JP3419677B2 - 電界放出型冷陰極の製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極の製造方法

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JP3419677B2
JP3419677B2 JP07107298A JP7107298A JP3419677B2 JP 3419677 B2 JP3419677 B2 JP 3419677B2 JP 07107298 A JP07107298 A JP 07107298A JP 7107298 A JP7107298 A JP 7107298A JP 3419677 B2 JP3419677 B2 JP 3419677B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界放出型冷陰極に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、発達したSi半導体加工技術を利
用した電界放出型の冷陰極を用いた電界放出型冷陰極の
開発が活発に行なわれている。その代表的な例としては
スピント(C.A.Spindt)らが、Journa
l of Applied Physics,Vol.
47,5248(1976)に記載したものが知られて
いる。
【0003】この電界放出型冷陰極は、Si単結晶基板
上にSiO2 層とゲート電極層を形成した後、直径約
1.5μm程度の穴を更に形成し、この穴の中に、電界
放出を行なう円錐上のエミッタを蒸着法により作製した
ものである。具体的には、図13の冷陰極部製造工程図
に示すように、Si単結晶基板206上にSiO2 層2
03をCVD等の堆積法、Mo層202及びAl層20
1をスパッタリング法により形成し、エッチングにより
これらの層にピンホールをあけた後、エミッタとなる金
属、例えばMoを垂直方向から基板を回転させながら真
空蒸着し、ピンホールの直径がモリブデンの堆積ととも
にふさがっていくことを利用して、円錐型のエミッタ2
05を形成し、電界放出型冷陰極を作製している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電界放
出型冷陰極の製造方法及びその方法により作製された電
界放出型冷陰極に以下に述べる重要な問題点かあった。
【0005】まず、第1に、前述の従来例では、回転蒸
着法により、Al層201にあけたピンホールの直径が
少しずつ小さくなることを利用して、穴の内面にエミッ
タを形成しているため、エミッタの高さや先端部の形状
などがばらつき、電界放出の均一性が悪い。また、電界
放出効率を向上させるのに必要なエミッタ先端部の鋭さ
が欠け、電界放出効率の低下や、消費電力が大ききい等
の問題があつた。
【0006】また、再現性、歩留まりも悪く、多数の電
界放出型冷陰極を同一基板上に作製する場合には、生産
コストが増加するという問題があった。特に、近年注目
されているFED(Field Emission Display)などでは大
型の平面ディスプレイとしての要求も高まっているか、
大面積の先鋭で均一な電界放出型冷陰極の作製が難しい
うえ、生産性が低く、コストが上昇するという問題があ
った。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
なされたものである。
【0008】即ち、本発明は電界放出の均一性が良好
で、ばらつきが少なく、電界放出効率も高く、しかも、
高集積化も容易で、且つ、大面積で、生産性に富み、同
一形状で先鋭な電界放出型冷陰極を多数作製できる電界
放出型冷陰極の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
金属基板上に凹部を形成する工程と、前記凹部の内面に
金属層を形成して先鋭な凹部を形成する凹部形成工程
と、前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属
基板上にエミッタ材料層を形成する工程と、前記金属基
板を前記エミッタ材料層から引き離して分離する工程と
を具備する。
【0011】また、本発明の電界放出型冷陰極の製造方
法は、金属基板上に穴を形成する工程と、前記穴の内面
を酸化して金属酸化物層を形成し、先鋭な凹部を形成す
る凹部形成工程と、前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充
填して前記金属基板上にエミッタ材料層を形成する工程
と、前記金属基板を除去する除去工程と、を具備する。
【0012】また、本発明の電界放出型冷陰極の製造方
法は、金属基板に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔
の内面に金属層を形成して先鋭な凹部を形成する工程
と、前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属
基板上にエミッタ材料層を形成する工程と、前記金属基
板を除去する除去工程とを具備する。
【0013】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
金属基板に貫通孔を形成する工程と、前記貫通孔の内面
を酸化して金属酸化物層を形成し、先鋭な凹部を形成す
る工程と、前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前
記金属基板上にエミッタ材料層を形成する工程と、前記
金属基板を除去する除去工程とを具備する。
【0014】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記貫通孔が円柱形の管状であってもよい。
【0015】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記貫通孔の半径が前記金属基板の表面で大きく、前記
金属基板の厚さ方向中央部付近で小さくなっていてもよ
い。
【0016】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
金属基板上に穴を形成する工程と、前記穴の内面に金属
層を形成して先鋭な凹部を形成する工程と、前記先鋭な
凹部表面にエミッタ材料を供給して前記金属基板上にエ
ミッタ材料層を形成する工程と、前記エミッタ材料層上
に樹脂を充填してこのエミッタ材料層を支持する樹脂層
を形成する工程と、前記金属基板を除去する工程と、を
具備する。
【0017】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
金属基板上に穴を形成する工程と、前記穴の内面を酸化
して金属酸化物層を形成し、先鋭な凹部を形成する工程
と、前記先鋭な凹部表面にエミッタ材料を供給して前記
金属基板上にエミッタ材料層を形成する工程と、前記エ
ミッタ材料層上に樹脂を充填してこのエミッタ材料層を
支持する樹脂層を形成する工程と、前記金属基板を除去
する工程と、を具備する。
【0018】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
基板上に、貫通孔を備えた第1の金属層を形成する工程
と、前記貫通孔内面に第2の金属層を形成して先鋭な凹
部を形成する工程と、前記先鋭な凹部にエミッタ材料を
充填してエミッタ材料層を形成する工程と、前記第1の
金属層及び第2の金属層を除去する除去工程と、を具備
する。
【0019】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
基板上に、貫通孔を備えた金属層を形成する工程と、前
記貫通孔内面を酸化して金属酸化物層を形成し、先鋭な
凹部を形成する工程と、前記先鋭な凹部にエミッタ材料
を充填してエミッタ材料層を形成する工程と、前記金属
層及び金属酸化物層を除去する除去工程とを具備する。
【0020】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記貫通孔の半径が開口部側で大きく、前記基板側で小
さくなっていてもよい。
【0021】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記貫通孔が直線状又は曲線状の断面を有してもよい。
【0022】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
金属基板上に穴を形成する工程と、前記穴の内面に金属
層を形成して先鋭な凹部を形成する工程と、前記先鋭な
凹部にエミッタ材料を充填して前記金属基板上にエミッ
タ材料層を形成する工程と、前記金属基板を除去する除
去工程と、前記エミッタ材料層上に絶縁層を形成する工
程と、前記絶縁層上にゲート電極層を形成する工程と、
前記絶縁層及びゲート電極層の一部を除去する工程と、
を具備する。
【0023】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
金属基板上に穴を形成する工程と、前記穴の内面を酸化
して金属酸化物層を形成し、先鋭な凹部を形成する工程
と、前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属
基板上にエミッタ材料層を形成する工程と、前記金属基
板を除去する除去工程と、前記エミッタ材料層上に絶縁
層を形成する工程と、前記絶縁層上にゲート電極層を形
成する工程と、前記絶縁層及びゲート電極層の一部を除
去する工程と、を具備する。
【0024】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記樹脂層を形成した後、更にこの樹脂層を支持層と接
合する工程を具備してもよい。
【0025】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記金属基板の前記凹部が形成された面の反対側の面に
補強層を形成する工程を更に具備してもよい。
【0026】
【0027】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記金属基板が、Fe−Ni合金またはNiCoであっ
てもよい。
【0028】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記先鋭な凹部の形成工程が鍍金により行われてもよ
い。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法は、
前記除去工程が溶解処理により行われてもよい。
【0033】
【0034】
【0035】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法で
は、前記金属基板上に形成した凹部に金属層を適用して
先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型として使用する。
この先鋭な凹部は前記金属基板の凹部の形状や大きさに
ばらつきがあっても先鋭な凹部どうしでは形状や大きさ
が更に均質なものになる。そのため、この先鋭な凹部を
鋳型として使用し、これにエミッタ材料を充填して形成
される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものがで
き、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0036】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0037】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法で
は、前記金属基板上に形成した穴の内面を酸化して金属
酸化物層を形成して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳
型として使用する。この凹部は前記金属基板の穴に形状
や大きさにばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大
きさが非常に均質なものになる。そのため、この凹部を
鋳型として使用し、これにエミッタ材料を充填して形成
される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものがで
き、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0038】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0039】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法で
は、前記金属基板上に形成した貫通孔の内面に金属層を
適用して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型として使
用する。この凹部は前記金属基板の貫通孔の形状や大き
さにばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大きさが
非常に均質なものになる。そのため、この凹部を鋳型と
して使用し、これにエミッタ材料と樹脂を充填して形成
される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものがで
き、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0040】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0041】更に、この製造方法では金属基板上に形成
した貫通孔を用いて、この貫通孔の両側から先鋭な凹部
を二つ同時に形成するので、生産効率が高い。また、貫
通孔は形状が揃い易いので、先鋭な凹部、ひいては電界
放出型冷陰極の形状や大きさのばらつきが小さくなる。
【0042】本発明の電界放出型冷陰極の製造方法で
は、前記金属基板上に形成した貫通孔の内面を酸化して
金属酸化物層を形成して先鋭な凹部を形成し、この凹部
を鋳型として使用する。この凹部は前記金属基板の貫通
孔の形状や大きさにばらつきがあっても凹部どうしでは
形状や大きさが非常に均質なものになる。そのため、こ
の凹部を鋳型として使用し、これにエミッタ材料と樹脂
を充填して形成される電界放出型冷陰極も形や大きさが
均質のものができ、電界放出の均一性が高いものが得ら
れる。
【0043】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0044】更に、この製造方法では金属基板上に形成
した貫通孔を用いて、この貫通孔の両側から先鋭な凹部
を二つ同時に形成するので、生産効率が高い。
【0045】また、前記貫通孔として円柱形の管状のも
のを採用するので、貫通孔の形状が揃い易く、先鋭な凹
部、ひいては電界放出型冷陰極の形状や大きさのばらつ
きが小さくなる。
【0046】前記貫通孔として半径が前記金属基板の表
面で大きく、前記金属基板の厚さ方向中央部付近で小さ
くなったものを採用するので、凹部の先鋭性が高く、ひ
いてエミッタ高さの高い電界放出型冷陰極が得られる。
【0047】前記金属基板上に形成した穴の内面に金属
層を適用して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型とし
て使用する。この凹部は前記金属基板の穴に形状や大き
さにばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大きさが
非常に均質なものになる。そのため、この凹部を鋳型と
して使用し、これにエミッタ材料を充填して形成される
電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものができ、電
界放出の均一性が高いものが得られる。
【0048】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0049】更に、この製造方法では、前記エミッタ材
料薄膜を支持する樹脂層を形成しているので、生産性が
高く、安価で大面積の電界放出型冷陰極を得ることがで
きる。
【0050】前記金属基板上に形成した穴の内面を酸化
して金属酸化物層を形成して先鋭な凹部を形成し、この
凹部を鋳型として使用する。この凹部は前記金属基板の
穴に形状や大きさにばらつきがあっても凹部どうしでは
形状や大きさが非常に均質なものになる。そのため、こ
の凹部を鋳型として使用し、これにエミッタ材料と樹脂
を充填して形成される電界放出型冷陰極も形や大きさが
均質のものができ、電界放出の均一性が高いものが得ら
れる。
【0051】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0052】更に、この製造方法では、前記エミッタ材
料薄膜を支持する樹脂層を形成しているので、生産性が
高く、安価で大面積の電界放出型冷陰極を得ることがで
きる。
【0053】前記基板上に貫通孔を備えた第1の金属層
を形成し、この貫通孔の内面に金属層を適用して先鋭な
凹部を形成し、この凹部を鋳型として使用する。この凹
部は前記金属基板の穴に形状や大きさにばらつきがあっ
ても凹部どうしでは形状や大きさが非常に均質なものに
なる。そのため、この凹部を鋳型として使用し、これに
エミッタ材料を充填して形成される電界放出型冷陰極も
形や大きさが均質のものができ、電界放出の均一性が高
いものが得られる。
【0054】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0055】前記基板上に貫通孔を備えた第1の金属層
を形成し、この貫通孔の内面を酸化することにより金属
酸化物層を形成して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳
型として使用する。この凹部は前記金属基板の貫通孔の
形状や大きさにばらつきがあっても凹部どうしでは形状
や大きさが非常に均質なものになる。そのため、この凹
部を鋳型として使用し、これにエミッタ材料を充填して
形成される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のもの
ができ、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0056】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
のものが得られる。そのため、電界放出効率の高い電界
放出型冷陰極が得られる。また、前記貫通孔として、半
径が開口部側で大きく、前記基板側で小さくなったもの
を採用するので、凹部の先鋭性が高く、ひいてエミッタ
高さの高い電界放出型冷陰極が得られる。
【0057】前記貫通孔として直線状又は曲線状の断面
を有するものを採用するので、凹部の先鋭性がより高
く、ひいてエミッタ高さのより高い電界放出型冷陰極が
得られる。
【0058】前記金属基板上に形成した穴の内面に金属
層を適用して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型とし
て使用する。この凹部は前記金属基板の穴に形状や大き
さにばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大きさが
非常に均質なものになる。そのため、この凹部を鋳型と
して使用し、これにエミッタ材料と樹脂を充填して形成
される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものがで
き、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0059】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0060】更にこの製造方法では、前記エミッタ材料
層上に絶縁層とゲート電極層とを形成し、これら絶縁層
及びゲート電極層の一部を除去することにより、電界放
出型冷陰極とゲート電極とを一度に製造できるので、非
常に生産性が高い。
【0061】前記金属基板上に形成した穴の内面を酸化
して金属酸化物層を形成して先鋭な凹部を形成し、この
凹部を鋳型として使用する。この凹部は前記金属基板の
穴に形状や大きさにばらつきがあっても凹部どうしでは
形状や大きさが非常に均質なものになる。そのため、こ
の凹部を鋳型として使用し、これにエミッタ材料と樹脂
を充填して形成される電界放出型冷陰極も形や大きさが
均質のものができ、電界放出の均一性が高いものが得ら
れる。
【0062】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0063】更にこの製造方法では、前記エミッタ材料
層上に絶縁層とゲート電極層とを形成し、これら絶縁層
及びゲート電極層の一部を除去することにより、電界放
出型冷陰極とゲート電極とを一度に製造できるので、非
常に生産性が高い。
【0064】
【0065】前記樹脂層を形成した後、更にこの樹脂層
上に支持層を接合しているので、エミッタ材料薄膜層と
樹脂層が補強される結果大面積化することができ、生産
性と均一性とを向上させることができる。
【0066】前記穴が形成された面の反対側の金属基板
の面に補強層を形成する。そのため、金属基板が補強さ
れるので金属基板を大面積化することができ、生産性と
均一性とを向上させることができる。
【0067】
【0068】
【0069】前記凹部形成工程として鍍金を採用するの
で、金属基板の穴の内面に金属層を形成する際にできる
先鋭の凹部は形状が均一で先の尖ったものができる。
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】前記除去工程として溶解処理を採用してい
るので、一旦形成された先鋭の凹部を傷つけることなく
迅速に得ることができ、均一な陰極を生産性良く製造す
ることができる。
【0074】
【0075】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の詳細を
図面に基づいて説明する。
【0076】(第1の実施形態)図1(a)〜(e)は
本発明の第1の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造プロセスを示す模式図であり、同図に基づいてこの実
施例における電界放出型冷陰極の製造方法を説明する。
【0077】まず、金属フィルムまたは金属シート等の
金属基板11に、中間に狭まった部分を持つ孔部12b
を形成する。このような孔部12bを形成する方法とし
ては、以下に記すようなNi合金基板のエッチングを利
用する方法がある。
【0078】すなわち、まずNi合金基板11両面上
に、レジストをスピンコート法、印刷法、噴射塗布法等
により塗布する。次に、露光機を用いて、露光、現像等
のパターニングを行った後、塩化第2鉄エッチング溶液
により、Ni基板のエッチングを行なう。
【0079】レジスト除去後、図1(a)に示すよう
に、直径約5μm、中間の狭まった部分約1μm、深さ
約5μmの孔部12bをNiFe合金(アンバー)基板
上に形成する。
【0080】次に、図1(b)に示すように、NiFe
合金(アンバー)基板11上に孔部12b内を含めてN
iFe酸化層、例えば、NixFel−x04等の酸化
層13を形成し、中間の狭まった部分で孔を塞ぎ、先鋭
な二つの凹部12を形成する。
【0081】この実施形態では、厚さO.4μmとなる
ように、NiFe熱酸化層熱13を、酸素雰囲気中での
熱処理により形成したが、空気雰囲気や高温高圧の水蒸
気のもとで熱酸化層を形成してもよい。また、電気めっ
き、例えばNiめっきなどを用いて形成してもよいし、
電気めっき層を形成後、更に、前記電気めっき層を酸化
して形成してもよい。
【0082】次いで、前記NiFe酸化層13上にエミ
ッタ材料層14として、例えばモリブデン層を、前記凹
部内面上を含めて、スパッタリング法、蒸着法、印刷
法、電気めっき法等で形成する。なお、このエミッタ材
料層をカソードライン層として用いてもよいが、更に、
エミッタ材料層上に、カソードライン層あるいは支持基
板17との接合層を兼ねる導電層15を形成してもよ
い。さらに、このカソードライン等を兼ねる導電層15
は、予め、支持基板17上に形成しておいてもよい。こ
の状態を図1(c)に示す。なお、本実施例では省略し
たが、エミッタ層の次に抵抗バラスト効果を持つポリシ
リコン、アモルファスシリコンのようなシリコンや、例
えばサーメット等のセラミック酸化物でできた芯材抵抗
層などを形成しておいてもよい。この場合には、抵抗バ
ラスト効果を高めるため、多数並んだエミッタをエッチ
ングなどにより電気的に分離しておくのが望ましい。
【0083】次に、第2の基板となる支持基板として、
ガラス基板17を用意し、図1(d)に示すようにガラ
ス基板17と前記金属基板11との間にエミッタ材料層
14を挟んで接着する。
【0084】接着法としては、接着剤等を用いてもよい
が、本実施例では、ガラス基板17背面にAl層(図示
省略)をコートし、静電接着法により接着した。
【0085】次に、ガラス基板17背面のAl層15
を、HNO3 ,HF等の混酸溶液で除去したのち、塩酸
等のエッチング液でNiFe合金(アンバー)基板11
及び酸化層または電気めっき層13を除去し、モリブデ
ン等のエミッタ材料から成る凸部18を突出させる。こ
の凸部18は、NiFe合金(アンバー)基板11の凹
部12内に充填されたエミッタ材料に相当し、先鋭で、
量産性に富む電界放出型冷陰極が得られる。この状態を
図1(e)に示す。
【0086】このままでも、各種の電子デバイスに用い
ることも出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層
としてSiO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、
ゲート電極層を、例えば、Ni,クロム、タングステン
等を用いて、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパ
ッタリング法、蒸着法等により、SiO2 層覆われた凸
部領域を含んで、SiO2 絶縁層上に形成、その後、C
MP法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等
を用いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとして用い
てもよい。
【0087】更に、こうして得られた先鋭の電界放出型
冷陰極を今度はマスターとして使用し、これのレプリカ
として同じ形状の電界放出型冷陰極を製造することも可
能である。例えば、上記のようにして形成した先鋭の電
界放出型冷陰極をマスターとして用い、この電界放出型
