JP3354405B2 - 電界放出型冷陰極の製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極の製造方法

Info

Publication number
JP3354405B2
JP3354405B2 JP24671496A JP24671496A JP3354405B2 JP 3354405 B2 JP3354405 B2 JP 3354405B2 JP 24671496 A JP24671496 A JP 24671496A JP 24671496 A JP24671496 A JP 24671496A JP 3354405 B2 JP3354405 B2 JP 3354405B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
layer
emitter
forming
field emission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24671496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1092300A (ja
Inventor
正幸 中本
富男 小野
忠司 酒井
尚志 佐久間
健聡 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP24671496A priority Critical patent/JP3354405B2/ja
Publication of JPH1092300A publication Critical patent/JPH1092300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3354405B2 publication Critical patent/JP3354405B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放出型冷陰極
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発達したSi半導体微細加工技術
を用いて、半導体デバイスと同程度の微細な電界放出型
冷陰極(電子放出素子)の開発が行われており、超高速
マイクロ波デバイス,パワーデバイス,電子線デバイ
ス,平板型画像表示装置等への応用が進められている。
その代表的な例としては、スピント(C.A.Spindt)らの
文献(Journal of Applied Physics,Vol.47、5248(197
6))に掲載されたものが知られている。ここに記載され
ている電界放出型冷陰極は、Si単結晶基板上にSiO
2 層とゲート電極層を形成した後、直径約1.5μmの
穴を形成し、この穴の中に電界放出を行う円錐状のエミ
ッタを蒸着法により作製したものである。
【0003】しかしながら、上述したような従来の電界
放出型冷陰極の製造方法では、回転蒸着法により穴の直
径が少しずつ小さくなることを利用して、穴の内面にエ
ミッタを形成しているため、エミッタの高さ,先端部の
形状等がばらつき、電子放出の均一性が悪い上に、電子
放出効率を向上させるのに必要なエミッタ先端部の鋭さ
が欠け、電子放出効率の低下,消費電力の低下等の問題
を招いていた。また、形状の再現性や歩留まりが悪いた
め、多数のエミッタを同一基板上に作製する場合、製造
コストが高くなるという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来、電界
放出型冷陰極の製造に際して、前述した回転蒸着法によ
り穴の内面にエミッタを形成しているため、エミッタの
高さ,先端部の形状等がばらつき、電子放出の均一性が
悪い上に、電子放出効率を向上させるのに必要なエミッ
タ先端部の鋭さが欠け、電子放出効率の低下,消費電力
の低下等を招く問題があった。また、多数のエミッタを
同一基板上に作製する場合、製造コストが高くなるとい
う問題があった。
【0005】本発明は、上記事情を考慮して成されたも
ので、その目的とするところは、電界放出の均一性が良
好でばらつきが少なく電界放出効率が高く、しかも高集
積化も容易でかつ生産性に富み、同一形状で尖鋭なエミ
ッタを安価に多数作製できる電界放出型冷陰極の製造方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(構成)上記課題を解決するために本発明は、次のよう
な構成を採用している。即ち、本発明(請求項1)は、
電界放出型冷陰極の製造方法において、形成すべき電界
放出型冷陰極のエミッタと同じ形状の尖鋭な凸部を有す
る第1の基板を原盤として用い、樹脂成形により底部を
尖らせた凹部を有する第2の基板を設ける工程と、この
第2の基板の凹部内を埋めるようにエミッタ材料層を形
成して電界放出型冷陰極のエミッタを形成する工程と、
前記エミッタ上に該エミッタを支持する支持基板を形成
する工程と、前記支持基板と一体になったエミッタが露
出するように第2の基板を除去する工程とを含むことを
特徴とする。
【0007】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は次のものがあげられる。 (1) 第1の基板は、底部を尖らせた凹部を有する第3の
基板の表面に該凹部を含めて絶縁層を形成する工程と、
凹部内を含めて絶縁層上に金属材料層を形成する工程
と、金属材料層を支持基板と接合する工程と、金属材料
層から絶縁層を含め第3の基板を除去する工程とから形
成されること。 (1-1) 絶縁層は、熱酸化膜であること。 (1-2) 金属材料層は、エミッタ材料層であること。 (2) 第1の基板は、電界放出型冷陰極のエミッタを有す
るものであること。 (3) 第2の基板を複数個設け、各々の第2の基板に対し
て前記エミッタ形成を行うこと。 (4) 第2の基板は、溶融した熱可塑性樹脂,紫外線硬化
樹脂,及び熱硬化性樹脂の少なくとも一つを用い、加
圧,紫外線,及び常圧注入の少なくとも一つの手段によ
り形成されること。 (4-1) 熱硬化性樹脂はポリカーボネート,非晶質ポリオ
レフィン,ポリメチルメタレートの少なくとも一つ、紫
外線効果樹脂はアクリル系,エポキシ系の少なくとも一
つ、熱硬化性樹脂はエポキシ系,ポリメチルメタクレー
トの少なくとも一つであること。 (4-2) 第1の基板を熱可塑性樹脂,紫外線効果樹脂,又
は熱硬化性樹脂に押し当て、第2の基板としての先鋭な
樹脂基板層を形成すること。 (4-3) 第1の基板を加圧可能な閉鎖空間になるような容
器に設置し、熱可塑性樹脂を閉鎖空間内に導入加圧して
硬化させること。 (4-4) 第1の基板を透明基板と対向させ、対向空間の隙
間に紫外線硬化樹脂を注入した後、紫外線照射により樹
脂を硬化させること。 (4-5) 第1の基板を第2の基板の厚さに相当する空間と
開口部を設けるような容器に設置し、熱硬化樹脂を常圧
にて注入した後、樹脂を硬化させること。 (5) エミッタ材料層の支持基板は、金属,ガラス,又は
樹脂であること。
【0008】また、本発明(請求項4)は、電界放出型
冷陰極の製造方法において、第1の基板に底部を尖らせ
た凹部を設ける工程と、前記凹部内を含めて第1の基板
表面に該基板と付着強度の弱い薄膜層を形成する工程
と、前記凹部内を埋めつつ前記薄膜層上にエミッタ材料
層を形成する工程と、前記エミッタ材料層に第2の基板
を接合する工程と、第1の基板を前記薄膜層から分離す
る工程と、前記エミッタ材料層が露出するように前記薄
膜層を除去する工程とを含むことを特徴とする。
【0009】ここで、第1の基板がSi単結晶であり、
付着強度の弱い薄膜層がAu,Pt,又はNiであるこ
とを特徴とする。また、本発明(請求項5)は、電界放
出型冷陰極の製造方法において、第1の基板に底部を尖
らせた凹部を設ける工程と、前記凹部内を含めて第1の
基板表面に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上に
絶縁層に対する付着強度の弱い薄膜層を形成する工程
と、前記凹部内を埋めつつ前記薄膜層上にエミッタ材料
層を形成する工程と、前記エミッタ材料層に第2の基板
を接合する工程と、第1の基板を(前記絶縁層と共に)
前記薄膜層から分離する工程と、前記エミッタ材料層が
露出するように前記薄膜層を除去する工程とを含むこと
を特徴とする。
【0010】また、本発明(請求項6)は、電界放出型
冷陰極の製造方法において、形成すべき電界放出型冷陰
極のエミッタと同じ形状の尖鋭な凸部を有する第1の基
板を原盤として用い、樹脂成形により底部を尖らせた凹
部を有する第2の基板を設ける工程と、この第2の基板
の凹部内を埋めるようにエミッタ材料層を形成して電界
放出型冷陰極のエミッタを形成する工程と、前記エミッ
タ上に該エミッタを支持する支持基板を形成する工程
と、前記支持基板と一体になったエミッタが露出するよ
うに第2の基板を除去する工程と、前記露出したエミッ
タ上に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上にゲート
層を形成する工程と、前記エミッタの先端部が露出する
ように前記絶縁層及びゲート層の一部を除去する工程と
を含むことを特徴とする。 (作用)本発明(請求項1)によれば、第1の基板を原
盤として用い底部を尖らせた第2の基板を樹脂成形によ
り設けることにより、1個の第1の基板から多数個の第
2の基板を安価に作製することができる。このため、電
界放出の均一性が良好でばらつきが少なく、電界放出効
率も高く、しかも高集積化が容易で、同一形状で尖鋭な
電界放出型冷陰極の製造コストを大幅に低減することが
できる。また、樹脂成形により第2の基板を作製するこ
