JPH0640967A - ジフルオロエチレン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物 - Google Patents

ジフルオロエチレン誘導体化合物およびそれを含有する液晶組成物

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JPH0640967A
JPH0640967A JP5055147A JP5514793A JPH0640967A JP H0640967 A JPH0640967 A JP H0640967A JP 5055147 A JP5055147 A JP 5055147A JP 5514793 A JP5514793 A JP 5514793A JP H0640967 A JPH0640967 A JP H0640967A
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英昌 高
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勝利 町田
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    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0444Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group
    • C09K2019/0459Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a linking chain between rings or ring systems, a bridging chain between extensive mesogenic moieties or an end chain group the linking chain being a -CF=CF- chain, e.g. 1,2-difluoroethen-1,2-diyl

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  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Hydrogenated Pyridines (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式R1-(A1)m-Y1-A2-CF=CF-Cy-Y2-(A4)n-R2
(A1〜A4はトランス-1,4- シクロヘキシレン基、1,4-フ
ェニレン基、Cyはトランス-1,4- シクロヘキシレン基、
m 、n は 0又は 1を示し、R1、R2は炭素数 1〜10のアル
キル基、ハロゲン原子、シアノ基等を示す)で表される
ジフルオロエチレン誘導体化合物。 【効果】この化合物は、低粘性であり、光に対しても安
定であるので、液晶組成物に使用することにより、高速
応答が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジフルオロエチレン誘
導体化合物およびそれを含有する液晶組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめ、
近年では測定器、自動車用計器、複写器、カメラ、OA
機器用表示装置、家電製品用表示装置等種々の用途に使
用され始めており、広い動作温度範囲、低動作電圧、高
速応答性、高コントラスト比、広視角、化学的安定性等
の種々の性能要求がなされている。
【0003】しかし、現在のところ、これらの特性を単
独の材料で全て満たす材料はなく、複数の液晶、および
非液晶の材料を混合して液晶組成物として要求性能を満
たしている状態である。このため、各種特性のすべてで
はなく、一または二以上の特性に優れた液晶または非液
晶の材料開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶を用いた表示素子
分野においては、その性能向上が望まれており、低電圧
駆動、高精細表示、高コントラスト比、広視角特性、低
温応答特性、広動作温度範囲等が望まれており、これら
はいずれかを向上させると他のいずれかが犠牲になると
いう傾向がある。
【0005】特に、最近、電池駆動においては低電圧駆
動と高速応答、OA機器等においては高精細表示と高速
応答、自動車用表示等においては低温応答もしくは広動
作温度範囲で高速応答というように、その応答速度の向
上が望まれている。
【0006】このためには、いくつかの改善方法が考え
られるが、その一つとして低粘性の液晶組成物の採用が
ある。即ち、液晶組成物の粘性が低下すれば、応答速度
は向上し、低温でも実用的な速度での表示が可能にな
る。また、従来と同じ応答速度でよければ、より低電圧
で駆動できたり、より高いデューティ駆動が可能、即
ち、高精細駆動が可能になる。
【0007】このような目的のため、特開平3−410
37あるいは特開平3−294386に示されるような
p,p'- 二置換ジフルオロスチルベン化合物が提案されて
いる。この化合物は以下の一般式(3) で示されるような
化学構造を有している。
【0008】
【化1】
【0009】ただし、一般式(3) のRA、RBはn-アルキル
基、n-アルコキシ基、n-アルコキシカルボニル基を意味
する。
【0010】この一般式(3) の化合物は、低粘性でフッ
素置換されていないスチルベン化合物よりも光に対する
安定性が向上しているものであった。しかし、通常使用
されている一般の液晶化合物に比しては、光に対する安
定性がまだ劣っており、使用環境が限定されたり、紫外
線カットフィルターを併用せざるを得ないことが多かっ
た。
【0011】したがって、低粘性で光に対する安定性が
高い液晶材料が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決すべく、新規な材料を提供するものであり、下記一般
式(1) で表されるジフルオロエチレン誘導体化合物を提
供するものである。 R1-(A1)m-Y1-A2-CF=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (1) ただし、一般式(1) 中、A1、A2、A3、A4、Y1、Y2、R1
R2、m 、n は下記のものを示す。
【0013】A3はトランス-1,4- シクロヘキシレン基で
あり、A1、A2、A4は相互に独立してトランス-1,4- シク
ロヘキシレン基または1,4-フェニレン基であり、これら
の環基は夫々非置換であるかあるいは置換基として1個
以上のハロゲン原子、シアノ基を有し、これらの環基中
の環を構成する1個以上の=CH-基は窒素原子に置換され
ていてもよく、また、環を構成する1個以上の -CH2-基
は酸素原子もしくは硫黄原子に置換されていてもよい。
【0014】Y1、Y2は相互に独立して-COO-,-OCO-,-C≡
C-,-CH2CH2-,-CH=CH-,-OCH2-,-CH2O- または単結合を示
す。
【0015】R1、R2は相互に独立して炭素数 1〜10のア
ルキル基、ハロゲン原子あるいはシアノ基を示し、アル
キル基の場合には、このアルキル基中の炭素−炭素結合
間あるいはこのアルキル基と環基との間の炭素−炭素結
合間に酸素原子、カルボニルオキシ基、あるいはオキシ
カルボニル基が挿入されてもよく、また、そのアルキル
基中の炭素−炭素結合の一部が三重結合あるいは二重結
合にされていてもよく、また、そのアルキル基内の1個
の-CH2- 基がカルボニル基に置換されていてもよく、ま
た、そのアルキル基中の水素原子の一部もしくはすべて
がフッ素原子で置換されていてもよい。
【0016】m 、n は相互に独立して 0または 1を示
す。
【0017】また、本発明は、下記一般式(2) (ただ
し、一般式(2) 中A2、A3、R1およびR2については、一般
式(1) と同じものを示す)で表されるジフルオロエチレ
ン誘導体化合物を提供するものである。 R1-A2-CF=CF-A3-R2 (2)
【0018】さらに、本発明は、一般式(1) または一般
式(2) の化合物からなる液晶化合物および一般式(1) ま
たは一般式(2) の化合物を含有する液晶組成物、さらに
は、それらの液晶化合物あるいは液晶組成物を電極付基
板間に挟持してなる液晶電気光学素子を提供するもので
ある。
【0019】本発明の一般式(1) の化合物は、比較的小
さい屈折率異方性(△n)を有しており、低粘性であ
り、かつ、他の液晶または非液晶との相溶性に優れ、化
学的にも安定な材料である。
【0020】さらに、本発明の化合物の一般式(1) の化
合物は、前述した一般式(3) の化合物と比較し、光に対
して安定であり耐久性が向上する、弾性係数(K33/K
11)が増加し高コントラス化する、液晶上限温度(T
C )が上昇し液晶温度幅が増大する、粘度(η)が減少
し高速応答に有利になる等、各特性が改善された材料で
ある。
【0021】特に高速STN用液晶材料として、一般式
(3) の化合物より優位性があり、有用である。
【0022】本発明の化合物の具体的構造としては、以
下のような化合物がある。その代表的化合物として、環
の数が2個の化合物として以下のような化合物がある。 R1-A2-CF=CF-A3-R2 (4)
【0023】一般式(4) の化合物としては、より具体的
には、以下のような化合物がある。なお、以下の説明に
おいては、一般式(4) の化合物に限らず、「-Ph-」は1,
4-フェニレン基を表し、「-Cy-」はトランス-1,4- シク
ロヘキシレン基を表す。 R1-Ph-CF=CF-Cy-R2 (4A)
【0024】
【化2】
【0025】一般式(4A)の1,4-フェニレン基をトランス
-1,4- シクロヘキシレン基に置換した化合物として以下
のような化合物がある。 R1-Cy-CF=CF-Cy-R2 (4B)
【0026】また、一般式(4A)の1,4-フェニレン基を一
部の水素原子がフッ素原子に置換されたフェニレン基と
した化合物として以下のような化合物がある。なお、「P
hF」はモノフルオロ-1,4- フェニレン基あるいはポリフ
ルオロ-1,4- フェニレン基を表す。また、i は1〜4の
整数を表す。 R1-PhF-CF=CF-Cy-R2 (4C)
【0027】
【化3】
【0028】また、環の数が3個の化合物として、以下
のような化合物がある。 R1-A1-A2-CF=CF-A3-R2 (5)
【0029】一般式(5) の化合物としては、より具体的
には以下のような化合物がある。 R1-Ph-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5A)
【0030】
【化4】
【0031】一般式(5) の1,4-フェニレン基の1つまた
は2つをトランス-1,4- シクロヘキシレン基に置換した
化合物として以下のような化合物がある。 R1-Cy-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5B) R1-Ph-Cy-CF=CF-Cy-R2 (5C) R1-Cy-Cy-CF=CF-Cy-R2 (5D)
【0032】また、一般式(5) の1,4-フェニレン基を一
部の水素原子がフッ素原子に置換されたフェニレン基と
した化合物として以下のような化合物がある。 R1-Ph-PhF-CF=CF-Cy-R2 (5E)
【0033】また、環の数が4個の化合物として、以下
のような化合物がある。 R1-A1-A2-CF=CF-A3-A4-R2 (6)
【0034】一般式(6) の化合物としては、より具体的
には以下のような化合物がある。 R1-Ph-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6A)
【0035】
【化5】
【0036】 R1-Cy-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6B) R1-Ph-Cy-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6C) R1-Cy-Cy-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6D) R1-Ph-Ph-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6E) R1-Cy-Ph-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6F) R1-Ph-Cy-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6G) R1-Cy-Cy-CF=CF-Cy-Cy-R2 (6H) R1-Ph-PhF-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6I)
【0037】このほか、3環以上の化合物の場合、環と
環との間のY1、Y2を単結合以外に変更した以下のような
化合物もある。
