JP3695116B2 - 高感度力学量センサ材料 - Google Patents
高感度力学量センサ材料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3695116B2 JP3695116B2 JP02027598A JP2027598A JP3695116B2 JP 3695116 B2 JP3695116 B2 JP 3695116B2 JP 02027598 A JP02027598 A JP 02027598A JP 2027598 A JP2027598 A JP 2027598A JP 3695116 B2 JP3695116 B2 JP 3695116B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mechanical quantity
- sensitivity
- insulating matrix
- sample
- phase particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01L—MEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
- G01L1/00—Measuring force or stress, in general
- G01L1/20—Measuring force or stress, in general by measuring variations in ohmic resistance of solid materials or of electrically-conductive fluids; by making use of electrokinetic cells, i.e. liquid-containing cells wherein an electrical potential is produced or varied upon the application of stress
Description
【技術分野】
本発明は,力,圧力,トルク,速度,加速度,位置,変位,衝撃力,重量質量,真空度,回転力,振動,騒音等の力学的な変化量を高感度に測定する力学量センサを構成する材料として使用される高感度力学量センサ材料に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,力,圧力,トルク,速度,加速度,位置,変位,衝撃力,重量質量,真空度,回転力,振動,騒音等の力学的な変化量を歪み(応力)を介して計測する力学量センサの構成材料として,抵抗線歪みゲージ,半導体のシリコン等が使用されている。
特に半導体シリコンは,高感度の歪み計素子として,衝撃試験機,変位計,圧力変換器,加速度計,生体用の小型圧力計,流量計,ガス圧計等,一般工業用,自動車用,医療用等の様々な分野において応用されている。
【0003】
また,半導体を用いた力学量センサとしては一般的にSiが多く用いられている。このSiでは,外力が作用することによって生じる歪みに起因して,半導体の電気抵抗値が変化するという現象を利用している。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来材料により構成された力学量センサの感度では,生体系等の微圧センサ,燃焼圧センサ,油圧機器用の圧力センサとして使用するような精度,高感度を要求される力学量センサを得ることが困難であった。
【0005】
本発明は,かかる問題点に鑑み,高感度(高ゲージ率)で力学量を検知することができるセンサを構成可能な高感度力学量センサ材料を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,
上記第2相粒子は,少なくとも絶縁性マトリックス材料の結晶粒界相に導電パスを形成するよう分散し,
被検知力学量を負荷する方向に該被検知力学量と同一種類の力学量を予め付与し,残留させた構造を有し,
負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能することを特徴とする高感度力学量センサ材料にある。
【0007】
本発明の高感度力学量センサ材料にて構成された力学量センサは,力学量を測定,検知するためのセンサであり,ここにおける力学量としては,歪量,変位,応力,圧力,重量(荷重)から選ばれる1種以上であることが好ましい。
更に好ましいのは歪量,応力,圧力である。
【0008】
上記絶縁性マトリックス材料は高感度力学量センサ材料における母材となる。この絶縁性マトリックス材料としては,金属酸化物,金属窒化物,またはそれらの複合化合物が挙げられる。
【0009】
例えば,アルミニウム,珪素,マグネシウム,カルシウム,クロム,ジルコニウム,イットリウム,イッテリビウム,ランタン,バナジウム,バリウム,ストロンチウム,スカンジウム,硼素,ハフニウム,ビスマス,チタン,鉄,亜鉛,ニオブ,タングステン,セリウム,ジスプロシウム,レニウム,リチウム,サマリウム,タンタル等より選ばれる1種以上の元素よりなる酸化物,または窒化物及びそれらの複合酸化物,または固溶体を挙げることができる。
また,上述の元素の複合酸化物,複合化合物,固溶体を挙げることもできる。更に,サイアロン,コージュエライト,ムライト,ジルコン,フォルステライト,フェライト,スピネル等のセラミックス材料を挙げることもできる。
【0010】
なお,この絶縁性マトリックス材料としては,第2相粒子よりも高強度,高靱性,高耐衝撃性の材料を使用することが好ましい。これにより,高強度かつ耐衝撃性に優れた高感度力学量センサ材料を得ることができる。
【0011】
また,上記第2相粒子として使用可能な材料の種類は,絶縁性マトリックス材料の種類に依存する。
例えば,絶縁性マトリックス材料として,珪素,アルミニウム,硼素の窒化物を利用した場合には,B,Si,Ti,W,V,Hf,Zr,Zn,Nb,Ta,Cr,Ru,Au,Sn,In,Tl,Ag,Mo等の金属炭化物,窒化物,珪化物,硫化物,または硼化物の1種以上からなる粒子を第2相粒子として使用することができる。
【0012】
また,絶縁性マトリックス材料がAl2 O3 である場合には,WC,Mo3 C,ZrC,W,TiB2 ,B4 C,SiC,Sn2 O3 ,RuO,Cu2 Oの1種以上からなる粒子を第2相粒子として使用することができる。
また,絶縁性マトリックス材料がAlNである場合には,TiB2 ,VB,ZrB2 ,CrB2 ,TiN,ZrN,Cr2 N,WSi2 ,NbSi2 ,TaSi2 等の1種以上からなる粒子を第2相粒子として使用することができる。
【0013】
また,絶縁性マトリックス材料中に分散した第2相粒子の粒子間距離は0.001〜1μmである。粒子間距離が0.001μmより小さい場合には,第2相粒子が連続的に分散している場合に近くなり,高感度で直線的な歪み抵抗効果が得られなくなるおそれがある。一方,1μmより大である場合には,高感度力学量センサ材料の電気伝導度が低下し,力学量センサとしての機能が得られなくなるおそれがある。
上記粒子間距離とは,ある第2相粒子と他の第2相粒子との間の隙間の距離を意味する。
また,上記粒子間距離は高感度力学量センサ材料を切断し,その断面をECRプラズマによりエッチングしSEM観察するか,または高感度力学量センサ材料の薄片をTEM観察することによって測定することができる。
【0014】
また,上記被検知力学量と同一種類の力学量とは次のようなものである。
例えば,被検知力学量が圧縮応力である場合には,予め負荷する力学量も圧縮応力である。
また,例えば被検知力学量が引っ張り応力である場合には,予め負荷する力学量も引っ張り応力である。
【0015】
また,本発明にかかる高感度力学量センサ材料は,予め負荷する力学量の方向に歪みが生じ難くなるよう構成することが好ましい。これにより,より高感度な力学量センサとして機能する材料を得ることができる。
【0016】
具体的に説明すると,仮に被検知力学量が応力である場合には,応力が負荷される方向の弾性率が,これ以外の方向の弾性率と比べて小さくなるように構成することが好ましい。この場合,応力負荷方向以外のポアソン比は,応力負荷方向と比較してより小さい方が好ましい。
また,応力負荷方向における第2相粒子の粒子間距離はそれ以外の方向の粒子間距離よりも小さい方が好ましい。
また,応力負荷に伴う電気抵抗値の変化は,応力負荷方向よりもそれに直角な方向のほうが小さくなるようにすることが好ましい。
【0017】
本発明の作用につき,以下に説明する。
本発明にかかる高感度力学量センサ材料は,絶縁性マトリックス材料と,これに対して第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなる。
このものは被検知力学量を負荷する方向に該被検知力学量と同一種類の力学量を予め付与し,残留させた構造を有していることから,その詳細なメカニズムは不明であるが,従来材料と比較して大きくゲージ率が高まることが判明した(後述の表1参照)。
このため,本発明にかかる材料にて作製した力学量センサの感度は非常に高くなる。よって,高精度の力学量センサを得ることができる。
【0018】
以上のように,本発明によれば,高感度で力学量を検知することができるセンサを構成可能な高感度力学量センサ材料を提供することができる。
【0019】
また,請求項2の発明のように,絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,
上記第2相粒子は,少なくとも絶縁性マトリックス材料の結晶粒界相に導電パスを形成するよう分散し,
被検知力学量を負荷する方向における第2相粒子の粒子間距離Aが,上記負荷方向に対する直角な方向における第2相粒子の粒子間距離Bよりも小さく,
負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能することを特徴とする高感度力学量センサ材料にある。
【0020】
また,上記粒子間距離Aは粒子間距離Bの1/2以下であることが好ましい。これにより,より確実に本発明にかかる効果を得ることができる。
【0021】
また,本請求項にかかる高感度力学量センサ材料において絶縁性マトリクス材料を構成する物質としては,前に例示した各種の物質を挙げることができる。また,第2相粒子としても前に例示した各種の物質を挙げることができる。
詳細は上述の請求項1と同様である。
【0022】
本請求項にかかる高感度力学量センサ材料は,絶縁性マトリックス材料とこれに対して第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなる。
そして,このものは被検知力学量の負荷方向の粒子間距離Aが負荷方向と直角方向の粒子間距離Bよりも小さいことから,その詳細なメカニズムは不明であるが,小さな歪みに対しても大きな電気抵抗変化率を得ることができ,高感度な歪み−電気抵抗効果を発現することができるため,従来材料と比較して大きくゲージ率が高まることが判明した。
このため,本発明にかかる材料にて作製した力学量センサの感度は非常に高くなる。よって,高精度の力学量センサを得ることができる。
【0023】
以上のように,本発明によれば,高感度で力学量を検知することができるセンサを構成可能な高感度力学量センサ材料を提供することができる。
【0024】
次に,請求項3の発明は,絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,
被検知力学量を負荷する方向に,上記絶縁性マトリックスを構成する結晶粒が配向された状態にあり,
負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能することを特徴とする高感度力学量センサ材料にある。
【0025】
また,本請求項にかかる高感度力学量センサ材料において絶縁性マトリクス材料を構成する物質としては,前に例示した各種の物質を挙げることができる。また,第2相粒子としても前に例示した各種の物質を挙げることができる。
詳細は上述の請求項1と同様である。
【0026】
本請求項にかかる高感度力学量センサ材料は,絶縁性マトリックス材料とこれに対して第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなる。
そして,このものは被検知力学量を負荷する方向に,上記絶縁性マトリックスを構成する結晶粒が配向された状態にあり,言い換えると,第2相粒子の分散形態には異方性が付与された状態にある。
【0027】
このことより,その詳細なメカニズムは不明であるが,被検知力学量の負荷方向における第2相粒子の粒子間距離を,負荷方向に対する直角方向によりも小さくすることができる。
また,応力負荷に伴う負荷方向の粒子間距離の変化も,負荷方向に直角方向のそれに比べて大きくすることができる。即ち,応力負荷方向の電気抵抗値の変化を応力負荷方向に直角な方向の電気抵抗値の変化より大きくすることができる。
【0028】
このように,小さな歪みに対しても大きな電気抵抗変化率を得ることができ,高感度な歪み−電気抵抗効果を発現することができるため,従来材料と比較して大きくゲージ率が高まることが判明した。
このため,本発明にかかる材料にて作製した力学量センサの感度は非常に高くなる。よって,高精度の力学量センサを得ることができる。
【0029】
以上のように,本発明によれば,高感度で力学量を検知することができるセンサを構成可能な高感度力学量センサ材料を提供することができる。
【0030】
また,上記絶縁性マトリックス材料よりも弾性率の小さい絶縁性の第3相を,上記絶縁性マトリックス材料内に分散させ,上記第3相内に上記第2相粒子を不連続に分散させた構造とすることが好ましい。
また,第2相粒子は,少なくとも絶縁性マトリックス材料の結晶粒界相に導電パスを形成するように分散する。
これにより,本発明にかかる効果をより確実に得ることができる。
【0031】
また,上記絶縁性マトリックス材料は被検知力学量を負荷する方向と直角な方向の気孔率が高い多孔質であることが好ましい。
