JP3430881B2 - 三元コポリアミド - Google Patents
三元コポリアミドInfo
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- JP3430881B2 JP3430881B2 JP26615697A JP26615697A JP3430881B2 JP 3430881 B2 JP3430881 B2 JP 3430881B2 JP 26615697 A JP26615697 A JP 26615697A JP 26615697 A JP26615697 A JP 26615697A JP 3430881 B2 JP3430881 B2 JP 3430881B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性や透明性に
優れ、かつ、熱水処理で融着性を示さない三元コポリア
ミドから製造されたフィルムに関する。
優れ、かつ、熱水処理で融着性を示さない三元コポリア
ミドから製造されたフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは機械的強度、熱的性質、化
学的性質や成形加工性が優れているため、自動車や各種
機械の部品、フィルムおよび繊維などに広く使用されて
いる。これら用途の中で柔軟性や透明性などの特性を要
求される分野では各種のコポリアミドが使用されてい
る。主なコポリアミドとして、ε−カプロラクタムおよ
びヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩
(以下、「AH塩」と略記する。)からなるコポリアミ
ド(ナイロン6/66)、ε−カプロラクタムとアミノ
ドデカン酸またはω−ラウロラクタムからなるコポリア
ミド(ナイロン6/12)、ε−カプロラクタムおよび
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との等モル塩から
なるコポリアミド(ナイロン6/610)、ε−カプロ
ラクタム、AH塩とアミノドデカン酸またはω−ラウロ
ラクタムからなる三元コポリアミド(ナイロン6/66
/12)などが知られている。
学的性質や成形加工性が優れているため、自動車や各種
機械の部品、フィルムおよび繊維などに広く使用されて
いる。これら用途の中で柔軟性や透明性などの特性を要
求される分野では各種のコポリアミドが使用されてい
る。主なコポリアミドとして、ε−カプロラクタムおよ
びヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モル塩
(以下、「AH塩」と略記する。)からなるコポリアミ
ド(ナイロン6/66)、ε−カプロラクタムとアミノ
ドデカン酸またはω−ラウロラクタムからなるコポリア
ミド(ナイロン6/12)、ε−カプロラクタムおよび
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との等モル塩から
なるコポリアミド(ナイロン6/610)、ε−カプロ
ラクタム、AH塩とアミノドデカン酸またはω−ラウロ
ラクタムからなる三元コポリアミド(ナイロン6/66
/12)などが知られている。
【0003】従来、三元コポリアミドはホットメルトタ
イプの接着剤の材料として広く使用されていたが、二元
コポリアミドに比べ、柔軟性、透明性、延伸性などに優
れているため、これらの性質を生かし、フィルムの製造
に適した三元コポリアミドの開発が進められている。
イプの接着剤の材料として広く使用されていたが、二元
コポリアミドに比べ、柔軟性、透明性、延伸性などに優
れているため、これらの性質を生かし、フィルムの製造
に適した三元コポリアミドの開発が進められている。
【0004】例えば、特開平3−106646号公報に
は、ε−カプロラクタムあるいはεーアミノカプロン酸
を主成分として、他の2種の脂肪族ポリアミド10〜5
0重量%と共重合した、融点150〜200℃の脂肪族
系三元コポリアミドを含む耐レトルト性包装材料が開示
されている。また、特開平8−225644号公報には
特定組成のε−カプロラクタム、AH塩およびアミノウ
ンデカン酸またはアミノドデカン酸からなる三元コポリ
アミドが開示されている。
