JP3254698B2 - 薄膜半導体装置の製造方法 - Google Patents

薄膜半導体装置の製造方法

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JP3254698B2
JP3254698B2 JP25933891A JP25933891A JP3254698B2 JP 3254698 B2 JP3254698 B2 JP 3254698B2 JP 25933891 A JP25933891 A JP 25933891A JP 25933891 A JP25933891 A JP 25933891A JP 3254698 B2 JP3254698 B2 JP 3254698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブマトリック
ス液晶ディスプレイや超LSI等に適応される薄膜半導
体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイの大画面化、高
解像度化に伴い、その駆動方式は単純マトリックス方式
からアクティブマトリックス方式へ移行し、大容量の情
報を表示出来るように成りつつ有る。アクティブマトリ
ックス方式は数十万を越える画素を有する液晶ディスプ
レイが可能で有り、各画素毎にスイッチングトランジス
タを形成するもので有る。各種液晶ディスプレイの基板
としては、透過型ディスプレイを可能ならしめる溶融石
英板やガラスなどの透明絶縁基板が使用されている。
【0003】しかしながら、表示画面の拡大化や低価格
化を進める場合には絶縁基板として安価な通常ガラスを
使用するのが必要不可欠で有る。従って、この経済性を
維持して尚、アクティブマトリックス方式の液晶ディス
プレイを動作させる薄膜トランジスタを安価なガラス基
板上に安定した性能で形成する事が可能な技術が望まれ
ていた。
【0004】薄膜トランジスタの能動層としては、通常
アモルファスシリコンや多結晶シリコンが用いられる
が、駆動回路まで一体化して薄膜トランジスタで形成し
ようとする場合には動作速度の速い多結晶シリコンが有
利である。
【0005】この様に通常のガラス基板上に多結晶シリ
コン膜を能動層とする薄膜半導体装置を作成する技術が
求められているが、通常のガラス基板を用いる際には最
高プロセス温度が約600℃程度とのガラス歪点温度以
下とする大きな制約が有る。
【0006】即ち低温プロセスで液晶ディスプレイを動
作し得る薄膜トランジスタと、駆動回路を高速作動し得
る薄膜トランジスタの能動層を形成する技術が望まれて
いる。
【0007】こうした能動層シリコン膜の形成には、第
1にLPCVD法で堆積する技術の他、例えば絶縁基板
上に570℃以下の温度でLPCVD法に依りシリコン
膜を堆積し、しかる後640℃以下の温度にて24時間
程度の熱処理を施して薄膜トランジスタの特性を高める
技術(特開昭63−307776)や第三の方法とし
て、RFマグネトロン・スパッタリングやプラズマCV
D法で300℃程度以下の温度にてアモルファス・シリ
コン膜を堆積した後、各種レーザー照射を行う事で薄膜
トランジスタの能動層を形成する技術(Jpn.J.A
ppl.Phys.28,1871,’89や電子情報
通信学会技術研究報告EID−88−58など)が有
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術にはそれぞれ種々の問題が内在している。第
二、第三のシリコン薄膜を堆積した後、熱処理やレーザ
ー照射で能動層の特性向上をはかる方法では、第一のL
PCVD法による製造方法に比較して、製造工程が著し
く煩雑冗長と化し、生産性の低下や高価な加工装置の購
