JP4623256B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクタンクからインクを供給させて印字する印字ヘッドを備えた圧電式等のインクジェット記録装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、入力信号に基づいてインクを被記録媒体に噴射して記録するインクジェット記録装置において、インクタンクからインク流路を介して印字ヘッドの複数の噴射チャンネルにインクを導き、発熱素子、圧電素子等のアクチュエータを選択的に駆動させて噴射チャンネルの先端(ノズル)からインク噴射を行うものが知られている。この種のインクジェット式の記録装置において、特開2000−190513号公報等に開示されているように、シリアルプリンタタイプの小型のものでは、被記録媒体に対して往復移動するキャリッジに印字ヘッド及びインク供給源としてのインクカートリッジを搭載したものがあるが、キャリッジの移動端にて一端停止してリターンするときの慣性モーメントが前記インクカートリッジ及びその内部のインク液の重量に対応して大きくなってしまい、前記キャリッジの駆動源に余分の抵抗力がかかるという問題があり、また、インクカートリッジを小型化すると、インクの消費に伴うインクカートリッジの交換頻度が多くなり、連続して大量の記録を迅速にできないという不便さがあった。
【0003】
そこで、特開平5−16382号公報に開示されているように、記録装置本体側にインクカートリッジ等の交換可能なインク供給源を配置し、該インク供給源から可撓性のチューブを介してキャリッジ上の印字ヘッドにインクを供給する構成が知られている。
【0004】
そして、この公報にも開示されているように、印字ヘッドと取り外し可能に接続するサブタンクは、印字ヘッドと共にキャリッジに搭載され、一体的に走査移動するものであり、サブタンクの内部にはインクを完全に満たすのではなく、所定量の空気(エア)を溜めた状態で用いられる。この空気部分の存在により、印字ヘッドの移動・停止に伴う衝撃力を緩和し、インクが印字ヘッドの噴射チャンネル内の圧力変動を防止して均一な噴射性能を維持しようとするものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近の印字速度の高速化の要請に伴い、前記印字ヘッドの発進・停止を頻繁且つ急激に行うと、サブタンクの空気溜まり部分が密閉状であることに加え、インク供給源から印字ヘッドのサブタンクまでの可撓性チューブ内のインクの慣性流動のため、サブタンク内の圧力変動が大きくなり過ぎてしまう。その結果、サブタンク内の圧力が正圧側で大き過ぎるときには、前記ノズル部でのメニスカス耐圧を越えてしまい、インクがノズル面から漏洩して被記録媒体を不用意に汚したり、逆に、サブタンク内の圧力が負圧側で大き過ぎると、前記ノズル部でのインクのメニスカス耐圧を破ってしまい、印字時に大気がノズルから印字ヘッド内に入って噴射チャンネル内に気泡として溜まり、噴射不良の原因になるという問題が頻繁に発生する問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題を解消すべくなされたものであって、キャリッジと一体的に移動・停止する印字ヘッドに接続したバッファタンクの空気部分に連通する管体内に、液体状の隔離部材が移動可能となるように構成した圧力変動吸収手段を設けることにより、圧力変動が大きくなることを無くして、インクの漏洩や噴射不良が発生しないようにしたインクジェット記録装置を提供することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明のインクジェット記録装置は、インクを溜める大気開放型のインクタンクと、複数の噴射チャンネルを有する印字ヘッドと、該印字ヘッドに接続したバッファタンクに、前記インクタンクからインクを供給するインク供給経路とを備えたインクジェット記録装置において、前記バッファタンク内の空気部に一端が連通した管体と、該管体内の中途部に移動可能に配置された液状の隔離部材とからなる圧力変動吸収手段を備えたものである。
【0008】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記隔離部材は、不揮発性の高粘度液からなることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記印字ヘッドに対して前記インクタンクの高さ位置を、印字ヘッドにおけるノズルからインク滴が漏洩しない背圧が前記バッファタンクに付与されるように設定したものである。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記管体の一端は前記バッファタンクの天井面に開口し、該管体を印字ヘッドの移動方向と交差する方向に延設したものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記インクタンクは、インクカートリッジ等のインク供給源から供給されたインクを一旦溜めるサブタンクとしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1は、本発明のインクジェット記録装置の概略断面図、図2は第2実施形態の要部断面図、図3は第3実施形態の要部断面図である。ヘッドユニット1には、その下部側に図示しない複数の噴射チャンネルを有する印字ヘッド2が配置され、上部側には前記全ての噴射チャンネルに連通するマニホールド室3aを備えたマニホールド体3が配置されて、両者が接着固定されてユニット化されたものである。
【0013】
前記ヘッドユニット1はキャリッジ4の下面側に接着剤等により固定装着され、その上面側にバッファタンク5が取付けネジ6にて着脱自在可能に固定されている。インク供給源としてのインクカートリッジ30は合成樹脂製の可撓性のチューブ31を介してサブタンク32の底面に接続され、インク供給のための第1ポンプ33の駆動により、インクカートリッジ30内のインクがサブタンク32に補充供給される。サブタンク32の底面に接続したインク供給流路としての可撓性チューブ34の他端は、キャリッジ4の側方に固定して設けた接続部材14に接続し、この接続部材14に接続した中継用の合成樹脂製の可撓性チューブ13の他端が前記バッファタンク5のインク流入口8に接続されている。サブタンク32はその上面に大気開放部32aを備え、前記中継用の合成樹脂製の可撓性チューブ13の中途部には、インク供給のための第2ポンプ35が設けられている。
【0014】
なお、本実施形態においては、前記インクカートリッジ30及びサブタンク32は、記録装置の本体側の所定位置に配置されるものとし、図示しないタイミングベルトやステップモータ等を介して、キャリッジ4は図1の紙面と直交する方向に往復動可能に構成されている。また、キャリッジ4は、被記録媒体としての用紙(図示せず)の表面に沿い、且つ該用紙の送り方向と直交するキャリッジ移動方向に沿って往復移動であり、キャリッジ4の移動方向の一端部には、吸引パージのための吸引キャップ37が、前記印字ヘッド2と対向するように配置されており、吸引パージ時には、吸引キャップ37が印字ヘッド2の前面(下面)のノズル部を覆うように接近密着し、吸引パイプ38及び吸引ポンプ39を介してドレンタンク40に排出される。
【0015】
次に、印字ヘッド2について説明すると、特開2000−103084号公報等に開示されているような公知の構造であるので図示しないが、基板の両側に複数の噴射チャンネルをそれぞれ有する2つのアクチュエータ基板を接着した構成であり、下面に前記各噴射チャンネルに連通するノズルが2列状に開口している。各アクチュエータ基板の上面には、夫々マニホールド室3aが前記各噴射チャンネルにわたって連通するように配置されたマニホールド体3が設けられている。前記各マニホールド室3a、3a(図1では一方のみ示す)の上面に接続する導入管12、12は後述するバッファタンク5の底板5aに開口したインク流出口10にシール管18、18を介して接続されている。なお、各噴射チャンネル内のインクを吐出させる構成としては、前記アクチュエータ基板における噴射チャンネル近傍の側壁を圧電材料で構成して、その圧電材料の変形によりインクを噴出させることが好ましい。
【0016】
バッファタンク5の天井壁7には、インク流入筒8が垂下し、バッファタンク5の底板5aの近傍にて開口している。また、前記インク流入筒8の上端は天井壁7から上向きに突出している。さらに、前記天井壁7の一側寄り部位には、開口筒9が形成され、前記天井壁7の内面(天井面)7aは、図1から理解できるように、略全体として一方で低く前記開口筒9側で高い位置となるように、水平面に対して適宜傾斜角度θの傾斜面に形成されている。この傾斜角度θは、本実施形態のインクジェット記録装置を搭載したプリンタの本体(図示せず)をテーブル等の載置面に載せるときの許容される傾き角度(装置許容傾き角度)に略5度加えた値とし、実施形態では5度〜15度程度であり、より好ましくは10度程度とする。
【0017】
前記バッファタンク5の底板5aから下向きに突出した一対のインク流出口10、10には、その各々の上面側(バッファタンク5の内部)にて5μm〜10μmメッシュ程度のフィルタ11を張設し、インク内の気泡や異物を捕捉できるようにしている。
【0018】
なお、サブタンク32内の大気に開放されたインクの液面は、前記印字ヘッド2のノズル面(印字ヘッドの下面)の高さ位置より適宜高さH2(実施形態では水柱(水頭)100mm)だけ低く設定し、これにより印字ヘッド2のノズル面のインク圧力を大気に比べて負圧の圧力ヘッド(前記水柱(水頭)100mmだけ低い)に設定している。
【0019】
前記バッファタンク5内における空気部分(天井壁7)に近い上側に連通する開口筒9には、実施形態では合成樹脂製のチューブ等からなる圧力変動吸収手段の一部としての管体15の一端を接続する。該管体15の中途部には、液状の隔離部材20を移動可能に挿入している。実施形態では、圧力変動吸収手段の一部としての隔離部材20は、管体15を腐食させず、且つ室温及び気候の寒暖により凍結したり、蒸発しない材料が好ましく、不揮発性で高粘度液、例えばグリセリン等を使用する。このような高粘度液であれば、管体15を略水平状にセットしたとき、液体メニスカス耐圧が高く、管体15のバッファタンク5における空気室部分と、管体15の先端側の室15aとを確実に遮断できる。
【0020】
また、前記管体15はその大部分を略水平状に配置すると共に、管体15を前記キャリッジ4の移動方向と交差する方向(直交する方向)に延設する。これにより、管体15の内部のダンパー(緩衝体)としての隔離部材20がキャリッジの移動に伴う慣性力にて当該管体15の軸線方向に移動することはない。
【0021】
なお、図1に示す第1実施形態では、管体15の先端(自由端)を栓体21にて封緘し、先端側の室15aの圧力を、前記背圧P2と等しくなるようにすることにより、静止した初期状態で、隔離部材20が管体15の内部の所定位置にて静止していることになる。
【0022】
なお、前記可撓性チューブ13及び管体15は、キャリッジ4に取付けられた保護カバー体4aにより保護されている。
【0023】
この構成において、例えば、印字ヘッド2のノズルのメニスカス耐圧P1をマイナス350mm(水柱)、ノズルに与える前記背圧P2をマイナス100mm(水柱)、前記隔離部材20のメニスカス耐圧P3を±100mm(水柱)、印字ヘッド2が移動することにより可撓性チューブ13、34から受ける圧力変動の最大値P4を±200mm(水柱)、印字ヘッド2が正常印字可能なメニスカス耐圧P5を0mm〜マイナス200mm(水柱)とする。
(1).印字ヘッド2(キャリッジ4)が静止した初期状態‥‥
ノズル(印字ヘッド2)には、バッファタンク5側からP2の背圧が掛かり、これはノズルのメニスカス耐圧P1より大(P1<P2)なので、ノズル部でのメニスカスの破壊は発生しない。また、隔離部材20のメニスカス耐圧P3(絶対値)が、前記背圧P2より大きいから、隔離部材20は動かない。
(2).キャリッジ4の移動によるチューブ13、34内のインクの圧力変動で、前記背圧P2が増加した場合‥‥
(2-1).チューブ13、34から受ける圧力変動+ΔP4が+100mm(水柱)までのとき、|ΔP4|<|P3|( =100mm) なので、隔離部材20は移動しない。P2+ΔP4>P1なので、ノズルのメニスカスは破壊されず、従って、ノズル面から大気を印字ヘッド2内に吸い込むことがない。
また、P2+ΔP4≦P5(最大値)となり、バッファタンク5内の背圧の変動(増加)によっても、印字ヘッド1の印字性能に影響を及ぼさない。
【0024】
(2-2).チューブ13、34から受ける圧力変動ΔP4が+100mm(水柱)を超えたとき、
|ΔP4|>|P3|( =100mm) なので、隔離部材20は、管体15の長手方向に沿って進退動して、ΔP4=P3となる位置で静止する。つまり、チューブ13、34内のインクがバッファタンク5 のインク流入筒8に近づくように前進してバッファタンク5内の背圧p2が増大すると、前記隔離部材20が管体15の中途部において開口筒9から遠ざかる方向に後退して圧力バランスを保持することになる。
【0025】
また、P2+ΔP4>P1なので、ノズルのメニスカスは破壊されず、従って、ノズル面から大気を印字ヘッド2内に吸い込むことがない。
【0026】
また、P2+ΔP4=P5(最大値)となり、バッファタンク5内の背圧の変動(増加)によっても、印字ヘッド1の印字性能に影響を及ぼさない。
(3).キャリッジ4の移動によるチューブ13、34内のインクの圧力変動で、前記背圧P2が減少した場合‥‥
(3-1).チューブ13、34から受ける圧力変動(−ΔP4)が背圧P2(=−100mm(水柱))までのとき、|ΔP4|<|P3|( =100mm) なので、隔離部材20は移動しない。また、P2+ΔP4>P1なので、ノズルのメニスカスは破壊されず、従って、ノズル面から大気を印字ヘッド2内に吸い込むことがない。さらに、P2+ΔP4≦P5(最小値)となり、バッファタンク5内の背圧の変動(減少)によっても、印字ヘッド1の印字性能に影響を及ぼさない。
【0027】
(3-2).チューブ13、34から受ける圧力変動ΔP4が背圧P2(=−100mm(水柱))を超えたとき、
|ΔP4|>|P3|( =100mm) なので、隔離部材20は、管体15の長手方向に沿って進退動して、ΔP4=P3となる位置で静止する。つまり、チューブ13、34内のインクがバッファタンク5 のインク流入筒8から遠ざかるように後退してバッファタンク5内の背圧p2が減少すると、前記隔離部材20が管体15の中途部において開口筒9に近づく方向に前進して圧力バランスを保持することになる。
【0028】
そして、P2+ΔP4>P1なので、ノズルのメニスカスは破壊されず、従って、ノズル面から大気を印字ヘッド2内に吸い込むことがない。さらに、P2+ΔP4=P5(最小値)となり、バッファタンク5内の背圧の変動(減少)によっても、印字ヘッド1の印字性能に影響を及ぼさない。
【0029】
図2は圧力変動吸収手段の第2実施形態の要部を示し、合成樹脂製等の管体15の一端をバッファタンク5の空気部分に連通させるべく、天井壁7に設けた開口筒9に連結すると共にキャリッジ4の移動方向と交差する方向に、略水平状に延設する。そして、該管体15の中途部を下向きに屈曲させてU字状部分15bを形成し、このU字状部分15bの底部及びその近傍にわたって前記と同じく不揮発性の高粘度液からなる隔離部材20を移動可能に配置する。なお、管体15の先端側15aは大気に開放する。この実施形態によれば、前記U字状部分15bにおける隔離部材20の自重により、圧力変動があまり大きくないかぎり、隔離部材20がU字状部分15bを超えて、管体15の先端部15aから外に漏洩することはないと考えられる。
【0030】
図3は圧力変動吸収手段の第3実施形態を示す。この実施形態では、先端側(底部)15aを密閉した管体15に予め、前記の液状の隔離部材20を適宜量だけ入れたのち、当該管体15の基端開口部をバッファタンク5における開口筒9に連結する。この管体15は、キャリッジ4の移動方向と交差(略直交)する方向に延設する。その後、バッファタンク5内に大気圧より低い値の背圧P2を付与すると、前記先端側15aの圧力は真空状態となり、隔離部材20を常時先端側15aに引き戻す圧力が作用することになり、バッファタンク5内の背圧が減少した場合にも、開口筒9方向への隔離部材20の移動量が少なく、不用意にバッファタンク5内に隔離部材20が入込まない。
【0031】
管体15は水平面に対して略水平状に配置しても良いが、前記第1実施形態〜第3実施形態においても、管体15の先端側15aが若干下位置になるように傾斜させても良い。
【0032】
以上のようにして、キャリッジ4(印字ヘッド2)が移動することにより、固定位置のサブタンク32から移動するバッファタンク5にインクを供給するためのチューブ13、34内のインクが慣性力で進退動し、バッファタンク5内の背圧が振動的に変動しても、当該バッファタンク5の空気部分に連通する管体15とその中途部に移動可能に配置した液体メニスカスとしての不揮発性の高粘度液からなる隔離部材20とにより、バッファタンク5内の背圧を略一定に保持できる結果、バッファタンク5内の背圧が高周波から低周波の広い範囲にわたって圧力変動しても、印字ヘッド2の印字性能が悪化したり、ノズルから気泡を吸い込む等の不都合をなくすることができる。
【0033】
なお、印字ヘッド2は、上記の構成の代わりに、公知の発熱部によりインクを局部的に沸騰させて噴射するもの、平面状に並んだ噴射チャンネルに圧電素子等の電気−機械的変位変換手段を対向させたもの等が適用できる。これらの場合も、複数の噴射チャンネルにインクを分配するマニホールド室に、バッファタンクのインク流出口を接続する。また、バッファタンクはマニホールド体3を介することなく、直接印字ヘッドに接続するようにしても良い。
【0034】
さらに、記録装置の本体側(固定側)に配置するインク供給用のタンクは、サブタンク32を省略してインクカートリッジとすることも可能である。
【0035】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明のインクジェット記録装置は、インクを溜める大気開放型のインクタンクと、複数の噴射チャンネルを有する印字ヘッドと、該印字ヘッドに接続したバッファタンクに、前記インクタンクからインクを供給するインク供給経路とを備えたインクジェット記録装置において、前記バッファタンク内の空気部に一端が連通した管体と、該管体内の中途部に移動可能に配置された液状の隔離部材とからなる圧力変動吸収手段を備えたものである。
【0036】
従って、印字ヘッドが移動することにより、固定位置のインクタンクから移動するバッファタンクにインクを供給するためのインク供給経路内のインクが慣性力で進退動し、バッファタンク内の背圧が振動的に変動しても、当該バッファタンクの空気部分に連通する管体とその中途部に移動可能に配置した液体メニスカスとしての不揮発性の高粘度液からなる隔離部材とにより、バッファタンク内の背圧を略一定に保持できる結果、バッファタンク内の背圧が高周波から低周波の広い範囲にわたって圧力変動しても、印字ヘッドの印字性能が悪化したり、ノズルから噴射チャンネル内に気泡を吸い込んでノズル詰まりを発生させることがないという効果を奏する。
【0037】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記隔離部材は、不揮発性の高粘度液からなることを特徴とするものである。このように隔離部材を不揮発性の高粘度液とすることにより、液体メニスカスを利用して微小な背圧の変化に迅速に追従して管体内を移動でき、バッファタンク内の背圧を略一定に保持する構成が簡単にできるという効果を奏する。
【0038】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置において、前記印字ヘッドに対して前記インクタンクの高さ位置を、印字ヘッドにおけるノズルからインク滴が漏洩しない背圧が前記バッファタンクに付与されるように設定したものであるから、インクタンクの配置箇所を前記のように設定するだけで、印字ヘッドのノズルからのインクの漏洩を簡単に防止できる。
【0039】
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記管体の一端は前記バッファタンクの天井面に開口し、該管体を印字ヘッドの移動方向と交差する方向に延設したものであるから、印字ヘッドの移動に伴う慣性力によって管体内の隔離部材が移動せず、バッファタンク内の背圧の変動に影響を及ぼさない。また、前記延設の中途部を略水平状とすることにより、管体を長くしても嵩張らず、コンパクトなインクジェット記録装置を提供することができるという効果を奏する。
【0040】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記インクタンクは、インクカートリッジ等のインク供給源から供給されたインクを一旦溜めるサブタンクとしたものであるから、インクの消費にしたがって、インクカートリッジを交換するときにも、サブタンク内にはインクが所定量だけ溜められているから、バッファタンクへの背圧付与を略一定にでき、印字ヘッドのノズルからインクが不用意に漏洩しないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるインクジェット記録装置の図である。
【図2】圧力変動吸収手段の第2実施形態の要部断面図である。
【図3】圧力変動吸収手段の第3実施形態の要部断面図である。
【符号の説明】
2 印字ヘッド
4 キャリッジ
5 バッファタンク
5a 底板
7 天井壁
8 インク流入筒
9 開口筒
10 インク流出口
11 フィルタ
13 可撓性チューブ
14 接続部材
15 圧力変動吸収手段の一部としての管体
20 圧力変動吸収手段の一部としての隔離部材
30 インクカートリッジ
31 可撓性チューブ
32 サブタンク
33 第1ポンプ
34 可撓性チューブ
Claims (5)
- インクを溜める大気開放型のインクタンクと、複数の噴射チャンネルを有する印字ヘッドと、該印字ヘッドに接続したバッファタンクに、前記インクタンクからインクを供給するインク供給経路とを備えたインクジェット記録装置において、
前記バッファタンク内の空気部に一端が連通した管体と、該管体内の中途部に移動可能に配置された液状の隔離部材とからなる圧力変動吸収手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記隔離部材は、不揮発性の高粘度液からなることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記印字ヘッドに対して前記インクタンクの高さ位置を、印字ヘッドにおけるノズルからインク滴が漏洩しない背圧が前記バッファタンクに付与されるように設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記管体の一端は前記バッファタンクの天井面に開口し、該管体を印字ヘッドの移動方向と交差する方向に延設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクタンクは、インクカートリッジ等のインク供給源から供給されたインクを一旦溜めるサブタンクであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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