は、ε−カプロラクタムあるいはεーアミノカプロン酸
を主成分として、他の2種の脂肪族ポリアミド10〜5
0重量%と共重合した、融点150〜200℃の脂肪族
系三元コポリアミドを含む耐レトルト性包装材料が開示
されている。また、特開平8−225644号公報には
特定組成のε−カプロラクタム、AH塩およびアミノウ
ンデカン酸またはアミノドデカン酸からなる三元コポリ
アミドが開示されている。
【0005】これらの三元コポリアミドは主にフィルム
に使用されるが、このフィルムで包装した食品を熱水中
で加熱した場合、フィルム同士が付着して剥がれなくな
り、食品の取り出しが困難となるなど、熱水処理により
ポリアミド同士が融着するという欠点があり、これらの
欠点を改良した三元コポリアミドが求められている。
に使用されるが、このフィルムで包装した食品を熱水中
で加熱した場合、フィルム同士が付着して剥がれなくな
り、食品の取り出しが困難となるなど、熱水処理により
ポリアミド同士が融着するという欠点があり、これらの
欠点を改良した三元コポリアミドが求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性および柔軟性に優れ、かつ、熱水処理により融着性を
示さない三元コポリアミドから製造されたフィルムを提
供することにある。
性および柔軟性に優れ、かつ、熱水処理により融着性を
示さない三元コポリアミドから製造されたフィルムを提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、三元コポ
リアミドの組成および配合を詳細に検討した結果、本発
明の目的は三元コポリアミドがε−カプロラクタム成分
またはεーアミノカプロン酸成分から誘導される単位、
AH塩成分から誘導される単位、アミノドデカン酸また
はω−ラウロラクタムから誘導される単位から構成さ
れ、大部分がε−カプロラクタム成分またはεーアミノ
カプロン酸成分から誘導される単位であり、AH塩、ア
ミノドデカン酸、ω−ラウロラクタムから誘導される単
位の少なくとも一成分が特定量未満とすることにより達
成できることや等温結晶化法により160℃で保持して
測定した時の半結晶化時間の影響を受けることがあるこ
となどを見出し、本発明に到達した。
リアミドの組成および配合を詳細に検討した結果、本発
明の目的は三元コポリアミドがε−カプロラクタム成分
またはεーアミノカプロン酸成分から誘導される単位、
AH塩成分から誘導される単位、アミノドデカン酸また
はω−ラウロラクタムから誘導される単位から構成さ
れ、大部分がε−カプロラクタム成分またはεーアミノ
カプロン酸成分から誘導される単位であり、AH塩、ア
ミノドデカン酸、ω−ラウロラクタムから誘導される単
位の少なくとも一成分が特定量未満とすることにより達
成できることや等温結晶化法により160℃で保持して
測定した時の半結晶化時間の影響を受けることがあるこ
となどを見出し、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、(a)ε−カプロラ
クタム成分またはεーアミノカプロン酸成分から誘導さ
れる単位75〜95重量%、(b)ヘキサメチレンジア
ミンとアジピン酸との等モル塩(AH塩)成分から誘導
される単位と(c)アミノドデカン酸成分またはω−ラ
ウロラクタム成分から誘導される単位との合計量が10
〜25重量%からなる三元コポリアミドであつて、
(a)、(b)、(c)の合計量が100重量%であ
り、かつ、(b)あるいは(c)の少なくとも一成分が
4重量%未満からなる三元コポリアミドから製造された
フィルムである。
クタム成分またはεーアミノカプロン酸成分から誘導さ
れる単位75〜95重量%、(b)ヘキサメチレンジア
ミンとアジピン酸との等モル塩(AH塩)成分から誘導
される単位と(c)アミノドデカン酸成分またはω−ラ
ウロラクタム成分から誘導される単位との合計量が10
〜25重量%からなる三元コポリアミドであつて、
(a)、(b)、(c)の合計量が100重量%であ
り、かつ、(b)あるいは(c)の少なくとも一成分が
4重量%未満からなる三元コポリアミドから製造された
フィルムである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するε−カプロラクタム、εーアミノカプ
ロン酸、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、AH
塩、アミノドデカン酸およびω−ラウロラクタムは市販
品が使用できる。本発明の三元コポリアミドの構成成分
であるε−カプロラクタム成分またはε−アミノカプロ
ン酸成分からなる単位の割合は75〜95重量%、好ま
しくは80〜95重量%、より好ましくは87〜90重
量%である。AH塩成分とアミノドデカン酸成分または
ω−ラウロラクタム成分からなる単位の合計量は5〜2
5重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは
5〜13重量%であり、かつ、AH塩成分、アミノドデ
カン酸成分またはω−ラウロラクタム成分からなる単位
の少なくとも一成分が4重量%未満である。
本発明で使用するε−カプロラクタム、εーアミノカプ
ロン酸、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、AH
塩、アミノドデカン酸およびω−ラウロラクタムは市販
品が使用できる。本発明の三元コポリアミドの構成成分
であるε−カプロラクタム成分またはε−アミノカプロ
ン酸成分からなる単位の割合は75〜95重量%、好ま
しくは80〜95重量%、より好ましくは87〜90重
量%である。AH塩成分とアミノドデカン酸成分または
ω−ラウロラクタム成分からなる単位の合計量は5〜2
5重量%、好ましくは5〜20重量%、より好ましくは
5〜13重量%であり、かつ、AH塩成分、アミノドデ
カン酸成分またはω−ラウロラクタム成分からなる単位
の少なくとも一成分が4重量%未満である。
【0010】ε−カプロラクタム成分またはε−アミノ
カプロン酸成分からなる単位の割合が75重量%未満の
場合、熱水処理により融着が起こりやすくなる。95重
量%より多い場合、柔軟性や透明性が低下するようにな
る。また、AH塩成分、アミノドデカン酸成分またはε
−ラウロラクタム成分からなる単位の全てが4重量%以
上の場合、熱水処理により融着が起こりやすくなること
がある。三元コポリアミドを構成する成分の割合を少量
変化させることにより、熱水処理時の融着性が大きく変
化することを見出したことは本発明の特徴の一つであ
り、従来、知られていなかったことである。
カプロン酸成分からなる単位の割合が75重量%未満の
場合、熱水処理により融着が起こりやすくなる。95重
量%より多い場合、柔軟性や透明性が低下するようにな
る。また、AH塩成分、アミノドデカン酸成分またはε
−ラウロラクタム成分からなる単位の全てが4重量%以
上の場合、熱水処理により融着が起こりやすくなること
がある。三元コポリアミドを構成する成分の割合を少量
変化させることにより、熱水処理時の融着性が大きく変
化することを見出したことは本発明の特徴の一つであ
り、従来、知られていなかったことである。
【0011】また、本発明の三元コポリアミドであつ
て、示差走査熱量計による等温結晶化法により160℃
で保持して測定した半結晶化時間が100〜200秒で
あるものは本発明の目的を達成する上でより好ましい。
半結晶化時間が200秒より長い場合、熱水処理条件に
よっては、融着が起こりやすくなることがある。100
秒より短い場合、柔軟性や透明性が低下することがあ
る。
て、示差走査熱量計による等温結晶化法により160℃
で保持して測定した半結晶化時間が100〜200秒で
あるものは本発明の目的を達成する上でより好ましい。
半結晶化時間が200秒より長い場合、熱水処理条件に
よっては、融着が起こりやすくなることがある。100
秒より短い場合、柔軟性や透明性が低下することがあ
る。
【0012】本発明の三元コポリアミドの分子量は、特
に制約はないが、JIS K 6810に準じて測定し
た相対粘度が、1.5〜5.0、好ましくは2.0〜
4.5のものが好ましく使用できる。相対粘度が過度に
高くなると溶融粘度が高くなり過ぎ、成形品やフィルム
などの製造が難しくなることがある。また、過度に低く
なると、得られる三元コポリアミドの機械的性質などの
実用的な性質が低下することがある。
に制約はないが、JIS K 6810に準じて測定し
た相対粘度が、1.5〜5.0、好ましくは2.0〜
4.5のものが好ましく使用できる。相対粘度が過度に
高くなると溶融粘度が高くなり過ぎ、成形品やフィルム
などの製造が難しくなることがある。また、過度に低く
なると、得られる三元コポリアミドの機械的性質などの
実用的な性質が低下することがある。
【0013】本発明の三元コポリアミドの製造には、溶
融重合、溶液重合、界面重合、固相重合、およびこれら
を組合わせた公知の重合方法を用いることができる。通
常、得られる三元コポリアミドの融点より高い温度で実
施される溶融重合が好ましく用いられる。また、本発明
の三元コポリアミドは公知の重合装置が使用でき、バッ
チ式または連続式などにより、必要に応じて常圧、減
圧、加圧などの操作を適宜、組合せることにより製造で
きる。
融重合、溶液重合、界面重合、固相重合、およびこれら
を組合わせた公知の重合方法を用いることができる。通
常、得られる三元コポリアミドの融点より高い温度で実
施される溶融重合が好ましく用いられる。また、本発明
の三元コポリアミドは公知の重合装置が使用でき、バッ
チ式または連続式などにより、必要に応じて常圧、減
圧、加圧などの操作を適宜、組合せることにより製造で
きる。
【0014】本発明は、三元コポリアミドから製造され
るフィルムである。フィルムの製造は特に制限がなく、
公知の成形法により製造できる。例えば、公知の押出成
形機を用いるTダイ法、インフレーション法、チューブ
ラー法や溶剤キャスト法、熱プレス法などの方法で製造
できる。溶融成形法を用いる場合、成形温度は、通常、
200〜300℃に設定される。
るフィルムである。フィルムの製造は特に制限がなく、
公知の成形法により製造できる。例えば、公知の押出成
形機を用いるTダイ法、インフレーション法、チューブ
ラー法や溶剤キャスト法、熱プレス法などの方法で製造
できる。溶融成形法を用いる場合、成形温度は、通常、
200〜300℃に設定される。
【0015】本発明の三元コポリアミドは、特性や成形
性を損なわない範囲で、必要に応じて滑剤、酸化防止
剤、耐熱安定剤、耐候性付与剤、帯電防止剤、撥水剤等
を配合することが出来る。
性を損なわない範囲で、必要に応じて滑剤、酸化防止
剤、耐熱安定剤、耐候性付与剤、帯電防止剤、撥水剤等
を配合することが出来る。
【0016】本発明の三元コポリアミドは特定量のε−
カプロラクタムまたはεーアミノカプロン酸、AH塩、
アミノドデカン酸またはω−ラウロラクタムから構成さ
れており、柔軟性、透明性などに優れ、かつ、熱水処理
による融着が起こりにくい。
カプロラクタムまたはεーアミノカプロン酸、AH塩、
アミノドデカン酸またはω−ラウロラクタムから構成さ
れており、柔軟性、透明性などに優れ、かつ、熱水処理
による融着が起こりにくい。
【0017】
【実施例】以下実施例および比較例を示し、本発明を具
体的に説明する。尚、実施例および比較例中に示した測
定値は以下の方法で測定した。
体的に説明する。尚、実施例および比較例中に示した測
定値は以下の方法で測定した。
【0018】1)相対粘度
JIS K6810に準じ、98重量%の濃硫酸を溶媒
として、1重量/容量%のポリマー濃度で、オストワル
ド粘度計を用い、25℃で測定した。
として、1重量/容量%のポリマー濃度で、オストワル
ド粘度計を用い、25℃で測定した。
【0019】2)半結晶化時間
パーキンエルマー社製示差走査熱量計DSC TAC
7型を用い、窒素ガス雰囲気下に試料のポリアミドを昇
温速度20℃/minで260℃まで加熱し、その温度
で10分間保持した後、100℃/min以上の速度で
冷却し、160℃になった時点で冷却を中止し、160
℃で保持して測定した等温結晶化速度のデータから半結
晶化時間を求めた。
7型を用い、窒素ガス雰囲気下に試料のポリアミドを昇
温速度20℃/minで260℃まで加熱し、その温度
で10分間保持した後、100℃/min以上の速度で
冷却し、160℃になった時点で冷却を中止し、160
℃で保持して測定した等温結晶化速度のデータから半結
晶化時間を求めた。
【0020】
【0021】4)フィルムの特性評価
バーマグ社製Baroflexの押出機を用い、空冷イ
ンフレーション法により、シリンダー温度230℃で作
成した厚さ100μm のフィルムを試料として、AST
M D882に準じ、引張弾性率、引張降伏応力を測定
