JPH06329566A - ジフルオロスチルベン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物 - Google Patents

ジフルオロスチルベン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物

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JPH06329566A
JPH06329566A JP5142821A JP14282193A JPH06329566A JP H06329566 A JPH06329566 A JP H06329566A JP 5142821 A JP5142821 A JP 5142821A JP 14282193 A JP14282193 A JP 14282193A JP H06329566 A JPH06329566 A JP H06329566A
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liquid crystal
compound
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JP5142821A
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Jun Irisawa
潤 入澤
Osamu Yokokoji
修 横小路
Tamaki Shimizu
環 清水
Yoshiaki Ishida
嘉明 石田
Hidemasa Ko
英昌 高
Keiko Oike
啓子 尾池
Katsutoshi Machida
勝利 町田
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Seimi Chemical Co Ltd
AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
Seimi Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0444Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group
    • C09K2019/0459Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group the linking chain being a -CF=CF- chain, e.g. 1,2-difluoroethen-1,2-diyl

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  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式A1-CF=CF-A2 (A1は置換されてもよいフ
ェニル基であり、A2は少なくとも1つの-Fまたは-OCF3
で置換されたフェニル基)で表され、かつ、紫外吸収領
域に現れる吸収帯の長波長側の吸収端が、トランス-1,2
- ジフルオロ-1,2- ビス(4-メトキシフェニル)エチレ
ンよりも短波長側である化合物。 【効果】この化合物は、低粘性であり、光に対しても安
定であるので、液晶組成物に使用することにより、高速
応答が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジフルオロスチルベン
誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめ、
近年では測定器、自動車用計器、複写器、カメラ、OA
機器用表示装置、家電製品用表示装置等種々の用途に使
用され始めており、広い動作温度範囲、低動作電圧、高
速応答性、高コントラスト比、広視角、化学的安定性等
の種々の性能要求がなされている。
【0003】しかし、現在のところ、これらの特性を単
独の材料ですべて満たす材料はなく、複数の液晶、およ
び非液晶の材料を混合して液晶組成物として要求性能を
満たしている状態である。このため、各種特性のすべて
ではなく、一または二以上の特性に優れた液晶または非
液晶の材料開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶を用いた表示素子
分野においては、その性能向上が望まれており、低電圧
駆動、高精細表示、高コントラスト比、広視角特性、低
温応答特性、広動作温度範囲等が望まれており、これら
はいずれかを向上させると他のいずれかが犠牲になると
いう傾向がある。
【0005】特に、最近、電池駆動においては低電圧駆
動と高速応答、OA機器等においては高精細表示と高速
応答、自動車用表示等においては低温応答もしくは広動