とから、第2の基板自体の製造コストも安価なものとな
る。
【0011】また、本発明(請求項4)によれば、第1
の基板と付着強度の弱い薄膜層を形成することにより、
第1及び第2の基板を接合した後に、第2の基板から第
1の基板を破壊することなく分離することができる。従
って、凹部を有する第1の基板を多数回使用できるの
で、製造コストが削減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を図示の実施
形態によって説明する。 (第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
係わる電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面図であ
る。
【0013】まず、図1(a)に示すように、単結晶S
i基板201の片側表面に底部を尖らせた第1の凹部を
形成する。このような凹部を形成する方法としては、以
下に記すようなSi単結晶基板の異方性エッチングを利
用する方法がある。即ち、p型で(100)結晶面方位
のSi単結晶基板上に厚さ0.1μmのSiO2 熱酸化
層をドライ酸化法により形成し、更にレジストをスピン
コート法により塗布する。次いで、ステッパを用いて、
例えば1μm角の正方形開口部が得られるよう露光、現
像等のパターニングを行った後、NH4 F・HF混合溶
液により、SiO2 膜のエッチングを行う。レジスト除
去後、30wt%のKOH水溶液を用いて異方性エッチ
ングを行い、深さ0.7μmの逆ピラミッド上の第1の
凹部をSi基板201上に形成させる。
【0014】次いで、図1(b)に示すように、Si基
板201上に凹部内を含めてSiO2 熱酸化層202を
形成する。この実施形態では、厚さ0.3μmとなるよ
うに、SiO2 熱酸化層202をWet酸化法により形
成した。
【0015】次いで、図1(b)に示すように、SiO
2 熱酸化層202上にエミッタ材料層203として例え
ばNi層を、凹部が充填されるように形成する。本実施
形態では、スパッタリング法によりNi層203を厚さ
2μmとなるように形成した。続いて、Ni層203の
裏面を接着層204を介してガラス基板205に接着し
た。
【0016】次いで、図1(d)に示すように、Si基
板201を除去し、さらにSiO2熱酸化層202を除
去し、Ni層203からなるエミッタを露出させた。次
いで、図1(e)に示すように、Ni層203を接着し
た基板205を原盤として用い、樹脂成形により底部を
尖らせた凹部を有する樹脂基板207を作製した。この
樹脂基板の作製方法としては、溶融した熱可塑性樹脂,
紫外線硬化樹脂,及び熱硬化性樹脂の少なくとも一つを
用い、加圧,紫外線,及び常圧注入の少なくとも一つの
手段により成形すればよい。
【0017】より具体的には、Ni層203を接着した
基板205を熱可塑性樹脂,紫外線効果樹脂,又は熱硬
化性樹脂に押し当て、必要に応じて冷却,紫外線照射,
加熱等の処理を施す。また、Ni層203を接着した基
板205を加圧可能な閉鎖空間になるような容器に設置
し、熱可塑性樹脂を閉鎖空間内に導入加圧して硬化させ
る。また、Ni層203を接着した基板205を透明基
板と対向させ、対向空間の隙間に紫外線硬化樹脂を注入
した後、紫外線照射により樹脂を硬化させる。また、N
i層203を接着した基板205を樹脂基板207の厚
さに相当する空間と開口部を設けるような容器に設置
し、熱硬化樹脂を常圧にて注入した後、樹脂を硬化させ
る。
【0018】なお、熱硬化性樹脂としてはポリカーボネ
ート,非晶質ポリオレフィン,ポリメチルメタレートの
少なくとも一つ、紫外線効果樹脂としてはアクリル系,
エポキシ系の少なくとも一つ、熱硬化性樹脂としてはエ
ポキシ系,ポリメチルメタクレートの少なくとも一つを
用いればよい。
【0019】次いで、図1(f)に示すように、Ni層
203を接着した基板205から樹脂基板207を取り
外した。ここで、上記と同様にして、複数の樹脂基板2
07を作製し、各々の基板207に対して以降の工程を
施した。
【0020】次いで、図1(g)に示すように、樹脂基
板207にエミッタ材料層213として例えばNi層
を、凹部が充填されるように形成する。本実施形態で
は、スパッタリング法によりNi層203を厚さ2μm
となるように形成した。続いて、Ni層203の裏面を
接着層214を介して構造基板215に接着した。
【0021】次いで、図1(h)に示すように、樹脂基
板207を除去することにより、電界放出型冷陰極が完
成する。本実施形態によれば、Ni層203を接着した
基板205を原盤として用い、樹脂成形により底部を尖
らせた樹脂基板207を設けることにより、1個の基板
205から多数個の樹脂基板207を安価に作製するこ
とができる。このため、電界放出型冷陰極の製造コスト
を大幅に低減することができる。また、樹脂成形により