これにより直角方向のポアソン比が小さくなり,直角方向の抵抗変化を小さくすることができる。よって,負荷方向の電気抵抗変化率が大きくなるため,より感度の高いセンサを構成可能な高感度力学量センサ材料を得ることができる。
【0032】
また,上記第2相粒子により形成された導電パスは等方的な状態にあってもよいが,被検知力学量の負荷方向に優先して導電パスが形成された状態にあることがより好ましい。
これにより,被検知力学量の負荷による電気抵抗変化率を効率的に検出可能な材料を得ることができ,本発明にかかる効果をより確実に得ることができる。
【0033】
次に,本発明にかかる高感度力学量センサ材料の各種の製造方法について以下にいくつか例示しする。
(製造方法1)
絶縁性材料からなるマトリックス粉末と,該マトリックス粉末との粒径比が1/2以下であり,かつ導体または半導体よりなる第2相粒子とを,湿式または乾式で混合して混合粉末を作製する。該混合粉末を所定の方向から加圧して金型成形した後,これと同様な方向に加圧しながら焼成を行う。
上記マトリックス粉末は原料粉末そのものでも,また原料粉末の造粒粉であってもよい。
【0034】
これによって,焼成体内に大きな内部(圧縮)応力を生成させる。後述する図1に示すように,この焼成体から被検知力学量の負荷方向と焼成の際の加圧方向とが平行になるように切片を切り出すことにより,本発明にかかる高感度力学量センサ材料を得ることができる(切り出した切片が高感度力学量センサ材料となる)。
【0035】
上記加圧しながらの焼成にはホットプレスやHIP等の装置を用いることができる。また,上記焼成体における内部応力は,焼成後に焼成体を熱処理することにより発生させることもできる。
また,上記加圧は1〜3方向(等方的)より行うことができる。
この加圧の方向に対して切片を切り出すことにより,1次元から3次元の力学量の検出が可能なセンサとして機能する高感度力学量センサ材料を得ることができる。但し,3方向から加圧して焼成した場合の切り出し方向はいずれの方向でもよい。
マトリックス粉末としてはウィスカまたは柱状晶の粉末を用いてもよい。また上記焼成時に焼成温度またはそれより高い温度で一方向にプレスしながら,長時間熱処理してマトリックス結晶粒を所定の方向に粒成長させてもよい。
【0036】
(製造方法2)
絶縁性材科からなるマトリックス粉末と,該マトリックス粉末との粒径比が1/2以下であり,かつ導体または半導体よりなる第2相粒子とを湿式または乾式で混合した混合粉末を作製する。混合粉末を内側に集積し,該集積された混合粉末の外周部を熱膨張係数の大きな絶縁粉末で包囲して,2層構造の積層体を構成しする。この積層体を所定の方向から加圧して金型成形した後,これと同じの方向に加圧しながら焼成を行う。
【0037】
これによって,焼成体内の加圧方向に大きな内部応力を生成させる。後述する図1に示すように,この焼成体から被検知力学量の負荷方向と加圧方向とが平行になるように切り出すことにより,本発明にかかる高感度力学量センサ材料を得ることができる。
その他は上述した製造方法1と同様である。
【0038】
(製造方法3)
絶縁性材料からなるマトリックス粉末をシート状に成形した絶縁性シート成形体と,導体または半導体よりなる第2相粒子と上記絶縁性材料との混合粉末,または第2相粒子をシート状に成形した第2シート成形体とを積層した積層成形体を作製する。
【0039】
この積層成形体を積層方向に直角な方向より加圧しながら焼成を行うことにより,内部応力が付与された積層焼成体を得る。この積層焼成体より被検知力学量の負荷方向と加圧の方向とが平行になるように切片を切り出すことにより,本発明にかかる高感度力学量センサ材料を得ることができる。
【0040】
また,上記絶縁性シート成形体にスクリーン印刷等によって上記混合粉末(上記第2相粒子と上記絶縁性材料とよりなる)を例えばストライプや格子の模様を形成しつつ印刷し,印刷体を作製する。該印刷体を複数重ねて積層成形体を作製することも可能である。
その他は上述した製造方法1と同様である。
【0041】
(製造方法4)
絶縁性材料からなるマトリックス粉末と,該マトリックス粉末との粒径比が1/2以下であり,かつ導体または半導体よりなる第2相粒子とを準備し,両者をバインダーを加えて混練した。この混練物を押出成形することにより,第2相粒子が不連続に分散した導電パスを有する芯状成形体を作製する。
【0042】
この芯状成形体を絶縁性材料からなるマトリックス粉末と共に,再度芯状成形体の長手方向に一軸プレス圧を加えて,円柱状や直方体等の柱状成形体を作製する。得られた成形体を長手方向に加圧しながら焼成し,柱状焼成体を得る。
上記柱状焼成体の長手方向に平行な方向に切片を切り出すことにより,本発明にかかる高感度力学量センサ材料を得ることができる。
【0043】
(製造方法5)
導体または半導体よりなる第2相粒子の表面を,ナノからサブミクロンオーダーの厚みの絶縁相にて被覆し,被覆粉末となす。この被覆粉末を一軸成形またはCIP等によって円柱状(円盤状)または直方体に成形した後,加圧しながら焼成する。これにより,内部応力が付与された焼成体を作製する。
この焼成体から加圧の方向と平行に切片を切り出すことにより,本発明にかかる高感度力学量センサ材料を得ることができる。
【0044】
以上のような製造方法によれば,本発明にかかる絶縁性マトリックス材料と,これに対して第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなる高感度力学量センサ材料であって,このものは被検知力学量を負荷する方向に該被検知力学量と同一種類の力学量を予め付与し,残留させた構造を有するものを容易に得ることができる。
【0045】
また,同様に被検知力学量を負荷する方向における第2相粒子の粒子間距離Aが,上記負荷方向に対する直角な方向における第2相粒子の粒子間距離Bよりも小さいものを容易に得ることができる。
また,被検知力学量を負荷する方向に,上記絶縁性マトリックスを構成する結晶粒が配向された状態にある者を容易に得ることができる。
また,ここにかかる以外の製造方法であっても本発明にかかる高感度力学量センサ材料を得ることができる。
【0046】
また,上記第2相粒子の熱膨張率は上記絶縁性マトリックス材料の熱膨張率に対して1.1倍以上あるいは0.9倍以下であり,上記第2相粒子を予め上記絶縁性マトリックス材料に対し分散させ,加熱することにより力学量が付与され,残留されることが好ましい。
【0047】
この方法によれば,加熱により絶縁性マトリックス材料と第2相粒子との間に間には熱応力が発生し,この熱応力が内部応力となって付与され,残留される。これにより,その詳細なメカニズムは不明であるが,従来材料と比較して大きくゲージ率が高まることが判明した。
よって,本発明にかかる効果をより確実に得ることができる。
【0048】
また,第2相粒子の熱膨張率が絶縁性マトリックス材料の熱膨張率の0.9倍より大きい,あるいは1.1倍未満である場合には,両者の間の熱膨張率が略等しいことから,加熱を利用して内部応力を付与させ,残留させることができず,本発明にかかる効果を得られなくなるおそれがある。
