JPH11213868A - エミッタ及び電界放出陰極の製造方法 - Google Patents
エミッタ及び電界放出陰極の製造方法Info
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- JPH11213868A JPH11213868A JP1052898A JP1052898A JPH11213868A JP H11213868 A JPH11213868 A JP H11213868A JP 1052898 A JP1052898 A JP 1052898A JP 1052898 A JP1052898 A JP 1052898A JP H11213868 A JPH11213868 A JP H11213868A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 この発明は、電界放出陰極の製造方法に関
し、電界放出陰極を形成するための母型の再利用を図
り、製造の効率化を図ることを課題とする。 【解決手段】 エミッタティップを形成するための所定
のパターンの凹部を有する樹脂製母型を使用し、その凹
部を埋設して薄膜を形成するようにエミッタ用金属材料
を積層し、形成されたエミッタを樹脂製母型から剥離さ
せることを特徴とする。
し、電界放出陰極を形成するための母型の再利用を図
り、製造の効率化を図ることを課題とする。 【解決手段】 エミッタティップを形成するための所定
のパターンの凹部を有する樹脂製母型を使用し、その凹
部を埋設して薄膜を形成するようにエミッタ用金属材料
を積層し、形成されたエミッタを樹脂製母型から剥離さ
せることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電界放出陰極の
製造方法に関し、特に、マイクロ真空管,マイクロウェ
ーブ素子,超高速演算素子,放射線環境(宇宙,原子炉
等)や高温環境での表示素子等に応用される微小冷陰極
の一つである電界放出陰極とこれを構成するエミッタの
製造方法に関する。
製造方法に関し、特に、マイクロ真空管,マイクロウェ
ーブ素子,超高速演算素子,放射線環境(宇宙,原子炉
等)や高温環境での表示素子等に応用される微小冷陰極
の一つである電界放出陰極とこれを構成するエミッタの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放出陰極を用いた素子は、半導体素
子と比較し、電子の移動度が大きく、高速,高温動作,
放射損傷に強い。したがって今日、高輝度,低消費電力
が要求される表示素子として利用されつつある。
子と比較し、電子の移動度が大きく、高速,高温動作,
放射損傷に強い。したがって今日、高輝度,低消費電力
が要求される表示素子として利用されつつある。
【0003】図5に、従来から用いられている電界放出
陰極の部分の構造を示す。電界放出陰極は、先端が尖っ
たエミッタティップ101と、エミッタティップに負電
圧を与えるエミッタ電極102と、電子引出し用のゲー
ト電極103とから構成される。図5に示すように、エ
ミッタティップ101とゲート電極102との間に電圧
を印加すると、エミッタティップの先端に大きな電界が
加わり、電子放出が起こる。
陰極の部分の構造を示す。電界放出陰極は、先端が尖っ
たエミッタティップ101と、エミッタティップに負電
圧を与えるエミッタ電極102と、電子引出し用のゲー
ト電極103とから構成される。図5に示すように、エ
ミッタティップ101とゲート電極102との間に電圧
を印加すると、エミッタティップの先端に大きな電界が
加わり、電子放出が起こる。
【0004】図6に、図5の電界放出陰極を用いた表示
装置の概略構成の斜視図を示す。陰極基板104上に、
ストライプ状のエミッタ電極102が形成され、絶縁膜
を介して、エミッタ電極102と直交する方向に、ゲー
ト電極103が形成される。エミッタ電極102とゲー
ト電極103の交差部分に、複数の電界放出陰極からな
る微小陰極アレイ(FEA)が形成される。上方の陰極
基板106の表面に赤(R),緑(G),青(B)の3
種の蛍光体107が形成され、電界放出陰極から出た放
出電子が蛍光体に当たることによって発光を生じる。
装置の概略構成の斜視図を示す。陰極基板104上に、
ストライプ状のエミッタ電極102が形成され、絶縁膜
を介して、エミッタ電極102と直交する方向に、ゲー
ト電極103が形成される。エミッタ電極102とゲー
ト電極103の交差部分に、複数の電界放出陰極からな
る微小陰極アレイ(FEA)が形成される。上方の陰極
基板106の表面に赤(R),緑(G),青(B)の3
種の蛍光体107が形成され、電界放出陰極から出た放
出電子が蛍光体に当たることによって発光を生じる。
【0005】このような電界放出陰極は、一般にスピン
トらが開発した製造方法が用いられる。図7に、スピン
トらが開発した電界放出陰極(陰極板)の製造工程図を
示す。まず、図7の1)において、ガラスなどの絶縁性
基板116上に、エミッタ給電膜117を成膜し、2)
において、パターニングしてエミッタ電極102を形成
する。この後、3)において、プラズマCVD等によ
り、絶縁膜118とゲート給電膜119をこの順に成膜
する。4)において、円径のゲート開口部レジストパタ
ーンを用いて、ゲート給電膜119と絶縁膜118をそ
れぞれエッチングして、口径が約1μmの円筒形のゲー
ト開口部120を形成する。
トらが開発した製造方法が用いられる。図7に、スピン
トらが開発した電界放出陰極(陰極板)の製造工程図を
示す。まず、図7の1)において、ガラスなどの絶縁性
基板116上に、エミッタ給電膜117を成膜し、2)
において、パターニングしてエミッタ電極102を形成
する。この後、3)において、プラズマCVD等によ
り、絶縁膜118とゲート給電膜119をこの順に成膜
する。4)において、円径のゲート開口部レジストパタ
ーンを用いて、ゲート給電膜119と絶縁膜118をそ
れぞれエッチングして、口径が約1μmの円筒形のゲー
ト開口部120を形成する。
【0006】次に、5)において、アルミニウム等の犠
牲層材料を、ゲート開口部120の中のエミッタ給電膜
117には付着しないように、絶縁性基板116に対し
て斜め方向から蒸着し、犠牲層膜121を形成する。さ
らに、6)において、モリブデンなどのエミッタ用金属
材料122を絶縁性基板116に垂直に蒸着する。この
とき、時間が経つにつれて、エミッタ用金属材料の堆積
に伴い、ゲート開口部120は徐々に塞がり、完全に塞
がった時には図の6)のようにゲート開口部120内に
は円錐状のエミッタティップ101が形成されている。
牲層材料を、ゲート開口部120の中のエミッタ給電膜
117には付着しないように、絶縁性基板116に対し
て斜め方向から蒸着し、犠牲層膜121を形成する。さ
らに、6)において、モリブデンなどのエミッタ用金属
材料122を絶縁性基板116に垂直に蒸着する。この
とき、時間が経つにつれて、エミッタ用金属材料の堆積
に伴い、ゲート開口部120は徐々に塞がり、完全に塞
がった時には図の6)のようにゲート開口部120内に
は円錐状のエミッタティップ101が形成されている。
【0007】次に、7)において、犠牲層膜121を燐
酸水溶液などで選択的に溶解してエミッタティップ10
1以外のエミッタ用金属材料122を除去する。最後
に、図の8)のように、ゲート給電膜119を、所望の
形状にパターニングすれば微小な電界放出陰極が完成す
る。
酸水溶液などで選択的に溶解してエミッタティップ10
1以外のエミッタ用金属材料122を除去する。最後
に、図の8)のように、ゲート給電膜119を、所望の
形状にパターニングすれば微小な電界放出陰極が完成す
る。
【0008】また、電界放出陰極は、転写モールド法に
よって製造することもできる。この転写モールド法は、
シリコン等の異方性エッチングにより作成した逆ピラミ
ッド形状の母型に金属のエミッタ用金属材料を直接形成
する方法である。
よって製造することもできる。この転写モールド法は、
シリコン等の異方性エッチングにより作成した逆ピラミ
ッド形状の母型に金属のエミッタ用金属材料を直接形成
する方法である。
【0009】図8に、従来の転写モールド法による電界
放出陰極の製造工程図を示す。まず、図8の(1)にお
いて、シリコン基板の表面に、異方性エッチングによ
り、エミッタティップの型となる逆ピラミッド形状のく
ぼみを持つ母型を形成する。図8(2)において、シリ
コン基板の表面を熱酸化させSiO2膜を形成する。図
8(3)において、電界放出陰極の材料(エミッタ用金
属材料)をプラズマCVD法を用いて成膜する。このと
き、逆ピラミッド形状のくぼみにエミッタティップが形
成される。図8(4)において、電界放出陰極材料の上
部に、接着用膜を形成する。図8(5)において、ガラ
ス基板を接着用膜に接着する。図8(6)において、シ
リコン基板をエッチングで除去する。以上のようにし
て、エミッタティップ、エミッタ電極、ゲート電極等か
らなる電界放出陰極が形成される。
放出陰極の製造工程図を示す。まず、図8の(1)にお
いて、シリコン基板の表面に、異方性エッチングによ
り、エミッタティップの型となる逆ピラミッド形状のく
ぼみを持つ母型を形成する。図8(2)において、シリ
コン基板の表面を熱酸化させSiO2膜を形成する。図
8(3)において、電界放出陰極の材料(エミッタ用金
属材料)をプラズマCVD法を用いて成膜する。このと
き、逆ピラミッド形状のくぼみにエミッタティップが形
成される。図8(4)において、電界放出陰極材料の上
部に、接着用膜を形成する。図8(5)において、ガラ
ス基板を接着用膜に接着する。図8(6)において、シ
リコン基板をエッチングで除去する。以上のようにし
て、エミッタティップ、エミッタ電極、ゲート電極等か
らなる電界放出陰極が形成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のようなスピント
らの製造方法には、次のような問題点がある。 (1)図7の工程4)に示すように、1μm程度の円形
の微細なパターンを形成する工程が必要である。この工
程は、通常の半導体プロセスでは特に問題とはならない
が、たとえば20インチ程度の大型のディスプレイに用
いるものを形成するためには、露光のための位置決め精
度が問題となる。
らの製造方法には、次のような問題点がある。 (1)図7の工程4)に示すように、1μm程度の円形
の微細なパターンを形成する工程が必要である。この工
程は、通常の半導体プロセスでは特に問題とはならない
が、たとえば20インチ程度の大型のディスプレイに用
いるものを形成するためには、露光のための位置決め精
度が問題となる。
【0011】(2)図7の6)に示すように、エミッタ
ティップを形成するために蒸着工程が必要である。この
工程は基板に対してほぼ垂直にエミッタ用金属材料を蒸
着する必要があるが、基板サイズが大きくなった場合に
は、それに対応する大きな蒸着装置が必要となる。
ティップを形成するために蒸着工程が必要である。この
工程は基板に対してほぼ垂直にエミッタ用金属材料を蒸
着する必要があるが、基板サイズが大きくなった場合に
は、それに対応する大きな蒸着装置が必要となる。
【0012】現在行なわれている通常のプロセスでは、
所定の蒸着の精度を出すためには、基板サイズは、10
インチ程度までが限界である。また、この蒸着工程があ
るために、大型のガラス基板から多面取りができないと
いう問題点がある。さらに、前記した転写モールド法で
は、図8(1)で形成した逆ピラミッド形状のくぼみを
持つ母型(シリコン基板)の再利用ができないという問
題点がある。
所定の蒸着の精度を出すためには、基板サイズは、10
インチ程度までが限界である。また、この蒸着工程があ
るために、大型のガラス基板から多面取りができないと
いう問題点がある。さらに、前記した転写モールド法で
は、図8(1)で形成した逆ピラミッド形状のくぼみを
持つ母型(シリコン基板)の再利用ができないという問
題点がある。
【0013】この発明は、以上のような事情を考慮して
なされたものであり、電界放出陰極を作成するために樹
脂で作られた母型を用い、エミッタティップ形成後もそ
の母型の再利用を可能とする電界放出陰極の製造方法を
提供するものである。
なされたものであり、電界放出陰極を作成するために樹
脂で作られた母型を用い、エミッタティップ形成後もそ
の母型の再利用を可能とする電界放出陰極の製造方法を
提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、エミッタテ
ィップを形成するための所定のパターンの凹部を有する
樹脂製母型を使用し、その凹部を埋設して薄膜を形成す
るようにエミッタ用金属材料を積層し、形成されたエミ
ッタを樹脂製母型から剥離させることを特徴とするエミ
ッタの製造方法を提供するものである。
ィップを形成するための所定のパターンの凹部を有する
樹脂製母型を使用し、その凹部を埋設して薄膜を形成す
るようにエミッタ用金属材料を積層し、形成されたエミ
ッタを樹脂製母型から剥離させることを特徴とするエミ
ッタの製造方法を提供するものである。
【0015】また、この発明は、エミッタティップを形
成するための所定のパターンの凹部を有する樹脂製母型
の表面に、前記凹部を埋設して薄膜を形成するようにエ
ミッタ用金属材料を積層し、そのエミッタの上に陰極配
線用金属膜を形成し、前記エミッタ及び陰極配線用金属
膜からなる積層膜を前記樹脂製母型から剥離させ、さら
に所定の工程を経て電界放出陰極を形成することを特徴
とする電界放出陰極の製造方法を提供するものである。
このように、エミッタを樹脂製母型から剥離させて製造
するので、樹脂製母型は、エミッタを製造するために何
度でも再利用が可能である。
成するための所定のパターンの凹部を有する樹脂製母型
の表面に、前記凹部を埋設して薄膜を形成するようにエ
ミッタ用金属材料を積層し、そのエミッタの上に陰極配
線用金属膜を形成し、前記エミッタ及び陰極配線用金属
膜からなる積層膜を前記樹脂製母型から剥離させ、さら
に所定の工程を経て電界放出陰極を形成することを特徴
とする電界放出陰極の製造方法を提供するものである。
このように、エミッタを樹脂製母型から剥離させて製造
するので、樹脂製母型は、エミッタを製造するために何
度でも再利用が可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明の前記樹脂製母型は、シ
リコーンゴム形成用組成物、すなわちシリコーンゴム前
駆体をエミッタ元型の表面に充填させることによって作
ることができる。シリコーンゴム前駆体は、エミッタ元
型に一様に塗布可能な程度の粘度を有することが好まし
い。シリコーンゴム前駆体は、大別すると、加硫剤を混
練した後、加熱加硫により弾性体となる加熱加硫型のも
のと、加硫前は液状である前駆体とがある。
リコーンゴム形成用組成物、すなわちシリコーンゴム前
駆体をエミッタ元型の表面に充填させることによって作
ることができる。シリコーンゴム前駆体は、エミッタ元
型に一様に塗布可能な程度の粘度を有することが好まし
い。シリコーンゴム前駆体は、大別すると、加硫剤を混
練した後、加熱加硫により弾性体となる加熱加硫型のも
のと、加硫前は液状である前駆体とがある。
【0017】特に、この発明のシリコーンゴム前駆体と
しては、室温付近で設置するだけでシリコーンゴムとな
る室温加硫型、あるいは混合後100℃近辺に加熱され
るとシリコーンゴムとなる低温加硫体型の前駆体等を用
いることができる。シリコーンゴム前駆体は、1液型で
も2液型(シリコーンゴム前駆体と硬化剤とから構成さ
れる)でもよく、2液型の場合は、塗布時に硬化剤と混
合して使用される。なお、この発明において、シリコー
ンゴム前駆体とは、比較的低分子量のシリコーンゴムを
含み、母型の形成時に重合又は架橋して、より高分子量
のシリコーンゴムとなりうる材料をいう。
しては、室温付近で設置するだけでシリコーンゴムとな
る室温加硫型、あるいは混合後100℃近辺に加熱され
るとシリコーンゴムとなる低温加硫体型の前駆体等を用
いることができる。シリコーンゴム前駆体は、1液型で
も2液型(シリコーンゴム前駆体と硬化剤とから構成さ
れる)でもよく、2液型の場合は、塗布時に硬化剤と混
合して使用される。なお、この発明において、シリコー
ンゴム前駆体とは、比較的低分子量のシリコーンゴムを
含み、母型の形成時に重合又は架橋して、より高分子量
のシリコーンゴムとなりうる材料をいう。
【0018】この発明において、エミッタが樹脂製母型
から剥離される前に、エミッタ上に陰極配線用金属膜を
積層させるようにしてもよい。また、エミッタが樹脂製
母型から剥離される前に、エミッタ上に陰極配線用金属
膜を積層し、さらに基板を接合させるようにしてもよ
い。
から剥離される前に、エミッタ上に陰極配線用金属膜を
積層させるようにしてもよい。また、エミッタが樹脂製
母型から剥離される前に、エミッタ上に陰極配線用金属
膜を積層し、さらに基板を接合させるようにしてもよ
い。
【0019】また、この発明において、前記樹脂製母型
は、所定形状の金属製元型に、樹脂形成用組成物を充填
し、硬化させた後、剥離させて形成してもよい。また、
この発明で利用するエミッタ元型をシリコン基板で形成
する場合、エミッタ元型はシリコン基板上のエミッタテ
ィップとなるべき位置をコーン形状となるようにリアク
ティブイオンエッチングする工程と、コーン形状が形成
されたシリコン基板表面を熱酸化させる工程と、熱酸化
によって形成された酸化膜をエッチングして除去する工
程とから形成してもよい。
は、所定形状の金属製元型に、樹脂形成用組成物を充填
し、硬化させた後、剥離させて形成してもよい。また、
この発明で利用するエミッタ元型をシリコン基板で形成
する場合、エミッタ元型はシリコン基板上のエミッタテ
ィップとなるべき位置をコーン形状となるようにリアク
ティブイオンエッチングする工程と、コーン形状が形成
されたシリコン基板表面を熱酸化させる工程と、熱酸化
によって形成された酸化膜をエッチングして除去する工
程とから形成してもよい。
【0020】また、前記エミッタ元型は、シリコン基板
上に逆ピラミッド形状の凹部を形成するように異方性エ
ッチングをする工程と、異方性エッチング後のシリコン
基板表面を熱酸化する工程と、熱酸化されたシリコン基
板の表面に樹脂を充填しかつ硬化させる工程と、硬化さ
れた樹脂とシリコン基板とを分離する工程によって形成
され、分離された樹脂をエミッタ元型として用いるよう
にしてもよい。
上に逆ピラミッド形状の凹部を形成するように異方性エ
ッチングをする工程と、異方性エッチング後のシリコン
基板表面を熱酸化する工程と、熱酸化されたシリコン基
板の表面に樹脂を充填しかつ硬化させる工程と、硬化さ
れた樹脂とシリコン基板とを分離する工程によって形成
され、分離された樹脂をエミッタ元型として用いるよう
にしてもよい。
【0021】エミッタ用金属材料の樹脂製母型の表面へ
の積層は、めっき法、スパッタ法あるいは真空蒸着法等
のいずれかの方法を用いればよい。また、エミッタティ
ップへの給電のための陰極配線用材料は、エミッタの上
部に、めっき法により製膜してもよい。前記したエミッ
タ用金属材料及び陰極配線用材料には、たとえば銅、ニ
ッケルを用いることができる。また、これら2つの材料
は同一材料を用いてもよい。
の積層は、めっき法、スパッタ法あるいは真空蒸着法等
のいずれかの方法を用いればよい。また、エミッタティ
ップへの給電のための陰極配線用材料は、エミッタの上
部に、めっき法により製膜してもよい。前記したエミッ
タ用金属材料及び陰極配線用材料には、たとえば銅、ニ
ッケルを用いることができる。また、これら2つの材料
は同一材料を用いてもよい。
【0022】以下、図面に示す実施の形態に基づいてこ
の発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定
されるものではない。この発明の製造方法で作成される
電界放出陰極は、図5に示したものと同様に、エミッタ
ティップ,エミッタ電極及びゲート電極とから構成され
る。
の発明を詳述する。なお、これによってこの発明が限定
されるものではない。この発明の製造方法で作成される
電界放出陰極は、図5に示したものと同様に、エミッタ
ティップ,エミッタ電極及びゲート電極とから構成され
る。
【0023】図1に、この発明の電界放出陰極の製造工
程の概略フローチャートを示す。まず、表面にエミッタ
ティップとほぼ同形状の凸部を持つ「エミッタ元型」を
形成する(ステップS1)。エミッタ元型の形成方法
は、従来から種々のものが提案されているが、たとえ
ば、IVMC’95,Tech,Digest,186
頁(1995)に示された方法を用いることができる。
エミッタ元型の材料としては、たとえばシリコンを用い
ることができる。
程の概略フローチャートを示す。まず、表面にエミッタ
ティップとほぼ同形状の凸部を持つ「エミッタ元型」を
形成する(ステップS1)。エミッタ元型の形成方法
は、従来から種々のものが提案されているが、たとえ
ば、IVMC’95,Tech,Digest,186
頁(1995)に示された方法を用いることができる。
エミッタ元型の材料としては、たとえばシリコンを用い
ることができる。
【0024】次に、エミッタ元型のエミッタティップの
表面全体をおおうように、樹脂を充填し、硬化させる
(ステップS2)。これによってエミッタティップを製
造するための樹脂製母型(凹型スタンパ)が形成され
る。樹脂としては、剥離のしやすさの点から、シリコー
ンゴム形成用組成物を用いることが好ましい。
表面全体をおおうように、樹脂を充填し、硬化させる
(ステップS2)。これによってエミッタティップを製
造するための樹脂製母型(凹型スタンパ)が形成され
る。樹脂としては、剥離のしやすさの点から、シリコー
ンゴム形成用組成物を用いることが好ましい。
【0025】この後、硬化させた樹脂製母型をエミッタ
元型から剥離する(ステップS3)。 剥離された樹脂
製母型は、以後の電界放出陰極の製造に、何度も再利用
することができる。樹脂製母型の凹部を完全に埋設し、
かつ樹脂製母型の表面に薄膜状のエミッタを形成するよ
うにエミッタ用金属材料(たとえばニッケル)をめっき
等の方法により形成する(ステップS4)。さらに、エ
ミッタ用金属材料の上に、エミッタティップへの給電ラ
イン(エミッタ電極)となるべき陰極配線金属膜(たと
えば銅、ニッケル)を形成する(ステップS5)。
元型から剥離する(ステップS3)。 剥離された樹脂
製母型は、以後の電界放出陰極の製造に、何度も再利用
することができる。樹脂製母型の凹部を完全に埋設し、
かつ樹脂製母型の表面に薄膜状のエミッタを形成するよ
うにエミッタ用金属材料(たとえばニッケル)をめっき
等の方法により形成する(ステップS4)。さらに、エ
ミッタ用金属材料の上に、エミッタティップへの給電ラ
イン(エミッタ電極)となるべき陰極配線金属膜(たと
えば銅、ニッケル)を形成する(ステップS5)。
【0026】これにより、エミッタティップとエミッタ
電極を含む電界放出陰極のエミッタ部分が樹脂製母型上
に形成される。この後、電界放出陰極のエミッタ部分を
樹脂製母型から剥離する(ステップS6)。以上がこの
発明の電界放出陰極の製造工程の概要フローであるが、
製造工程のうちステップS2,S3において、エミッタ
ティップを形成するための母型として樹脂製母型を作成
する点がこの発明の特徴である。この樹脂製母型は、凹
型スタンパであるが、シリコーンゴム製の母型が好まし
い。
電極を含む電界放出陰極のエミッタ部分が樹脂製母型上
に形成される。この後、電界放出陰極のエミッタ部分を
樹脂製母型から剥離する(ステップS6)。以上がこの
発明の電界放出陰極の製造工程の概要フローであるが、
製造工程のうちステップS2,S3において、エミッタ
ティップを形成するための母型として樹脂製母型を作成
する点がこの発明の特徴である。この樹脂製母型は、凹
型スタンパであるが、シリコーンゴム製の母型が好まし
い。
【0027】ステップS3において、樹脂としてシリコ
ーンゴム形成用組成物を用いれば、エッチングなどの特
別な作業や材料を用いることなく、手作業あるいは機械
的な剥離処理によって容易に、樹脂製母型とエミッタ元
型との剥離が可能である。また、図8で示した従来の製
造工程では、エミッタティップ形成用のシリコン基板は
エッチングで除去していたため再利用できなかったが、
この発明により作成された樹脂製母型は、図1のステッ
プS3の剥離後も、エミッタティップ形状のくぼみがそ
のまま残っているので再利用が可能となる。シリコンの
元型を用いた場合には大面積の元型を作ることはできな
いが、上記の製法で得られたエミッタ自身を母型とする
ことにより大面積に形成することが可能である。つまり
エミッタ自身の母型を多数形成し、これを敷き詰めるこ
とにより大きな元型を形成する。
ーンゴム形成用組成物を用いれば、エッチングなどの特
別な作業や材料を用いることなく、手作業あるいは機械
的な剥離処理によって容易に、樹脂製母型とエミッタ元
型との剥離が可能である。また、図8で示した従来の製
造工程では、エミッタティップ形成用のシリコン基板は
エッチングで除去していたため再利用できなかったが、
この発明により作成された樹脂製母型は、図1のステッ
プS3の剥離後も、エミッタティップ形状のくぼみがそ
のまま残っているので再利用が可能となる。シリコンの
元型を用いた場合には大面積の元型を作ることはできな
いが、上記の製法で得られたエミッタ自身を母型とする
ことにより大面積に形成することが可能である。つまり
エミッタ自身の母型を多数形成し、これを敷き詰めるこ
とにより大きな元型を形成する。
【0028】さらに、従来の製造工程では、微細パター
ンの形成工程や蒸着工程が必要であったが、この発明で
は、このような位置決めの高い精度が要求される工程が
ないため、大きなサイズの樹脂製母型が作成できる。こ
の結果、大きなサイズの薄型表示装置を精度よく作成す
ることができる。
ンの形成工程や蒸着工程が必要であったが、この発明で
は、このような位置決めの高い精度が要求される工程が
ないため、大きなサイズの樹脂製母型が作成できる。こ
の結果、大きなサイズの薄型表示装置を精度よく作成す
ることができる。
【0029】図2に、この発明の一実施例における電界
放出陰極の製造工程を示す。図2(a)において、シリ
コン基板からなるエミッタ元型1を形成する。フラット
なシリコン基板の表面の所定の位置をマスクして、CF
4ガスを用いてエッチングすることにより、コーン形状
の表面を形成する。さらに、この表面を熱酸化させるこ
とにより、非常に強固で尖った先端を持つエミッタティ
ップと同形状の表面を形成することができる。
放出陰極の製造工程を示す。図2(a)において、シリ
コン基板からなるエミッタ元型1を形成する。フラット
なシリコン基板の表面の所定の位置をマスクして、CF
4ガスを用いてエッチングすることにより、コーン形状
の表面を形成する。さらに、この表面を熱酸化させるこ
とにより、非常に強固で尖った先端を持つエミッタティ
ップと同形状の表面を形成することができる。
【0030】図2(b)において、樹脂製母型2となる
べき樹脂を、エミッタ元型の表面全体に充填し、加熱す
ることにより硬化させる。ここで樹脂としては、シリコ
ーンゴム形成用組成物を用いればよく、たとえば信越シ
リコーンゴム製のKE−12を用いることができる。
べき樹脂を、エミッタ元型の表面全体に充填し、加熱す
ることにより硬化させる。ここで樹脂としては、シリコ
ーンゴム形成用組成物を用いればよく、たとえば信越シ
リコーンゴム製のKE−12を用いることができる。
【0031】図2(c)において、硬化したシリコーン
ゴム製の母型2をエッチング等を利用してエミッタ元型
1から離型する。これによって、シリコーンゴム製母型
2の表面には、エミッタティップと反対の凹型の表面形
状が形成される。図2(d)において、図に示すように
シリコーンゴム製母型2の凹型表面上に、エミッタ用金
属材料3の薄い膜を形成する。エミッタ用金属材料3と
しては、ここではニッケルを用いる。この薄膜の形成
は、スパッタ法の他、ニッケル無電解めっき法を用いる
ことができる。
ゴム製の母型2をエッチング等を利用してエミッタ元型
1から離型する。これによって、シリコーンゴム製母型
2の表面には、エミッタティップと反対の凹型の表面形
状が形成される。図2(d)において、図に示すように
シリコーンゴム製母型2の凹型表面上に、エミッタ用金
属材料3の薄い膜を形成する。エミッタ用金属材料3と
しては、ここではニッケルを用いる。この薄膜の形成
は、スパッタ法の他、ニッケル無電解めっき法を用いる
ことができる。
【0032】図2(e)において、上記薄膜3の上に、
エミッタティップへの給電ラインとなる陰極配線材料の
膜4を形成する。陰極配線材料としては、エミッタ用金
属材料と同じでもよいが、銅を用いてもよい。また、こ
の膜は厚膜として形成する必要があるために、電解めっ
き法を用いることが好ましい。以上によって、電界放出
陰極のゲート電極を除く部分が形成される。
エミッタティップへの給電ラインとなる陰極配線材料の
膜4を形成する。陰極配線材料としては、エミッタ用金
属材料と同じでもよいが、銅を用いてもよい。また、こ
の膜は厚膜として形成する必要があるために、電解めっ
き法を用いることが好ましい。以上によって、電界放出
陰極のゲート電極を除く部分が形成される。
【0033】図2(f)において、シリコーンゴム製母
型2を剥離によって電界放出陰極と分離する。この剥離
は、前記したように、母型がシリコーンゴムでできてい
るために、特殊な作業,材料は必要とせず、手作業でも
容易にできる。また、分離されたシリコーンゴム製母型
2は再利用可能であるので、同一のシリコーンゴム製母
型2を使って図2(d)から図2(f)の工程を繰り返
すことによって電界放出陰極のゲート電極を除く部分が
大量生産できる。
型2を剥離によって電界放出陰極と分離する。この剥離
は、前記したように、母型がシリコーンゴムでできてい
るために、特殊な作業,材料は必要とせず、手作業でも
容易にできる。また、分離されたシリコーンゴム製母型
2は再利用可能であるので、同一のシリコーンゴム製母
型2を使って図2(d)から図2(f)の工程を繰り返
すことによって電界放出陰極のゲート電極を除く部分が
大量生産できる。
【0034】さらに、以下に示す工程を実施することに
より、ゲート電極を含む電界放出陰極が完成する。図2
(g)において、エミッタティップが形成された表面全
体を覆うように、図のように絶縁膜5を形成する。絶縁
膜5としては、SiO2を用いればよい。絶縁膜5の形
成は、プラズマCVD法による他、スパッタ法やSOG
等を用いてもよい。
より、ゲート電極を含む電界放出陰極が完成する。図2
(g)において、エミッタティップが形成された表面全
体を覆うように、図のように絶縁膜5を形成する。絶縁
膜5としては、SiO2を用いればよい。絶縁膜5の形
成は、プラズマCVD法による他、スパッタ法やSOG
等を用いてもよい。
【0035】図2(h)において、絶縁膜5の上部に、
薄いゲート電極膜6を形成する。ゲート電極膜6の材料
は、モリブデンシリサイドを用いることができる。ゲー
ト電極膜6の形成は、スパッタ法,真空蒸着法等を用い
ればよい。
薄いゲート電極膜6を形成する。ゲート電極膜6の材料
は、モリブデンシリサイドを用いることができる。ゲー
ト電極膜6の形成は、スパッタ法,真空蒸着法等を用い
ればよい。
【0036】図2(i)において、エミッタティップの
上方部にゲート口7を形成するために、エミッタティッ
プ上方のゲート電極膜6の一部分を除去する。ゲート電
極膜6の除去は、マスクパターンを用いて残したいゲー
ト電極膜6の部分にレジストを塗布し、レジストのない
部分をエッチング又は研磨することによって行うことが
できる。
上方部にゲート口7を形成するために、エミッタティッ
プ上方のゲート電極膜6の一部分を除去する。ゲート電
極膜6の除去は、マスクパターンを用いて残したいゲー
ト電極膜6の部分にレジストを塗布し、レジストのない
部分をエッチング又は研磨することによって行うことが
できる。
【0037】図2(j)において、形成されたゲート口
7の下部にある絶縁膜5を除去する。絶縁膜5の除去
は、CF4ガスによるリアクティブイオンエッチング
(RIE)あるいはフッ酸によるウエットエッチングを
用いればよい。このようなエッチングを所定の条件(時
間及び温度)のもとで行なえば、図2(j)に示すよう
な開口が形成でき、エミッタティップを露出させること
ができる。以上によって、ゲート電極も含んだ電界放出
陰極が作成される。
7の下部にある絶縁膜5を除去する。絶縁膜5の除去
は、CF4ガスによるリアクティブイオンエッチング
(RIE)あるいはフッ酸によるウエットエッチングを
用いればよい。このようなエッチングを所定の条件(時
間及び温度)のもとで行なえば、図2(j)に示すよう
な開口が形成でき、エミッタティップを露出させること
ができる。以上によって、ゲート電極も含んだ電界放出
陰極が作成される。
【0038】また、図2(c)において、シリコーンゴ
ム製母型2を剥離するのは容易であるが、図3(a)に
示すように母型の裏面、すなわちエミッタティップ形状
のくぼみのない表面に薄い金属板をペースト材を用いて
貼り付けてもよい。このような薄い金属膜を貼り付けた
母型を用いれば図2(f)における母型の剥離がさらに
容易にできる。
ム製母型2を剥離するのは容易であるが、図3(a)に
示すように母型の裏面、すなわちエミッタティップ形状
のくぼみのない表面に薄い金属板をペースト材を用いて
貼り付けてもよい。このような薄い金属膜を貼り付けた
母型を用いれば図2(f)における母型の剥離がさらに
容易にできる。
【0039】図3は、薄い金属膜を貼り付けた母型を利
用した電界放出陰極の製造工程の概略図を示している。
図3(a)は、薄い金属膜12(たとえば銅)を貼り付
けたシリコーンゴム製母型11である。図3(b)は、
この母型に対して、図2(d),図2(e)の工程を実
施して、陰極のエミッタ部分を形成したところを示して
いる。図3(b)の符号13が、エミッタ部分である。
図3(c)は、形成されたエミッタ13の裏面側にガラ
ス基板14を貼り付けた状態を示している。
用した電界放出陰極の製造工程の概略図を示している。
図3(a)は、薄い金属膜12(たとえば銅)を貼り付
けたシリコーンゴム製母型11である。図3(b)は、
この母型に対して、図2(d),図2(e)の工程を実
施して、陰極のエミッタ部分を形成したところを示して
いる。図3(b)の符号13が、エミッタ部分である。
図3(c)は、形成されたエミッタ13の裏面側にガラ
ス基板14を貼り付けた状態を示している。
【0040】この状態で、上部の金属膜12を上方に引
っぱり、下部のガラス基板14を下方へ引っぱると、シ
リコーンゴム製母型11とエミッタ13の界面で容易に
剥離することができ、図3(d)に示すように、ガラス
基板14に貼り付けられた電界放出陰極が作成される。
っぱり、下部のガラス基板14を下方へ引っぱると、シ
リコーンゴム製母型11とエミッタ13の界面で容易に
剥離することができ、図3(d)に示すように、ガラス
基板14に貼り付けられた電界放出陰極が作成される。
【0041】次に、シリコン凹型基板を用いてエミッタ
元型を形成する実施例を示す。図4は、この発明のエミ
ッタ元型の製造工程図である。図4(a)において、シ
リコン基板21上のエミッタティップを形成しない領域
に、マスクパターンを用いて、熱酸化膜22(Si
O2)を形成する。図4(b)において、CF4等を用い
た異方性エッチングを行う。これにより、熱酸化されて
いないシリコン基板21の表面に逆ピラミッド形状のく
ぼみが形成される。
元型を形成する実施例を示す。図4は、この発明のエミ
ッタ元型の製造工程図である。図4(a)において、シ
リコン基板21上のエミッタティップを形成しない領域
に、マスクパターンを用いて、熱酸化膜22(Si
O2)を形成する。図4(b)において、CF4等を用い
た異方性エッチングを行う。これにより、熱酸化されて
いないシリコン基板21の表面に逆ピラミッド形状のく
ぼみが形成される。
【0042】図4(c)において、シリコン基板21に
対して熱酸化を行う。符号23が、熱酸化部分である。
これにより、図4(c)に示すように、くぼみの表面が
酸化され、逆ピラミッド形状の側面が盛り上がり、エミ
ッタティップ形状に相当するくぼみが形成される。すな
わち逆ピラミッド形状の先端がより先鋭化される。
対して熱酸化を行う。符号23が、熱酸化部分である。
これにより、図4(c)に示すように、くぼみの表面が
酸化され、逆ピラミッド形状の側面が盛り上がり、エミ
ッタティップ形状に相当するくぼみが形成される。すな
わち逆ピラミッド形状の先端がより先鋭化される。
【0043】図4(d)において、シリコーンゴム形成
用組成物等の樹脂24をくぼみが形成された表面全体に
埋め込み硬化させる。図4(e)において、埋め込まれ
た樹脂24を、剥離によってシリコン基板21から離型
する。このようにして離型された樹脂24が、図2
(a)に示したのと同様にエミッタ元型として用いられ
る。
用組成物等の樹脂24をくぼみが形成された表面全体に
埋め込み硬化させる。図4(e)において、埋め込まれ
た樹脂24を、剥離によってシリコン基板21から離型
する。このようにして離型された樹脂24が、図2
(a)に示したのと同様にエミッタ元型として用いられ
る。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、電界放出陰極のエミ
ッタティップと同一形状の凸部を持つ元型を用いて樹脂
製母型を作成し、この母型をもとにエミッタを製造して
いるので、この樹脂製母型は再利用が可能である。した
がって、この樹脂製母型を用いて電界放出陰極を大量に
製造することができ、電界放出陰極の製造における時間
的、経済的効率を向上させることができる。
ッタティップと同一形状の凸部を持つ元型を用いて樹脂
製母型を作成し、この母型をもとにエミッタを製造して
いるので、この樹脂製母型は再利用が可能である。した
がって、この樹脂製母型を用いて電界放出陰極を大量に
製造することができ、電界放出陰極の製造における時間
的、経済的効率を向上させることができる。
【図1】この発明の電界放出陰極の製造工程の概略フロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図2】この発明の一実施例における電界放出陰極の製
造工程図である。
造工程図である。
【図3】この発明において、薄い金属膜を貼り付けた母
型を利用した電界放出陰極の製造工程の概略図である。
型を利用した電界放出陰極の製造工程の概略図である。
【図4】この発明のエミッタ元型の製造工程図である。
【図5】電界放出陰極の構造を示す斜視図である。
【図6】従来の電界放出陰極を用いた表示装置の概略斜
視図である。
視図である。
【図7】従来における電界放出陰極の製造工程図であ
る。
る。
【図8】従来の転写モールド法による電界放出陰極の製
造工程図である。
造工程図である。
1 エミッタ元型 2 シリコーンゴム製母型(シリコーンゴム形成用組成
物) 3 エミッタ用金属材料 4 エミッタ配線材料 5 絶縁膜 6 ゲート電極膜 7 ゲート口 11 シリコーンゴム製母型 12 金属膜 13 エミッタ 14 ガラス基板 21 シリコン基板 22 熱酸化膜 23 熱酸化部分 24 樹脂(エミッタ元型)
物) 3 エミッタ用金属材料 4 エミッタ配線材料 5 絶縁膜 6 ゲート電極膜 7 ゲート口 11 シリコーンゴム製母型 12 金属膜 13 エミッタ 14 ガラス基板 21 シリコン基板 22 熱酸化膜 23 熱酸化部分 24 樹脂(エミッタ元型)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂下 武 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 福田 晋也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 豊田 治 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】 エミッタティップを形成するための所定
のパターンの凹部を有する樹脂製母型を使用し、その凹
部を埋設して薄膜を形成するようにエミッタ用金属材料
を積層し、形成されたエミッタを樹脂製母型から剥離さ
せることを特徴とするエミッタの製造方法。 - 【請求項2】 エミッタが樹脂製母型から剥離される前
に、エミッタ上に陰極配線用金属膜を積層させることか
らなる請求項1記載のエミッタの製造方法。 - 【請求項3】 エミッタが樹脂製母型から剥離される前
に、エミッタ上に陰極配線用金属膜を積層し、さらに基
板を接合させることからなる請求項1記載のエミッタの
製造方法。 - 【請求項4】 前記エミッタ用金属材料の積層が、めっ
き法、スパッタ法また真空蒸着法によって行われること
を特徴とする請求項1,2または3記載のエミッタの製
造方法。 - 【請求項5】 前記樹脂製母型が、所定形状の金属製元
型に、樹脂組成物を充填し、硬化させた後、剥離させて
形成されることからなる請求項1記載のエミッタの製造
方法。 - 【請求項6】 エミッタティップを形成するための所定
のパターンの凹部を有する樹脂製母型の表面に、前記凹
部を埋設して薄膜を形成するようにエミッタ用金属材料
を積層し、そのエミッタの上に陰極配線用金属膜を形成
し、前記エミッタ及び陰極配線用金属膜からなる積層膜
を前記樹脂製母型から剥離させ、さらに所定の工程を経
て電界放出陰極を形成することを特徴とする電界放出陰
極の製造方法。 - 【請求項7】 前記樹脂製母型が、エミッタティップと
同形状の凸部を持つエミッタ元型の表面に樹脂形成用組
成物を充填し、硬化させた後、硬化させた樹脂形成用組
成物とエミッタ元型とを剥離させることによって形成さ
れることを特徴とする請求項6記載の電界放出陰極の製
造方法。 - 【請求項8】 前記エミッタ元型がシリコン基板で形成
され、シリコン基板上のエミッタティップとなるべき位
置をコーン形状となるようにリアクティブイオンエッチ
ングし、コーン形状が形成されたシリコン基板表面を熱
酸化させた後、熱酸化によって形成された酸化膜をエッ
チングして除去することによって形成されることを特徴
とする請求項7記載の電界放出陰極の製造方法。 - 【請求項9】 前記エミッタ元型が、シリコン基板上に
逆ピラミッド形状の凹部を形成するように異方性エッチ
ングをする工程と、異方性エッチング後のシリコン基板
表面を熱酸化する工程と、熱酸化されたシリコン基板の
表面に樹脂を充填しかつ硬化させる工程と、硬化された
樹脂とシリコン基板とを分離するによって形成され、分
離された樹脂をエミッタ元型として用いることを特徴と
する請求項7記載の電界放出陰極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1052898A JPH11213868A (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | エミッタ及び電界放出陰極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1052898A JPH11213868A (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | エミッタ及び電界放出陰極の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11213868A true JPH11213868A (ja) | 1999-08-06 |
Family
ID=11752762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1052898A Pending JPH11213868A (ja) | 1998-01-22 | 1998-01-22 | エミッタ及び電界放出陰極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11213868A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111133623A (zh) * | 2017-09-29 | 2020-05-08 | 国际商业机器公司 | 具有剥落的和纹理化的阴极层的可充电电池堆 |
-
1998
- 1998-01-22 JP JP1052898A patent/JPH11213868A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111133623A (zh) * | 2017-09-29 | 2020-05-08 | 国际商业机器公司 | 具有剥落的和纹理化的阴极层的可充电电池堆 |
CN111133623B (zh) * | 2017-09-29 | 2023-05-09 | 国际商业机器公司 | 具有剥落的和纹理化的阴极层的可充电电池堆 |
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