JP3421995B2 - 数値制御装置に関する方法 - Google Patents

数値制御装置に関する方法

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JP3421995B2 JP07960493A JP7960493A JP3421995B2 JP 3421995 B2 JP3421995 B2 JP 3421995B2 JP 07960493 A JP07960493 A JP 07960493A JP 7960493 A JP7960493 A JP 7960493A JP 3421995 B2 JP3421995 B2 JP 3421995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,プログラム命令の順序
に従い工作機械等を制御する数値制御システム,特に,
不規則外周を伴うポケットを切削するのに使用される数
値制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】数値制御システムは,工作機械の実時間
制御に適合する計算装置である。制御器が,“部品プロ
グラム”を形成するコード化命令の集合を受信する。こ
の部品プログラムの命令は,仕上がり機械部品を作成す
るために実行しようとする機械加工操作の順序を記述す
る。この数値制御器はこれらの命令を一連の電気信号に
変換し,これらの電気信号は工作機械を適当に運動させ
るようにこの工作機械に取り付けられたサーボモータ又
はステップモータを制御し,又は,手によってっ従来実
行されていた機械の準備操作の自動制御を可能とするよ
うに,工具交換機のような,特定の付属機器を制御す
る。
【0003】例えば,立て形フライス盤を操作する数値
制御器の場合,その部品プログラムの命令は,例えば,
フライス工具の型式,機械加工される材料を通しての工
具の送り速度,その工具の回転する主軸速度,及びその
機械操作の他の種々のパラメータを指定する“準備”命
令を含むことがある。“位置決め”命令とここでは称さ
れる他の命令は,実際の機械加工操作中にその部品の表
面にわたりその工具の実際の運動を制御する。その工具
の多数の離散運動を含む複雑な部品の場合は,これらの
位置決め命令は,その部品プログラムに対する命令の大
部分を含む。
【0004】部品プログラムの管理能力は,位置決め命
令の数の増大と共に低下する。これは,極めて長い部品
プログラムを書き込みかつ編集することの困難のために
主として云える。しかしながら,この数値制御器内部の
メモリ限界からも,また,部品プログラム内の位置決め
命令の数を限定することが望ましいとされる。
【0005】或るいくつかの形,特に,部品面内に切削
される円形又は方形ポケットのような,幾何学的に規則
的な形の場合は,部品プログラムの長さを,そのポケッ
トのキー寸法のみを含みかつ実時間ベースで必要な位置
決め命令を発生する高−レベル命令の使用によって,最
短化することができる。したがって,円形ポケットを切
削する場合は,深さと半径のみが,そのプログラマによ
って指定され,その部品プログラム内へコード化される
こともある。機械加工中,実時間に精確な工具通路がこ
れらの臨界寸法から数学的に計算され,そのプログラミ
ングを除去し,多数の位置決め命令を記憶する。明示位
置決め命令が除去されるので,その部品プログラムの複
雑性を実質的に減少することができる。
【0006】そのポケット形を規定するために使用され
る臨界データが慎重に選択されるならば,その高−レベ
ル命令によって記述されるポケットは,そのプログラマ
による追加計算を必要とせずに容易に空間内で並進させ
られ,回転され,又は寸法を拡大又は縮小される。明ら
かに,各ポケットに対するプロブラミング時間は,その
プログラマによる明示位置決め命令の書き込みを回避す
ることができる程度にまで,短縮される。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】高−レベル命令を使
用するこのアプローチは,ポケットの外周が円形又は充
分に規定された規則多角形であるポケットの切削には充
分に適合する。これらの場合,最適工具通路は,容易に
決定され,予測可能であり,また簡単な数学的操作によ
