JP3423108B2 - 表示装置及び表示装置の製造方法 - Google Patents

表示装置及び表示装置の製造方法

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JP3423108B2
JP3423108B2 JP12175995A JP12175995A JP3423108B2 JP 3423108 B2 JP3423108 B2 JP 3423108B2 JP 12175995 A JP12175995 A JP 12175995A JP 12175995 A JP12175995 A JP 12175995A JP 3423108 B2 JP3423108 B2 JP 3423108B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表示装置及び表示装置
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜トランジスタ(TFT;Thin
Film Transistor)を用いたアクティブマトリックス方
式の液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Displ
ay)が高画質な表示装置として注目されている。
【0003】マトリックスに配置された点(ドット)で
表示を行うドットマトリックスLCDには、単純マトリ
ックス方式とアクティブマトリックス方式とがある。単
純マトリックス方式は、マトリックスに配置された各画
素の液晶を走査信号に同期して外部から直接駆動する方
式であり、電極と液晶だけでLCDの表示部である画素
部(液晶パネル)が構成されている。そのため、走査線
数が増大すると1つの画素に割り当てられる駆動時間
(デューティ)が少なくなり、コントラストが低下する
という欠点がある。
【0004】一方、アクティブマトリックス方式は、マ
トリックスに配置された各画素に画素駆動素子(アクテ
ィブエレメント)と信号蓄積素子(画素容量)とを集積
し、各画素に一種の記憶動作を行わせて液晶を準スタテ
ィックに駆動する方式である。すなわち、画素駆動素子
は、走査信号によってオン・オフ状態が切り換わるスイ
ッチとして機能する。そして、オン状態にある画素駆動
素子を介してデータ信号(表示信号)が画素に伝達さ
れ、液晶の駆動が行われる。その後、画素駆動素子がオ
フ状態になると、画素に印加されたデータ信号は電荷の
状態で信号蓄積素子に蓄えられ、次に画素駆動素子がオ
ン状態になるまで引き続き液晶の駆動が行われる。その
ため、走査線数が増大して1つの画素に割り当てられる
駆動時間が少なくなっても、液晶の駆動が影響を受ける
ことはなく、コントラストが低下することもない。従っ
て、アクティブマトリックス方式によれば、単純マトリ
ックス方式に比べてはるかに高画質な表示が可能にな
る。
【0005】アクティブマトリックス方式は画素駆動素
子の違いにより、トランジスタ型(3端子型)とダイオ
ード型(2端子型)とに大別される。トランジスタ型
は、ダイオード型に比べて製造が困難である反面、コン
トラストや解像度を高くするのが容易でCRTに匹敵す
る高品位なLCDを実現することができるという特徴が
ある。
【0006】トランジスタ型の画素駆動素子としては、
一般にTFTが用いられる。TFTでは、絶縁基板上に
形成された半導体薄膜が能動層として使われる。能動層
として、セレン化カドミウム(CdSe)やテルル(T
e)等を用いる研究もなされてはいるが、一般的なのは
非晶質シリコン膜および多結晶シリコン膜である。能動
層として非晶質シリコン膜を用いたTFTは非晶質シリ
コンTFTと呼ばれ、多結晶シリコン膜を用いたTFT
は多結晶シリコンTFTと呼ばれる。多結晶シリコンT
FTは非晶質シリコンTFTに比べ、移動度が大きく駆
動能力が高いという利点がある。そのため、多結晶シリ
コンTFTは、画素駆動素子としてだけでなく、論理回
路を構成する素子としても使用することができる。従っ
て、多結晶シリコンTFTを用いれば、画素部だけでな
く、その周辺に配置されている周辺駆動回路部までを同
一基板上に一体にして形成することができる。すなわ
ち、画素部に配置された画素駆動素子としての多結晶シ
リコンTFTと、周辺駆動回路部を構成する多結晶シリ
コンTFTとを同一工程で形成するわけである。
【0007】図14に、一般的なアクティブマトリック
ス方式LCDのブロック構成を示す。画素部50には各
走査線(ゲート配線)G1 …Gn,Gn+1 …Gm と各デー
タ線(ドレイン配線)D1 …Dn,Dn+1 …Dm とが配置
されている。各ゲート配線と各ドレイン配線とはそれぞ
れ直交し、その直交部分に画素61が設けられている。
そして、各ゲート配線はゲートドライバ51に接続さ
れ、ゲート信号(走査信号)が印加されるようになって
いる。また、各ドレイン配線はドレインドライバ(デー
タドライバ)52に接続され、データ信号(ビデオ信
号)が印加されるようになっている。これらのドライバ
51,52によって周辺駆動回路部53が構成されてい
る。そして、各ドライバ51,52のうち少なくともい
ずれか一方を画素部50と同一基板上に形成したLCD
は、一般にドライバ一体型(ドライバ内蔵型)LCDと
呼ばれる。尚、ゲートドライバ51が、画素部50の両
側に設けられている場合もある。また、ドレインドライ
バ52が、画素部50の両側に設けられている場合もあ
る。
【0008】図15に、ゲート配線Gn とドレイン配線
Dn との直交部分に設けられている画素61の等価回路