作温度範囲で高速応答というように、その応答速度の向
上が望まれている。
【0006】このためには、いくつかの改善方法が考え
られるが、その一つとして低粘性の液晶組成物の採用が
ある。即ち、液晶組成物の粘性が低下すれば、応答速度
は向上し、低温でも実用的な速度での表示が可能にな
る。また、従来と同じ応答速度でよければ、より低電圧
で駆動できたり、より高いデューティ駆動が可能、即
ち、高精細駆動が可能になる。
【0007】このような目的のため、特開平3−410
37にてp,p'- 二置換ジフルオロスチルベン化合物が提
案されている。この化合物は以下の一般式(2)で示さ
れるような化学構造を有している。
【0008】
【化2】
【0009】ただし、一般式(2)のRA、RBはn-アルキ
ル基、n-アルコキシ基、n-アルコキシカルボニル基を意
味する。
【0010】この一般式(2)の化合物は、低粘性でフ
ッ素置換されていないスチルベン化合物よりも光に対す
る安定性が向上しているものであった。しかし、通常使
用されている一般の液晶化合物に比しては、光に対する
安定性がまだ劣っており、使用環境が限定されたり、紫
外線カットフィルターを併用せざるを得ないことが多か
った。
【0011】したがって、低粘性で光に対する安定性が
高い液晶材料が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべく、新規な材料を提供するものであり、下記一
般式 (1) で表され、かつ、紫外吸収領域に現れる吸収
帯の長波長側の吸収端が、トランス-1,2- ジフルオロ-
1,2- ビス(4-メトキシフェニル)エチレンの該吸収端
よりも短波長側であることを特徴とするジフルオロスチ
ルベン誘導体化合物を提供するものである。
【0013】
【化3】
【0014】ただし、一般式 (1) 中、R1、R2、R3、X
、Y 、Z は下記のものを示す。R1、R2、R3は相互に独
立して水素原子、炭素数 1〜10のアルキル基、ハロゲン
原子あるいはシアノ基を示し、アルキル基の場合には、
このアルキル基中の炭素−炭素結合間あるいはこのアル
キル基と環基との間の炭素−炭素結合間に酸素原子、カ
ルボニルオキシ基、あるいはオキシカルボニル基が挿入
されてもよく、また、そのアルキル基中の炭素−炭素結
合の一部が三重結合あるいは二重結合に置換されていて
もよく、また、そのアルキル基内の1個の-CH2- 基がカ
ルボニル基に置換されていてもよく、また、そのアルキ
ル基中の水素原子の一部もしくはすべてがフッ素原子で
置換されていてもよい。X 、Y 、Z は、相互に独立して
水素原子、フッ素原子、-OCF3 あるいは炭素数1〜10の
アルキル基であり、かつ、そのうちの少なくとも1つは
フッ素原子または-OCF3 である。なお、アルキル基の場
合には、このアルキル基中の炭素−炭素結合間あるいは
このアルキル基と環基との間の炭素−炭素結合間に酸素
原子、カルボニルオキシ基、あるいはオキシカルボニル
基が挿入されてもよく、また、そのアルキル基中の炭素
−炭素結合の一部が三重結合あるいは二重結合に置換さ
れていてもよく、また、そのアルキル基内の1個の-CH2
- 基がカルボニル基に置換されていてもよく、また、そ
のアルキル基中の水素原子の一部もしくはすべてがフッ
素原子で置換されていてもよい。
【0015】また、一般式(1)で示される化合物を含
有することを特徴とする液晶組成物を提供する。
【0016】さらに、一般式(1)で示される化合物を
電極付基板間に挟持してなる液晶電気光学素子を提供す
る。
【0017】本発明の化合物は、紫外吸収領域に現れる
吸収帯の長波長側の吸収端が、トランス-1,2- ジフルオ
ロ-1,2- ビス(4-メトキシフェニル)エチレンの該吸収
端よりも短波長側であることが重要である。
【0018】高Δn、低粘性の液晶化合物と知られてい
るトランス-1,2- ジフルオロ-1,2-ビス(4-メトキシフ
ェニル)エチレンよりも紫外光吸収スペクトルの長波長
側の吸収端を短波長側にシフトさせることにより、約29
0nm より立ち上がり長波長ほど光の強度が強くなる太陽
光の紫外光波長分布とトランスジフルオロスチルベン誘
導体の紫外光吸収領域との重なりを小さくすることがで
き、対紫外光安定性を向上させることができる。
【0019】また、この際、紫外線カットフィルターを
併用することにより、効果的に対紫外高安定性を向上さ
せることができる。
【0020】本発明の化合物には以下のような化合物が
ある。
【0021】
【化4】
【0022】さらに、具体的には以下のような化合物を
挙げることができる。なお、式中、nは1〜10の整数
である。
【0023】
【化5】
【化6】
【0024】本発明の上記のような化合物は、公知のジ
フルオロスチルベン化合物のなかでも特に、光安定性に
優れており、低粘性化合物である。また、他の液晶材料
