JP3430565B2 - 薄膜半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

薄膜半導体装置及びその製造方法

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JP3430565B2
JP3430565B2 JP18292093A JP18292093A JP3430565B2 JP 3430565 B2 JP3430565 B2 JP 3430565B2 JP 18292093 A JP18292093 A JP 18292093A JP 18292093 A JP18292093 A JP 18292093A JP 3430565 B2 JP3430565 B2 JP 3430565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクティブマトリックス
液晶ディスプレイ等に適応される薄膜半導体装置及びダ
イヤモンド薄膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイの大画面化、高
解像度化に伴い、その駆動方式は単純マトリックス方式
からアクティブマトリックス方式へ移行し、大容量の情
報を表示出来るように成りつつ有る。アクティブマトリ
ックス方式は数十万を越える画素を有する液晶ディスプ
レイが可能で有り、各画素毎にスイッチングトランジス
タを形成するもので有る。各種液晶ディスプレイの基板
としては、透過型ディスプレイを可能ならしめる溶融石
英板やガラスなどの透明絶縁基板が使用されている。
【0003】しかしながら、表示画面の拡大化や低価格
化を進める場合には絶縁基板として安価な通常ガラスを
使用するのが必要不可欠で有る。従って、この経済性を
維持して尚、アクティブマトリックス方式の液晶ディス
プレイを動作させる薄膜トランジスタを安価なガラス基
板上に安定した性能で形成する事が可能な技術が望まれ
ていた。
【0004】薄膜トランジスタの能動層としては、通常
アモルファスシリコンや多結晶シリコンなどの半導体膜
が用いられるが、駆動回路まで一体化して薄膜トランジ
スタで形成しようとする場合には動作速度の速い多結晶
シリコンが有利である。
【0005】この様に通常のガラス基板上に多結晶シリ
コン膜等の半導体膜を能動層とする薄膜半導体装置を作
成する技術が求められているが、大型の通常ガラス基板
を用いる際には、基板の変形を避けるべく最高プロセス
温度を約570℃程度以下とする大きな制約が有る。即
ち低温プロセスで液晶ディスプレイを動作し得る薄膜ト
ランジスタと、駆動回路を高速作動し得る薄膜トランジ
スタの能動層を形成する技術が望まれている。
【0006】従来LPCVD法で該半導体膜を堆積する
には、第一に、高真空型LPCVD装置を用いて堆積圧
力を1mtorr程度として、600℃程度の堆積温度にて
シリコン膜等の半導体膜を堆積していた。(Inter
national Electron Devices
Meeting 1991 technicaldi
gest p.559) その他の方法で能動層半導体膜を形成するには、第二の
方法として例えば絶縁基板上に570℃以下の温度で通
常型減圧CVD法によりアモルファスシリコン膜等の半
導体膜を堆積し、しかる後640℃以下の温度で24時
間程度の熱処理を施して結晶化した半導体膜を形成し、
薄膜トランジスタの特性を高めている(特開昭63−3
07776)。第三の方法はRFマグネトロン・スパッ
タリングやプラズマCVD法で300℃程度以下の温度
にてアモルファス・シリコン膜を堆積した後、各種レー
ザー照射を行う事でシリコン膜を形成し、薄膜トランジ
スタの能動層とするものである(Jpn.J.App
l.phys.28.P1871(1989)や電子情
報通信学会技術研究報告EID−88−58など)。
【0007】これら従来技術にて堆積された半導体膜は
膜組成や結晶状態は膜厚に対して均一で有った。又、従
来ダイヤモンド薄膜はプラズマCVD法にて作成されて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術にはそれぞれ種々の問題が内在している。第二
のアモルファスシリコン膜を堆積した後、熱処理を施す
方法では熱処理温度がガラス基板を使用するには高過
ぎ、又この処理温度を600℃程度以下とした場合、処
理時間に数十時間以上費やし、やはりガラス基板を使用
し得ない。加えて第一の高真空型LPCVD法による製