冷陰極の表面に絶縁層を形成し、この上に第2の基板層
を形成し、しかる後に前記マスターとしての電界放出型
冷陰極と第2の基板層とを分離する。このとき得られる
第2の基板層の表面には前記マスターとしての電界放出
型冷陰極の形状が刻まれる。
【0088】次いで、今度はこの第2の基板層を雌型と
して使用し、この中にエミッタ材料層を充填することに
よりマスターとほぼ同じ形状の電界放出型冷陰極を形成
する方法である。
【0089】(第2の実施形態)図2(a)〜(f)は
本発明の別の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製造
プロセスを示す模式図であり、同図に基づいてこの実施
形態における電界放出型冷陰極の製造方法を説明する。
【0090】まず、金属フィルムまたは金属シート等の
金属基板11に、中間に狭まった部分を持つ孔部12b
を形成する。このような孔部12bを形成する方法とし
ては、以下に記すようなNi基板のエッチングを利用す
る方法がある。すなわち、まず、Ni合金基板11両面
上に、レジストをスピンコート法、印刷法、噴射塗布法
等により塗布する。次に、露光機を用いて、露光、現像
等のパターニングを行った後、塩化第2鉄エッチング溶
液により、Ni基板のエッチングを行なう。レジスト除
去後、図2(a)に示すように、直径9μm、中間の狭
まった部分約2μm、深さ約9μmの孔部12bをNi
基板上に形成する。
【0091】次に、図2(b)に示すように、Ni基板
11上に孔部12b内を含めて、Ni電気めっきを行っ
た後、Ni酸化層を形成し、中間の狭まった部分で孔を
塞ぎ、先鋭な二つの凹部12を形成する。この実施例で
は、電気めっき層を1.5μm形成後、更に熱酸化し、
熱酸化層を厚さO.8μmとなるように、Ni熱酸化層
13を、酸素雰囲気中での熱処理により形成したが、空
気雰囲気や、高温度・高圧の水蒸気のもとで熱酸化層を
形成してもよい。
【0092】次いで、前記Ni酸化層13上に、溶融し
たポリカーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、
ポリメチルメタクレート樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、また
は、エポキシ系樹脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の
熱硬化性樹脂の少なくともいずれかーつを、加圧、紫外
線、常圧注入の少なくともいずれかの手段により充填
し、樹脂層142を形成する。この際、例えば、Au、
Pt、Ag、Cu、Mo,W等の微粒子、超微粒子を混
入させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせ、芯材抵抗
バラスト層を形成し、さらに、ガラス基板と接合層を兼
ねたカソードライン層15を形成することが望ましい。
なお、このカソードライン等を兼ねる導電層15は、予
め、ガラス支持基板17上に形成しておいてもよい。こ
の状態を図2(c)に示す次に、第2の基板となる支持
基板として、ガラス支持基板17を用意し、ガラス基板
17と前記金属基板11との間に樹脂材料層142を挟
むように接着する。
【0093】接着法としては、樹脂接着、低融点ガラ
ス、水ガラス、SOG(いわゆるスピンオングラス)溶
液、静電接着等を用いてよい。この状態を図2(d)に
示す。次に、NiFe金属基板と、塩酸等のエッチング
液でNiFe合金(アンバー)基板11及び酸化層また
は電気めっき層13を除去し、先鋭な凸部18を含む厚
い樹脂層142を得る。
【0094】このようなプロセスで繰り返し製造するこ
とにより、再現性良く、多数回に亘り、大面積の凸状樹
脂を大量に得ることが出来る。また上記実施形態では二
つの凹部からエミッタを形成したが、片側の凹部だけを
用いてもよい。この状態を図2(e)に示す。
【0095】次に、この樹脂材料層142上に、エミッ
タ材料層14として、例えばモリブデン層を、前記凸部
18を含めて、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、電
気めっき法等で形成し、先鋭で、量産性に富む電界放出
型冷陰極が得られる。この状態を図2(f)に示す。こ
の際、このエミッタ材料層14をカソードラインとして
形成してもよいし、上記樹脂層に、例えば、Au、P
t、Ag、Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子を混入
させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせたり、樹脂層
をカーボナイズさせたりすることにより、上記樹脂層を
導電層としたり、芯材抵抗層として用いた場合には、樹
脂背面にカソードラインを形成してもよい。
【0096】また、芯材抵抗層として用いた場合には、
抵抗バラスト効果を高めるため、多数並んだエミッタを
エッチングなどにより電気的に分離しておくのが望まし
い。このままでも、各種の電子デバイスに用いることも
出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層としてS
iO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリング法、電
子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、ゲート電
極層を、例えば、Ni、クロム、タングステン等を用い
て、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパッタリン
グ法、蒸着法等により、SiO2 層に覆われた凸部領域
を含んで、SiO2 絶縁層上に形成し、その後、CMP
法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等を用
いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとして用いても
よい。また、上記実施形態で得られた大面積の電界放出
型冷陰極をタイリング等の方法により複数個配列して、
更に、大面積の電界放出型冷陰極を得てもよい。
【0097】(第3の実施形態)図3(a)〜(f)は
本発明の別の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製造
プロセスを示す模式図であり、同図に基づいてこの実施
例における電界放出型冷陰極の製造方法を説明する。
【0098】まず、金属フィルムまたは金属シート等の
金属基板11に、貫通した孔部12bを形成する。
【0099】このような貫通した孔部12bを形成する
方法としては、以下に記すようなNi基板のエッチング
を利用する方法がある。すなわち、まず、Ni合金基板
11両面上に、レジストをスピンコート法、印刷法、噴
射塗布法等により塗布する。次に、露光機を用いて、露
光、現像等のパタ−ニングを行った後、塩化第2鉄エッ
チング溶液により、Ni基板のエッチングを行なう。レ
ジス卜除去後、図3(a)に示すように、直径15μ
m、深さ約15μmの孔部12bをNi基板上に形成さ
せる。
【0100】次に、図3(b)に示すように、Ni基板
11上に孔部12b内を含めて、厚くNi電気めっきを
行つて孔部12bを塞いだ後、Ni酸化層を形成し、先
鋭な二つの凹部12を形成する。
【0101】この実施形態では、電気めっき層を8μm
形成後、更に熱酸化し、熱酸化層を厚さ1μmとなるよ
うに、Ni熱酸化層13を、酸素雰囲気中での熱処理に
より形成したが、空気雰囲気や、高温度・高圧の水蒸気
のもとで熱酸化層を形成してもよい。
【0102】次に、図3(c)に示すように、前記Ni
酸化層13上に、凹部を含めて、溶融したポリカーボネ
ート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタ
クレート樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、エポ
キシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、または、エポキシ系樹
脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の熱硬化性樹脂の少
なくともいずれかーつを、加圧、紫外線、常圧注入の少
なくともいずれかの手段により充填し、樹脂層142を
形成する。
【0103】この際、樹脂層142を支持基板としても
よいが、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W等
の微粒子、超微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に導
電性を持たせ、芯材抵抗バラスト層を形成、さらに、ガ
ラス基板と接合層を兼ねたカソードライン層15を形成
して、ガラス基板と接合することが望ましい。なお、こ
のカソードライン等を兼ねる導電層15は、予め、ガラ
ス支持基板17上に形成しておいてもよい。
【0104】次に、NiFe金属基板と、塩酸等のエッ
チング液でNiFe合金(アンバー)基板11及び酸化
層または電気めっき層13を除去し、先鋭な凸部18を
含む厚い樹脂層142を得る。
【0105】このようなプロセスで繰り返し製造するこ
とにより、再現性良く、多数回に亘り、大面積の凸状樹
脂を大量に得ることが出来る。この状態を図3(d)に
示す。
【0106】次に、この樹脂材料層上に、エミッタ材料
層14として、例えばモリブデン層を、前記凸部18を
含めて、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、電気めっ
き法等で形成し、先鋭で、量産性に富む電界放出型冷陰
極が得られる。この状態を図3(e)に示す。この際、
このエミッタ層をカソードラインとして形成して用いて
もよいし、上記樹脂層に、例えば、Au、Pt、Ag、
Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子を混入させたり、
上記樹脂自体に導電性を持たせたり、樹脂層をカーボナ
イズさせたりすることにより、上記樹脂層を導電層とし
たり、芯材抵抗層として用いた場合には、樹脂背面にカ
ソードラインを形成してもよい。また、芯材抵抗層とし
て用いた場合には、抵抗バラスト効果を高めるため、多
数並んだエミッタをエッチングなどにより電気的に分離
しておくのが望ましい。
【0107】なお、ガラス基板17に導電層15を介し
て積層した例を同図(f)に示す。このままでも、各種
の電子デバイスに用いることも出来るが、例えばゲート
とエミッタ間の絶縁層としてSiO2 やSiN、等をC
VD法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、印刷法
などで形成し、更に、ゲート電極層を、例えば、Ni,
クロム、タングステン等を用いて、無電解メッキ、電気
メッキ、印刷法、スパッタリング法、蒸着法等により、
SiO2 層で覆われた凸部領域を含んで、SiO2 絶縁
層上に形成し、その後、CMP法、CDE法、RIE
法、ウエットエッチング法等を用いてゲート開口し、ゲ
ート付きエミッタとして用いてもよい。また、上記実施
形態で得られた大面積の電界放出型冷陰極をタイリング
等の方法により複数個配列して、更に、大面積の電界放
出型冷陰極を得てもよい。
【0108】(第4の実施形態)[4−1] 図4(a)〜(g)は本発明の一実施形態に係わる電界
放出型冷陰極の製造プロセスを示す模式図であり、同図
に基づいてこの実施形態における電界放出型冷陰極の製
造方法を説明する。
【0109】まず、金属基板またはガラス基板26上
に、後に孔部となるレジスト柱25を形成する。図4
(a)はガラス基板26上にレジスト柱25を形成した
状態を示した垂直断面図である。しかる後、孔部を形成
する。
【0110】このようなレジスト柱を形成する方法とし
ては、以下に記すような電気メッキ(エレクトロフォー
ミング法)を用いる方法がある。まず、Ni合金基板2
6両面上に、レジストをスピンコート法、印刷法、噴射
塗布法等により塗布する。次に、露光機を用いて、露
光、現像等のパタ−ニングを行い、レジスト柱25を形
成する。本実施形態では、図4(a)に示すように、直
径10μm、深さ約12μmのレジスト柱25を絶縁層
が形成されたNi基板上26上に形成させる。
【0111】次に、Ni等の材料を用いて、電気めっき
(エレクトロフオーミング法)等によりレジスト柱25
の周囲にNi等からなる金属フィルム層やシート層11
を形成させる。この状態を図4(b)に示す。
【0112】次に、レジスト柱25及び金属層26を溶
解除去すると、微細な孔12bを有するNiフィルム基
板11が得られる。この状態を図4(c)に示す。
【0113】次に、図4(d)に示すように、Ni基板
11上に孔部12b内を含めて、厚くNi電気めっき層
13´を形成して孔部12bを塞いだ後、Ni酸化層1
3を形成し、先鋭な二つの凹部12を形成する。この実
施形態では、電気めっき層13´を8μm形成後、更に
熱酸化し、熱酸化層13を厚さ1μmとなるように、N
i熱酸化層13を、酸素雰囲気中での熱処理により形成
したが、空気雰囲気や、高温度・高圧の水蒸気のもとで
熱酸化層を形成してもよい。
【0114】次に、図4(e)に示すように、前記Ni
酸化層13上に、凹部を含めて、溶融したポリカーボネ
ート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタ
クレート樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、エポ
キシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、または、エポキシ系樹
脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の熱硬化性樹脂の少
なくともいずれかーつを、加圧、紫外線、常圧注入の少
なくともいずれかの手段により充填し、樹脂層142を
形成する。
【0115】この際、樹脂層142を支持基板としても
よいが、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W等
の微粒子、超微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に導
電性を持たせ、芯材抵抗バラスト層を形成し、さらに、
ガラス基板と接合層とを兼ねたカソードライン層15を
形成して、ガラス基板と接合することが望ましい。な
お、このカソードライン等を兼ねる導電層15は、子
め、ガラス支持基板17上に形成しておいてもよい。最
終的にこのプロセスで形成した電界放出型電極の例を図
(g)に示す。
【0116】次に、NiFe金属基板と、塩酸等のエッ
チング液でNiFe合金(アンバー)基板11及び酸化
層または電気めっき層13を除去し、先鋭な凸部18を
含む厚い樹脂層142を得る。
【0117】このようなプロセスで繰り返し製造するこ
とにより、再現性良く、多数回に亘り、大面積の凸状樹
脂を大量に得ることが出来る。そして、この樹脂材料層
142上に、エミッタ材料層14として、例えばモリブ
デン層14を、前記凸部18を含めて、スパッタリング
法、蒸着法、印刷法、電気めっき法等で形成し、先鋭
で、量産性に富む電界放出型冷陰極が得られる。この状
態を図4(f)に示す。この際、このエミッタ層をカソ
ードラインとして形成して用いてもよいし、上記樹脂層
142に、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W
等の微粒子、超微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に
導電性を持たせたり、樹脂層をカーボナイズさせたりす
ることにより、上記樹脂層142を導電層としたり、芯
材抵抗層として用いた場合には、樹脂背面にカソードラ
インを形成してもよい。また、芯材抵抗層として用いた
場合には、抵抗バラスト効果を高めるため、多数並んだ
エミッタをエッチングなどにより電気的に分離しておく
のが望ましい。
【0118】このままでも、各種の電子デバイスに用い
ることも出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層
としてSiO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、
ゲート電極層を、例えば、Ni,クロム、タングステン
等を用いて、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパ
ッタリング法、蒸着法等により、SiO2 層覆われた凸
部領域を含んで、SiO2 絶縁層上に形成、その後、C
MP法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等
を用いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとして用い
てもよい。
【0119】(第5の実施形態)[4−2] 図5(a)〜(g)は本発明の一実施形態に係わる電界
放出型冷陰極の製造プロセスを示す模式図であり、同図
に基づいてこの実施形態における電界放出型冷陰極の製
造方法を説明する。
【0120】上記第4の実施形態で説明したエレクトロ
フォーミング法のもう一つの方法としてアディティブ法
と呼ばれる方法がある。
【0121】このアディティブ法では、まず、ガラス基
板26両面上に、レジストをスピンコート法、印刷法、
噴射塗布法等により塗布する。次に、露光機を用いて、
露光、現像等のパタ−ニングを行い、レジスト柱25を
形成する。本実施形態では、図5(a)に示すように、
直径10μm、深さ約12μmのレジスト柱25を絶縁
層が形成されたガラス基板26上等に形成させる。
【0122】次に、Ni等の材料を用いて、電気めっき
(エレクトロフオーミング法)等によりレジスト柱25
の周囲にNi等からなる金属フィルム層やシート層11
を形成させる。この状態を図5(b)に示す。
【0123】次に、レジスト柱25を溶解除去すると、
微細な凹部12bを有するNiフィルム基板が得られ
る。この際、電気めっき層のための土台としてガラス基
板を用いた場合には、必ずしも除去しなくてもよい。こ
の状態で電気めっき等によりレジスト柱25が溶解除去
されて形成された凹部12b(図示省略)上にNi等の
金属を析出させると、Ni層が成長して凹部12bの周
囲から中心に厚膜化し、凹部12bの中央付近を中心と
して円錐型の先鋭な凹部が形成される。この状態を図4
(c)に示す。
【0124】次に、図4(d)に示すように、Ni基板
11上に孔部12b内を含めて、厚くNi電気めっき層
13´を形成して孔部12bを塞いだ後、Ni酸化層1
3を形成し、先鋭な凹部12b´を形成する。
【0125】この実施形態では、電気めっき層11を8
μm形成後、更に熱酸化し、熱酸化層13を厚さ1μm
となるように、Ni熱酸化層13を、酸素雰囲気中での
熱処理により形成したが、空気雰囲気や、高温度・高圧
の水蒸気のもとで熱酸化層を形成してもよい。
【0126】次に、図5(e)に示すように、前記Ni
酸化層13上に、凹部を含めて、溶融したポリカーボネ
ート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタ
クレート樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、エポ
キシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、または、エポキシ系樹
脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の熱硬化性樹脂の少
なくともいずれかーつを、加圧、紫外線、常圧注入の少
なくともいずれかの手段により充填し、樹脂層142を
形成する。
【0127】この際、樹脂層142を支持基板としても
よいが、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W等
の微粒子、超微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に導
電性を持たせ、芯材抵抗バラスト層を形成し、さらに、
ガラス基板と接合層とを兼ねたカソードライン層15を
形成して、ガラス基板と接合することが望ましい。な
お、このカソードライン等を兼ねる導電層15は、子
め、ガラス支持基板17上に形成しておいてもよい。最
終的にこのプロセスで形成した電界放出型電極の例を図
(g)に示す。
【0128】次に、NiFe金属基板と、塩酸等のエッ
チング液でNiFe合金(アンバー)基板11及び酸化
層または電気めっき層11を除去し、先鋭な凸部18を
含む厚い樹脂層142を得る。
【0129】このようなプロセスで繰り返し製造するこ
とにより、再現性良く、多数回に亘り、大面積の凸状樹
脂を大量に得ることが出来る。そして、この樹脂材料層
142上に、エミッタ材料層14として、例えばモリブ
デン層14を、前記凸部18を含めて、スパッタリング
法、蒸着法、印刷法、電気めっき法等で形成し、先鋭
で、量産性に富む電界放出型冷陰極が得られる。この状
態を図4(f)に示す。この際、このエミッタ層をカソ
ードラインとして形成して用いてもよいし、上記樹脂層
142に、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W
等の微粒子、超微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に
導電性を持たせたり、樹脂層をカーボナイズさせたりす
ることにより、上記樹脂層142を導電層としたり、芯
材抵抗層として用いた場合には、樹脂背面にカソードラ
インを形成してもよい。また、芯材抵抗層として用いた
場合には、抵抗バラスト効果を高めるため、多数並んだ
エミッタをエッチングなどにより電気的に分離しておく
のが望ましい。
【0130】このままでも、各種の電子デバイスに用い
ることも出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層
としてSiO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、
ゲート電極層を、例えば、Ni,クロム、タングステン
等を用いて、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパ
ッタリング法、蒸着法等により、SiO2 層覆われた凸
部領域を含んで、SiO2 絶縁層上に形成、その後、C
MP法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等
を用いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとして用い
てもよい。
【0131】(第6の実施形態)図6(a)〜(f)は
本発明の一実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製造プ
ロセスを示す模式図であり、同図に基づいてこの実施形
態における電界放出型冷陰極の製造方法を説明する。
【0132】まず、ガラス基板26上に、後にNiめっ
き層の成長の核となる導電層25を形成する。図6
(a)はガラス基板26上に導電層25を形成し、その
上に電気めっき等によりNi層を積層させた状態を示し
た垂直断面図である。
【0133】このような方法としては、まず、Ni合金
基板26面上に、導電層25を電気めっきや無電界めっ
き法等により形成する。
【0134】本実施形態では、図6(a)に示すよう
に、直径10μm、深さ約12μmの導電層25を複数
個、所定の間隔を隔てて島状にガラス基板26上等に形
成させる。このとき、隣接する導電層25,25,…の
間は十分開いているがこの間の部分が後に凹部12bと
なる。
【0135】次に、Ni等の材料を用いて、電気めっき
(エレクトロフオーミング法)等により導電層25,2
5,…の周囲にNi等をめっきなどの方法により析出さ
せる。
【0136】こうして析出されたNiはNi層11を形
成し、このNi層11は導電層25,25,…を核にし
て堆積、成長する。このNi層11の成長に伴い、隣接
する導電層25,25,…の間は除除に狭くなり、やが
て凹部12bは先鋭の凹部12b´を形成する。この状
態を示したのが図6(b)である。
【0137】次いで、酸化処理を施してNi層を熱酸化
し、熱酸化層13を厚さ1μmとなるように形成した。
この状態を示したのが図6(c)である。
【0138】なお本実施形態では、Ni熱酸化層13
を、酸素雰囲気中での熱処理により形成したが、空気雰
囲気や、高温度・高圧の水蒸気のもとで熱酸化層を形成
してもよい。
【0139】次に、図6(d)に示すように、前記Ni
酸化層13上に、凹部12b´を含めて、溶融したポリ
カーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリメ
チルメタクレート樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹
脂、エポキシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、または、エポ
キシ系樹脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の熱硬化性
樹脂の少なくともいずれかーつを、加圧、紫外線、常圧
注入の少なくともいずれかの手段により充填し、樹脂層
142を形成する。
【0140】この際、樹脂層142を支持基板としても
よいが、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W等
の微粒子、超微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に導
電性を持たせ、芯材抵抗バラスト層を形成し、さらに、
ガラス基板と接合層とを兼ねたカソードライン層15を
形成して、ガラス基板と接合することが望ましい。な
お、このカソードライン等を兼ねる導電層15は、予
め、ガラス支持基板17上に形成しておいてもよい。最
終的にこのプロセスで形成した電界放出型電極の例を図
6(e)に示す。
【0141】次に、NiFe金属基板と、塩酸等のエッ
チング液でNiFe合金(アンバー)基板11及び酸化
層または電気めっき層13を除去し、先鋭な凸部18を
含む厚い樹脂層142を得る。
【0142】このようなプロセスで繰り返し製造するこ
とにより、再現性良く、多数回に亘り、大面積の凸状樹
脂を大量に得ることが出来る。そして、この樹脂材料層