または非液晶材料と混合して液晶組成物にすることによ
り、その液晶組成物を低粘性とすることができ、液晶表
示素子とした場合に高速応答が可能になる。
【0025】本発明の一般式(1)の化合物は、他の液
晶、非液晶に、少なくとも1種を混合することにより液
晶組成物として使用される。
【0026】本発明の一般式(1)の化合物は、その少
なくとも1種を、他の液晶材料および/または非液晶材
料と混合して液晶組成物にして使用される。それにより
その液晶組成物を低粘性とすることができ、液晶表示素
子とした場合に高速応答が可能になる。
【0027】本発明の化合物と混合させる物質として
は、例えば以下のようなものがある。なお、以下の式で
のRC、RDはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
シアノ基等の基を表す。また、以下の説明においては、
以下に示す化合物に限らず、「-Ph-」は1,4-フェニレン
基、「-Cy-」はトランス−1,4-シクロヘキシレン基を示
す。ただし、「-NON- 」はアゾキシ基を表す。
【0028】RC-Cy-Cy-RD RC-Cy-Ph-RD RC-Ph-Ph-RD
【0029】RC-Cy-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-CH=CH-Ph-RD RC-Ph-CH=CH-Ph-RD RC-Cy-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-N=N-Ph-RD RC-Ph-NON-Ph-RD RC-Cy-COS-Ph-RD
【0030】RC-Cy-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-Ph-Cy-RD RC-Ph-Ph-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-OCO-Ph-RD
【0031】
【化7】
【0032】なお、これらの化合物は単なる例示にすぎ
なく、環構造もしくは末端基の水素原子をハロゲン原
子、シアノ基、メチル基等に置換してもよく、また、シ
クロヘキサン環、ベンゼン環を他の六員環、五員環、例
えば、ピリジン環、ジオキサン環等に置換してもよく、
さらに、環と環の間の結合基を変更することも可能であ
り、所望の性能に合わせて種々の材料が選択使用されれ
ばよい。
【0033】本発明の化合物を含む液晶組成物は、液晶
セルに注入する等して、電極付の基板間に挟持され、液
晶電気光学素子を構成する。
【0034】代表的な液晶セルとしては、ツイストネマ
チック(TN)型液晶電気光学素子がある。なお、ここ
で液晶電気光学素子と表現しているのは、表示用途以
外、例えば、調光窓、光シャッター、偏光交換素子等に
も使用できることを明らかにしているためである。
【0035】上記液晶電気光学素子は、TN方式、ゲス
トホスト(GH)方式、動的散乱方式、フェーズチェン
ジ方式、DAP方式、二周波駆動方式、強誘電性液晶表
示方式等種々のモードで使用することができる。
【0036】以下に、液晶電気光学素子の構成および製
法の具体例を示す。プラスチック、ガラス等の基板上
に、必要に応じてSiO2、Al2O3 等のアンダーコート層や
カラーフィルター層を形成し、In2O3-SnO2(ITO)、
SnO2等の電極を設け、パターニングした後、必要に応じ
てポリイミド、ポリアミド、SiO2、Al2O3 等のオーバー
コート層を形成し、配向処理し、これにシール材を印刷
し、電極面が相対向するように配して周辺をシールし、
シール材を硬化して空セルを形成する。
【0037】この空セルに、本発明の化合物を含む組成
物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを構成
する。この液晶セルに必要に応じて偏光板、カラー偏光
板、光源、カラーフィルター、半透過反射板、反射板、
導光板、紫外線カットフィルター等を積層する、文字、
図形等を印刷する、ノングレア加工する等して液晶電気
光学素子とする。
【0038】なお、上述の説明は、液晶電気光学素子の
基本的な構成および製法を示したにすぎなく、例えば2
層電極を用いた基板、2層の液晶層を形成した2層液晶
セル、TFT、MIM等の能動素子を形成したアクティ
ブマトリクス基板を用いたアクティブマトリクス素子
等、種々の構成のものが使用できる。
【0039】本発明の化合物を液晶組成物に用いること
により、高デューティ駆動を行っても、高速応答が期待
できる。このため、近年注目されている高ツイスト角の
スーパーツイスト(STN)型液晶電気光学素子に好適
である。その他、多色性色素を用いたGH型液晶表示素
子、強誘電性液晶電気光学素子等にも使用できる。
【0040】本発明の一般式(1)の化合物は、例え
ば、次の方法に従って製造される。