入、製品価格の上昇を招くと言った問題点が有る。一
方、従来のLPCVD法で能動層となるシリコン膜を堆
積する方法では、LPCVD装置が良質なシリコン膜堆
積に不適切で有り、又堆積技術その物も未熟で有る為ト
ランジスタとしての特性が不十分で有り、高精細高画質
液晶ディスプレイのスイッチング素子や駆動回路用とし
ては未だ不適切で有るとの問題点が有った。
【0009】そこで本発明はこの様な諸問題点の解決を
し、その目的はトランジスタ特性の良好な薄膜半導
体装置能動層の形成LPCVD法のみで行なうと云
う簡略な工程で形成する事が出来る薄膜半導体装置の製
造方法を提供する事に有る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜半導体装置
の製造方法は、トランジスタの能動層となるシリコン膜
を有する薄膜半導体装置の製造方法において、減圧化学
気相堆積法(LPCVD法)にて基板上に該シリコン膜
を堆積した後、還元性雰囲気で前記基板温度を下げるこ
とを特徴とする。
【0011】
【実施例】(実施例1)以下本発明の実施例を説明する
が、本発明が以下の実施例に限定される物では無い。
【0012】図1(a)〜(e)はMIS型電界効果ト
ランジスタを形成する多結晶シリコン薄膜トランジスタ
の製造プロセスを断面で示した図で有る。
【0013】本実施例1では基板101として235m
m口の石英ガラスを用いた。しかし、600℃4〜5時
間の熱環境に耐え得る基板で有るならば、基板の種類や
大きさは無論問われない。まず有機洗浄又は酸洗浄され
た基板101に下地保護膜102を形成する。本実施例
1では常圧気相化学堆積法(APCVD法)にて二酸化
硅素膜(SiO2 膜)を2000Å堆積した。下地保護
膜102としてはSiO2 膜に代り窒化硅素膜(SiN
x)等も可能で有り、その形成方法もプラズマCVD法
(PECVD法)やスパッター法など工程温度が600
℃以下のあらゆる形成手段が有効で有る。続いて、ソー
ス・ドレイン領域103を形成する。
【0014】(図1(a))本実施例1ではn型半導体
装置の作成を試みた為、不純物として燐を選び、LPC
VD法でホスフィン(PH3 )とモノシラン(SiH
4 )を原料ガスとして燐を含んだ多結晶シリコン膜を堆
積した後、パターニングに依り、ソース・ドレイン領域
103を形成した。燐を含んだ多結晶シリコン膜の堆積
温度は600℃で、堆積速度30Å/minで1500
Åの膜厚に堆積して、ソース・ドレイン領域を作成し
た。
【0015】次にLPCVD法で後にチャンネル部を構
成するに至るシリコン膜104を堆積する。(図1
(b))本実施例1で使用したLPCVD装置の概要を
図2に示す。LPCVD装置は反応室201の容積とし
て184.5l有し、基板202は反応室中央付近に水
平に設置される。原料ガス及びヘリウム・窒素・アルゴ
ン・水素等の希釈ガスは必要に応じて反応室下部より反
応室201内に導入され、反応室上部より排気される。
石英ガラスで作られた反応室の外側には3ゾーンに分れ
たヒーター203が設けられて居り、それらを独立に調
整する事で反応室内中央部付近に所望の温度で均熱帯を
形成する。この均熱帯は約350mmの高さで広がり、
その範囲内での温度のずれは、例えば600℃に設定し
た時0.2℃以内で有る。従って挿入基板間の間隔を5
mmとすれば、1バッチで70枚の基板処理が可能で有
る。
【0016】本実施例1では20mm間隔で17枚の基
板を均熱帯内に設置した。排気はロータリー・ポンプ2
04とメカニカル・ブースター・ポンプ205を直結し
て行った。この為ガス種の違いに依る排気速度の差は現
れない。又、圧力はガス種に依存しない隔膜式圧力計で
測定した。炉内温度600℃に於いて両ポンプを運転し