を示す。画素61は、画素駆動素子としてのTFT、液
晶セルLC、補助容量CS から構成される。ゲート配線
Gn にはTFTのゲートが接続され、ドレイン配線Dn
にはTFTのドレインが接続されている。そして、TF
Tのソースには、液晶セルLCの表示電極(画素電極)
と補助容量(蓄積容量または付加容量)CS とが接続さ
れている。この液晶セルLCと補助容量CS とにより、
前記信号蓄積素子が構成される。液晶セルLCの共通電
極(表示電極の反対側の電極)には電圧Vcom が印加さ
れている。一方、補助容量CS において、TFTのソー
スと接続される側の電極の反対側の電極には定電圧VR
が印加されている。この液晶セルLCの共通電極は、文
字どおり全ての画素61に対して共通した電極となって
いる。そして、液晶セルLCの表示電極と共通電極との
間には静電容量が形成されている。尚、補助容量CS に
おいて、TFTのソースと接続される側の電極の反対側
の電極は、隣のゲート配線Gn+1 と接続されている場合
もある。
【0009】このように構成された画素61において、
ゲート配線Gn を正電圧にしてTFTのゲートに正電圧
を印加すると、TFTがオンとなる。すると、ドレイン
配線Dn に印加されたデータ信号で、液晶セルLCの静
電容量と補助容量CS とが充電される。反対に、ゲート
配線Gn を負電圧にしてTFTのゲートに負電圧を印加
すると、TFTがオフとなり、その時点でドレイン配線
Dn に印加されていた電圧が、液晶セルLCの静電容量
と補助容量CS とによって保持される。このように、画
素61へ書き込みたいデータ信号をドレイン配線に与え
てゲート配線の電圧を制御することにより、画素61に
任意のデータ信号を保持させておくことができる。その
画素61の保持しているデータ信号に応じて液晶セルL
Cの透過率が変化し、画像が表示される。
【0010】ここで、画素61の特性として重要なもの
に、書き込み特性と保持特性とがある。書き込み特性に
対して要求されるのは、画素部50の仕様から定められ
た単位時間内に、信号蓄積素子(液晶セルLCおよび補
助容量CS )に対して所望のビデオ信号電圧を十分に書
き込むことができるかどうかという点である。また、保
持特性に対して要求されるのは、信号蓄積素子に一旦書
き込んだビデオ信号電圧を必要な時間だけ保持すること
ができるかどうかという点である。
【0011】補助容量CS が設けられているのは、信号
蓄積素子の静電容量を増大させて書き込み特性および保
持特性を向上させるためである。すなわち、液晶セルL
Cはその構造上、静電容量の増大には限界がある。そこ
で、補助容量CS によって液晶セルLCの静電容量の不
足分を補うわけである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来、ドライバ一体型
LCDでは、多結晶シリコンTFTの能動層の膜厚が画
素部50と周辺駆動回路部53とで同一であった。
【0013】前記したように、画素部50においては、
画素駆動素子がオン状態からオフ状態に切り換わってか
ら次にオン状態になるまでの間(1フレームの間)だけ
データ信号を信号蓄積素子に蓄えておく必要がある。そ
のため、画素部50に配置された画素駆動素子としての
多結晶シリコンTFTについては、オフ電流(リーク電
流)を小さくしなければならない。一方、周辺駆動回路
部53においては動作速度を速くする必要がある。その
ため、周辺駆動回路部53を構成する多結晶シリコンT
FTについては、オン電流を大きくしなければならな
い。
【0014】ところが、多結晶シリコンTFTのオフ電
流を小さくするには能動層(特に、チャネル部)の膜厚
を薄くしなければならず、オン電流を大きくするには能
動層(特に、チャネル部)の膜厚を厚くしなければなら
ない。現在のLCDでは、周辺駆動回路部53の動作速
度の向上より、1フレームの間だけデータ信号を信号蓄
積素子に確実に蓄えておくことの方が重要である。その
ため、多結晶シリコンTFTの能動層の膜厚は、オフ電
流を小さくすることに留意して薄く設定されている。し
かし、結果として、多結晶シリコンTFTのオン電流が
小さくなり、周辺駆動回路部53の動作速度が低下する
ことは否めない。
【0015】また、従来、多結晶シリコンのソース・ド
レイン領域の不純物濃度は、画素部50と周辺駆動回路
部53とで同一であった。ところが、多結晶シリコンT
FTのオフ電流を小さくするには不純物濃度を低くしな
ければならず、オン電流を大きくするには不純物濃度を
高くしなければならない。現在のLCDでは、前記した
ように能動層の膜厚を薄く設定しているため、ソース・
ドレイン領域の不純物濃度を低く設定すると、多結晶シ
リコンTFTのオン電流が小さくなり過ぎて周辺駆動回
路部53の動作に支障がでる。そのため、ソース・ドレ
イン領域の不純物濃度は、周辺駆動回路部53の多結晶
シリコンTFTのオン電流を大きくすることに留意して
高く設定されている。しかし、それでは画素部50の多
結晶シリコンTFTのオフ電流も大きくなってしまい、
能動層の膜厚を薄く設定した意味がなくなってしまう。
【0016】このように、画素部50と周辺駆動回路部
53との両方に要求される性能を共に満足させることが
できないという問題があった。そこで、周辺駆動回路部
53の多結晶シリコンTFTについてはSD(SingleDr
ain)構造をとることでオン電流を大きくし、画素部5
0の多結晶シリコンTFTについてはLDD(Lightly
Doped Drain )構造をとることでオフ電流を小さくする
方法が提案されている。しかし、LDD構造を作成する
には正確なマスク合わせが必要であり、製造工程におけ
る制御性が悪化する上にスループットが低下するという
問題があった。
【0017】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、以下の目的を有するものである
【0018】〕画素部と周辺駆動回路部との両方に要
求される性能を満足することができる優れたドライバ一
体型の表示装置を提供する。 〕画素部と周辺駆動回路部との両方に要求される性能
を満足することができる優れたドライバ一体型の表示装
置の製造方法を提供することに係り、特に、高スループ
ットな製造方法を提供する。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、画素部と周辺駆動回路部とが同一基板上に形成され
たドライバ一体型の表示装置において、画素部に配置さ
れた画素駆動素子と周辺駆動回路部を構成する半導体素
子とが薄膜トランジスタからなり、前記画素駆動素子と
しての薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領
域の表層部分の不純物濃度が、前記表層部分以外の不純
物濃度及び前記半導体素子としての薄膜トランジスタの
ソース領域およびドレイン領域の表層部分の不純物濃度
よりも高いことをその要旨とする。
【0020】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の表示装置において、前記画素駆動素子の能動層の不純
物濃度が10E19cm -3 以上であることをその要旨と
する。
【0021】請求項3に記載の発明は、画素部と周辺駆
動回路部とが同一基板上に形成されたドライバ一体型の
表示装置の製造方法において、絶縁基板上にシリコン膜
とゲート絶縁膜とゲート電極とを順次形成する第1の工
程と、ゲート電極を用いた自己整合技術により、画素部
に対応するゲート絶縁膜だけをエッチングして薄くする
第2の工程と、ゲート電極を用いた自己整合技術によ
り、画素部および周辺駆動回路部のシリコン膜にソース
領域およびドレイン領域を形成するための不純物を注入
する第3の工程とを備え、前記第2の工程により、前記
第3の工程において不純物を注入したときに、この不純
物の濃度のピークを、画素部のシリコン膜については基
板内に、周辺駆動回路部のシリコン膜についてはこのシ
リコン膜内にもってくることをその要旨とする。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、画素駆動素子
としての薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン
領域の表層部分の不純物濃度を高くすることで、ソース
領域およびドレイン領域とそれぞれコンタクトする電極
のコンタクト抵抗を十分に低くすることができる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】請求項2に記載の発明によれば、前記画素
駆動素子の能動層の不純物濃度が10E19cm -3 以上
であるため、十分なオン電流を得ることができる
【0041】請求項3に記載の発明によれば、画素部の
薄膜トランジスタの能動層と周辺駆動回路部の薄膜トラ
ンジスタの能動層とを異なった不純物濃度にすることが
容易にできる。
【0042】請求項15に記載の発明によれば、画素駆
動素子としての薄膜トランジスタのソース領域およびド
レイン領域の表層部分の不純物濃度を高くすることがで
き、ソース領域およびドレイン領域とそれぞれコンタク
トする電極のコンタクト抵抗を十分に低くすることが可
能になる。
【0043】
【実施例】以下、本発明をドライバ一体型のアクティブ
マトリックス方式LCDに具体化した第1〜第3実施例
を図面に従って説明する。尚、各実施例のアクティブマ
トリックス方式LCDにおけるブロック構成は図11に
示したとおりである。また、各実施例では、画素部50
および周辺駆動回路部53の多結晶シリコンTFTとし
てプレーナ型を採用している。
【0044】(第1実施例)以下、第1実施例を図1〜
図5に従って説明する。図1に、後記する多結晶シリコ
ンTFTの製造方法において、ゲート電極の形成までを
終えた状態の断面図を示す。画素部50の多結晶シリコ
ンTFT1と周辺駆動回路部53の多結晶シリコンTF
T2とは、同一の透明絶縁基板3上に形成される。各多
結晶シリコンTFT1,2において、ゲート絶縁膜4の
膜厚およびゲート電極5の寸法は同一である。また、各
多結晶シリコンTFT1,2は共にSD構造である。し
かし、多結晶シリコンTFT1の能動層として用いられ
る多結晶シリコン膜6aの膜厚は、オフ電流を十分に小
さくできるように薄くなっている。一方、多結晶シリコ
ンTFT2の能動層として用いられる多結晶シリコン膜
6bの膜厚は、オン電流を十分に大きくできるように厚
くなっている。
【0045】従って、多結晶シリコンTFT1のオフ電
流を小さくした上で、多結晶シリコンTFT2のオン電
流を大きくすることができる。その結果、画素部50と
周辺駆動回路部53との両方に要求される性能を共に満
足させることができ、優れたLCDを得ることが可能に
なる。
【0046】ところで、多結晶シリコン膜6aの膜厚は
薄くなるほど多結晶シリコンTFT1のオフ電流が小さ
くなるが、あまり薄くなるとオン電流も小さくなり過ぎ
て画素駆動素子として必要な動作ができなくなる。その
ため、多結晶シリコン膜6aの膜厚は300 〜800 Åが適
当であり、好ましくは400 〜700 Å、特に好ましくは50
0 〜600 Åである。
【0047】一方、多結晶シリコン膜6bの膜厚は厚く
なるほど多結晶シリコンTFT2のオン電流が大きくな
るが、あまり厚くなると後記する製造工程(成膜および
エッチング)に時間がかかってスループットが低下す
る。そのため、多結晶シリコン膜6bの膜厚は1000〜20
00Åが適当であり、好ましくは1300〜2000Å、特に好ま
しくは1500〜1800Åである。
【0048】次に、本実施例の第1の製造方法を図2,
図1,図4に従って説明する。 工程1(図2(a)参照);絶縁基板(石英ガラス,高
耐熱ガラス)3上にノンドープの多結晶シリコン膜11
(膜厚;1000〜2000Å)を形成する。ここで、画素部5
0および周辺駆動回路部53において、多結晶シリコン
膜11の膜厚は同一である。
【0049】多結晶シリコン膜11の形成方法には以下
のものがある。 多結晶シリコン膜11を直接形成する方法;常圧CV
D法,減圧CVD法,プラズマCVD法,光励起CVD
法,蒸着法,EB(Electron Beam )蒸着法,MBE
(Molecular Beam Epitaxy)法,スパッタ法などを用い
る。
【0050】この中では、モノシラン(SiH4 )また
はジシラン(Si2 6 )の熱分解を利用する減圧CV
D法が一般的であり、最も高品質な多結晶シリコン膜1
1を形成することができる。減圧CVD法では、処理温
度が550 ℃以下では非晶質、620 ℃以上では多結晶とな
る。
【0051】また、プラズマ中でのモノシランまたはジ
シランの熱分解を利用するプラズマCVD法も用いられ
る。プラズマCVD法の処理温度は300 ℃程度で、水素
を添加すると反応が促進されて非晶質シリコン膜が形成
される。そして、不活性ガス(ヘリウム,ネオン,アル
ゴン,クリプトン,キセノン,ラドン)を添加するとプ
ラズマが励起され、同一の処理温度でも多結晶シリコン
膜が形成される。
【0052】非晶質シリコン膜を形成した後に多結晶
化させて多結晶シリコン膜11を形成する方法;固相成
長法や溶融再結晶化法を用いる。固相成長法は、非晶質
シリコン膜に600 ℃前後で20時間前後の長時間の熱処理
を行うことにより、固体のままで多結晶化させて多結晶
シリコン膜を得る方法である。
【0053】溶融再結晶化法は、非晶質シリコン膜の表
面だけを溶融させて再結晶化を図りながら基板温度を60
0 ℃以下に保つ方法であり、レーザアニール法やRTA
(Rapid Thermal Annealing )法がある。レーザアニー
ル法は、非晶質シリコン膜の表面にレーザを照射して加
熱溶融させる方法である。RTA法は、非晶質シリコン
膜の表面にランプ光を照射して加熱溶融させる方法であ
る。
【0054】このように基板温度が600 ℃以上にならな
いようにすれば、透明絶縁基板3として高耐熱ガラスを
用いることができる。石英ガラスは大型化に伴って著し
く高価になる上に現在のところ大型化には限りがあるた
め、基板の寸法が制約を受ける。そのため、コスト的に
見合うLCDのパネルサイズは2型以下となり、ビデオ
カメラのビューファインダ用や液晶プロジェクタ用とし
ては十分に使用できるものの、直視用としてはパネルサ
イズが小さすぎて使用できない。一方、通常のガラス
(高耐熱ガラス)は石英ガラスの約1/10の価格で寸法に
も制限がない。現在、LCD用に市販されている高耐熱
ガラス(例えば、米国Corning Inc.製の「7059」)では
600 ℃程度の耐熱温度がある。そこで、透明絶縁基板3
に通常のガラス(高耐熱ガラス)を使えるように、多結
晶シリコンTFTを600 ℃程度以下の低温の工程(低温
プロセスと呼ばれる)を使って形成することが求められ
ている。尚、多結晶シリコンTFTを1000℃程度の高温
の工程で形成する場合は、低温プロセスに対して高温プ
ロセスと呼ばれる。
【0055】工程2(図2(b)参照);周辺駆動回路
部53の多結晶シリコン膜11上だけにレジストパター
ンRPを形成する。このとき、画素部50の多結晶シリコ
ン膜11上にはレジストパターンRPが形成されないよう
にマスク合わせを行う必要がある。しかし、そのマスク
合わせに必要とされる精度は、LDD構造を作成する場
合に比べてはるかに低いもので十分である。また、この
工程2の時点ではLCDの構成部材が何一つ形成されて
いないため、多少のマスクずれが生じたとしても後の工
程でそのずれを補正したマスク合わせを行うことで、L
CDの完成時におけるマスクずれの影響を無くすことも
できる。従って、本実施例によれば、周辺駆動回路部5
3の多結晶シリコンTFT2についてはSD構造をと
り、画素部50の多結晶シリコンTFT1についてはL
DD構造をとる場合に比べて、製造工程における制御性
が良好になる上にスループットを向上させることができ
る。
【0056】工程3(図2(c)参照);レジストパタ
ーンRPをエッチングマスクとして用いたエッチングによ
り、画素部50の多結晶シリコン膜11だけを所定の厚
さだけ均一にエッチバックする。その結果、画素部50
の多結晶シリコン膜11は、周辺駆動回路部53の多結
晶シリコン膜11に比べて薄くなる。このようにして、
画素部50の多結晶シリコン膜11から多結晶シリコン
膜6aが形成され、周辺駆動回路部53の多結晶シリコ
ン膜11から多結晶シリコン膜6bが形成される。
【0057】工程4(図1参照);多結晶シリコン膜6
a,6b上にゲート絶縁膜4(膜厚;1000Å) を形成す
る。ゲート絶縁膜4の形成方法には以下のものがある。
【0058】[1] 酸化法を用いてシリコン酸化膜を形成
する方法;高温酸化法(乾燥酸素を用いるドライ酸化