って発生されることがある。不幸にして,高−レベル命
令は,不規則ポケット,すなわち,それらのポケットの
外周が不規則な直線線分及び曲線線分で作られているポ
ケットの作成には容易には適合しない。不規則ポケット
の内部から材料を除去するに必要な通路に対する簡単な
かつ一般化可能な数学的記述は,存在しない。これは,
そのポケットの外周が凹であるとき,及びそのポケット
の内部からの材料の効率的除去が未切削材料の多数の島
を生じるときに,特に明白である。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明は,不規則ポケッ
トの切削に対する高−レベル命令を翻訳する数値制御器
に関する。この数値制御器は,そのポケットの外周を規
定する位置決め命令を受信し,ビットマップ及び規約の
集合を参照することによってそのポケット内部に対する
その工具通路を,実時間に,発生する。規則ポケットに
対する高−レベル命令と異なり,この特殊な工具通路
は,そのポケットが拡大又は縮小される及び/又は回転
させられるに従い変化するが,しかしながら,これらの
変化はそのプログラマには見えない。
【0009】特に,翻訳器が,そのポケットの外周を規
定する命令を受信し,かつその外周に沿い工具を運動さ
せるために運動制御器に軸運動信号を供給する。この数
値制御システムは,その工具がその運動制御器によって
並進させられるに従いその工具の容積を記憶するビット
マップ,及びこのビットマップを読み出しかつこのビッ
トマップに基づきさらに軸運動信号を発生する命令発生
器を含む。これらの軸運動信号は,このポケット内部を
通してその工具を移動する。
【0010】したがって,本発明の目的は,極めて多数
の位置決め命令の代わりに少数の臨界パラメータで以て
不規則ポケットを規定する高−レベル命令を提供するこ
とにある。各ポケットは,そのポケットの外周を記述す
る位置決め命令の限定された集合によって規定され,及
びそのポケットの内側を除去するに必要な追加工具運動
はそのビットマップを参照することによって実時間ベー
スで決定される。
【0011】本発明のさらに他の目的は,その不規則ポ
ケット内側の工具通路のいかなる簡単な数学的記述も欠
く不規則ポケットの内部の除去に対する有効位置決め命
令を発生することにある。ビットマップの使用は,その
工具通路の特定の数学的記述が決定されても又はされな
くても,所定の外周が規定されるとき,そのポケットの
内部を除去するための通路の全体的な,規約に基づく記
述を使用できるようにする。本発明は,もとより不規則
形に限定されず,また規則外周を伴うポケットにも一般
的に同様に適用可能である。
【0012】本発明のなおさらに他の目的は,不規則ポ
ケットをフライスする高−レベル命令であって,これら
ポケットの命令がこれらのポケットの拡大又は縮小,回
転又は並進を簡単化するような高−レベル命令を提供す
ることにある。この高−レベル命令の臨界パラメータを
そのポケットの外周に対する位置決め命令に限定するこ
とによって,これらの位置決め命令のみをそのプログラ
マが変更すればよい。ビットマップ及び規約に基づく工
具制御は,そのプログラマがさらに作業をしなくても,
そのポケットの内部に対して必要とされるその工具運動
の自動再計算をできるようにする。
【0013】特に上に論じた目的及び利点は,次に掲げ
る本発明の好適実施例の説明からこの分野の技術の経験
者にとって明白になるなずである。この説明において,
付図を参照するが,これらの付図は,この説明の一部で
あり,本発明の1例を図説する。しかしながら,このよ
うな例は,本発明の種々な代替形式を尽くす訳ではな
く,したがって,本発明の範囲を決定するに当たって
は,この説明の前に掲げた特許請求範囲を参照する。
【0014】
【実施例】本発明により不規則ポケットを切削すること
に対する高−レベル命令は,表1に示され,かつ産業に
使用されているような標準英字−コードの様式に従う。
【0015】
【表1】
【0016】技術上理解されているように,英字−コー
ドは,オプショナルに数字引数を従えた“G”のよう
な,単一英文字を含む。
【0017】好適実施例においては,不規則ポケットの
切削に対する本発明の高−レベル命令は,英字−コー
ド:G89.1を採用する。この英字−コードG89.
1は,表1に示されたように追加の英字−コード及び引
数(これら後者の英字−コードの引数は“_”によって
指示されている)を従へ,これらは一緒にG89.1
“ブロック”を形成し,このブロックは典型的に行端文
字(図示されていない)によって終端される。さらに,
英字−コードは,また部品プログラム内にあって,本発
明の高−レベル命令を完成し,これについては下に説明
される。
【0018】表1に示された追加の英字コードの引数
は,G89.1ブロック内でG89.1コードに続いて
おり,これの引数は表2内に指示されるように高−レベ
ル命令のパラメータを規定する。
【0019】
【表2】
【0020】数値制御器の制御の下に部品を機械加工に
対するに当たり,その部品プログラムは,技術上周知の
ような様々な機械加工タスクを実行するための他の命令
を提供する他のプログラム行内へ収集されたいくつかの
他の追加英字−コードを一般に含む。この部品プログラ
ムにおいて,不規則ポケットを切削することに対する高
−レベル命令の前に,そのプログラマは,工具切削半径
及び工作機械準備の他の事項を規定することに対する,
及び形成しようとする不規則ポケットの外周内側にこの
工具を位置決めすることに対する適当な英字−コードを
提供する必要がある。
【0021】その部品プログラムの英字−コードの全て
及びそれらの引数は,そのプログラマによって発生さ
れ,典型的には,数値制御器内のディジタルメモリ内に
ロードされる。この数値制御器は,記憶された翻訳プロ
グラムに従ってこれらの英字−コード及びそれらの引数
の翻訳のための処理ユニットを取り込んでいる。この技
術この代表的な数値制御器は,本発明と同じ讓受者に讓
受されたかつ本願に参考資料として収録された米国特許
第4,228,495号,発明の名称“マルチプロセッ
サ数値制御システム(Multiprocessor
Numeri−cal Control Syste
m)”に記載されている。
【0022】図1を参照すると,この数値制御器のプロ
セッサ内でランする翻訳プログラムは,プロセスブロッ
ク10によって指示されるようにその不規則ポケット命
令を受信する。不規則ポケット命令を受信すると,この
プロセッサは集約的に12で指示され,いくつかのプロ
セスブロックに係わるビットマッピング手順を開始し,
この手順の各々については,下に詳細に説明する。この
ビットマッピング手順12は,この翻訳プログラムの主
部分を作り上げるフォアグラウンドと見掛け上並列にそ
のタスクを実行するように,“バックグラウンド”内に
ランする。ビットマッピング手順12の並列性質は,そ
れらの破線の外部のこの翻訳プログラムの対応するプロ
セスブロックへビットマップ手順12を接続する水平破
線によって,指示される。
【0023】ビットマッピング手順12のプロセスブロ
ック14によって指示されるように,このビットマッピ
ング手順の第1ステップは,その工具が運動する物理的
空間を表現する空間格子の発生である。この格子は,こ
の数値制御器のメモリ内に含まれるビットマップ内のア
ドレスにこのフライス盤の切削工具の位置を等化する手
段を提供する。このビットマップは,工具運動を追跡す
るために使用され,かつそのポケット内部を切削する工
具運動を発生するためにその翻訳プログラムの後続のス
テップ中にデータを提供する。
【0024】図4を参照すると,原理的には,格子全体
を形成するために直線行と列にモザイク配置された単一
格子要素又は画素16の寸法を決定することを含む。画
素16は,その高さがその工具切削直径18に基づく正
方形,特に,工具切削直径18の半径の0.707倍に
等しい長さを有する正方形である。この画素の寸法は,
もし工具切削直径18の中心が所要の画素16の領域内
側の何処かを通過するならば,その画素16の領域全体
はその工具によってカバーされることを保証する。この
画素寸法は,また,下に説明するようにポケット19の
内部からの材料を除去中に“ステップ−オーバ”量とし
て使用される。
【0025】数値制御器のメモリ内のビットマップは,
この格子の各画素と関連し,かつ下に説明されるように
この工具によって切削される領域の記録を提供するよう
にセット及びリセットされる。初期的にこのビットマッ
プの全てのビットがゼロにリセットされて,材料が切削
されていないことを指示する。
【0026】いま,図1及び図2を参照すると,プロセ
スブロック10によって指示されるように不規則ポケッ
ト命令の受信(かつプロセスブロック14によって指示
される格子の並列発生)の後,この翻訳プログラムは,
プロセスブロック20において不規則ポケット19の
を切削する準備をする。この切削は,不規則ポケット
19の外周24を規定する不規則多角形の頂点21の決
定を必要とする。これらの頂点21は,G89.1ブロ
ック内に,及び上に説明されたようにこのG89.1ブ
ロック内に含まれたP及びQ英字−コードによって規定
されるいくつかのブロック内に含まれる。
【0027】開始/終端点22に指定された,第1頂点
21は,これもまた先に説明されたうに,G89.1ブ
ロックのX及びY英字−コードの引数によって提供され
る。X及びY英字−コードから開始/終端点22を読み
出すことに加えて,追加の頂点21に対する座標点がP
及びQ英字−コードによって規定されるブロックから得
られ,この結果,この翻訳器はその工具が特に鋭角隅で
外周24と交差するのを防止するようにその工具の将来
の通路を見越すことができる。それにもかかわらず,こ
の見越しは,実時間処理にとって必要な速度を犠牲にし
ないように少数の頂点21のみに限定される。
【0028】プロセスブロック20において,この工具
は,ポケット19内へ下向きにG89.1ブロックの英
字−コードLによって指示された深さへ,プランジす
る。典型的に,このプランシングば,高速プランジ速度
を可能とし,かつ下向き切削縁を伴わない切削工具の使
用を可能とするように,予ドリル孔の上で起こる。
【0029】図2の点26におけるプランジングの後,
ポケット19内側の何処かへ初期命令によって配置され
ていたこの工具は,外周24へ向けて案内される。典型
的に,この工具の実際の運動は追加のバックグラウンド
命令(図示されていない)の制御の下にあり,これらの
命令は: (1)その工具通路の終端点間の実時間補間
を提供し,(2)様々の工具切削半径に適合するように
工具運動を調節し,及び(3)ポケット19の実際の
24から変位した仕上げゆとり32を提供する。仕上
げゆとり32は,外周24に沿って回る後続の第2円滑
化通路を可能とする。
【0030】プランジ点26から外周24へ向けての運
動において,この工具は工具切削直径18の半分に等し
いかつプランジ点26と開始/終端点22との間の線2
9に垂直な距離だけ偏差点28へジョグ(微動)する。
この工具は,次いで,開始/終端点22と第1頂点30
との間の線分によって規定される外周24の部分に向け
て線29に平行な通路に沿い進行するように制御され
る。
【0031】バックラウンド工具運動命令によって限定
されるので,この工具は,開始/終端点22と第1頂点
30との間の壁に接触する前に停止して,仕上げゆとり
32を確保する。この偏移動作の目的は,この工具が頂
点21の知識(これは全ての頂点の知識を必要とする)
なしで開始/終端点22において外周24に直接接近す
ること及び不注意に外周24を通って切削することを防
止する。
【0032】したがって,この工具は,開始/終端点2
2からまさしく偏差したかつ壁から仕上げゆとり32だ
け離された,図2に示されるような位置Aに停止する。
次いで,第2頂点34の座標が,P及びQ英字−コード
によって規定されたブロックから読み出され,この工具
は第1頂点30の近くかつ開始/終端点22と第1頂点
30との間の線及び第1頂点30と第2頂点34との間
の線から仕上げゆとり32だけ離された位置Bへ進行す
る。
【0033】したがって,この工具は,外周24の内側
へ仕上げゆとり32だけ変位して外周24に沿い回り,
位置Bから位置C,これから位置Dへと通過し,次い
で,位置Eに達し,後者は開始/終端点22の近くにあ
る。位置Eと位置Aとの間の小領域36が残るが,次の
位置Fへ進行するこの工具によってこれが除去され,位
置Fは先に述べた位置Bと同じである。プロセスブロッ
ク20の第1外周切削は,これで,完了する。プロセス
ブロック20中の工具運動は,監視され,かつバックグ
ラウンドプロセスブロック44によって指示されるよう
に,この数値制御器のプロセッサのメモリ内のビットマ
ップを更新することによって記録される。さらに,外周
24のいくつかの頂点21の間の最小座標が,その後に
使用されるために記録される。
【0034】図1及び図2を参照すると,プロセスブロ
ック40によって示されるように,先行英字コードによ
って提供された工具切削半径を指示する記憶値は,図2
の位置E,B,C,及びDによって規定された第1通路
の内側へ工具切削直径18の半分だけの所へ位置決めさ
れ,外周24に沿い回る第2通路を簡単に発生させるよ
うに,次いで,人為的に2倍される。この第2通路は,
未切削材料内へのブラシングを懸念することなく,この
工具を不規則ポケット19の部分間の運動に当たり高速
で上昇,下降させるように,外周24の内側にいく分大
きい溝を簡単に施す。
【0035】図2を参照すると位置Fにおいて,補償ル
ーチンの見越しの関数として,人為的に増大された半径
がまず実現され,その結果,仕上げゆとり32と工具切
削直径18の半分との和だけ第2頂点34の回りの外周
24の壁から離された位置Gへ対角線状に進行する。し
たがって,位置Jに到達した後,未切削材料の小領域4
2が位置FからGへの対角通路に沿い残る。この領域
は,先に説明した位置Gと同じである位置Kへこの工具
を前進させることによって除去される。
【0036】このとき,溝がプロセスブロック40によ
って外周24に沿い回り,完全に切削されており,この
溝は工具切削直径18の1カ1/2倍の幅を有しかつ仕
上げゆとり32だけ外周24の内側へ向けて変位してい
る。再び,プロセスブロック40中の工具の運動が,監
