JPH0912501A - 4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体 - Google Patents

4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体

Info

Publication number
JPH0912501A
JPH0912501A JP7159154A JP15915495A JPH0912501A JP H0912501 A JPH0912501 A JP H0912501A JP 7159154 A JP7159154 A JP 7159154A JP 15915495 A JP15915495 A JP 15915495A JP H0912501 A JPH0912501 A JP H0912501A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trans
compound
substituted
liquid crystal
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7159154A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3797438B2 (ja
Inventor
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Shinji Ogawa
真治 小川
Tamejirou Hiyama
爲次郎 檜山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP15915495A priority Critical patent/JP3797438B2/ja
Publication of JPH0912501A publication Critical patent/JPH0912501A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3797438B2 publication Critical patent/JP3797438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K19/0403Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit the structure containing one or more specific, optionally substituted ring or ring systems

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 一般式(I) (R:C1〜16のアルキル、アルコキシル、C1〜1
0のアルコキシルで置換されたC1〜12のアルキル、
環A、環B:それぞれ独立的にF原子による置換可能な
1,4−フェニレン、トランス−1,4−シクロヘキシ
レン、トランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイ
ル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−
ジイル、ピラジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,
6−ジイル、Y1、Y2:それぞれ独立的に単結合、−C
2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−(CH24
−、−C≡C−、m:0〜2、Z:F原子、H原子)で
表わされる化合物及びこれを含有する液晶組成物。 【効果】 この化合物は、容易に製造でき、化学的にも
安定である。また、他の液晶材料との相溶性にも優れ、
少量の添加により、組成物の閾値電圧を低減させ、その
屈折率異方性を小さくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的液晶表示材料
として有用な、4−フルオロ−3−トリフルオロメトキ
シベンゼン誘導体である新規化合物及びそれを用いた液
晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等が知
られているが、このうち現在最もよく用いられているの
はTN型及びSTN型である。また駆動方式としても従
来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般
的になり、更に単純マトリックス方式、最近ではアクテ
ィブマトリックス方式が実用化されている。これらのう
ち、アクティブマトリックス方式によると、最も高画質
の表示が可能であり、視野角が広く、高精細化及びカラ
ー化が容易で、動画表示も可能であるので、今後の液晶
表示方式の主流になると考えられている。
【0003】このアクティブマトリックス表示方式に用
いられる液晶材料としては、通常の液晶表示と同様に、
種々の特性が要求されているが、特に、(1)比抵抗が
高く、電圧の保持率に優れること、(2)しきい値電圧
(Vth)が低いこと、(3)液晶相の温度範囲が広いこ
と、(4)適当な屈折率異方性(Δn)を有すること等
が重要である。
【0004】液晶のしきい値電圧を低下させるために
は、液晶分子の誘電率異方性(Δε)を大きくする必要
があるが、そのためには液晶分子内に極性基の導入が必
要である。一方、液晶の比抵抗を高め、優れた電圧保持
率を得るためには、液晶分子内にシアノ基やエステル結
合などの強い極性基を有してはならないことが知られて
いる。従って、極性基としては主としてフッ素原子及び
場合によってはトリフルオロメトキシ基等が用いられて
いるが、こうしたフッ素系の化合物を用いた場合ではシ
アノ基を有する化合物を用いた場合と比べて、しきい値
電圧を充分に低下させることは難しいのが実状であっ
た。
【0005】また、アクティブマトリックス表示方式に
おいてはそのリターデーション(Δn・d,d:セル
厚)が最小の値(0.5)に設定されるいわゆるファー
ストミニマムの条件で用いられることが多い。従って、
通常のセル厚は6〜8μm程度であるので使用する液晶
の屈折率異方性(Δn)は0.06〜0.085程度に
調製しなくてはならず、そのためには屈折率異方性の小
さい液晶材料が必要である。
【0006】上記の条件を比較的満足できる液晶化合物
として、本発明者らは先に、式(R−1)
【0007】
【化2】
【0008】で表わされる3−メトキシ−4,5−ジフ
ルオロベンゼン誘導体を開発し、既に報告した。この式
(R−1)の化合物は、化学的に安定で良好な電圧保持
率を得られるうえに、ホスト液晶に添加することによ
り、そのしきい値電圧及び屈折率異方性を低減させるこ
とが可能であった。しかしながら、その効果は決して充
分とは言えず、更にその効果に優れた化合物が望まれて
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じ、前述の式(R−1)あ
るいはその誘導体におけるメトキシ基に換えてトリフル
オロメトキシ基を導入することにより、化学的に安定で
あって、高い比抵抗と電圧保持率が容易に得ることがで
き、液晶組成物のしきい値電圧及び屈折率異方性をとも
に効果的に低減させる化合物を提供し、またその化合物
を含有し、しきい値電圧が低く、且つ屈折率異方性の小
さい液晶組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Rは炭素原子数1〜16のアルキ
ル基、アルコキシル基又は炭素原子数1〜10のアルコ
キシル基で置換された炭素原子数1〜12のアルキル基
を表わし、環A及び環Bはそれぞれ独立的にフッ素原子
により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、ト
ランス−1,4−シクロヘキシレン基、トランス−1,
3−ジオキサン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5
−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン
−2,5−ジイル基又はピリダジン−3,6−ジイル基
を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に単結合、−C
2CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−(CH24
−又は−C≡C−を表わし、mは0、1又は2を表わ
し、Zはフッ素原子又は水素原子を表わす。)で表わさ
れる4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン
誘導体を提供する。
【0013】詳しくは、Rは炭素原子数1〜12のアル
キル基又はアルコキシル基が好ましく、環A及び環Bは
フッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニ
レン基又はトランス−1,4−シクロヘキシレン基が好
ましく、Y1及びY2は単結合又は−CH2CH2−が好ま
しい。mは1が好ましい。また、このとき、Rは炭素原
子数1〜7の直鎖状アルキル基がより好ましく、環Aは
トランス−1,4−シクロヘキシレン基がより好まし
い。
【0014】一般式(I)の化合物は以下のようにして
合成することができる。即ち、一般式(II)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R、環A、環B、Y1、Y2、Z及
びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)で
表わされるフェノール誘導体を強塩基存在下にフェノラ
ートとし、これを一般式(III)
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R1は低級アルキル基を表わ
す。)で表わされるS−アルキルジチオ炭酸クロリドと
反応させることにより、一般式(IV)
【0019】
【化6】
【0020】(式中、R、環A、環B、Y1、Y2、Z及
びmは(I)におけると同じ意味を表わし、R1は低級
アルキル基を表わす。)で表わされるジチオ炭酸エステ
ルを得る。 あるいは、一般式(II)のフェノール誘
導体を二硫化炭素と反応させ、次いでR1X(Xはヨウ
素原子あるいは臭素原子を表わし、R1は低級アルキル
基を表わす。)で表わされるハロゲン化アルキルと反応
させることによっても得ることができる。次に、一般式
(IV)のジチオ炭酸エステルをハロニウムイオン発生
剤存在下にフッ化物イオン源と反応させることにより、
一般式(I)の化合物を得ることができる。
【0021】ハロニウムイオン発生剤としてはN−ヨー
ドこはく酸イミド(NIS)、N−ブロモこはく酸イミ
ド(NBS)あるいは1,3−ジブロモ−5,5−ジメ
チルヒダントイン(DBH)等を用いることができ、フ
ッ素イオン源としては(二水素三フッ化テトラブチルア
ンモニウム(TBAH23)、フッ化水素−ピリジン錯
体(HF−Py)あるいはフッ化水素−メラミン錯体
(HF−mel)等を用いることができる。ここで用い
るハロニウムイオン発生剤によってはベンゼン環がハロ
ゲン化される場合もあるが、その場合にはアルキルリチ
ウムでリチオ化した後プロトン化するか、あるいは水素
化トリアルキルスズ等の還元剤により直接還元脱ハロゲ
ン化することにより、一般式(I)の化合物を得ること
ができる。
【0022】ここで一般式(II)のフェノール誘導体
は、例えば対応する一般式(V)
【0023】
【化7】
【0024】(式中、R、環A、環B、Y1、Y2、Z及
びmは一般式(I)におけると同じ意味を表わし、Wは
ハロゲン原子を表わす。)の化合物に、塩基存在下にお
いてベンジルアルコールを反応させ、次いで脱ベンジル
化すること等により得ることができる。
【0025】斯くして製造された一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表例を第1表に掲げる。
【0026】
【表1】
【0027】第1表からわかるように、一般式(I)で
表わされる化合物は、化合物単独では液晶相を示さない
ものが多い。これは一般式(I)の化合物が、4−フル
オロ−3−トリフルオロメトキシフェニル基といった直
線性からややはずれた骨格を有していることによると考
えられる。しかしながら、一般式(I)の化合物は液晶
性こそ高くないけれども、通常の母体液晶との相溶性に
は非常に優れており、添加した場合の液晶相上限温度の
低下もそれほど大きいものではない。しかも後述するよ
うに、その添加により、しきい値電圧は極めて効果的に
低減され、屈折率異方性が小さい液晶組成物を得ること
が可能である。
【0028】従って、一般式(I)で表わされる化合物
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、特
にTN型あるいはSTN型といった電界効果型表示セル
の材料として、好適に使用することができる。しかも、
一般式(I)で表わされる化合物は、その分子内にシア
ノ基やエステル結合などの強い極性基を有さないため、
大きい比抵抗と高い電圧保持率を得ることが容易であ
る。そのため、アクティブマトリックス駆動用液晶材料
の構成成分として特に適している。本発明はこのように
一般式(I)で表わされる化合物の少なくとも1種類を
その構成成分として含有する液晶組成物をも提供するも
のである。
【0029】この組成物中において、一般式(I)で表
わされる化合物と混合して使用することのできるネマチ
ック液晶化合物の好ましい代表例としては、例えば、4
−置換安息香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置
換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換
フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4
−置換フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息
香酸4−置換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニ
ル、1−(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼ
ン、4,4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、
1−(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シク
ロヘキシル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4
−(4−置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニ
ル、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−
4’−置換ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキ
シル−4’−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェ
ニル)エチル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−
(4−置換フェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1
−(4−置換フェニルエチニル)−4−(4−置換シク
ロヘキシル)ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5
−置換ピリミジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−
5−置換ピリミジン及び上記各化合物においてベンゼン
環が側方置換基を有する化合物等を挙げることができ
る。このうちアクティブマトリックス駆動用としては
4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シクロヘキ
シル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシクロヘ
キサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチ
ル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘキシ
ル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、4,
4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘキシ
ル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−
(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサン、
4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’
−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼン、4
−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−置換ビ
シクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニル)−
4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチニル)
−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び上記に
おいてベンゼン環がフッ素原子により置換されている化
合物が適している。
【0030】本発明の一般式(I)の化合物の効果は後
述の実施例にも示したが、例えば、以下の例からも明ら
かである。ネマチック液晶材料として現在汎用されお
り、特にアクティブマトリックス用として好適なホスト
液晶(H)
【0031】
【化8】
【0032】(式中、「%」は「重量%」を表わし、シ
クロヘキサン環はトランス配置を表わす。)は116.
7℃以下でネマチック相を示し、その誘電率異方性(Δ
ε)は4.7であり、これを用いて作製したセル厚6μ
mのTNセルのしきい値電圧(Vth)は2.14Vであ
った。また、その屈折率異方性(Δn)は0.090で
あった。
【0033】このホスト液晶(H)85重量%及び第1
表の(No.1)の化合物15重量%からなる液晶組成
物(M−1)を調製したところ、そのネマチック相の上
限温度は96.5℃とやや低くなったものの、そのΔε
は5.4Vと大きくなった。また、この組成物を用いて
同様にしてセルを作製し、そのVthを測定したところ、
1.83Vであり、0.3Vも低減することができた。
また、Δnは0.082であり、0.008も小さくな
った。更に、この組成物の比抵抗は1012Ωcm以上と
大きく、このセルの電圧保持率は高いものであった。
【0034】これに対し、(No.1)の化合物におけ
るベンゼン環の3位のトリフルオロメトキシ基をメトキ
シ基に置換した、(No.1)と類似構造を有する式
(R−1)
【0035】
【化9】
【0036】の化合物15重量%及びホスト液晶(H)
85重量%からなる液晶組成物(MR−1)を調製し
た。(MR−1)のネマチック相の上限温度は102.
5℃と(M−1)に比べるとやや高くなり、そのΔεも
5.75と(M−1)より大きくなった。しかしなが
ら、同様にしてセルを作製しそのVthを測定したとこ
ろ、1.85Vであり、(M−1)より大きくなってし
まった。また、この(MR−1)のΔnは0.084で
あり、(M−1)よりやや大きくなってしまった。次
に、(No.1)の化合物におけるベンゼン環の4位及
び5位のフッ素原子を共に水素原子に置換した、(N
o.1)と類似構造を有する式(R−2)
【0037】
【化10】
【0038】の化合物15重量%及びホスト液晶(H)
85重量%からなる液晶組成物(MR−2)を調製し
た。(MR−2)のネマチック相の上限温度は98.5
℃と(M−1)に比べるとやや高くなったが、そのΔε
は4.1と(M−1)より小さくなってしまった。ま
た、同様にしてセルを作製しそのVthを測定したとこ
ろ、2.15Vと(M−1)より大きくなってしまい、
ホスト液晶(H)とは同程度であった。また、この(M
R−2)のΔnは0.084と(M−1)よりやや大き
くなってしまった。
【0039】更に、(No.1)の化合物におけるベン
ゼン環の3位のトリフルオロメトキシ基と4位のフッ素
原子の位置が交換された、(No.1)と類似構造を有
する式(R−3)
【0040】
【化11】
【0041】の化合物15重量%及びホスト液晶(H)
85重量%からなる液晶組成物(MR−3)を調製し
た。(MR−3)のネマチック相の上限温度は110.
5℃と(M−1)に比べると高くなり、そのΔεも5.
85と(M−1)より大きくなった。しかしながら、同
様にしてセルを作製し、そのVthを測定したところ、
1.90Vと(M−1)よりかなり大きくなってしまっ
た。また、この(MR−3)のΔnは0.087と(M
−1)より大きくなってしまった。
【0042】以上の結果から、一般式(I)の化合物
は、アクティブマトリックス用液晶材料として、構造の
類似した他の化合物と比較しても、そのしきい値電圧の
低減と屈折率異方性の減少に大きな効果を有することが
理解できる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0044】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を
併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR)、質量スペクトル(MS)等に
より確認した。NMRにおけるCDCl3は溶媒を表わ
し、sは1重線、dは2重線、tは3重線、qは4重
線、mは多重線を表わし、broadは幅広い吸収を表
わす。また、例えばttは3重の3重線を表わし、Jは
カップリング定数を表わす。MSにおけるM+は親ピー
クを表わし、( )内はそのピークの相対強度を表わ
す。
【0045】また、組成物における「%」は「重量%」
を表わす。 (実施例1) トランス−4−(4,5−ジフルオロ
−3−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−
4’−プロピルビシクロヘキサン(第1表中の(No.
1)の化合物)の合成
【0046】
【化12】
【0047】(1−a) ジチオ炭酸 S−エチル
O−[2,3−ジフルオロ−5−[トランス−4−(ト
ランス−4−プロピル)シクロヘキシル]シクロヘキシ
ル]フェニルの合成 真空加熱乾燥した二口反応容器に、アルゴン雰囲気下、
水素化ナトリウム640mg( 60% in oi
l,16.0 mmol)及びTHF3.0mlを入れ
氷冷した。これにTHF7.0mlに溶解した2,3−
ジフルオロ−5−[トランス−4−(トランス−4−プ
ロピル)シクロヘキシル]シクロヘキシルフェノール
3.012g(8.96mmol)を徐々に滴下した。
0℃で30分間攪拌したのち、氷冷しながら、クロロジ
チオ炭酸エチル1.85g(13.1mmol)のTH
F3.0ml溶液を徐々に滴下した。2時間後、炭酸水
素ナトリウム水溶液を加えてジエチルエーテルで抽出し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン/ジエチルエーテル=30/1)を用
いて精製して、ジチオ炭酸S−エチル O−[2,3−
ジフルオロ−5−[トランス−4−(トランス−4−プ
ロピル)シクロヘキシル]シクロヘキシル]フェニル
3.48g(7.90mmol,収率88%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3−Me4
i);δ=6.94(ddd,J=2.0,6.6an
d11.5Hz,arom.,1H),6.75(dd
d,J=1.9,2.0and6.3HZ,aro
m.,1H),3.24(q,J=7.4Hz,−S−
CH2−,2H),2.39(m,benzyl−H,
1H),1.95−1.60(m,6H),1.43
(t,J=7.4Hz,CH3,3H),1.38−
0.75(m,17H),0.87(t,J=6.9
Hz,CH3,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3−CFC
3);δ=−136.65(ddd,J=1.9,1
1.5and21.1Hz,arom.,1F),−1
54.12(ddd,J=6.3,6.6and21.
1Hz,arom.,1F) (1−b) トランス−4−(2−ブロモ−4,5−
ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシフェニル)−ト
ランス−4’−プロピルビシクロヘキサン及びトランス
−4−(2−ブロモ−3,4−ジフルオロ−5−トリフ
ルオロメトキシフェニル)−トランス−4’−プロピル
ビシクロヘキサンの合成 ポリプロピレン製反応容器に、1,3−ジブロモ−5,
5−ジメチルヒダントイン(DBH)2.86g(1
0.0mmol)、CH2Cl220.0ml、フッ化水
素/メラミン錯体4.0ml(フッ化水素140mmo
lに相当)をこの順に加え氷冷した。ここに、ジクロロ
メタン6.0mlに上記(1−a)で得たジチオ炭酸
S−エチル O−[2,3−ジフルオロ−5−[トラン
ス−4−(トランス−4−プロピル)シクロヘキシル]
シクロヘキシル]フェニル889mg(2.0mmo
l)に溶解したものを徐々に滴下した。0℃で30分間
攪拌したのち、生成した固形物を反応溶液から濾別し、
濾液に炭酸水素ナトリウム及び水酸化ナトリウム水溶液
を加えた。ろ液の色が消えるまで亜硫酸水素ナトリウム
水溶液を加えた後、水酸化ナトリウム水溶液を加えて反
応溶液のpHを11とし、ジエチルエーテルで抽出し
た。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶媒
を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン)を用いて精製して、トランス−4−
(2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−3−トリフルオロ
メトキシフェニル)−トランス−4’−プロピルビシク
ロヘキサン、及びトランス−4−(2−ブロモ−3,4
−ジフルオロ−5−トリフルオロメトキシフェニル)−
トランス−4’−プロピルビシクロヘキサンの混合物6
65mg(1.37mmol,収率69%)を得た。 (1−c) トランス−4−(4,5−ジフルオロ−
3−トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−4’
−プロピルビシクロヘキサンの合成 アルゴン雰囲気下、上記(1−b)で得たトランス−4
−(2−ブロモ−4,5−ジフルオロ−3−トリフルオ
ロメトキシフェニル)−トランス−4’−プロピルビシ
クロヘキサン及びトランス−4−(2−ブロモ−3,4
−ジフルオロ−5−トリフルオロメトキシフェニル)−
トランス−4’−プロピルビシクロヘキサンの混合物6
65mg(1.37mmol)のTHF(5.0ml)
溶液に、−78℃でn−BuLiヘキサン溶液(1.6
6M,3.0ml,4.98mmol)を徐々に滴下し
た。同温度で10分間攪拌したのち、塩化アンモニウム
水溶液を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、溶
媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン)を用いて精製して、トランス−4
−(4,5−ジフルオロ−3−トリフルオロメトキシフ
ェニル)−トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン
の油状物499mg(1.23mmol,収率90%)
を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3−Me4
i);δ=7.05−6.83(m,arom.,2
H),2.43−2.16(m,benzyl−H,1
H),1.95−1.60(m,6H),1.38−
0.70(m,17H),0.87(t,J=7.1H
z,CH3,3H)19 F−NMR(188 MHz,CDCl3−CFC
3);δ=−59.28(d,J=5.6 Hz,OC
3,3F),−135.47(ddd,J=20.
8,10.2and1.7Hz,arom.,1F),
−156.42(m,arom.,1F) (実施例2) 2,3−ジフルオロ−5−[トランス
−4−[2−(トランス−4−プロピルシクロヘキシ
ル)エチル]シクロヘキシル]−1−トリフルオロメト
キシベンゼン(第1表中の(No.2)の化合物)の合
成 実施例1と同様の方法で、2,3−ジフルオロ−5−
[トランス−4−[2−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)エチル]シクロヘキシル]フェノールか
ら、ジチオ炭酸 S−エチル O−[2,3−ジフルオ
ロ−5−[トランス−4−[2−(トランス−4−プロ
ピル)シクロヘキシル]エチル]シクロヘキシル]フェ
ニルを合成、これを経て、2,3−ジフルオロ−5−
[トランス−4−[2−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)エチル]シクロヘキシル]−1−トリフル
オロメトキシベンゼンの油状物を得た。
【0048】ジチオ炭酸 S−エチル O−[2,3−
ジフルオロ−5−[トランス−4−[2−(トランス−
4−プロピル)シクロヘキシル]エチル]シクロヘキシ
ル]フェニル1 H−NMR(200MHz,CDCl3−Me4
i);δ=6.95(ddd,J=2.1,6.6an
d11.0Hz,arom.1H),6.75(dd
d,J=1.8,2.1,6.2 Hz,arom.,
1H),3.24(q,J=7.5Hz,−S−CH2
−,2H),2.42(tt,Jeq,ax=3.4Hz,
ax,ax=12.3Hz,benzyl,1H),1.
91−1.79(m,3H),1.78−1.65
(m,3H),1.43(t,J=7.5Hz,C
3,3H),1.37−1.10(m,17H),
0.95−0.78(m,4H),0.87(t,J=
6.9Hz,CH3,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3−CFC
3);δ=−136.66(ddd,J=1.8,1
1.0and21.1Hz,arom.),−154.
09(ddd,J=6.2,6.6and21.1 H
z,arom.) Rf 値 = 0.57 (シリカゲル,展開溶媒;ヘキサ
ン) 2,3−ジフルオロ−5−[トランス−4−[2−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)エチル]シクロ
ヘキシル]−1−トリフルオロメトキシベンゼン1 H−NMR(200MHz,CDCl3−Me4
i);δ=7.20−6.85(m,arom.,1
H),2.43(tt,Jeq,ax=3.3Hz,Jax,ax
=12.2 Hz,benzyl,1H),1.89−
1.79(m,2H),1.79−1.60(m,4
H),2.45−0.94(m,17H),0.94−
0.70(m,4H),0.87(t,J=7.2H
z,CH3,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3−CFC
3);δ=−59.28(s,OCF3,3F),−1
35.49(ddd,J=1.3,10.8and2
0.5Hz,arom.,1F),−156.34
(m,arom.,1F) (実施例3) トランス−4−(4−フルオロ−3−
トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−4’−プ
ロピルビシクロヘキサン(第1表中の(No.3)の化
合物)の合成 (3−a) 2−フルオロ−5−[トランス−4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキ
シル]フェノールの合成 トランス−4’−(3−ベンジルオキシ−4−フルオロ
フェニル)−トランス−4−プロピルビシクロヘキサン
777mg(1.90mmol)とパラジウム炭素(1
0%)201mgのメタノール20ml混合物を水素雰
囲気下、室温で激しく攪拌した。30分後、反応の終了
をTLCで確認したのち、パラジウム炭素を濾別し、エ
ーテルでよく洗滌した。溶媒を減圧留去し、残渣を中圧
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/ジエ
チルエーテル=10/1)を用いて精製して、2−フル
オロ−5−[トランス−4−(トランス−4−プロピル
シクロヘキシル)シクロヘキシル]フェノール591m
g(1.86mmol、収率98%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3−Me4
i);δ=6.95(dd,J=8.4and10.2
Hz,arom.,1H),6.84(dd,J=2.
2and8.9 Hz,arom.,1H),6.67
(ddd,J=2.2,4.6and8.4Hz,ar
om.,1H),5.02(broad s,OH,1
H),2.37(tt,Jax,ex=3.2Hz,Jax,ax
=11.9Hz,benzyl,1H),1.96−
1.60(m,8H),1.48−0.72(m,15
H),0.87(t,J=6.9Hz,CH3,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3−CFC
3);δ=−145.96(ddd,J=4.6,
8.9and10.2Hz,1F) Rf値=0.58(シリカゲル,展開溶媒;ヘキサン/
ジエチルエーテル= 3/1 ) (3−b) ジチオ炭酸 S−エチル O−[2−フ
ルオロ−5−[トランス−4−(トランス−4−プロピ
ル)シクロヘキシル]シクロヘキシル]フェニルの合成 上記(3−a)で得た2−フルオロ−5−[トランス−
4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)シクロ
ヘキシル]フェノール535mgから、実施例(1−
a)と同様にしてジチオ炭酸 S−エチル O−[2−
フルオロ−5−[トランス−4−(トランス−4−プロ
ピル)シクロヘキシル]シクロヘキシル]フェニル61
6mg(収率87%)を得た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3−Me4
i);δ=7.09−7.04(m,arom.,2
H),6.96(dm,J=7.5Hz,arom.,
1H),3.23(q,J=7.4Hz,S−CH2
2H),2.44(tt,Jax,eq=3.2Hz,J
ax,ax=11.8Hz,benzyl,1H),1.9
8−1.62(m,7H),1.42(t,J=7.4
Hz,CH3,3H),1.45−0.70(m,16
H),0.87(t,J=7.1Hz,CH3,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3−CFC
3);δ=−132.14(dd,J=7.1and
14.5Hz) Rf値=0.28(シリカゲル,展開溶媒;ヘキサン) (3−c) トランス−4−(4−フルオロ−3−ト
リフルオロメトキシフェニル)−トランス−4’−プロ
ピルビシクロヘキサンの合成 上記(3−b)で得たジチオ炭酸 S−エチル O−
[2−フルオロ−5−[トランス−4−(トランス−4
−プロピル)シクロヘキシル]シクロヘキシル]フェニ
ル528mgから、実施例(1−b)と同様にして、ト
ランス−4−(2−ブロモ−4−フルオロ−3−トリフ
ルオロメトキシフェニル)−トランス−4’−プロピル
ビシクロヘキサン及びトランス−4−(6−ブロモ−4
−フルオロ−3−トリフルオロメトキシフェニル)−ト
ランス−4’−プロピルビシクロヘキサンの混合物37
6mg(収率65%)を得て、これから実施例(1−
c)と同様にしてトランス−4−(4−フルオロ−3−
トリフルオロメトキシフェニル)−トランス−4’−プ
ロピルビシクロヘキサン170mg(収率35%)を得
た。1 H−NMR(200MHz,CDCl3−Me4
i);δ=7.14−7.06(m,arom.,3
H),2.43(tt,Jeq,ax=3.3Hz,Jax,ax
=11.9 Hz,benzyl,1H),1.95−
1.58(m,8H),1.48−0.75(m,15
H),0.88(t,J=7.1Hz,CH3,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3−CFCl3
δ=−59.22(s,OCF3,3F),−134.
03(m,arom.,1F) Rf値=0.67(シリカゲル,展開溶媒;ヘキサン) (実施例4) 液晶組成物の調製(1) 以下の組成からなり、ネマチック液晶用として汎用さ
れ、特にアクティブマトリックス用として好適なフッ素
系のホスト液晶(H)
【0049】
【化13】
【0050】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)を調製したところ、116.7℃以下でネ
マチック(N)相を示した。その物性値及びこれを用い
て作製したセル厚6μmのTNセルのしきい値電圧(V
th)は以下の通りであった。
【0051】 誘電率異方性(Δε) 4.7 屈折率異方性(Δn) 0.090 しきい値電圧(Vth) 2.14V このホスト液晶(H)85%及び実施例1で得られた
(No.1)の化合物15重量%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。この(M−1)のN相の上限温
度(TN-I)及びその物性値は以下の通りとなった。
【0052】 N相の上限温度(TN-I) 96.5℃ 誘電率異方性(Δε) 5.4 屈折率異方性(Δn) 0.082 しきい値電圧(Vth) 1.83V このように、N相の上限温度(TN-I)は少し低くなっ
た。しかしながら、Δεはホスト液晶(H)より増加
し、そのVthは0.31Vも低減することができた。ま
た、そのΔnは0.082であり、0.008も低くな
った。更に、この組成物の比抵抗は1012Ωcm以上と
大きく、このセルの電圧保持率は非常に高かった。 (比較例1)(No.1)の化合物において、ベンゼン
環の3位のトリフルオロメトキシ基をメトキシ基に置換
した、(No.1)の化合物と類似構造を有する式(R
−1)
【0053】
【化14】
【0054】の化合物15重量%及びホスト液晶(H)
85重量%からなる液晶組成物(MR−1)を調製し
た。この(MR−1)のN相の上限温度(TN-I)及び
その物性値は以下の通りとなった。
【0055】 N相の上限温度(TN-I) 102.5℃ 誘電率異方性(Δε) 5.75 屈折率異方性(Δn) 0.084 しきい値電圧(Vth) 1.85 このようにN相の上限温度(TN-I)は(M−1)より
高くなった。しかしながら、そのΔεが大きくなったに
もかかわらず、そのVthは(M−1)と比較すると少し
高くなった。また、そのΔnも(M−1)より若干大き
くなった。 (比較例2)(No.1)の化合物において、ベンゼン
環の4位及び5位のフッ素原子を共に水素原子に置換し
た、(No.1)の化合物と類似構造を有する式(R−
2)
【0056】
【化15】
【0057】の化合物15重量%及びホスト液晶(H)
85重量%からなる液晶組成物(MR−2)を調製し
た。この(MR−2)のN相の上限温度(TN-I)及び
その物性値は以下の通りとなった。
【0058】 N相の上限温度(TN-I) 98.5℃ 誘電率異方性(Δε) 4.1 屈折率異方性(Δn) 0.084 しきい値電圧(Vth) 2.15 従って、そのΔnはホスト液晶(H)より低減されてい
るが、(M−1)よりは若干大きくなっており、しかも
そのVthはホスト液晶(H)と比較してもほとんど低減
されていないことが明らかである。 (比較例3)(No.1)の化合物において、ベンゼン
環の3位のトリフルオロメトキシ基と4位のフッ素原子
が交換した構造を有する、(No.1)と類似構造を有
する式(R−3)
【0059】
【化16】
【0060】の化合物15重量%及びホスト液晶(H)
85重量%からなる液晶組成物(MR−3)を調製し
た。この(MR−3)のN相の上限温度(TN-I)及び
その物性値は以下の通りとなった。
【0061】 N相の上限温度(TN-I) 110.5℃ 誘電率異方性(Δε) 5.85 屈折率異方性(Δn) 0.087 しきい値電圧(Vth) 1.90 このようにN相の上限温度(TN-I)は(M−1)より
高くなった。しかしながら、そのΔεが大きくなったに
もかかわらず、そのVthは(M−1)と比較すると大き
くなってしまった。また、そのΔnも(M−1)より大
きくなってしまった。 (実施例6) 液晶組成物の調製(2) 実施例2で得た(No.2)の化合物15重量%及びホ
スト液晶(H)85重量%からなる液晶組成物(M−
2)を調製した。この(M−2)のN相の上限温度(T
N-I)及びその物性値は以下の通りであった。
【0062】 N相の上限温度(TN-I) 97.0℃ 誘電率異方性(Δε) 5.25 屈折率異方性(Δn) 0.082 しきい値電圧(Vth) 1.76 このようにそのΔnは(M−1)と同程度であるうえ
に、Vthは更に低減することができた。また、この組成
物の比抵抗も1012Ωcm以上と大きく、このセルの電
圧保持率は高いものであった。
【0063】
【発明の効果】本発明に係わる一般式(I)で表わされ
る化合物は、実施例に示したように工業的にも容易に製
造でき、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、ネ
マチック液晶として現在汎用されている液晶材料との相
溶性にも優れている。しかも、この化合物は、添加によ
って液晶組成物のネマチック液晶温度範囲をそれほど低
下させることなく、それを用いた液晶セルのしきい値電
圧(Vth)を効果的に低減し、屈折率異方性(Δn)を
小さくする効果を有する。しかも、分子内に強い極性基
が存在せず、容易に大きい比抵抗と高い電圧保持率を得
ることができる。従って、特にアクティブマトリックス
駆動用液晶材料として非常に有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜16のアルキル基、アルコ
    キシル基又は炭素原子数1〜10のアルコキシル基で置
    換された炭素原子数1〜12のアルキル基を表わし、環
    A及び環Bはそれぞれ独立的にフッ素原子により置換さ
    れていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,
    4−シクロヘキシレン基、トランス−1,3−ジオキサ
    ン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、
    ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジ
    イル基又はピリダジン−3,6−ジイル基を表わし、Y
    1及びY2はそれぞれ独立的に単結合、−CH2CH2−、
    −OCH2−、−CH2O−、−(CH24−又は−C≡
    C−を表わし、mは0、1又は2を表わし、Zはフッ素
    原子又は水素原子を表わす。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 環Aがトランス−1,4−シクロヘキシ
    レン基を表わし、環Bがフッ素原子により置換されてい
    てもよい1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−
    シクロヘキシレン基を表わし、Y1及びY2がそれぞれ独
    立的に単結合又は−CH2CH2−を表わすことを特徴と
    する請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 mが1であることを特徴とする請求項2
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Rが炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル
    基であることを特徴とする請求項2又は3記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の一般式
    (I)で表わされる化合物を含有する液晶組成物。
JP15915495A 1995-06-26 1995-06-26 4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体 Expired - Fee Related JP3797438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15915495A JP3797438B2 (ja) 1995-06-26 1995-06-26 4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15915495A JP3797438B2 (ja) 1995-06-26 1995-06-26 4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0912501A true JPH0912501A (ja) 1997-01-14
JP3797438B2 JP3797438B2 (ja) 2006-07-19

Family

ID=15687455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15915495A Expired - Fee Related JP3797438B2 (ja) 1995-06-26 1995-06-26 4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3797438B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2334031A (en) * 1998-02-04 1999-08-11 Merck Patent Gmbh Substituted phenols and their use in the adjustment of the resistance of liquid crystal compositions

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0640968A (ja) * 1992-07-22 1994-02-15 Chisso Corp ブテン誘導体
JPH06199713A (ja) * 1992-09-25 1994-07-19 F Hoffmann La Roche Ag アセチレン誘導体類
JPH06211711A (ja) * 1992-10-07 1994-08-02 Chisso Corp シクロヘキサンの誘導体
JPH06329566A (ja) * 1993-05-21 1994-11-29 Asahi Glass Co Ltd ジフルオロスチルベン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物
JPH0782181A (ja) * 1993-09-14 1995-03-28 Dainippon Ink & Chem Inc (フルオロアルケニル)シクロヘキサン誘導体及び液晶組成物
JPH0812605A (ja) * 1994-04-28 1996-01-16 Chisso Corp 液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0640968A (ja) * 1992-07-22 1994-02-15 Chisso Corp ブテン誘導体
JPH06199713A (ja) * 1992-09-25 1994-07-19 F Hoffmann La Roche Ag アセチレン誘導体類
JPH06211711A (ja) * 1992-10-07 1994-08-02 Chisso Corp シクロヘキサンの誘導体
JPH06329566A (ja) * 1993-05-21 1994-11-29 Asahi Glass Co Ltd ジフルオロスチルベン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物
JPH0782181A (ja) * 1993-09-14 1995-03-28 Dainippon Ink & Chem Inc (フルオロアルケニル)シクロヘキサン誘導体及び液晶組成物
JPH0812605A (ja) * 1994-04-28 1996-01-16 Chisso Corp 液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2334031A (en) * 1998-02-04 1999-08-11 Merck Patent Gmbh Substituted phenols and their use in the adjustment of the resistance of liquid crystal compositions
GB2334031B (en) * 1998-02-04 2003-06-11 Merck Patent Gmbh Liquid-crystal composition, method of adjusting the resistance, and substituted phenols

Also Published As

Publication number Publication date
JP3797438B2 (ja) 2006-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4048570B2 (ja) 誘電率異方性値が負の液晶性化合物、この液晶性化合物を含有する液晶組成物、及びこの液晶組成物を用いた液晶表示素子
JP4722490B2 (ja) シクロペンタ[b]ナフタレン誘導体
JP2786264B2 (ja) アルコキシメチル―及びアルケニロキシメチルシクロヘキサン類
JPH1045642A (ja) 誘電率異方性の極めて大きい液晶性化合物
JP3797438B2 (ja) 4−フルオロ−3−トリフルオロメトキシベンゼン誘導体
EP0390329B1 (en) Pyrimidine derivative
JP3797435B2 (ja) 5−置換アルコキシベンゼン誘導体
JP3632772B2 (ja) 4−アルケニルオキシ−3,5−ジフルオロベンゼン誘導体
JP3553112B2 (ja) 4−トリフルオロメトキシ−3,5−ジフルオロベンゼン誘導体及びその製造方法
JP3226045B2 (ja) フルオロトラン系アルケニル化合物
JP3716436B2 (ja) 5−置換アルキルベンゼン誘導体
JP3569935B2 (ja) フルオロトラン誘導体
JP4193077B2 (ja) 1,3−フェニレン誘導体
JP3797433B2 (ja) ベンジル(5−置換フェニル)エーテル誘導体
JP3360314B2 (ja) フルオロトラン誘導体
JP2500687B2 (ja) ビシクロヘキシルトラン誘導体
JPH06122636A (ja) 4−フルオロアルキルベンゼン誘導体
JPH1161132A (ja) アルケニルテルフェニル誘導体
JP3668991B2 (ja) アルキルベンゼン誘導体
JPH06206836A (ja) フルオロアルキルシクロヘキサン誘導体
JP3531182B2 (ja) ジフルオロアルキルシクロヘキサン誘導体
JP3668990B2 (ja) 3−置換フェニルアセチレン誘導体
JP3994460B2 (ja) 新規化合物及びこれを用いた液晶組成物
JPH06247885A (ja) 4−アルキル−3,5−ジフルオロベンゼン誘導体
JPH0656718A (ja) フルオロシクロヘキサン誘導体

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050606

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050616

A072 Dismissal of procedure [no reply to invitation to correct request for examination]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20050728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060412

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 8

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees