示すようにパチスロ機1の制御系としては、遊技処理動作や設定変更処理動作を制御する主制御回路500と、主制御回路500に電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路500から送信される制御指令に基づいて液晶表示部112およびスピーカ113などを制御する副制御回路550とが含まれる。なお、副制御回路550は、図2に示す前面扉100の後側において、液晶表示部112を設けた後側に配置した副制御基板551に設けてある。
主制御回路500は、上述したように主制御基板430に設けてある。主制御回路500は、主制御基板430上に配置されたマイクロコンピュータ501を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成してある。マイクロコンピュータ501は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU502と、記憶手段であるROM503およびRAM504とを有する。
CPU502には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路505、および基準クロック信号を分周することによりCPU502の動作クロック信号を生成するための分周器506と、CPU502の制御に従って一定範囲の乱数を発生させるための乱数発生器507、および乱数発生器507で発生した乱数の中から任意の乱数を抽出してCPU502へ送信するためのサンプリング回路508とが接続してある。CPU502では、所定のプログラムに基づいて乱数発生器507で発生する乱数、およびサンプリング回路508で抽出された乱数によって確率抽籤処理が実行される。この確率抽籤処理では、設定変更によって設定される特別遊技状態の発生確率の設定値(例えば1〜6段階)によって異なる確率抽籤処理テーブルが参照され、この確率抽籤処理テーブルに基づいて、ビッグボーナス等の特別遊技状態の発生確率が、例えば1/240〜1/300の範囲内で決定される。なお、マイクロコンピュータ501内のCPU502上で乱数サンプリング用プログラムを実行してソフトウエア的に乱数サンプリングを行うこともできる。この場合、乱数発生器507およびサンプリング回路508を省略することができる。
ROM503には、スタートレバー107を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽籤テーブルや停止用当籤役決定テーブル、停止ボタンの操作に応じてリール102の停止態様を決定するための停止テーブル群などが格納してある。また、ROM503には、副制御回路550へ送信するための各種制御指令などが格納してある。副制御回路550が主制御回路500へ制御指令や情報などを入力することはなく、主制御回路500から副制御回路550への一方向で通信が行われる。RAM504には、内部当籤役、持越役、現在の遊技状態などの種々の情報が格納してある。
マイクロコンピュータ501からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、BETランプ511(1−BETランプ,2−BETランプ,最大BETランプなどを含む)と、表示部109(クレジット表示部,払出表示部およびボーナス遊技情報表示部などを含む)と、メダルを貯留し払い出すホッパー512と、各リール102L,102C,102Rを回転駆動するステッピングモータ513L,513C,513Rとがある。
また、BETランプ511を駆動制御するランプ駆動回路511D、表示部109を駆動制御する表示部駆動回路109D、ホッパー512を駆動制御するホッパー駆動回路512D、並びにステッピングモータ513L,513C,513Rを駆動制御するモータ駆動回路513DがCPU502の出力部に接続してある。これらの駆動回路は、それぞれCPU502から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ501へは、メダルセンサ104S、BETスイッチ105S、C/Pスイッチ106S、スタートスイッチ107S、停止スイッチ108S、リール位置検出回路102I、払出完了信号回路512I、リセットスイッチ514、設定用鍵型スイッチ440からの入力信号が入力され、これらに基づいて制御指令が発生される。
ここで、メダルセンサ104Sは、メダル投入口104に投入されたメダルを検出するセンサである。BETスイッチ105Sは、それぞれ対応するBETボタン105(105a,105b)の前面扉100を隔てた裏側に設けてありBETボタン105(105a,105b)の操作に応じて信号を発生するスイッチである。C/Pスイッチ106Sは、C/Pボタン106の前面扉100を隔てた裏側に設けてありC/Pボタン106の操作に応じて信号を発生するスイッチである。スタートスイッチ107Sは、スタートレバー107の操作を検出するスイッチである。停止スイッチ108Sは、それぞれ対応する停止ボタン108(108L,108C,108R)の前面扉100を隔てた裏側に設けてあり停止ボタン108(108L,108C,108R)の操作に応じて停止信号を発生するスイッチである。リール位置検出回路102Iは、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール102L,102C,102Rの位置を検出するための信号をCPU502へ供給する回路である。払出完了信号回路512Iは、メダル検出部512Sの計数値(ホッパー512から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時にメダル払出完了を示す信号を発生する回路である。リセットスイッチ514は、本実施の形態では、図4に示すように前面扉100の後側に設けてあり特別遊技状態の発生確率の設定値を設定変更するためのスイッチである。
ここで、遊技を行う場合において、乱数発生器507は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路508は、スタートレバー107が操作された後の適宜のタイミングで乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することにより、例えばROM503内に格納されている確率抽籤テーブルなどに基づいて内部当籤役などが決定される。