視され,かつバックグラウンドプロセスブロック46に
よって指示されるようにこの数値制御器のプロセッサの
メモリ内のビットマップを更新することによって記録さ
れる。
【0037】図3を参照すると,上に説明されたよう
に,ビットマップ48は,この数値制御器内のメモリ内
の二次元アレイである。このビットマップは,行及び列
アドレスを記述する座標を備えるビットを有し,各ビッ
トはプロセスブロック14において作成された格子の1
画素16に対応する。このビットマップの更新は,プロ
セスブロック44及び46によって表現され,工具切削
直径18の中心の座標を追跡すること,及びこれらの座
標をこの格子の画素16の頂点の座標と比較することに
係わる。注意したように,この格子寸法の適正な選択
は,もし工具切削直径18の中心が画素16の頂点内側
の何処かにあるならば,画素16の全体領域がこの工具
によってきれいに加工されていることを保証する。した
がって,画素16の領域が工具切削直径18と交差する
ならば,このビットマップのこの画素に対応するビット
がセットされて,その画素の材料が除去されていること
を指示し,したがって,切削記録を確立する。
【0038】ビットマップ48のこの更新は,物理的空
間50の画素16の座標とビットマップ48のビットの
座標との間の関係を確立することを必要とする。一般
に,開始/終端点22は,ポケット19の全ての画素の
最低値座標を備える物理的空間50内の画素上にあると
仮定することはできない。そうでなくこの仮定ができる
ならば,ビットマップ48のビットの座標と物理的空間
50の画素16の座標との間の対応を確立することは,
偏差値として開始/終点点22の格子座標を使用するこ
とをもはや必要としないであろう,ただし,ビットマッ
プ48の各ビットに対する座標は,各後続の画素の座標
から対応する偏差値を減算したものである。
【0039】例えば,もしこのビットマップの最低アド
レスが(0,0)であり,かつ物理的空間50内の頂点
21の最小x,y座標が(−24,106)であるなら
ば,そのときは,ビットマップ48内の対応するビット
の適正な座標を得るためには値(24)と(−106)
を切削画素16の各x,y座標に加算すればよいであろ
う。
【0040】外周24の各頂点21の座標を見抜く能力
が与えられれば,このアプローチは,各頂点の座標の最
小値を捜しかつこれらの最小座標を画素の座標とビット
マップの座標との間の偏差値として採択することによっ
て,簡単に,いかなる開始/終端点22との使用にも採
用されるかもしれない。しかしながら,この方法は,そ
の数値制御システムが最小値を得るように頂点データを
通して先立って捜すことを必要とし,それゆえ,この方
法は時間消費的であり,実時間処理の関係上好ましいと
は考えられない。
【0041】代わりのアプローチでは,ビットマップ4
8の最も中心に近いビットに対して開始/終端点22の
画素を同定することに採択されることがあり,後続頂点
21の場所にかかわらず,これら後続頂点21のマッピ
ングのためにこの最初のビットの全ての側上においてビ
ットマップ48のいくつかのビットが使用可能であるこ
とを保証する。しかしながら,このアプローチは,メモ
リ浪費的あり,ポケット19の物理的空間50の領域の
4倍に及ぶまでをカバーすることのできるビットマップ
48を必要とする。これは,開始/終端点22がポケッ
ト19のどれかの“隅”にあるかもしれないかつ外周
4の後続頂点21はビットマップ48の中心を囲む4象
限のどれか1つの内にもっぱら拡がっているかもしれな
いと云う事に起因する。それゆえ,各象限は,ポケット
19の外周全体を保持する寸法でなければならない。
【0042】したがって,本発明は,これらと異なるア
プローチを採用し,ここでは,ビットマップ48のビッ
トは,ビットマップ48の空間を“たたみ込む”ことに
よって実時間ベースで画素16に割当てられ,次いで,
このビットマップ48のこの空間を“展開”する結果,
物理的空間50のビットマップ表現内の不連続性を除去
する。
【0043】この方法において,外周24の第1点を保
持する画素は,説明の簡単化のために,開始/終端点2
2であると仮定され,かつビットマップ48の最低値座
標に任意に指定される。
【0044】もし外周24の後続頂点21が開始/終端
点22(象限I)の座標より高い座標値を有するなら
ば,外周24の頂点はビットマップ48内へ簡単にマッ
プされる。すなわち
【0045】
【数1】
【0046】ここに,xb,yb及びxp,ypは,それぞ
れ,このビットマップ内のビットの座標,及び物理的空
間内の画素であり,x0,y0は偏差値であってビットマ
ップ48の最低座標値から開始/終端点22の座標値を
減算したものである。
【0047】開始/終端点22の座標値に対応する値よ
り相対的に低い値を持つx又はx座標のいずれかを有す
る頂点の場合は,これらの頂点はモジュロ様式において
ビットマップ48内へマップされる。これは,物理的空
間50の象限IIにおいてであって,ここで,画素16
のy座標は開始/終端点22のy座標より遥かに負であ
り,しかし開始/終端点22のx座標より遥かに正であ
る。そこで,マッピングは次のようである:
【0048】
【数2】
【0049】ここに,xmaxは,ビットマップ48の最
大x座標である。
【0050】類似の仕方で,物理的空間50の象限II
Iにおいては,画素16は,開始/終端点22のx座標
より小さいx座標を持ち,しかし開始/終端点22のy
座標より大きいy座標を持ち,それらのビットは次のよ
うにマッピングされる:
【0051】
【数3】
【0052】ここに,ymaxは,ビットマップ48の
最大y座標である。
【0053】最後に,物理的空間50の象限IVにおい
て,画素16のx及びy座標は共に開始/終端点22の
x及びy座標より,小さく,これらの座標は次のように
マッピングされる:
【0054】
【数4】
【0055】この変換の効果は,ビットマップ48を本
質的にたたみ込むので,ビットマップ48のアドレスの
外側の座標値をこのマップの他縁へロールオーバさせる
ことである。所与の格子寸法に対して,外周24が或る
偏差を与えられたビットマップ48に適合することがで
きるほどに外周24が充分に小さいならば,この変換は
簡単な加減算にのみに関係し,したがって,この変換を
任意に複雑な外周24について実時間に実行することが
できる。
【0056】再び図1を参照すると,たたみ込みビット
マップ48へのビットマッピングは,プロセスブロック
40中続けられる。
【0057】プロセスブロック54において,外周24
に沿い回る通路の切削が完了しており,かつビットマッ
プ48が,その後続のステップにおいて一層容易な処理
を提供するように“展開”又は訂正される。この展開
は,ビットマップ48の各ビットを検査し,かつその
x,y座標にこれらに対応するxmax又はymax値
を,加減計算する結果がビットマップ48の座標限界の
内に留まるか否かに応じて,加算又は減算することによ
って,達成され得る。例えば,象限III内の画素16
にリンクしたビットに対して,xmaxがそれらのx座標
に加算され,かつymaxがそれらのy座標から減算され
る。
【0058】プロセスブロック54によって,ビットマ
ップ48が展開されたことで以て,外周24は連続した
様式においてビットマップ48のアレイ内に一層簡単に
簡単に表現され,ここで,これらのビットによって表現
される画素の実際の座標は,ビットマップ48内のこれ
らの画素の座標と簡単な単調関係にある。この展開ビッ
トマップ48は,実時間ベースでポケット19の内部
削するのに採用される。
【0059】いったん展開ビットマップ48が確立され
てしまうと,これはこのポケットから除去しようとする
材料の範囲を指示しおり,第2シャドービットマップ4
8′(図示されていない)が作成され,これは,全ての
ビットが外周24の内側又は外側にある容積を表現する
かどうかに従いこれらのビットがセット又はクリヤされ
ると云う追加の特徴を備えたビットマップ48の複写で
ある。これは,ビットマップ48の外縁から内向きに作
業することによって行われ,これらの外縁は既知であっ
外周24の外側にある。第2ビットマップ48′は,
各画素16が外周24の内側又は外側にあるかどうかを
明確にし,かつ,もしそれが外周24の外側にあるなら
ば,それがその工具によって切削されたか否かを明確に
する。2つのビットマップ48及び48′は,ポケット
19の切削しようとするどの材料が残っているかを指示
する切削記録を,一緒に,提供する。
【0060】図1,図4,及び図5を参照すると,プロ
セスブロック54において,ステップ−オーバ方向及び
移動方向がポケット19の内部を切削するのに先立ちビ
ットマップ48のビットから決定される。ステップ−オ
ーバ方向は,移動に先立ち未切削材料内へ工具を挿入す
る運動であり,移動方向は一般にステップ−オーバ方向
に垂直である。ステップ−オーバ方向及び移動方向は,
ビットマップ48の軸に沿う図4に示された4つの方向
の各々上での工具切削直径18の運動を考慮することに
よって決定される。工具切削直径18がその実際位置か
らステップ−オーバ点37へ1ステップ−オーバ距離3
5だけ偏移したと仮定すると,ビットマップ48は,各
ステップ−オーバ点37からの2つの直交移動方向39
に沿い検査されて,その結果,これらの移動方向に沿う
未切削材料の総量を決定する。次いで,所望のステップ
−オーバ方向及び移動方向が,ビットマップ48によっ
て,最大数の未切削ビットを生じる組合わせから,決定
される。
【0061】図5を特に参照すると,その外周通路の完
成の際,この工具は位置Kにある。ポケット19の切削
部分は影を掛けて示されている。プロセスブロック58
において説明された手順によって決定されたステップ−
オーバ方向は,この工具をポケット19の未切削領域の
隅において位置Kから位置Lへ運動させる。この工具
は,次いで,プロセスブロック58によって,移動方向
に沿って位置Mへ移動する。プロセスブロック58のこ
の切削中,ビットマップ48は,プロセスブロック60
によって指示されるように更新される。この更新プロセ