た状態でヘリウム等の不活性ガスを反応室201に流し
た場合、反応室内平衡圧力P(mtorr) とガス流量Q
(SCCM)との間には次の関係式が成り立つ。
【0017】 P=2.260+0.3100×Q 10SCCM≦Q≦1
00SCCM P=24.04+0.1626×Q 200SCCM≦Q≦
900SCCM 本実施例1では上述のLPCVD装置を用いてシリコン
膜104を堆積した。(図1(b))ソース・ドレイン
領域が形成され、該領域表面上の自然酸化膜を取り除い
た基板は、表側を下向きとしてLPCVD装置反応室に
挿入された。挿入時の反応室温度は395℃から400
℃の間で有り、反応室内は窒素雰囲気に保たれている。
反応室入口付近には約6SLM の窒素で窒素カーテンを形
成し、基板挿入時に酸素や水分が反応室内に流れ込む事
を最小限に止めている。反応室内に空気中の水分や酸素
が混入すると、これらは反応室壁のシリコン層に吸着
し、或いはシリコンと反応して反応室内に残留し、チャ
ンネル部となるシリコン膜堆積の際、脱ガスとして現
れ、堆積シリコン膜の膜質を悪化させたり、膜厚の変動
を大きくする等の不安定性の原因となる。
【0018】基板挿入後、真空引き、漏洩検査を施し、
異常が無ければ挿入温度の400℃から堆積温度迄反応
室内温度を上げる。本実施例1では堆積温度は600℃
で二時間費やして昇温した。通常この昇温期間中には純
度99.99%程度以上の窒素・ヘリウム等の不活性ガ
スが流されるが、本実施例1では水素3%アルゴン97
%のアルゴン・水素混合ガスを700SCCM流し続けて昇
温した。この時反応室内平衡圧力は138mtorr で有っ
た。本実施例1では安全上の理由より水素濃度を3%と
して昇温期間中反応室内を還元性雰囲気に維持したが、
水素濃度は無論問われない。又、反応室内を400℃か
ら堆積温度に昇温する丈の目的で有るならば昇温時間は
一時間で十分だが、昇温期間中還元性雰囲気を維持して
反応室側壁からの酸素や水分の脱ガスを除去し、清浄な
堆積環境を現出する為には二時間程度以上の昇温期間が
好ましい。
【0019】還元性雰囲気に依る昇温期間終了後、直ち
に所定量のシラン(SiH4 )・ジシラン(Si2
6 )等の原料ガスと必要に応じて希釈ガスを反応室に導
入し、シリコン膜104を堆積する。本実施例1では純
度99.999%以上のシランを11.25SCCM流して
シリコン膜を堆積した。シリコン膜堆積中の反応室内平
衡圧力は7.65mtorr で有った。シリコン膜104は
20分39秒間反応室にシランを流し続けて堆積され
た。シリコン膜堆積終了後、反応室は即座に真空引きを
行なわれ、反応室内に未反応シランが残留せぬ様対処さ
れた。この真空引きは4分間行なわれた。又、シリコン
膜堆積終了直後ヒーター設定温度は600℃から400
℃に変更された。
【0020】真空引き終了後3分間費やしてシランなど
反応性ガスライン及びマスフロー・コントローラ内を窒
素で置換した。この間反応室には水素3%アルゴン97
%のアルゴン・水素混合ガスを700SCCM流し続け、反
応室内平衡圧力を約140mtorr に維持していた。反応
性ガスライン及びマスフロー・コントローラ内の窒素置
換終了後反応室はアルゴン・水素混合ガスに依り大気圧
に戻され、この後一時間半費やして反応室及び基板温度
が400℃程度迄下るのを待たれた。この降温期間中反
応室には約1SLM のアルゴン・水素混合ガスが流され、
反応室内は大気圧に保たれていた。本実施例1ではこの
降温期間中水素3%アルゴン97%の気体組成で還元性
雰囲気を作り出したが、水素濃度や不活性ガス種は無論
これらに限定される物では無い。例えば不活性ガスとし
てアルゴンに代りヘリウム、窒素等も可能で有るし、水
素濃度も100%で有っても構わない。本実施例1では
水素の爆発下限界を越えぬ様、3%を安全上の理由より
選定した。
【0021】この様に還元性雰囲気下で基板温度を下げ
る事に依り、堆積シリコン膜中に存在する水素が離脱し
て、不対電子対が発生する現象を抑制出来る。一般にシ
リコン膜から水素が離脱する温度は450℃以上と認識
されている故、還元性雰囲気下で基板温度を下げる場合
でも、基板温度が450℃程度以下となる迄基板を包容
したる環境を還元性雰囲気に維持する事が好ましい。し
かしながら、堆積温度から基板温度を450℃程度以下
迄下げるには本実施例1が示した様に一時間以上の降温
期間が必要となり、作業能率を落す原因となる。
【0022】一方シリコン膜中からの水素の離脱現象は
ボルツマン統計に従う為、温度の低下と共にその離脱速
度は急激に遅くなる。これらの理由に依り、少なくとも
基板温度が500℃程度以下となる迄、基板を包容した
る環境を還元性雰囲気に保っておく事が望ましい。
【0023】この様にして還元性雰囲気下で基板温度4
00℃程度迄下げられた後、該基板は反応室より取り出
された。本実施例1では水素濃度が3%で有った為、反
応室内の排気を省き、直接大気開放したが、水素濃度が
高い場合は排気が必要不可欠で有る。本実施例1で得ら
れたシリコン膜104の膜厚は244Åで有った。
【0024】こうして堆積されたシリコン膜はレジスト
でパターニングされた後、四弗化炭素(CF4 )と酸素
(O2 )の混合プラズマに依りエッチングされ、チャン
ネル部シリコン膜105を形成した。(図1(c))続
いてゲート絶縁膜106を形成する。本実施例1ではS
iO2 膜を電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法
(ECR−PECVD法)で1500Åの膜厚に堆積し
た。(図1(d))その後、ゲート電極107を形成
後、必要に応じて層間絶縁膜108を堆積し、更にコン
タクトホール開口後、ソース・ドレイン取り出し電極1
09を形成してトランジスタが完成する。(図1
(e))この様にして試作した薄膜トランジスタ(TF
T)の特性を測定した所、ソース・ドレイン電圧Vds
4Vで飽和電流領域から求めた有効電子移動度μoと捕
獲密度Nt(J.Levinson et al.J.
Appl.Phys.53,1193,1982)は其
々μo=5.3±0.15cm2 /v・secNt=
(6.9±0.26)×1011l/cm2 で有った。測
定は25℃で行なわれ、測定したトランジスタチャンネ
ル部の長さL=10μm、幅W=100μmで有った。
又Vds=4V、ゲート電圧Vgs=10Vでトランジスタ
をオンさせた時のソース・ドレイン電流はION=13.
4±1.15μAとなり、Vds=4V、Vgs=0Vでト
ランジスタをオフさせた時のオフ電流はIOFF =0.8
7±0.05pAとなり、オン・オフ比7桁以上の良好
なTFTが作成された。 (実施例2)チャンネル部シリコン膜を堆積する工程を
除いて、それ以外は総て実施例1と同じ工程に依りTF
Tを作成した。本実施例2はLPCVD法でチャンネル
部シリコン膜を成膜する従来技術に対応し、実施例1の
本発明と比較され得る。
【0025】本実施例2ではチャンネル部シリコン膜を
堆積するのに実施例1と同じLPCVD装置を用いた
が、昇温条件及び降温条件は実施例1と異っている。チ
ャンネル部シリコン膜堆積に当たり、まず基板挿入後、
真空引き、漏洩検査を施した後、挿入温度の400℃か
ら堆積温度の600℃迄昇温するが、この昇温条件を従
来技術で行った。
【0026】即ち、本実施例2では純度99.9999
%以上のヘリウムを350SCCM流し続けて一時間の昇温
期間を設けた。昇温期間中の反応室内平衡圧力は81.
mtorr で有った。ヘリウムに依る一時間の昇温終了
後、実施例1と同様直ちに純度99.999%以上のシ
ラン11.25SCCMを反応室に流してシリコン膜を堆積
した。シリコン膜堆積中の反応室内平衡圧力は7.67
mtorr で有った。シリコン膜は20分39秒間反応室に
シランを流し続けて堆積された。シリコン膜堆積直後、
ヒーター設定温度は600℃から400℃に変更され、
反応室は4分間真空引きを行なわれた。真空引き終了後
3分間マスフロー・コントローラー内等を窒素で置換し
た。この間反応室には純度99.99%以上の窒素を7
00SCCM流し続け、反応室内平衡圧力を約140mtorr
に維持していた。その後反応室は純度99.99%以上
の窒素に依り大気圧に戻され、直に基板は取り出され
た。この時の基板温度は530℃程度で有った。本実施
例2で得られたシリコン膜の膜厚は250Åで有った。
【0027】これ以外の工程は総て実施例1と全く同じ
工程を経てTFTを作成し、そのトランジスタ特性を測
定した所、ソース・ドレイン電圧Vds=4Vで飽和電流
領域から求めた有効電子移動度μoと捕獲密度Ntは其
々μo=4.0±0.17cm2 /v・sec、Nt=
(7.8±0.15)×1011l/cm2 で有った。又
L=10μm、W=100μmのTFTでVds=4V、
gs=10Vでトランジスタをオンさせた時のオン電流
はION=6.24±0.09μA、Vds=4V、Vgs
0Vでトランジスタをオフさせた時のオフ電流はIOFF
=0.94±0.06pAで有った。
【0028】本発明の一例で有る実施例1と従来技術の
実施例2を比較すると、本発明は従来技術に対して移動
度を30%以上改善し、しかも捕獲密度を10%以上低
減させる事に成功している事が分る。その結果、オン電
流は従来の115%増と大きく増え、且つオフ電流を1
0%近く減少させる事が可能となっている。 (実施例3)チャンネル部シリコン膜を堆積する工程を
除いて、それ以外は総て実施例1と同じ工程に依りTF
Tを作成した。従来技術で有る実施例2と本発明の一例
で有る実施例1とでは厳密に言うと、昇温方法と降温方
法の二点が違う為、本実施例3では降温方法の違いがも
たらす結果を示し、本発明の有効性を実証する。
【0029】本実施例3ではチャンネル部シリコン膜を
堆積するのに本発明の一例で有る実施例1と同じLPC
VD装置を用いたが、降温条件のみが実施例1と異って
いる。チャンネル部シリコン膜堆積に当たり、まず基板
挿入後、真空引き、漏洩検査を施した後、挿入温度の4
00℃から堆積温度の600℃迄昇温する。昇温時間は
二時間で、この間水素3%アルゴン97%のアルゴン水
素混合ガスを700SC CM流し続けた。この時、反応室内
平衡圧力は139mtorr で有った。
【0030】昇温期間終了後、直ちに純度99.999
%以上のシランを11.25SCCM反応室に流してシリコ
ン膜を堆積した。シリコン膜堆積中の反応室内平衡圧力
は7.70mtorr で有った。シリコン膜は20分39秒
間反応室にシランを流し続けて堆積された。
【0031】シリコン膜堆積直後、ヒーター設定温度が
600℃から400℃に変更され、反応室は4分間真空
引きを行なわれた。真空引き終了後3分間マスフロー・
コントローラー内等を窒素で置換し、この間反応室には
純度が99.99%以上の窒素を700SCCM流し続け、
反応室内平衡圧力を約140mtorr に維持していた。そ
の後反応室は純度99.99%以上の窒素に依り大気圧
に戻され、直に基板は取り出された。この時の基板温度
は530℃程度で有った。本実施例2で得られたシリコ
ン膜の膜厚は262Åで有った。
【0032】これ以外の工程は総て実施例1と全く同じ
工程を経てTFTを作成し、そのトランジスタ特性を測
定した所、ソース・ドレイン電圧Vds=4Vで飽和電流
領域から求めた有効電子移動度μoと捕獲密度Ntは其
々μo=5.4±0.09cm2 /v・sec、Nt=
(7.9±0.27)×1011l/cm2 で有った。又
L=10μm、W=100μmのTFTでVds=4V、
gs=10Vでトランジスタをオンさせた時のオン電流
はION=8.89±0.96μA、Vds=4V、Vgs
0Vでトランジスタをオフさせた時のオフ電流はIOFF
=1.16±0.13pAで有った。
【0033】実施例1から実施例3を通じて各基板上ト
ランジスタ5点を測定し、その平均と標準偏差をX±O
nの形式で記述して来た。本発明の一例で有る実施例1
と比較の為に行なわれた実施例3とから移動度は誤差範
囲で一致しているものの、還元性雰囲気下で降温すると
捕獲密度は明らかに減少し、その結果、オン電流は増
え、同時にオフ電流を減ずる事が可能となった。これは
還元性雰囲気下での降温が、堆積シリコン膜中からの水
素離脱を抑制し、捕獲密度の原因となる不対電子対の発
生を最小限に止たからで有る。本発明の有効性を実証す
る物で有る。 (実施例4) 図3は本発明の方法を実施するために好ましく用いられ
減圧化学気相堆積装置(LPCVD装置)の概要を示
した図で有るが、本発明の薄膜半導体装置の製造方法に
使用することが出来る装置が、図3に示したLPCVD
装置に限定されるものでは無い。例えば、実施例4にお
いては装置として縦形ホット・ウォール・タイプを用い
たが、横形のCVD装置やコールド・ウォール・タイプ
などあらゆる形式のLPCVD装置を用いることができ
る。
【0034】本発明の方法に用いられるLPCVD装置
は、主として反応室301と反応室に隣接した予備室3
02とから構成され、反応室301と予備室302との
間にはゲート・バルブ303が設けられて居る。図3に
示した状態ではゲート・バルブ303は開いて居り、基
板304は反応室内に入っている。ゲート・バルブ30
3が開いた状態に於いては反応室301はローダー台3
05に依って密閉される。予備室302にはガス導入口
306が設けられて居り、予備室302に水素や水素と
ヘリウム・窒素・アルゴン等の不活性ガスとの混合ガ
ス、或いはこれら不活性ガス単体を導入し得る。予備室
302の排気は真空ポンプ307に依り行なわれる。真
空ポンプとしてはロータリー・ポンプやメカニカル・ブ
ースター・ポンプ、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ等
が可能で、これらの組み合わせより構成される。真空ポ
ンプ307と予備室302の間にはゲート・バルブ30
8が設けられて居る。
【0035】以下本発明の薄膜半導体装置の製造方法に
おいて用いられるLPCVD装置の操作手順及びこの
PCVD装置に依りシリコン膜を堆積した際に得られる
多大なる効果を説明する。
【0036】まず大気開放された予備室302に降りて
いるローダー台305とその上に乗っているボート30
9上に基板304を設置する。この状態ではゲート・バ
ルブ303は閉じられて居り、反応室301内は真空に
維持されている。予備室302が大気開放されている時
は常にゲート・バルブ303は閉じられ、反応室301
内が酸素や水分、ほこり等の大気から汚染されるのを防
いでいる。この時、反応室301を排気する真空排気系
310は運転されて居り、反応室301に水素を3%程
度含む水素・不活性ガスの混合ガスを流し反応室301
内を還元性雰囲気に維持して居く事が好ましい。この時
の反応室内は0.1torrから1torr程度の圧力
に維持され、反応室内温度は400℃程度以上の温度に
保たれている。又この時反応室に流す水素・不活性ガス
の混合ガスに於ける水素濃度は0%から100%迄の間
で任意に設定し得る。但し安全上の理由より、その濃度
は爆発下限界より低い値で、出来る丈高い濃度が好まし
い。
【0037】基板設置後、予備室の扉を閉じ、ゲート・
バルブ308を開き、真空ポンプ307に依り予備室の
排気を行う。予備室の真空引き終了後、予備室へのガス