樹脂基板207を作製することから、安価に多数作製す
ることが可能である。さらに、基板206の凹部を含め
て熱酸化膜202を形成しているので、熱酸化による鋭
いエミッタ先端形状も樹脂基板207に転写され、鋭い
エミッタを作製することができる。 (第2の実施形態)図2は、本発明の第2の実施形態に
係わる電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面図であ
る。
【0022】まず、図2(a)に示すように、単結晶S
i基板301の片側表面に底部を尖らせた凹部を形成す
る。このような凹部の形成は第6の実施形態と同様にし
て行えばよい。
【0023】次いで、図2(b)に示すように、Si基
板301上に凹部内を含めてSiO2 熱酸化層302を
形成する。この実施形態では、厚さ0.3μmとなるよ
うに、SiO2 熱酸化層302をWet酸化法により形
成した。
【0024】次いで、図2(c)に示すように、酸化層
302上に凹部を含めて基板との付着強度の弱い、A
u,Pt,Ni等の薄膜層303を形成し、その上にエ
ミッタ材料となる金属層304を形成し、さらに構造基
板となる305を形成した。
【0025】次いで、図2(d)に示すように、エミッ
タを形成した基板側からSi基板301を取り外した。
このとき、薄膜層303を設けているので、酸化層30
2を含めた基板301は薄膜層303から容易に剥がれ
る。このため、基板301は破壊することなく分離する
ことができ、別の電界放出型冷陰極の製造に再利用する
ことができる。
【0026】次いで、図2(e)に示すように、酸化層
303を除去することにより、先端が尖鋭なエミッタを
露出させることができる。この後、酸化層,ゲート電極
を形成することにより、電界放出型冷陰極が完成する。
【0027】このように本実施形態によれば、Si基板
301と付着強度の弱いAu層303を形成することに
より、Si基板301とエミッタ金属層304を有する
構造基板305を接合した後に、構造基板305からS
i基板301を破壊することなく分離することができ
る。従って、凹部を有するSi基板301を多数回使用
できるので、製造コストが削減できる。 (第3の実施形態)図3及び図4は、本発明の第3の実
施形態に係わる電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面
図である。
【0028】まず、図3(a)に示すように、異方性エ
ッチングを用いて、Si基板11に底部を尖らせた凹部
12を形成する。このような凹部の形成方法としては、
以下に示すようなSi単結晶基板の異方性エッチングを
利用する方法が挙げられる。即ち、(100)結晶方位
のSi単結晶基板上に、熱酸化SiO2 層を形成し、正
方形開口をパターニングした後、KOH水溶液を用いて
異方性エッチングを行うことによりSi基板11上に逆
ピラミッド状の凹部12を形成する。
【0029】次いで、図3(b)に示すように、Si基
板11上に凹部12内を含めて熱酸化SiO2 層13を
形成する。続いて、熱酸化SiO2 層13上に、例えば
スパッタリングにより薄い第1のNi層101を形成
し、さらに電気メッキにより厚い第2のNi層102を
形成する。
【0030】次いで、図3(c)に示すように、Si基
板11を除去し、さらに熱酸化によるSiO2 層13を
除去することにより、ピラミッド状凸部103を有する
Ni製の基板(第1の基板)104を作製する。
【0031】次いで、図3(d)に示すようにNi基板
104を用いて、樹脂成形により多数の樹脂基板(第2
の基板)105を作製する。樹脂基板105の作製方法
としては、例えば、図に示すように透明な基板106に
紫外線硬化樹脂107を塗布し、Ni基板104を押し
付けておいて、紫外線を照射し、硬化させる方法が挙げ
られる。この他に、射出成形等の方法によりレプリカを
作製することも可能である。
【0032】次いで、Ni基板104から透明な基板1
06と硬化した紫外線硬化樹脂107をはぎ取り、樹脂
基板105が完成する。次いで、図4(e)に示すよう
に、樹脂105にエミッタ層14として、例えばW層や
Mo層等を形成し、続いて電気メッキにより構造基板1
08として厚いNi層を形成する。この例では構造基板
108を電気メッキにより作製したが、例えば構造基板
としてガラス基板を用い、エミッタ層14と接着するこ
とも可能である。
【0033】次いで、図4(f)に示すように、樹脂基
板105を除去し、エミッタ層14による凸部18を突
出させる。樹脂基板105がプラスチックであるのに対
し、エミッタ層14と構造基板108は金属であるた
め、有機溶媒,酸等により樹脂基板105のみを除去す
るのは容易である。次いで、絶縁層109として、例え
ば、スパッタリングによりSiO2 層、ゲート層19と
して例えばスパッタリングによりW層を形成し、さらに
ゲート層19と絶縁層109に覆われた凸部18の先端
が僅かに隠れる程度に、フォトレジスト20を形成す
る。
【0034】次いで、図4(g)に示すように、酸素プ
ラズマによるドライエッチングを行い、ピラミッド状凸
部18に沿ったゲート層19の先端がある程度現れるよ
うにフォトレジスト20をエッチングし、さらにピラミ
ッド状凸部18に沿った絶縁層109の先端がある程度
現れるように、ゲート層19をエッチングする。
【0035】次いで、図4(h)に示すようにピラミッ
ド状凸部18の先端がある程度現れるように、絶縁層1
09をエッチングし、さらにフォトレジスト20を除去
することにより、電界放出型冷陰極が完成する。
【0036】このように本実施形態によれば、樹脂成形
により安価に、しかも多数個を作製できる樹脂基板(第
2の基板)105を用いて電界放出型冷陰極が作製され
るので、製造コストが削減される。また、熱酸化による
鋭いエミッタ先端も樹脂基板105に転写され、鋭いエ
ミッタを作製できる。また、複数のNi基板(第1の基
板)104を集積して、大面積の透明プラスチック基板
を用いることにより、大面積の素子の作製が可能とな
る。 (第4の実施形態)図5及び図6は、本発明の第4の実
施形態に係わる電界放射型冷陰極の製造工程を示す断面
図である。
【0037】まず、図5(a)に示すように、異方性エ
ッチングを用いてSi基板11に底部を尖らせた凹部1
2を形成する。次いで、図5(b)に示すように、Si
基板11上に凹部12内を含めて熱酸化SiO2 層13
を形成する。続いて、熱酸化SiO2 層13上に、エミ
ッタ層14として例えばAu,Ag及びPt等、SiO
2 との密着性が悪い材料層を形成する。
【0038】次いで、図5(c)に示すように、ガラス
基板17を用意し、ガラス基板17とSi基板11とを
エミッタ層14を介するように接合する。次いで、図5
(d)に示すように、Si基板11とガラス基板17と
を引きはがし、基板を分離する。このとき、熱酸化Si
2 層13とエミッタ層14は密着していないため、エ
ミッタ層14はガラス基板17側に接合した状態で分離
する。凹部12と熱酸化SiO2 層13が形成されたS
i基板11は鋳型として繰り返し使用が可能である。こ
うして、エミッタ層14による凸部18を突出させる。
【0039】次いで、図6(e)に示すように、エミッ
タ層14上に、例えばスパッタリングを用いてSiO2
絶縁層112を形成する。この他にも、エミッタ材料と
してA1やTaを用い、陽極酸化により絶縁層112を
形成してもよい。次いで、ゲート層19とし例えばスパ
ッタリングによりW層を形成し、さらにゲート層19と
熱酸化SiO2 層112に覆われた凸部の先端が僅かに
隠れる程度に、フォトレジスト20を形成する。
【0040】次いで、図6(f)に示すように、酸素プ
ラズマによるドライエッチングを行い、ピラミッド状凸
部に沿ったゲート層19の先端がある程度現れるよう
に、フォトレジスト20をエッチングする。
【0041】次いで、図6(g)に示すように、フォト
レジスト20をマスクに、ピラミッド状凸部18に沿っ
た熱酸化SiO2 層112の先端がある程度現れるよう
に、ゲート層19をエッチングする。
【0042】次いで、図6(h)に示すように、ピラミ
ッド状凸部18の先端がある程度現れるように、熱酸化
SiO2 層112をエッチングし、次いでフォトレジス
ト20を除去することによって、電界放出型冷陰極が完
成する。
【0043】このように本実施形態によれば、一つのS
i基板11の鋳型を繰り返し使用できるので、多数の電
界放出型冷陰極を安価に作製でき、製造コストが大幅に
削減される。また本実施形態では、SiO2 との密着性
の悪い材料をエミッタ層に使用して基板分離を行った
が、エミッタ先端の鋭さは若干低下するものの、凹部を
熱酸化せずにSiとの密着性の悪い材料をエミッタ層に
使用して、基板分離を行うことも可能である。その具体
例としては、エミッタ層をNiの電気メッキにより形成
する方法が挙げられる。 (第5の実施形態)図7は、本発明の第5の実施形態に
係わる電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面図であ
る。なお、図5と対応する部分には同一の符号を付し
て、その詳しい説明は省略する。
【0044】本実施形態の特徴は、図7(b)に示すよ
うにAu,Ag及びPt等SiO2との密着性が悪い材
料を犠牲層113として、エミッタ層14よりも先に熱
酸化SiO2 層13上に形成したものである。この場
合、基板分離時には熱酸化SiO2 層13と接している
のは犠牲層113であり、先の実施形態と同様、容易に
基板分離が可能である。
【0045】図7(d)に示すように犠牲層113は基
板分離後、エッチング除去する。この実施形態ではエミ
ッタ先端の鋭さが若干低下することになるが、エミッタ
に使用する材料の選択の幅が広がるという利点がある。
【0046】なお、本実施形態では犠牲層113にA
u,Ag及びPt等SiO2 との密着性が悪い材料を用
いているが、エミッタ材料よりも十分に融点が低い低融
点金属を使用することも可能である。この場合、基板分
離は素子の温度を低融点金属の融点より少し高くして行
う。 (第6の実施形態)図8は、本発明の第6の実施形態に
係わる電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面図であ
る。なお、図3、4と対応する部分には同一の符号を付
して、その詳しい説明は省略する。
【0047】樹脂基板(第2の基板)105を形成する
までの工程は、図3(a)〜(d)に示した第1の実施
形態と同様である。本実施形態の特徴は、図8(e)に
示すように樹脂基板105上に、例えば感光性ポリイミ
ドをスピンコート,パターニングして紙面垂直方向に伸
びる絶縁層110を形成した後、エミッタ層14,めっ
き層108を形成し、接着層111を介してガラス基板
17と接合したことにある。このため、図で中央に位置
するエミッタを含む領域は絶縁層110により分離され
た左右に位置する領域とは独立に印加することができる
ようになる。このことは、例えば直交するエミッタ電極
とゲート電力の交点に位置するエミッタ群を選択して動
作させる平面型画像表示装置を実現する際に重要とな
る。
【0048】なお、本実施形態で、絶縁層110にポリ
イミドを用い、メッキ層108を介してガラス基板17
と接合しているのは、接着面に欠陥が生じた場合にその
影響が他に及ばないように、エミッタの表面と接着面の
間の距離を大きくするためである。
【0049】これ以降は、図4(f)〜(h)と基本的
に同様である。即ち、図8(f)に示すように、樹脂基
板105を除去した後、絶縁層109,ゲート層19,
フォトレジスト20を形成する。次いで、図8(g)に
示すように、ドライエッチングによりフォトレジスト2
0を途中までエッチングし、ゲート層19を一部エッチ
ングする。次いで、図8(h)に示すように、絶縁層1
09を一部エッチングし、さらにフォトレジスト20を
除去することにより、電界放射型冷陰極が完成する。 (第7の実施形態)図9は、第6の実施形態により作製
した電位放出型冷陰極を用いた平面型画像表示装置の一
例を示す断面図である。図9において複数のゲート電極
114は紙面に平行に走り、複数のエミッタ電極115
は紙面に垂直に走っている。一つのゲート電極と一つの
エミッタ電極を選択し、その間に電圧を印加すれば両電
極の交点のエミッタ群のみが動作する。エミッタ群より
放出された電子は、スペーサ116により支持されたガ
ラス基板119上に形成された、透明電極118に印加
された電圧により、選択されたエミッタ群に対応した位
置の蛍光体層117に達してこれを発光させる。このよ
うにしてエミッタ電極とゲート電極により走査を行い、
画像表示が可能となる。以上の説明は一例に過ぎず、そ
の他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変形して実施可
能である。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように本発明(請求項1,
5)によれば、電界放出型冷陰極のエミッタを形成する
ための転写元基板を樹脂成形技術を利用して作製するこ
とにより、電界放出効率が高く、均一性に優れていると
いう利点をそのままに、大面積の素子を安価に多数作製
することが可能となる。
【0051】また、本発明(請求項4)によれば、電界
放出型冷陰極のエミッタを形成するための転写元基板に
該基板と付着強度の弱い薄膜層を形成することにより、
この転写元基板を多数回使用することが可能となり、こ
れにより製造コストの低減をはかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程を示す断面図。
【図2】第2の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程を示す断面図。
【図3】第3の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程の前半を示す断面図。
【図4】第3の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程の後半を示す断面図。
【図5】第4の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程の前半を示す断面図。
【図6】第4の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程の後半を示す断面図。
【図7】第5の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程を示す断面図。
【図8】第6の実施形態に係わる電界放出型冷陰極の製
造工程の後半を示す断面図。
【図9】第7の実施形態に係わる電位放出型冷陰極を用
いた平面型画像表示装置の一例を示す断面図。
【符号の説明】
11…Si基板 12…凹部 13…熱酸化SiO2 層 14…エミッタ層 18…凸部 19…ゲート層 20…フォトレジスト 101…第1のNi層 102…第2のNi層 103…ピラミッド状凸部 104…Niスタンパ 105…レプリカ 106…透明基板 107…熱硬化樹脂 108…構造基板 109…絶縁層 110…絶縁層 111…絶縁層 112…絶縁層 113…犠牲層 114…ゲート電極 115…エミッタ電極 116…スペーサ 117…蛍光体層 118…透明電極 119…ガラス基板 201…単結晶Si基板 202…SiO2 熱酸化層 203…エミッタ材料層 204,214…接着層 205…ガラス基板 207…樹脂基板 215…構造基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 尚志 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 鈴木 健聡 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平4−106834(JP,A) 特開 平6−36682(JP,A) 特開 平8−97483(JP,A) 特開 平1−171810(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形成すべき電界放出型冷陰極のエミッタと
    同じ形状の尖鋭な凸部を有する第1の基板を原盤として
    用い、樹脂成形により底部を尖らせた凹部を有する第2
    の基板を設ける工程と、この第2の基板の凹部内を埋め
    るようにエミッタ材料層を形成して電界放出型冷陰極の
    エミッタを形成する工程と、前記エミッタ上に該エミッ
    タを支持する支持基板を形成する工程と、前記支持基板
    と一体になったエミッタが露出するように第2の基板を
    除去する工程とを含むことを特徴とする電界放出型冷陰
    極の製造方法。
  2. 【請求項2】第1の基板は、底部を尖らせた凹部を有す
    る第3の基板の表面に該凹部を含めて絶縁層を形成する
    工程と、前記凹部内を含めて絶縁層上に金属材料層を形
    成する工程と、前記金属材料層を支持基板と接合する工
    程と、前記金属材料層から前記絶縁層を含めて第3の基
    板を除去する工程とから形成されることを特徴とする請
    求項1記載の電界放出型冷陰極の製造方法。
  3. 【請求項3】第2の基板は、溶融した熱可塑性樹脂,紫
    外線硬化樹脂,及び熱硬化性樹脂の少なくとも一つを用
    い、加圧,紫外線,及び常圧注入の少なくとも一つの手
    段により形成されることを特徴とする請求項1記載の電
    界放出型冷陰極の製造方法。
  4. 【請求項4】第1の基板に底部を尖らせた凹部を設ける
    工程と、前記凹部内を含めて第1の基板表面に該基板と
    付着強度の弱い薄膜層を形成する工程と、前記凹部内を
    埋めつつ前記薄膜層上にエミッタ材料層を形成する工程
    と、前記エミッタ材料層に第2の基板を接合する工程
    と、第1の基板を前記薄膜層から分離する工程と、前記
    エミッタ材料層が露出するように前記薄膜層を除去する
    工程とを含むことを特徴とする電界放出型冷陰極の製造
    方法。
  5. 【請求項5】第1の基板に底部を尖らせた凹部を設ける
    工程と、前記凹部内を含めて第1の基板表面に絶縁層を
    形成する工程と、前記絶縁層上に該絶縁層に対する付着
    強度の弱い薄膜層を形成する工程と、前記凹部内を埋め
    つつ前記薄膜層上にエミッタ材料層を形成する工程と、
    前記エミッタ材料層に第2の基板を接合する工程と、第
    1の基板を前記薄膜層から分離する工程と、前記エミッ
    タ材料層が露出するように前記薄膜層を除去する工程と
    を含むことを特徴とする電界放出型冷陰極の製造方法。
  6. 【請求項6】形成すべき電界放出型冷陰極のエミッタと
    同じ形状の尖鋭な凸部を有する第1の基板を原盤として
    用い、樹脂成形により底部を尖らせた凹部を有する第2
    の基板を設ける工程と、この第2の基板の凹部内を埋め
    るようにエミッタ材料層を形成して電界放出型冷陰極の
    エミッタを形成する工程と、前記エミッタ上に該エミッ
    タを支持する支持基板を形成する工程と、前記支持基板
    と一体になったエミッタが露出するように第2の基板を
    除去する工程と、前記露出したエミッタ上に絶縁層を形