【0041】
【化8】
【0042】なお、R1、R2、R3は相互に独立して水素原
子、炭素数 1〜10のアルキル基、ハロゲン原子あるいは
シアノ基を示し、アルキル基の場合には、このアルキル
基中の炭素−炭素結合間あるいはこのアルキル基と環基
との間の炭素−炭素結合間に酸素原子、カルボニルオキ
シ基、あるいはオキシカルボニル基が挿入されてもよ
く、また、そのアルキル基中の炭素−炭素結合の一部が
三重結合あるいは二重結合に置換されていてもよく、ま
た、そのアルキル基内の1個の-CH2- 基がカルボニル基
に置換されていてもよく、また、そのアルキル基中の水
素原子の一部もしくはすべてがフッ素原子で置換されて
いてもよい。X 、Y 、Z は、相互に独立して水素原子、
フッ素原子、-OCF3 あるいは炭素数1〜10のアルキル基
であり、かつ、そのうちの少なくとも1つはフッ素原子
または-OCF3 である。なお、アルキル基の場合には、こ
のアルキル基中の炭素−炭素結合間あるいはこのアルキ
ル基と環基との間の炭素−炭素結合間に酸素原子、カル
ボニルオキシ基、あるいはオキシカルボニル基が挿入さ
れてもよく、また、そのアルキル基中の炭素−炭素結合
の一部が三重結合あるいは二重結合に置換されていても
よく、また、そのアルキル基内の1個の-CH2- 基がカル
ボニル基に置換されていてもよく、また、そのアルキル
基中の水素原子の一部もしくはすべてがフッ素原子で置
換されていてもよい。また、W は、Cl、BrまたはI であ
る。
【0043】式(3) のブロモトリフルオロエチレンを亜
鉛金属によって有機亜鉛化合物とし、次いで式(4) のヨ
ードベンゼン誘導体とパラジウム触媒の存在下反応させ
ることによって、式(5) のトリフルオロエチレン化合物
を得る。
【0044】次いで、式(6) のベンゼン誘導体化合物を
n-ブチルリチウムにてリチオ化した後、先に得られた化
合物(5) と反応させて一般式(1) のジフルオロスチルベ
ン化合物を得ることができる。
【0045】
【実施例】
実施例1 [第1ステップ]冷却管およびガス吹き込み管付きの10
0ml の三ツ口フラスコに無水N,N-ジメチルホルムアミド
(DMF) を 20ml 入れ、−10℃に冷却した。ここにブロモ
トリフルオロエチレンを2.75g(17mmol) 吹き込んだ。次
いで、活性亜鉛0.90g を加え、室温下で1時間撹拌し
た。そしてさらにn-ペンチルヨードベンゼン2.56g(9.3m
mol)およびPd(PPh3)4 を0.2g加え、70℃にて4時間反応
させた。
【0046】冷却後、過剰の亜鉛を濾過し、濾液に100m
l の希塩酸を加え、塩化メチレンで抽出し、水で洗浄、
乾燥後、溶媒を留去した。得られた液体をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにて精製して、1,1,2-トリフル
オロ-1-(4-n-ペンチルフェニル) エチレンを1.43g (収
率67%)得た。
【0047】[第2ステップ]次に、50mlの三ツ口フラ
スコに無水エーテル15mlおよび4-フルオロヨードベンゼ
ン1.42g(6.4mmol)を仕込み、−78℃に冷却した。次い
で、n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.63M) 4.3ml
(7mmol)を滴下した。1時間撹拌後、第1ステップで得
られた1,1,2-トリフルオロ-1-(4-n-ペンチルフェニル)
エチレン1.43g(6.4mmol)を滴下した。−78℃にて1時間
撹拌後、室温まで昇温し、希塩酸水溶液を加え、有機層
を分離した。水層をエーテルで抽出し、有機層を合わせ
て乾燥後、溶媒を留去し、得られた粗油をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにて精製して、(Z)-1,2-ジフル
オロ-1- (4-フルオロフェニル)-2-(4-n-ペンチルフェ
ニル) エチレンを1.17g (収率60%)得た。なお、以下
の説明においては、下式で示す化合物に限らず、「-Ph-
F 」は4-フルオロフェニル基、「-Ph-FF」は3,4-ジフル
オロフェニル基、「-Ph-FFF 」は3,4,5-トリフルオロフ
ェニル基を示す。 C5H11-Ph-CF=CF-Ph-F
【0048】
【化9】
【0049】本化合物の分析結果を以下に示す。
【0050】また、本化合物について、紫外吸収領域に
現れる吸収帯の長波長側の吸収端の波長を測定した結
果、 340nmであった。一方、トランス-1,2- ジフルオロ
-1,2-ビス(4-メトキシフェニル)エチレンの該吸収端
の波長は350nm であり、本化合物は、トランス-1,2- ジ
フルオロ-1,2- ビス(4-メトキシフェニル)エチレンと
比較し、該吸収端が短波長側であることが判明した。
【0051】なお、紫外吸収スペクトルの測定は、自記
分光光度計UV−3100(島津製作所製)を用い、溶
媒には、シクロヘキサンを用いた。試料の濃度は1×10
-5mol/l とし、パス長さ(Path Length )が1cmの石英
セルを用いて測定した。このとき、バックグラウンド補
正を大気を参照とし、スリット幅は2nmとした。測定し
た波長領域は、長波長側は500nm から、短波長側は200n
m までとした。
【0052】実施例1と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 C3H7-Ph-CF=CF-Ph-F C2H5O-Ph-CF=CF-Ph-F CH2=CHCH2-Ph-CF=CF-Ph-F CF3-Ph-CF=CF-Ph-F CF3O-Ph-CF=CF-Ph-F CH3CH2CF2-Ph-CF=CF-Ph-F CH3CF2O-Ph-CF=CF-Ph-F
【0053】実施例2 実施例1の第2ステップにおいて、4-フルオロヨードベ
ンゼンのかわりに3,4-ジフルオロブロモベンゼンを1.24
g(6.4mmol)用いる以外は実施例1と同様に反応を行い、
(Z)-1,2-ジフルオロ-1- (3,4-ジフルオロフェニル)-2
-(4-n-ペンチルフェニル) エチレンを1.17g (収率63
%)得た。 C5H11-Ph-CF=CF-Ph-FF
【0054】
【化10】
【0055】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 322(M+)
【0056】実施例2と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 C3H7-Ph-CF=CF-Ph-FF C2H5O-Ph-CF=CF-Ph-FF CH2=CHCH2-Ph-CF=CF-Ph-FF CF3-Ph-CF=CF-Ph-FF CF3O-Ph-CF=CF-Ph-FF
【0057】実施例3 実施例1の第2ステップにおいて、4-フルオロヨードベ
ンゼンのかわりに3,4,5-トリフルオロブロモベンゼンを
1.35g(6.4mmol)用いる以外は実施例1と同様に反応を行
い、(Z)-1,2-ジフルオロ-1- (3,4,5-トリフルオロフェ
ニル)-2-(4-n-ペンチルフェニル) エチレンを1.17g
(収率58%)得た。 C5H11-Ph-CF=CF-Ph-FFF
【0058】
【化11】
【0059】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 340(M+)
【0060】実施例3と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 C3H7-Ph-CF=CF-Ph-FFF C2H5O-Ph-CF=CF-Ph-FFF CH2=CHCH2-Ph-CF=CF-Ph-FFF CF3-Ph-CF=CF-Ph-FFF CF3O-Ph-CF=CF-Ph-FFF
【0061】実施例4 実施例1の第2ステップにおいて、4-フルオロヨードベ
ンゼンのかわりに4-トリフルオロメトキシクロロベンゼ
ンを1.26g(6.4mmol)用いる以外は実施例1と同様に反応
を行い、(Z)-1,2-ジフルオロ-1- (4-トリフルオロメト
キシフェニル)-2-(4-n-ペンチルフェニル) エチレンを
1.17g (収率55%)得た。 C5H11-Ph-CF=CF-Ph-OCF3
【0062】
【化12】
【0063】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 370(M+)
【0064】実施例3と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 C3H7-Ph-CF=CF-Ph-OCF3 C2H5O-Ph-CF=CF-Ph-OCF3 CH2=CHCH2-Ph-CF=CF-Ph-OCF3 CF3-Ph-CF=CF-Ph-OCF3
【0065】実施例5 実施例1の化合物のネマチック−等方性液体相転移点
(N-I 点)および粘度を測定した結果、N-I 点は54℃で
あり、粘度は 0℃で10.4cSt 、25℃で6.4cStであった。
一方、比較例1として、トランス-4,4'-ビス-(n-ペンチ
ル) ジフルオロスチルベンについて同様に測定した結
果、N-I 点は86℃であり、粘度は 0℃で144.5cSt、25℃
で16.6cSt であった。
【0066】実施例6 メルク社製液晶組成物「ZLI-1565」80wt%に、本発明の
実施例1の化合物を20wt%加えて液晶組成物(実施例
6)とした。比較例として、メルク社製液晶組成物「ZL
I-1565」のみの液晶組成物(比較例2)およびメルク社
製液晶組成物「ZLI-1565」80wt%にトランス-4,4'-ビス