スは,先にプロセスブロック44及び46において説明
されたのと実質的に同じである。しかしながら,ビット
マップ48はたたみ込みされないで,しかし外周24の
全ての頂点21が既に検査されているときプロセスブロ
ック20の外周切削の終端において決定された偏差値を
使用することによって,画素に対応するビットが決定さ
れる。
【0062】ビットマップ48内に記録された未切削材
料の終端によって指示された,位置LからMへのような
各移動が完了した際に,ビットマップ48はプロセスブ
ロック62において検査され,その結果,なお未切削材
料がそのステップ−オーバ方向に存在しているかどうか
を決定する。もし存在しているならば,同じステップ−
オーバが繰り返されて,この工具は位置M′へ運動させ
られ,そして移動方向がプロセスブロック58によって
指示されたように決定される。この工具のこのステップ
オーバ及び移動は,プロセスブロック58及び62によ
って形成されたループに従って,そのステップ−オーバ
方向に沿ってなお残っているその近所の未切削領域が存
在しなくなるまで繰り返される。図5を参照すると,こ
の工具のこのステップ−オーバ及び移動点が位置Mに達
すると,ここで,そのステップ−オーバ方向へのステッ
プ−オーバが,プロセスブロック20及び40による
切削中に,この工具を切削溝内へ運動させる。この場
合,この工具を,プロセスブロック64によって指示さ
れるように次の未切削領域へ運動させなければならな
い。
【0063】次の未切削領域は,ビットマップ48の全
てのビットを走査することによって,これらのビットを
この工具の現在位置Nに接近して配置するように,決定
される。この工具は,次いで,図5に示されるように位
置M′へ運動させられ,かつステップ−オーバ方向,移
動方向がプロセスブロック56によってビットマップ4
8から決定される。プロセスブロック56,58,及び
64のこのループは,全ての未切削領域が切削されてし
まうまで繰り返される。
【0064】図5を参照すると,この工具は,次いで,
位置M′から位置Oへ運動し,次いで,位置Pへ運動し
て,ポケット19の内部の除去を完成する。
【0065】いったん全ての領域が切削されると,プロ
セスブロック68によって表現されるように,この翻訳
プログラムは,その最終深さが,上に説明されたプロセ
スブロG89.1のブロックのZ英字−コードの引数に
よって指示された深さに達しているかどうかを知るため
に検査する。もし最終深さに達していないならば,この
工具は,ポケット19内へ下向きに,プロセスブロック
20においてG98.1ブロックの英字−コードLによ
って指示される追加深さへプランジする。
【0066】もし最終深さに達しているならば,このプ
ログラムを出て,この翻訳器は次の英字−コードを受信
して,異なる機械加工タスク及び英字−コードに係わる
異なる操作を実行することができる。
【0067】云うまでもなく,ポケット19の内部領域
を切削するためのこの工具の正確な通路は,その外周
4の特定の幾何学及びステップ−オーバ距離を含むいく
つかの因子に従って変動すると云いうことが予想され
る。それにもかかわらず,ポケット19の内部を切削す
るために必要な工具運動は,プログラマによって規定さ
れる必要はなく,プロセスブロック56及び64によっ
て実時間ベースで計算される。さらに,これらのポケッ
トの寸法が拡大又は縮小されるに従い,そのポケットの
内部から材料を除去するための工具通路は変化するが,
しかしそのプログラマが追加のプログラミングを行う必
要がないと云うことは,明らかである。
【0068】本発明の精神と範囲に依然含まれる好適実
施例の多くの変形及び変更は,この技術の通常の習熟者
にとって明白である。例えば,そのポケットは正多角形
に限定される必要はなく,或る多角形に近似されるいか
なる形状であってもよい。ポケット内側の不規則位置
を,2つの近接した不規則ポケットを切削することによ
って生じさせることもできる。さらに,不規則多角形の
側は,直線である必要はなく,周知の円補間技術によっ
て作成される曲線であってもよい。
【0069】云うまでもなく,本発明の主要な利点は不
規則ポケットの切削に係るが,開示された方法は規則ポ
ケットの切削にも等しく適合可能であり,したがって。
このような規則形に対する離散翻訳プログラムの必要を
除去する可能性を有する。本発明の範囲に含まれる種々
の実施例を開示するために,前掲の特許請求の範囲が作
成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の数値制御器による高−レベル
不規則ポケット命令の処理を示す流れ図。
【図2】本発明の実施例による外周の切削のための工具
通路を示す不規則ポケットの平面図。
【図3】実際の物理的空間に重ねられた本発明の実施例
によるメモリ空間のグラフ図であって,不規則ポケット
のトレーシング及びメモリ内のビットマップ内の工具通
路の記録を示すグラフ図。
【図4】図3のビットマップの格子寸法の決定及び工具
の種々のステップ−オーバ方向を示す,本発明の実施例
による工具の切削領域の概略線図。
【図5】本発明の実施例による,不規則ポケットの外周
に沿い回る切削の完了の後のそのポケットの残りの未切
削領域を示す,図2に似た平面図。
【符号の説明】
16 画素 18 工具切削直径 19 不規則ポケット 21 頂点 22 開始/終端点 24 外周 30 第1頂点 32 仕上げゆとり 34 第2頂点 35 ステップオーバ距離 37 ステップオーバ点 39 直交移動方向 42 未切削材料の小領域 48 ビットマップ 50 物理的空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ティモシー ビエロウスキー アメリカ合衆国オハイオ州メイプル ハ イツ,ジェームズ アベニュー 14812 (72)発明者 ウィリアム シー.シュワーツ アメリカ合衆国オハイオ州シェイカー ハイツ,ライマン 23349 (72)発明者 ポール エス.クレイマー アメリカ合衆国オハイオ州メンター,ヒ ドン グレン ドライブ 9300 (56)参考文献 特開 平3−18903(JP,A) 特開 昭62−221003(JP,A) 特開 昭64−23306(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 19/18 - 19/46 B23Q 15/00 - 15/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周を有するポケットを部品内に機械加
    工するに当たり,切削工具を有する工作機械を制御する
    ために,命令を受信する数値制御装置に関する方法であ
    って, 第1軸運動信号を発生するために前記外周を規定する命
    令を受信するステップと, 前記第1軸運動信号によって指令されるように前記ポケ
    ットの前記外周に従い前記部品内にかつ前記ポケット内
    側において第1通路に沿い前記工具を並進させるステッ
    プと, 切削記録を提供するためにビットマップ内に前記工具の
    前記第1通路を記憶するステップと, 前記切削記録に基づき第2軸運動信号を発生するために
    前記ビットマップを読み出すステップと, 前記第2軸運動信号によって指令されるように前記部品
    内にかつ前記外周内側において第2通路を通して前記工
    具を並進させるステップと, 前記切削記録を増補するために前記ビットマップ内に前
    記工具の前記第2通路を記憶するステップとを含む方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において,前記ビッ
    トマップは前記部品内の複数の点に対応する複数のセッ
    ト可能ビットを含み,前記工具の前記第1通路と前記第
    2通路とは, 前記第1通路と前記第2通路とに沿う前記部品内の点に
    対応して前記ビットマップ内に前記ビットをセットする
    ステップを含む,前記方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法において,前記部品
    内の各点と前記ビットマップ内の各ビットとは座標を有
    し,前記ビットマップの座標は最大範囲を有し,前記ビ
    ットをセットするステップは, 前記ビットの座標と前記点の座標との間に偏差を発生す
    るように第1点に対して第1ビットを同定するステップ
    と, 前記ビットマップの前記対応するビットの初期座標を決
    定するために前記偏差だけ各点の座標を偏移させるステ
    ップと, もし前記初期座標が前記最大範囲内にないならば前記最
    大範囲の値だけ前記初期座標を偏移させるステップとを
    さらに含む,前記方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法において,前記第2
    軸運動信号を発生するために前記ビットマップを読み出
    すステップは, 前記切削記録が前記外周内であってかつ前記第1通路又
    は第2通路内側ではない所で前記工具の近旁の点の存在
    を表示する限り,一連の前進連続並列通路に沿い前記工
    具を移動するように前記第2軸運動信号を発生するステ
    ップをさらに含む,方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法において,前記第2
    軸運動信号を発生するために前記ビットマップを読み出
    すステップは, 前記切削記録が前記外周内であってかつ前記第1通路又
    は第2通路内側ではない所で前記工具の近旁の点が存在
    しないことを表示するとき,前記外周内であってかつ前
    記第1通路又は前記第2通路内側ではない所で最接近点
    へ前記工具を移動するように前記第2軸運動信号を発生
    するステップをさらに含む,方法。
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