【0049】
また,上記第2相粒子の熱膨張率の上限であるが,10倍とすることが好ましい。これにより,残留応力による強度低下を抑止することができる。より好ましくは1.2〜2倍とする。
更に,上記第2相粒子の熱膨張率の下限は,0.9倍とすることが好ましい。これにより,残留応力による大きな電気抵抗変化率を得ることができる。
【0050】
また,以上に述べた製造方法において,柱状晶の結晶粒子をマトリックス粉末として使用する等の方法を採用することで,絶縁性マトリックス材料を構成する結晶粒を1方向または2方向に配向させることができる。
これにより,第2相粒子の粒子間距離及び/または応力場を変えることができるため,この材料により作成されるセンサの感度を調整することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
実施形態例
本発明の実施形態例にかかる高感度力学量センサ材料及びその製造方法につき,図1〜図5を用いて説明する。また,その性能について本例にかかる試料1〜6を比較試料C1〜C4と共に説明する。
【0052】
本例の高感度力学量センサ材料は,絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,被検知力学量を負荷する方向に該被検知力学量と同一種類の力学量を予め付与し,残留させた構造を有し,負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能する(後述する試料1〜5)。
【0053】
また,本例の高感度力学量センサ材料は,絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,被検知力学量を負荷する方向における第2相粒子の粒子間距離Aが,上記負荷方向に対する直角な方向における第2相粒子の粒子間距離Bよりも小さく,負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能する(後述する試料6)。
【0054】
また,本例の高感度力学量センサ材料は,絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,被検知力学量を負荷する方向に,上記絶縁性マトリックスを構成する結晶粒が配向された状態にあり,負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能する(後述する試料7)。
【0055】
次に,本例にかかる試料1〜7,比較試料C1〜C4の製造方法について説明する。
<試料1>
94wt%のSi3 N4 (平均粒径:0.2μm)と6wt%のY2 O3 及びバインダであるPVA(ポリビニルアルコール)及び分散安定剤とを湿式ボールミル混合して,スプレードライ装置により粒径100μm程度の造粒粉を作製した。ここにSi3 N4 は絶縁性マトリックス材料用のマトリックス粉末,Y2 O3 は焼結助剤である。
【0056】
90wt%の上記造粒粉と10wt%のSiC(平均粒径:0.4μm)とを湿式混合して100wt%となし,これを乾燥し,脱脂及び成形を施した。ここにSiCが第2相粒子となる第2粉末である。
【0057】
図1(a)に示すごとく,上記成形により,直径60mm,厚み10mmの円盤状成形体11を得た。上記成形体11に温度1850℃,プレス圧20MPaの条件で1時間のホットプレスを施した。
【0058】
図1(b)に示すごとく,得られたホットプレス体12より,図1(c)に示すごとく,ホットプレスにおいて印加したプレス圧の方向に対して被検知力学量の方向が平行となるような切片を切り出した。図1(c)に示すごとく,この切片が本例にかかる高感度力学量センサ材料1である(試料1)。
【0059】
上記試料1を切り出したホットプレス体12の切断面120をECRプラズマエッチングし,その部分をSEM観察した。その結果,上記ホットプレス体12には,図2に示すごとく,複数のSi3 N4 結晶粒21の周囲をSiCの粒子22が取り囲むような細胞壁構造が形成されていることが確認された。なお,同図において符号23は結晶粒界相である。
【0060】
これより上記試料1が絶縁性マトリックス材料であるSi3 N4 に対し第2相粒子であるSiCが0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散した組織を有することが分かった。
【0061】
また,図1(c)に示すごとく,試料1である高感度力学量センサ材料1の両端面10及び両側面101のそれぞれにビッカースを用いて圧痕を打ち,亀裂を設けるという試験を行った。この結果,上記亀裂の長さは両側101のほうが両端10よりも約15%短くなったことが観察された。
亀裂進展は主として内部応力や組織に大きく依存することから,試料1に異方性の内部応力または組織が形成されていることが確認された。
【0062】
<試料2及び試料3>
64wt%のSi3 N4 (平均粒径:0.2μm),6wt%のY2 O3 ,30wt%のSiC(平均粒径:0.01〜0.03μm,比表面積:48m2 /g)を湿式でボールミル混合し,乾燥させて混合原料粉末を得た。
上記混合原料粉末を圧力20MPaで一軸プレス成形した後,プレス圧20MPaあるいはプレス30MPa,温度1850℃(N2 中)×1時間でホットプレスを施した。
得られたホットプレス体を被検知力学量負荷される方向とホットプレス方向とが平行となるように切片を切り出した(図1参照)。この切片がそれぞれ試料2(プレス圧20MPa),試料3(プレス圧30MPa)の高感度力学量センサ材料となる。
【0063】
上記ホットプレス体の断面を,試料1と同様の方法で,ECRプラズマエッチングし,その部分をSEM観察した。その結果,上記ホットプレス体には,図2に示すごとく,複数のSi3 N4 結晶粒の周囲をSiCの粒子が取り囲むような細胞壁構造が形成されていることが確認された。
【0064】
また,試料2,試料3に対してビッカースを用いて圧痕を打ち,亀裂を調べたところ,試料1と同様に両端面の亀裂が両側面の亀裂よりも長くなったことが観察された。これにより試料2及び3に異方性の内部応力が形成されていることが確認された。
【0065】
<試料4>
64wt%のSi3 N4 (平均粒径:0.8μm),6wt%のY2 O3 ,30wt%のTiN(平均粒径:0.4μm,比表面積:18m2 /g)を湿式でボールミル混合し,乾燥させて混合原料粉末を得た。ここにおいて第2粒子はTiNである。
【0066】
この混合原料粉末を圧力20MPaで一軸プレス成形した後,プレス圧20MPa,1850℃(N2 )×1時間の条件でホットプレスした。
得られたホットプレス体を被検知力学量の負荷方向とホットプレス方向とが平行となるように切片を切り出した(図1参照)。この切片が試料4の高感度力学量センサ材料となる。
【0067】
上記ホットプレス体の断面を,試料1と同様の方法で,ECRプラズマエッチングし,その部分をSEM観察した。その結果,上記ホットプレス体には,複数のSi3 N4 結晶粒の周囲をTiNの粒子が取り囲むような細胞壁構造が形成されていることが確認された(図2参照)。
また,試料4に対してビッカースを用いて圧痕を打ち,亀裂を調べたところ,試料1と同様に両端面の亀裂が両側面の亀裂よりも長くなったことが観察された。これにより試料4に異方性の内部応力が形成されていることが確認された。
【0068】
<試料5>
粒径0.2μmのSi3 N4 原料粉末54wt%と,Y2 O3 原料粉末6wt%及び平均粒径0.01〜0.03μm(比表面積が48m2 /g)のSiC原料粉末40wt%を湿式でボールミル混合後,乾燥して混合粉末を得た。
この混合粉末を金型成形した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスした。ホットプレス体より被検知力学量の負荷方向とプレス方向とが平行になるよう切片を切り出した(図1参照)。この切片が試料5の高感度力学量センサ材料となる。
【0069】
上記ホットプレス体の断面を,試料1と同様の方法で,ECRプラズマエッチングし,その部分をSEM観察した。その結果,上記ホットプレス体には複数ののSi3 N4 結晶粒の周囲をSiC粒子が取り囲むような細胞壁構造が形成されていることが確認された(図2参照)。
【0070】
また,試料5の両端面にビッカースを用いて圧痕を打った。これにより形成された亀裂長さは,試料1と同様に両側面に打った圧痕の亀裂長さより長くなったことが観察された。これにより試料5に異方性の内部応力が形成されていることが確認された。
【0071】
<試料6>
粒径1μmのSi3 N4 原料粉末(比表面積:4m2 /g)60wt%と,Y2 O3 原料粉末5wt%,MgAlO2原料粉末5wt%及び平均粒径0.3μm(比表面積が21m2 /g)のSiC原料粉末30wt%を湿式でボールミル混合後,乾燥して混合粉末を得た。
この混合粉末を金型成形し,1600℃×1時間×20MPaの条件で仮焼した後,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスした。ホットプレス体より被検知力学量の負荷方向とプレス方向とが平行になるよう切片を切り出した(図1参照)。この切片が試料6の高感度力学量センサ材料となる。
【0072】
上記ホットプレス体の断面を,試料1と同様の方法で,ECRプラズマエッチングし,その部分をSEM観察した。その結果,上記ホットプレス体にはアスペクト比の大きな複数のSi3 N4 結晶粒の周囲をSiC粒子が取り囲むような細胞壁構造が形成されていることが分かった(図2参照)。また,プレス方向のSiC粒子間距離が,プレス方向の直角方向の粒子間距離より小さくなっていることが確認された。
【0073】
<試料7>
74wt%の柱状晶Si3 N4 粉末に6wt%Y2 O3 ,30wt%のSiC粒子をボールミルで湿式混合したスラリーを作製し,このスラリーをドクターブレードを用いて厚さ50μm程度の厚膜状に形成し,乾燥した。
乾燥した厚膜体を積層し,1850℃×1時間×20MPaの条件でホットプレスした。以下,試料6と同様に切片を切り出し,試料7の高感度力学量センサ材料とした。
【0074】
<比較試料C1>
74wt%のSi3 N4 (平均粒径;0.5μm),6wt%のY2 O3 ,20wt%のSiC(平均粒径;0.7μm)をボールミルで湿式混合し,乾燥し,成形した。更にホットプレスを施してホットプレス体を得た。このホットプレス体から切り出した切片を比較試料C1とした。
上記ホットプレス体の断面を,試料1と同様の方法で,ECRプラズマエッチングし,その部分をSEM観察した。その結果,上記ホットプレス体はSi3 N4 の結晶粒中にSiC粒子が均一に分散していた。
【0075】
<比較試料C2>
64wt%のSi3 N4 (平均粒径;0.2μm),6wt%のY2 O3 ,30wt%のSiC(平均粒径;0.03μm)をボールミルで湿式混合し,乾燥し,成形した。その後,常圧焼成を行った。得られた常圧焼成体から切り出した切片を比較試料C2とした。
【0076】
上記常圧焼成体の断面を,試料1と同様の保法で,ECRプラズマエッチングし,その部分をSEM観察した。その結果,Si3 N4 結晶粒中にSiC粒子がネットワーク状に分散していた。
更に,比較試料C2に対してビッカースを用いて圧痕を打ち,亀裂を調べたところ,両端面の亀裂と両側面の亀裂との間に殆ど差がなかった。
以上の点より比較試料C2は等方的な内部応力を有することが分かった。
【0077】
<比較試料C3>
54wt%のSi3 N4 (平均粒径;0.2μm),6wt%のY2 O3 ,40%のSiC(平均粒径0.03μm)をボールミルで湿式混合し,乾燥させて混合原料粉末を得た。
この混合粉末を圧力20MPaで金型プレス成形した後,プレス圧20MPa,1850℃(N2 中)×1時間でホットプレスを行い,被検知力学量の負荷方向がホットプレス方向と直角となるよう切片を切り出した。この切片が比較試料C3である。
【0078】
上記ホットプレス体の断面を試料1と同様の方法でECRプラズマエッチングし,SEM観察したところ,マトリックスであるSi3 N4 結晶粒中にSiC粒子がネットワーク状に分散していた。
また,比較試料C3の両端面にビッカースを用いて圧痕を打ったときに形成される亀裂長さが,その両側面に形成された圧痕の亀裂長さより短くなっていた。これにより比較試料C3に異方性の内部応力が形成されていることが確認された。
【0079】
<比較試料C4>
半導体Siを成形,焼成して比較試料C4を作製した。なお,この比較試料C4は従来より力学量センサ材料として使用されているものである。
【0080】
<性能評価試験>
試料1〜試料6にかかる高感度力学量センサ材料,比較試料C1〜C4に対して,その両端面にAu蒸着を施して圧縮応力を負荷したときの電気抵抗値の変化を2端子法により調べ,この結果よりゲージ率及び比抵抗値を導出し,表1に記載した。また,試料1〜3,比較試料C3及びC4については,歪みと抵抗変化率との関係を示す線図を図3に記載した。また,試料2と比較試料C3については,図5にも記載した。
【0081】
図3から明らかなように,試料1〜試料3は歪みが小さい場合から大きな場合まで,直線的に抵抗変化率が変化するという歪抵抗効果を発現することが分かった。
更に,表1より知れるごとく,試料1は半導体であるSiのみよりなる比較試料C4よりも1桁以上高い感度(ゲージ率)を有することが分かった。更に,試料1〜試料6についても,試料1と同様に高い感度を有することが分かった。
【0082】
また,室温,100℃,500℃のそれぞれの環境において,上述した性能評価試験を試料2に対して行った。この結果を図4に記載した。
同図から明らかなように,室温から500℃の範囲において,試料2が直線的でかつ同ゲージ率の歪抵抗効果を発現することが確認された。
【0083】
これら本例にかかる試料1〜6に対して,絶縁性マトリックス材料に第2相粒子であるSiCが均一に分散した比較試料C1は,表1に示すごとく,比抵抗値が非常に大きく,電気伝導性の発現が認められなかった。このため,高感度力学量センサ材料として使用することができなかった。
【0084】
また,比較試料C2は常圧焼成体から切り出した切片よりなるため,ゲージ率は比較試料C4にかかるSi半導体以下であった。つまり,力学量センサ材料としてはSi半導体よりも更に劣ることが分かった。
比較試料C3は被検知力学量の負荷方向とプレス方向とが直交するよう切り出した切片よりなるため,図5より明らかであるが,本発明にかかる効果(試料2,図5の平行方向)を得ることができず,ゲージ率もSi半導体より劣ることが分かった。
【0085】
一方,Si半導体よりなる比較試料C4は直線的な歪抵抗効果が認められ,力学量センサ材料として機能するが,ゲージ率が低く,高感度な力学量センサを得る材料としては好ましくないことが分かった。
【0086】
次に,本例における作用効果を力学量が応力の場合につき説明する。
本例にかかる高感度力学量センサ材料は応力を負荷する方向に内部応力が予め付与され,該内部応力が残留した状態及び/またはプレス方向の第2相粒子の粒子間距離がプレス方向に対する直角方向の粒子間距離に比べて小さい状態にある。また,弾性率も同様にプレス方向の方が直角方向に比べて大きくなっている。
【0087】
上記内部応力により高感度力学量センサ材料の内部は変形され,内部歪みが残留し,その状態で固化している。また,第2相粒子の間隔は内部応力が残留している方向が直角方向より小さくなっていると考えられる。
そして,内部応力と負荷される応力とが同一方向であることから,応力が本発明にかかる高感度力学量センサ材料に作用することにより,第2相粒子間隔の小さな歪変化で大きな抵抗変化が得られることとなる。
【0088】
これにより,応力方向の歪みに対して大きな抵抗値変化が得られると共に,応力負荷方向に対して直角方向の抵抗値変化が小さくなって,本例にかかる高感度力学量センサ材料のゲージ率は高くなると考えられる。
【0089】
従って,本例によれば,高感度で力学量を検知することができるセンサを構成可能な高感度力学量センサ材料を提供することができる。
【0090】
【表1】
【0091】
【発明の効果】
上記のごとく,本発明によれば,高感度で力学量を検知することができるセンサを構成可能な高感度力学量センサ材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例にかかる,試料1〜試料6の製造方法の一工程を示す説明図。
【図2】実施形態例にかかる,ホットプレス体の組織を示す摸式説明図。
【図3】実施形態例にかかる,試料1,2,5及び比較試料C3及びC4の歪みと抵抗変化率との関係を示す線図。
【図4】実施形態例にかかる,温度が室温,100℃,500℃である場合における試料2の応力と抵抗変化率との関係を示す線図。
【図5】実施形態例にかかる,試料2及び比較試料C3の歪みと抵抗変化率との関係を示す線図。
【符号の説明】
1...高感度力学量センサ材料,
Claims (3)
- 絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,
上記第2相粒子は,少なくとも絶縁性マトリックス材料の結晶粒界相に導電パスを形成するよう分散し,
被検知力学量を負荷する方向に該被検知力学量と同一種類の力学量を予め付与し,残留させた構造を有し,
負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能することを特徴とする高感度力学量センサ材料。 - 絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,
上記第2相粒子は,少なくとも絶縁性マトリックス材料の結晶粒界相に導電パスを形成するよう分散し,
被検知力学量を負荷する方向における第2相粒子の粒子間距離Aが,上記負荷方向に対する直角な方向における第2相粒子の粒子間距離Bよりも小さく,
負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能することを特徴とする高感度力学量センサ材料。 - 絶縁性マトリックス材料と該絶縁性マトリックス材料に対し導体または半導体よりなる第2相粒子を0.001〜1μmの粒子間距離で不連続に分散させて構成した導電パスとよりなると共に,
被検知力学量を負荷する方向に,上記絶縁性マトリックスを構成する結晶粒が配向された状態にあり,
負荷された被検知力学量を検知することができる高感度力学量センサとして機能することを特徴とする高感度力学量センサ材料。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02027598A JP3695116B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | 高感度力学量センサ材料 |
EP99100715A EP0930490B1 (en) | 1998-01-16 | 1999-01-15 | High sensitivity sensor for detecting a mechanical quantity |
DE69904091T DE69904091T2 (de) | 1998-01-16 | 1999-01-15 | Hochempfindlicher Sensor zur Erfassung einer mechanischen Grösse |
US09/232,906 US6303055B1 (en) | 1998-01-16 | 1999-01-19 | Composition of a high sensitivity sensor for detecting mechanical quantity |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02027598A JP3695116B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | 高感度力学量センサ材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11201836A JPH11201836A (ja) | 1999-07-30 |
JP3695116B2 true JP3695116B2 (ja) | 2005-09-14 |
Family
ID=12022632
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02027598A Expired - Fee Related JP3695116B2 (ja) | 1998-01-16 | 1998-01-16 | 高感度力学量センサ材料 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6303055B1 (ja) |