    成する工程と、前記絶縁層上にゲート層を形成する工程
    と、前記エミッタの先端部が露出するように前記絶縁層
    及びゲート層の一部を除去する工程とを含むことを特徴
    とする電界放出型冷陰極の製造方法。
JP24671496A 1996-09-18 1996-09-18 電界放出型冷陰極の製造方法 Expired - Fee Related JP3354405B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24671496A JP3354405B2 (ja) 1996-09-18 1996-09-18 電界放出型冷陰極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24671496A JP3354405B2 (ja) 1996-09-18 1996-09-18 電界放出型冷陰極の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1092300A JPH1092300A (ja) 1998-04-10
JP3354405B2 true JP3354405B2 (ja) 2002-12-09

Family

ID=17152562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24671496A Expired - Fee Related JP3354405B2 (ja) 1996-09-18 1996-09-18 電界放出型冷陰極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3354405B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4950536B2 (ja) * 2006-03-31 2012-06-13 株式会社東芝 電界放出型冷陰極装置及びその製造方法
EP2036586B1 (en) * 2006-07-04 2015-09-09 Toppan Printing Co., Ltd. Method for manufacturing microneedle

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1092300A (ja) 1998-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5243252A (en) Electron field emission device
JP3097619B2 (ja) 電界放射冷陰極の製造方法
JP2000123711A (ja) 電界放出型冷陰極及びその製造方法
JP3441312B2 (ja) 電界放出型冷陰極装置及びその製造方法
JP3296398B2 (ja) 電界放出型冷陰極装置およびその製造方法
JP3987591B2 (ja) 電界効果電子放出素子およびその製造方法
JP3354405B2 (ja) 電界放出型冷陰極の製造方法
JP2005100919A (ja) カーボンナノチューブ電子放出源の製造方法
JP3079994B2 (ja) 真空マイクロデバイス
JP2969081B2 (ja) 水平電界効果を有する電子放出素子及びその製造方法
JP2001351512A (ja) 電界放出陰極の製造方法
JP3437983B2 (ja) 電界放出カソードおよびその製造方法
JP3419677B2 (ja) 電界放出型冷陰極の製造方法
JP4037324B2 (ja) 電界放出ディスプレイの製造方法
JP3184890B2 (ja) 電子放出素子及びその製造方法
KR100569269B1 (ko) 전계방출 표시소자의 제조방법
JPH1092296A (ja) 電子放出素子及びその製造方法
JPH0935618A (ja) ゲート付き電界放出型冷陰極
JPH07160204A (ja) 電子放出素子の製造方法
JPH0887958A (ja) 電界放出型冷陰極装置及びその製造方法
KR100911739B1 (ko) 냉음극 전자원 및 그 제조방법
KR20020031819A (ko) 전계방출표시소자의 제조방법
JPH06231673A (ja) 電子放射素子及びその製造方法
JPH0541152A (ja) 電界放出陰極の製造方法
KR100257699B1 (ko) 전계 방출 표시소자용 금속 팁 필드 에미터 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070927

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080927

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees