JP3393261B2 - サーミスタ用磁器組成物 - Google Patents
サーミスタ用磁器組成物Info
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Description
抗値の安定性の高い負の温度係数を持つサーミスタ用材
料に関するものである。
て従来から、(a) Al2O3 、Cr2O3 を主成分とするコラン
ダム型結晶構造を主体とする材料(例えば特開昭50-118
294 号公報、「ファインセラミックハンドブック」浜野
健也著、朝倉書店1984年発行)、(b) MgAl2O4 、MgCr2O
4 、MgFe2O4 等よりなるスピネル型結晶構造化合物を主
体とした材料(例えば特開昭49-63995号公報)、(c) Y2
O3等で安定化させたZrO2を主体とする材料(例えば「内
燃機関」第30巻第8号第98頁)、(d) 高融点で導電性を
もつペロブスカイト型結晶構造化合物を主体とした材
料、例えばLa(Al1-XCrx )O3 系の組成をもつ材料(例え
ば特開昭51-108298 号公報)、絶縁基板上にLaCrO3を薄
膜化して用いる材料(例えば特開昭61-161701 号公
報)、LaCrO3とMgAl2O4 とを混合した材料(例えば特開
昭51-95297号公報、特開昭51-23691号公報)等が使用さ
れてきた。
ダム型結晶構造を主体とする材料の焼結には1650℃以上
の高い温度が必要であるためにリード線が劣化してしま
うこととか、他元素を添加することにより抵抗−温度特
性に僅かなバリエーションをもたせることはできるが、
大幅に抵抗−温度特性を調整することができなかった。
た材料は1600℃以上の温度で焼結する必要があるため、
リード線の劣化という問題があると共に、温度−抵抗変
化率(温度勾配定数β)が大きいため広い温度域で使用
できない等の問題があった。また、NiAl2O4 を主体とし
た材料(特開昭49-29493号公報等)、CoAl2O4 を主体と
した材料(特開昭48-705号公報等)があるが、いずれも
低温における抵抗値が大きすぎて実用上は使用できない
という問題があった。
イオン導電性であるため、雰囲気の状態とくに還元性雰
囲気では抵抗値が不安定であるとか、低い温度域では抵
抗値が大きくなり実用上使用できないという問題があっ
た。
体とした材料は、僅かでもLa酸化物が未反応のまま残っ
た場合には、その未反応物が大気中の水分と反応して不
安定なLa(OH)3 となり、素子が崩壊してしまうとか、抵
抗値が不安定になる等の問題があった。
材料の組成を調整することにより低温から高温までの広
い温度範囲で実用上使用可能な抵抗値を得ることがで
き、1600℃以下の温度で焼結することができることによ
り、リード線の劣化を防ぎ、吸湿性の物質を含まず、雰
囲気の湿度とか熱履歴による特性の劣化が少なく、低温
から 600℃までの広い温度域で使用可能なサーミスタ用
磁器組成物を提供することにある。
結果、M1をY及びSmから選ばれた1種または2種の元
素を示し、N1を元素周期表の2a族に属する元素から選
ばれた1種または2種以上の元素を示し、M2をTi、V、C
r、Mn、Fe、CoおよびNiの内から選ばれた1種または2
種以上の元素を示すとしたとき、 (M11-x・N1x )M2O3 で表わされる組成物において、xの値を 0.002≦x≦0.1 とすることにより、上記課題を解消したサーミスタ用磁
器組成物を提供することができることを発明した。
は2種の元素を示し、N1をCa及びSrから選ばれた1種ま
たは2種の元素を示し、M2をTi、Cr、Mn及びFeの内から
選ばれた1種または2種以上の元素を示すとしたとき、
((M11-x ・N1x )M2O3)1-y ・(M1AlO3)y で表わされる組成物において、xの値を0.002≦x≦0.1
であり、かつ0.05≦y≦0.35とすることによりより好ま
しいサーミスタ用磁器組成物を提供することができ、ま
た、より好ましくはM1をYとし、N1をCaとし、M2をCrと
した(Y1-x ・Cax )CrO3 +0.5YAlO3と表される組成物において、0.002≦x≦0.1 とすることがよいことを見出した。
助剤を混合して焼結性を向上させることにより低温で焼
成することができ、強度が高く耐熱性に優れた特性が得
られる。ここで、焼結助剤としては、シリカ、ムライト
等粒界に液相を形成し、マトリックスをなして磁器の焼
結性を高めるものを指す。
り、イオン半径が近い原子同士で互いに容易に置換でき
るため、その置換された組成が安定に存在するため広い
範囲で連続的に組成を変えて調整することができるもの
である。本発明はM1M2O3例えば YCrO3の結晶中の酸素欠
陥による正孔よりも多くの正孔を2価金属をドープする
ことにより生ぜしめたp型半導体材である。また、本発
明にはLaを含んでいないため雰囲気の湿度等によるサー
ミスタ素子の変質等がなく、高温における安定性も優れ
ており、広い温度範囲で使用することができる。
の安定性と測定精度から決定した。つまり、xが0.002
より小さくなるとサーミスタ素子の雰囲気中の酸素分圧
が低くなると抵抗値が不安定になるなどの影響を受け易
くなり、xが0.1 を越えると温度勾配定数(以下これを
βという)が小さくなり温度検出精度が低くなり温度検
出素子として不適当なものとなってしまう。また、yを
0.05より小さくなると抵抗値やβが小さくなり過ぎて温
度検出精度が低くなり、yを0.35を越えると焼結性が悪
くなり抵抗値が大きくなりすぎて実用上使用できなくな
ってしまう。本発明によるサーミスタ素子は酸素分圧が
変化しても抵抗値が安定しているため、金属製管に内に
生ずる還元性雰囲気中にサーミスタ素子を配設してもサ
ーミスタ素子は安定した抵抗値を示しているため、自動
車等振動の激しい部位で使用することができる。本発明
によるサーミスタ素子は高温における安定性も優れてい
るが、その理由は、融点の高い材料が主体をなしている
ことによるものと考えられる。
純度が99.9%以上で平均粒径が1μm のY2O3と、純度が
98.5%以上で平均粒径が1μm のCr2O3 と、純度が99%
以上で平均粒径が1μm のCaCO3 を(Y1-xCax )CrO3 に
おいて表1に示すx値になるように秤量し、湿式により
混合し、乾燥し、その後、1400℃で2時間保持して仮焼
することにより導電性材よりなる(Y1-x Cax )CrO3 粉末
を得る。上記とは別に、前記Y2O3と、純度が99.9%以上
で平均粒径が1μm のAl2O3 を1:1のモル比となるよ
うに秤量し、湿式により混合し、乾燥し、その後、1400
℃で2時間保持することにより仮焼して、絶縁性のYAlO
3 粉末を得る。上記により得られたに2種類の粉末を
2:1(モル比)で湿式により混合し、混合したスラリ
ーを 200メッシュの篩を通してから乾燥する。乾燥後PV
B が15重量%、DBP が10重量%、MEK が50重量%及びト
ルエンが25重量%よりなるバインダーを添加して、プレ
ス成形用粉末を造粒する。
ある白金線を1.2mm の間隙を空けて2本平行に配置した
金型に充填して1000Kg/cm2の圧力でプレスすることによ
り、直径が3mm、厚みが2mmで2本のリード線を有する
図1に示す形状に成形する。その成形品を1550℃の大気
中で焼成することによりサーミスタ素子を得る。
タ素子について、−40℃、 0℃及び 400℃の大気中にお
ける抵抗値を測定した。その結果を表1に併せて示す。
なお、表中「−」印は抵抗値が30MΩ以上となったもの
または、抵抗値が30MΩ以上となったため計測不能とな
ったことを示す。次に、各試料を 600℃の大気中で 500
時間保持し、その保持の前後の−40℃、 0℃及び 400℃
の大気中における抵抗値を測定することにより熱履歴に
対する安定性の評価となる耐久性能を調べた。その結果
を表2に示す。また、環境試験として各試料を 400℃で
酸素分圧が10-7気圧の酸素分圧減圧室に保持し、そのと
きの抵抗値を測定することにより酸素分圧に対する抵抗
値の安定性を調べた。その結果を表2に併せて示す。
いう)およびΔR率の温度換算値は次式により定義され
たものである。 β=ln(R/R0)/(1/K−1/K0) ΔR率=(Rt −R0 )/R0 ×100 % 温度換算値=β×K0 /(ln(Rt /R0)×K0 +β)
−K0 ここで、lnは常用対数を示し、R及びR0 は各々大気中
で絶対温度K及びK0 における抵抗値を示す。また、β
欄に−40-0及び 0-400とあるは各々−40℃と 0℃、及び
0℃と 400℃間におけるβを示す。
気中の、環境試験においては酸素分圧減圧室における温
度t(耐久試験においてはt=−40℃、 0℃又は 400
℃、環境試験においてはt= 400℃) における抵抗値を
示す。ΔR率の温度換算値はΔR率の欄の[ ]内に示
す。
・0.5YAlO3においてY をCaで置換するにつれて抵抗値は
小さくなり、βも僅かに減少する。また、表2から明ら
かな通り、Caで置換すると酸素分圧が低くくなっても抵
抗値は変化しない。特にCaで0.2 ないし10モル%置換す
ることにより、酸素分圧に対する抵抗値の安定性がよく
なる。従い、この組成からなるサーミスタ素子は金属製
管に内に生ずる還元性雰囲気中に配置されても安定した
抵抗値を示しているため、自動車等振動の激しい部位で
使用することができるように金属管内にサーミスタ素子
を装着して強度を補強した構成とすることもできる。
抗値が大きくて、零度C以下の温度では30MΩ以上とな
つてしまい実用的には低温では使用が困難であるほか、
酸素分圧が低くくなると抵抗値が増加し、温度検知素子
としは使用上の利便性に劣ったものとなる。Caの置換量
が10モル%をこえるとβが小さくなり検知精度が低下し
てしまい温度検知素子としては不適なものとなる。
め副生成物が無く、 0.002≦x≦0.1 の範囲で、抵抗値
の調整を容易に行うことができる。また耐久試験および
環境試験からわかる通り、熱履歴とか雰囲気の酸素分圧
に対して非常に安定な特性を示していることがわかる。
((Y1-x・Cax )CrO3)1-y ・ (YAlO3)y においてxおよび
yを表3に示す組成になるように調整したこと以外は実
施例1と同様にして試料を作成した。 (実験例2)この試料について実験例1と同様の方法に
より、耐久試験および環境試験を行った結果を表3およ
び表4に示す。この結果によると、YAlO3 の混合量を5
モル%から35モル%とすることにより耐久試験とか環境
試験にたいして抵抗値の安定したサーミスタ素子とする
ことができた。YAlO3 の混合量を50モル%以上とすると
焼結しなくなり、抵抗値が大きくなり、また耐久試験の
結果、ΔR率が大きくなり、温度検知素子としては不適
なものとなったことがわかった。また、YAlO3 の混合量
を 5モル%よりも少ないと抵抗値が小さくなり、βが小
さくなり、温度検知素子としては不適なものとなること
がわかった。
温度範囲で使用可能で、酸化または還元のいずれの雰囲
気に対しても抵抗値の安定したサーミスタ素子を提供す
ることができたものである。また、焼成温度が低いため
リード線の劣化を防止することができたため、機械的強
度が強く、例えば振動の激しい内燃機関の油温、ガス
温、水温等の検出装置とか、振動の激しい場所での測定
装置として使用できるサーミスタ用磁器組成物を提供す
ることができた。
Claims (3)
- 【請求項1】 M1はY及びSmから選ばれた1種また
は2種の元素を示し、N1は元素周期表の2a族に属する
元素から選ばれた1種または2種以上の元素を示し、M2
はTi、V 、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiの内から選ばれた 1種または
2種以上の元素を示すとしたとき、 (M11-x・N1x )M2O3 で表わされる組成物において、 0.002≦x≦0.1 であることを特徴とするサーミスタ用磁器組成物。 - 【請求項2】 M1はY 及びSmから選ばれた1種または2種の元素 を示し、N1は
Ca及びSrから選ばれた1種または2種の元素を示し、M2
はTi、Cr、Mn及びFeの内から選ばれた1種または2種以
上の元素を示すとしたとき、((M11-x ・N1x )M2O3)1-y ・(M1AlO3)y で表わされる組成物において、0.002≦x≦0.1 であり、かつ0.05≦y≦0.35であることを特徴とするサ
ーミスタ用磁器組成物。 - 【請求項3】 組成物(Y1-x ・Cax )CrO3 +0.5YAlO3において、0.002≦x≦0.1 であることを特徴とするサーミスタ用磁器組成物。
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JP15128693A JP3393261B2 (ja) | 1993-05-28 | 1993-05-28 | サーミスタ用磁器組成物 |
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JPH06338402A JPH06338402A (ja) | 1994-12-06 |
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DE102007012468A1 (de) * | 2007-03-15 | 2008-09-18 | Epcos Ag | Keramikmaterial und elektrokeramisches Bauelement mit dem Keramikmaterial |
-
1993
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