EP (1) | EP0930490B1 (ja) |
JP (1) | JP3695116B2 (ja) |
DE (1) | DE69904091T2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002310813A (ja) * | 2001-04-10 | 2002-10-23 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 荷重センサ素子 |
JP2002311044A (ja) * | 2001-04-17 | 2002-10-23 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 加速度センサ素子 |
JP2002310814A (ja) * | 2001-04-17 | 2002-10-23 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 圧力センサ素子 |
WO2002037073A1 (fr) * | 2000-11-06 | 2002-05-10 | Toyoda Koki Kabushiki Kaisha | Capteur de grandeur mecanique, capteur de charge, capteur d'acceleration et capteur de pression |
JP2002312659A (ja) * | 2001-04-13 | 2002-10-25 | Inter Communications:Kk | シリアルナンバー利用のポイントサーバーシステム |
US7241502B2 (en) * | 2001-09-14 | 2007-07-10 | Merck Patentgesellschaft | Moulded bodies consisting of core-shell particles |
DE10204339A1 (de) * | 2002-02-01 | 2003-08-07 | Merck Patent Gmbh | Dehnungs- und Stauchungssensor |
DE10204338A1 (de) * | 2002-02-01 | 2003-08-14 | Merck Patent Gmbh | Formkörper aus Kern-Mantel-Partikeln |
DE10227071A1 (de) * | 2002-06-17 | 2003-12-24 | Merck Patent Gmbh | Verbundmaterial enthaltend Kern-Mantel-Partikel |
DE10245848A1 (de) * | 2002-09-30 | 2004-04-01 | Merck Patent Gmbh | Verfahren zur Herstellung inverser opalartiger Strukturen |
DE102004032120A1 (de) * | 2004-07-01 | 2006-02-09 | Merck Patent Gmbh | Beugungsfarbmittel für die Kosmetik |
DE102004045188A1 (de) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Engelbert Mages | Schlagkraftmesseinrichtung |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5482699A (en) * | 1977-12-15 | 1979-07-02 | Shinetsu Polymer Co | Pressure sensitive resistance element |
US4448837A (en) * | 1982-07-19 | 1984-05-15 | Oki Densen Kabushiki Kaisha | Pressure-sensitive conductive elastic sheet |
JPS6018081A (ja) | 1983-07-11 | 1985-01-30 | Toshiba Corp | Fm復調器 |
SE8400484D0 (sv) * | 1984-01-31 | 1984-01-31 | Slim Borgudd | Anordning for metning av dynamisk och statisk lastpakenning vid en draganordning for t ex drivorgan |
US4644101A (en) * | 1985-12-11 | 1987-02-17 | At&T Bell Laboratories | Pressure-responsive position sensor |
JP2556888B2 (ja) | 1987-12-24 | 1996-11-27 | 日立金属株式会社 | 電気抵抗率バラツキの少ないセラミックス導電材料 |
JPH02229765A (ja) | 1989-03-03 | 1990-09-12 | Hitachi Metals Ltd | 導電性セラミックス焼結体およびヒーター |
JPH0421933U (ja) * | 1990-06-18 | 1992-02-24 | ||
US5336558A (en) * | 1991-06-24 | 1994-08-09 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Composite article comprising oriented microstructures |
JP3201837B2 (ja) * | 1992-08-03 | 2001-08-27 | 博明 柳田 | 導電性繊維束含有プラスチック複合材による歪・応力探知方法およびそれに用いる導電性繊維束含有プラスチック複合材 |
JP3339652B2 (ja) | 1992-10-21 | 2002-10-28 | 株式会社豊田中央研究所 | 複合材料およびその製造方法 |
JP3248606B2 (ja) * | 1994-10-05 | 2002-01-21 | 松下電器産業株式会社 | 力学量センサーおよび歪抵抗素子及びそれらの製造方法 |
US5656218A (en) * | 1995-05-19 | 1997-08-12 | Industrial Technology Research Institute | Method for making high performance self-reinforced silicon carbide using a pressureless sintering process |
EP0862192B1 (en) * | 1996-09-18 | 2006-09-13 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Wide-range thermistor material and process for preparing the same |
-
1998
- 1998-01-16 JP JP02027598A patent/JP3695116B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1999
- 1999-01-15 EP EP99100715A patent/EP0930490B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1999-01-15 DE DE69904091T patent/DE69904091T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1999-01-19 US US09/232,906 patent/US6303055B1/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69904091T2 (de) | 2003-10-09 |
DE69904091D1 (de) | 2003-01-09 |
JPH11201836A (ja) | 1999-07-30 |
EP0930490A3 (en) | 2000-03-29 |
US6303055B1 (en) | 2001-10-16 |
EP0930490A2 (en) | 1999-07-21 |
EP0930490B1 (en) | 2002-11-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3695116B2 (ja) | 高感度力学量センサ材料 | |
US4894635A (en) | Strain sensor | |
CN102933519B (zh) | 取向性max相陶瓷及其制造方法 | |
EP0722920B9 (en) | Composite material and production method therefor | |
US7059203B2 (en) | Physical sensor | |
Piazza et al. | Piezoceramic material with anisotropic graded porosity | |
JP6554379B2 (ja) | 接合体 | |
JPH07270375A (ja) | 複合タイル製検出素子を含む排気ガスセンサーおよびその製造方法 | |
EP1340970A1 (en) | Mechanical quantity sensor element, load sensor element, acceleration sensor element, and pressure sensor element | |
Zheng et al. | Green state joining of silicon carbide using polycarbosilane | |
JP2002338334A (ja) | セラミック焼結体およびその製造方法 | |
Su et al. | Routes to net shape electroceramic devices and thick films | |
JP4638565B2 (ja) | 高感度力学量センサ材料 | |
CN108136742A (zh) | 由陶瓷材料生产部件的方法 | |
JP4067295B2 (ja) | 力学量センサ素子構造 | |
Medesi et al. | A novel co-casting process for piezoelectric multilayer ceramics with silver inner electrodes | |
JPH1143373A (ja) | 複合体の製造方法 | |
JP4124413B2 (ja) | 力学量センサ素子 | |
US8696841B2 (en) | Bonding material with increased reliability and method of manufacturing ceramic bonded body | |
JP2006349656A (ja) | 圧力検出素子 | |
HWANG et al. | Microstructure and mechanical properties of lead zirconate titanate (PZT) nanocomposites with platinum particles | |
CZ20021439A3 (cs) | Keramické teplotní čidlo a použití kompozitního materiálu odolného proti vysokým teplotám | |
JPH1030908A (ja) | 力学量センシング用材料およびその製造方法 | |
JP3393261B2 (ja) | サーミスタ用磁器組成物 | |
JP2009128076A (ja) | 圧力センサ素子及びその製造方法、並びに圧力センサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040727 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050607 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050620 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090708 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090708 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100708 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100708 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110708 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110708 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120708 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120708 Year of fee payment: 7 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120708 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |