JP3434382B2 - 車体構造 - Google Patents

車体構造

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JP3434382B2
JP3434382B2 JP04803495A JP4803495A JP3434382B2 JP 3434382 B2 JP3434382 B2 JP 3434382B2 JP 04803495 A JP04803495 A JP 04803495A JP 4803495 A JP4803495 A JP 4803495A JP 3434382 B2 JP3434382 B2 JP 3434382B2
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茂 山脇
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンを後置きする
車両に適用される車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両においては、図8に
示す如く、モノコック構造のボディaのフロア上にエン
ジンEを搭載するか、または、図9に示す如く、ボディ
aと一体的に設けられたフレームb上にエンジンEを搭
載することを一般としており、前面衝突した場合には、
ボディの前部に設けたクラッシャブルゾーンの変形で衝
突エネルギーを吸収するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、前面
衝突時にボディの重量とエンジンの重量との合計重量を
慣性マスとする衝突エネルギーが作用する。そして、こ
のエネルギーのすべてをボディ前部のクラッシャブルゾ
ーンで受け持たざるを得ないため、クラッシャブルゾー
ンをかなり大きくする必要があり、その結果、軽自動車
等のボディ前部にあまり余裕のない車両では、クラッシ
ャブルゾーンの確保のために車室容量を減少せざるを得
なくなっている。本発明は、以上の点に鑑み、衝突エネ
ルギーの吸収性能を損うことなく車室容量を大きく確保
し得るようにした車体構造を提供することをその目的と
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、エンジンを後置きする車両に適用される車体
構造であって、モノコック構造のボディの後部にエンジ
ンマウントを介してエンジンを搭載すると共に、該ボデ
ィに車両前端からエンジン搭載部に亘って延在するサブ
フレームをフレームマウントを介して取付け、該サブフ
レームの後部にボディに対するサブフレームの後方への
相対移動でエンジンを後方に突き動かす突き押し部を設
けることを特徴とする。
【0005】
【作用】前面衝突時には、先ずサブフレームに衝突エネ
ルギーが入り、フレームマウントによるボディへの拘束
が解かれてサブフレームがボディに対し後方に動く。そ
して、サブフレームの後部の突き押し部がエンジンに前
方から衝突してエンジンが後方に突き動かされ、遂には
エンジンマウントが破断してエンジンがボディから脱落
する。従って、ボディが受け持つのはボディの重量によ
る衝突エネルギーだけになり、クラッシャブルゾーンを
左程大きく確保しなくても衝突エネルギーを吸収できる
ようになる。この場合、突き押し部をエンジンの前面に
対向して後傾姿勢で立上がる立上がり部で構成しておけ
ば、立上り部によってエンジンが押し下げられるため、
エンジンが浮上がってボディ内に残ることを確実に防止
できる。また、ボディにエンジンの背面に対向する衝撃
吸収部材を取付けておけば、衝突エネルギーがサブフレ
ームからエンジンを介して衝撃吸収部材に伝達され、衝
突エネルギーが衝撃吸収部材によりボディ後部でも吸収
される。従って、ボディ前部のクラッシャブルゾーンの
大きさを一層縮小できるようになる。更に、サブフレー
ムとボディとの間に、ボディに対するサブフレームの前
方への相対移動を規制するストッパ手段を設けておけ
ば、衝突時に上記衝撃吸収部材からエンジンを介してサ
ブフレームに衝突エネルギーが入力されたときのサブフ
レームの前方への逃げが阻止されるため、エンジンとの
間で衝撃吸収部材が変形して衝突エネルギーが吸収され
る。更に大きな衝突エネルギーが入力されると、エンジ
ンがサブフレームの突き押し部に衝突し、正面衝突時と
同様にエンジンマウントが破断してエンジンがボディか
ら脱落し、エンジンの搭載スペースもクラッシャブルゾ
ーンとして有効に機能するようになり、衝突時の衝突エ
ネルギーの吸収性能が向上する。
【0006】
【実施例】図1に示す実施例は、エンジンEを後置きす
るワンボックスタイプの車両に本発明を適用したもの
で、モノコック構造のボディ1の後部にエンジンEを搭
載しており、ボディ1のフロア1a上に、車両前端から
エンジン搭載部に亘って延在するサブフレーム2が取付
けられている。
【0007】サブフレーム2は、図2に示す如く、前端
にバンパー部2aと後端に左右に分岐したフォーク部2
b,2bとを備えている。また、ボディ1のフロア後部
に開口1bを形成して、該開口1bの左右両側部にマウ
ントコラム、1c,1cを立設し、該各コラム1c上
に、図5(a)に示す如く、各フォーク部2bを着座さ
せ、エンジンEの左右両端に各突設したマウントブラケ
ットEaをエンジンマウント3とフォーク部2bとを介
してマウントコラム1c上に載置するようにした。
【0008】エンジンマウント3は、図3に示す如く、
振動吸収機能を持つマウント本体3aとマウントボルト
3bとで構成されており、マウントボルト3bをマウン
トブラケットEaとマウント本体3aとフォーク部2b
とを通してマウントコラム1c内の図示しない固定ナッ
トに螺着することにより、エンジンEをマウントコラム
1cにエンジンマウント3を介して取付ける。尚、フォ
ーク部2bに形成するボルト挿通孔4は前後方向に長手
の長孔で構成されており、エンジンEやマウントコラム
1cに対するフォーク部2bの前後方向の変位を許容し
得るようにしている。
【0009】また、サブフレーム2には、左右のフォー
ク部2b,2bの基端部間に位置させて、エンジンEの
前面に対向する後傾姿勢の立上り部2cが形成されてお
り、一方、ボディ1の後壁部には、エンジンEの背面に
対向する衝撃吸収部材5が取付けられている。本実施で
は衝撃吸収部材5を前後方向に長手の蛇腹状の筒状部材
で構成しているが、これに限るものでなく、前後方向に
変形可能な部材であれば良い。尚、エンジンEに衝撃吸
収部材5を連結すると、エンジンEが脱落しにくくなる
ため、衝撃吸収部材5はエンジンEから切離している。
【0010】サブフレーム2は、その中間部の複数箇所
に設けた、横方向外方に張り出すステー2dにおいて、
図4に示す如く、フレームマウント6を介してボディ1
のフロア1aに取付けられており、更に、フロア1aに
ステー2dの前側に位置させて上方に膨出するボス部1
dを形成し、該ボス部1dとステー2dとでボディ1に
対するサブフレーム2の前方への相対移動を規制するス
トッパ手段を構成している。
【0011】以上の構成によれば、前面衝突時に先ずサ
ブフレーム2に衝突エネルギーが入力され、フレームマ
ウント6が破断されてサブフレーム2がボディ1に対し
後方に移動する。そして、サブフレーム2の立上り部2
cが図5(b)に示す如くエンジンEに前方から衝突
し、エンジンEを介して衝撃吸収部材5に衝突エネルギ
ーが入力され、衝撃吸収部材5が変形して衝突エネルギ
ーが吸収される。更に大きな衝突エネルギーが入力され
ると、マウントボルト3bが破断されて、図5(c)に
示す如くマウントコラム1cからエンジンEが脱落す
る。この際、立ち上り部2cが後傾しているためにエン
ジンEは浮上ることなく確実にボディ1の下方に落下す
る。その結果、ボディ1が受け持つのはボディ1の重量
による衝突エネルギーだけとなり、ボディ1の前部のク
ラッシャブルゾーンを左程大きく確保しなくても衝突エ
ネルギーを吸収できるようになる。
【0012】また、衝突時には、衝撃吸収部材5からの
衝突エネルギーを受けてエンジンEが立上り部2cに衝
突する。この際、サブフレーム2がボディ1に対し相対
移動しようとするが、この相対移動はボス部1dへのス
テー2dの当接で阻止され、その結果、衝撃吸収部材5
がエンジンEとの間で圧縮されて変形し、衝突エネルギ
ーが吸収される。更に大きな衝突エネルギーが入力され
ると、前面衝突時と同様にマウントボルト3bが破断さ
れてエンジンEが脱落し、その後エンジンEの搭載スペ
ースもクラッシャブルゾーンとして機能して、衝突エネ
ルギーが吸収される。
【0013】尚、上記実施例では、マウントボルト3b
としてマウントブラケットEaとマウント本体3aとフ
ォーク部2bとに貫通する通しボルトを用いたが、マウ
ント本体3aの上下両端に夫々マウントボルトを植設
し、下端のマウントボルトをフォーク部2bを通してマ
ウントコラム1cに締結して、上端のマウントボルトに
マウントブラケットEaを締結しても良く、この場合は
立上り部2cによるエンジンEの突き押しでマウント本
体3a自体が破断してエンジンEが脱落する。
【0014】また、上記実施例ではマウント本体3aを
フォーク部2bとマウントブラケットEaとの間に介設
したが、図6及び図7に示す実施例の如く、フォーク部
2bとマウントコラム1cとの間にマウント本体3aを
介設しても良い。この場合、フォーク部2bにマウント
ブラケットEaが直置きされることになる。そこで、こ
の実施例では、フォーク部2bにマウントブラケットE
aに前縁に対向する段差部2eを形成し、ボディ1に対
するサブフレーム2の後方への相対移動時に段差部2e
をマウントブラケットEaに衝突させてエンジンEを後
方に突き押しし、エンジンマウント3を破断させるよう
にした。尚、これによれば、エンジンEに対する突き押
し部が段差部2eで構成されることになるが、エンジン
Eを確実に落下させるには上記実施例と同様の後傾姿勢
の立上り部2cを併用することが望ましい。
【0015】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、衝突時にエンジンをボディから脱落させるこ
とができるため、ボディが受け持つのはボディの重量に
よる衝突エネルギーだけとなり、ボディの前部に設ける
クラッシャブルゾーンを左程大きくしなくても衝突エネ
ルギーを吸収でき、車室容量の確保が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の概略截断側面図
【図2】 図1のII−II線截断平面図
【図3】 エンジンマウント部分の分解斜視図
【図4】 フレームマウント部分の側面図
【図5】 (a)(b)(c)エンジンとサブフレーム
との関係を示す要部の側面図
【図6】 第2実施例の要部の側面図
【図7】 エンジンマウント部分の分解斜視図
【図8】 従来例の斜視図
【図9】 他の従来例の斜視図
【符号の説明】
E エンジン、 1 ボディ、 1d ボス部
(ストッパ手段) 2 サブフレーム、2c 立上り部(突き押し部) 2e 段差部(突き押し部)、 3 エンジ
ンマウント 5 衝撃吸収部材、 6 フレーム
マウント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 21/00 B62D 21/15 B62D 23/00 B62D 25/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを後置きする車両に適用される
    車体構造であって、モノコック構造のボディの後部にエ
    ンジンマウントを介してエンジンを搭載すると共に、該
    ボディに車両前端からエンジン搭載部に亘って延在する
    サブフレームをフレームマウントを介して取付け、該サ
    ブフレームの後部にボディに対するサブフレームの後方
    への相対移動でエンジンを後方に突き動かす突き押し部
    を設けることを特徴とする車体構造。
  2. 【請求項2】 前記突き押し部は、エンジンの前面に対
    向して後傾姿勢で立上る立上り部で構成されることを特
    徴とする請求項1に記載の車体構造。
  3. 【請求項3】 前記ボディにエンジンの背面に対向する
    衝撃吸収部材を取付けることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の車体構造。
  4. 【請求項4】 前記サブフレームと前記ボディとの間
    に、ボディに対するサブフレームの前方への相対移動を
    規制するストッパ手段を設けることを特徴とする請求項
    3に記載の車体構造。
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