【0038】 R1-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5F) R1-Ph-OCO-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5G) R1-Ph-C ≡C-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5H) R1-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5I) R1-Ph-OCH2-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5J) R1-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-R2 (5K) R1-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6J) R1-Ph-OCO-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6K) R1-Ph-C ≡C-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6L) R1-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6M) R1-Ph-OCH2-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6N) R1-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-Ph-R2 (6O) R1-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-OCO-Ph-R2 (6P)
【0039】また、A3をトランス-1,4- シクロヘキシレ
ン基の水素原子の一部をハロゲン原子もしくはシアノ基
に置換した基にしてもよい。また、A1、A2、A4の環基の
水素原子の一部をハロゲン原子もしくはシアノ基に置換
した基にしたり、環を構成する=CH-基の一部を窒素原子
に置換したり、または、環を構成する-CH2- 基の一部を
酸素原子もしくは硫黄原子に置換した例として以下のよ
うな化合物が挙げられる。
【0040】
【化6】
【0041】本発明の上記の一般式(1) の化合物は、そ
の少なくとも1種を他の液晶材料および/または非液晶
材料と混合して液晶組成物にして使用される。それによ
り、その液晶組成物を低粘性とすることができ、液晶表
示素子とした場合に高速応答が可能になる。
【0042】本発明の化合物と混合させる物質として
は、例えば以下のようなものがある。なお、以下の式で
のRC、RDはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
シアノ基等の基を表す。また、「-NON-」 はアゾキシ基を
表す。
【0043】RC-Cy-Cy-RD RC-Cy-Ph-RD RC-Ph-Ph-RD
【0044】RC-Cy-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-CH=CH-Ph-RD RC-Ph-CH=CH-Ph-RD RC-Cy-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-N=N-Ph-RD RC-Ph-NON-Ph-RD RC-Cy-COS-Ph-RD
【0045】RC-Cy-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-Ph-Cy-RD RC-Ph-Ph-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-OCO-Ph-RD
【0046】
【化7】
【0047】なお、これらの化合物は単なる例示にすぎ
なく、環構造もしくは末端基の水素原子をハロゲン原
子、シアノ基、メチル基等に置換してもよく、シクロヘ
キサン環、ベンゼン環の他の六員環、五員環、例えば、
ピリジン環、ジオキサン環等に置換してもよく、さらに
環と環の間の結合基を変更することも可能であり、所望
の性能に合わせて種々の材料が選択使用されればよい。
【0048】本発明の化合物を含む液晶組成物は、液晶
セルに注入する等して、電極付の基板間に挟持され、液
晶電気光学素子を構成する。
【0049】代表的な液晶セルとしては、ツイストネマ
チック(TN)型液晶電気光学素子がある。なお、ここ
で液晶電気光学素子と表現しているのは、表示用途以
外、例えば、調光窓、光シャッター、偏光交換素子等に
も使用できることを明らかにしているためである。
【0050】上記液晶電気光学素子は、TN方式、ゲス
ト・ホスト(GH)方式、動的散乱方式、フェーズチェ
ンジ方式、DAP方式、二周波駆動方式、強誘電性液晶
表示方式等種々のモードで使用することができる。
【0051】以下に、液晶電気光学素子の構成および製
法の具体例を示す。プラスチック、ガラス等の基板上
に、必要に応じてSiO2、Al2O3 等のアンダーコート層や
カラーフィルター層を形成し、In2O3-SnO2(ITO)、
SnO2等の電極を設け、パターニングした後、必要に応じ
てポリイミド、ポリアミド、SiO2、Al2O3 等のオーバー
コート層を形成し、配向処理し、これにシール材を印刷
し、電極面が相対向するように配して周辺をシールし、
シール材を硬化して空セルを形成する。
【0052】この空セルに、本発明の化合物を含む組成
物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを構成
する。この液晶セルに必要に応じて偏光板、カラー偏光
板、光源、カラーフィルター、半透過反射板、反射板、
導光板、紫外線カットフィルター等を積層する、文字、
図形等を印刷する、ノングレア加工する等して液晶電気
光学素子とする。
【0053】なお、上述の説明は、液晶電気光学素子の
基本的な構成および製法を示したにすぎなく、例えば2
層電極を用いた基板、2層の液晶層を形成した2層液晶
セル、TFT、MIM等の能動素子を形成したアクティ
ブマトリクス基板を用いたアクティブマトリクス素子
等、種々の構成のものが使用できる。
【0054】本発明の化合物を液晶組成物に用いること
により、高デューティ駆動を行っても、高速応答が期待
できる。このため、近年注目されている高ツイスト角の
スーパーツイスト(STN)型液晶電気光学素子に好適
である。その他、多色性色素を用いたGH型液晶表示素
子、強誘電性液晶電気光学素子等にも使用できる。
【0055】本発明の一般式(1) の化合物は、例えば、
次の方法に従って製造される。
【0056】
【化8】
【0057】なお、上記の式中A3はトランス-1,4- シク
ロヘキシレン基であり、A1、A2、A4は相互に独立してト
ランス-1,4- シクロヘキシレン基または1,4-フェニレン
基であり、これらの環基は夫々非置換であるかあるいは
置換基として1個以上のハロゲン原子、シアノ基を有
し、これらの環基中の環を構成する1個以上の=CH-基は
窒素原子に置換されていてもよく、また、環を構成する
1個以上の -CH2-基は酸素原子もしくは硫黄原子に置換
されていてもよい。
【0058】Y1、Y2は相互に独立して-COO-,-OCO-,-C≡
C-,-CH2CH2-,-CH=CH-,-OCH2-,-CH2O- または単結合を示
す。
【0059】R1、R2は相互に独立して炭素数 1〜10のア
ルキル基、ハロゲン原子あるいはシアノ基を示し、アル
キル基の場合には、このアルキル基中の炭素−炭素結合
間あるいはこのアルキル基と環基との間の炭素−炭素結
合間に酸素原子、カルボニルオキシ基、あるいはオキシ
カルボニル基が挿入されてもよく、また、そのアルキル
基中の炭素−炭素結合の一部が三重結合あるいは二重結
合にされていてもよく、また、そのアルキル基内の1個
の-CH2- 基がカルボニル基に置換されていてもよく、ま
た、そのアルキル基中の水素原子の一部もしくは全てが
フッ素原子で置換されていてもよい。
【0060】X は臭素原子またはヨウ素原子を示す。
【0061】m 、n は相互に独立して 0または 1を示
す。
【0062】式(7) のクロロトリフルオロエチレンをn-
ブチルリチウムによってリチオ化し、次いで式(8) のク
ロロトリメチルシランと反応させることによって、式
(9) の1,1,2-トリフルオロ-2- トリメチルシリルエチレ
ンとする。次に、この化合物(9) を単離することなく、
さらに式(10)のリチウム化合物と反応させることによっ
て、式(11)のジフルオロエチレン化合物を得る。
【0063】そして、得られた化合物(11)をフッ化カリ
ウムと水にて加水分解して、一般式(12)のジフルオロエ
チレン化合物とする。これをn-ブチルリチウムにてリチ
オ化した後、一般式(13)のハロゲン原子化合物と反応さ
せることによって、一般式(1) のジフルオロエチレン誘
導体化合物を得ることができる。
【0064】また、一般式(1) の化合物のR1、R2にアシ
ル基を導入する方法は、R1、R2が水素原子である一般式
(1) の化合物とアシルハライドとのフリーデル・クラフ
ツ反応を用いればよい。また、シアノ基を導入する方法
は、R1、R2が臭素原子またはヨウ素原子である一般式
(1) の化合物をCuCNと反応させればよい。また、一般式
(1) の化合物のY1、Y2にエチニレン基(-C≡C-)を導入
する方法は、R1、R2が臭素原子またはヨウ素原子である
一般式(1) の化合物とアルキニルリチウム化合物とのカ
ップリング反応を用いればよい。
【0065】
【実施例】
実施例1 [第1ステップ]冷却管およびガス吹込み管付きの500m
l の三ツ口フラスコにテトラヒドロフラン(THF)を
100ml入れ、− 100℃に冷却した。ここにクロロトリフ
ルオロエチレンを11.7g(0.1mol) 吹き込んだ。次いで、
n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(1.61M) 62.1ml(0.1
mol)を30分かけて滴下した。さらに30分撹拌後、クロロ
トリメチルシラン10.9g(0.1mol) を滴下した。
【0066】滴下後、さらに 1時間撹拌後、1-ブロモ−
4-n-プロピルシクロヘキサン20.5g(0.1mol) と金属リチ
ウム0.76g(0.11mol)によって別途合成した1-リチオ−4-
n-プロピルシクロヘキサンのTHF溶液を−100 ℃にて
滴下した。さらに 0℃にて 2時間撹拌後、希塩酸水溶液
を加え、有機層を分離した。水層を塩化メチレンで抽出
し、有機層を合わせて乾燥後、溶媒を留去し、(Z)-1,2-
ジフルオロ-1-(トランス-4-n- プロピルシクロヘキシ
ル)-2-トリメチルシリルエチレンを18.2g (収率70%)
得た。 n-C3H7-Cy-CF=CF-Si(CH3)3
【0067】[第2ステップ]次に、得られた(Z)-1,2-
ジフルオロ-1-(トランス-4-n- プロピルシクロヘキシ
ル)-2-トリメチルシリルエチレン18.2g(0.07mol)を50ml
のアセトニトリルに溶解し、フッ化カリウム8.12g(0.14
mol)および水3.78g(0.21mol)を加え、50℃にて 1時間反
応させた。冷却後、水 200mlを注ぎ、塩化メチレンで抽
出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、CaCl2 で乾燥し
た。濾過後、溶媒および低沸物を留去し、さらに減圧蒸
留して(E)-1,2-ジフルオロ-1-(トランス-4-n- プロピル
シクロヘキシル) エチレンを10.5g (収率80%)得た。 n-C3H7-Cy-CF=CFH
【0068】[第3ステップ]次に、得られた(E)-1,2-
ジフルオロ-1-(トランス-4-n- プロピルシクロヘキシ
ル) エチレン10.5g(0.056mol) を50mlのTHFに溶解
し、−30℃に冷却した。ここにn-ブチルリチウムのn-ヘ
キサン溶液(1.61M) 34.8ml(0.056mol)を30分かけて滴下
した。さらに30分撹拌後、−30℃にて1-ブロモ-4-n- プ
ロピルシクロヘキサンを12.6g(0.062mol) 滴下した。
【0069】さらに 1時間撹拌後、希塩酸水溶液反応液
を加え、有機層を分離した。水層を塩化メチレンで抽出
し、有機層を合わせて乾燥後、溶媒を留去し、得られた
粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
してトランス-1,2- ジフルオロ-1,2- ビス( トランス-4
-n- プロピルシクロヘキシル) エチレンを13.1g (収率
75%)得た。 n-C3H7-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0070】
【化9】
【0071】本化合物の分析結果を以下に示す。ただ
し、d はダブレットの意味を表す。19 F NMR(CDCl3)δppm from CFCl3 -155.8ppm(d,JH-F=2
7Hz) MS m/e 312(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0072】実施例1と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Cy-CF=CF-Cy-CH3 n-C5H11-Cy-CF=CF-Cy-C5H11(n) CF3-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) F-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7O-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH2=CH-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0073】実施例2 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ−4-n-プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、1-ヨード-4-n- プロピ
ルベンゼンを24.6g(0.1mol) 用いる以外は実施例1と同
様に反応を行い、トランス-1,2- ジフルオロ-1-(4-n-プ
ロピルフェニル)-2-( トランス-4-n- プロピルシクロヘ
キシル) エチレンを9.2g(収率31%)得た。 n-C3H7-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0074】
【化10】
【0075】本化合物の分析結果を以下に示す。19 F NMR(CDCl3)δppm from CFCl3 -159.8ppm(d,JH-F=1
32Hz),-139.6ppm(d,d,JH-F=132Hz,JH-F=27Hz) MS m/e 306(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0076】実施例2と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Ph-CF=CF-Cy-CH3 n-C5H11-Ph-CF=CF-Cy-C5H11(n) CF3-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) F-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH2=CH-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0077】実施例3 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、1,4-ジブロモベンゼン
を23.6g(0.1mol) 用いる以外は実施例1と同様に反応を
行い、トランス-1,2- ジフルオロ-1-(4-ブロモフェニ
ル)-2-( トランス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチ
レンを11.0g (収率32%)得た。 Br-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0078】
【化11】
【0079】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 343(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0080】実施例3と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 Br-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0081】比較例1 冷却管およびガス吹込み管付きの 200mlの三ツ口フラス
コに4-n-プロピルヨードベンゼン2.46g(10mmol) 、1,4-
ジブロモベンゼン2.36g(10mmol) およびジエチルエーテ
ル50mlを入れ、−78℃に冷却した。次いでn-ブチルリチ
ウムのn-ヘキサン溶液(1.61M) 12.4ml(20mmol)を30分か
けて滴下した。さらに30分撹拌後、テトラフルオロエチ
レン10g(0.1mol) を、温度10℃まで昇温しながら吹き込
んだ。さらに室温で 1時間撹拌後、希塩酸水溶液反応液
を加え、有機層を分離した。水層をエーテルで抽出し、
有機層を合わせて乾燥後、溶媒を留去し、1,2-ジフルオ
ロ-1-(4-ブロモフェニル)-2-(4-n-プロピルフェニル)
エチレンを0.27g (収率 8%)得た。
【0082】実施例3と比較例1より明らかなように、
本発明の化合物は、収率においてもジフルオロスチルベ
ンゼンタイプの化合物より有利である。
【0083】実施例4 冷却管付きの 300mlの三ツ口フラスコに、CuCN 0.90g
(0.01mol) および無水ジメチルスルホキシド(DMS
O)50mlを入れ、90℃に加熱し溶解させた。次いで、撹
拌下、実施例3にて得られたトランス-1,2- ジフルオロ
-1-(4-ブロモフェニル)-2-( トランス-4-n- プロピルシ
クロヘキシル) エタン3.43g(0.01mol)のDMSO溶液を
滴下する。その後さらに 150℃にて 1時間撹拌後、室温
まで冷却した。
【0084】水 200mlを注ぎ、塩化メチレンで抽出し、
有機層を飽和食塩水で洗浄し、CaCl2 で乾燥した。濾過
後、溶媒を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにて精製して、トランス-1,2- ジフル
オロ-1-(4-シアノフェニル)-2-( トランス-4-n- プロピ
ルシクロヘキシル) エチレンを2.57g (収率89%)得
た。 NC-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0085】
【化12】
【0086】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 289(M+) IR 1230cm-1(C-F),2230cm-1(C≡N)
【0087】実施例5 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに5-メチルピリミジルブロ
ミドを17.5g(0.1mol) 用いて実施例1と同様に反応を行
い、トランス-1,2- ジフルオロ-1-(5-メチルピリミジン
−2-イル)-2-(トランス-4-n- プロピルシクロヘキシル)
エチレンを8.5g(収率30%)得た。 CH3-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0088】
【化13】
【0089】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 282(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0090】実施例5と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。なお、-Py-はピリミジン-2,5- ジイル
基を表す。 n-C3H7-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7O-Py-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0091】実施例6 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりにトランス-1- ブロモ-4-
(4-n-プロピルフェニル) シクロヘキサンを28.1g(0.1mo
l) 用いて反応を行い、実施例1と同様にしてトランス-
1,2- ジフルオロ-1-(トランス-4- プロピルシクロヘキ
シル)-2-[4-(トランス-4-n- プロピルフェニル) シクロ
ヘキシル] エチレンを14.7g (収率38%)得た。 n-C3H7-Ph-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0092】
【化14】
【0093】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 388(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0094】実施例6と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 n-C3H7-Ph-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7-Cy-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n) n-C3H7-Cy-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0095】実施例7 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、1-ヨード-4-n- プロピ
ルベンゼンを24.6g(0.1mol) 用い、第3ステップにおい
て、1-ブロモ-4-n- プロピルシクロヘキサンのかわり
に、トランス-1-ブロモ-4-(4-n-プロピルシクロヘキシ
ル) シクロヘキサンを10.9g(0.038mol) 用いる以外は実
施例1と同様に反応を行い、トランス-1,2- ジフルオロ
-1-(4-プロピルフェニル)-2-[4-(トランス-4-n- プロピ
ルシクロヘキシル) シクロヘキシル] エチレンを10.5g
(収率27%)得た。 n-C3H7-Ph-CF=CF-Cy-Cy-C3H7(n)
【0096】
【化15】
【0097】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 388(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0098】実施例7と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 n-C3H7-Ph-CF=CF-Cy-Ph-C3H7(n)
【0099】実施例8 アルゴン雰囲気下、還流管付きの 100ml三ツ口フラスコ
にマグネシウム0.13g(0.0055mol)および乾燥THF10ml
を入れた。次いで、1-ブロモプロパンを数滴加え、さら
に4-メチルフェネチルブロミド1.01g(0.0055mol)を発熱
が続く速度で滴下した。滴下終了後、さらに 1時間還流
を続けた後、室温まで放冷した。
【0100】別途、アルゴン雰囲気下、還流管付きの 1
00ml三ツ口フラスコ中に、実施例3にて得られたトラン
ス-1,2- ジフルオロ-1-(4-ブロモフェニル)-2-( トラン
ス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチレン1.72g(0.00
5mol) および1,3-ビス( ジフェニルホスフィノ) プロパ
ンジクロロニッケル [NiCl2(dppp)]0.1gを含む乾燥TH
F溶液20mlを入れ、この中に上記溶液を滴下漏斗を用い
て滴下した。
【0101】滴下後さらに室温にて24時間撹拌した後、
水20mlを加えた。さらに20%塩酸20mlを加えて有機層を
分離し、水洗、乾燥後、溶媒を留去した。得られた粗生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し
て、トランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(4- メチルフェネ
チル) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシクロヘ
キシル) エチレンを1.15g (収率60%)得た。 CH3-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0102】
【化16】
【0103】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 382(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0104】実施例8と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Ph-CH2CH2-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CH2CH2-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0105】実施例9 実施例8において、4-メチルフェネチルブロミドのかわ
りに1-ブロモ-2-(4-メチルフェニル) エテンを1.08g(0.
0055mol)用いる以外は、実施例8と同様に反応を行い、
トランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(2-p- メチルフェニル
エテニル) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシク
ロヘキシル) エチレンを1.24g (収率65%)得た。 CH3-Ph-CH=CH-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0106】
【化17】
【0107】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 380(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0108】実施例9と同様にして、以下の化合物を得
ることができる。 CH3-Ph-CH=CH-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CH=CH-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0109】実施例10 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、4-ブロモ-4'-メチルト
ランを27.1g(0.1mol) 用いる以外は実施例1と同様に反
応を行い、トランス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(2-p- トリ
ルエチニル) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシ
クロヘキシル) エチレンを10.2g (収率27%)得た。 CH3-Ph-C≡C-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0110】
【化18】
【0111】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 378(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0112】実施例10と同様にして、以下の化合物を
得ることができる。 CH3-Ph-C≡CH-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-C ≡C-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0113】実施例11 実施例1の第1ステップにおいて、1-ブロモ-4-n- プロ
ピルシクロヘキサンのかわりに、4-ヨードフェニルテト
ラヒドロピラニルエーテルを用いる以外は実施例1と同
様に反応を行い、最後に酸で処理することによって、ト
ランス-1,2- ジフルオロ-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-
( トランス-4-n- プロピルシクロヘキシル) エチレンを
8.4g(収率29%)得た。
【0114】次いで、得られたトランス-1,2- ジフルオ
ロ-1-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(トランス-4-n- プロ
ピルシクロヘキシル) エチレン2.80g(0.01mol)、炭酸カ
リウム1.52g およびアセトンを30ml加え、さらに室温下
でα- ブロモ-p- キシレンを2.79g 滴下した。 4時間還
流させた後、冷却し、濾過後、溶媒を留去し、得られた
粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製
して、トランス-1,2-ジフルオロ-1-[4-(4- メチルベン
ジルオキシ) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシ
クロヘキシル) エチレンを3.65g (収率95%)得た。 CH3-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0115】
【化19】
【0116】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 384(M+) IR 1230cm-1(C-F)
【0117】実施例11と同様にして、以下の化合物を
得ることができる。 CH3-Ph-CH2O-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-CH2O-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0118】実施例12 実施例11で得られたトランス-1,2- ジフルオロ-1-(4-
ヒドロキシフェニル)-2-( トランス-4-n- プロピルシク
ロヘキシル) エチレン2.80g(0.01mol)を20mlのCH2Cl2
溶解し、 室温下ピリジンを0.87g 加え、 0℃に冷却後、
さらにp-トリル酸クロリドを1.70g 滴下した。
【0119】室温下にて 1時間撹拌し、冷却後、希塩酸
を加え、濾過後、溶媒を留去して得られた粗結晶をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、トラン
ス-1,2- ジフルオロ-1-[4-(4- メチルベンゾイルオキ
シ) フェニル]-2-( トランス-4-n- プロピルシクロヘキ
シル) エチレンを3.70g (収率93%)得た。 CH3-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0120】
【化20】
【0121】本化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 398(M+) IR 1230cm-1(C-F),1720cm-1(C=O)
【0122】実施例12と同様にして、以下の化合物を
得ることができる。 CH3-Ph-COO-Cy-CF=CF-Cy-C3H7(n) CH3O-Ph-COO-Ph-CF=CF-Cy-C3H7(n)
【0123】実施例13 メルク社製液晶組成物「ZLI-1565」80wt%に、本発明の
実施例1の化合物を20wt%加えて液晶組成物とした。比
較例として、メルク社製液晶組成物「ZLI-1565」のみの
液晶組成物(比較例2)およびメルク社製液晶組成物
「ZLI-1565」80wt%にトランス-4,4'-ビス-(n-プロピ
ル) ジフルオロスチルベンを20wt%加えた液晶組成物
(比較例3)を作成した。これらを偏光板付きの液晶セ
ルに封入して、STN型液晶表示素子を作成した。
【0124】この実施例13および比較例3の液晶表示
素子の素子の表示特性はほぼ同程度であり、比較例2の
素子に比べて高速応答が得られた。次いで、実施例13
および比較例3の液晶表示素子を紫外線カーボンアーク
ランプで 200時間照射した。照射後、各素子内の液晶組
成物を分析した。
【0125】その結果、実施例13の液晶組成物の場合
には、ほとんど新たな化合物の生成は認められなかっ
た。一方、比較例3の液晶組成物の場合には、シス-4,
4'-ビス-(n-プロピル) ジフルオロスチルベンの発生が
確認された。
【0126】
【発明の効果】本発明の一般式(1) R1-(A1)m-Y1-A2-CF=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (A1〜A4、R1、R2、Y1、Y2、m 、n については前記の意
味を持つ)で示される化合物は、比較的小さい屈折率異
方性(△n)を有しており、低粘性であり、かつ、他の
液晶または非液晶との相溶性に優れ、化学的にも安定な
材料であり、液晶組成物として用いることにより、少量
の添加でも応答速度が向上するものであり、低電圧駆
動、高デューティ駆動、広温度域動作等が可能になる。
【0127】また、ジフルオロスチルベンタイプの液晶
よりも、光に対して安定であり耐久性が向上する、弾性
係数(K33/K11)が増加し高コントラス化する、液晶
上限温度(TC )が上昇し液晶温度幅が増大する、粘度
(η)が減少し高速応答に有利になる等、各特性が改善
された材料である。
【0128】特に高速STN用液晶材料として、ジフル
オロスチルベンタイプの液晶より優位性があり、有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/225 C 8619−4H 43/29 C 8619−4H 69/63 9279−4H 69/74 Z 9279−4H 69/75 A 9279−4H C 9279−4H D 9279−4H 69/753 9279−4H 69/757 C 9279−4H 69/76 Z 9279−4H A 9279−4H 69/773 9279−4H 69/86 9279−4H 69/92 9279−4H 69/94 9279−4H 255/46 9357−4H 255/50 9357−4H C07D 211/14 9165−4C 211/38 9165−4C 211/46 9165−4C 211/62 9165−4C 239/26 8615−4C 319/06 C09K 19/30 7457−4H G02F 1/13 500 (72)発明者 宮島 隆 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 高 英昌 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内 (72)発明者 町田 勝利 神奈川県高座郡寒川町岡田4−16−31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 (1)で表されるジフルオロエチ
    レン誘導体化合物。 R1-(A1)m-Y1-A2-CF=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (1) ただし、一般式 (1)中、A1、A2、A3、A4、Y1、Y2、R1
    R2、m 、n は下記のものを示す。A3はトランス-1,4- シ
    クロヘキシレン基であり、A1、A2、A4は相互に独立して
    トランス-1,4- シクロヘキシレン基または1,4-フェニレ
    ン基であり、これらの環基は夫々非置換であるかあるい
    は置換基として1個以上のハロゲン原子、シアノ基を有
    し、これらの環基中の環を構成する1個以上の=CH-基は
    窒素原子に置換されていてもよく、また、環を構成する
    1個以上の -CH2-基は酸素原子もしくは硫黄原子に置換
    されていてもよい。Y1、Y2は相互に独立して-COO-,-OCO
    -,-C≡C-,-CH2CH2-,-CH=CH-,-OCH2-,-CH2O- または単結
    合を示す。R1、R2は相互に独立して炭素数 1〜10のアル
    キル基、ハロゲン原子あるいはシアノ基を示し、アルキ
    ル基の場合には、このアルキル基中の炭素−炭素結合間
    あるいはこのアルキル基と環基との間の炭素−炭素結合
    間に酸素原子、カルボニルオキシ基、あるいはオキシカ
    ルボニル基が挿入されてもよく、また、そのアルキル基
    中の炭素−炭素結合の一部が三重結合あるいは二重結合
    にされていてもよく、また、そのアルキル基内の1個の
    -CH2- 基がカルボニル基に置換されていてもよく、ま
    た、そのアルキル基中の水素原子の一部もしくはすべて
    がフッ素原子で置換されていてもよい。m 、n は相互に
    独立して 0または 1を示す。
  2. 【請求項2】下記一般式 (2)(ただし、一般式 (2)中
    A2、A3、R1およびR2については、一般式 (1)と同じもの
    を示す)で表される請求項1のジフルオロエチレン誘導
    体化合物。 R1-A2-CF=CF-A3-R2 (2)
  3. 【請求項3】請求項1または2のジフルオロエチレン誘
    導体から選ばれる液晶性を有する化合物。
  4. 【請求項4】請求項1または2のジフルオロエチレン誘
    導体化合物を少なくとも1種含有する液晶組成物。
  5. 【請求項5】請求項3の液晶化合物あるいは請求項4の
    液晶組成物を電極付基板間に挟持してなる液晶電気光学
    素子。
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