JP3423021B2 - ジフルオロエチレン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物 - Google Patents

ジフルオロエチレン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物

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JP3423021B2
JP3423021B2 JP05514793A JP5514793A JP3423021B2 JP 3423021 B2 JP3423021 B2 JP 3423021B2 JP 05514793 A JP05514793 A JP 05514793A JP 5514793 A JP5514793 A JP 5514793A JP 3423021 B2 JP3423021 B2 JP 3423021B2
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    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0444Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group
    • C09K2019/0459Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group the linking chain being a -CF=CF- chain, e.g. 1,2-difluoroethen-1,2-diyl

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  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Hydrogenated Pyridines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジフルオロエチレン誘
導体化合物およびそれを含有する液晶組成物に関する
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめ、
近年では測定器、自動車用計器、複写器、カメラ、OA
機器用表示装置、家電製品用表示装置等種々の用途に使
用され始めており、広い動作温度範囲、低動作電圧、高
速応答性、高コントラスト比、広視角、化学的安定性等
の種々の性能要求がなされている。
【0003】しかし、現在のところ、これらの特性を単
独の材料ですべて満たす材料はなく、複数の液晶、およ
び非液晶の材料を混合して液晶組成物として要求性能を
満たしている状態である。このため、各種特性のすべて
ではなく、一または二以上の特性に優れた液晶または非
液晶の材料開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶を用いた表示素子
分野においては、その性能向上が望まれており、低電圧
駆動、高精細表示、高コントラスト比、広視角特性、低
温応答特性、広動作温度範囲等が望まれており、これら
はいずれかを向上させると他のいずれかが犠牲になると
いう傾向がある。
【0005】特に、最近、電池駆動においては低電圧駆
動と高速応答、OA機器等においては高精細表示と高速
応答、自動車用表示等においては低温応答または広動作
温度範囲で高速応答というように、その応答速度の向上
が望まれている。
【0006】このためには、いくつかの改善方法が考え
られるが、その一つとして低粘性の液晶組成物の採用が
ある。即ち、液晶組成物の粘性が低下すれば、応答速度
は向上し、低温でも実用的な速度での表示が可能にな
る。また、従来と同じ応答速度でよければ、より低電圧
で駆動できたり、より高デューティ比で駆動が可能、即
ち、高精細駆動が可能になる。
【0007】このような目的のため、特開平3−410
37または特開平3−294386に示されるようなp,
p'- 二置換ジフルオロスチルベン化合物が提案されてい
る。この化合物は以下の(3) で示されるような化学構
造を有している。
【0008】
【化1】
【0009】ただし、(3) のRA、RBはn-アルキル基、
n-アルコキシ基またはn-アルコキシカルボニル基を意味
する。
【0010】(3) の化合物は、低粘性でフッ素置換さ
れていないスチルベン化合物よりも光に対する安定性が
向上しているものであった。しかし、通常使用されてい
る一般の液晶化合物に比しては、光に対する安定性がま
だ劣っており、使用環境が限定されたり、紫外線カット
フィルターを併用せざるを得ないことが多かった。
【0011】したがって、低粘性で光に対する安定性が
高い液晶材料が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決すべくなされたものであり、下記(1) で表されるジ
フルオロエチレン誘導体化合物を提供する。 R1-(A1)m-Y1-A2-CF=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (1) ただし、一般式(1) 中、A1、A2、A3、A4、Y1、Y2、R1
R2、m 、n は下記のものを示す。
【0013】A3はトランス-1,4- シクロヘキシレン基で
あり、A1、A2、A4は相互に独立してトランス-1,4- シク
ロヘキシレン基または1,4-フェニレン基であり、A 1
A 2 、A 3 およびA 4 は夫々非置換であってもよく、置換基と
して1個以上のハロゲン原子またはシアノ基を有してい
てもよく、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 中の環を構成する1個以
上の=CH-基は窒素原子に置換されていてもよく、A 1
