JPH0935618A - ゲート付き電界放出型冷陰極 - Google Patents
ゲート付き電界放出型冷陰極Info
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- JPH0935618A JPH0935618A JP18394295A JP18394295A JPH0935618A JP H0935618 A JPH0935618 A JP H0935618A JP 18394295 A JP18394295 A JP 18394295A JP 18394295 A JP18394295 A JP 18394295A JP H0935618 A JPH0935618 A JP H0935618A
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- Japan
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- tip
- layer
- gate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゲートとエミッタとの相互位置関係が不明で
あり、エミッタ先端での電界集中を十分確保しつつゲー
ト電流に起因する電力損失を避ける方策が無いという問
題を解決して、ゲート電流に起因した損失の少ない、エ
ミッタ先端への電界集中も損なわれることなくむしろ電
界集中効果を従来よりもさらに促進させた、ゲート付き
電界放出型冷陰極を提供する。 【課題解決手段】 エミッタの先端部8aを囲むゲート
開口部9bに内接する円の半径aは、0.5μmであ
り、エミッタの先端部8aとゲート開口部9bの高さ
は、0.1μm以内で一致している。
あり、エミッタ先端での電界集中を十分確保しつつゲー
ト電流に起因する電力損失を避ける方策が無いという問
題を解決して、ゲート電流に起因した損失の少ない、エ
ミッタ先端への電界集中も損なわれることなくむしろ電
界集中効果を従来よりもさらに促進させた、ゲート付き
電界放出型冷陰極を提供する。 【課題解決手段】 エミッタの先端部8aを囲むゲート
開口部9bに内接する円の半径aは、0.5μmであ
り、エミッタの先端部8aとゲート開口部9bの高さ
は、0.1μm以内で一致している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲート電極の付い
た電界放出型冷陰極に関する。
た電界放出型冷陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電界放出型冷陰極の例としては、
スピント(C.A.Spindt)らが、J.Appl.Phy
s.47,5248(1976)に発表したもの、あるいは本願発明
者中本正幸らの作製法によるもの(特開平6-036682号)
が知られている。
スピント(C.A.Spindt)らが、J.Appl.Phy
s.47,5248(1976)に発表したもの、あるいは本願発明
者中本正幸らの作製法によるもの(特開平6-036682号)
が知られている。
【0003】スピントらの例においては、Si単結晶基
板上に絶縁層としてのSiO2 層、エミッタ金属層とし
てのMo(モリブデン)層およびゲート電極層となるA
l(アルミニウム)層を、順次スパッタリング法等で形
成した後、これらの絶縁層、エミッタ金属層、ゲート電
極層にエッチングによって直径約1.5μm程度の穴を
穿設し、この穴の中に電界放出を行なうための円錐状の
エミッタを蒸着法により作製している。
板上に絶縁層としてのSiO2 層、エミッタ金属層とし
てのMo(モリブデン)層およびゲート電極層となるA
l(アルミニウム)層を、順次スパッタリング法等で形
成した後、これらの絶縁層、エミッタ金属層、ゲート電
極層にエッチングによって直径約1.5μm程度の穴を
穿設し、この穴の中に電界放出を行なうための円錐状の
エミッタを蒸着法により作製している。
【0004】蒸着による円錐型エミッタ形成は、エミッ
タとなる金属、例えばMoの垂直方向から基板を回転さ
せながら真空蒸着し、ピンホールの直径がMoの堆積と
とも減少し最終的には0となることを利用している。
タとなる金属、例えばMoの垂直方向から基板を回転さ
せながら真空蒸着し、ピンホールの直径がMoの堆積と
とも減少し最終的には0となることを利用している。
【0005】しかしながら、スピントらの電界放出型冷
陰極においては、以下に述べる問題点があった。
陰極においては、以下に述べる問題点があった。
【0006】まず第1には、回転蒸着法により、Al層
にあけたピンホールの直径が少しずつ小さくなることを
利用して穴の内面にエミッタを形成しているため、エミ
ッタ高さ、先端部の形状などがばらつき、電界放出の均
一性が悪い。そのうえ、電界放出効率を向上させるのに
必要なエミッタ先端部の鋭さが不十分で、電界放出効率
の低下や消費電力の増大等の問題があった。
にあけたピンホールの直径が少しずつ小さくなることを
利用して穴の内面にエミッタを形成しているため、エミ
ッタ高さ、先端部の形状などがばらつき、電界放出の均
一性が悪い。そのうえ、電界放出効率を向上させるのに
必要なエミッタ先端部の鋭さが不十分で、電界放出効率
の低下や消費電力の増大等の問題があった。
【0007】また、形状の再現性や歩留まりが悪いた
め、特性の揃った多数の電界放出型冷陰極を同一基板上
に作製しようとする場合には、生産コストが非常に高く
なるという問題もあった。
め、特性の揃った多数の電界放出型冷陰極を同一基板上
に作製しようとする場合には、生産コストが非常に高く
なるという問題もあった。
【0008】また、第2にSiO2 絶縁層をCVD法に
より厚く形成しているため、電界放出の効率を大きく左
右するゲート−エミッタ間の距離が正確に制御すること
が出来ず、電界放出の均一性が良好でなく、ばらつきが
発生する。
より厚く形成しているため、電界放出の効率を大きく左
右するゲート−エミッタ間の距離が正確に制御すること
が出来ず、電界放出の均一性が良好でなく、ばらつきが
発生する。
【0009】また、ゲート−エミッタ間の距離が近接し
た方が、より低電圧で素子を駆動させることができる
が、その距離を高い制御で精確に近接させることも困難
であるという問題があった。
た方が、より低電圧で素子を駆動させることができる
が、その距離を高い制御で精確に近接させることも困難
であるという問題があった。
【0010】上記の問題点を解決するものとして、前記
中本正幸らの提案した作製法による例が挙げられる。
中本正幸らの提案した作製法による例が挙げられる。
【0011】中本らの例においては、鋳型となる第1の
基板に設けた凹部を酸化し凹部先端を先鋭化したのち、
この凹部内を埋めつつ絶縁層上にエミッタ材料層を形成
し、第1の鋳型となる基板と構造基板である第2の基板
とを前記エミッタ材料層が介在するように接合する。
基板に設けた凹部を酸化し凹部先端を先鋭化したのち、
この凹部内を埋めつつ絶縁層上にエミッタ材料層を形成
し、第1の鋳型となる基板と構造基板である第2の基板
とを前記エミッタ材料層が介在するように接合する。
【0012】その後、第1の基板をエッチングにより除
去し、凹部内に充填されたエミッタ材料で形成された凸
部を内部に含む絶縁層を露出させ、絶縁層上にゲート電
極を形成し、凸部の先端部が露出するように、ゲート電
極層及び絶縁層の一部を除去してゲート付きエミッタを
形成する。
去し、凹部内に充填されたエミッタ材料で形成された凸
部を内部に含む絶縁層を露出させ、絶縁層上にゲート電
極を形成し、凸部の先端部が露出するように、ゲート電
極層及び絶縁層の一部を除去してゲート付きエミッタを
形成する。
【0013】このようにして作製した電界放出型冷陰極
においては、凹部を設けた第1の基板上に酸化絶縁層を
形成する。
においては、凹部を設けた第1の基板上に酸化絶縁層を
形成する。
【0014】その後、エミッタ材料層を形成しているた
め、ゲート−エミッタ間の距離の制御性が良く、また第
1の凹部内に充填した材料がエミッタとなるため、予め
正確に形成された凹部により、高さの均一性に優れ、形
状の再現性もよいエミッタが得られる。
め、ゲート−エミッタ間の距離の制御性が良く、また第
1の凹部内に充填した材料がエミッタとなるため、予め
正確に形成された凹部により、高さの均一性に優れ、形
状の再現性もよいエミッタが得られる。
【0015】さらに、酸化前の凹部の先端が十分尖鋭化
していない場合でも、熱酸化絶縁層を成長させることに
よりその絶縁層表面で形成される凹部の先端は極めて鋭
く尖った形状となる。このため、それをあたかも鋳型と
して形成されるエミッタも、その先端が非常に鋭く尖っ
たものとなる。
していない場合でも、熱酸化絶縁層を成長させることに
よりその絶縁層表面で形成される凹部の先端は極めて鋭
く尖った形状となる。このため、それをあたかも鋳型と
して形成されるエミッタも、その先端が非常に鋭く尖っ
たものとなる。
【0016】この中本らの例のように、絶縁層を介して
エミッタに沿った形で設けられたゲートについては、同
じゲート電圧と絶縁層厚で比較した場合、ゲート開口部
がエミッタより上に位置する場合のほうが、下に位置す
る場合に比べエミッタ先端での電界集中の点からは有利
である。
エミッタに沿った形で設けられたゲートについては、同
じゲート電圧と絶縁層厚で比較した場合、ゲート開口部
がエミッタより上に位置する場合のほうが、下に位置す
る場合に比べエミッタ先端での電界集中の点からは有利
である。
【0017】しかしながら、エミッタに沿ったゲートを
備えるエミッタの動作特性の解析は、従来は十分に為さ
れているとは言えなかった。
備えるエミッタの動作特性の解析は、従来は十分に為さ
れているとは言えなかった。
【0018】従って、エミッタ先端への電界集中は保ち
ながら、なおかつゲート電流を抑えアノードへ流れる電
流を十分確保するための、ゲートとエミッタとの相互位
置関係が従来の技術では不明であり、ゲート電流に起因
する電力損失を抑えることが困難であるという問題があ
った。
ながら、なおかつゲート電流を抑えアノードへ流れる電
流を十分確保するための、ゲートとエミッタとの相互位
置関係が従来の技術では不明であり、ゲート電流に起因
する電力損失を抑えることが困難であるという問題があ
った。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の電界放出型冷陰極においては、ゲート電流を抑えアノ
ードへ流れる電流を十分確保するために望ましい、ゲー
トとエミッタとの相互位置関係が不明であり、エミッタ
先端での電界集中を十分確保しつつゲート電流に起因す
る電力損失を避ける方策が無く、それが実現されていな
いという問題があった。
の電界放出型冷陰極においては、ゲート電流を抑えアノ
ードへ流れる電流を十分確保するために望ましい、ゲー
トとエミッタとの相互位置関係が不明であり、エミッタ
先端での電界集中を十分確保しつつゲート電流に起因す
る電力損失を避ける方策が無く、それが実現されていな
いという問題があった。
【0020】本発明は、上記の問題点を解決するために
成されたものである。
成されたものである。
【0021】ゲート付き電界放出型冷陰極においては、
全電流に対するアノード電流を50%以上確保するのが望
ましいと考えられる。そこで本発明においては、そのた
めに必要なゲートとエミッタの相互位置関係の条件を与
え、アノード電流が十分に確保でき、電力損失の少ない
高性能のゲート付き電界放出型冷陰極を提供することを
目的としている。
全電流に対するアノード電流を50%以上確保するのが望
ましいと考えられる。そこで本発明においては、そのた
めに必要なゲートとエミッタの相互位置関係の条件を与
え、アノード電流が十分に確保でき、電力損失の少ない
高性能のゲート付き電界放出型冷陰極を提供することを
目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に係るゲート付き
電界放出型冷陰極は、構造基板と、前記構造基板上に接
合形成され、先端部が尖鋭な凸状のエミッタを有するエ
ミッタ材料層と、前記エミッタ材料層上に前記エミッタ
の先端部が露出するように設けられた絶縁層と、前記絶
縁層を介して前記エミッタの形状に沿って設けられると
ともに前記エミッタの先端部を非接触に囲む開口部を有
するゲート金属層とを備えた電界放出型冷陰極におい
て、前記開口部が、それに内接する円の半径a=20μm
以下である開口寸法の開口部であり、前記開口部は、前
記エミッタ先端の上部に位置しており、前記開口部に内
接する円の半径aと、前記エミッタ先端と前記開口部の
高さの差lとの比a/lが、0.2以上4以下であるこ
とを特徴としている。
電界放出型冷陰極は、構造基板と、前記構造基板上に接
合形成され、先端部が尖鋭な凸状のエミッタを有するエ
ミッタ材料層と、前記エミッタ材料層上に前記エミッタ
の先端部が露出するように設けられた絶縁層と、前記絶
縁層を介して前記エミッタの形状に沿って設けられると
ともに前記エミッタの先端部を非接触に囲む開口部を有
するゲート金属層とを備えた電界放出型冷陰極におい
て、前記開口部が、それに内接する円の半径a=20μm
以下である開口寸法の開口部であり、前記開口部は、前
記エミッタ先端の上部に位置しており、前記開口部に内
接する円の半径aと、前記エミッタ先端と前記開口部の
高さの差lとの比a/lが、0.2以上4以下であるこ
とを特徴としている。
【0023】本発明のゲート付き電界放出型冷陰極にお
いては、ゲート金属層の開口部がエミッタ先端の上部に
位置し、前記の開口部に内接する円の半径aと、エミッ
タ先端とゲート開口部の高さとの差lとの比a/lが、
0.2以上4以下であることを特徴としている。
いては、ゲート金属層の開口部がエミッタ先端の上部に
位置し、前記の開口部に内接する円の半径aと、エミッ
タ先端とゲート開口部の高さとの差lとの比a/lが、
0.2以上4以下であることを特徴としている。
【0024】この条件を満たすことにより、エミッタ先
端での電界集中を損なうこと無く全動作電流に対するゲ
ート電流を50%以下に抑えることが可能となる。
端での電界集中を損なうこと無く全動作電流に対するゲ
ート電流を50%以下に抑えることが可能となる。
【0025】従って、全電流に対して50%以上のアノ
ード電流を確保することができ、またゲート電流に起因
する電力損失を抑えることができる。
ード電流を確保することができ、またゲート電流に起因
する電力損失を抑えることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態である
ゲート付き電界放出型冷陰極について図面に基づいて詳
細に説明する。
ゲート付き電界放出型冷陰極について図面に基づいて詳
細に説明する。
【0027】(実施形態1)図1は本発明の第1の実施
の形態である電界放出型冷陰極を示す模式図である。
まず、例えば単結晶基板の片側表面に先細りの凹部を形
成する。このような凹部を形成する方法としては、以下
に記すようなSi(シリコン)単結晶基板の異方性エッ
チングを利用する方法がある。
の形態である電界放出型冷陰極を示す模式図である。
まず、例えば単結晶基板の片側表面に先細りの凹部を形
成する。このような凹部を形成する方法としては、以下
に記すようなSi(シリコン)単結晶基板の異方性エッ
チングを利用する方法がある。
【0028】すなわち、まず、p型で(1 0 0 )結晶面
方位のSi単結晶基板1上に、厚さ0.1μmのSiO
2 熱酸化層をドライ酸化法により形成する。続いて、フ
ォトレジストをスピンコート法により塗布する。
方位のSi単結晶基板1上に、厚さ0.1μmのSiO
2 熱酸化層をドライ酸化法により形成する。続いて、フ
ォトレジストをスピンコート法により塗布する。
【0029】次に、ステッパを用いて、例えば1μm角
の正方形開口部が得られるような露光、現像等のパター
ニングを行なった後、NH4 F・HF混合溶液を用い
て、前記のSiO2 膜のエッチングを行なう。
の正方形開口部が得られるような露光、現像等のパター
ニングを行なった後、NH4 F・HF混合溶液を用い
て、前記のSiO2 膜のエッチングを行なう。
【0030】レジストを除去した後、30wt%のKOH
水溶液を用いて、異方性エッチングを行なうことによ
り、図1(a)に示すように、深さ0.71μmの逆ピ
ラミット状の凹部2をSi単結晶基板上に形成させる。
水溶液を用いて、異方性エッチングを行なうことによ
り、図1(a)に示すように、深さ0.71μmの逆ピ
ラミット状の凹部2をSi単結晶基板上に形成させる。
【0031】次に、NH4 F・HF混合溶液を用いて、
SiO2 酸化層を一旦除去した後、図1(b)に示すよ
うに、Si単結晶基板1上に凹部2内を含めて厚さ0.
4μmのSiO2 熱酸化絶縁層3を形成する。
SiO2 酸化層を一旦除去した後、図1(b)に示すよ
うに、Si単結晶基板1上に凹部2内を含めて厚さ0.
4μmのSiO2 熱酸化絶縁層3を形成する。
【0032】次いで、上記熱酸化絶縁層3上に、エミッ
タ材料層4として、例えば、W(タングステン)層やM
o層、Ta(タンタル)層等を形成する。ここではW
(タングステン)層を使用した。
タ材料層4として、例えば、W(タングステン)層やM
o層、Ta(タンタル)層等を形成する。ここではW
(タングステン)層を使用した。
【0033】エミッタ材料層4は、凹部2が十分に埋め
られるとともに、凹部2以外の部分も一様となるように
形成する。
られるとともに、凹部2以外の部分も一様となるように
形成する。
【0034】本実施形態では、厚さ2μmとなるように
エミッタ材料層をスパッタリング法により形成した。さ
らに、ITO層等の導電層5を同じくスパッタリング法
により例えば厚さ1μmとなるように形成する。
エミッタ材料層をスパッタリング法により形成した。さ
らに、ITO層等の導電層5を同じくスパッタリング法
により例えば厚さ1μmとなるように形成する。
【0035】なお、この導電層は5はエミッタ材料層4
の材質によっては省くことができ、その場合にはエミッ
タ材料層が4がカソード電極層を兼ねることとなる。
の材質によっては省くことができ、その場合にはエミッ
タ材料層が4がカソード電極層を兼ねることとなる。
【0036】一方、第2の基板となる構造基板として、
背面に厚さ0.4μmのAl層6をコートしたパイレッ
クスガラス基板(厚さ1mm)7を用意し、図1(c)に
示すように、ガラス基板7と上記Si単結晶基板1とを
エミッタ材料層4を介するように接着する。この接着に
は例えば静電接着法を適用することが出来る。この静電
接着法は、冷陰極装置の計量化や薄型化に寄与する。
背面に厚さ0.4μmのAl層6をコートしたパイレッ
クスガラス基板(厚さ1mm)7を用意し、図1(c)に
示すように、ガラス基板7と上記Si単結晶基板1とを
エミッタ材料層4を介するように接着する。この接着に
は例えば静電接着法を適用することが出来る。この静電
接着法は、冷陰極装置の計量化や薄型化に寄与する。
【0037】ガラス基板7背面のAl層6を、HNO3
・COOH・HFの混酸溶液で除去する。
・COOH・HFの混酸溶液で除去する。
【0038】その後、エチレンジアミン・ピロカテコー
ル・ピラジンを用いた水溶液(エチレンジアミン:ピロ
カテコール:ピラジン:水=75cc:12g:3mg:1
0cc)で,Si単結晶基板1のみをエッチング除去し、
図1(d)に示すように、SiO2 熱酸化層3を露出さ
せるとともに、SiO2 熱酸化層3に覆われたエミッタ
材料によるピラミッド形状の凸部8を突出させる。
ル・ピラジンを用いた水溶液(エチレンジアミン:ピロ
カテコール:ピラジン:水=75cc:12g:3mg:1
0cc)で,Si単結晶基板1のみをエッチング除去し、
図1(d)に示すように、SiO2 熱酸化層3を露出さ
せるとともに、SiO2 熱酸化層3に覆われたエミッタ
材料によるピラミッド形状の凸部8を突出させる。
【0039】次に、ゲート電極層として、例えば、W層
9を厚さ0.5μmとなるようにスパッタリング法によ
りSiO2 熱酸化層3上に形成する。
9を厚さ0.5μmとなるようにスパッタリング法によ
りSiO2 熱酸化層3上に形成する。
【0040】その後、フォトレジスト10をスピンコー
ト法により約0.9μm程度、即ち僅かにピラミッド上
の冷陰極部先端が隠れる程度の厚さに塗布した。この状
態を図1(e)に示す。
ト法により約0.9μm程度、即ち僅かにピラミッド上
の冷陰極部先端が隠れる程度の厚さに塗布した。この状
態を図1(e)に示す。
【0041】そして、酸素プラズマを用いたドライエッ
チングを行なって、前記のピラミッドの先端部が0.7
μmほど現れるように、レジスト層10をエッチング除
去した(図1(f))。
チングを行なって、前記のピラミッドの先端部が0.7
μmほど現れるように、レジスト層10をエッチング除
去した(図1(f))。
【0042】その後、反応性イオンエッチングにより、
ピラミッド先端部のゲート金属9をエッチングし、開口
部を形成した。(図1(g)) フォトレジスト10を除去した後、NH4 F・HF混合
溶液を用いて、SiO2 熱酸化層3を選択的除去する。
ピラミッド先端部のゲート金属9をエッチングし、開口
部を形成した。(図1(g)) フォトレジスト10を除去した後、NH4 F・HF混合
溶液を用いて、SiO2 熱酸化層3を選択的除去する。
【0043】これにより、図1(h)に示すように、ゲ
ート電極層9の開口部9bが形成されるとともに、エミ
ッタ材料によるピラミッド状凸部8の先端部8aが露光
され、ピラミッド状の冷陰極、すなわちエミッタが形成
される。
ート電極層9の開口部9bが形成されるとともに、エミ
ッタ材料によるピラミッド状凸部8の先端部8aが露光
され、ピラミッド状の冷陰極、すなわちエミッタが形成
される。
【0044】このときのゲート開口部近傍の様子を、図
2(a)に示す。
2(a)に示す。
【0045】エミッタの先端部8aを囲むゲート開口部
9bに内接する円の半径aは、0.5μmであり、エミ
ッタの先端部8aとゲート開口部9bの高さは、0.1
μm以内で一致していた。実際にはゲート開口部9bは
正方形であり、この正方形に内接する円の半径aを採用
した。
9bに内接する円の半径aは、0.5μmであり、エミ
ッタの先端部8aとゲート開口部9bの高さは、0.1
μm以内で一致していた。実際にはゲート開口部9bは
正方形であり、この正方形に内接する円の半径aを採用
した。
【0046】続いて、エミッタの先端部8aから1.9
μm上方に金属平板からなるアノード電極(図示省略)
を設置し、ゲート電圧10V、アノード電圧12Vで電
流測定を行なった。
μm上方に金属平板からなるアノード電極(図示省略)
を設置し、ゲート電圧10V、アノード電圧12Vで電
流測定を行なった。
【0047】その結果、全電流の99%以上がアノード
に流れ、ゲート電流による損失の極めて少ないゲート付
き電界放出型冷陰極が得られたことが確認できた。
に流れ、ゲート電流による損失の極めて少ないゲート付
き電界放出型冷陰極が得られたことが確認できた。
【0048】本実施形態では、上述した電界放出型冷陰
極をガラス基板上に複数形成し、4個の電界放出型冷陰
極を1画素とし、この画素を二次元的に配した表示装置
を組んだ。この表示装置はa/1が0.2〜4の範囲外
のものと比べ表示特性が向上していることがわかった。
極をガラス基板上に複数形成し、4個の電界放出型冷陰
極を1画素とし、この画素を二次元的に配した表示装置
を組んだ。この表示装置はa/1が0.2〜4の範囲外
のものと比べ表示特性が向上していることがわかった。
【0049】(実施形態2)上記の第1の実施の形態に
おいて、酸素プラズマによるレジスト層のドライエッチ
ングを行なう際に、ピラミッドの先端部が0.6、0.
5、0.4μm現れるように、それぞれレジスト層10
を除去して 3種類のゲート付きエミッタを作製した。
おいて、酸素プラズマによるレジスト層のドライエッチ
ングを行なう際に、ピラミッドの先端部が0.6、0.
5、0.4μm現れるように、それぞれレジスト層10
を除去して 3種類のゲート付きエミッタを作製した。
【0050】その結果、ゲート開口部9bに内接する円
の半径aがそれぞれ0.4、0.3、0.1μm、ゲー
ト開口部9bとエミッタの先端部8aとの距離lはそれ
ぞれ0.1、0.3、0.5μmとなった。
の半径aがそれぞれ0.4、0.3、0.1μm、ゲー
ト開口部9bとエミッタの先端部8aとの距離lはそれ
ぞれ0.1、0.3、0.5μmとなった。
【0051】すなわち、a/l=4(図2(b))、1
(図2(c))、10.2(図2(d))となった。
(図2(c))、10.2(図2(d))となった。
【0052】この3種類のゲート付き電界放出型冷陰極
について、第1の実施の形態と同様の実験条件で電流測
定を行なったところ、全電流に対するアノード電流の割
合はそれぞれ、95%、60%、50%となった。
について、第1の実施の形態と同様の実験条件で電流測
定を行なったところ、全電流に対するアノード電流の割
合はそれぞれ、95%、60%、50%となった。
【0053】また、全電流は、第1の実施の形態の場合
と比べて、それぞれ1.2、1.8、2.0倍であっ
た。
と比べて、それぞれ1.2、1.8、2.0倍であっ
た。
【0054】このように、本発明に係る電界放出型冷陰
極は、ゲート開口部に内接する円の半径aとエミッタ先
端とゲート開口部の高さの差lとの比a/lが0.2以
上である。
極は、ゲート開口部に内接する円の半径aとエミッタ先
端とゲート開口部の高さの差lとの比a/lが0.2以
上である。
【0055】これにより、エミッタから放出された電子
の50%以上はゲートに補足されること無くアノードに
到達し、ゲート電流に起因した損失の少ないゲート付き
電界放出型冷陰極が得られた。
の50%以上はゲートに補足されること無くアノードに
到達し、ゲート電流に起因した損失の少ないゲート付き
電界放出型冷陰極が得られた。
【0056】また、a/lが4以下であれば、エミッタ
先端の電界集中は十分効果的に起こっていることが確認
された。
先端の電界集中は十分効果的に起こっていることが確認
された。
【0057】このゲート付きエミッタを多数配置して、
2次元マトリクスを作製した。この実施形態でも先の実
施形態と同様に表示装置を作製した。
2次元マトリクスを作製した。この実施形態でも先の実
施形態と同様に表示装置を作製した。
【0058】そしてさらに、前記のエミッタのマトリッ
クスに対向してエミッタの最先端から10μmの位置に
蛍光体を塗布したアノードを設置し、全体を10-5Pa
(パスカル)以下の透明ガラス製真空容器内に入れたと
ころ、エミッタ−ゲート間電圧10V、エミッタ−アノ
ード間電圧12Vで駆動できる表示装置を形成できた。
そしてこれを動作させた結果、効果的な電界集中効果に
より、低消費電力でかつ正確、適正に動作することが確
認できた。
クスに対向してエミッタの最先端から10μmの位置に
蛍光体を塗布したアノードを設置し、全体を10-5Pa
(パスカル)以下の透明ガラス製真空容器内に入れたと
ころ、エミッタ−ゲート間電圧10V、エミッタ−アノ
ード間電圧12Vで駆動できる表示装置を形成できた。
そしてこれを動作させた結果、効果的な電界集中効果に
より、低消費電力でかつ正確、適正に動作することが確
認できた。
【0059】
【発明の効果】以上、詳細な説明で明示したように、本
発明によれば、エミッタから放出された電子の50%以
上はゲートに補足されること無くアノードに到達し、ゲ
ート電流に起因した損失の少ないゲート付き電界放出型
冷陰極が得られる。またこのとき、エミッタ先端への電
界集中も損なわれることなく、むしろ電界集中効果を従
来よりもさらに促進させることができる。
発明によれば、エミッタから放出された電子の50%以
上はゲートに補足されること無くアノードに到達し、ゲ
ート電流に起因した損失の少ないゲート付き電界放出型
冷陰極が得られる。またこのとき、エミッタ先端への電
界集中も損なわれることなく、むしろ電界集中効果を従
来よりもさらに促進させることができる。
【図1】本発明の第1の実施の形態である電界放出型冷
陰極の製造工程を示す断面図。
陰極の製造工程を示す断面図。
【図2】ゲート開口部とエミッタ先端の相互位置関係を
示すゲート開口部付近の拡大断面図。
示すゲート開口部付近の拡大断面図。
1……Si単結晶基板 2……鋳型となる第1の凹部 3……SiO2 熱酸化絶縁層 4……エミッタ材料層 5……導電層 6……Al層 7……ガラス基板 8……エミッタとなるピラミッド状 8a…エミッタ先端部 9……ゲート電極層 9b…開口部 10……フォトレジスト層
Claims (1)
- 【請求項1】 構造基板と、前記構造基板上に接合形成
され、先端部が尖鋭な凸状のエミッタを有するエミッタ
材料層と、前記エミッタ材料層上に前記エミッタの先端
部が露出するように設けられた絶縁層と、前記絶縁層を
介して前記エミッタの形状に沿って設けられるとともに
前記エミッタの先端部を非接触に囲む開口部を有するゲ
ート金属層とを備えた電界放出型冷陰極において、 前記開口部が、それに内接する円の半径a=20μm以
下である開口寸法の開口部であり、 前記開口部は、前記エミッタ先端の上部に位置してお
り、前記開口部に内接する円の半径aと、前記エミッタ
先端と前記開口部の高さの差lとの比a/lが、0.2
以上4以下であることを特徴とするゲート付き電界放出
型冷陰極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18394295A JPH0935618A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | ゲート付き電界放出型冷陰極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18394295A JPH0935618A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | ゲート付き電界放出型冷陰極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0935618A true JPH0935618A (ja) | 1997-02-07 |
Family
ID=16144512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18394295A Pending JPH0935618A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | ゲート付き電界放出型冷陰極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0935618A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005243648A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-09-08 | Samsung Sdi Co Ltd | 電子放出素子 |
-
1995
- 1995-07-20 JP JP18394295A patent/JPH0935618A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005243648A (ja) * | 2004-02-26 | 2005-09-08 | Samsung Sdi Co Ltd | 電子放出素子 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020514 |