法,湿った酸素を用いるウェット酸化法,水蒸気雰囲気
中での酸化法),低温酸化法(高圧水蒸気雰囲気中での
酸化法,酸素プラズマ中での酸化法),陽極酸化法など
を用いる。
【0059】この中では、900 〜1200℃程度の高温酸化
法が一般的である。 [2] 被着法を用いてシリコン酸化膜,シリコン窒化膜,
シリコン窒酸化膜(SiOx y )を形成する方法;C
VD法やPVD法を用いる。また、各膜を組み合わせて
多層構造にする方法もある。
【0060】CVD法には常圧CVD法,減圧CVD
法,プラズマCVD法,光励起CVD法がある。シリコ
ン酸化膜の形成には、モノシランまたはジシランの酸
化,有機オキシシラン(TEOSなど)の熱分解,ハロ
ゲン化珪素の加水分解などを用いる。シリコン窒化膜の
形成には、アンモニアおよびジクロルシラン(SiH2
Cl2 ),アンモニアおよびモノシラン,窒素およびモ
ノシランなどの熱分解などを用いる。シリコン窒酸化膜
は酸化膜と窒化膜の両膜の特性をもつもので、シリコン
窒化膜の形成の系に酸化窒素(N2 O)を少量導入する
ことで形成できる。
【0061】PVD法には蒸着法,EB(Electron Bea
m )蒸着法,MBE(Molecular Beam Epitaxy)法,ス
パッタ法などがある。尚、ゲート絶縁膜4の形成方法に
も高温プロセスおよび低温プロセスがある。高温プロセ
スでは、一般に前記した高温酸化法が用いられる。一
方、低温プロセスでは、一般に前記した酸素プラズマ中
での酸化法や被着法などが用いられ、処理温度が600 ℃
程度以下に抑えられる。
【0062】次に、ゲート絶縁膜4上にゲート電極5を
形成して所望の形状にパターニングする。ゲート電極5
としては、多結晶シリコン,金属シリサイド,ポリサイ
ド,高融点金属担体,その他の金属(アルミ,金,銀,
銅など)などが用いられる。
【0063】工程5(図4参照);自己整合技術によ
り、ゲート電極5をマスクとして多結晶シリコン膜6
a,6bにソース・ドレイン領域12を形成する。ソー
ス・ドレイン領域12の形成方法にも高温プロセスおよ
び低温プロセスがある。高温プロセスでは、不純物をイ
オン注入後に高温の熱処理を行って不純物を活性化させ
る。低温プロセスでは、ホスフィン(PH3 )およびプ
ロトン(H2 )によるイオンシャワーを照射すること
で、特別な熱処理工程を設けることなく不純物の注入と
活性化を同時に行う。尚、低温プロセスでは、不純物を
イオン注入後に600 ℃程度の低温で数時間〜数十時間の
熱処理を行うことで不純物を活性化させる方法もある。
透明絶縁基板3に高耐熱ガラスを用いた場合には、多結
晶シリコン膜6a,6bの形成時だけでなく、ゲート絶
縁膜4およびソース・ドレイン領域12の形成時にも低
温プロセスを用いなければならない。
【0064】そして、デバイスの全面に層間絶縁膜13
を形成する。層間絶縁膜13としては、CVD法,プラ
ズマCVD法,光励起CVD法,蒸着法,スパッタ法な
どによって形成されたシリコン酸化膜,シリケートガラ
ス,シリコン窒化膜などが用いられる。
【0065】その後、ソース・ドレイン領域12とコン
タクトするコンタクトホール13aを層間絶縁膜13に
形成し、ソース・ドレイン電極14を形成して多結晶シ
リコンTFT1,2が完成する。
【0066】次に、本実施例の第2の製造方法を図3,
図1,図4に従って説明する。 工程1(図3(a)参照);透明絶縁基板3上にノンド
ープの多結晶シリコン膜21(膜厚;300 〜800 Å)を
形成する。ここで、画素部50および周辺駆動回路部5
3において、多結晶シリコン膜21の膜厚は同一であ
る。多結晶シリコン膜21の形成方法は、前記した多結
晶シリコン膜11の形成方法と同じである。
【0067】工程2(図3(b)参照);画素部50の
多結晶シリコン膜21上だけにレジストパターンRPを形
成する。この場合にも、レジストパターンRPを形成する
際のマスク合わせに必要とされる精度はLDD構造を作
成する場合に比べてはるかに低いもので十分であり、多
少のマスクずれが生じたとしてもLCDの完成時にはそ
の影響を無くすことができる。
【0068】工程3(図3(c)参照);レジストパタ
ーンRPをマスクとして用い、画素部50の多結晶シリコ
ン膜21上だけに所定の膜厚の多結晶シリコン膜22を
形成する。多結晶シリコン膜22の形成方法は多結晶シ
リコン膜21の形成方法と同じである。その結果、周辺
駆動回路部53の多結晶シリコン膜21,22は、画素
部50の多結晶シリコン膜21に比べて厚くなる。この
ようにして、画素部50の多結晶シリコン膜21から多
結晶シリコン膜6aが形成され、周辺駆動回路部53の
多結晶シリコン膜21,22から多結晶シリコン膜6b
が形成される。
【0069】工程4(図1参照)および工程5(図4参
照);第1の製造方法の工程4および工程5と同じであ
る。このように、第1および第2の製造方法によれば、
多結晶シリコンTFT1,2を容易に製造することがで
きる。その結果、LCDを製造するのも容易になる。
【0070】尚、オン電流およびオフ電流に関係するの
は、図4に示すソース・ドレイン領域12の間のチャネ
ル領域12aに対応する多結晶シリコン膜6a,6bの
膜厚である。そのため、前記したように多結晶シリコン
膜6a,6b全体の膜厚を変えるのではなく、チャネル
領域12aの膜厚だけを変えてもよい。つまり、多結晶
シリコンTFT1のチャネル領域12aを薄く、多結晶
シリコンTFT2のチャネル領域12aを厚くし、各多
結晶シリコンTFT1,2共にソース・ドレイン領域1
2の膜厚は同じにしてもよい。
【0071】次に、上記のように製造された多結晶シリ
コンTFT1を画素駆動素子として用いた透過型構成を
とるLCDの画素部の製造方法を図5に従って説明す
る。 工程一;層間絶縁膜13の形成に先立ち、スパッタ法に
より、透明絶縁基板3の画素部50上にインジウム錫酸
化物(ITO;Indium Tin Oxide)等からなる補助容量
の蓄積電極101を形成する。
【0072】工程二;デバイスの全面に絶縁膜102を
形成する。絶縁膜102の材質としては、シリコン酸化
膜,シリケートガラス,シリコン窒化膜などが用いら
れ、その形成にはCVD法またはPVD法が用いられ
る。次に、絶縁膜102にソース・ドレイン電極14と
コンタクトするためのコンタクトホールを形成し、スパ
ッタ法により、そのコンタクトホールを含むデバイスの
全面にITO膜を形成し、そのITO膜をパターニング
して表示電極103を形成する。
【0073】工程三;多結晶シリコンTFT1が形成さ
れた透明絶縁基板3と、表面に共通電極104が形成さ
れた透明絶縁基板105とを相対向させ、各基板2,1
05の間に液晶を封入して液晶層106を形成する。そ
の結果、LCDの画素部50が完成する。
【0074】(第2実施例)以下、第2実施例の製造方
法を図6〜図10に従って説明する。尚、本実施例にお
いて、第1実施例と同じ構成部材については符号を等し
くしてその詳細な説明を省略する。
【0075】工程1(図6(a)参照);透明絶縁基板
3上にノンドープの多結晶シリコン膜31(膜厚;1000
Å)を形成する。多結晶シリコン膜31の形成方法は、
前記した多結晶シリコン膜11の形成方法と同じであ
る。次に、多結晶シリコン膜31上にゲート絶縁膜4を
形成し、ゲート絶縁膜4上にゲート電極5を形成する。 工程2(図6(b)参照);周辺駆動回路部53のゲー
ト絶縁膜4およびゲート電極5の上だけにレジストパタ
ーンRPを形成する。この場合にも、レジストパターンRP
を形成する際のマスク合わせに必要とされる精度はLD
D構造を作成する場合に比べてはるかに低いもので十分
であり、多少のマスクずれが生じたとしてもLCDの完
成時にはその影響を無くすことができる。次に、レジス
トパターンRPおよび画素部50のゲート電極5をエッチ
ングマスクとして用いたエッチングにより、画素部50
のゲート絶縁膜4だけを所定の厚さだけ除去する。その
結果、画素部50のゲート絶縁膜4aの膜厚はゲート電
極5直下の部分を除いて、周辺駆動回路部53のゲート
絶縁膜4bに比べて薄くなる。
【0076】工程3(図7参照);自己整合技術によ
り、ゲート電極5をマスクとして多結晶シリコン膜31
にソース・ドレイン領域12を形成する。ここで、高温
プロセスを用いた場合には、不純物をイオン注入(例え
ば、リンイオンを用い、注入電圧;100keV,注入密度;
2E15cm-2)した後に高温の熱処理を行って不純物を活性
化させる。
【0077】従って、各ゲート絶縁膜4a,4bの膜厚
を不純物の注入条件に合わせて最適に制御すれば、多結
晶シリコン膜31に注入した不純物の濃度のピークP
を、画素部50の多結晶シリコンTFT1については透
明絶縁基板3内に、周辺駆動回路部53の多結晶シリコ
ンTFT2については多結晶シリコン膜31内にもって
くることができる。その結果、ソース・ドレイン領域1
2の不純物濃度は、多結晶シリコンTFT1では低くな
り、多結晶シリコンTFT2では高くなる。これによ
り、多結晶シリコンTFT1のオフ電流を小さくした上
で、多結晶シリコンTFT2のオン電流を大きくするこ
とができる。このように、本実施例においても、画素部
50と周辺駆動回路部53との両方に要求される性能を
共に満足させることができ、優れたLCDを得ることが
可能になる。
【0078】尚、低温プロセスを用いた場合にも、各ゲ
ート絶縁膜4a,4bの膜厚を不純物の注入条件に合わ
せて最適に制御することで、同様の効果を得ることがで
きる。
【0079】ところで、ゲート絶縁膜4aの膜厚は薄く
なっているが、ゲート絶縁膜としての機能を要求される
のはゲート電極5直下(チャネル領域12a上)の部分
であり、ゲート電極5直下におけるゲート絶縁膜4aの
膜厚はゲート絶縁膜4bと同じである。そのため、多結
晶シリコンTFT1においてゲート絶縁膜4aは十分に
その機能を果たし、素子特性が劣化することはない。
【0080】工程4(図8参照);デバイスの全面に層
間絶縁膜13を形成する。次に、ソース・ドレイン領域
12とコンタクトするコンタクトホール13aを層間絶
縁膜13に形成する。続いて、周辺駆動回路部53上だ
けにレジストパターンRPを形成する。この場合にも、レ
ジストパターンRPを形成する際のマスク合わせに必要と
される精度は、LDD構造を作成する場合に比べてはる
かに低いもので十分である。そして、レジストパターン
RPをマスクとして用い、画素部50のコンタクトホール
13a内だけに低濃度のイオン注入(例えば、リンイオ
ンを用い、注入電圧;25keV ,注入密度;1E15cm-2)を
行う。すると、多結晶シリコンTFT1のソース・ドレ
イン領域12の表層部分の不純物濃度が高められる。そ
の後、第1実施例と同様にソース・ドレイン電極14を
形成して多結晶シリコンTFT1,2が完成する。
【0081】このように、多結晶シリコンTFT1のソ
ース・ドレイン領域12の表層部分の不純物濃度をわず
かに高めることにより、ソース・ドレイン領域12とソ
ース・ドレイン電極14とのコンタクト抵抗を下げるこ
とができる。尚、ソース・ドレイン領域12の表層部分
の不純物濃度をわずかに高くした程度では、多結晶シリ
コンTFT1のオフ電流はほとんど増大しないため、上
記した効果が損なわれることはない。このような工程を
設けるのは、多結晶シリコンTFT1のソース・ドレイ
ン領域12の不純物濃度が低いことからソース・ドレイ
ン領域12とソース・ドレイン電極14とのコンタクト
抵抗が大きくなり過ぎて必要なコンタクトがとれなくな
る恐れがあるためである。従って、工程3におけるソー
ス・ドレイン領域12の形成時において、多結晶シリコ
ンTFT1のソース・ドレイン領域12とソース・ドレ
イン電極14とのコンタクト抵抗が十分に小さくなって
いれば、この工程4については省いてもよい。
【0082】図9に、ソース・ドレイン領域12の不純
物濃度を変化させた場合の多結晶シリコンTFT1のオ
ン電流の変化を示す。図10に、ソース・ドレイン領域
12の不純物濃度を変化させた場合の多結晶シリコンT
FT1のオフ電流の変化を示す。
【0083】図9および図10より、多結晶シリコンT
FT1のソース・ドレイン領域12の不純物濃度は10E1
9cm -3 以上にすればよく、望ましくは10E19〜10E20cm -3
である。
【0084】尚、本実施例におけるLCDの画素部50
の製造方法については、第1実施例のそれと同様である
ので説明を省略する。 (第3実施例)以下、第3実施例の製造方法を図11お
よび図12に従って説明する。尚、本実施例において、
第2実施例と同じ構成部材については符号を等しくして
その詳細な説明を省略する。
【0085】工程1(図11(a)参照);透明絶縁基
板3上に多結晶シリコン膜31を形成する。次に、多結
晶シリコン膜31上にゲート絶縁膜4を形成し、ゲート
絶縁膜4上にゲート電極5を形成する。続いて、自己整
合技術により、ゲート電極5をマスクとして多結晶シリ
コン膜31にソース・ドレイン領域12を形成する。こ
こで、高温プロセスを用いた場合には、画素部50およ
び周辺駆動回路部53の全体に低濃度の不純物をイオン
注入(例えば、リンイオンを用い、注入電圧;100keV,
注入密度;5E14cm-2)した後に高温の熱処理を行って不
純物を活性化させる。尚、低温プロセスを用いた場合も
同様に、画素部50および周辺駆動回路部53の全体に
低濃度の不純物を注入する。
【0086】工程2(図11(b)参照);画素部50
上だけにレジストパターンRPを形成する。この場合に
も、レジストパターンRPを形成する際のマスク合わせに
必要とされる精度はLDD構造を作成する場合に比べて
はるかに低いもので十分であり、多少のマスクずれが生
じたとしてもLCDの完成時にはその影響を無くすこと
ができる。そして、レジストパターンRPをマスクとして
用い、周辺駆動回路部53だけに高濃度の不純物を注入
する。ここで、高温プロセスを用いた場合には、高濃度
の不純物をイオン注入(例えば、リンイオンを用い、注
入電圧;100keV,注入密度;2E15cm-2)した後に高温の
熱処理を行って不純物を活性化させる。その結果、ソー
ス・ドレイン領域12の不純物濃度は、多結晶シリコン
TFT1では低くなり、多結晶シリコンTFT2では高
くなる。尚、低温プロセスを用いた場合も同様に、周辺
駆動回路部53だけに低濃度の不純物を注入する。
【0087】これにより、多結晶シリコンTFT1のオ
フ電流を小さくした上で、多結晶シリコンTFT2のオ
ン電流を大きくすることができる。このように、本実施
例においても、画素部50と周辺駆動回路部53との両
方に要求される性能を共に満足させることができ、優れ
たLCDを得ることが可能になる。
【0088】工程3(図12参照);具体的な方法は第
2実施例の工程4と同じであり、作用および効果につい
ても同様である。尚、本実施例におけるLCDの画素部
50の製造方法については、第1実施例のそれと同様で
あるので説明を省略する。
【0089】ところで、上記各実施例は以下のように変
更してもよく、その場合でも同様の作用および効果を得
ることができる。 (1)第1実施例と第2実施例、または、第1実施例と
第3実施例とをそれぞれ組み合わせて実施する。この場
合、各実施例の相乗作用により、本発明の効果をさらに
高めることができる。
【0090】(2)第2実施例の工程4において、レジ
ストパターンRPを省く。同様に、第3実施例の工程4に
おいて、レジストパターンRPを省く。これらの場合、周
辺駆動回路部53の多結晶シリコンTFT2のソース・
ドレイン領域12の不純物濃度が前記各実施例に比べて
若干高くなる。しかし、多結晶シリコンTFT2につい
てはオン電流を大きくすることが重要であるため、ソー
ス・ドレイン領域12の不純物濃度が若干高くなっても
実用上は特に問題とはならない。
【0091】(3)第2実施例において、図13に示す
ように、ゲート絶縁膜4a,4bを2層の絶縁膜41,
42によって構成する。この場合、各絶縁膜41,42
にエッチングレートの異なる膜を用いて各絶縁膜41,
42の膜厚を調整すれば、工程2において、ゲート絶縁
膜4aを前記したような形状に形成するのが容易にな
る。例えば、下層の絶縁膜41をシリコン酸化膜で形成
し、上層の絶縁膜42をシリコン窒化膜で形成すれば、
絶縁膜42が完全に除去された時点でエッチングを停止
するのが容易になり、製造工程における制御性が良好に
なる。
【0092】(4)多結晶シリコンTFT1,2をSD
構造ではなくLDD構造にする。 (5)多結晶シリコン膜6a,6b,31の形成後に、
水素化処理を行うことで多結晶シリコンTFT1,2の
素子特性を向上させる。水素化処理とは、多結晶シリコ
ンの結晶欠陥部分に水素原子を結合させることにより、
欠陥を減らして結晶構造を安定化させ、電界効果移動度
を高める方法である。
【0093】(6)チャネル領域12aに不純物をドー
ピングして多結晶シリコンTFT1,2の閾値電圧(V
th)を制御する。固相成長法で形成した多結晶シリコン
TFTにおいては、Nチャネルトランジスタではディプ
レッション方向に閾値電圧がシフトし、Pチャネルトラ
ンジスタではエンハンスメント方向に閾値電圧がシフト
する傾向にある。また、上記(5)の水素化処理を行っ
た場合には、その傾向がより顕著となる。この閾値電圧
のシフトを抑えるには、チャネル領域に不純物をドーピ
ングすればよい。
【0094】(7)多結晶シリコンTFT1,2を非晶
質シリコンTFTに置き代える。 (8)多結晶シリコンTFT1,2としてプレーナ型で
はなく、逆プレーナ型,スタガ型,逆スタガ型などを採
用する。
【0095】(9)透明絶縁基板3をセラミックス基板
やシリコン酸化膜などの絶縁層に置き代え、LCDでは
なく密着型イメージセンサや三次元ICなどに適用す
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】(a)絶縁基板としては、石英ガラス,高
耐熱ガラス,高耐熱樹脂などのあらゆる透明絶縁材料に
よる基板を含むものとする。 (b)シリコン膜としては多結晶シリコン膜だけでな
く、非晶質シリコン膜,微結晶を含んだ多結晶シリコン
膜と非晶質シリコン膜との中間の膜をも含むものとす
る。
【0100】
【発明の効果】1〕画素部と周辺駆動回路部との両方に
要求される性能を満足することが可能な優れたドライバ
一体型の表示装置を提供することができる。
【0101】〕画素部と周辺駆動回路部との両方に要
求される性能を満足することが可能な優れたドライバ一
体型の表示装置の製造方法を提供することができ、特
に、高スループットな製造方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の製造方法を説明するための概略断
面図。
【図2】第1実施例の製造方法を説明するための概略断
面図。
【図3】第1実施例の製造方法を説明するための概略断
面図。
【図4】第1実施例の製造方法を説明するための概略断
面図。
【図5】LCDの画素部の製造方法を説明するための概
略断面図。
【図6】第2実施例の製造方法を説明するための概略断
面図。
【図7】第2実施例の製造方法を説明するための概略断
面図。
【図8】第2実施例の製造方法を説明するための概略断
面図。
【図9】第2実施例の作用を説明するための特性図。
【図10】第2実施例の作用を説明するための特性図。
【図11】第3実施例の製造方法を説明するための概略
断面図。
【図12】第3実施例の製造方法を説明するための概略
断面図。
【図13】第2実施例の別の製造方法を説明するための
概略断面図。
【図14】アクティブマトリックス方式LCDのブロッ
ク構成図。
【図15】画素の等価回路図。
【符号の説明】
1,2…薄膜トランジスタとしての多結晶シリコンTF
T 3…絶縁基板 4,4a,4b…ゲート絶縁膜 5 ゲート電極 6a,6b,31…能動層およびシリコン膜としての多
結晶シリコン膜 12…ソース領域およびドレイン領域(ソース・ドレイ
ン領域) 12a…チャネル領域 50…周辺駆動回路部 53…画素部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−279064(JP,A) 特開 平6−88972(JP,A) 特開 平3−20046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 G02F 1/1368

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画素部と周辺駆動回路部とが同一基板上
    に形成されたドライバ一体型の表示装置において、画素
    部に配置された画素駆動素子と周辺駆動回路部を構成す
    る半導体素子とが薄膜トランジスタからなり、前記画素
    駆動素子としての薄膜トランジスタのソース領域および
    ドレイン領域の表層部分の不純物濃度が、前記表層部分
    以外の不純物濃度及び前記半導体素子としての薄膜トラ
    ンジスタのソース領域およびドレイン領域の表層部分の
    不純物濃度よりも高い表示装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の表示装置において、前
    記画素駆動素子の能動層の不純物濃度が10E19cm
    -3以上である表示装置。
  3. 【請求項3】 画素部と周辺駆動回路部とが同一基板上
    に形成されたドライバ一体型の表示装置の製造方法にお
    いて、 絶縁基板上にシリコン膜とゲート絶縁膜とゲート電極と
    を順次形成する第1の工程と、 ゲート電極を用いた自己整合技術により、画素部に対応
    するゲート絶縁膜だけをエッチングして薄くする第2の
    工程と、 ゲート電極を用いた自己整合技術により、画素部および
    周辺駆動回路部のシリコン膜にソース領域およびドレイ
    ン領域を形成するための不純物を注入する第3の工程と
    を備え、 前記第2の工程により、前記第3の工程において不純物
    を注入したときに、この不純物の濃度のピークを、画素
    部のシリコン膜については基板内に、周辺駆動回路部の
    シリコン膜についてはこのシリコン膜内にもってくる表
    示装置の製造方法。
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