A 2 、A 3 およびA 4 中の環を構成する1個以上の -CH2-基は
酸素原子または硫黄原子に置換されていてもよい。
【0014】Y1、Y2は相互に独立して-COO- 、-OCO- 、
-C≡C-、-CH2CH2-、-CH=CH- 、-OCH2-、-CH2O-または単
結合を示す。
【0015】R1、R2は相互に独立して炭素数 1〜10のア
ルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基を示し、アルキ
ル基である場合には、このアルキル基中の炭素−炭素結
合間またはこのアルキル基と環基との間の炭素−炭素結
合間に酸素原子、カルボニルオキシ基またはオキシカル
ボニル基が挿入されてもよく、のアルキル基中の炭素
−炭素結合の一部が三重結合または二重結合にされてい
てもよく、のアルキル基内の1個の-CH2- 基がカルボ
ニル基に置換されていてもよく、のアルキル基中の水
素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されていて
もよい。
【0016】m 、n は相互に独立して 0または 1を示
す。
【0017】また、本発明は、下記(2) (ただし、
(2) 中A2、A3、R1およびR2については、(1) と同じも
のを示す)で表されるジフルオロエチレン誘導体化合物
を提供する。 R1-A2-CF=CF-A3-R2 (2)
【0018】さらに、本発明は、(1) または(2) で
表される化合物から選ばれる液晶性を有する化合物、式
(1) または(2) の化合物を含有する液晶組成物、およ
液晶組成物を電極付基板間に挟持してなる液晶
電気光学素子を提供する
【0019】本発明の(1) の化合物は、比較的小さい
屈折率異方性(△n)を有しており、低粘性であり、か
つ、他の液晶または非液晶との相溶性に優れ、化学的に
も安定な材料である。
【0020】さらに、本発明の式(1) の化合物は、前述
した(3) の化合物と比較し、光に対して安定であり耐
久性が向上する、弾性係数(K33/K11)が増加し高
コントラス化する、液晶上限温度(TC )が上昇し液
晶温度幅が増大する、粘度(η)が減少し高速応答に有
利になる等、各特性が改善された材料である。
【0021】特に高速スーパーツイストネマチック(
TN用液晶材料として、(3) の化合物より優位性が
あり、有用である。
【0022】本発明の化合物の具体的構造としては、以
下のような化合物がある。その代表的化合物として、環
の数が2個の化合物として以下のような化合物がある。 R1-A2-CF=CF-A3-R2 (4)
【0023】(4) の化合物としては、より具体的に
は、以下のような化合物がある。なお、本明細書では
「-Ph-」は1,4-フェニレン基を表し、「-Cy-」はトラン
ス-1,4- シクロヘキシレン基を表す。 R1-Ph-CF=CF-Cy-R2 (4A)
【0024】
【化2】
【0025】(4A)の1,4-フェニレン基をトランス-1,4
- シクロヘキシレン基に置換した化合物として以下のよ
うな化合物がある。 R1-Cy-CF=CF-Cy-R2 (4B)
【0026】(4A)の1,4-フェニレン基を一部の水素原
子がフッ素原子に置換されたフェニレン基とした化合物
として以下のような化合物がある。なお、「PhF」 はモノ
フルオロ-1,4- フェニレン基またはポリフルオロ-1,4-
フェニレン基を表、i は1〜4の整数を表す。 R1-PhF-CF=CF-Cy-R2 (4C)
【0027】
【化3】
【0028】また、環の数が3個の化合物として、以下
のような化合物がある。 R1-A1-A2-CF=CF-A3-R2 (5)
【0029】(5) の化合物としては、より具体的には
以下のような化合物がある。 R1-Ph-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5A)
【0030】
【化4】
【0031】(5) の1,4-フェニレン基の1つまたは2
つをトランス-1,4- シクロヘキシレン基に置換した化合
物として以下のような化合物がある。 R1-Cy-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5B) R1-Ph-Cy-CF=CF-Cy-R2 (5C) R1-Cy-Cy-CF=CF-Cy-R2 (5D)
【0032】(5) の1,4-フェニレン基を一部の水素原
子がフッ素原子に置換されたフェニレン基とした化合物
として以下のような化合物がある。 R1-Ph-PhF-CF=CF-Cy-R2 (5E)
【0033】また、環の数が4個の化合物として、以下
のような化合物がある。 R1-A1-A2-CF=CF-A3-A4-R2 (6)
【0034】(6) の化合物としては、より具体的には
以下のような化合物がある。 R1-Ph-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6A)
【0035】
【化5】
【0036】 R1-Cy-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6B) R1-Ph-Cy-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6C) R1-Cy-Cy-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6D) R1-Ph-Ph-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6E) R1-Cy-Ph-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6F) R1-Ph-Cy-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6G) R1-Cy-Cy-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6H) R1-Ph-PhF-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6I)
【0037】このほか、3環以上の化合物の場合、環と
環との間のY1、Y2を単結合以外に変更した以下のような
化合物もある。
【0038】 R1-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5F) R1-Ph-OCO-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5G) R1-Ph-C ≡C-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5H) R1-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5I) R1-Ph-OCH2-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5J) R1-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5K) R1-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6J) R1-Ph-OCO-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6K) R1-Ph-C ≡C-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6L) R1-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6M) R1-Ph-OCH2-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6N) R1-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6O) R1-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-OCO-Ph-R2 (6P)
【0039】また、A3をトランス-1,4- シクロヘキシレ
ン基の水素原子の一部をハロゲン原子またはシアノ基に
置換した基にしてもよい。また、A1、A2、A4の環基の水
素原子の一部をハロゲン原子またはシアノ基に置換した
基にしたり、環を構成する=CH-基の一部を窒素原子に置
換したり、環を構成する-CH2- 基の一部を酸素原子また
は硫黄原子に置換した例として以下のような化合物が挙
げられる。
【0040】
【化6】
【0041】本発明の上記式(1) の化合物は、その少な
くとも1種を他の液晶材料および/または非液晶材料と
混合して液晶組成物にして使用される。それにより、そ
の液晶組成物を低粘性とすることができ、液晶表示素子
とした場合に高速応答が可能になる。
【0042】本発明の化合物と混合させる物質として
は、例えば以下のようなものがある。なお、以下の式で
のRC、RDはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
シアノ基等の基を表す。また、「-NON-」 はアゾキシ基を
表す。
【0043】 RC-Cy-Cy-RD RC-Cy-Ph-RD RC-Ph-Ph-RD
【0044】 RC-Cy-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-CH=CH-Ph-RD RC-Ph-CH=CH-Ph-RD RC-Cy-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-N=N-Ph-RD RC-Ph-NON-Ph-RD RC-Cy-COS-Ph-RD
【0045】 RC-Cy-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-Ph-Cy-RD RC-Ph-Ph-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-OCO-Ph-RD
【0046】
【化7】
【0047】なお、これらの化合物は単なる例示にすぎ
なく、環構造または末端基の水素原子をハロゲン原子、
シアノ基、メチル基等に置換してもよく、シクロヘキサ
ン環、ベンゼン環他の六員環、五員環、例えば、ピリ
ジン環、ジオキサン環等に置換してもよく、環と環の間
の結合基を変更してもよく、所望の性能に合わせて種々
の材料が選択使用されればよい。
【0048】本発明の化合物を含む液晶組成物は、液晶
セルに注入する等して、電極付基板間に挟持され、液
晶電気光学素子を構成する。
【0049】代表的な液晶セルとしては、ツイストネマ
チック(TN)型液晶電気光学素子がある。なお、ここ
で液晶電気光学素子と表現しているのは、表示用途以
外、例えば、調光窓、光シャッター、偏光交換素子等に
も使用できるためである。
【0050】上記液晶電気光学素子は、TN方式、ゲス
ト・ホスト(GH)方式、動的散乱方式、フェーズチェ
ンジ方式、DAP方式、二周波駆動方式、強誘電性液晶
表示方式等種々のモードで使用できる。
【0051】以下に、液晶電気光学素子の構成および製
法の具体例を示す。プラスチック、ガラス等の基板上
に、必要に応じてSiO2、Al2O3 等のアンダーコート層や
カラーフィルター層を形成し、In2O3-SnO2(ITO)、
SnO2等の電極を設け、パターニングした後、必要に応じ
てポリイミド、ポリアミド、SiO2、Al2O3 等のオーバー
コート層を形成し、配向処理し、これにシールを印刷
し、電極面が相対向するように配して周辺をシールし、
シールを硬化して空セルを形成する。
【0052】この空セルに、本発明の化合物を含む液晶
組成物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを
構成する。この液晶セルに必要に応じて偏光板、カラー
偏光板、光源、カラーフィルター、半透過反射板、反射
板、導光板、紫外線カットフィルター等を積層する、文
字、図形等を印刷する、ノングレア加工する等して液晶
電気光学素子とする。
【0053】なお、上述の説明は、液晶電気光学素子の
基本的な構成および製法を示したにすぎなく、例えば2
層電極を用いた基板、2層の液晶層を形成した2層液晶
セル、TFT、MIM等の能動素子を形成したアクティ
ブマトリクス基板を用いたアクティブマトリクス素子
等、種々の構成のものが使用できる。
【0054】本発明の化合物を液晶組成物に用いること
により、高デューティ比での駆動を行っても、高速応答
が期待できる。このため、近年注目されている高ツイス
ト角のSTN型液晶電気光学素子に好適である。その
他、多色性色素を用いたGH型液晶表示素子、強誘電性
液晶電気光学素子等にも使用できる。
【0055】本発明の(1) の化合物は、例えば、次の
方法に従って製造される。
【0056】
【化8】
【0057】なお、式(1) 中、A 1 、A 2 、A 3 、A 4 、Y 1
Y 2 、R 1 、R 2 、m 、n は前記と同じものを示す。
【0058】
【0059】
【0060】X は臭素原子またはヨウ素原子を示す。
【0061】
【0062】式(7) のクロロトリフルオロエチレンをn-
ブチルリチウムによってリチオ化し、次いで式(8) のク
ロロトリメチルシランと反応させることによって、式
(9) の1,1,2-トリフルオロ-2- トリメチルシリルエチレ
ンとする。次に、この化合物(9) を単離することなく、
さらに式(10)のリチウム化合物と反応させることによっ
て、式(11)のジフルオロエチレン化合物を得る。
【0063】そして、得られた化合物(11)をフッ化カリ
ウムと水にて加水分解して、(12)のジフルオロエチレ
ン化合物とする。これをn-ブチルリチウムにてリチオ化
した後、(13)の化合物と反応させることによって、
(1) のジフルオロエチレン誘導体化合物を得ることがで
きる。
【0064】また、(1) の化合物のR1、R2にアシル基
を導入するは、R1、R2が水素原子である(1) の化合
物とアシルハライドとのフリーデル・クラフツ反応を用
いればよい。また、シアノ基を導入するは、R1、R2
臭素原子またはヨウ素原子である(1) の化合物をCuCN
と反応させればよい。また、(1) の化合物のY1、Y2
エチニレン基(-C≡C-)を導入するは、R1、R2が臭素
原子またはヨウ素原子である(1) の化合物とアルキニ
ルリチウム化合物とのカップリング反応を用いればよ
い。
【0065】
【実施例】実施例1 [第1ステップ] 冷却管およびガス吹込み管付きの500ml の三ツ口フラス
コにテトラヒドロフラン(THF)を 100ml入れ、− 1
00℃に冷却した。ここにクロロトリフルオロエチレンを
11.7g(0.1mol) 吹き込んだ。次いで、n-ブチルリチウム
のn-ヘキサン溶液(1.61M) 62.1ml(0.1mol)を30分かけて
滴下した。さらに30分撹拌後、クロロトリメチルシラン
10.9g(0.1mol) を滴下した。
【0066】滴下後、さらに 1時間撹拌後、1-ブロモ−
4-n-プロピルシクロヘキサン20.5g(0.1mol) と金属リチ
ウム0.76g(0.11mol)によって別途合成した1-リチオ−4-
n-プロピルシクロヘキサンのTHF溶液を−100 ℃にて
滴下した。さらに 0℃にて 2時間撹拌後、希塩酸水溶液
を加え、有機を分離した。水を塩化メチレンで抽出
し、有機を合わせて乾燥後、溶媒を留去し、下記の
(Z)-1,2-ジフルオロ-1-(トランス-4-n- プロピルシクロ
ヘキシル)-2-トリメチルシリルエチレンを18.2g(収率7
0%)得た。n-C3H7-Cy-CF=CF-Si(CH3)3
【0067】[第2ステップ] 次に、得られた(Z)-1,2-ジフルオロ-1-(トランス-4-n-
プロピルシクロヘキシル)-2-トリメチルシリルエチレン
18.2g(0.07mol)を50mlのアセトニトリルに溶解し、フッ
化カリウム8.12g(0.14mol)および水3.78g(0.21mol)を加
え、50℃にて 1時間反応させた。冷却後、水 200mlを注
ぎ、塩化メチレンで抽出し、有機を飽和食塩水で洗浄
し、塩化カルシウムで乾燥した。濾過後、溶媒および低
沸物を留去し、さらに減圧蒸留して、下記の(E)-1,2-ジ
フルオロ-1-(トランス-4-n- プロピルシクロヘキシル)
エチレンを10.5g (収率80%)得た。n-C3H7-Cy-CF=CFH
【0068】[第3ステップ] 次に、得られた(E)-1,2-ジフルオロ-1-(トランス-4-n-
プロピルシクロヘキシル) エチレン10.5g(0.056mol) を
50mlのTHFに溶解し、−30℃に冷却した。ここにn-ブ
チルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.61M) 34.8ml(0.056mo
l)を30分かけて滴下した。さらに30分撹拌後、−30℃に
て1-ブロモ-4-n- プロピルシクロヘキサンを12.6g(0.06
2mol) 滴下した。
【0069】さらに 1時間撹拌後、希塩酸水溶液を
え、有機を分離した。水を塩化メチレンで抽出し、
有機を合わせて乾燥後、溶媒を留去し、得られた粗結
晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して
トランス-1,2- ジフルオロ-1,2- ビス( トランス-4-n-
プロピルシクロヘキシル) エチレンを13.1g (収率75
%)得た。 n-C3H7-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0070】
【化9】
【0071】本化合物の分析結果を以下に示す。ただ
し、d はダブレットの意味を表す。19 F NMR(CDCl3)δppm from CFCl3 -155.8ppm(d,JH-F=27Hz) MS m/e 312(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0072】実施例1と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Cy-CF=CF-Cy-CH3 n-C5H11-Cy-CF=CF-Cy-C5H11(n) CF3-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) F-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7O-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH2=CH-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0073】実施例2実施例1の第1ステップにおい
て、1-ブロモ−4-n-プロピルシクロヘキサンのかわり
に、1-ヨード-4-n- プロピルベンゼンを24.6g(0.1mol)
用いる以外は実施例1と同様に反応を行い、下記のトラ
ンス-1,2- ジフルオロ-1-(4-n-プロピルフェニル)-2-(
トランス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチレンを9.
2g(収率31%)得た。 n-C3H7-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0074】
【化10】
【0075】本化合物の分析結果を以下に示す。19 F NMR(CDCl3)δppm from CFCl3 -159.8ppm(d,JH-F=132Hz), -139.6ppm(d,d,JH-F=132Hz,JH-F=27Hz) MS m/e 306(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0076】実施例2と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Ph-CF=CF-Cy-CH3 n-C5H11-Ph-CF=CF-Cy-C5H11(n) CF3-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) F-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH2=CH-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0077】実施例3 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、1,4-ジブロモベンゼン
を23.6g(0.1mol) 用いる以外は実施例1と同様に反応を
行い、下記のトランス-1,2- ジフルオロ-1-(4-ブロモフ
ェニル)-2-( トランス-4-n- プロピルシクロヘキシル)
エチレンを11.0g (収率32%)得た。 Br-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0078】
【化11】
【0079】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 343(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0080】実施例3と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 Br-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0081】比較例1冷却管およびガス吹込み管付きの
200mlの三ツ口フラスコに1-ヨード-4-n- プロピルベ
ゼン2.46g(10mmol) 、1,4-ジブロモベンゼン2.36g(10mm
ol) およびジエチルエーテル50mlを入れ、−78℃に冷却
した。次いでn-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.61
M) 12.4ml(20mmol)を30分かけて滴下した。さらに30分
撹拌後、テトラフルオロエチレン10g(0.1mol) を、温度
10℃まで昇温しながら吹き込んだ。さらに室温で 1時間
撹拌後、希塩酸水溶液を加え、有機を分離した。水
ジエチルエーテルで抽出し、有機を合わせて乾燥
後、溶媒を留去し、1,2-ジフルオロ-1-(4-ブロモフェニ
ル)-2-(4-n-プロピルフェニル) エチレンを0.27g (収
率 8%)得た。
【0082】実施例3と比較例1より明らかなように、
本発明の化合物は、収率においてもジフルオロスチルベ
ンタイプの化合物より有利である。
【0083】実施例4 冷却管付きの 300mlの三ツ口フラスコに、CuCN 0.90g
(0.01mol) および無水ジメチルスルホキシド(DMS
O)50mlを入れ、90℃に加熱し溶解させた。次いで、撹
拌下、実施例3にて得られたトランス-1,2- ジフルオロ
-1-(4-ブロモフェニル)-2-( トランス-4-n- プロピルシ
クロヘキシル) エチレン3.43g(0.01mol)のDMSO溶液
を滴下した。その後さらに 150℃にて 1時間撹拌後、室
温まで冷却した。
【0084】水 200mlを注ぎ、塩化メチレンで抽出し、
有機を飽和食塩水で洗浄し、塩化カルシウムで乾燥し
た。濾過後、溶媒を留去し、得られた固体をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにて精製して、下記のトラン
ス-1,2- ジフルオロ-1-(4-シアノフェニル)-2-( トラン
ス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチレンを2.57g
(収率89%)得た。 NC-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0085】
【化12】
【0086】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 289(M+) IR 1230cm-1(C-F),2230cm-1(C≡N)
【0087】実施例5 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに2-ブロモ-5- メチルピリ
ミジを17.5g(0.1mol) 用いて実施例1と同様に反応を
行い、下記のトランス-1,2- ジフルオロ-1-(5-メチルピ
リミジン−2-イル)-2-( トランス-4-n- プロピルシクロ
ヘキシル) エチレンを8.5g(収率30%)得た。 CH3-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0088】
【化13】
【0089】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 282(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0090】実施例5と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。なお、-Py-はピリミジン-2,5- ジイル
基を表す。 n-C3H7-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7O-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0091】実施例6実施例1の第1ステップにおい
て、1-ブロモ-4-n- プロピルシクロヘキサンのかわりに
トランス-1- ブロモ-4-(4-n-プロピルフェニル) シクロ
ヘキサンを28.1g(0.1mol) 用いて反応を行い、実施例1
と同様にして下記のトランス-1,2- ジフルオロ-1-(トラ
ンス-4- プロピルシクロヘキシル)-2-[4-(トランス-4-n
- プロピルフェニル) シクロヘキシル] エチレンを14.7
g (収率38%)得た。 n-C3H7-Ph-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0092】
【化14】
【0093】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 388(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0094】実施例6と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 n-C3H7-Ph-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7-Cy-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7-Cy-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0095】実施例7 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、1-ヨード-4-n- プロピ
ルベンゼンを24.6g(0.1mol) 用い、第3ステップにおい
て、1-ブロモ-4-n- プロピルシクロヘキサンのかわり
に、トランス-1-ブロモ-4-(4-n-プロピルシクロヘキシ
ル) シクロヘキサンを10.9g(0.038mol) 用いる以外は実
施例1と同様に反応を行い、下記のトランス-1,2- ジフ
ルオロ-1-(4-プロピルフェニル)-2-[4-(トランス-4-n-
プロピルシクロヘキシル) シクロヘキシル] エチレンを
10.5g (収率27%)得た。n-C3H7-Ph-CF=CF-Cy-Cy-C3H7
(n)
【0096】
【化15】
【0097】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 388(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0098】実施例7と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 n-C3H7-Ph-CF=CF-Cy-Ph-C3H7(n)
【0099】実施例8 アルゴン雰囲気下、還流管付きの 100ml三ツ口フラス
コにマグネシウム0.13g(0.0055mol)および乾燥THF10
mlを入れた。次いで、1-ブロモプロパンを数滴加え、さ
らに4-メチルフェネチルブロミド1.01g(0.0055mol)を発
熱が続く速度で滴下した。滴下終了後、さらに 1時間還
流を続けた後、室温まで放冷した。
【0100】別途、アルゴン雰囲気下、還流管付きの 1
00ml三ツ口フラスコ中に、実施例3にて得られたトラ
ンス-1,2- ジフルオロ-1-(4-ブロモフェニル)-2-( トラ
ンス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチレン1.72g(0.
005mol) および1,3-ビス( ジフェニルホスフィノ) プロ
パンジクロロニッケル [NiCl2(dppp)]0.1gを含む乾燥T
HF溶液20mlを入れ、この中に上記溶液を滴下漏斗を用
いて滴下した。
【0101】滴下後さらに室温にて24時間撹拌した後、
水20mlを加えた。さらに20%塩酸20mlを加えて有機
分離し、水洗、乾燥後、溶媒を留去した。得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し
て、下記のトランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(4- メチル
フェネチル) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシ
クロヘキシル) エチレンを1.15g (収率60%)得た。 CH3-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0102】
【化16】
【0103】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 382(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0104】実施例8と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Ph-CH2CH2-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0105】実施例9 実施例8において、4-メチルフェネチルブロミドのかわ
りに1-ブロモ-2-(4-メチルフェニル) エテンを1.08g(0.
0055mol)用いる以外は、実施例8と同様に反応を行い、
下記のトランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(2-p- トリルエ
テニル) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシクロ
ヘキシル) エチレンを1.24g (収率65%)得た。 CH3-Ph-CH=CH-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0106】
【化17】
【0107】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 380(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0108】実施例9と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Ph-CH=CH-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CH=CH-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0109】実施例10 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、4-ブロモ-4'-メチルト
ランを27.1g(0.1mol) 用いる以外は実施例1と同様に反
応を行い、下記のトランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(2-p
- トリルエチニル) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロ
ピルシクロヘキシル) エチレンを10.2g(収率27%)得
た。 CH3-Ph-C≡C-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0110】
【化18】
【0111】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 378(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0112】実施例10と同様にして、以下の化合物を
得ることができる。 CH3-Ph-C≡C-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-C ≡C-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0113】実施例11[第1ステップ] 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、2-(4- ヨードフェノキ
シ) テトラヒドロピラを用いる以外は実施例1と同様
に反応を行い、最後に酸で処理することによって、トラ
ンス-1,2- ジフルオロ-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(
トランス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチレンを8.
4g(収率29%)得た。
【0114】[第2ステップ] 次いで、得られたトランス-1,2- ジフルオロ-1-(4-ヒド
ロキシフェニル)-2-(トランス-4-n- プロピルシクロヘ
キシル) エチレン2.80g(0.01mol)、炭酸カリウム1.52g
およびアセトンを30ml加え、さらに室温下でα- ブロモ
-p- キシレンを2.79g 滴下した。 4時間還流させた後、
冷却し、濾過後、溶媒を留去し、得られた粗結晶をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、下記の
トランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(4- メチルベンジルオ
キシ) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシクロヘ
キシル) エチレンを3.65g (収率95%)得た。 CH3-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0115】
【化19】
【0116】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 384(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0117】実施例11と同様にして、以下の化合物を
得ることができる。 CH3-Ph-CH2O-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0118】実施例12 実施例11の第1ステップで得られたトランス-1,2- ジ
フルオロ-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-( トランス-4-n
- プロピルシクロヘキシル) エチレン2.80g(0.01mol)を
20mlの塩化メチレンに溶解し、 室温下ピリジンを0.87g
加え、 0℃に冷却後、さらにp-トルイル酸クロリドを1.
70g 滴下した。
【0119】室温下にて 1時間撹拌し、冷却後、希塩酸
を加え、濾過後、溶媒を留去して得られた粗結晶をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、下記の
トランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(4- メチルベンゾイル
オキシ) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシクロ
ヘキシル) エチレンを3.70g (収率93%)得た。 CH3-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0120】
【化20】
【0121】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 398(M+) IR 1230cm-1(C-F),1720cm-1(C=O)
【0122】実施例12と同様にして、以下の化合物を
得ることができる。 CH3-Ph-COO-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0123】実施例13 メルク社製液晶組成物「ZLI-1565」80wt%に、実施例1
で得られたトランス-1,2- ジフルオロ-1,2- ビス( トラ
ンス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチレンを20wt%
加えて液晶組成物とした。比較例として、メルク社製液
晶組成物「ZLI-1565」のみ(比較例2)およびメルク社
製液晶組成物「ZLI-1565」80wt%にトランス-4,4'-ビス
-(n-プロピル) ジフルオロスチルベンを20wt%加えた液
晶組成物(比較例3)を作成した。これらを偏光板付き
の液晶セルに封入して、STN型液晶表示素子を作成し
た。
【0124】この実施例13および比較例3の液晶表示
素子の表示特性はほぼ同程度であり、比較例2の素子に
比べて高速応答が得られた。次いで、実施例13および
比較例3の液晶表示素子を紫外線カーボンアークランプ
で 200時間照射した。照射後、各素子内の液晶組成物を
分析した。
【0125】その結果、実施例13の液晶組成物の場合
には、ほとんど新たな化合物の生成は認められなかっ
た。一方、比較例3の液晶組成物の場合には、シス-4,
4'-ビス-(n-プロピル) ジフルオロスチルベンの発生が
確認された。
【0126】
【発明の効果】本発明の前記式(1) で表される化合物
は、比較的小さい屈折率異方性(△n)を有しており、
低粘性であり、かつ、他の液晶または非液晶との相溶性
に優れ、化学的にも安定な材料である。液晶組成物とし
て用いることにより、少量の添加でも応答速度が向上
、低電圧駆動、高デューティ駆動、広温度域動作等
が可能になる。
【0127】また、ジフルオロスチルベンタイプの液晶
よりも、光に対して安定であり耐久性が向上する、弾性
係数(K33/K11)が増加し高コントラス化する、
液晶上限温度(TC )が上昇し液晶温度幅が増大する、
粘度(η)が減少し高速応答に有利になる等、各特性が
改善された材料である。
【0128】特に高速STN用液晶材料として、ジフル
オロスチルベンタイプの液晶より優位性があり、有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 19/30 C09K 19/30 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 宮島 隆 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社 中央研究所内 (72)発明者 高 英昌 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160 番地 エイ・ジー・テクノロジー株式会 社内 (72)発明者 町田 勝利 神奈川県高座郡寒川町岡田4−16−31 (56)参考文献 特開 平3−41037(JP,A) 特開 平3−294386(JP,A) 特開 平6−234973(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記 (1)で表されるジフルオロエチレン
    誘導体化合物。 R1-(A1)m-Y1-A2-CF=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (1) ただし、(1) 中、A1、A2、A3、A4、Y1、Y2、R1、R2
    m 、n は下記のものを示す。A3はトランス-1,4- シクロ
    ヘキシレン基であり、A1、A2、A4は相互に独立してトラ
    ンス-1,4- シクロヘキシレン基または1,4-フェニレン基
    であり、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 は夫々非置換であってもよ
    く、置換基として1個以上のハロゲン原子またはシアノ
    基を有していてもよく、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 中の環を構
    成する1個以上の=CH-基は窒素原子に置換されていても
    よく、A 1 、A 2 、A 3 およびA 4 中の環を構成する1個以上の
    -CH2-基は酸素原子または硫黄原子に置換されていても
    よい。Y1、Y2は相互に独立して-COO- 、-OCO- 、-C≡C
    -、-CH2CH2-、-CH=CH- 、-OCH2-、-CH2O-または単結合
    を示す。R1、R2は相互に独立して炭素数 1〜10のアルキ
    ル基、ハロゲン原子またはシアノ基を示し、アルキル基
    である場合には、このアルキル基中の炭素−炭素結合間
    またはこのアルキル基と環基との間の炭素−炭素結合間
    に酸素原子、カルボニルオキシ基またはオキシカルボニ
    ル基が挿入されてもよく、のアルキル基中の炭素−炭
    素結合の一部が三重結合または二重結合にされていても
    よく、のアルキル基内の1個の-CH2- 基がカルボニル
    基に置換されていてもよく、のアルキル基中の水素原
    子の一部または全部がフッ素原子で置換されていてもよ
    い。m 、n は相互に独立して 0または 1を示す。
  2. 【請求項2】下記 (2)(ただし、 (2)中A2、A3、R1
    およびR2については、 (1)と同じものを示す)で表さ
    れる請求項1記載のジフルオロエチレン誘導体化合物。 R1-A2-CF=CF-A3-R2 (2)
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のジフルオロエチレ
    ン誘導体化合物から選ばれる液晶性を有する化合物。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載のジフルオロエ
    チレン誘導体化合物を少なくとも1種含有する液晶組成
    物。
  5. 【請求項5】求項4記載の液晶組成物を電極付基板
    間に挟持してなる液晶電気光学素子。
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