JP3431051B2 - インクジェット式記録装置、及びインクカートリッジ - Google Patents

インクジェット式記録装置、及びインクカートリッジ

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JP3431051B2
JP3431051B2 JP14868296A JP14868296A JP3431051B2 JP 3431051 B2 JP3431051 B2 JP 3431051B2 JP 14868296 A JP14868296 A JP 14868296A JP 14868296 A JP14868296 A JP 14868296A JP 3431051 B2 JP3431051 B2 JP 3431051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術の分野】本発明は、印刷データに一
致して着色液体を液滴として被記録体に吐出するインク
ジェット式記録装置、及びインクカートリッジに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、プリント回路基板においては、
部品の配置位置や、部品の種類を明示する目的で、形状
や文字等を印刷することが行われている。このような印
刷には、予めパターンを窓として形成したスクリーンを
用い、絶縁性を備えたインクをスクリーン印刷する方法
が用いられている。しかしながら、高密度実装が行われ
る回路基板では、位置決めが困難であったり、また設計
変更などが行なわれる度にスクリーンを新しく製作する
必要があるという問題がある。
【0003】このような問題を解消するため、バブルジ
ェット式記録ヘッドのように液体に無用に加熱すること
無く、しかも電気信号により吐出圧を比較的自由に調整
することができる圧電振動子を使用したインクジェット
式記録ヘッドにより着色液体、例えばインクを噴射させ
て、プリント基板等の被塗装物の表面にパターンや文字
を描くことが考えられている。このような印刷方法によ
れば、プリント回路設計データの中から文字データやパ
ターンデータを抽出して、これに基づいて着色液体を吐
出させるだけでパターンを描くことができ、スクリーン
製作が不要となるばかりでなく、設計変更にも柔軟に対
処することができるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一方に
おいてこのような目的で用いられるインクは、電気絶縁
性を備え、かつプリント配線パターンを腐蝕させず、さ
らに明瞭に視認できるインク、例えば酸化チタンを顔料
として溶媒に懸垂させてものが用いられる関係上、紙に
印刷するインクに比較して極めて短時間の内に顔料が沈
殿してしまい、所期の濃度での塗布が困難となったり、
またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりを招く等の
問題がある。
【0005】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、沈殿し易い顔
料系インクを用いて確実に刷することができる新規なイ
ンクジェット式記録装置を提供することである。本発明
の他の目的は、沈殿し易い顔料系インクをインク供給口
の近傍で確実に攪拌してから供給することができるイン
クカートリッジを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明の請求項1の発明においては、ノズル開
口からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド
と、該記録ヘッドを印刷物に対して相対的に移動させ
るキャリッジと、前記記録ヘッドにインクを供給するイ
ンクカートリッジとを備えたインクジェット式記録装置
において、前記インクカートリッジが、インクを収容す
る袋体と、記録ヘッドにインクを供給するインク供給口
を形成する封止体と、前記袋体に収容されて移動体の運
動経路を規制するガイド部材と、前記ガイド部材に移動
可能に収容された前記移動体とで構成されている。 また
請求項3の発明においては、インクを収容する袋体と、
記録ヘッドにインクを供給するインク供給口を形成する
封止体と、前記袋体に収容され、移動体の運動経路を規
制するガイド部材と、前記ガイド部材に移動可能に収容
された前記移動体とで構成されている。 これにより、筒
状のガイド部材と移動体とによりインク供給口近傍のイ
ンクをピストン効果で押し出して攪拌しつつ記録ヘッド
に供給する。またガイド部材の端部に丸みが形成されて
いるから、インク袋の破損を防止できる。
【0007】
【実施の態様】そこで以下に本発明の詳細を図示した実
施例に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例を、
プリント回路基板印刷装置の例を採って示すもので、図
中符号1は、キャリッジで、フレーム2の一端に設けら
れた駆動モータ3と他端に設けられたアイドルローラ4
との間に掛け渡されたタイミングベルト5によりガイド
部材6に案内されて往復動するように構成されている。
【0008】キャリッジ1の被塗装物載置台7に対向す
る面には、圧電振動子を使用したインクジェット式記録
ヘッド8が設けられ、また上面にはインクカートリッジ
9が着脱可能に載置されている。この記録ヘッド8は、
周知の如く圧電振動子に印刷信号を供給することによ
り、圧力発生室を膨張、収縮させ、圧力発生室に連通す
るノズル開口からインク滴を吐出させるように構成され
ている。
【0009】図2は、前述のインクカートリッジ9の一
実施例を示すものであって、図中符号10は、インクカ
ートリッジを構成する容器本体で、キャリッジ1に装着
されたときに下方となる面に記録ヘッド1にインクを供
給するインク供給口11が、また上面の開口部12を大
気連通孔13を有する蓋体14により封止して構成され
ている。
【0010】容器本体10の下方には、慣性により移動
しやすく、かつ有機溶媒を含むインクに対して耐蝕性、
及び耐磨耗性の高い材料、例えばセラミックス、不錆鋼
等の球体からなる移動体15を移動可能ならしめる領域
を確保するためのインク室16が設けらている。
【0011】このインク室16の上部には、インク吸収
体受け部17で下面を支持するようにしてインクなどの
顔料性インクを毛細管力で保持でき、かつインク溶媒に
も耐蝕性を有する多孔質材からなるインク吸収体18が
収容されている。なお、図中符号19は、記録ヘッド8
に装着されたとき、破断可能なシール膜を、また21
は、印刷休止中には記録ヘッド8を封止するとともに、
印刷開始当初や印刷中にインク吐出能力回復操作のため
に記録ヘッド8から吐出されるインクを受けるキャッピ
ング部材を示す。
【0012】図3は、同上記録装置を制御するための制
御装置の一実施例を示すものであって、図中符号30
は、印刷制御手段で、後述するタイマ33で計時された
時間に基づいて、印刷の可否を判定し、印刷が可能な場
合にはキャリッジ制御回路31、ヘッド駆動回路32に
より、印刷データに合わせてキャリッジ1を往復動させ
つつ、記録ヘッド8からインクを吐出させるものであ
る。
【0013】33は、前述のタイマで、印刷動作が停止
していた時間を計時し、後述する所定の回復操作が実行
された後にリセットして、印刷動作が停止した段階で計
時動作を開始するものである。
【0014】次にこのように構成した装置の動作を図4
に示したフローチャートに基づいて説明する。プリント
回路基板等の被記録物20を載置台4に位置決めしてセ
ットし、図示しないCAD等から印刷データが入力する
と(図4 ステップ イ)、タイマ33に計時されてい
る休止時間Tを読出し、停止状態でインクが沈殿するま
での時間により定められた基準値T0と比較し、休止時
間Tが基準値T0よりも短かかった場合には(図4 ス
テップ ロ)、後述する回復操作を行うこと無く印字動
作に移る(図4 ステップ ト)。
【0015】一方、タイマ33に計時されていた休止時
間Tが基準値T0よりも長かった場合には(図4 ステ
ップ ロ)、記録ヘッド8に印刷信号を出力することな
く、キャリッジ1を往復動させる(図4 ステップ
ハ)。これにより、移動体15が慣性によりインク室1
6の中を往復動して、インク室16のインクを攪拌して
沈殿している顔料を溶媒に拡散させて印刷に適した状態
に再生する。
【0016】所定時間の攪拌が終了した段階で、記録ヘ
ッド8を非印刷領域のキャッピング手段21に移動させ
て、全てのノズル開口にインク吐出信号を出力してフラ
ッシング動作を行わせたり、またキャッッピング手段2
1により封止して図示しないポンプからの負圧を作用さ
せて強制的にインクを吐出させる(図4 ステップ
ニ)。
【0017】このとき排出させるインク量は、少なくと
も記録ヘッド8から移動体15が存在する領域までの沈
殿が生じている虞がある流路の容積に相当する分とする
のが望ましい。そしてインクの粘度が特に高い場合に
は、フラッシング動作を省いてノズル開口に負圧を作用
させてインクを強制的に吐出させる方法が望ましい。
【0018】このようにして印刷が可能となった段階
で、タイマ33をリセットしてから(図4 ステップ
ホ)、キャリッジ1により記録ヘッド8をプリント回路
基板20の表面に沿って移動させながら、CADからの
印刷データに基づいて文字やパターンに対応してインク
を液滴として噴射して印刷を実行する(図4 ステップ
ト)。これにより、プリント回路基板20の表面には、
インクが付着して文字やパターンが描かれる。
【0019】この印刷の過程で、記録ヘッド8からイン
クが噴射されてインク室16の圧力が低下すると、イン
ク吸収体18からインクがインク室16に流れ込み消費
された分が補給される。
【0020】一方、印刷工程においては、キャリッジ1
がプリント回路基板の印刷領域を往復動するため、移動
体15が慣性によりインク室16を往復動する。これに
より、インク室16に存在するインクが移動体15によ
り攪拌を受けて、沈殿しかけた顔料を溶媒に拡散させて
印刷に適した状態に維持する。
【0021】このようにして、1枚のプリント回路基板
に対する印刷が終了すると(図4ステップ チ)、タイ
マ33が計時動作を開始し(図4 ステップ リ)、印
刷指令が入力した場合には(図4 ステップ ヌ)前述
の印刷工程を繰返し、印刷指令が入力しない場合には停
止する。
【0022】また、印刷によりインクが消費されて、イ
ンク吸収体18の下面18a近傍までインクの液位が低
下した時点で、印刷動作を強制的に停止させる。これに
より移動体15の移動による泡立ちを防止して、記録ヘ
ッド8に気泡が浸入するのを阻止する。
【0023】図5は、インクカートリッジ9の他の実施
例を示すものであって、同図(イ)に示した実施例にお
いてはキャリッジ1に装着されたとき、少なくともキャ
リッジ1の移動方向となる端部に耐溶媒性を備えた弾性
部材40、40を設けたものである。
【0024】この実施例によれば、移動体15を弾性部
材40、40により反発させて移動速度を高めて、攪拌
作用を向上させるとともに、移動体15と容器本体10
との衝突を防止して騒音や、破損を防止することができ
る。
【0025】また同図(ロ)は、移動体15の移動経路
を規制するとともに、インク吸収体18の保持体を兼ね
るガイド部材41を底部に収容したもので、やはり攪拌
効率の向上と、カートリッジの保護を図るようにしたも
のである。
【0026】図6は、本発明の他の実施例を示すもので
あって、図中符号47は、記録ヘッド8を搭載してガイ
ド部材4に案内されて往復動するキャリッジで、記録ヘ
ッド8よりも下方となる位置にインクカートリッジ収容
部48が形成されている。また記録ヘッド8とほぼ同一
面にサブタンク機能を備えたダンパ部材49が設けられ
ている。ダンパ部材49は、チューブ50を介して収容
部48のインクカートリッジ51からインクの供給を受
け、インクの圧力変動を吸収してから記録ヘッド8にイ
ンクを供給するものである。
【0027】図7(イ)、(ロ)は、それぞれ前述のダ
ンパ部材49の一実施例を示すものであって、図中符号
52は、基板で、これには同一の深さとなるように矩形
状の凹部53が設けられていて、上端にはインクカート
リッジ51に接続する流入口54が、また下端には記録
ヘッド8に接続する流出口55が設けられ、開口面をイ
ンクの圧力変動で変形する柔軟な膜56により封止し、
また必要に応じて金属板の弾性片を弾接させて構成され
ている。
【0028】図8は、上述したインクカートリッジ51
の一実施例を示すものであって、通気性が極めて小さ
く、かつ柔軟なフィルムにより袋58を形成し、その開
口側にインク供給口59を備え、かつ袋58との溶着や
接着が可能な材料からなる封止部材60で封止して構成
されている。この封止部材60には、袋58に収容され
る側に移動体61を移動可能に支持するガイド部62が
一体物、または別体物として作り付けられていて、イン
ク供給口近傍のインクを後述する移動体61の移動によ
り攪拌できるように構成されている。なお、図中符号6
3は、外ケースを示す。
【0029】図9は、前述の封止部材の一実施例を示す
ものであって、インク供給口59に対して直交するよう
に両端に開口64、64を備えた筒状のガイド部65が
形成され、内部に移動体61が移動可能に封入されてい
る。ガイド部65の両端近傍部65a、65bは、袋5
8との接触により袋58を破損しないように丸みが付け
られている。
【0030】この実施例によれば、キャリッジ1が移動
すると、慣性により移動体61がガイド部65に案内さ
れて往復動してピストンとして機能し、ガイド部65に
流れ込んだインクを開口64、64から袋58の中に押
し出して攪拌することが可能となる。
【0031】また、図10に示したようにガイド部65
に移動体61の移動経路に沿って細長い窓65cを形成
しておくと、この窓65cを介して移動体61の移動経
路へのインクの流入、また移動経路からのインクの排出
を促して、効率的に攪拌することができる。
【0032】次にこのように構成した実施例の動作につ
いて説明する。プリント回路基板等の被塗装物20を載
置台4に位置決めしてセットし、図示しないCAD等か
ら印刷データが入力すると(図4 ステップ イ)、タ
イマ33にカウントされている休止時間Tを読出し、印
刷終了後にインクが沈殿するまでの時間により定められ
た基準値T0と比較し、休止時間Tが基準値T0よりも短
い場合には(図4 ステップ ロ)、後述する回復操作
を行うこと無く印字動作に移る(図4 ステップ
ト)。
【0033】一方、休止時間Tが基準値T0よりも長か
った場合には(図4 ステップ ロ)、記録ヘッド8に
印刷信号を出力することなく、キャリッジ1を往復動さ
せる(図4 ステップ ハ)。これにより、移動体61
が慣性によりインク袋58の中をガイド部62に案内さ
れて往復動し、インク供給口59近傍のインクを移動体
61が攪拌して沈殿している顔料を溶媒に拡散させて印
刷に適した状態に再生する。
【0034】所定時間の攪拌が終了した段階で、全ての
ノズル開口にインク吐出信号を出力してフラッシング動
作を行わせたり、またキャッッピング手段により封止し
て図示しないポンプからの負圧を作用させて強制的にイ
ンクを吐出させる(図4 ステップ ニ)。
【0035】これにより、記録ヘッド8から移動体61
に至るまでの流路に沈殿しているインクが排出されて印
刷可能な状態となる。インクの粘度が特に高い場合に
は、フラッシング動作を省いてノズル開口に負圧を作用
させてインクを強制的に吐出させる方法が望ましい。
【0036】このようにして印刷が可能となった段階
で、タイマ33をリセットしてから(図4 ステップ
ホ)、キャリッジ1により記録ヘッド8をプリント回路
基板20の表面に沿って移動させながら、CADからの
印刷データに基づいて文字やパターンに対応してインク
を液滴として噴射して印刷を実行する(図4 ステップ
ト)。これにより、プリント回路基板20の表面には、
インクの液滴が付着して文字やパターンが描かれる。
【0037】この印刷の過程で、記録ヘッド8からイン
クが噴射されてインク室16の圧力が低下すると、イン
クカートリッジ51からチューブ50を介してダンパ部
材49に流れ込み消費された分を補給する。
【0038】一方、印刷工程においては、キャリッジ1
がプリント回路基板の印刷領域を往復動するため、移動
体61が慣性により袋58の中を往復動する。これによ
り、インク供給口近傍のインクが移動体61により攪拌
を受けて、沈殿しかけた顔料が溶媒に拡散されて印刷に
適した状態に回復する。
【0039】このようにして、1枚のプリント回路基板
に対する印刷が終了すると(図4ステップ チ)、タイ
マ33が計時動作を開始し(図4 ステップ リ)、次
の印刷指令が入力した場合には(図4 ステップ ヌ)
前述の印刷工程を繰返し、また印刷指令が入力しない場
合には停止する。
【0040】図11(イ)、(ロ)は、それぞれ移動体
61を案内するガイド部材の他の実施例を示すものであ
って、同図(イ)は、インク供給口59から奥に延びる
ように形成したものであり、また同図(ロ)は外ケース
63の形状に合わせて周回可能な経路として形成し、こ
こに複数の移動体61、61‥‥を収容したものであ
る。
【0041】図13は、ダンパ部材49の他の実施例を
示すものであって、この実施例においては、上部に位置
するインク流入口54と下部に位置する流出口55とを
接続する流路67の一部に水平領域67aを形成すると
ともに、下方に拡開部を備えたくびれ部68aを備えた
ダンパ室68を水平領域67aに連通させるように基板
69に形成し、さらに開口面を前述と同様にインク圧力
の変動により変形可能な膜70で封止したものである。
【0042】この実施例によれば、インクの圧力を膜7
1の変形により吸収する一方、インクに含まれている気
泡を流れの途中でダンパ室68にトラップして記録ヘッ
ド8に浸入するのを阻止することができる。
【0043】なお、上述の実施例においては、インクを
水平方向に吐出させているが、図13に示したように、
インクカートリッジ収容部48をキャリッジ1の記録ヘ
ッド8から離れた位置に設けることにより、キャリッジ
1の下面に記録ヘッド8を配置することができ、乾燥性
の低いインクに対しても印刷後におけるインクの垂れを
防止することができる。
【0044】図14は、本発明の他の実施例を示すもの
であって、図中符号72は、記録装置の基体に設置され
た揺動装置で、その上面にインクカートリッジ収容部7
3が設けられている。収容部73には、前述したのと同
様に移動体61を収容したインクカートリッジ51が収
容されていて、ダンパ部材74、インクチューブ50を
介してキャリッジ1のダンパ部材49に接続され、この
インクチューブ50の途中には、後述する乱流発生モジ
ュール75が接続されている。
【0045】図15(イ)、(ロ)、(ハ)は、それぞ
れ乱流発生モジュール75の実施例を示すものであっ
て、同図(イ)はインクチューブ50よりも大径に形成
された部屋77に、間隔を設けて千鳥状に邪魔板78、
78、78を配置したものであり、また同図(ロ)は、
流入口77aと流出口77bとを分けるように部屋77
にフィルタ79を設けたものであり、さらに同図(ハ)
はインクカートリッジ側となる流入口77aを急激に拡
開させて乱流発生領域77cを形成したものである。
【0046】図16は、上述した記録装置に適した印刷
制御装置の一実施例を示すものであって、図中符号30
は、印刷制御手段で、後述するタイマ33で計時された
時間に基づいて、印刷の可否を判定し、印刷が可能な場
合にはキャリッジ制御回路31、ヘッド駆動回路32に
より、印刷データに合わせてキャリッジ1を往復動させ
つつ、記録ヘッド8からインクを吐出させるものであ
る。
【0047】33は、前述のタイマで、印刷動作が停止
していた時間を計時し、基準値T0を越えていた場合に
は振動台駆動回路80を駆動するとともに、記録ヘッド
8にフラッシング動作を行わせてからリセットするもの
である。
【0048】次にこのように構成した装置の動作を図1
7に示したフローチャートに基づいて説明する。プリン
ト回路基板等の被塗装物20を載置台4に位置決めして
セットし、図示しないCAD等から印刷データが入力す
ると(図17 ステップ イ)、タイマ33にカウント
されている休止時間Tを読出して基準値T0と比較し、
休止時間Tが基準値T0よりも短い場合には(図17
ステップ ロ)、印字動作に移る(図17 ステップ
ヘ)。
【0049】一方、休止時間Tが基準値T0よりも長か
った場合には(図17 ステップニ)、記録ヘッド8に
印刷信号を出力することなく、揺動装置駆動回路80に
信号を出力してインクカートリッジ51を往復動させる
(図17 ステップ ハ)。これにより、カートリッジ
51に収容されている移動体61が慣性によりガイド部
65を往復動して、袋58のインク供給口近傍のインク
を攪拌して沈殿している顔料を溶媒に拡散させて印刷に
適した状態に再生する。
【0050】所定時間の攪拌が終了した段階で、記録ヘ
ッド8をキャッピング手段21に移動させて、全てのノ
ズル開口にインク吐出信号を出力してフラッシング動作
を行なわせたり、また、キャッッピング手段21で封止
して図示しないポンプからの負圧を作用させて強制的に
インクを吐出させる(図17 ステップ ニ)。このと
き排出させるインク量は、記録ヘッド8やダンパ部材4
9、チューブ50、乱流発生モジュール75の容積に相
当する量に設定することで、これら流路構成部材に沈殿
しているインクを確実に排出させて印刷が可能となる。
【0051】このようにして印刷が可能となった段階
で、タイマ33をリセットしてから(図17 ステップ
ホ)、キャリッジ1により記録ヘッド8をプリント回
路基板20の表面に沿って移動させながら、CADから
の印刷データに基づいて文字やパターンに対応してイン
クを液滴として噴射する(図17 ステップ ヘ)。
【0052】この印刷によりダンパ部材49のインクが
消費されると、インクカートリッジ51からチューブ5
0を経由してダンパ部材49に流れ込むことになるが、
この過程で乱流発生モジュール75により攪拌されるた
め、十分に攪拌されたインクが記録ヘッド8に供給され
ることになる。
【0053】この印刷工程においてはタイマ33は、揺
動装置72が停止してからの時間を計時し、タイムアッ
プした時点で(図17 ステップ ト)、揺動装置72
に信号を出力して所定時間の間インクカートリッジ51
を再び揺動させる(図17ステップ チ)。これにより
カートリッジ51の沈殿しかけた顔料が再び溶媒に懸垂
されて印刷に適した状態となる。揺動が終了した段階で
タイマ33は、リセットして、再び計時を開始する(図
17 ステップ リ)。
【0054】なお、上述の実施例においてはインクカー
トリッジ側にもダンパ部材を接続しているが、圧力変動
が小さい場合にはキャリッジ1側にだけダンパ部材を設
けても印刷に適した液圧で切り録ヘッドにインクを供給
することができる。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
インク供給口近傍のインクをピストン効果で押し出して
攪拌しつつ記録ヘッドに供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録装置の一実施例
を示す図である。
【図2】インクカートリッジの一実施例を示す断面図で
ある。
【図3】同上装置を制御する制御装置の一実施例を示す
ブロック図である。
【図4】同上装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】図(イ)、(ロ)は、それぞれインクカートリ
ッジの他の実施例を示す断面図である。
【図6】図(イ)、(ロ)は、それぞれ本発明の他の実
施例を示す背面図と、側面図である。
【図7】図(イ)、(ロ)は、それぞれダンパ部材の一
実施例を示す正面図と底面図である。
【図8】図(イ)、(ロ)は、それぞれインクカートリ
ッジの一実施例を示す一部破断図と、正面図である。
【図9】図(イ)、(ロ)は、それぞれインクカートリ
ッジを構成する封止部材の一実施例を示す断面図と正面
図である。
【図10】インクカートリッジを構成する封止部材の他
の実施例を示す図である。同上記録装置を制御する制御
装置の一実施例を示すブロック図である。
【図11】図(イ)、(ロ)は、それぞれインクカート
リッジを構成する封止部材の他の実施例を示す正面図で
ある。
【図12】図(イ)、(ロ)は、それぞれダンパ部材の
他の実施例を示す正面図と底面図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す図である。
【図14】本発明の他の実施例を示す図である。
【図15】図(イ)、(ロ)、(ハ)は、それぞれ乱流
発生モジュールの実施例を示す断面図である。
【図16】同上装置を制御する制御装置の一実施例を示
すブロック図である。
【図17】同上装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 キャリッジ 3 キャリッジ駆動用モータ 4 タイミングベルト 8 記録ヘッド 9 インクカートリッジ 15 移動体 18 インク吸収体 20 被記録体 21 キャッピング手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−169269(JP,A) 特開 平5−131645(JP,A) 特開 平2−215538(JP,A) 特開 平6−286160(JP,A) 特開 平6−47922(JP,A) 実開 平4−87251(JP,U) 実開 平5−44539(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口からインク滴を吐出するイン
    クジェット式記録ヘッドと、該記録ヘッドを非印刷物に
    対して相対的に移動させるキャリッジと、前記記録ヘッ
    ドにインクを供給するインクカートリッジとを備えたイ
    ンクジェット式記録装置において、 前記インクカートリッジが、インクを収容する袋体と、
    記録ヘッドにインクを供給するインク供給口を形成する
    封止体と、前記袋体に収容され、両端に開口を有し、か
    つ両端に丸みが形成された筒状のガイド部材と、前記ガ
    イド部材に移動可能に収容された前記移動体とで構成さ
    れているインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド部材は、少なくとも前記袋体
    の運動方向に延びる経路を有する請求項1に記載のイン
    クジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 インクを収容する袋体と、記録ヘッドに
    インクを供給するインク供給口を形成する封止体と、前
    記袋体に収容され、両端に開口を有し、かつ両端に丸み
    が形成された筒状のガイド部材と、前記ガイド部材に移
    動可能に収容された前記移動体とで構成されてたインク
    カートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記ガイド部材は、少なくとも前記袋体
    の運動方向に延びる経路を有する請求項3に記載のイン
    クカートリッジ。
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