142上に、エミッタ材料層14として、例えばモリブ
デン層14を、前記凸部18を含めて、スパッタリング
法、蒸着法、印刷法、電気めっき法等で形成し、先鋭
で、量産性に富む電界放出型冷陰極が得られる。この状
態を図6(f)に示す。この際、このエミッタ層をカソ
ードラインとして形成して用いてもよいし、上記樹脂層
142に、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Mo、W
等の微粒子、超微粒子を混入させたり、上記樹脂自体に
導電性を持たせたり、樹脂層をカーボナイズさせたりす
ることにより、上記樹脂層142を導電層としたり、芯
材抵抗層として用いた場合には、樹脂背面にカソードラ
インを形成してもよい。また、芯材抵抗層として用いた
場合には、抵抗バラスト効果を高めるため、多数並んだ
エミッタをエッチングなどにより電気的に分離しておく
のが望ましい。
【0143】このままでも、各種の電子デバイスに用い
ることも出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層
としてSiO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、
ゲート電極層を、例えば、Ni,クロム、タングステン
等を用いて、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパ
ッタリング法、蒸着法等により、SiO2 層覆われた凸
部領域を含んで、SiO2 絶縁層上に形成、その後、C
MP法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等
を用いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとして用い
てもよい。
【0144】(第7の実施形態)図9(a)〜(e)は
本発明の第7の実施形態に係る電界放出型冷陰極の製造
プロセスを示す模式図であり、同図に基づいてこの実施
形態における電界放出型冷陰極の製造方法を説明する。
【0145】まず、金属フィルムまたは金属シート等の
金属基板11の片側表面に底部を尖らせた第1の凹部を
形成する。このような凹部を形成する方法としては、以
下に記すようなNi合金基板のエッチングを利用する方
法がある。
【0146】すなわち、まず、Ni基板11上に、レジ
ストをスピンコート法、印刷法、噴射塗布法等により塗
布する。次に、露光機を用いて、露光、現像等のパタ−
ニングを行った後、塩化第2鉄エッチング溶液により、
Ni基板のエッチングを行なう。レジスト除去後、図9
(a)に示すように、直径約5μm、深さ約3μmの凹
部12をNiFe合金(アンバー)基板土に形成させ
る。
【0147】次に、NiFe合金(アンバー)基板11
上に凹部12内を含めてNi酸化層、13を形成する。
この実施形態では、厚さ0.4μmとなるように、Ni
熱酸化層13を、酸素雰囲気中での熱処理により形成し
たが、空気雰囲気、や、高温度・高圧の水蒸気のもとで
熱酸化層を形成してもよい。また、電気めっき、例えば
Niめっきなどを用いて形成してもよいし、電気めっき
層を形成後、更に、前記電気めっき層を酸化して形成し
てもよい。次に、金属基板をNiメッキの電解溶液LE
中に浸浸する。そして、金属基板をカソード電極、ま
た、Ni電極、例えば溶解効率が高いデポラライズドN
i電極をアノ一ド電極AEとして用い、電気めっきによ
り金属基板上にNiからなる厚い支持材料層21を形成
する。
【0148】なお、支持材料層21は、電気めっきに代
え、CVD、スパッタリング等の堆積技術によって形成
することもできる。この状態を図7(b)に示す。
【0149】次に、図9(c)に示すように、前記Ni
酸化層13上に、凹部を含めて、溶融したポリカーボネ
ート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタ
クレート樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリル系樹脂、エポ
キシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、または、エポキシ系樹
脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の熱硬化性樹脂の少
なくともいずれかーつを、加圧、紫外線、常圧注入の少
なくともいずれかの手段により充填し、樹脂層142を
形成する。
【0150】次に、金属基板11と樹脂層142を引き
離すことにより、先鋭な凸部を含む厚い樹脂層142を
得る。支持材料層21の金属基板はマスター基板として
用いられ、その後、上記、樹脂充填と、マスター基板と
の分離により、再現性良く、多数回に亘り、大面積の凸
状樹脂を大量に得ることが出来る。この状態を図9
(d)に示す。
【0151】次に、この樹脂材料層142上に、エミッ
タ材料層14として、例えばモリブデン層を、前記凸部
18を含めて、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、電
気めっき法等で形成し、先鋭で、量産性に富む電界放出
型冷陰極が得られる。この状態を図9(e)に示す。こ
の際、このエミッタ材料層14をカソードラインとして
形成してもよいし、上記樹脂層142に、例えば、A
u、Pt、Ag、Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子
を混入させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせたり、
樹脂層142をカーボナイズさせたりすることにより、
上記樹脂層142を導電層とした場合には、樹脂背面に
カソードラインを形成してもよい。また、この樹脂導電
層を芯材抵抗バラスト層として用いてもよい。さらに、
この樹脂導電層をガラス基板と接合してもよいし、この
カソードラインを予め、ガラス支持基板上に形成してお
いてもよい。また、その場合には抵抗バラスト効果を高
めるため、多数並んだエミッタをエッチングなどにより
電気的に分離しておくのが望ましい。
【0152】このままでも、各種の電子デバイスに用い
ることも出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層
としてSiO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリン
グ法、電子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、
ゲート電極層を、例えば、Ni,クロム、タングステン
等を用いて、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパ
ッタリング法、蒸着法等により、SiO2 層で覆われた
凸部領域を含んで、SiO2 絶縁層上に形成し、その
後、CMP法、CDE法、RIE法、ウエットエッチン
グ法等を用いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとし
て用いてもよい。(第8の実施形態)図10(a)〜
(e)は本発明の第8の実施形態に係る電界放出型冷陰
極の製造プロセスを示す模式図であり、同図に基づいて
この実施例における電界放出型冷陰極の製造方法を説明
する。
【0153】まず、Ni.NiFe合金(アンバー)等
の大面積の金属フィルムまたは金属シート等の金属基板
の片側表面に底部を尖らせた第1の凹部を形成する。す
なわち、まず、NiFe合金(アンバー)からなる大面
積基板11上に、レジストをスピンコート法、印刷法、
噴射塗布法等により塗布する。次に、露光機を用いて、
露光、現像等のパタ−ニングを行った後、塩化第2鉄エ
ッチング溶液により、NiFe合金(アンバー)基板の
エッチングを行なう。レジスト除去後、図10(a)に
示すように、直径9μm深さ約5μmの凹部12をNi
Fe合金(アンバー)基板上に形成させる。
【0154】次に、図10(b)に示すように、NiF
e合金基板11上に凹部12内を含めてNiFe酸化
層、通常、NixFe1−xO4等の酸化層13を形成
する。この実施形態では、厚さ0.8μmとなるよう
に、NiFe熱酸化層13を、酸素雰囲気中での熱処理
により形成したが、空気雰囲気、や、高温高圧の水蒸気
のもとで熱酸化層を形成してもよい。
【0155】また、電気めっき、例えばNiめっきなど
を用いて形成してもよいし、電気めつき層を形成後、更
に、前記電気めっき層を酸化して形成してもよい。更
に、厚い支持基板、例えば、厚いNi基板を接合層23
を介してフィルム状のNiFe合金基板と接合し裏打ち
支持基板とする。
【0156】次いで、前記NiFe酸化層13上に、溶
融したポリカーボネート樹脂、非晶質ポリオレフィン樹
脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の熱可塑性樹脂、ア
クリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、ま
たは、エポキシ系樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂
等の熱硬化性樹脂の少なくともいずれかーつを、加圧、
紫外線、常圧注入の少なくともいずれかの手段により充
填し、樹脂層142を形成する。この際、例えば、A
u、Pt、Ag、Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子
を混入させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせ、芯材
抵抗バラスト層を形成、さらに、ガラス基板と接合層を
兼ねたカソードライン層15を形成することが望まし
い。なお、このカソードライン等を兼ねる導電層15
は、予め、ガラス支持基板17上に形成しておいてもよ
い。
【0157】次に、第2の基板となる支持基板として、
ガラス支持基板17を用意し、ガラス基板17と前記金
属基板11を樹脂材料層142を介するように接着す
る。接着法としては、樹脂接着、低融点ガラス、水ガラ
ス、SOG(いわゆるスピンオングラス)溶液、静電接
着等を用いてよい。この状態を図10(c)に示す。
【0158】次に、NiFe金属基板と、樹脂層が形成
されたガラス支持基板を引き離すことにより、先鋭な凸
部18を含む厚い樹脂層142を得る。裏打ち支持材料
層がついた金属基板はマスター基板として用いられ、そ
の後、上記、樹脂充填と、マスター基板との分離によ
り、再現性良く、多数回に亘り、大面積の凸状樹脂を大
量に得ることが出来る。この状態を図10(d)に示
す。
【0159】次に、この樹脂材料層142上に、エミッ
タ材料層14として、例えばモリブデン層を、前記凸部
18を含めて、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、電
気めっき法等で形成し、先鋭で、量産性に富む電界放出
型冷陰極が得られる。この状態を図10(e)に示す。
この際、このエミッタ層をカソードラインとして形成し
てもよいし、上記樹脂層に、例えば、Au、Pt、A
g、Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子を混入させた
り、上記樹脂自体に導電性を持たせたり、樹脂層をカー
ボナイズさせたりすることにより、上記樹脂層を導電層
としたり、芯材抵抗層として用いた場合には、樹脂背面
にカソードラインを形成してもよい。
【0160】また、芯材抵抗層として用いた場合には、
抵抗バラスト効果を高めるため、多数並んだエミッタを
エッチングなどにより電気的に分離しておくのが望まし
い。このままでも、各種の電子デバイスに用いることも
出来るが、例えばゲートとエミッタ間の絶縁層としてS
iO2 やSiN、等をCVD法、スパッタリング法、電
子ビーム蒸着法、印刷法などで形成し、更に、ゲート電
極層を、例えば、Ni,クロム、タングステン等を用い
て、無電解メッキ、電気メッキ、印刷法、スパッタリン
グ法、蒸着法等により、SiO2 層で覆われた凸部領域
を含んで、SiO2 絶縁層上に形成、その後、CMP
法、CDE法、RIE法、ウエットエッチング法等を用
いてゲート開口し、ゲート付きエミッタとして用いても
よい。
【0161】また、上記実施例で得られた大面積の電界
放出型冷陰極をタイリング等の方法により複数個配列し
て、更に、大面積の電界放出型冷陰極を得てもよい。
【0162】(第9の実施形態)図11(a)〜(h)
は本発明の第9の実施例に係る電界放出型冷陰極の製造
プロセスを示す模式図であり、同図に基づいてこの実施
形態における電界放出型冷陰極の製造方法を説明する。
【0163】まず、金属フィルムまたは金属シート等の
金属基板の片側表面に底部を尖らせた第1の凹部を形成
する。このような凹部を形成する方法としては、以下に
記すようなNi合金基板のエッチングを利用する方法が
ある。すなわち、まず、NiFe合金(アンバー)から
なる基板11上に、レジストをスピンコート法、印刷
法、噴射塗布法等により塗布する。
【0164】次に、露光機を用いて、露光、現像等のパ
タ−ニングを行つた後、塩化第2鉄エッチング溶液によ
り、NiFe合金(アンバー)基板のエッチングを行な
う。レジスト除去後、図11(a)に示すように、直
径、約5μm、深さ約3μmの凹部12をNiFe合金
(アンバー)基板上に形成させる。
【0165】次に、図11(b)に示すように、NiF
e合金(アンバー)基板11上に凹部12内を含めてN
iFe酸化層、通常、NixFe1−xO4等の酸化層
13を形成する。この実施例では、厚さ0.4μmとな
るように、NiFe熱酸化層13を、酸素雰囲気中での
熱処埋により形成したが、空気雰囲気や、高温高圧の水
蒸気のもとで熱酸化層を形成してもよい。また、電気め
っき、例えばNiめっきなどを用いて形成してもよい
し、電気めっき層を形成後、更に、前記電気めっき層を
酸化して形成してもよい。
【0166】次いで、前記NiFe酸化層13上にエミ
ッタ材料層14として、例えばモリブデン層を、前記凹
部14内面上を含めて、スパッタリング法、蒸着法、印
刷法、電気めっき法等で形成する。更に、エミッタ材料
層上に、カソードライン層あるいは支持基板17との接
合層を兼ねる導電層15を形成する。なお、このカソー
ドライン等を兼ねる導電層15は、予め、支持基板17
上に形成しておいてもよい。また、この導電層15はエ
ミッタ材料層14の材質によっては省くことができ、そ
の場合には、エミッタ材料層がカソード電極層を兼ねる
ことになる。この状態を図9(b)に示す。なお、本実
施形態では省略したが、エミッタ層の次に抵抗バラスト
効果を持つSi、サーメット等の芯材抵抗層などを形成
しておいてもよい。この場合には、抵抗バラスト効果を
高めるため、多数並んだエミッタをエッチングなどによ
り電気的に分離しておくのが望ましい。
【0167】次に、第2の基板となる支持基板として、
ガラス基板17を用意し、図11(c)に示すようにガ
ラス基板17と前記金属基板11をエミッタ材料層14
を介するように接着する。
【0168】接着法としては、接着剤等を用いてもよい
が、本実施形態では、ガラス基板背面にAl層16をコ
ートし、静電接着法により接着した。
【0169】次に、ガラス基板17背面のAl層16
を、HNO3 ,HF等の混酸溶液で除去したのち、塩酸
等のエッチング液でNiFe合金(アンバー)基板11
及び酸化層13を除去し、モリブデン等のエミッタ材料
から成る凸部18を突出させる。この凸部18は、Ni
Fe合金(アンバー)基板11の凹部12内に充填され
たエミッタ材料に相当する。
【0170】次に、図11(e)に示すように、ゲート
層とエミッタ間の電気的絶縁層となるSiO2 やSi
N、等をCVD法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着
法、印刷法などで、エミッタ層やガラス基板上に形成す
る。なお、本実施例では熱酸化層13を除去したが、熱
酸化層13を電気的絶縁層として用いてもよいし、新た
に形成した電気的絶縁層19と組み合わせて用いてもよ
い。
【0171】次に、ゲート電極層20として、例えばN
i、クロム、タングステン等を用いて、無電解メッキ、
電気メッキ、印刷法、スパッタリング法、蒸着法等によ
り、SiO2 層19で覆われた凸部18の領域を含ん
で、SiO2 絶縁層19上に形成する。本実施形態では
厚さ約1μmとなるように無電解メッキ法及び電気めっ
き法の組み合わせによりによりNi層を形成した。この
状態を図11(f)に示す。
【0172】次に、ゲート電極層20および絶縁層19
をCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)法な
どにより、エミッタ凸部の先端を破壊しない程度にまで
エッチングする。
【0173】この状態を図11(g)に示す。
【0174】次に、NH4 F−HF混合溶液を用いて、
凸部18の先端部18aの周囲のSiO2 絶縁層19を
選択的にエッチング除去する。これによって、図11
(h)に示すように、ゲー卜電極層20の開口部19b
が形成されるとともに、エミッタ材料によるピラミッド
状凸部18の先端部18aが露出され、先鋭なゲート付
きエミッタ、すなわち、電界放出型冷陰極が形成され
る。
【0175】なお、上記実施例では、CMP法を用い
て、いわゆるゲート開ロプロセスを行つたが、上記ゲー
ト電極層20上にフォトレジストを塗布し、酸素プラズ
マによるドライエッチングを行い、凸部先端が僅かに現
れるようにした後、ウエットエッチング法、リアクティ
ブイオンエッチング(RIE)等により、凸部18上の
ゲート電極層20を除去、更に、フォトレジスト層、及
び、NH4 F・HF混合溶液を用いて、SiO2 絶縁層
19を選択的に除去することにより、ゲート開口をして
もよい。
【0176】(第10の実施形態)図12(a)〜
(h)は本発明の第10の実施形態に係わる電界放出型
冷陰極の製造プロセスを示す模式図であり、同図に基づ
いてこの実施形態における電界放出型冷陰極の製造方法
を説明する。
【0177】まず、Ni.NiFe合金(アンバー)等
の大面積の金属フィルムまたは金属シート等の金属基板
の片側表面に底部を尖らせた第1の凹部を形成する。す
なわち、まず、Niからなる大面積基板11上に、レジ
ストをスピンコート法、印刷法、噴射塗布法等により塗
布する。次に、露光機を用いて、露光、現像等のパター
ニングを行った後、塩化第2鉄エッチング溶液により、
Ni基板のエッチングを行なう。レジスト除去後、図1
2(a)に示すように、直径9μm深さ約5μmの凹部
12をNi基板上に形成させる。
【0178】次に、図12(b)に示すように、Ni基
板11上に凹部12内を含めてNi酸化層、酸化層13
を形成する。この実施例では、厚さO.8μmとなるよ
うに、Ni熱酸化層13を、酸素雰囲気中での熱処理に
より形成したが、空気雰囲気、や、高温高圧の水蒸気の
もとで熱酸化層を形成してもよい。また、電気めっき、
例えばNiめっきなどを用いて形成してもよいし、電気
めっき層を形成後、更に、前記電気めっき層を酸化して
形成してもよい。
【0179】次いで、前記Ni酸化層13上に、溶融し
たポリカーボネート樹脂、非晶質ポリオレフイン樹脂、
ポリメチルメタクレート樹脂等の熱可塑性樹脂、アクリ
ル系樹脂、エポキシ系樹脂等の紫外線硬化樹脂、また
は、エポキシ系樹脂、ポリメチルメタクレート樹脂等の
熱硬化性樹脂の少なくともいずれか一つを、加圧、紫外
線、常圧注入の少なくともいずれかの手段により充填
し、樹脂層142を形成する。この際、例えば、Au、
Pt、Ag、Cu、Mo、W等の微粒子、超微粒子を混
入させたり、上記樹脂自体に導電性を持たせ、芯材抵抗
バラスト層を形成、さらに、ガラス基板と接合層を兼ね
たカソードライン層15を形成することが望ましい。な
お、このカソードライン等を兼ねる導電層15は、予
め、支持基板17上に形成しておいてもよい。また、抵
抗バラスト効果を高めるため、多数並んだエミッタをエ
ッチングなどにより電気的に分離しておくのが望まし
い。この状態を図12(b)に示す。
【0180】次に、第2の基板となる支持基板として、
ガラス基板17を用意し、図12(c)に示すようにガ
ラス基板17と前記金属基板11をエミッタ材料層14
を介するように接着する。
【0181】接着法としては、接着剤等を用いてもよい
が、本実施例では、ガラス基板背面にAl層16をコー
トし、静電接着法により接看した。
【0182】次に、ガラス基板17背面のAl層16
を、HNO3 、HF等の混酸溶液で除去したのち、塩酸
等のエッチング液でNi基板11及び酸化層13を除去
し、樹脂等から成る成る凸部18を突出させる。この凸
部18は、NiFe合金(アンバー)基板11の凹部1
2内に充填された樹脂材糾に相当する。この樹脂材料層
上に、エミッタ材料層14として、例えばモリブデン層
を、前記凹部14内面上を含めて、スパッタリング法、
蒸着法、印刷法、電気めっき法等で形成する。この場合
には、抵抗バラスト効果を高めるため、多数並んだエミ
ッタをエッチングなどにより電気的に分離しておくのが
望ましい。この状態を図12(d)に示す。
【0183】次に、図12(e)に示すように、ゲート
層とエミッタ問の電気的絶緑層となるSiO2 やSiN
等をCVD法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、
印刷法などで、エミッタ層やガラス基板上に形成する。
なお、本実施形態では熱酸化層13を除去したが、熱酸
化層13を電気的絶縁層として用いてもよいし、新たに
形成した電気的絶縁層19と組み合わせて用いてもよ
い。
【0184】次に、ゲート電極層20としで、例えばN
i、クロム、タングステン等を用いて、無電解メッキ、
電気メッキ、印刷法、スパッタリング法、蒸着法等によ
り、SiO2 層19で覆われた凸部18の領域を含ん
で、SiO2 絶縁層19上に形成する。本実施例では厚
さ約1μmとなるように無電解メッキ法及び電気めっき
法の組み合わせによりによりNi層を形成した。この状
態を図12(f)に示す。
【0185】次に、ゲート電極層20およぴ絶緑層19
をCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)法な
どにより、エミッタ凸部の先端を破壊しない程度にまで
エッチングする。
【0186】この状態を図12(g)に示す。
【0187】次に、NH4 F・HF混合溶液を用いて、
凸部18の先端部18aの周囲のSiO2絶縁層19を
選択的にエッチング除去する。これによって、図12
(h)に示すように、ゲー卜電極層20の開口部19b
が形成されるとともに、エミッタ材料によるピラミッド
状凸部18の先端部18aが露出され、先鋭なゲート付
きエミッタ、すなわち、電界放出型冷陰極が形成され
る。
【0188】なお、上記実施形態では、CMP法を用い
て、いわゆるゲート開口プロセスを行ったが、上記ゲー
ト電極層20上にフォトレジストを塗布し、酸素プラズ
マによるドライエッチングを行い、凸部先端が僅かに現
れるようにした後、ウエットエッチング法、リアクティ
ブイオンエッチング(RIE)等により、凸部18上の
グート電極層20を除去、更に、フォトレジスト層、及
ぴ、NH4 F・HF混合溶液を用いて、SiO2 絶縁層
19を選択的に除去することにより、ゲート開口をして
もよい。
【0189】また、上記実施形態で得られた大面積の電
界放出型冷陰極をタイリング等の方法により複数個配列
して、更に、大面積の電界放出型冷陰極を得てもよい。
【0190】このように、本発明の実施形態に係る電界
放出型の冷陰極は、従来の電界放出型冷陰極に比較し
て、大面積のものが得られる金属基板上に孔部や凹部を
形成し、その後、SiO2 熱酸化層や電気めっき層を凹
部内面に形成、さらにエミッタとなる物質をこの凹部内
に充填して形成したり、樹脂を凹部内に充填後、凸状の
樹脂上にエミッタ層を形成している。
【0191】そのため、凹部の形状に応じた大面積で多
数のエミッタを再現性良く得ることができる。
【0192】そして、この凹部はエッチングによる形状
再現性、及びSiO2 熱酸化層や電気メッキ層の凹部内
への成長作用により、底部を良好に尖らせた凸状とする
ことができるため、先端部が鋭く尖り、且つ、高さの均
一性に優れたエミッタを安定して得ることが可能とな
る。
【0193】更に、エミッタ材料としては、タングステ
ン、Si等に限らず、仕事関数の低い種々の材料を用い
ることができる。
【0194】このような電界放出型冷陰極は、電界放出
効率及びその均一性が大幅に向上し、大面積で大型の電
子デバイス、例えば、大型平板ディスプレイに適したも
のとなる。
【0195】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、従
来の電界放出型冷陰極に比較して、大面積のものか得ら
れる金属基板土に凹部を形成、その後、SiO2 熱酸化
層や電気めっき層を凹部内面に形成、さらに、金属基板
の背面に電気めっきや裏打ちなどの手段により厚い支持
材料基板層を形成し、その後、エミッタとなる物質をこ
の凹部内に充填して形成したり、樹脂を凹部内に充填
後、凸状の樹脂上にエミッタ層を形成している。凹部が
形成された金属基板と支持材料基板を金型、マスター基
板として用いることができるため、凹部の形状に応じた
大面積で多数のエミッタを再現性良く得ることができ
る。そして、この凹部はエッチングによる形状再現性、
及びSiO2 熱酸化層や電気メッキ層の凹部内への成長
作用により、底部を良好に尖らせた凸状とすることがで
きるため、先端部が鋭く尖り、且つ、高さの均一性に優
れたエミッタを安定して得ることが可能となる。
【0196】更に、エミッタ材料としては、タングステ
ン、Si等に限らず、仕事関数の低い種々の材料を用い
ることができる。そのため、量産が可能で、安価に出来
ると同時に、電界放出効率およびその均一性、再現性を
向上させることができ、大面積で、高性能の電界放出型
冷陰極を、再現性よく提供することが可能となる。
【0197】また、大面積のものが安価に得られる金属
基板を鋳型として用い、さらには前記エミッタを溶融し
た熱可塑性樹脂、または、紫外線硬化樹脂、または、熱
硬化性樹脂の少なくともいずれかーつを用いて、加圧、
紫外線、常圧注入の少なくともいずれかの手段を−工程
中に含むことにより、先鋭で均一性に富んだ大面積の電
界放出型冷陰極を大量に、安価に、製造することか出来
る。
【0198】このような電界放出型冷陰極は、電界放出
効車およびその均一性を大幅に向上させると同時に、再
現性・均一性を改善し、量産性の向上により製造コスト
を大幅に低減したものとなり、大面積で大型の電子デバ
イス、例えば、大型平板ディスプレイに適したものとな
る。
【0199】即ち、請求項1記載の本発明によれば、前
記金属基板上に先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型と
して使用する。そのため、先鋭な形状を備えた電界放出
型冷陰極を効率よく短時間に製造することができる。
【0200】請求項2記載の本発明によれば、前記金属
基板上に形成した凹部に金属層を適用して先鋭な凹部を
形成し、この凹部を鋳型として使用する。
【0201】この先鋭な凹部は前記金属基板の凹部の形
状や大きさにばらつきがあっても先鋭な凹部どうしでは
形状や大きさが更にに均質なものになる。そのため、こ
の先鋭な凹部を鋳型として使用し、これにエミッタ材料
を充填して形成される電界放出型冷陰極も形や大きさが
均質のものができ、電界放出の均一性が高いものが得ら
れる。
【0202】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0203】請求項3記載の本発明によれば、前記金属
基板上に形成した穴の内面を酸化して金属酸化物層を形
成して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型として使用
する。
【0204】この凹部は前記金属基板の穴に形状や大き
さにばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大きさが
非常に均質なものになる。そのため、この凹部を鋳型と
して使用し、これにエミッタ材料を充填して形成される
電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものができ、電
界放出の均一性が高いものが得られる。
【0205】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0206】請求項4記載の本発明によれば、前記金属
基板上に形成した貫通孔の内面に金属層を適用して先鋭
な凹部を形成し、この凹部を鋳型として使用する。この
凹部は前記金属基板の貫通孔の形状や大きさにばらつき
があっても凹部どうしでは形状や大きさが非常に均質な
ものになる。そのため、この凹部を鋳型として使用し、
これにエミッタ材料と樹脂を充填して形成される電界放
出型冷陰極も形や大きさが均質のものができ、電界放出
の均一性が高いものが得られる。
【0207】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0208】更に、この製造方法では金属基板上に形成
した貫通孔を用いて、この貫通孔の両側から先鋭な凹部
を二つ同時に形成するので、生産効率が高い。また、貫
通孔は形状が揃い易いので、先鋭な凹部、ひいては電界
放出型冷陰極の形状や大きさのばらつきが小さくなる。
【0209】請求項5記載の本発明によれば、前記金属
基板上に形成した貫通孔の内面を酸化して金属酸化物層
を形成して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型として
使用する。この凹部は前記金属基板の貫通孔の形状や大
きさにばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大きさ
が非常に均質なものになる。そのため、この凹部を鋳型
として使用し、これにエミッタ材料と樹脂を充填して形
成される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものが
でき、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0210】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0211】更に、この製造方法では金属基板上に形成
した貫通孔を用いて、この貫通孔の両側から先鋭な凹部
を二つ同時に形成するので、生産効率が高い。
【0212】請求項6記載の本発明によれば、請求項4
又は5記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、前
記貫通孔として円柱形の管状のものを採用するので、貫
通孔の形状が揃い易く、先鋭な凹部、ひいては電界放出
型冷陰極の形状や大きさのばらつきが小さくなる。
【0213】請求項7記載の本発明によれば、請求項4
又は5記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、前
記貫通孔として半径が前記金属基板の表面で大きく、前
記金属基板の厚さ方向中央部付近で小さくなったものを
採用するので、凹部の先鋭性が高く、ひいてエミッタ高
さの高い電界放出型冷陰極が得られる。
【0214】請求項8記載の本発明によれば、前記金属
基板上に形成した穴の内面に金属層を適用して先鋭な凹
部を形成し、この凹部を鋳型として使用する。この凹部
は前記金属基板の穴に形状や大きさにばらつきがあって
も凹部どうしでは形状や大きさが非常に均質なものにな
る。そのため、この凹部を鋳型として使用し、これにエ
ミッタ材料を充填して形成される電界放出型冷陰極も形
や大きさが均質のものができ、電界放出の均一性が高い
ものが得られる。
【0215】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0216】更に、この製造方法では、前記エミッタ材
料薄膜を支持する樹脂層を形成しているので、生産性が
高く、安価で大面積の電界放出型冷陰極を得ることがで
きる。
【0217】請求項9記載の本発明によれば、前記金属
基板上に形成した穴の内面を酸化して金属酸化物層を形
成して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型として使用
する。
【0218】この凹部は前記金属基板の穴に形状や大き
さにばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大きさが
非常に均質なものになる。そのため、この凹部を鋳型と
して使用し、これにエミッタ材料と樹脂を充填して形成
される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものがで
き、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0219】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0220】更に、この製造方法では、前記エミッタ材
料薄膜を支持する樹脂層を形成しているので、生産性が
高く、安価で大面積の電界放出型冷陰極を得ることがで
きる。
【0221】請求項10記載の本発明によれば、前記基
板上に貫通孔を備えた第1の金属層を形成し、この貫通
孔の内面に金属層を適用して先鋭な凹部を形成し、この
凹部を鋳型として使用する。この凹部は前記金属基板の
穴に形状や大きさにばらつきがあっても凹部どうしでは
形状や大きさが非常に均質なものになる。そのため、こ
の凹部を鋳型として使用し、これにエミッタ材料を充填
して形成される電界放出型冷陰極も形や大きさが均質の
ものができ、電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0222】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0223】請求項11記載の本発明によれば、前記基
板上に貫通孔を備えた第1の金属層を形成し、この貫通
孔の内面を酸化することにより金属酸化物層を形成して
先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型として使用する。
この凹部は前記金属基板の貫通孔の形状や大きさにばら
つきがあっても凹部どうしでは形状や大きさが非常に均
質なものになる。そのため、この凹部を鋳型として使用
し、これにエミッタ材料を充填して形成される電界放出
型冷陰極も形や大きさが均質のものができ、電界放出の
均一性が高いものが得られる。
【0224】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
のものが得られる。そのため、電界放出効率の高い電界
放出型冷陰極が得られる。
【0225】請求項12記載の本発明によれば、請求項
10又は11記載の電界放出型冷陰極の製造方法におい
て、前記貫通孔として、半径が開口部側で大きく、前記
基板側で小さくなったものを採用するので、凹部の先鋭
性が高く、ひいてエミッタ高さの高い電界放出型冷陰極
が得られる。
【0226】請求項13記載の本発明によれば、請求項
12記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、前記
貫通孔として直線状又は曲線状の断面を有するものを採
用するので、凹部の先鋭性がより高く、ひいてエミッタ
高さのより高い電界放出型冷陰極が得られる。
【0227】請求項14記載の本発明によれば、前記金
属基板上に形成した穴の内面に金属層を適用して先鋭な
凹部を形成し、この凹部を鋳型として使用する。この凹
部は前記金属基板の穴に形状や大きさにばらつきがあっ
ても凹部どうしでは形状や大きさが非常に均質なものに
なる。そのため、この凹部を鋳型として使用し、これに
エミッタ材料と樹脂を充填して形成される電界放出型冷
陰極も形や大きさが均質のものができ、電界放出の均一
性が高いものが得られる。
【0228】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0229】更にこの製造方法では、前記エミッタ材料
層上に絶縁層とゲート電極層とを形成し、これら絶縁層
及びゲート電極層の一部を除去することにより、電界放
出型冷陰極とゲート電極とを一度に製造できるので、非
常に生産性が高い。
【0230】請求項15記載の本発明によれば、前記金
属基板上に形成した穴の内面を酸化して金属酸化物層を
形成して先鋭な凹部を形成し、この凹部を鋳型として使
用する。この凹部は前記金属基板の穴に形状や大きさに
ばらつきがあっても凹部どうしでは形状や大きさが非常
に均質なものになる。そのため、この凹部を鋳型として
使用し、これにエミッタ材料と樹脂を充填して形成され
る電界放出型冷陰極も形や大きさが均質のものができ、
電界放出の均一性が高いものが得られる。
【0231】また、前記凹部は非常に先鋭性の高い形状
を備えているので、この形成を移し取った電界放出型冷
陰極も非常に先鋭性の高い形状のものが得られる。その
ため、電界放出効率の高い電界放出型冷陰極が得られ
る。
【0232】更にこの製造方法では、前記エミッタ材料
層上に絶縁層とゲート電極層とを形成し、これら絶縁層
及びゲート電極層の一部を除去することにより、電界放
出型冷陰極とゲート電極とを一度に製造できるので、非
常に生産性が高い。
【0233】請求項16記載の本発明によれば、請求項
1〜5、10、11、14、15のいずれかに記載の電
界放出型冷陰極の製造方法において、前記エミッタ材料
層を形成した後、更にこのエミッタ材料層上に支持層を
接合しているので、エミッタ材料層が補強される結果大
面積化することができ、生産性と均一性とを向上させる
ことができる。
【0234】請求項17記載の本発明によれば、請求項
8又は9に記載の電界放出型冷陰極の製造方法におい
て、前記樹脂層を形成した後、更にこの樹脂層上に支持
層を接合しているので、エミッタ材料薄膜層と樹脂層が
補強される結果大面積化することができ、生産性と均一
性とを向上させることができる。
【0235】請求項18記載の本発明によれば、請求項
1〜3、8、9、14、15のいずれかに記載の電界放
出型冷陰極の製造方法において、前記穴が形成された面
の反対側の金属基板の面に補強層を形成する。そのた
め、金属基板が補強されるので金属基板を大面積化する
ことができ、生産性と均一性とを向上させることができ
る。
【0236】請求項19記載の本発明によれば、請求項
1〜18記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、
前記金属基板として、熱膨張係数の小さいNi又はNi
合金を採用しているので、大面積の金属基板を使用でき
る結果生産性が向上し、電界放出型冷陰極の製造コスト
を低く抑えることができる。
【0237】請求項20記載の本発明によれば、請求項
19記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、前記
Ni合金として、熱膨張係数の小さいNi又はNi合金
を採用しているので、大面積の金属基板を使用できる結
果生産性が向上し、電界放出型冷陰極の製造コストを低
く抑えることができる。
【0238】請求項21記載の本発明によれば、請求項
2、4、8、10、14記載の電界放出型冷陰極の製造
方法において、前記凹部形成工程として鍍金を採用する
ので、金属基板の穴の内面に金属層や酸化金属層を形成
する際にできる先鋭の凹部は形状が均一で先の尖ったも
のができる。
【0239】請求項22記載の本発明によれば、請求項
1、3、5、9、11、15記載のの電界放出型冷陰極
の製造方法において、前記凹部形成工程として酸化又は
熱酸化を採用するので、金属基板の穴の内面に金属層や
酸化金属層を形成する際にできる先鋭の凹部は形状が均
一で先の尖ったものができる。
【0240】請求項23記載の本発明によれば、請求項
1〜22記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、
前記エミッタ層を形成した後更に芯材層を形成している
ので、エミッタ層の機械的強度や電気的強度が向上し、
耐久性の高い電界放出型冷陰極を得ることができる。
【0241】請求項24記載の本発明によれば、請求項
23記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、前記
芯材層として、抵抗バラストとして機能するものを採用
しているので、陰極尖端に過大な電圧が印加されるのが
防止される結果、電界放出型冷陰極の信頼性や耐久性が
向上する。
【0242】請求項25記載の本発明によれば、請求項
1〜24記載の電界放出型冷陰極の製造方法において前
記除去工程として溶解処理を採用しているので、一旦形
成された先鋭の凹部を傷つけることなく迅速に得ること
ができ、均一な陰極を生産性良く製造することができ
る。
【0243】請求項26記載の本発明によれば、請求項
1〜25記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、
前記金属基板として金属シート又は金属フィルムを採用
しているので、大面積の電界放出型冷陰極が得られる。
その結果生産性が向上し、製造コストを低く抑えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電界放出型冷陰極の製
造プロセス、及び本発明の実施形態に係る電界放出型冷
陰極を示す断面図である。
【図2】本発明の別の実施形態に係る電界放出型冷陰極
の製造プロセス、及び本発明の別の実施形態に係る電界
放出型冷陰極を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰極
の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電界
放出型冷陰極を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰極
の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電界
放出型冷陰極を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰極
の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電界
放出型冷陰極を示す断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰極
の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電界
放出型冷陰極を示す断面図である。
【図7】ガラス基盤上に複数のレジスト柱を形成した状
態を示した図である。
【図8】ガラス基盤上に四角柱型のレジスト柱を形成し
た状態を示した図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰極
の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電界
放出型冷陰極を示す断面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰
極の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電
界放出型冷陰極を示す断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰
極の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電
界放出型冷陰極を示す断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る電界放出型冷陰
極の製造プロセス、及び本発明の他の実施形態に係る電
界放出型冷陰極を示す断面図である。
【図13】従来の電界放出型冷陰極の製造プロセスを示
す図である。
【符号の説明】
11 金属基板 12b 穴 12 凹部 13 熱酸化金属層または電気めっき層 14 エミッタ材料層 142 樹脂層 15 導電層(カソードライン、接合層) 17 ガラス基板 18 凸部 21 支持材料基板 22 裏打ち支持基板 23 接合層 25 レジスト柱 26 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板上に凹部を形成する工程と、 前記凹部の内面に金属層を形成して先鋭な凹部を形成す
    る凹部形成工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属基板
    上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記金属基板を前記エミッタ材料層から引き離して分離
    する工程とを具備することを特徴とする電界放出型冷陰
    極の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属基板上に穴を形成する工程と、 前記穴の内面を酸化して金属酸化物層を形成し、先鋭な
    凹部を形成する凹部形成工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属基板
    上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記金属基板を除去する除去工程とを具備することを特
    徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属基板に貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔の内面に金属層を形成して先鋭な凹部を形成
    する工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属基板
    上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記金属基板を除去する除去工程とを具備することを特
    徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属基板に貫通孔を形成する工程と、 前記貫通孔の内面を酸化して金属酸化物層を形成し、先
    鋭な凹部を形成する工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属基板
    上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記金属基板を除去する除去工程とを具備することを特
    徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載 の電界放出型冷陰極の
    製造方法において、前記貫通孔が円柱形の管状であるこ
    とを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項3又は4記載 の電界放出型冷陰極の
    製造方法において、前記貫通孔の半径が前記金属基板の
    表面で大きく、前記金属基板の厚さ方向中央部付近で小
    さくなっていることを特徴とする電界放出型冷陰極の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 金属基板上に穴を形成する工程と、 前記穴の内面に金属層を形成して先鋭な凹部を形成する
    工程と、 前記先鋭な凹部表面にエミッタ材料を供給して前記金属
    基板上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記エミッタ材料層上に樹脂を充填してこのエミッタ材
    料層を支持する樹脂層を形成する工程と、 前記金属基板を除去する工程とを具備することを特徴と
    する電界放出型冷陰極の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属基板上に穴を形成する工程と、 前記穴の内面を酸化して金属酸化物層を形成し、先鋭な
    凹部を形成する工程と、 前記先鋭な凹部表面にエミッタ材料を供給して前記金属
    基板上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記エミッタ材料層上に樹脂を充填してこのエミッタ材
    料層を支持する樹脂層を形成する工程と、 前記金属基板を除去する工程とを具備することを特徴と
    する電界放出型冷陰極の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板上に、貫通孔を備えた第1の金属層を
    形成する工程と、 前記貫通孔内面に第2の金属層を形成して先鋭な凹部を
    形成する工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填してエミッタ材料
    層を形成する工程と、 前記第1の金属層及び第2の金属層を除去する除去工程
    とを具備することを特徴とする電界放出型冷陰極の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 基板上に、貫通孔を備えた金属層を形成
    する工程と、 前記貫通孔内面を酸化して金属酸化物層を形成し、先鋭
    な凹部を形成する工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填してエミッタ材料
    層を形成する工程と、 前記金属層及び金属酸化物層を除去する除去工程とを具
    備することを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項9又は10記載 の電界放出型冷陰
    極の製造方法において、前記貫通孔の半径が開口部側で
    大きく、前記基板側で小さくなっていることを特徴とす
    る電界放出型冷陰極の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11記載 の電界放出型冷陰極の製
    造方法において、前記貫通孔が直線状又は曲線状の断面
    を有することを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 金属基板上に穴を形成する工程と、 前記穴の内面に金属層を形成して先鋭な凹部を形成する
    工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属基板
    上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記金属基板を除去する除去工程と、 前記エミッタ材料層上に絶縁層を形成する工程と、 前記絶縁層上にゲート電極層を形成する工程と、 前記絶縁層及びゲート電極層の一部を除去する工程と を具備することを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 金属基板上に穴を形成する工程と、 前記穴の内面を酸化して金属酸化物層を形成し、先鋭な
    凹部を形成する工程と、 前記先鋭な凹部にエミッタ材料を充填して前記金属基板
    上にエミッタ材料層を形成する工程と、 前記金属基板を除去する除去工程と、 前記エミッタ材料層上に絶縁層を形成する工程と、 前記絶縁層上にゲート電極層を形成する工程と、 前記絶縁層及びゲート電極層の一部を除去する工程とを
    具備することを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方
    法。
  15. 【請求項15】請求項7又は8記載 の電界放出型冷陰極
    の製造方法において、前記樹脂層を形成した後、更にこ
    の樹脂層を支持層と接合する工程を具備することを特徴
    とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項1、2、7、8 のいずれか1項記
    載の電界放出型冷陰極の製造方法であって、 前記金属基板の前記凹部が形成された面の反対側の面に
    補強層を形成する工程を更に具備することを特徴とする
    電界放出型冷陰極の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項1乃至16のいずれか 記載の電界
    放出型冷陰極の製造方法であって、 前記金属基板が、Fe−Ni合金またはNiCoである
    ことを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項1、3、7、9、13 のいずれか
    1項記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、前記
    先鋭な凹部の形成工程が鍍金により行われることを特徴
    とする電界放出型冷陰極の製造方法
  19. 【請求項19】請求項4、5、8、9、10 のいずれか
    1項記載の電界放出型冷陰極の製造方法において、前記
    除去工程が溶解処理により行われることを特徴とする電
    界放出型冷陰極の製造方法。
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