JP3424147B2 - 力学量センシング用材料およびその製造方法 - Google Patents

力学量センシング用材料およびその製造方法

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JP3424147B2
JP3424147B2 JP20532096A JP20532096A JP3424147B2 JP 3424147 B2 JP3424147 B2 JP 3424147B2 JP 20532096 A JP20532096 A JP 20532096A JP 20532096 A JP20532096 A JP 20532096A JP 3424147 B2 JP3424147 B2 JP 3424147B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力学量センシング
歪み抵抗材料、歪み計素子及び加速度計に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、変位、圧力、力、トルク、加
速度、速度、位置などの機械的量の計測に、抵抗線歪み
ゲージや半導体Siなどが用いられている。特に、半導
体Siは、高感度の歪み計素子として、衝撃試験機、変
位計、圧力変換器、加速度計、生体用の小型圧力計、流
量計やガス圧計など、一般工業用や自動車用および医療
用などのさまざまな分野に応用されている。しかし最近
では、その用途が広がり、高い耐熱性、耐腐食性や耐酸
化性が要求されるような場所や高応力場などの苛酷な条
件下での計測に対するニーズが高まっている。
【0003】しかしながら、半導体Siは、抵抗線歪み
ゲージに比べて感度が50倍以上高いが、耐熱温度が1
50℃程度であること、またその強度も500MPa以
下と低いことから、上記のような過酷な環境におけるニ
ーズに対しては適用できないという問題を有している。
【0004】このため、近年SOI(Silicon On Insul
ator)構造を用いた高温用圧力センサ素子の研究が行わ
れている。しかしながら、現状の耐熱レベルは、高々2
00〜300℃であり、それ以上の高温域での測定は困
難であるという問題を有している。
【0005】一方、プラズマCVDで作製した炭化ケイ
素および単結晶炭化ケイ素を利用した高温用の圧力セン
サの研究がある。炭化ケイ素が高耐熱性材料であること
から、高い温度での使用が期待できるが、感度が5程度
と、半導体Siの感度の比べて非常に小さいという問題
を有している。
【0006】そこで、これらの問題を解決するため、ポ
リシオロキサンを含有する高分子弾性体中に導電性金属
粒子を均一に分散させ、弾性体を流動させることによ
り、リニアな圧力−電気抵抗特性を発現する方法「耐久
性のよい感圧抵抗体およびその製造方法」(特開昭53
−896号公報)が提案されている。この方法により、
非常に高い感度が得られるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしがら、特開昭5
3−896号公報に記載の「耐久性のよい感圧抵抗体お
よびその製造方法」は、以下のような問題点を有してい
る。すなわち、 (1)弾性体の流動がリニアな圧力−電気
抵抗特性の発現に必要な導電粒子の分散(接触状態)に
寄与するために、流動状態に及ぼす温度の影響が大き
く、温度上昇に伴って電気抵抗値が大きく変わってしま
うという問題がある。また、 (2)高い感度を得るために
母材がゴムのような低弾性率でなければならない、 (3)
母材強度ならびに耐熱性が低いという問題を有してお
り、このために、使用温度範囲が室温付近に限られるだ
けでなく、腐食性雰囲気や高負荷など苛酷な条件下での
測定が困難であるという問題点がある。
【0008】そこで、本発明者らは、上述の如き従来技
術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験
を重ねた結果、本発明を成すに至ったものである。
【0009】(発明の目的)本発明の目的は、室温から
1000℃以上の広い温度範囲において、歪み量を高い感度
で測定することができる力学量センシング用歪み抵抗
、歪み計素子を提供すること、及びそれらを用いた加
速度計を提供することにある。
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】〔第1発明〕本第1発明
の力学量センシング用歪み抵抗材料は、絶縁性の母材
と、該母材に比べて弾性率が同程度または低く,該母材
中に連続的に分散した絶縁性の第2相と、前記第2相中
に不連続に分散した導電性または半導電性の第3相粒子
とからなる力学量センシンング用歪み抵抗材料であっ
て、前記第3相粒子が、該第3相粒子径の1/2以下の
間隔で前記第2相中に不連続に分散してなり、該材料の
外部からの負荷に対応する前記第3相粒子の状態変化か
ら、前記外部からの負荷に対応する力学量を検出するよ
うにしてなることを特徴とする。〔第2発明〕本第2発明の歪み計素子は、前述の本第1
発明に係る力学量センシンング用歪み抵抗材料を用いた
ことを特徴とする。 〔第3発明〕本第3発明の加速度計は、本第2発明に係
る歪み計素子を用いたことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の効果】本発明の力学量センシング用歪み抵抗
、歪み計素子及び加速度計は、室温から1000℃以上の
広い温度範囲において、高い感度で測定することができ
る。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、前記発明をさらに具体的
にした発明やこれら発明の実施の形態について説明す
る。
【0018】(発明の着眼点)本発明者らは、上述の従
来技術の問題に対して、以下のことに着眼した。すなわ
ち、 (1)セラミックス材料のような高弾性,高耐熱性
で、かつ絶縁性の母材中に、 (2)連続的に分散させた、
電気抵抗の高い緩衝相を形成し、 (3)この緩衝相内に、
導電性または半導電性の粒子を、nm〜μmオーダーの
間隔で不連続に分散し、導電パスを形成させることによ
って、室温はもちろん、高温環境においても、広い歪み
範囲で、直線的な歪み抵抗特性を発現できるという実験
結果に着目した。導電性または半導電性粒子を上記のよ
うに不連続に分散した複合材料において、導電性が発現
する機構については明確ではないが、以下のように考え
られる。複合材料内に、不連続に分散した導電性の粒子
間を、トンネル効果によって電荷が移動すると仮定する
と、トンネル電流Iは、I〜A・V/d・exp(−Bd)
〔V:電圧、d:粒径、A:定数、B:定数〕で表され
る。この関係式から、歪みが非常に小さな範囲では、電
流量(電気抵抗値)は、歪み量に逆比例して変化するこ
とが分かる。従って、このような範囲では、負荷応力に
対して弾性的な変形が生じ、第3相粒子の距離が線形に
変化することにより、直線的な抵抗変化を発現すること
ができると考えられる。さらに、第2相の弾性率の低い
場合には、外部から複合材料に負荷された応力による歪
みが、主として第2相内に発生するため、第3相粒子の
粒子間隔や第3相粒子内の内部応力などの状態を大きく
変化させることが可能であり、高いゲージ率を発現する
ことができる。また、上記のような構成において、熱膨
張率および/または弾性率が異なる材料を母材、添加粒
子および緩衝相として組み合わせた場合には、添加粒子
内とその近傍の母材に、前記材質の違い(熱膨張率差ま
たは弾性率差のミスマッチ)による内部応力が生成す
る。これによって、母材内には、添加粒子による導電パ
スに沿って連続的な内部応力が生じ、一方,添加粒子内
には逆の応力が生成する。添加粒子および母材内の内部
応力は、外部応力の負荷によって相対的に変化する。特
に、添加粒子を網目状に分散することにより、母材内部
には,最近接の添加粒子に沿った網目状の応力場を形成
させることが可能である。外部応力の負荷によって、特
に、連続した内部応力場を大きく変化させることができ
るため、大きなひずみ抵抗効果の発現が可能である。
【0019】〔力学量センシング用歪み抵抗材料、歪み
計素子及び加速度計〕
【0020】本発明の力学量センシング用歪み抵抗材料
が優れた効果を発揮するメカニズムについては、未だ必
ずしも明らかではないが、次のように考えられる。
【0021】(作用)本第1発明の力学量センシング用
歪み抵抗材料は、導電性または半導電性の第3相粒子が
第2相,すなわち緩衝相を介して分散しているため、母
材と第3相粒子に高弾性(高硬度)の材料を組合せて
も、それらに比べて低弾性の緩衝相が外部応力に対する
応力緩和の役割を持たせることができるので、大きな弾
性変形が容易であり、かつ耐衝撃性も高い。また、外部
応力の負荷によって内部応力が相対的に変化して第3相
粒子の間隔、すなわち緩衝相の厚さが変化する。このと
きの第3相粒子間隔は、緩衝相の弾性率および/または
厚さの適性化によって制御することが可能である。ま
た、第3相粒子間の抵抗値は、粒子間隔に比例して変化
すると考えられる(ただし、直線的な歪み−抵抗効果が
得られる微小な歪み範囲を利用する)。従って、外部応
力による緩衝相の厚さ変化によって添加粒子間の電気伝
導度やトンネル電流量が大きく変化することから、導電
パスの大きな電気抵抗変化が得られるものと考えられ
る。また、母材と第3相粒子の熱膨張差および/または
弾性率差に起因する内部応力が母材および第3相粒子内
に形成していることから、内部応力場すなわち導電パス
に沿って外部応力による歪みが生じやすく、かつその歪
みが母材内部全体で均一に起こる可能性が高い。さら
に、第3相粒子内の内部応力変化によって生ずる第3相
粒子自体の歪み抵抗効果も発現できる可能性もある。そ
のうえ、添加粒子に沿った内部応力の生成は、第3相粒
子の状態変化を安定化させる効果も期待できる。これら
の効果と上記歪み抵抗効果が相乗的に現れることによっ
て、従来の材料では発現できなかった高い感度の歪み抵
抗効果の発現が可能となる。一方、応力緩和相としての
第2相は、熱膨張差および/または弾性率差によって内
部応力が過大になることを抑制すると共に、該力学量セ
ンシング用材料中において安定した第3相粒子間隔の変
化が可能となる。そのうえ、歪みに対する電気的ヒステ
リシスを抑えると同時に、繰り返し変形に対する耐久性
を向上させる役割をさせることも可能となる。例えば、
高弾性の母材と母材、および母材と高弾性の第3相とを
結ぶバネのような役割をする。さらに、材料の複合化に
よる歪み抵抗効果を利用することから、単一材料である
半導体Siなどに対する大きな利点として材料に選択性
があり、測定環境によって最適な材料の組合せが可能で
ある。その上、第3相粒子(添加粒子)が低靭性および
/または低強度な材料であっても、第2相(緩衝相)に
よって母材と第3相粒子の結合強化されるために高い強
度が発現できる。このような高強度の発現は、広範囲の
歪みの測定が可能となる利点がある。また、第2相を結
晶質にして母材と第3相に高耐熱性の材料を用いること
により、1000℃以上での測定も可能となる。本発明
の力学量センシング用材料は、第2相が前記母材に比べ
て弾性率が同程度または低い材料からなる。第2相が前
記母材に比べて弾性率が高い材料である場合は、外部応
力負荷による第3相粒子間の距離の変化が小さくなり、
大きな歪抵抗変化を得ることが困難となる虞がある。ま
た、外部からの衝撃力や過大な内部応力を緩和できず、
破壊する虞がある。また、第3相粒子は、該第3相粒子
径の1/2以下の間隔で前記第2相中に不連続に分散し
てなる。この間隔が第3相粒子径の1/2を超える場合
には、第3相粒子間の抵抗値が高くなり、大きな歪抵抗
効果を得ることが困難になる虞がある。以上により、本
発明の力学量センシング用材料は、室温から1000℃以上
の広い温度範囲において、ワイドレンジの歪み量などの
機械的変化量を高い感度で測定できるものと考えられ
る。
【0022】〔好適な形態〕
【0023】(母材)母材は、絶縁性の材料からなる。
具体的には、アルミニウム,ケイ素,マグネシウム,カ
ルシウム,ジルコニウム,イットリウム,イッテリビウ
ム,ランタン,バナジウム,バリウム,ストロンチウ
ム,スカンジウム,ホウ素,ハフニウム、ビスマス、セ
リウム、ジスプロシウム,レニウム,サマリウム,タン
タルなどの一種以上の酸化物または窒化物、およびそれ
らの複合酸化物やこれらの化合物が適用できる。これら
のうちの一種類であっても、2種類以上を混合した系で
あってもよい。あるいは、サイアロン,コージェライ
ト,ムライトやスピネル等のセラミックス材料も適用で
きる。
【0024】この母材は、前記第2相および前記第3相
粒子よりも高強度の材料からなることが好ましい。これ
により、高強度でかつ耐衝撃性の高い力学量センシング
歪み抵抗材料を得ることが可能となる。
【0025】(第2相)第2相としての緩衝相は、その
弾性率が母材および第3相粒子の弾性率の1/1.1〜
1/100の範囲が好適である。緩衝相の弾性率が1/
100を下回ると外部応力や内部応力の緩衝作用が低下
し,粒子間隔の弾性的な変化が困難になる虞がある。一
方,緩衝相の弾性率が1/1.1を越えると応力の緩衝
作用が低下し,過大な内部応力が発生しやすくなり、そ
の結果安定した歪み抵抗効果を発現できなくなる虞があ
る。この第2相の具体的な材料としては、アルミニウ
ム,ケイ素,マグネシウム,カルシウム,ナトリウム,
ジルコニウム,イットリウム,イッテリビウム,ランタ
ン,バナジウム,スカンジウム,ホウ素,ハフニウム、
ビスマス、セリウム、ジスプロシウム,レニウム,サマ
リウム,タンタル,ベリリウム,リチウム,ネオジウ
ム,アンチモンなどの酸化物およびそれらの複合酸化物
や窒化物などがある。これらの一種または二種以上の材
料を用いることができる。また、第2相は、幅が、3n
m〜100μmの範囲であることが好ましい。第2相の
幅を、3nm〜100μmの範囲内とすることにより、
緩衝相としての機能を果たしやすくすることができる。
【0026】(第3相粒子)第3相粒子(添加粒子)と
しては、熱膨張率が母材に比べて、5倍以下であること
が好ましい。熱膨張率が5倍以上の場合は、内部応力が
非常に大きくなり、直線的な歪み抵抗効果を安定して得
ることが困難となる。また、抵抗の温度−抵抗変化率
(温度係数)が大きくなり、温度が異なる雰囲気での測
定が困難になる。さらに好ましい範囲は、2倍以下であ
る。具体的には、 (1)母材としてSi34 ,AlN,
BNの一種以上を採用する場合には、B,Si,Ti,
W,V,Hf,Zr,Zn,Nb,Ta,Cr,Ru,
An,Eu,Sn,In,Tl,Ag,Moなどの炭化
物、窒化物、ケイ化物,または硼化物の一種以上からな
る第3相粒子、 (2)母材としてAl2 3 を採用する場
合には、WC,Mo3 C,ZrC,W,TiB2 ,B4
C,SiC,RuO,Cu2 Oの一種以上からなる第3
相粒子、 (3)母材としてAlNを採用する場合には、T
iN,ZrN,Cr2 N,WSi2 ,NbSi2 ,Ta
Si2 の一種以上からなる第3相粒子、が適用できる。
また、金属粒子や貴金属粒子も適用することができる。
添加粒子の弾性率は、母材の1.1倍以上あればよく、
より好ましくは、1.4倍以上あるのがよい。母材の弾
性率と同程度またはそれ以下であると、熱膨張差によっ
て生じる母材の内部応力が添加粒子によって緩和されて
しまうため、測定感度が低下してしまう虞がある。さら
に低いと、ひずみ抵抗効果にヒステリシスが生じやすく
なる虞がある。また、添加粒子の粒径は、10nm〜1
0μmであるのが好ましい。さらに好ましくは、粒径比
が1/20〜1/5の範囲にあるかまたは粒径が0.0
2〜1μmの範囲にあるのがよい。粒径比が1/100
を下回ると添加粒子の不連続に分散することが困難にな
る。一方、粒径比が1/2を越えると添加粒子の間隔が
広くなり、電気導電性の発現が困難になる虞がある。添
加粒子の分散は、添加粒子が緩衝相および/または母材
を介して不連続に分散させる。その分散間隔は、1nm
〜1μmであることが好ましい。粒子間隔が、1nm未
満になると添加粒子の間隔が小さくなり、測定感度が小
さく、また直線的なひずみ抵抗効果が発現しにくくなる
虞がある。一方、粒子間隔が、1μmを越えると、電気
伝導性が発現しにくくなる虞がある。さらに好ましく
は、1nm〜0.1μmの範囲にあるのがよい。添加粒
子の分散構造は、層状,らせん状および網目状または均
一・不均一構造や分散濃度の傾斜構造などいずれの形態
でもよく,これらの組合せであってもよい。また、添加
粒子の形状は、球状、楕円状、柱状、板状、不定形やウ
ィスカのいずれであってもよい。
【0027】本件発明において、前記母材および第2相
と前記第3相粒子との熱膨張率差が5倍以下であること
が好ましい。これにより、温度係数が小さくなり、温度
による抵抗値変化を減少または抑制することができる。
【0028】本件発明において、前記第2相と前記第3
相粒子とからなる部分が、前記母材中で連続的な3次元
の網目細胞壁構造を形成してなることが好ましい。これ
により、第3相粒子を網目状に分散させることによって
外部応力が負荷されても網目構造を維持しながらバネの
ように導電パスが柔軟に変形することが可能となり、さ
らにより均一な電気抵抗変化を発現することができる。
【0029】本件発明において、前記第2相と前記第3
相粒子とからなる部分が、集合した複数の母材結晶粒か
らなる円形状または楕円形状の母材ユニットの周囲を、
取り囲むように連続的に分散してなることが好ましい。
これにより、添加粒子が母材ユニットである複数の母材
結晶粒の周囲を取り囲むような細胞壁構造を形成し、こ
れらにより網目構造が形成されているので、細胞壁内の
母材結晶粒も変形に寄与することにより、さらにより均
一なひずみ抵抗変化を発現することができる。
【0030】本件発明において、前記第3相粒子の間隔
が、1〜1000nmの範囲内であり、電荷が移動しや
すい導電パスを形成させることにより、外部からの負荷
に対応した前記第3相粒子の状態変化によって導電パス
の抵抗値が変化し、前記外部からの負荷に対応する力学
量を検出するようにしてなることが好ましい。これによ
り、温度によって抵抗値を大きく変化させることなく、
高い感度で直線的なひずみ抵抗効果を発現できる。
【0031】本件発明において、母材は、Al,Si,
Ca,Mg,Zr,Bから選択される元素の一種以上の
酸化物または窒化物、およびこれらの化合物、あるいは
コジェライト,サイアロン,ムライト,スピネルのセラ
ミックス材料からなり、前記第3相粒子が、該母材との
粒径比が1/3〜1/1000の炭化物、ホウ化物、窒
化物、ケイ化物およびこれらの複合化物からなることが
好ましい。これにより、高い耐熱性と高強度ならびに高
い耐衝撃性を発現することができる。このほか、イット
リウム、イッテリビウム、ランタン、バナジウム、バリ
ウム、ストロンチウム、スカンジウム、ハフニウム、ビ
スマス、セリウム、ジスプロシウム、レニウム、サマリ
ウム、タンタルなどの一種以上の酸化物または窒化物、
およびそれらの複合酸化物やこれらの化合物が適用でき
る。
【0032】本発明の力学量センシング用歪み抵抗材料
は、 (1)室温から1000℃以上の広温度範囲で、 (2)酸
化、還元および腐食性の雰囲気に関係なく、 (3)高負荷
で、かつワイドレンジの歪み量を半導体Si並の高感度
(高いゲージ率)で測定することができる。すなわち、
本発明の力学量センシング用歪み抵抗材料により、室温
およびそれ以下はもちろん1000℃以上の高温域まで
の広い範囲で、機械的変化量を高い感度で検出すること
が可能であり、そのうえ、酸化性、腐食性雰囲気のよう
な苛酷な環境下への適用も可能となる。材料の組み合わ
せの適正化によっては、高強度を発現できるため、高負
荷で、高歪み範囲での測定も可能である。また、使用環
境を選ばないことから、センサー素子部の被覆が不要で
あることから素子部の構造が簡単になり、低コスト化や
検出範囲の微小化が容易であり、なおかつ応答性も高く
なるといった性能を付与することができる。また、第2
相(緩衝相)を介して第3相粒子を分散させていること
から、母材が高弾性体であっても緩衝相によって応力緩
和することができ、高い外部応力の負荷に対しても低ヒ
ステリシスで安定した歪み抵抗効果が発現でき、高い信
頼性が得やすい構造である。さらに、第2相の厚さや弾
性率などを適正化することによって、高い耐熱衝撃性を
発現することも可能である。この上、導電パスの形成を
1から3次元的に選定できるため、ある特定方向(異方
性のある)についてのみ歪み抵抗効果を発現させること
もでき、方向性を検出することも可能である。
【0033】本発明の力学量センシング用歪み抵抗材料
は,高い耐熱性,弾性,強度および耐酸化性・耐腐食性
の材料を用途に応じて選択することによって苛酷な条件
での機械的変化量を高感度に測定できる。具体的には,
エンジンの内圧や鋳造圧力などの高温での圧力測定を行
うような場合には,耐熱性の高い窒化ケイ素を母材と
し、炭化ケイ素を添加粒子として組合せることにより,
図1に示すような組織を持つ耐熱性に優れた圧力センシ
ング用材料ができる。また、ヨーレイトセンサのような
加速度計に適用した場合には、PZTや水晶のように共
振させることなく加速度を測定できるため、安定した測
定が可能である。この材料の組織においては,FEM
(有限要素法)計算により,炭化ケイ素粒子に沿って図
2に示すような応力場ができることがわかる。この材料
は,1000MPa以上の高強度も発現できることから
高負荷条件および広い歪み量範囲での測定が可能であ
る。
【0034】〔力学量センシング用歪み抵抗材料の製造
方法〕
【0035】
【0036】本力学量センシング用歪み抵抗材料の製造
方法は、先ず、絶縁性の母材原料粉末と該母材原料粉末
に比べて弾性率が同程度または低く,絶縁性の第2相原
料粉末とを混合し、該混合粉末を粒径が5〜500μm
の範囲となるように造粒して造粒粉を得る(造粒粉作製
工程)。該混合粉末の粒径が5μm未満の場合は、第3
相粒子が導電性のパスを形成しにくくなり、500μm
を超える場合には、十分な緻密度が保ちながら第3相粒
子を不連続に分散することが困難になる。なお、この造
粒粉作製工程において、さらに前記第3相原料粉末を混
合してもよい。次に、前記造粒粉と、粒径が該造粒粉の
1/3以下で,導電性または半導電性の第3相原料粉末
とを混合して原料混合粉を作製する(原料混合粉作製工
程)。該第3相原料粉末の粒径が前記造粒粉の1/3を
超える場合には、第3相粒子による導電パスを形成しに
くくなる。なお、この原料混合粉作製工程において、第
3相原料粉末とともにさらに前記第2相原料粉末を混合
してもよい。また、この原料混合粉作製工程において、
第3相原料粉末とともにさらに前記母材原料粉末を混合
してもよい。次に、前記原料混合粉を成形し、焼成する
(焼成工程)。これにより、絶縁性の母材と、該母材に
比べて弾性率が低く、該母材中に連続的に分散した絶縁
性の第2相と、前記母材および前記第2相に比べて弾性
率が高く,前記第2相中に不連続に分散した導電性また
は半導電性の第3相粒子とからなる力学量センシンング
用材料であって、前記第3相粒子が,該第3相粒子径の
1/2以下の間隔で前記第2相中に不連続に分散してな
る力学量センシング用材料を製造することができるもの
と考えられる。
【0037】(造粒粉作製工程)母材原料粉末は、アル
ミニウム,ケイ素,マグネシウム,カルシウム,ジルコ
ニウム,イットリウム,イッテリビウム,ランタン,バ
ナジウム,バリウム,ストロンチウム,スカンジウム,
ホウ素,ハフニウム、ビスマス、セリウム、ジスプロシ
ウム,レニウム,サマリウム,タンタルなどの一種以上
の酸化物または窒化物、およびそれらの複合酸化物やこ
れらの化合物が適用できる。これらのうちの一種類であ
っても、2種類以上を混合した系であってもよい。ある
いは、サイアロン,コージェライト,ムライトやスピネ
ル等のセラミックス材料も適用できる。この母材原料粉
末は、粒径が10μm以下のものが好ましい。第2相原
料粉末は、母材に比べて弾性率が同程度または低く、そ
の弾性率が母材および第3相粒子の弾性率の1/1.1
〜1/100の範囲の物質で、具体的な材料としては、
アルミニウム,ケイ素,マグネシウム,カルシウム,ナ
トリウム,ジルコニウム,イットリウム,イッテリビウ
ム,ランタン,バナジウム,スカンジウム,ホウ素,ハ
フニウム、ビスマス、セリウム、ジスプロシウム,レニ
ウム,サマリウム,タンタル,ベリリウム,ホウ素,リ
チウム,ネオジウム,アンチモンなどの酸化物およびそ
れらの複合酸化物や、および窒化アルミニウムが適用で
きる。なお、この第2相原料粉末は、母材原料粉末また
は第3相原料粉末の焼結助剤として用いられているもの
を採用することが好ましい。また、第2相原料粉末とし
ては、焼結時または焼結終了後の熱処理によって母材お
よび第2相原料粉末の元素で構成される結晶質の第2相
を生成するようにするのが好ましい。これにより、セン
シング用材料の耐熱性を高めることが可能となる。造粒
粉の特に好適な粒径範囲は、10μm〜200μmであ
る。この造粒粉の作製には、スプレードライヤなどの造
粒装置を用いてもよい。
【0038】(原料混合粉作製工程)第3相原料粉末
は、熱膨張率が母材に比べて、5倍以下のものが好まし
い。具体的には、 (1)母材としてSi3 4 ,AlN,
BNの一種以上を採用する場合には、B,Si,Ti,
W,Cr,Ru,An,Eu,Sn,In,Tl,A
g,V,Hf,Zr,Zn,Nb,Ta,Moなどの炭
化物、窒化物、ケイ化物または硼化物の一種以上からな
る第3相粒子、 (2)母材としてAl2 3 を採用する場
合には、WC,Mo3 C,ZrC,W,B4 C,TiB
2 ,SiC,RuO,Cu2 Oの一種以上からなる第3
相粒子、 (3)母材としてAlNを採用する場合には、T
iN,ZrN,Cr2 N,WSi2 ,N6 Si2 ,Ta
Si2 の一種以上からなる第3相粒子、が適用できる。
原料混合粉の作製は、第3相原料粉末のみを混合して
も、また予め第3相原料粉末と第2相原料粉末を混合し
たものを混合してもよい。これにより、均一な粒子間隔
が得られやすい。第2相内に、第3相粒子が均一な間隔
の導電パスを形成させやすくなる。第2相原料粉末およ
び第3相原料粉末は、粒径比が1に近い方が好ましい。
【0039】(焼成工程)焼成工程により得られた焼結
体を、400℃〜1600℃の温度雰囲気で熱処理して
なることが好ましい。これにより、焼成後に生じる大き
な残留歪みを除去することが可能である。また、第2相
を耐熱性の高い結晶相に変えることもできる。
【0040】(好適な製造方法)本製造方法は、絶縁性
の母材原料粉末と該母材原料粉末に比べて弾性率が同程
度または低く絶縁性の第2相原料粉末とを混合し、該混
合粉末を粒径が5〜500μmの範囲となるように造粒
し、該造粒粉を仮焼する造粒粉仮焼工程と、前記仮焼し
た造粒粉と、粒径が該造粒粉の1/3以下で,導電性ま
たは半導電性の第3相原料粉末とを混合して原料混合粉
を作製する原料混合粉作成工程と、前記原料混合粉を成
形し、焼成する焼成工程と、からなることが好ましい。
これにより、造粒粉がこわれることなく第3相原料粒子
などと混合することができるので、より均一な細胞壁構
造を形成し易くなる。また、混合過程で造粒粉がこわれ
にくいので、湿式で容易に混合できるため、より均一な
混合が可能となる。また、射出成形による成形が適用で
き、これにより、ニアネットシェイプの加工が可能であ
る。
【0041】本製造方法は、絶縁性の母材原料粉末と該
母材原料粉末に比べて弾性率が同程度または低く絶縁性
の第2相原料粉末とを、バインダとともに混合し、該混
合粉末を粒径が5〜500μmの範囲となるように造粒
して造粒粉混合物を作製する造粒粉作製工程と、前記造
粒粉と、粒径が該造粒粉の1/3以下で,導電性または
半導電性の第3相原料粉末とを混合して原料混合粉を作
製する原料混合粉作成工程と、前記原料混合粉を成形
し、焼成する焼成工程と、からなることが好ましい。こ
れにより、保形性の高い造粒粉が得られ、湿式混合し易
くなるので、造粒粉と第3相原料粉末などとの混合をよ
り均一に行うことができる。このため、第3相が均一な
間隔で細胞壁状に分散した力学量センシング用材料が得
られやすくなる。また、射出成形による成形が適用で
き、これにより、ニアネットシェイプの加工が可能であ
る。
【0042】本製造方法により、高耐熱,高耐酸化,高
耐腐食および高負荷での機械的変化量の測定が可能なバ
ルクおよび厚膜の力学量センシング用材料を製造するこ
とができる。
【0043】
【0044】
【0045】(その他の製造方法) 力学量センシング用歪み抵抗材料製造するその他の
としては、先ず、絶縁性の母材原料粉末と、該母材原
料粉末に比べて弾性率が同程度または低く,絶縁性の第
2相原料粉末と、粒径が該母材原料粉末の1/3以下
で,導電性または半導電性の第3相原料粉末と、を湿式
でボールミル混合などの方法で混合して原料混合粉を作
成する(原料混合粉作製工程)。これにより、母材原料
粉末の周囲に第3相原料粉末が分布するような混合状態
になるものと考えられる。このとき、母材原料粉末、第
2相原料粉末、第3相原料粉末は、前記第2発明の実施
の形態で説明したものと同様のものが適用できる。次
に、前記原料混合粉を成形し、ホットプレスなどにより
焼成する(焼成工程)。これにより、絶縁性の母材と、
該母材に比べて弾性率が低く、該母材中に連続的に分散
した絶縁性の第2相と、前記第2相中に不連続に分散し
た導電性または半導電性の第3相粒子とからなる力学量
センシンング用材料であって、前記第3相粒子が,該第
3相粒子径の1/2以下の間隔で前記第2相中に不連続
に分散してなる力学量センシング用材料を製造すること
ができるものと考えられる。また、成形時にドクターブ
レードや押出成形機を用いることにより、厚膜の力学量
センシング用歪み抵抗材料を製造することもできる。
【0046】(原料混合粉作製工程)母材原料粉末と第
3相原料粉末の粒径比は、1/5〜1/50の範囲内で
あることが好ましい。この範囲内とすることにより、第
3相が複数の母材結晶粒を取り囲むような3次元の細胞
壁構造を形成し易くなるので好ましい。
【0047】(焼成工程)焼成工程により得られた焼結
体を、400℃〜1600℃の温度雰囲気で熱処理して
なることが好ましい。これにより、焼成後に生じる大き
な残留歪みを除去することが可能である。また、第2相
を耐熱性の高い結晶質に変えることもできる。
【0048】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0049】(第1実施例)
【0050】まず、94wt%のSi3 4 (平均粒
径:0.2μm)と6wt%のY2 3およびPVAとを
湿式ボールミル混合し、スプレードライ装置により粒径
が60μmの造粒粉を作製した。得られた造粒粉と10
wt%のSiC(平均粒径:0.4μm)を乾式混合して
乾燥し、脱脂、成形後、1850℃×1時間の条件でホ
ットプレスを行い、本実施例にかかる力学量センシング
歪み抵抗材料を得た(試料番号:1)。得られた力学
量センシング用歪み抵抗材料の断面をECRプラズマエ
ッチングして、その表面をSEM観察した。その結果、
本実施例の力学量センシング用材料は、複数のSi3
4 結晶粒の周囲をSiC粒子が取り囲むような細胞壁構
造が形成されていることが確認された。
【0051】(第2実施例) 粒径:0.2μm(比表面積が14m2 /g)のSi3
4 原料粉末69wt%と、9wt%のY2 3 および
平均粒径:0.03μm(比表面積が48m2/g)の
SiC原料粉末25wt%を湿式でボールミル混合後、
乾燥して混合粉を得た。この混合粉を一軸プレス成形
(圧力:20MPa)した後、1850℃×1時間の条
件でホットプレスを行い、本実施例にかかる力学量セン
シング用歪み抵抗材料を得た(試料番号:2)。得られ
た力学量センシング用歪み抵抗材料の断面をECRプラ
ズマエッチングしてその表面をSEM観察した。その結
果、本実施例の力学量センシング用歪み抵抗材料は、複
数のSi3 4 結晶粒の周囲をSiC粒子が取り囲むよ
うな細胞壁構造が形成されていることが確認された。
【0052】(第3実施例) 94wt%のSi3 4 (平均一次粒子径:0.2μ
m)と6wt%のY2 3 をPVAとともに湿式でボー
ルミル混合し、スプレードライ装置により粒径が80μ
mの造粒粉を作製した。得られた造粒粉を脱脂後、16
00℃×4時間仮焼し、これと10wt%のSiC(平
均粒径:0.4μm)を湿式混合して乾燥、成形後、1
850℃×1時間の条件でホットプレスを行って本実施
例にかかる力学量センシング用歪み抵抗材料を得た(試
料番号:3)。本実施例の力学量センシング用歪み抵抗
材料は、上記と同様な方法によって複数のSi3 4
晶粒の周囲をSiC粒子が取り囲むような細胞壁構造が
形成されていることが確認された。
【0053】(第4実施例) 粒径:0.8μm(比表面積が4.8m2 /g)のSi
3 4 原料粉末70vol%と、5vol%のY2 3
および平均粒径:0.4μm(比表面積が18m2
g)のTiN原料粉末25vol%を湿式でボールミル
混合して乾燥し、混合粉を得た。この混合粉を一軸プレ
ス成形(圧力:20MPa)した後、1850℃×1時
間の条件でホットプレスを行い、本実施例にかかる力学
量センシング用歪み抵抗材料を得た(試料番号:4)。
本実施例の力学量センシング用歪み抵抗材料は、上記と
同様な方法によって複数のSi3 4 結晶粒の周囲をT
iN粒子が取り囲むような細胞壁構造が形成されている
ことが確認された。
【0054】(比較例1)比較のため、平均粒径0.3
μmのSi3 4 原料粉末と、6wt%のY2 3 原料
粉末および平均粒径0.3μmのSiC原料粉末25w
t%のをボールミルで湿式混合し、乾燥して成形後、ホ
ットプレスを行った(試料番号:C1)。この比較用焼
結体の断面観察をしたところ、マトリックスであるSi
3 4 焼結体中にSiC粒子が均一に分散していた。
【0055】(比較例2)比較のため、BおよびCを焼
結助材とするSiC焼結体(試料番号:C2)を用意し
た。
【0056】(比較例3)比較のため、半導体Si(試
料番号:C3)および抵抗線歪みゲージ(試料番号:C
4)を用意した。
【0057】(性能評価試験)以上、第1実施例から第
4実施例により得られた力学量センシング用歪み抵抗
料、および比較例1〜比較例3の比較用の力学量センシ
ング用歪み抵抗材料について、圧縮応力を負荷したとき
の電気抵抗値の変化を調べた。その結果を、図1に示
す。図1から明らかなように、本第1実施例および第2
実施例の焼結体は、大きな歪まで直線的な歪抵抗効果を
発現することがわかる。そして、半導体Siと同程度の
感度100(ゲージ率)が得られることがわかる。これ
と同様な効果が第3実施例、4実施例についても同様な
効果が認められた。また、800℃での高温時において
も、図2から明らかなように、室温と同様な直線的なひ
ずみ抵抗効果を発現することが確認された(試料番号:
1、2)。特に、第4実施例の力学量センシング用歪み
抵抗材料では、抵抗値が対室温比が0.4程度と小さ
く、温度補償が容易であることもわかった。これに対し
て、SiCを均一に分散させた比較用Si3 4 /Si
C焼結体(試料番号:C1)では、その抵抗値が107
Ωcm以上であり、電気伝導性の発現は認められなかっ
た。一方、SiC焼結体(試料番号:C2)では、直線
的なひずみ抵抗効果が認められたが、その感度は、5程
度で本実施例の1/20以下と非常に小さかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施例〜第4実施例において得られ
た力学量センシング用材料、および比較例1〜比較例3
の比較用の力学量センシング用歪み抵抗材料の、圧縮応
力を負荷したときの電気抵抗値の変化を示す図である。
【図2】本発明第1実施例および第4実施例において得
られた力学量センシング用歪み抵抗材料の800℃にお
ける圧縮応力を負荷したときの電気抵抗値の変化を示す
図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−104575(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 7/16 G01L 1/18 G01N 27/02 G01P 15/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の母材と、該母材に比べて弾性率
    が同程度または低く、該母材中に連続的に分散した絶縁
    性の第2相と、前記第2相中に不連続に分散した導電性
    または半導電性の第3相粒子とからなる力学量センシン
    ング用歪み抵抗材料であって、前記第3相粒子が、該第
    3相粒子径の1/2以下の間隔で前記第2相中に不連続
    に分散してなり、該材料の外部からの負荷に対応する前
    記第3相粒子の状態変化から、前記外部からの負荷に対
    応する力学量を検出するようにしてなることを特徴とす
    る力学量センシング用歪み抵抗材料。
  2. 【請求項2】 前記第3相粒子の間隔が、1〜1000
    nmの範囲内であり、外部からの負荷に対応した前記第
    3相粒子の状態変化によって抵抗値が変化し、前記外部
    からの負荷に対応する力学量を検出するようにしてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の力学量センシング用
    み抵抗材料。
  3. 【請求項3】 前記母材および第2相と前記第3相粒子
    との熱膨張率差が5倍以下であることを特徴とする請求
    項1記載の力学量センシング用歪み抵抗材料。
  4. 【請求項4】 前記母材が、前記第2相および前記第3
    相粒子よりも高強度の材料からなることを特徴とする請
    求項1記載の力学量センシング用歪み抵抗材料。
  5. 【請求項5】 前記第2相と前記第3相粒子とからなる
    部分が、前記母材中で連続的な3次元の網目細胞壁構造
    を形成してなることを特徴とする請求項1記載の力学量
    センシング用歪み抵抗材料。
  6. 【請求項6】 前記第2相と前記第3相粒子とからなる
    部分が、集合した複数の母材結晶粒からなる円形状また
    は楕円形状の母材ユニットの周囲を、取り囲むように連
    続的に分散してなることを特徴とする請求項1記載の力
    学量センシング用歪み抵抗材料。
  7. 【請求項7】 前記母材が、Al,Si,Ca,Mg,
    Zr,Bから選択される元素の一種以上の酸化物または
    窒化物、およびこれらの化合物、あるいはコージェライ
    ト,サイアロン,ムライト,スピネルのセラミックス材
    料の一種以上からなり、前記第3相粒子が、炭化物、ホ
    ウ化物、窒化物、ケイ化物、硫化物の一種以上およびこ
    れらの複合化物からなることを特徴とする請求項1記載
    の力学量センシング用歪み抵抗材料。
  8. 【請求項8】 前記第2相の幅が、3nm〜100μm
    の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の力学量
    センシング用歪み抵抗材料。
  9. 【請求項9】 前記第3相粒子は、前記第2相中で導電
    パスを1から3次元的に形成する異方性を持つ請求項1
    に記載の力学量センシング用歪み抵抗材料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の力学
    量センシング用歪み抵抗材料を用いることを特徴とする
    歪み計素子。
  11. 【請求項11】 前記力学量センシング用歪み抵抗材料
    の少なくとも一部が被覆されていない請求項10に記載
    の歪み計素子。
  12. 【請求項12】 請求項10又は11に記載の歪み計素
    子を用いることを特徴とする加速度計。
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