した。透明性はJIS K7105に準じて測定したH
aze値で評価した。また、熱水処理による融着性の評
価は作成したナイロンフィルムから切出した縦100m
m、横100mmのサンプルを5枚重ね、治具に挟んで
固定し、9.8kPaの圧力を掛けて、約90℃の熱水
中に浸漬した。24時間後、熱水から取出し、下記の基
準で融着の状態を評価した。 ◎:フィルムは融着箇所が無く、容易に1枚毎に剥がす
ことができた。 ○:フィルムは一部が融着していたが、剥がすことがで
きた。 △:フィルムが部分的に融着しており、剥がすことがで
きなかった。 ×:フィルムは全面的に融着しており、剥がすことがで
きなかった。
ンフレーション法により、シリンダー温度230℃で作
成した厚さ100μm のフィルムを試料として、AST
M D882に準じ、引張弾性率、引張降伏応力を測定
した。透明性はJIS K7105に準じて測定したH
aze値で評価した。また、熱水処理による融着性の評
価は作成したナイロンフィルムから切出した縦100m
m、横100mmのサンプルを5枚重ね、治具に挟んで
固定し、9.8kPaの圧力を掛けて、約90℃の熱水
中に浸漬した。24時間後、熱水から取出し、下記の基
準で融着の状態を評価した。 ◎:フィルムは融着箇所が無く、容易に1枚毎に剥がす
ことができた。 ○:フィルムは一部が融着していたが、剥がすことがで
きた。 △:フィルムが部分的に融着しており、剥がすことがで
きなかった。 ×:フィルムは全面的に融着しており、剥がすことがで
きなかった。
【0022】実施例1
撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口および重
合物取出口を備えた70lのオートクレイブに実質上、
無水のε−カプロラクタム16kg、AH塩3.6kg
およびアミノドデカン酸0.4kgを仕込んだ。十分に
窒素置換した後、撹拌下に240℃まで昇温し、同温度
で10時間重合させた。その後、撹拌を止め、生成した
ポリアミドをオートクレーブ底部の重合取出口から紐状
に取出し、水槽で冷却してから、ペレタイザーでポリア
ミドチップとした。このポリアミドチップを沸騰水中に
入れ、撹拌下に約6時間、洗浄して未反応モノマーを抽
出除去した後、40℃で72時間減圧乾燥した。得たポ
リアミドの相対粘度は3.98であり、等温結晶化法に
より160℃で測定した半結晶化時間は160秒であっ
た。フィルムの性質を表1に示した。
合物取出口を備えた70lのオートクレイブに実質上、
無水のε−カプロラクタム16kg、AH塩3.6kg
およびアミノドデカン酸0.4kgを仕込んだ。十分に
窒素置換した後、撹拌下に240℃まで昇温し、同温度
で10時間重合させた。その後、撹拌を止め、生成した
ポリアミドをオートクレーブ底部の重合取出口から紐状
に取出し、水槽で冷却してから、ペレタイザーでポリア
ミドチップとした。このポリアミドチップを沸騰水中に
入れ、撹拌下に約6時間、洗浄して未反応モノマーを抽
出除去した後、40℃で72時間減圧乾燥した。得たポ
リアミドの相対粘度は3.98であり、等温結晶化法に
より160℃で測定した半結晶化時間は160秒であっ
た。フィルムの性質を表1に示した。
【0023】比較例1
ε−カプロラクタムを16.0kg、AH塩を3kg、
アミノドデカン酸を1kg使用した以外は、実施例1と
同様の方法で実施し、相対粘度3.85のポリアミドを
得た。未反応モノマー抽出除去後のポリアミドチップは
一部が融着していた。等温結晶化により160℃で測定
した半結晶化時間は210秒であった。フィルムの性質
を表1に示した。
アミノドデカン酸を1kg使用した以外は、実施例1と
同様の方法で実施し、相対粘度3.85のポリアミドを
得た。未反応モノマー抽出除去後のポリアミドチップは
一部が融着していた。等温結晶化により160℃で測定
した半結晶化時間は210秒であった。フィルムの性質
を表1に示した。
【0024】比較例2
ε−カプロラクタムを15.0kg、AH塩を4kg、
アミノドデカン酸を1kg使用した以外は、実施例1と
同様の方法で実施し、相対粘度3.85のポリアミドを
得た。未反応モノマー抽出除去後のポリアミドチップは
一部が融着していた。等温結晶化法により160℃で測
定した半結晶化時間は250秒であった。フィルムの性
質を表1に示した。
アミノドデカン酸を1kg使用した以外は、実施例1と
同様の方法で実施し、相対粘度3.85のポリアミドを
得た。未反応モノマー抽出除去後のポリアミドチップは
一部が融着していた。等温結晶化法により160℃で測
定した半結晶化時間は250秒であった。フィルムの性
質を表1に示した。
【0025】比較例3
ε−カプロラクタムを16.0kg、アミノドデカン酸
を4kg使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施
し、相対粘度3.85のポリアミドを得た。等温結晶化
法により160℃で測定した半結晶化時間は95秒であ
った。フィルムの性質を表1に示した。
を4kg使用した以外は、実施例1と同様の方法で実施
し、相対粘度3.85のポリアミドを得た。等温結晶化
法により160℃で測定した半結晶化時間は95秒であ
った。フィルムの性質を表1に示した。
【0026】実施例2
ε−カプロラクタムを15.6kg、AH塩を3.8k
g、アミノドデカン酸を0.6kg使用した以外は、実
施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.8のポリア
ミドを得た。等温結晶化法により160℃で測定した半
結晶化時間は190秒であった。フィルムの性質を表1
に示した。
g、アミノドデカン酸を0.6kg使用した以外は、実
施例1と同様の方法で実施し、相対粘度3.8のポリア
ミドを得た。等温結晶化法により160℃で測定した半
結晶化時間は190秒であった。フィルムの性質を表1
に示した。
【0027】実施例3
ε−カプロラクタムを15kg、AH塩を0.6kg、
アミノドデカン酸を4.4kg使用した以外は、実施例
1と同様の方法で実施し、相対粘度3.4のポリアミド
を得た。等温結晶化法により160℃で測定した半結晶
化時間は140秒であった。フィルムの性質を表1に示
した。
アミノドデカン酸を4.4kg使用した以外は、実施例
1と同様の方法で実施し、相対粘度3.4のポリアミド
を得た。等温結晶化法により160℃で測定した半結晶
化時間は140秒であった。フィルムの性質を表1に示
した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】ε−カプロラクタム成分またはεーアミ
ノカプロン酸成分75〜95重量%、AH塩成分とアミ
ノドデカン酸成分またはω−ラウロラクタム成分の合計
量が5〜25重量%からなり、AH塩成分、アミノドデ
カン酸成分またはω−ラウロラクタム成分のすくなくと
も一成分が4重量%未満である三元コポリアミドから製
造されたフィルムは柔軟性や透明性などに優れ、かつ、
熱水処理により融着性を示さない。
ノカプロン酸成分75〜95重量%、AH塩成分とアミ
ノドデカン酸成分またはω−ラウロラクタム成分の合計
量が5〜25重量%からなり、AH塩成分、アミノドデ
カン酸成分またはω−ラウロラクタム成分のすくなくと
も一成分が4重量%未満である三元コポリアミドから製
造されたフィルムは柔軟性や透明性などに優れ、かつ、
熱水処理により融着性を示さない。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08G 69/00 - 69/50
Claims (2)
- 【請求項1】(a)ε−カプロラクタム成分またはεー
アミノカプロン酸成分から誘導される単位75〜95重
量%、(b)ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との
等モル塩成分から誘導される単位と(c)アミノドデカ
ン酸成分またはω−ラウロラクタム成分から誘導される
単位との合計量が5〜25重量%からなる三元コポリア
ミドであって、(a)、(b)、(c)の合計量が10
0重量%であり、かつ、(b)または(c)の少なくと
も一成分が4重量%未満であることを特徴とする三元コ
ポリアミドから製造されたフィルム。 - 【請求項2】等温結晶化法により160℃で保持して測
定した時の半結晶化時間が100〜200秒の範囲にあ
る請求項1記載の三元コポリアミドから製造されたフィ
ルム。
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