JP2002008522A - 電子放出素子の製造方法及び装置、電子放出素子形成用原版の製造方法及び装置、電子放出素子形成用原版、並びに、フィールドエミッションディスプレイ - Google Patents

電子放出素子の製造方法及び装置、電子放出素子形成用原版の製造方法及び装置、電子放出素子形成用原版、並びに、フィールドエミッションディスプレイ

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JP2002008522A
JP2002008522A JP2000181655A JP2000181655A JP2002008522A JP 2002008522 A JP2002008522 A JP 2002008522A JP 2000181655 A JP2000181655 A JP 2000181655A JP 2000181655 A JP2000181655 A JP 2000181655A JP 2002008522 A JP2002008522 A JP 2002008522A
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electron
emitting device
forming
manufacturing
photoresist film
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Shingen Kinoshita
真言 木下
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Ricoh Microelectronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電子放出に適した形状を有し、且つ、量産性
や品質の安定性に優れた電子放出素子を容易に形成する
ことができる電子放出素子の製造方法及び装置、フィー
ルドエミッションディスプレイを提供する。 【解決手段】 フォトマスク10を介して、該電子放出
素子3の高さ以上の厚みdを有するフォトレジスト膜1
1を露光・現像することにより、電子放出素子3の外形
を象った円錐状溝11aを該フォトレジスト膜11に食
刻し、該フォトレジスト膜11からなる電子放出素子形
成用原版100の該円錐状溝11aからなる型溝100
aに該電子放出素子3となる導電材料をメッキして、該
型溝100a内に該電子放出素子3を象った円錐状の電
子放出素子体3Aを形成し、該型溝100a内に形成さ
れた電子放出素子体3Aを基板1上に配設した後、該電
子放出素子形成用原版100を除去して該基板1上に電
子放出素子3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子を形
成するための電子放出素子形成用原版の製造方法に係
り、特にフィールドエミッションディスプレイ(これに
準ずる構造の電子放出素子を有する画像表示装置を含
む)に使用される電子放出素子を形成するための電子放
出素子形成用原版の製造方法及び装置、電子放出素子形
成用原版、並びに、フィールドエミッションディスプレ
イに関するものである。
【0002】
【従来の技術】加熱を必要とせず、強い電界で電子を放
射させる陰極を電界放射陰極といい、この電界放射陰極
は電子顕微鏡や電子ビーム描画装置等に用いられてい
る。近年、IC素子のサブミクロン微細加工技術を適用
して、円錐状(とんがり帽子形)の電子放出素子を作
り、これをアレイ状に多数並べた電界放射素子からなる
アレイが登場した。このアレイを電子源として利用した
省電力、薄型の画像表示装置(平面ディスプレイ)とし
て、フィールドエミッションディスプレイ及びこれに準
ずる構造の電子放出素子を有する画像表示装置(以下、
これらをFEDとする)が広範囲な用途に利用されてい
る。
【0003】FEDは、CRTと同じカソードルミネッ
センスの発光光原理に基づくもので、CRTの特徴を引
き継ぎながら、CRTの欠点である大きさや重量を克服
した技術である。FEDの欠点は寿命と言われてきた
が、抵抗を陰極基板上に設け、その上に電子放出素子を
形成する技術の登場により、数千時間にまで達するよう
になり、対角数インチの画像表示装置が実用化されるに
至っている。しかし、現状では、真空素子であるため、
その大型化が構造力学的に困難であると言われている。
【0004】このFEDは、通常、図6に示すように、
基板1上に配線層(陰極)2と電子放出素子(マイクロ
チップ)3と絶縁層(抵抗層)4と引出電極(ゲート電
極)5とを形成した電子放出基板Aと、基板6上に陽極
(透明電極)7と各色の蛍光体層8とを形成した発光基
板Bとを、両者間を真空状態にして対向させ、且つ、電
気的に接続してなる基本構造を有している。そして、電
子放出素子3と引出電極5と陽極7に電圧を印加して、
引出電極5によって電子放出素子3から電子を引き出
し、この電子を陽極7へ衝突させて蛍光体層8を発光さ
せて画像表示するものである。
【0005】上述のようなFEDにおける電子放出素子
の製造には、基板上に電子放出素子形成用の材料層を形
成し、この材料層上に直径数μmの円形レジストを設
け、これをマスクとして材料層をエッチングして電子放
出素子を得るエッチング法、絶縁層上に引出電極用の金
属層を形成し、電子放出素子の形成箇所に相当する位置
に金属層と絶縁層とをエッチングして孔部を形成し、こ
の孔部内にスパッタリングにより導電性材料を用いて電
子放出素子を形成するスパッタリング法等の製造方法が
用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な電子放出素子は、電子を放出しやすい形状、例えば、
先端部の曲率半径が0.05μm以下であるような形状
にする必要がある。しかしながら、従来のエッチング法
およびスパッタリング法では、上述のような電子放出に
適した形状をもつ電子放出素子の製造が技術的に困難で
あるという問題があった。特に、スパッタリング法で
は、真空系を必要とするために、製造工程が煩雑になっ
て製造コストが増し、大面積化への対応が難しいという
問題があった。
【0007】なお、このような問題を解決する方法とし
て、2枚の基板の間に電子放出素子形成用の材料からな
る微小体を挟持し、この微小体をその融点以上の温度ま
で加熱することにより各基板に融着させ、その後、冷却
しながら基板を引き離し、上記微小体の中間部を徐々に
引き伸ばして切断することにより、電子放出に適した先
鋭な先端形状を有する電子放出素子の製造方法が提案さ
れている(特開平11−162336号公報)。しかし
ながら、この電子放出素子の製造方法においては、上記
微小体の材質、加熱温度、基板引き離し時の冷却温度、
及び基板の引き離し速度などによって微小体の形状がば
らついてしまうため、均一な形状の電子放出素子を製造
するためには微小体の材質や温度を厳密に管理する必要
があり、FEDの量産や品質の安定化に難点がある。
【0008】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、電子放出に適した形
状を有し、且つ、量産性や品質の安定性に優れた電子放
出素子を容易に形成することができる電子放出素子の製
造方法及び装置、該電子放出素子を形成するための電子
放出素子形成用原版の製造方法及び装置、電子放出素子
形成用原版、並びに、該電電子放出素子形成用原版を用
いて形成した電子放出素子を有するフィールドエミッシ
ョンディスプレイを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、電子放出素子と引出電極と陽極
とを備え、引出電極によって電子を電子放出素子から引
き出して陽極へ衝突させる装置に使用される電子放出素
子の製造方法であって、形成しようとする電子放出素子
に対応するマスキングパターンが形成されたフォトマス
クを介して、該電子放出素子の高さ以上の厚みを有する
フォトレジスト膜を露光・現像することにより、電子放
出素子の外形を象った円錐状凹部を該フォトレジスト膜
に食刻し、該フォトレジスト膜からなる電子放出素子形
成用原版の該円錐状凹部からなる型凹部に該電子放出素
子となる導電材料をメッキして、該型凹部内に該電子放
出素子を象った円錐状の電子放出素子体を形成し、該型
凹部内に形成された電子放出素子体を基板上に配設した
後、該電子放出素子形成用原版を除去して該基板上に電
子放出素子を形成することを特徴とするものである。
【0010】この電子放出素子の製造方法においては、
まず、形成しようとする電子放出素子に対応するマスキ
ングパターンが形成されたフォトマスクを介して、該電
子放出素子の高さ以上の厚みを有するフォトレジスト膜
が露光されて潜像が形成され、次いで、該潜像が現像さ
れる。これにより、電子放出素子の外形を象った円錐状
凹部が該フォトレジスト膜に食刻される。そして、この
円錐状凹部が食刻されたフォトレジスト膜を電子放出素
子形成用原版とし、該電子放出素子形成用原版の該円錐
状凹部からなる型凹部に該電子放出素子となる導電材料
がメッキされて、該型凹部内に該電子放出素子を象った
円錐状の電子放出素子体が形成される。次いで、該型凹
部内に形成された電子放出素子体が基板上に配設された
後、該電子放出素子形成用原版が除去されて該基板上に
電子放出素子が形成される。この製法では、該電子放出
素子形成用原版の電子放出素子の外形を象った円錐状の
型凹部に導電材料がメッキされることにより電子放出素
子が形成されるので、形状が電子放出に適し且つ量産性
や品質の安定性に優れた電子放出素子を容易に形成する
ことができる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の電子放出素
子の製造方法において、上記電子放出素子形成用原版の
型凹部が形成されている型凹部形成面に、形成しようと
する電子放出素子に配線される配線層を被覆しないよう
に、耐メッキ性を有するレジスト層を形成した後、該電
子放出素子形成用原版の型凹部及び型凹部形成面に該電
子放出素子となる導電材料をメッキして、該電子放出素
子を象った円錐状の電子放出素子体に該配線層を一体形
成することを特徴とするものである。
【0012】この電子放出素子の製造方法においては、
まず、上記電子放出素子形成用原版の型凹部が形成され
ている型凹部形成面に、形成しようとする電子放出素子
に配線される配線層を被覆しないように、耐メッキ性を
有するレジスト層が形成される。その後、該電子放出素
子形成用原版の型凹部及び型凹部形成面に該電子放出素
子となる導電材料がメッキされる。これにより、該電子
放出素子を象った円錐状の電子放出素子体に該配線層が
一体形成される。この製法では、該電子放出素子体と該
配線層とを一度のメッキ工程により同時に形成すること
ができるので、FEDの製造工程を簡略化することがで
きる。また、この製法では、該電子放出素子体に該配線
層が一体形成されるので、電子放出素子形成用原版の型
凹部内に形成された電子放出素子体を基板上に配設して
該電子放出素子形成用原版を除去する際に、該電子放出
素子体が該電子放出素子形成用原版の型凹部から除去さ
れずに残留して除去不良が生じたり、該電子放出素子形
成用原版の除去後、該基板上に配設された電子放出素子
体が該基板から欠落したりすることがなくなる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2の電子
放出素子の製造方法により電子放出素子を形成すること
を特徴とするものである。
【0014】この電子放出素子の製造装置においては、
請求項1又は2の電子放出素子の製造方法に基づいて形
成される電子放出素子を製造するための装置が提供され
る。
【0015】請求項4の発明は、請求項1又は2の電子
放出素子の製造方法により電子放出素子を形成する際に
使用される電子放出素子形成用原版の製造方法であっ
て、所定光量以上の光照射部位が現像時に除去され得る
潜像化のしきい値を有するネガ型の感光樹脂で上記フォ
トレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜に対する照
射光の入射角を、形成しようとする電子放出素子の周面
にほぼ沿った角度になるように傾斜させた状態で、該フ
ォトレジスト膜と上記露光光源とを相対回転移動しなが
ら、形成しようとする電子放出素子に対応する光透過パ
ターンが形成されたフォトマスクを介して、該露光光源
からの光照射により該フォトレジスト膜を露光して潜像
を形成し、該潜像を現像することにより、電子放出素子
の外形を象った円錐状の型凹部を該フォトレジスト膜に
食刻することを特徴とするものである。
【0016】この電子放出素子形成用原版の製造方法に
おいては、まず、所定光量以上の光照射部位が現像時に
除去され得る潜像化のしきい値を有するネガ型の感光樹
脂で上記フォトレジスト膜が形成される。次いで、該フ
ォトレジスト膜に対する照射光の入射角が、形成しよう
とする電子放出素子の周面にほぼ沿った角度になるよう
に傾斜された状態で、該フォトレジスト膜と上記露光光
源とが相対回転移動されながら、形成しようとする電子
放出素子に対応する光透過パターンが形成されたフォト
マスクを介して、該露光光源からの光照射により該フォ
トレジスト膜が露光されて潜像が形成される。これによ
り、該フォトマスクの光透過パターンを透過した該露光
光源からの照射光束のうち、該フォトレジスト膜に対し
て常時露光される照射光束の露光形状が、該フォトマス
クの光透過パターンを底面とする円錐状に形成される。
そして、この円錐状に形成された照射光束の露光光量が
上記所定光量以上となることによって、該フォトレジス
ト膜の円錐状に形成された照射光束の光照射部位のみが
現像時に除去され得る潜像となる。その後、該潜像を現
像することにより、電子放出素子の外形を象った円錐状
凹部が該フォトレジスト膜に食刻され、上記電子放出素
子体を形成するための型凹部を有する電子放出素子形成
用原版が得られる。
【0017】請求項5の発明は、請求項1又は2の電子
放出素子の製造方法により電子放出素子を形成する際に
使用される電子放出素子形成用原版の製造方法であっ
て、光照射部位がレジスト化するポジ型の感光樹脂で上
記フォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜に対
する照射光の入射角を、形成しようとする電子放出素子
の周面にほぼ沿った角度になるように傾斜させた状態
で、該フォトレジスト膜と上記露光光源とを相対回転移
動しながら、形成しようとする電子放出素子に対応する
遮光パターンが形成されたフォトマスクを介して、該露
光光源からの光照射により該フォトレジスト膜を露光し
て潜像を形成し、該潜像を現像することにより、電子放
出素子の外形を象った円錐状の型凹部を該フォトレジス
ト膜に食刻することを特徴とするものである。
【0018】この電子放出素子形成用原版の製造方法に
おいては、まず、光照射部位がレジスト化するポジ型の
感光樹脂で上記フォトレジスト膜が形成される。次い
で、該フォトレジスト膜に対する照射光の入射角が、形
成しようとする電子放出素子の周面にほぼ沿った角度に
なるように傾斜された状態で、該フォトレジスト膜と上
記露光光源とが相対回転移動されながら、形成しようと
する電子放出素子に対応する遮光パターンが形成された
フォトマスクを介して、該露光光源からの照射光により
該フォトレジスト膜が露光されて潜像が形成される。こ
れにより、該フォトマスクの遮光パターンにより遮光さ
れた部分の投影形状が、該フォトマスクの遮光パターン
を底面とする円錐状に形成される。そして、該フォトレ
ジスト膜の円錐状に形成された投影形状の部位のみが現
像時に除去され得る潜像となる。その後、該潜像を現像
することにより、電子放出素子の外形を象った円錐状凹
部が該フォトレジスト膜に食刻され、上記電子放出素子
体を形成するための型凹部を有する電子放出素子形成用
原版が得られる。
【0019】請求項6の発明は、請求項1又は2の電子
放出素子の製造方法により電子放出素子を形成する際に
使用される電子放出素子形成用原版の製造方法であっ
て、光照射部位がレジスト化するポジ型の感光樹脂で上
記フォトレジスト膜を形成し、上記露光光源からの照射
光を散乱光とし、形成しようとする電子放出素子に対応
する遮光パターンが形成されたフォトマスクと該露光光
源との位置関係を、上記フォトレジスト膜に対する照射
光の入射角が、形成しようとする電子放出素子の周面に
ほぼ沿った角度になるように設定し、該露光光源からの
光照射により該フォトマスクを介して該フォトレジスト
膜を露光して潜像を形成し、該潜像を現像することによ
り、電子放出素子の外形を象った円錐状の型凹部を該フ
ォトレジスト膜に食刻することを特徴とするものであ
る。
【0020】この電子放出素子形成用原版の製造方法に
おいては、まず、光照射部位がレジスト化するポジ型の
感光樹脂で上記フォトレジスト膜が形成される。また、
上記露光光源からの照射光は散乱光とする。更に、形成
しようとする電子放出素子に対応する遮光パターンが形
成されたフォトマスクと該露光光源との位置関係は、該
フォトレジスト膜に対する照射光の入射角が、形成しよ
うとする電子放出素子の周面にほぼ沿った角度になるよ
うに設定される。この状態で、該遮光パターンが形成さ
れたフォトマスクを介して、該露光光源から照射される
散乱光により該フォトレジスト膜が露光されて潜像が形
成される。これにより、該フォトマスクの遮光パターン
により遮光された部分の投影形状が、該フォトマスクの
遮光パターンを底面とする円錐状に形成される。そし
て、該フォトレジスト膜の円錐状に形成された投影形状
の部位のみが現像時に除去され得る潜像となる。その
後、該潜像を現像することにより、電子放出素子の外形
を象った円錐状凹部が該フォトレジスト膜に食刻され、
上記電子放出素子体を形成するための型凹部を有する電
子放出素子形成用原版が得られる。特に、この製法にお
いては、上記フォトマスクを介して上記フォトレジスト
膜に露光される照射光が散乱光であるので、該フォトマ
スクと上記露光光源とを相対移動せずに、該フォトマス
クに形成された遮光パターンとは異なったフォトレジス
ト膜の断面領域に該露光光源からの照射光を露光できる
ようになり、該フォトレジスト膜への露光を簡易に行え
るようになる。
【0021】請求項7の発明は、請求項4、5又は6の
電子放出素子形成用原版の製造方法により電子放出素子
形成用原版を形成することを特徴とするものである。
【0022】この電子放出素子形成用原版の製造装置に
おいては、請求項4、5又は6の電子放出素子形成用原
版の製造方法に基づいて形成される電子放出素子形成用
原版を製造するための装置が提供される。
【0023】請求項8の発明は、請求項4、5又は6の
電子放出素子形成用原版の製造方法あるいは請求項7の
電子放出素子形成用原版の製造装置により形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0024】この電子放出素子形成用原版は、請求項
4、5又は6の電子放出素子形成用原版の製造方法ある
いは請求項7の電子放出素子形成用原版の製造装置によ
り形成される。
【0025】請求項9の発明は、請求項1又は2の電子
放出素子の製造方法あるいは請求項3の電子放出素子の
製造装置により形成された電子放出素子を有することを
特徴とするものである。
【0026】このフィールドエミッションディスプレイ
においては、その電子放出素子が、請求項1又は2の電
子放出素子の製造方法あるいは請求項3の電子放出素子
の製造装置により形成される。
【0027】請求項10の発明は、請求項8の電子放出
素子形成用原版に無電解メッキ及び電鋳メッキを施して
上記電子放出素子を象った円錐状凸部有する凸版を形成
し、該凸版に電鋳メッキを施した後、該凸版を剥離して
上記電子放出素子の外形を象った円錐状凹部有する該電
子放出素子形成用原版の第二原版を形成し、該第二原版
の円錐状凹部からなる型凹部に該電子放出素子となる導
電材料を電鋳メッキして該型凹部内に該電子放出素子を
象った円錐状の電子放出素子体を形成し、該第二原版の
型凹部内に形成された電子放出素子体を基板上に配設し
た後、該第二原版を除去して該基板上に電子放出素子を
形成することを特徴とするものである。
【0028】ところで、上述のようなフォトレジスト法
により形成された電子放出素子形成用原版を使用して電
子放出素子を製造する電子放出素子の製造方法において
は、該原版を用いて電子放出素子が形成された後、該原
版が不要物として廃棄されることになる。このため、こ
のような電子放出素子の製造方法では、電子放出素子を
形成する度に、新たな電子放出素子形成用原版をフォト
レジスト法により作成する必要があり、該電子放出素子
の製造コストが高くなる。これに対し、本発明の電子放
出素子の製造方法においては、まず、請求項8の電子放
出素子形成用原版に無電解メッキ及び電鋳メッキが施さ
れる。これにより、上記電子放出素子を象った円錐状凸
部有する凸版が形成される。次いで、該凸版に電鋳メッ
キが施される。これにより、上記電子放出素子の外形を
象った円錐状凹部を有する該電子放出素子形成用原版の
第二原版が形成される。次いで、該第二原版の該円錐状
凹部に電子放出素子となる導電材料が電鋳メッキされ
る。これにより、該円錐状凹部内に該電子放出素子を象
った円錐状の電子放出素子体が形成される。次いで、該
第二原版の円錐状凹部内に形成された電子放出素子体が
基板上に配設された後、該第二原版が除去される。これ
により、該基板上に電子放出素子が形成される。このよ
うに、本発明の電子放出素子の製造方法では、上記基板
上に電子放出素子を形成するための原版として、フォト
レジスト法により形成された上記電子放出素子形成用原
版に替えて、上記電鋳メッキにより形成された上記第二
原版が使用される。従って、本発明の電子放出素子の製
造方法においては、上記第二原版を繰り返し使用して上
記電子放出素子を形成することができるようになり、該
電子放出素子の製造コストが低減される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、FEDの電子放
出素子の製造方法に適用した実施形態について説明す
る。図1(a)乃至(e)に、本実施形態に係る電子放
出素子の製造工程の一例を示す。この製法においては、
まず、図1(a)に示すように、形成しようとする電子
放出素子3(図6参照)に対応する光透過10aと遮光
部10bとからなるマスキングパターンが形成されたフ
ォトマスク10を介して、該電子放出素子3の高さ以上
の厚みdを有するフォトレジスト膜11を露光して潜像
を形成する。その後、該潜像を現像して、電子放出素子
3の外形を象った円錐状凹部11aを該フォトレジスト
膜11に食刻する。これにより、図1(b)に示すよう
な円錐状の型凹部100aが形成されたフォトレジスト
膜11からなる電子放出素子形成用原版100が作成さ
れる。
【0030】そして、この電子放出素子形成用原版10
0の型凹部100aに、周知のメッキ法により該電子放
出素子3となる導電材料をメッキする。これにより、図
1(c)に示すように、該型凹部100a内に電子放出
素子3を象った円錐状の電子放出素子体3Aが形成され
る。次いで、図1(d)に示すように、予め配線層2及
び絶縁層4が形成された基板1上に、該電子放出素子形
成用原版100の型凹部100a内に形成された電子放
出素子体3Aを配設した後、該電子放出素子形成用原版
100を基板1上から除去する。これにより、図1
(e)に示すように、基板1上に、電子放出に適した鋭
利な先端を有する円錐状の電子放出素子3が形成され
る。
【0031】図2(a)乃至(d)に、本実施形態に係
る電子放出素子の他の製造工程の一例を示す。この製法
においては、まず、図1(a)に示したような工程によ
り、図1(b)に示すような円錐状の型凹部100aが
形成された電子放出素子形成用原版100を作成する。
次いで、図2(a)に示すように、上記電子放出素子形
成用原版100の型凹部100aが形成されている型凹
部形成面100bに、形成しようとする電子放出素子3
に配線される配線層2を被覆しないように、耐メッキ性
を有するレジスト層200を形成する。
【0032】その後、該電子放出素子形成用原版100
の型凹部100a及び型凹部形成面100bに該電子放
出素子3となる導電材料を蒸着メッキする。これによ
り、図2(b)に示すように、該電子放出素子3を象っ
た円錐状の電子放出素子体3Aと該配線層2とが一体的
にメッキ形成される。次いで、図2(c)に示すよう