スタートレバー107が操作されてリール102L,102C,102Rの回転が開始された後、ステッピングモータ513L,513C,513Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値がRAM504の所定エリアに書き込まれる。リール102L,102C,102Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路102Iを介してCPU502に入力される。このようにして得られたリセットパルスにより、RAM504で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM504内には、各リール102L,102C,102Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール102L,102C,102Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)が、ROM503内に格納してある。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール102L,102C,102Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
また、ROM503内には、役の成立(入賞など)となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられた図柄組合せテーブルが格納してある。この図柄組合せテーブルは、左のリール102L,中央のリール102C,右のリール102Rの停止制御時並びに全リール102L,102C,102Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)を行う際に参照される。表示役(表示役データ)は、有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)であり、遊技者にはこの表示役に対応する利益が付与される。
CPU502は、上記乱数サンプリングに基づく抽籤処理(確率抽籤処理など)により内部当籤役や停止用当籤役を決定したならば、遊技者が停止ボタン108L,108C,108Rを操作したタイミングで各停止スイッチ108Sから送られる操作信号並びに決定された停止テーブルに基づいて、リール102L,102C,102Rを停止制御する信号をモータ駆動回路513Dに送出する。
また、CPU502は、当籤した役の入賞を示す停止態様(即ち入賞態様)になれば、払出指令信号をホッパー駆動回路512Dに供給してホッパー512から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部512Sは、ホッパー512から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時にメダル払出完了信号をCPU502に入力する。これにより、CPU502は、ホッパー駆動回路512Dを介してホッパー512の駆動を停止し、メダル払出処理を終了することになる。
一方、遊技に関する特別遊技状態の発生確率の設定値を設定変更する場合には、前面扉100をキャビネット200に対して開放状態にし、さらに基板ケース400の蓋414を開けて操作用口413を開放する。すると、設定用鍵型スイッチ440の鍵穴441があらわれる。そして、電源部のメインスイッチ(図示せず)をOFFにし、遊技店の担当者が持つ設定キーを設定用鍵型スイッチ440の鍵穴441に差し込んで回して設定用鍵型スイッチ440をONする。この状態で電源部のメインスイッチ(図示せず)をONにする。これにより、はじめて、設定値の設定変更が可能となる。設定値の設定変更が可能になると、表示部109(例えば払出表示部)に現時点での設定値(例えば1〜6段階のうちの数字)が表示される。この状態で、リセットスイッチ514を押せば、その押し操作毎に設定値が替わる。また、所定の設定値にセットした段階で、確定スイッチ(本実施の形態ではスタートレバー107のスタートスイッチ107S)をONすると、その設定値が確定される。最後に、設定キーを回して設定用鍵型スイッチ440をOFFすることで、表示部109(例えば払出表示部)での設定値の表示が0になって遊技が可能になる。このような一連の入力操作に伴う設定変更の制御は全て、前記各スイッチ440,514,107Sと電気的に接続するCPU502によって行なわれる。特に、CPU502は、設定用鍵型スイッチ440がONした場合にのみ設定値の変更を許容する。
なお、メダル投入時、メダルの払い出し時、あるいはゲーム作動時以外のときであれば、現時点の設定値を確認することが可能である。この場合、電源部のメインスイッチ(図示せず)がONの状態で、遊技店の担当者が持つ設定キーを鍵穴441に差し込んで回して設定用鍵型スイッチ440をONする。これにより、表示部109(例えば払出表示部)に現時点での設定値(例えば1〜6段階のうちの数字)が表示される。そして、設定キーを回して設定用鍵型スイッチ440をOFFすることで、表示部109(例えば払出表示部)での設定値の表示が消えて遊技が可能になる。
このように、遊技に関する特別遊技状態の発生確率の設定値を設定変更可能な遊技機においては、上述したように設定用鍵型スイッチ440を、設定変更処理動作を制御する主制御回路500を有する主制御基板430を収納した基板ケース400の内部に配置してある。すなわち、設定用鍵型スイッチ440を、基板ケース400の内部に主制御基板430と共に収納したことで、設定用鍵型スイッチ440を主制御基板430に電気的に接続するためのケーブル442を従前と比較して短くし、当該ケーブル442の配線や、相互の接続コネクタ432,443の接続が基板ケース400の内部で行われる。この結果、前面扉100を閉塞した状態のキャビネット200の外部から、設定用鍵型スイッチ440や、当該設定用鍵型スイッチ440のケーブル442および基板接続コネクタ443に対して悪戯する不正行為を防止することが可能になる。
また、基板ケース400は、主制御基板430を収納する基板収納領域411aと、設定用鍵型スイッチ440を収納するスイッチ収納領域411bとを隔壁412で隔ててある。すなわち、設定用鍵型スイッチ440を基板ケース400の内部に主制御基板430と共に収納しつつ、主制御基板430単体を基板収納領域411a内に独立して収納することになる。この結果、設定用鍵型スイッチ440への不正行為を防止しつつ、主制御基板430単体への不正行為をも防止することが可能になる。
また、設定用鍵型スイッチ440の鍵穴441には、基板ケース400に設けた操作用口413を介して基板ケース400の外部から設定キーが挿入される。この操作用口413は、蓋414で開閉可能に設けてある。この結果、蓋414を開放しなければ鍵穴441に至らないので、鍵穴441への悪戯を防ぐことが可能になる。特に、操作用口413は、ミドルドア300を前面扉100に対して閉塞し、かつ、前面扉100をキャビネット200に対して閉塞した遊技可能な状態で、キャビネット200の内部において奥方(前面扉100から離反する方向)に向くように配置してある。この結果、遊技可能な状態において、基板ケース400の操作用口413、および設定用鍵型スイッチ440の鍵穴441がキャビネット200内部において奥方(前面扉100から離反する方向)に向いているので、前面扉100を閉塞したキャビネット200の外側からの操作用口413および鍵穴441への不正行為を防止することが可能になる。