-(n-プロピル) ジフルオロスチルベンを20wt%加えた液
晶組成物(比較例3)を作成した。これらをそれぞれ偏
光板付きの液晶セルに封入して、STN型液晶表示素子
を作成した。
【0067】この実施例6および比較例2の液晶組成物
を用いた液晶表示素子の表示特性はほぼ同程度であった
が、実施例6の液晶組成物を用いた液晶表示素子は比較
例2の素子に比べて高速応答が得られた。
【0068】次いで、実施例6および比較例3の液晶表
示素子を紫外線カーボンアークランプで 500時間照射し
た。照射後、各素子内の液晶組成物を分析した。その結
果、実施例6の液晶組成物の場合には、ほとんど新たな
化合物の生成は認められなかった。一方、比較例3の液
晶組成物の場合には、シス-4,4'-ビス-(n-プロピル)ジ
フルオロスチルベンの発生が確認された。
【0069】
【発明の効果】本発明の一般式(1) (R1、R2、R3、X 、
Y 、Z については前記の意味を持つ)で示される化合物
は、公知のジフルオロスチルベン化合物の中でも特に粘
性が低く、液晶組成物として用いることにより、少量の
添加でも応答速度が向上するものであり、低電圧駆動、
高デューティ駆動、広温度域動作等が可能になる。
【0070】また、紫外線等に対する耐久性も公知のジ
フルオロスチルベンタイプの液晶の中でも特に高く、そ
の低粘性の特徴を充分活かすことができる。
フロントページの続き (72)発明者 清水 環 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 石田 嘉明 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 高 英昌 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内 (72)発明者 尾池 啓子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内 (72)発明者 町田 勝利 神奈川県高座郡寒川町岡田4−16−31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 (1) で表され、かつ、紫外吸
    収領域に現れる吸収帯の長波長側の吸収端が、トランス
    -1,2- ジフルオロ-1,2- ビス(4-メトキシフェニル)エ
    チレンの該吸収端よりも短波長側であることを特徴とす
    るジフルオロスチルベン誘導体化合物。 【化1】 ただし、一般式 (1) 中、R1、R2、R3、X 、Y 、Z は下
    記のものを示す。R1、R2、R3は相互に独立して水素原
    子、炭素数 1〜10のアルキル基、ハロゲン原子あるいは
    シアノ基を示し、アルキル基の場合には、このアルキル
    基中の炭素−炭素結合間あるいはこのアルキル基と環基
    との間の炭素−炭素結合間に酸素原子、カルボニルオキ
    シ基、あるいはオキシカルボニル基が挿入されてもよ
    く、また、そのアルキル基中の炭素−炭素結合の一部が
    三重結合あるいは二重結合に置換されていてもよく、ま
    た、そのアルキル基内の1個の-CH2- 基がカルボニル基
    に置換されていてもよく、また、そのアルキル基中の水
    素原子の一部もしくはすべてがフッ素原子で置換されて
    いてもよい。X 、Y 、Z は、相互に独立して水素原子、
    フッ素原子、-OCF3 あるいは炭素数1〜10のアルキル基
    であり、かつ、そのうちの少なくとも1つはフッ素原子
    または-OCF3 である。なお、アルキル基の場合には、こ
    のアルキル基中の炭素−炭素結合間あるいはこのアルキ
    ル基と環基との間の炭素−炭素結合間に酸素原子、カル
    ボニルオキシ基、あるいはオキシカルボニル基が挿入さ
    れてもよく、また、そのアルキル基中の炭素−炭素結合
    の一部が三重結合あるいは二重結合に置換されていても
    よく、また、そのアルキル基内の1個の-CH2- 基がカル
    ボニル基に置換されていてもよく、また、そのアルキル
    基中の水素原子の一部もしくはすべてがフッ素原子で置
    換されていてもよい。
  2. 【請求項2】請求項1のジフルオロスチルベン誘導体化
    合物を含有する液晶組成物。
  3. 【請求項3】請求項1のジフルオロスチルベン誘導体化
    合物を電極付基板間に挟持してなる液晶電気光学素子。
JP5142821A 1993-05-21 1993-05-21 ジフルオロスチルベン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物 Pending JPH06329566A (ja)

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