に、基板1上に、該電子放出素子形成用原版100の型
凹部100a内に形成された電子放出素子体3A及び該
電子放出素子体3Aに一体形成された配線層2を配設し
た後、該電子放出素子形成用原版100を基板1上から
除去する。これにより、図1(d)に示すように、基板
1上に、電子放出に適した鋭利な先端を有する円錐状の
電子放出素子3と配線層2とが同時に形成される。
【0033】このように、この製法では、該電子放出素
子体3Aと該配線層2とを一度のメッキ工程により同時
に形成することができるので、FEDの製造工程を簡略
化することができる。また、この製法では、該電子放出
素子体3Aに該配線層2が一体形成されているので、電
子放出素子形成用原版100の型凹部100a内に形成
された電子放出素子体3Aを基板1上に配設して該電子
放出素子形成用原版100を除去する際に、該電子放出
素子体3Aが該電子放出素子形成用原版100の型凹部
100aから除去されずに残留して除去不良が生じた
り、該電子放出素子形成用原版100の除去後、該基板
1上に配設された電子放出素子体3Aが該基板1から欠
落したりすることがなくなる。また、図1(a)に示し
た工程で、上記レジスト層200をFEDの絶縁層4と
して機能するように予め形成すれば、該絶縁層4を形成
するための工程を省くことが可能になり、FEDの製造
工程をより簡略化することができる。
【0034】次に、図3(a)、(b)を参照して、上
述した電子放出素子形成用原版100の製造方法につい
て説明する。この電子放出素子形成用原版100の製造
方法においては、上記フォトレジスト膜11として、所
定光量以上の光照射部位が現像時に除去され得る潜像化
のしきい値を有するネガ型の感光樹脂を用いる。そし
て、図3(a)に示すように、該フォトレジスト膜11
に対する露光光源12からの照射光の入射角を、形成し
ようとする電子放出素子3の周面にほぼ沿った角度にな
るように傾斜させた状態で、該フォトレジスト膜11と
露光光源12とを矢印aで示すように相対回転移動させ
ながら、形成しようとする電子放出素子3に対応する光
透過パターン10bが形成されたフォトマスク10を介
して、該露光光源12からの光照射により該フォトレジ
スト膜11を露光して潜像を形成する。これにより、該
フォトマスク10の光透過パターン10bを透過した露
光光源12からの照射光束12aのうち、該フォトレジ
スト膜11に対して常時露光される照射光束12aの露
光形状が、該フォトマスク10の光透過パターン10a
を底面とする円錐状に形成される。そして、この円錐状
に形成された照射光束12aの露光光量が上記所定光量
以上となることによって、該フォトレジスト膜11の円
錐状に形成された照射光束12aの光照射部位のみが現
像時に除去され得る潜像となる。次いで、該潜像を現像
することにより、光照射により電子放出素子3の外形を
象った円錐状凹部11aが該フォトレジスト膜11に食
刻され、図3(b)に示すような、上記電子放出素子体
3Aを形成するための型凹部100aを有する電子放出
素子形成用原版100が得られる。
【0035】次に、図4(a)、(b)を参照して、上
述した電子放出素子形成用原版100の他の製造方法に
ついて説明する。この電子放出素子形成用原版100の
製造方法においては、上記フォトレジスト膜11とし
て、光照射部位がレジスト化するポジ型の感光樹脂を用
いる。そして、該フォトレジスト膜11に対する露光光
源12からの照射光の入射角を、形成しようとする電子
放出素子3の周面にほぼ沿った角度になるように傾斜さ
せた状態で、該フォトレジスト膜11と露光光源12と
を矢印a方向に相対回転移動させながら、形成しようと
する電子放出素子3に対応する遮光パターン10cが形
成されたフォトマスク10を介して、該露光光源12か
らの照射光により該フォトレジスト膜11を露光して潜
像を形成する。これにより、該フォトマスク10の遮光
パターン10cにより遮光された部分の投影形状が、該
フォトマスク10の遮光パターン10cを底面とする円
錐状に形成される。そして、該フォトレジスト膜11の
円錐状に形成された投影形状の部位のみが現像時に除去
され得る潜像となる。次いで、該潜像を現像することに
より、電子放出素子3の外形を象った円錐状凹部が該フ
ォトレジスト膜11に食刻され、図4(b)に示すよう
な、上記電子放出素子体3Aを形成するための型凹部1
00aを有する電子放出素子形成用原版100が得られ
る。
【0036】次に、図5(a)、(b)を参照して、上
述した電子放出素子形成用原版100の更に他の製造方
法について説明する。この電子放出素子形成用原版10
0の製造方法においては、上記フォトレジスト膜11と
して、光照射部位がレジスト化するポジ型の感光樹脂を
用いる。また、露光光源12からの照射光は、例えば、
図5(a)に示すように、露光光源12の照射光路に、
磨りガラスや乳白色のアクリル板などからなるフィルタ
ー13を配置して散乱光とする。更に、形成しようとす
る電子放出素子3に対応する遮光パターン10cが形成
されたフォトマスク10と該露光光源12との位置関係
は、該フォトレジスト膜11に対する照射光の入射角
が、形成しようとする電子放出素子3の周面にほぼ沿っ
た角度になるように設定する。この状態で、該遮光パタ
ーン10cが形成されたフォトマスク10を介して、該
露光光源12から照射される散乱光により該フォトレジ
スト膜11を露光して潜像を形成する。これにより、該
フォトマスク10の遮光パターン10cにより遮光され
た部分の投影形状が、該フォトマスク10の遮光パター
ン10cを底面とする円錐状に形成される。そして、該
フォトレジスト膜11の円錐状に形成された投影形状の
部位のみが現像時に除去され得る潜像となる。次いで、
該潜像を現像することにより、電子放出素子3の外形を
象った円錐状凹部が該フォトレジスト膜11に食刻さ
れ、図5(b)に示すような、上記電子放出素子体3A
を形成するための型凹部100aを有する電子放出素子
形成用原版100が得られる。この製法においては、フ
ォトマスク10を介してフォトレジスト膜11に露光さ
れる露光光源12からの照射光が散乱光であるので、該
フォトマスク10と露光光源12とを相対移動せずに、
該フォトマスク10に形成された遮光パターン10cと
は異なったフォトレジスト膜11の断面領域に該露光光
源12からの照射光を露光できるようになり、該フォト
レジスト膜11への露光を簡易に行えるようになる。
【0037】なお、FEDの電子放出基板Aを構成する
基板1としては、ガラス基板、金属板、セラミックス類
(Al23 、ZrO、SiN3 等)の基板、石英基板
等を使用でき、厚みは1〜20mm程度とすることがで
きる。また、配線層2は電子放出素子3に電圧を供給す
るためのものであり、メッキ法、蒸着法、スパッタリン
グ法等により形成することができ、ITO、SnO2
ZnO等の透明導電膜や、Al、Ti、V、Cr、F
e、Co、Ni、Cu、Mo、In、Ag、Pt、Au
等、およびこれらの合金等の材料により形成され、厚み
は0.05〜2μm程度とすることができる。
【0038】なお、通常のFEDは、1画素において1
個の電子放出素子3が1個の陽極7に対応しているが、
1画素において複数個の電子放出素子3が1個の陽極7
に対応するものであってもよい。
【0039】また、電子放出基板Aを構成する絶縁層2
の厚みは0.3〜5μm程度が好ましく、引出電極5の
厚みは0.2〜1μm程度が好ましい。引出電極5が有
する孔部5a(図6参照)は開口径が0.2〜2μm程
度の円形とすることができる。
【0040】一方、FEDの発光基板Bを構成する基板
6は、上述の基板1と同様の基板を使用することができ
る。また、発光基板Bを構成する陽極7は、基板6上に
蒸着法、スパッタリング法等によりITO、SnO2
ZnO等の透明導電材料で導電層を形成し、その後、エ
ッチングによって所望の電極パターンとすることができ
る。この陽極7の厚みは0.1〜1μm程度が好まし
い。
【0041】また、蛍光体層8は、電子放出素子3に対
応するようにマトリックス状に陽極7に積層形成され
る。この蛍光体層8の形成は、通常のフォトリソグラフ
ィによって行うことができ、使用する蛍光体としては特
に制限はなく、従来からFEDに使用されている蛍光体
を使用することができる。具体的には、赤色(R)発光
性の蛍光体としてY23 :Eu、Y2 SiO5 :E
u、Y3 Al512:Eu、ScBO3 :Eu、Zn3
(PO42 :Mn、YBO3 :Eu、(Y,Gd)B
3 :Eu、GdBO3 :Eu、LuBO3 :Eu、Y
22 S:Eu、SnO2 :Eu等が挙げられ、緑色
(G)発光性の蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、B
aAl1219:Mn、BaAl1219:Mn、YBO
3 :Tb、BaMgAl1423:Mn、LuBO3 :T
b、GbBO3 :Tb、ScBO3 :Tb、Sr6 Si
33 Cl4 :Eu、ZnBaO4 :Mn、ZnS:C
u,Al、ZnO:Zn、Gd22 S:Tb、ZnG
24 :Mn、ZnS:Cu,Au,Al等が挙げら
れ、さらに、青色(B)発光性の蛍光体として、Y2
iO5 :Ce、CaWO4 :Pb、BaMgAl
1423:Eu、ZnS:Ag、ZnMgO、ZnGaO
4 、ZnS:Ag等が挙げられる。
【0042】このようなFEDは、電子放出素子3と引
出電極5および陽極7に所定の電圧を印加して、引出電
極5によって電子放出素子3から電子を引き出し、この
電子を陽極7へ衝突させて所望の蛍光体層(R、G、
B)を発光させて画像表示することができる。
【0043】ところで、上述のようなフォトレジスト法
により形成された電子放出素子形成用原版100を使用
して電子放出素子3を製造する電子放出素子の製造方法
においては、該電子放出素子形成用原版100を用いて
電子放出素子3が形成された後、該電子放出素子形成用
原版100が不要物として廃棄されることになる。この
ため、このような電子放出素子の製造方法では、電子放
出素子3を形成する度に、新たな電子放出素子形成用原
版100を、工程が複雑で高コストとなるフォトレジス
ト法により作成する必要があり、該電子放出素子3の製
造コストが高くなる。
【0044】次に、上記電子放出素子3の製造コストを
低減することができる電子放出素子3の製造方法につい
て説明する。この電子放出素子3の製造方法において
は、まず、前述のようなフォトレジスト法により作成し
た電子放出素子形成用原版100の型凹部100aが形
成されている面に、無電解メッキにより、表面導体化処
理を施す。これにより、図7(a)に示すように、電子
放出素子形成用原版100の型凹部100aが形成され
ている面上に、例えば、NiPからなる厚さ100nm
程度の無電解メッキ層300が形成される。
【0045】次に、図7(b)に示すように、上記無電
解メッキ層300上に、電鋳メッキ、すなわち電気メッ
キを行って、例えば、厚さ0.3μmの電気メッキによ
る金属メッキ層400を形成する。その後、上記無電解
メッキ層300と金属メッキ層400とを残すように、
フォトレジスト法により作成した電子放出素子形成用原
版100を除去する。これにより、図7(c)に示すよ
うに、上記電子放出素子3を象った円錐状凸部500a
有する凸版500が形成される。
【0046】次に、上述のようにして得た凸版500を
洗浄処理した後、この凸版500に、化学薬品を用いて
パッシべーション処理を行って離型性を付与する。この
パッシべーション処理(離型処理)は、例えば、ヒータ
ーで50℃以上の温度に保持された界面活性剤からなる
溶液中に上記凸版500を浸漬し、超音波発振装置によ
り超音波をかける処理を行い、その後、例えば過酸化マ
ンガン酸カリウム等の酸化剤を用いて、溶液を建浴した
後、該凸版500を浸漬する処理を行うことにより、該
凸版500に離型性を付与するものである。
【0047】次に、上述の離型処理を行った凸版500
の円錐状凸部500aが形成されている面上に、図7
(d)に示すように、電気メッキを施して金属メッキ層
600を形成する。その後、図7(e)に示すように、
上記凸版500から金属メッキ層600を剥離する。こ
れにより、上記電子放出素子3の外形を象った円錐状凹
部700aを有する上記電子放出素子形成用原版100
の第二原版700が形成される。
【0048】次に、上述のようにして得た第二原版70
0を洗浄処理した後、この第二原版700に、上述した
パッシべーション処理を行って離型性を付与する。そし
て、上記第二原版700の円錐状凹部700aに、電子
放出素子3となる導電材料を電気メッキして、該円錐状
凹部700a内に、図1(c)の工程と同様に、電子放
出素子3を象った円錐状の電子放出素子体3Aを形成す
る。次いで、図1(d)の工程と同様に、上記第二原版
700の円錐状凹部700a内に形成した電子放出素子
体3Aを基板1上に配設した後、該第二原版700を除
去する。これにより、図1(e)に示したように、上記
基板1上に電子放出素子3が形成される。
【0049】この電子放出素子の製造方法では、上記基
板1上に電子放出素子3を形成するための原版として、
フォトレジスト法により形成された電子放出素子形成用
原版100に替えて、電気メッキにより形成された第二
原版700が使用される。従って、この製造方法におい
ては、上記第二原版700を繰り返し使用して上記電子
放出素子3を形成することができるようになり、該電子
放出素子3の製造コストが低減される。また、上記第二
原版700は、上記凸版500に電気メッキを施すこと
で、容易に再生産することができる。
【0050】
【発明の効果】請求項1、2又は3の発明によれば、該
電子放出素子形成用原版の電子放出素子の外形を象った
円錐状の型凹部に導電材料がメッキされることにより電
子放出素子が形成されるので、形状が電子放出に適し且
つ量産性や品質の安定性に優れた電子放出素子を容易に
形成することができるという優れた効果がある。
【0051】特に、請求項2の発明によれば、該電子放
出素子体と該配線層とを一度のメッキ工程により同時に
形成することができるので、FEDの製造工程を簡略化
することができる。また、この製法では、該電子放出素
子体に該配線層が一体形成されるので、電子放出素子形
成用原版の型凹部内に形成された電子放出素子体を基板
上に配設して該電子放出素子形成用原版を除去する際
に、該電子放出素子体が該電子放出素子形成用原版の型
凹部から除去されずに残留して除去不良が生じたり、該
電子放出素子形成用原版の除去後、該基板上に配設され
た電子放出素子体が該基板から欠落したりすることがな
くなるという優れた効果がある。
【0052】請求項4、5、6、7又は8の発明によれ
ば、電子放出素子の外形を象った円錐状凹部が該フォト
レジスト膜に食刻された、上記電子放出素子体を形成す
るための型凹部を有する電子放出素子形成用原版が得ら
れるという優れた効果がある。
【0053】特に、請求項6の発明によれば、フォトマ
スクを介してフォトレジスト膜に露光される照射光が散
乱光であるので、該フォトマスクと上記露光光源とを相
対移動せずに、該フォトマスクに形成された遮光パター
ンとは異なったフォトレジスト膜の断面領域に該露光光
源からの照射光を露光できるようになり、該フォトレジ
スト膜への露光を簡易に行えるようになるという優れた
効果がある。
【0054】また、請求項9の発明によれば、形状が電
子放出に適し品質の安定性に優れた電子放出素子を有す
るフィールドエミッションディスプレイを容易に形成す
ることができるという優れた効果がある。
【0055】また、請求項10の発明によれば、第二原
版を繰り返し使用して上記電子放出素子を形成すること
ができるようになり、該電子放出素子の製造コストを低
減できる。また、該第二原版を容易に再生産することが
できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(e)は、実施形態に係る電子放出
素子の製造工程の一例を示す概略工程図。
【図2】(a)乃至(d)は、実施形態に係る電子放出
素子の他の製造工程の一例を示す概略工程図。
【図3】(a)は、上記電子放出素子の製造工程で使用
される電子放出素子形成用原版の製造方法を示す概略断
面図。(b)は、該製造方法により得られた電子放出素
子形成用原版の概略断面図。
【図4】(a)は、上記電子放出素子の製造工程で使用
される電子放出素子形成用原版の他の製造方法を示す概
略断面図。(b)は、該製造方法により得られた電子放
出素子形成用原版の概略断面図。
【図5】(a)は、上記電子放出素子の製造工程で使用
される電子放出素子形成用原版の更に他の製造方法を示
す概略断面図。(b)は、該製造方法により得られた電
子放出素子形成用原版の概略断面図。
【図6】従来のFEDの構成を説明するための概略斜視
図。
【図7】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、
(f)は、上記電子放出素子の他の製造方法を示す概略
工程図。
【符号の説明】
1 電子放出基板の基板 2 配線層 3 電子放出素子 3A 電子放出素子体 4 絶縁層 5 引出電極 6 発光基板の基板 7 陽極 8 蛍光体層 10 フォトマスク 10a フォトマスクのマスキングパターン 10b フォトマスクの光透過パターン 10c フォトマスクの遮光パターン 11 フォトレジスト膜 11a 円錐状凹部 12 露光光源 12a 照射光束 13 フィルター 100 電子放出素子形成用原版 100a 型凹部 300 無電解メッキ層 400 金属メッキ層 500 凸版 500a 円錐状凸部 600 金属メッキ層 700 第二原版 700a 円錐状凹部 A 電子放出基板 B 発光基板

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子放出素子と引出電極と陽極とを備え、
    引出電極によって電子を電子放出素子から引き出して陽
    極へ衝突させる装置に使用される電子放出素子の製造方
    法であって、 形成しようとする電子放出素子に対応するマスキングパ
    ターンが形成されたフォトマスクを介して、該電子放出
    素子の高さ以上の厚みを有するフォトレジスト膜を露光
    ・現像することにより、電子放出素子の外形を象った円
    錐状凹部を該フォトレジスト膜に食刻し、該フォトレジ
    スト膜からなる電子放出素子形成用原版の該円錐状凹部
    からなる型凹部に該電子放出素子となる導電材料をメッ
    キして、該型凹部内に該電子放出素子を象った円錐状の
    電子放出素子体を形成し、該型凹部内に形成された電子
    放出素子体を基板上に配設した後、該電子放出素子形成
    用原版を除去して該基板上に電子放出素子を形成するこ
    とを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の電子放出素子の製造方法におい
    て、 上記電子放出素子形成用原版の型凹部が形成されている
    型凹部形成面に、形成しようとする電子放出素子に配線
    される配線層を被覆しないように、耐メッキ性を有する
    レジスト層を形成した後、該電子放出素子形成用原版の
    型凹部及び型凹部形成面に該電子放出素子となる導電材
    料をメッキして、該電子放出素子を象った円錐状の電子
    放出素子体に該配線層を一体形成することを特徴とする
    電子放出素子の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の電子放出素子の製造方法
    により電子放出素子を形成することを特徴とする電子放
    出素子の製造装置。
  4. 【請求項4】請求項1又は2の電子放出素子の製造方法
    により電子放出素子を形成する際に使用される電子放出
    素子形成用原版の製造方法であって、 所定光量以上の光照射部位が現像時に除去され得る潜像
    化のしきい値を有するネガ型の感光樹脂で上記フォトレ
    ジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜に対する照射光
    の入射角を、形成しようとする電子放出素子の周面にほ
    ぼ沿った角度になるように傾斜させた状態で、該フォト
    レジスト膜と上記露光光源とを相対回転移動しながら、
    形成しようとする電子放出素子に対応する光透過パター
    ンが形成されたフォトマスクを介して、該露光光源から
    の光照射により該フォトレジスト膜を露光して潜像を形
    成し、該潜像を現像することにより、電子放出素子の外
    形を象った円錐状凹部を該フォトレジスト膜に食刻する
    ことを特徴とする電子放出素子形成用原版の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は2の電子放出素子の製造方法
    により電子放出素子を形成する際に使用される電子放出
    素子形成用原版の製造方法であって、 光照射部位がレジスト化するポジ型の感光樹脂で上記フ
    ォトレジスト膜を形成し、該フォトレジスト膜に対する
    照射光の入射角を、形成しようとする電子放出素子の周
    面にほぼ沿った角度になるように傾斜させた状態で、該
    フォトレジスト膜と上記露光光源とを相対回転移動しな
    がら、形成しようとする電子放出素子に対応する遮光パ
    ターンが形成されたフォトマスクを介して、該露光光源
    からの光照射により該フォトレジスト膜を露光して潜像
    を形成し、該潜像を現像することにより、電子放出素子
    の外形を象った円錐状凹部を該フォトレジスト膜に食刻
    することを特徴とする電子放出素子形成用原版の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項1又は2の電子放出素子の製造方法
    により電子放出素子を形成する際に使用される電子放出
    素子形成用原版の製造方法であって、 光照射部位がレジスト化するポジ型の感光樹脂で上記フ
    ォトレジスト膜を形成し、上記露光光源からの照射光を
    散乱光とし、形成しようとする電子放出素子に対応する
    遮光パターンが形成されたフォトマスクと該露光光源と
    の位置関係を、上記フォトレジスト膜に対する照射光の
    入射角が、形成しようとする電子放出素子の周面にほぼ
    沿った角度になるように設定し、該露光光源からの光照
    射により該フォトマスクを介して該フォトレジスト膜を
    露光して潜像を形成し、該潜像を現像することにより、
    電子放出素子の外形を象った円錐状凹部を該フォトレジ
    スト膜に食刻することを特徴とする電子放出素子形成用
    原版の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項4、5又は6の電子放出素子形成用
    原版の製造方法により電子放出素子形成用原版を形成す
    ることを特徴とする電子放出素子形成用原版の製造装
    置。
  8. 【請求項8】請求項4、5又は6の電子放出素子形成用
    原版の製造方法あるいは請求項7の電子放出素子形成用
    原版の製造装置により形成されていることを特徴とする
    電子放出素子形成用原版。
  9. 【請求項9】請求項1又は2の電子放出素子の製造方法
    あるいは請求項3の電子放出素子の製造装置により形成
    された電子放出素子を有することを特徴とするフィール
    ドエミッションディスプレイ。
  10. 【請求項10】請求項8の電子放出素子形成用原版に無
    電解メッキ及び電鋳メッキを施して上記電子放出素子を
    象った円錐状凸部有する凸版を形成し、該凸版に電鋳メ
    ッキを施した後、該凸版を剥離して上記電子放出素子の
    外形を象った円錐状凹部有する該電子放出素子形成用原
    版の第二原版を形成し、該第二原版の円錐状凹部からな
    る型凹部に該電子放出素子となる導電材料を電鋳メッキ
    して該型凹部内に該電子放出素子を象った円錐状の電子
    放出素子体を形成し、該第二原版の型凹部内に形成され
    た電子放出素子体を基板上に配設した後、該第二原版を
    除去して該基板上に電子放出素子を形成することを特徴
    とする電子放出素子の製造方法。
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