導入管306より水素・不活性ガスの混合ガスを予備室
に導入し、予備室を還元性雰囲気の真空とする。この時
の水素濃度も爆発下限界を越えぬなるべく高い値が好ま
しい。水素濃度・不活性ガス種等は反応室に流している
前述の混合ガスと同じ物が望まれるが、それに限られる
必要も無い。予備室内の圧力は反応室内の圧力と同等又
は若干低めが好ましい。次にゲート・バルブ303を開
け、基板304を反応室301内に挿入する。(図3の
状態)その後真空引き漏洩検査を施し、昇温期間に入
る。反応室が常時堆積温度に保たれている場合、基板が
堆積温度で熱平衡に達する30分程度でも構わないが、
基板304やボート309からの脱ガスを考慮すると一
時間程度が好ましい。この昇温期間中は実施例1で詳述
した様に反応室を還元性雰囲気に保って居く。
【0038】昇温終了後直ちに反応室に所定量の原料ガ
ス及び必要に応じて希釈ガスを導入して、シリコン膜を
堆積する。シリコン膜堆積後、直ちに4分間程度反応室
の真空引きを行ない、未反応の原料ガスが反応室に残留
せぬ様対処する。続いてマスフロー・コントローラ内等
の窒素置換を3分間行なう。この間、反応室と予備室に
は水素・不活性ガス混合ガスを適当量流し続け、両室を
還元性雰囲気の真空に保つ。この時予備室の排気は真空
ポンプ307に依り行なわれ、ゲート・バルブ308は
開いている。
【0039】本実施例4ではこの時の水素濃度を水素の
爆発下限界を越えぬ3%としたが、無論この濃度は何%
で有っても構わない。但し高濃度で有る場合、予備室を
大気開放する前に予備室内の水素濃度を爆発下限界以下
にする必要が有る。
【0040】又この間の両室の圧力は両室内の気体熱容
量が出来る丈小さくなる様に、低い方が好ましいが、同
時に反応室と予備室の容積を考慮すると数百SCCM以上の
水素・不活性ガス混合ガスを流し続ける必要が有り、こ
れら両者の兼ね合いで定まる。
【0041】本実施例4では実施例1と同様水素3%ア
ルゴン97%の水素アルゴン混合ガスを両室に700
SCCM流し続け、両室に付随した自動圧力調整装置を作動
させ両室の圧力を約140mtorr に保った。反応室30
1ではガス導入口が反応室の下部に設置され、排気は上
部よりなされるが、予備室302ではガス導入口306
は予備室上部に設けられ、予備室下部のゲート・バルブ
308を通じて排気されているが、本発明がこのガス導
入口と排気の位置組み合わせに限定される物では無い。
【0042】窒素置換終了後、ゲート・バルブ303を
開き、ローダー台305とその上に乗っているボート3
09上の基板304を還元性雰囲気真空の予備室302
に降ろす。この時反応室301壁と基板304は堆積温
度又は堆積温度より若干低い温度で熱平衡に達している
のに対し、予備室は室温で平衡している。その為、両室
の圧力が高く且つ基板を反応室から予備室に降す際の速
度が速いと基板の被る熱衝撃が大きくなり、基板として
通常ガラスを用いた場合、基板が割れて仕舞う。両室が
大気圧の場合、ガラス基板が熱衝撃で割れない為には反
応室301と予備室302間の昇降に45分程度の時間
が必要で有るが、両室が真空の場合、その時間を40分
以下に短縮出来る。本実施例では両室の圧力が140
mtorr で、35分で基板の昇降を行った。
【0043】基板が予備室302内に降りた後、反応室
301と予備室302間のゲート・バルブ303を閉
じ、予備室302内に爆発限界以下の濃度で水素を含む
水素不活性ガス混合気体を流し予備室を大気圧に戻す。
本実施例4では実施例1と同様、水素3%、アルゴン9
7%の水素・アルゴン混合ガスで予備室を大気圧に戻
し、基板の温度を下げた。本実施例4では予備室が室温
で熱平衡している為、還元性雰囲気大気圧下で基板の温
度は10分間の降温期間後約300℃迄低下した。降温
期間中予備室302には約1SLMの水素・アルゴン混合
ガスが流されていた。その後予備室は大気開放され、基