造方法に比較して、製造工程が冗長と化し、生産性の低
下及び製品価格の上昇を招くと言った問題点が有る。第
三のシリコン膜を堆積した後レーザー照射を行う方法で
は、半導体特性のばらつきが大きく、大面積に均一に沢
山の薄膜半導体装置を作成し得ぬとの問題点が有る。加
えて第一の高真空型LPCVD法に比較すると、第二の
方法同様に製造工程が著しく煩雑冗長と化し、生産性の
低下や高価な加工装置の購入、製品価格の上昇を招くと
言った問題点が有る。
【0009】一方、従来の高真空型LPCVD法でシリ
コン膜等の半導体膜を形成する方法では、堆積温度を大
型の通常ガラスを問題なく使用し得る570℃程度以下
とした場合、半導体特性が不十分で有り高精細高画質液
晶ディスプレイのスイッチング素子や駆動回路用として
は未だ不適切であるとの問題点が有った。又、原料ガス
の分圧を下げて半導体膜を堆積すると高品質半導体膜が
得られると知られていたが、570℃程度以下の温度で
圧力を下げると膜が全く堆積されず、結局570℃程度
以下では高品質な半導体膜は得られないとの問題点が有
った。
【0010】そこで本発明はこの様な諸問題点の解決を
目指し、その目的は良好な薄膜半導体装置の形成を大型
の通常ガラスを使用し得る570℃以下の温度でLPC
VD法のみで行うという簡略な方法を提供する事に有
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜半導体装置
は、少なくとも表面の一部が絶縁性物質で有る基板の該
絶縁性物質上に形成された第一半導体膜と、前記第一半
導体膜上に形成された第二半導体膜と、前記第二半導体
膜上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上
に形成されたゲート電極と、を含み、前記第一半導体膜
の優先配向面は{220}であり、前記第二半導体膜の
優先配向面は{111}であること、を特徴とする。
【0012】本発明の薄膜半導体装置の製造方法は、上
記の薄膜半導体装置を製造する方法であって、減圧化学
気相堆積法(LPCVD法)にて前記絶縁性物質上に前
記第一半導体膜を形成する第一の工程と、減圧化学気相
堆積法(LPCVD法)にて前記第一半導体膜上に前記
第二半導体膜を形成する第二の工程と、前記第二半導体
膜をパターニングする第三の工程と、前記第二半導体膜
上にゲート絶縁膜を形成する第四の工程と、を含み、前
記第一の工程及び前記第二の工程において、減圧化学気
相堆積法を行う際に、原料物質としてモノシランを使用
し、前記第二の工程におけるモノシランの分圧が前記第
一の工程におけるモノシラン分圧よりも低いことを特徴
としている。
【0013】上記の薄膜半導体装置の製造方法におい
て、前記第二工程におけるモノシランの分圧を0.1m
torr以下にして堆積することが好ましい。
【0014】上記の薄膜半導体装置の製造方法におい
て、前記第一半導体膜と前記第二半導体膜とを堆積する
際、温度条件を555℃以下の温度で行うことが好まし
い。
【0015】上記の薄膜半導体装置の製造方法におい
て、前記第一半導体膜をモノシランを反応室に導入して
形成し、前記第二半導体膜を、モノシランと不活性気体
とを前記反応室に導入して形成することが好ましい。
【0016】
【実施例】(実施例1) 図2(a)〜(e)はMIS型電界効果トランジスタを
形成する薄膜半導体装置の製造工程を断面で示した図で
有る。本実施例ではノン・セルフ・アライン型スタガ
ード構造の薄膜半導体装置を例として作成したが、これ
以外にも本発明は逆スタガード構造の薄膜半導体装置や
セルフ・アライン型薄膜半導体装置に関しても有効で有
る。
【0017】本実施例1では基板201として235m
m□の石英ガラスを用いたが、シリコン膜堆積温度に耐
え得る基板で有るならば、基板の種類や大きさは無論問
われない。まず基板201上に常圧化学気相堆積法(A
PCVD法)やスパッター法などで下地保護膜となる二
酸化珪素膜(SiO2膜)202を形成し、次いでドナ
ー又はアクセプターとなる不純物を含んだシリコン膜を
形成後パターニングを行い、ソース・ドレイン領域20
3を作成する。(図2(a)) 本実施例1では、容積184.5lを有する高真空型L
PCVD装置を用いて、堆積温度555℃で真性シリコ
ン膜を1500Å程度堆積した後、不純物元素として燐
を選び、イオン注入法で燐を打ち込み、不純物を含んだ
シリコン膜を形成した。後にソース及びドレイン領域と
化す真性シリコン膜は高真空型LPCVD装置にて、原
料ガスで有るモノシラン(SiH4)を100SCCM流し
堆積温度555℃で4時間50分間堆積した。原料ガス
のSiH4を555℃の反応室に導入した直後の反応室
内圧力は1.21mtorrで有り、堆積が終了する直前の
原料ガス導入後4時間49分後には1.27mtorrとな
った。こうして得られた真性シリコン膜の膜厚は、15
65Åで有った。こうして得られたシリコン膜はX線回
折法によると、完全に{220}面に優先配向してい
た。引き続いてこの真性シリコン膜にバケット型質量非
分離型のイオン注入装置を用いて燐元素を添加した。原
料ガスとしては水素中に希釈された濃度5%のホスフィ
ンを用い、高周波出力38W、加速電圧80kVで5×
10151/cm2の濃度に打ち込んだ。その後窒素雰囲
気下350℃で1時間熱処理を施した所、こうして得ら
れた不純物を含んだシリコン膜のシート抵抗値は880
Ω/□で有った。この膜をパターニングしてソース・ド
レイン領域203が作成される。
【0018】次に前述した同じ高真空型LPCVD装置
を用いてトランジスタの能動層となる半導体膜204を
堆積した。(図2(b))本実施例1では原料ガスとし
てSiH4を用い、堆積温度555℃でシリコン膜を堆
積した。基板は表側を下向きとして、400℃に保たれ
た反応室に挿入された。基板挿入後、ターボ分子ポンプ
の運転を開始し、定常回転に達した後、漏洩検査を2分
間施した。この時の脱ガス等の漏洩速度は3.9×10
-5torr/minで有った。その後挿入温度の400℃から堆
積温度の555℃迄一時間費やして昇温した。昇温の最
初の10分間は反応室にガスを全く導入せず、真空中で
昇温した。昇温開始後10分後の反応室到達最低背景圧
力は5.7×10-7torrで有った。又残り50分間の昇
温期間には純度99.9999%以上の窒素ガスを30
0SCCM流し続けた。この時の反応室内平衡圧力は3.0
×10-3torrで有った。
【0019】堆積温度到達後、原料ガスで有るSiH4
を100SCCM流し第一の半導体膜としてのシリコン
膜を30分間堆積した。原料SiH4を反応室に導入し
た直後の圧力は1.21mtorrで有り、原料ガスを
導入してから29分後の圧力は1.26mtorrで有
った。この間のモノシラン分圧は1.15mtorrで
有る。これは前述した後にソース及びドレイン領域と化
す真性シリコン膜の堆積と全く同じ条件で堆積してい
る。従ってこの第一の半導体膜としてのシリコン膜の結
晶状態は{220}面に優先配向している。堆積速度の
調査より、シリコン膜は30分間の堆積で70Å程度の
膜厚となっている。30分間に渡る第一の半導体膜を堆
積した後、間断を置かず連続して第二の半導体膜として
のシリコン膜を2時間5分間堆積した。この際、原料ガ
スであるSiH4を5SCCM反応室に導入し、更に希
釈ガスとして純度99.9999%以上の純窒素を29
5SCCM同時に流した。堆積中の全圧は3.02mt
orrで有ったから、ドルトンの分圧則を用いると、堆
積中のモノシラン分圧は50.3μtorr(0.05
03mtorr)と計算される。こうして第一の半導体
膜と第二の半導体膜を異なった条件で連続堆積して得ら
れたシリコン膜の膜厚は309Åで有った。又この膜を
X線回折法で分析した所、第一の半導体膜と第二の半導
体膜を合わせた半導体膜全体として{111}面、{2
20}面、{311}面からの各々の回折強度は927
9、4717、1942となり、{111}面に比較的
多く配向していた。第一の半導体膜は{220}面に完
全優先配向で有るから、第二の半導体膜は{111}面
に優先配向していると言える。即ち、得られたシリコン
膜の下層部70Å程度は{220}面に優先配向した結
晶状態で有り、上層部は{111}面に優先配向した結
晶状態で有る。次にこのシリコン膜をパターニングし、
トランジスタの能動層となるチャンネル部205を作成
した。(図2(c)) その後ECR−PECVD法やAPCVD法などでゲー
ト絶縁膜206を形成する。本実施例1ではゲート絶縁
膜としてSiO2膜を用い、ECR−PECVD法で1
500Åの膜厚に堆積した。(図2(d))引き続いて
ゲート電極207となる薄膜をスパッター法蒸着法或い
はCVD法などで堆積する。本実施例1ではゲート電極
材料としてクロム(Cr)を選択し、スパッター法で1
500Å堆積した。ゲート電極となる薄膜を堆積後パタ
ーニングを行い、更に層間絶縁膜208を5000Å堆
積した後、コンタクトホールを開け、ソース・ドレイン
取り出し電極209をスパッター法などで形成し、薄膜
半導体装置が完成する。(図2(e))この様にして試
作した薄膜半導体装置のトランジスタ特性を測定したと
ころ、ソース・ドレイン電圧Vds=4V,ゲート電圧
Vgs=10Vでトランジスタをオンさせた時のソース
・ドレイン電流Idsをオン電流IONと定義して、95
%の信頼係数でION=(2.62+0.23、−0.2
1)×10-6Aで有った。又、Vds=4V、Vgs=
0Vでトランジスタをオフさせた時のオフ電流はIOFF
=(0.045+0.018、−0.012)×10
-12Aで有った。ここで測定は温度25℃の元で、チャ
ンネル部の長さL=10μm、幅W=10μmのトラン
ジスタに対してなされた。飽和電流領域から求めた有効
電子移動度(J.Levinson et al.J,
Appl,Phys.53,1193’82)は、μ=
12.48±0.70cm2/v.secで有った。こ
の様に本発明に依り、高移動度を有し、ゲート電圧の1
0Vの変調に対してIdsが8桁近くも変動する窮めて
優良な薄膜半導体装置を工程最高温度を555℃以下
で、しかも工程最高温度に維持されている期間を数時間
以内とする低温工程で初めて現実化した。
【0020】(実施例2)チャンネル部シリコン膜を堆
積する工程を除いてその他の工程は全て実施例1と同じ
工程で薄膜半導体装置を作成した。本実施例2ではチャ
ンネル部シリコン膜を堆積するのに堆積温度555℃
で、第一の半導体膜としてのシリコン膜は実施例1と同
条件で堆積したが、第二の半導体膜としてのシリコン膜
はシラン流量と希釈純窒素流量を10SCCMと290
SCCM、15SCCMと285SCCM、25SCC
Mと275SCCM、45SCCMと255SCCM、
70SCCMと230SCCMへと変化させて堆積し
た。この時の第二の半導体膜の堆積時間は順に1時間1
8分、1時間8分、55分、47分、40分で有った。
この結果第二の半導体膜としてのシリコン膜堆積中のモ
ノシラン分圧は其々0.100mtorr、0.150
mtorr、0.251mtorr、0.451mto
rr、0.701mtorrとなった。又得られたシリ
コン膜の膜厚は上記の順番で各々263Å、269Å、
264Å、276Å、272Åで有った。こうして堆積
されたシリコン膜を用いて実施例1と同じ工程で薄膜半
導体装置を作成し、トランジスタ特性を測定した。図1
には第二の半導体膜堆積中のモノシラン分圧に対して、
実施例1で定義したオン電流の値を図示して有る。図中
でのエラー・バーは95%の信頼係数に於ける区間推定
値を示している。この図よりモノシラン分圧が0.1m
torr以下になるとトランジスタ特性が明らかに著し
く向上する事が分かる。
【0021】(実施例3)実施例1及び実施例2で詳述
した本発明の優位性を明瞭とする為に従来技術との比較
を行う。本実施例3ではチャンネル部シリコン膜を堆積
する工程を除いてその他の工程は全て実施例1と同じ工
程で薄膜半導体装置を作成した。本実施例3ではチャン
ネル部シリコン膜を実施例1の第一の半導体膜を堆積す
る条件で堆積時間のみを変えて堆積した。即ち堆積温度
555℃で原料ガスで有るSiH4を100SCCM流
し、58分23秒間シリコン膜を堆積した。堆積開始直
後の反応室内圧力は1.21mtorrで、堆積終了直
前の圧力は1.27mtorrで有った。堆積中のモノ
シラン分圧は1.15mtorrで有る。得られたシリ
コン膜厚は199Åで有った。このシリコン膜は{22
0}面に優先配向した結晶状態に有り、膜厚に対してそ
の状態を変える事は無い。このシリコン膜を用いて実施
例1と同じ工程で薄膜半導体装置を作成した所、オン電
流は95%の信頼係数でION=(1.45+0.08、
−0.07)×10-6Aで有った。オン電流の定義及び
測定条件は実施例1と同一で有る。又、有効電子移動度
は、μ=9.30±0.39cm2/v・secで有っ
た。本実施例3と実施例1及び実施例2を比較すると、
チャンネル部シリコン膜を第一の半導体膜と第二の半導
体膜との多層構造にし、シリコン膜堆積過程でモノシラ
ン分圧を0.1mtorr以下とすると、トランジスタ
特性が著しく向上する事が理解される。実施例1及び2
では半導体膜を二層に分けたが、これは三層四層と多層
構造で有っても構わない。
【0022】次に堆積温度が555℃と比較的低温でし
かも数時間の熱工程で良好な薄膜半導体装置を作成する
には本発明が必要不可欠で有る事を説明する。実施例2
に詳述した様にモノシラン分圧が0.1mtorr以下
としてチャンネル部シリコン膜を堆積して薄膜半導体装
置を作成すると良好な特性を示すが、これは本発明の多
層構造の半導体膜及び多段階堆積に依ってのみ実現化可
能なので有る。実際、実施例1及び2で利用した同じ高
真空型LPCVD装置にて、下地保護膜となる二酸化珪
素膜(SiO2膜)の付いた石英ガラス基板に堆積温度
555℃でモノシラン流量10SCCM、希釈純窒素流
量290SCCM、モノシラン分圧0.100mtor
rにて、2時間堆積を試みたが、シリコン膜は全く何も
堆積されなかった。即ち、モノシラン分圧が非常に低い
と良質なシリコン膜が堆積されて、良好な特性を有する
薄膜半導体装置が作成される可能性は有るものの、従来
の単一堆積方法ではシリコン膜はその実全く堆積されな
いので有る。良質な半導体膜を極低圧に依り堆積形成す
る為には、本発明に依る連続多層堆積が唯一有効な手段
で有り、本発明に依って初めて実現されるので有る。本
実施例では堆積温度を555℃とし、原料ガスとしてモ
ノシランを用いたが、堆積温度や原料ガスに関係なく良
質な半導体膜をLPCVD法で得るには極低圧堆積が好
ましく、その堆積を実現したり、或いは堆積時間を短縮
するには、まず第一の半導体膜を堆積した後、第二の半
導体膜を連続堆積する堆積方法が効果的で有る。これは
一般に極低圧堆積を試みると、いわゆる`インキュベイ
ション・タイム’と呼ばれる堆積の全く生じない時間が
存在するからで有る。このインキュベイション・タイム
は堆積圧力が低くなるにつれて長くなる傾向に有る。前
述した例では555℃、モノシラン分圧0.100mt
orrではインキュベイション・タイムは2時間以上で
有る。従って良質な半導体膜を現実的な堆積時間で堆積
したり、工程生産能力を高める為には第一の半導体膜を
堆積した後、高品質膜を堆積出来る条件で高品質な第二
の半導体膜を堆積する事に依り半導体膜を形成するのが
唯一有効な方法なので有る。従ってこの時、第一の半導
体膜と第二の半導体膜で化学組成が異なっていたり、結
晶状態が違っているのが普通で有る。この件に関して別
な実施例で説明する。
【0023】(実施例4)チャンネル部シリコン膜を堆
積する工程を除いてその他の工程は全て実施例1と同じ
工程で薄膜半導体装置を作成した。本実施例4では実施
例1で詳述した高真空型LPCVD装置を用いてチャン
ネル部となる半導体膜を堆積した。堆積温度は550℃
で第一の半導体膜としてシリコン・ゲルマニウム膜を堆
積した。原料ガスとしてはSiH4を85SCCM流
し、同時にGeH4を15SCCM流した。堆積時間は
20分間で堆積開始直後の圧力は1.21mtorr、
堆積終了直前の圧力は1.30mtorrで有った。シ
リコン・ゲルマニウム膜はこの第一の堆積で約70Åの
膜厚となる。この第一の半導体膜堆積後、間断を置かず
連続して第二の半導体膜としてのシリコン膜を1時間2
7分堆積した。堆積温度は550℃でSiH4を10S
CCM、純窒素を290SCCM流した。第二の半導体
膜堆積中の全圧とシラン分圧は其々3.01mtorr
と0.100mtorrで有った。得られた半導体膜は
膜厚275Åを有し、下層はシリコン・ゲルマニウム膜
で上層はシリコン膜で有る。この半導体膜は多結晶状態
に有った。こうして得られた二層構造の半導体膜を用い
て実施例1と同じ工程で薄膜半導体装置を作成し、トラ
ンジスタ特性を測定した所、実施例1で定義したオン電
流は95%の信頼係数でION=(2.75+0.31、
−0.30)×10-6Aと実施例3で示した従来の薄膜
半導体装置よりも堆積温度を下げ、かつ高特性を示し
た。尚本実施例4で堆積した下層に位置するシリコン・
ゲルマニウムは化学組成式Si1-xGexで表現した時x
の値はおよそ0.25で有る。本実施例4ではチャンネ
ル部を下層のSi0.75Ge0.25膜と上層のSi膜の二層
としたが、多層にする事も可能で有る。例えばチャンネ
ル部を五層構造とし、最下層をGe膜、下から二番目の
層をSi0.25Ge0.75膜、下から三番目の層をSi0.5
Ge0.5膜、下から四番目をSi0.75Ge0.25膜、最上
層をSi膜としても良い。更には層数や各層に於ける化
学組成は自由に設定し得る。又、層と層との境界は必ず
しも明瞭で有る必要も無く、膜厚方向に対して連続的に
化学組成や結晶状態が変化していても構わない。本実施
例4では550℃程度と比較的低温でも容易に結晶堆積
するシリコン・ゲルマニウム膜を下層に用い上層にオフ
・リーク電流が少なく、トランジスタ特性の安定な多結
晶シリコンを連続で極低圧堆積して従来よりも低温で高
性能な薄膜半導体装置を作成した。チャンネル部の特性
には、本実施例の様に薄膜の場合、膜厚全体が帰与する
為、下層膜も出来る限り高品質で有る事が望ましく、5
50℃でも容易に結晶堆積されるシリコン・ゲルマニウ
ムは550℃で結晶堆積されにくいシリコン膜よりも好
ましい。しかしながら大量生産や安全性、公害等の問題
を考えた時には、下層膜はシリコン膜で有っても構わな
い。この様にその目的に応じて半導体膜の化学組成や結
晶構造は変更し得る。
【0024】
【0025】
【発明の効果】以上述べて来た様に本発明に依れば、多
結晶シリコン膜等からなる高品質半導体膜を570℃程
度以下の低温で容易に形成せしめ、以て薄膜半導体装
置の特性を飛躍的に向上させ、且つ製造時間の短縮・安
定的大量生産を実現した。これに依り、本発明をアクテ
ィブ・マトリックス液晶ディスプレイなどに適応した場
合、安価なガラス基板などが使用できる様になり、又他
の電子装置に適応した場合も熱による素子劣化などを低
減する。かくして本発明はアクティブ・マトリックス液
晶ディスプレイ装置や、集積回路等の電子装置の高性能
化や低価格化を実現するという多大な効果を有する
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の効果を示す図。
【図2】 (a)〜(e)は本発明の一実施例を示す薄
膜半導体装置製造の各工程に於ける素子断面図。
【符号の説明】
201…基板 202…下地保護膜 203…ソース・ドレイン領域 204…半導体膜 205…チャンネル部 206…ゲート絶縁膜 207…ゲート電極 208…層間絶縁膜 209…ソース・ドレイン取り出し電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/205

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表面の一部が絶縁性物質で有る
    基板の該絶縁性物質上に形成された第一半導体膜と、 前記第一半導体膜上に形成された第二半導体膜と、 前記第二半導体膜上に形成されたゲート絶縁膜と、 前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、を含
    み、 前記第一半導体膜の優先配向面は{220}であり、 前記第二半導体膜の優先配向面は{111}であるこ
    と、 を特徴とする薄膜半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜半導体装置の製造
    方法に於いて、 減圧化学気相堆積法(LPCVD法)にて前記絶縁性物
    質上に前記第一半導体膜を形成する第一の工程と、 減圧化学気相堆積法(LPCVD法)にて前記第一半導
    体膜上に前記第二半導体膜を形成する第二の工程と、 前記第二半導体膜をパターニングする第三の工程と、 前記第二半導体膜上にゲート絶縁膜を形成する第四の工
    程と、を含み、 前記第一の工程及び前記第二の工程において、減圧化学
    気相堆積法を行う際に、原料物質としてモノシランを使
    用し、 前記第二の工程におけるモノシランの分圧が前記第一の
    工程におけるモノシラン分圧よりも低いことを特徴とす
    る薄膜半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第二工程におけるモノシランの分圧
    を0.1mtorr以下にして堆積することを特徴とす
    る請求項2記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第一半導体膜と前記第二半導体膜と
    を堆積する際、温度条件を555℃以下の温度で行うこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の薄膜半導体装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第一半導体膜をモノシランを反応室
    に導入して形成し、 前記第二半導体膜をモノシランと不活性気体とを前記反
    応室に導入して形成することを特徴とする請求項2乃至
    4のいずれかに記載の薄膜半導体装置の製造方法。
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