板が取り出される。
【0044】以上本実施例4で述べて来たLPCVD装
置を用いると、実施例1で示した良質なシリコン膜を作
業効率を損なう事無く簡便に堆積出来る。
【0045】即ち本発明では反応炉内が常に還元性雰囲
気に保たれている為、反応炉内が酸素・水分等に依り汚
染される事無く、脱ガスと堆積温度への熱平衡を得る為
の昇温期間を約一時間短縮し得る。又堆積後室温と熱平
衡に達している予備室を還元性雰囲気下に保ち、この予
備室で基板の温度を下げる事で降温期間を矢張り一時間
以上短縮出来、しかも基板の温度を300℃程度迄下げ
る為、シリコン膜からの水素の離脱確率をより小さくし
得る。又、基板の予備室と反応室間の昇降を真空中で行
う事に依り、昇降温度を速める事が可能となり、基板の
出し入れで約20分の時間が短縮可能となる。この結
果、実施例1に示した様に、従来のLPCVD装置にて
本発明で記述した良質なシリコン膜を形成するのに比べ
て、本実施例4で述べたLPCVD装置を用いて良質な
シリコン膜を形成する場合、一バッチあたり約二時間半
の作業時間を短縮出来、大幅に作業効率が上げられた。
【0046】加えて、本実施例4で述べたLPCVD装
置では、反応室が大気にさらされる事が無い為、堆積速
度のロット間のバラツキも小さくなり、相応して、ロッ
ト間の膜質、延てはTFTの安定化をも実現出来た。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、基
板上に能動層となるシリコン膜を形成する薄膜半導体装
置の製造方法において、該シリコン膜をLPCVD法で
堆積した後、基板を還元性雰囲気下に維持したまま基板
温度を下げることにより、シリコン膜中からの水素原子
の離脱を抑制し、不対電子対の発生を少なくすることが
可能となり、良好な薄膜半導体装置を製造することが可
能である。
【0048】又、斯たるシリコン膜堆積法は反応室と反
応室に隣接した予備室を有し、該予備室を大気圧から真
空に渡り還元性雰囲気に維持し得るLPCVD装置を用
いて行う事で作業時間を大幅に短縮する事が可能とな
り、且つロット間のバラツキを低減させる事が出来る。
【0049】この様に本発明に依り、良好な薄膜半導体
装置を作業能率良く、安定的に製造する事が可能とな
り、LSIの集積化やTFTを用いた液晶ディスプレイ
の高性能化や低価格化をもたらすと云う多大な効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は本発明の一実施例を示すシリ
コン薄膜半導体装置製造の各工程に於ける素子断面図。
【図2】本発明の実施例で用いた従来型のLPCVD装
置の概要を示す図。
【図3】本発明の実施例に好ましく用いられるLPCV
D装置の概略を示す図。
【符号の説明】
101 基板 102 下地保護膜 103 ソース・ドレイン領域 104 シリコン膜 105 チャンネル部シリコン膜 106 ゲート絶縁膜 107 ゲート電極 108 層間絶縁膜 109 ソース・ドレイン取り出し電極 201 反応室 202 基板 203 ヒーター 204 ロータリー・ポンプ 205 メカニカル・ブースター・ポンプ 301 反応室 302 予備室 303 ゲート・バルブ 304 基板 305 ローダー台 306 ガス導入口 307 真空ポンプ 308 ゲート・バルブ 309 ボート 310 真空排気系

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トランジスタの能動層となるシリコン膜を
    有する薄膜半導体装置の製造方法において、 減圧化学気相堆積法(LPCVD法)にて基板上に該シ
    リコン膜を堆積した後、還元性雰囲気で前記基板温度を
    下げることを特徴とする薄膜半導体装置の製造方法。
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