JP3419241B2 - 半導体シリコン単結晶ウエーハの工程管理方法および工程管理システム - Google Patents

半導体シリコン単結晶ウエーハの工程管理方法および工程管理システム

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JP3419241B2 JP08332397A JP8332397A JP3419241B2 JP 3419241 B2 JP3419241 B2 JP 3419241B2 JP 08332397 A JP08332397 A JP 08332397A JP 8332397 A JP8332397 A JP 8332397A JP 3419241 B2 JP3419241 B2 JP 3419241B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体シリコン単
結晶インゴットから半導体シリコン単結晶ウエーハを製
造する工程における、原料から半製品、製品に至る製造
工程管理方法およびそのシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体シリコン単結晶ウエー
ハは、一般的には、図3にその主な工程を示したよう
に、インゴットで受け入れ、これを、スライス−ラップ
−面取り−エッチング−鏡面研磨−洗浄、する直列の各
単位工程で加工処理され、さらに、検査、品質保証、包
装工程等を経て出荷されている。これらの工程間には、
種々の副工程が存在し、また、工程順についても、図3
に示したものに限られず、目的によって種々変更が行わ
れている。
【0003】このような、従来のウエーハ製造工程で
は、最初に行われる主工程であるスライス工程がインゴ
ット毎に行われるため、加工処理単位としてインゴット
1本を1ロットと見做していた。従って、インゴットの
長さによりロットの大きさに大きなバラツキがある上、
1ロットの大きさが数百枚〜千枚と非常に大きく、後続
の各単位工程の1バッチ処理数が、枚葉処理から数十枚
処理まで処理数が小さい上にまちまちなので、単位時間
当たり最低処理数の工程が律速段階となり、それに拘束
された加工処理速度になるため、1ロットを加工処理す
るのに各単位工程間で滞留したり、逆に空白時間ができ
たりして必ずしも能率的な工程管理が行われているとは
言えなかった。
【0004】また、インゴット単位の加工処理であるた
め、複数のインゴットから作製したウエーハを同時に混
在する状態で加工処理することができず、各単位工程の
処理速度を調整することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑みなされたもので、ウエーハの加工処理に当
たり、各単位工程における滞留、空白を解消し、複数の
インゴットから作製したウエーハを同時に加工処理し
て、加工処理工程の稼働率の向上と操業の安定化を図る
ことを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明は、インゴットをスライスして得たウエ
ーハに、ラップ−面取り−エッチング−鏡面研磨−洗浄
−検査−出荷の各単位工程処理を施して半導体シリコン
単結晶ウエーハを製造する主工程において、ウエーハを
一時的に保管するストッカーを設けて、ウエーハ単位の
ロット管理をする、ことを特徴とする半導体シリコン単
結晶ウエーハの工程管理方法である。
【0007】このように、各単位工程間にウエーハを一
時的に保管するストッカーを設けたことにより、インゴ
ット単位のロット管理からウエーハ単位のロット管理を
することができる。そして、ウエーハ単位のロット管理
をすれば、各単位工程間の処理能力の差を吸収して、全
工程を一定速度で加工処理することができ、また、保管
中のウエーハはストッカーに併設した副工程に回して待
機時間を短縮したり、無くすようにすることができる。
【0008】そして、このストッカーの位置を、少なく
とも、スライス後と出荷前とに配置し、或は少なくと
も、スライス後の当て板剥離洗浄後と、最終洗浄前とに
配置するようにする。このように、スライス後と出荷前
にストッカーを配置すれば、一度に大量のウエーハが出
るスライス工程後にウエーハ単位のロット管理をするこ
とが可能となる。そして、さらに前記主工程の内、加工
処理能力の高い工程の後、或は加工処理能力の低い工程
の前にストッカーを配置すれば、ストッカーをバッファ
として使用することができ、主工程の加工処理速度を、
より効率化、一定化することができる。
【0009】そして、本発明では、前記主工程を構成す
る各単位工程の内、最初のA工程におけるウエーハの1
バッチ処理数をa(枚)、B工程における1バッチ処理
数をb(枚)、………最終F工程における1バッチ処理
数をf(枚)とした時、全工程内1ロットの大きさL
(枚)を、A工程からF工程に至る各単位工程の1バッ
チ処理数の最小公倍数として管理するようにした。
【0010】また、各単位工程の1バッチ処理数の最大
公約数がG(枚)で表されるものとした時、ウエーハを
少なくともG枚収納するカセットを最小単位ロットとし
て、単位工程への搬出入、加工処理およびストッカーへ
の取り込み、保管、払い出しを行い、この最小単位ロッ
トG(枚)を前記全工程内ロットL(枚)のサブロット
として、全工程間のウエーハ処理速度を制御、管理する
ようにした。
【0011】このように、ウエーハの加工処理ロットの
大きさを決め、ロットを編成することにより、インゴッ
ト1本−1ロット管理から一定数のウエーハ−1ロット
管理が可能となったため、各単位工程の処理速度に対し
て弾力的に対応可能となり、全工程を一定速度で効率的
に運転することができる。
【0012】また、本発明は、前記ストッカーに保管中
の待機時間内に、主工程に併設した副工程において、最
小単位ロットG毎に、副工程の加工処理を行い、ロット
再編成を行うことができ、さらに、この副工程を、結晶
方位測定、品質検査、面取りを行う工程とした。
【0013】このようにすれば、主工程においては、最
小単位ロットG毎に、各単位工程間を停滞或は空白を生
じることなく円滑に流れ、副工程においても、従来は主
工程内に組み込まれていた加工処理が、時間のロスなく
行うことが可能となる。
【0014】そして、本発明は、インゴット1本から切
り出されるウエーハの枚数をS(枚)とし、最小単位ロ
ットの大きさG(枚)の整数倍をnGとすると、正規の
ロットを構成することのできない端数ウエーハR(枚)
は次式で表され、 R=(S−nG) (ここに、S>nGである) 各インゴットから発生する端数ウエーハRa、Rb……
Rfは、まとめてダミー用ウエーハとして加工処理工程
に流すことを特徴とする半導体シリコン単結晶ウエーハ
の工程管理方法である。このようにすれば、端数ウエー
ハの発生を最小限にとどめることができ、製品ウエーハ
の歩留り向上、加工処理条件の迅速な設定、ロット管理
の能率向上が図れる。
【0015】さらに本発明の工程管理方法を、前記イ
ンゴットのスライス工程におけるスライス装置が、マル
チワイヤーソーの場合に適用すれば、マルチワイヤーソ
ーでは特に一度に大量にウエーハが切り出されるので、
ウエーハの生産性向上、歩留向上を図るのに有用であ
る。
【0016】次に、本発明は、インゴットをスライスし
て得たウエーハに、ラップ−面取り−エッチング−鏡面
研磨−洗浄−検査−出荷の各単位工程処理を施して半導
体シリコン単結晶ウエーハを製造する主工程において、
ウエーハを一時的に保管するストッカーを設けて、ウエ
ーハ単位のロット管理を可能としたことを特徴とする半
導体シリコン単結晶ウエーハの工程管理システムであ
る。
【0017】このように、各単位工程間にウエーハを一
時的に保管するストッカーを設けたことにより、インゴ
ット単位のロット管理からウエーハ単位のロット管理を
可能とするシステムを作ることができる。そして、ウエ
ーハ単位のロット管理をすれば、各単位工程間の処理能
力の差を吸収して、全工程を一定速度で加工処理するこ
とができ、また、保管中のウエーハはストッカーに併設
した副工程に回して待機時間を短縮したり、無くすよう
にすることができる。
【0018】そして、このストッカーの位置を、少なく
とも、スライス後と出荷前とに配置し、或は少なくと
も、スライス後の当て板剥離洗浄後と、最終洗浄前とに
配置したシステムとする。このように、スライス後と出
荷前にストッカーを配置すれば、一度に大量のウエーハ
が出るスライス工程後にウエーハ単位のロット管理を可
能とすることができる。そして、さらに前記主工程の
内、加工処理能力の高い工程の後、或は加工処理能力の
低い工程の前にストッカーを配置すれば、ストッカーを
バッファとして使用することができ、主工程の加工処理
速度を、より効率化、一定化することができる。
【0019】そして、本発明では、前記主工程を構成す
る各単位工程の内、最初のA工程におけるウエーハの1
バッチ処理数をa(枚)、B工程における1バッチ処理
数をb(枚)、………最終F工程における1バッチ処理
数をf(枚)とした時、全工程内1ロットの大きさL
(枚)を、A工程からF工程に至る各単位工程の1バッ
チ処理数の最小公倍数として管理が可能になるようにし
た。
【0020】また、各単位工程の1バッチ処理数の最大
公約数がG(枚)で表されるものとした時、ウエーハを
少なくともG枚収納するカセットを最小単位ロットとし
て、単位工程への搬出入、加工処理およびストッカーへ
の取り込み、保管、払い出しを行い、この最小単位ロッ
トG(枚)を前記全工程内ロットL(枚)のサブロット
として、全工程間のウエーハ処理速度の制御、管理が可
能となるシステムを構築した。
【0021】このように、ウエーハの加工処理ロットの
大きさを決め、ロットを編成することにより、インゴッ
ト1本−1ロット管理から一定数のウエーハ−1ロット
管理が可能となったため、各単位工程の処理速度に対し
て弾力的に対応可能となり、全工程を一定速度で効率的
に運転することができる。
【0022】また、本発明は、前記ストッカーに保管中
の待機時間内に、主工程に併設した副工程において、最
小単位ロットG毎に、副工程の加工処理を行い、ロット
再編成を行うようにし、さらに、この副工程を、結晶方
位測定、品質検査、面取りを行う工程とした。
【0023】このようにすれば、主工程においては、最
小単位ロットG毎に、各単位工程間を停滞或は空白を生
じることなく円滑に流れ、副工程においても、従来は主
工程内に組み込まれていた加工処理が、時間のロスなく
行うことが可能となる。
【0024】そして、本発明は、インゴット1本から切
り出されるウエーハの枚数をS(枚)とし、最小単位ロ
ットの大きさG(枚)の整数倍をnGとすると、正規の
ロットを構成することのできない端数ウエーハR(枚)
は次式で表され、 R=(S−nG) (ここに、S>nGである) 各インゴットから発生する端数ウエーハRa、Rb……
Rfは、まとめてダミー用ウエーハとして加工処理工程
に流すことを特徴とする半導体シリコン単結晶ウエーハ
の工程管理システムである。このようにすれば、端数ウ
エーハの発生を最小限にとどめることができ、製品ウエ
ーハの歩留り向上、加工処理条件の迅速な設定、ロット
管理の能率向上が図れる。
【0025】さらに本発明の工程管理システムを、前
記インゴットのスライス工程におけるスライス装置が、
マルチワイヤーソーの場合に適用すれば、マルチワイヤ
ーソーでは特に一度に大量のウエーハが切り出されるの
で、ウエーハの生産性向上、歩留向上を図るのに有用で
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基ずいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。本発明者等は、従来の半導体シリコ
ン単結晶ウエーハの工程管理方法およびシステムにおい
ては、ロット構成がインゴット1本単位であり、その順
番通りにウエーハ1枚毎に直列的に加工処理されるた
め、単位工程の1バッチ処理数のバラツキに対応するの
が難しく、1バッチ最低処理数の単位工程の処理速度に
合せていたため極めて非能率的であった工程管理を改良
するには、各単位工程間に、ウエーハを一時的保管する
ストッカーを設けて、ウエーハ単位のロット管理、例え
ば、カセット単位で管理をすればよいことを発想し、本
発明を完成させたものである。
【0027】本発明の半導体シリコン単結晶ウエーハの
加工処理工程の一例を図1に示す。先ず、本発明の前工
程では、顧客からのオーダーを受注した時点でシリコン
単結晶インゴットを受入れ、各インゴットにオーダー
(または受注)番号とインゴットロット番号を記入し、
これらの番号を基にしてインゴット用ストッカーに保管
し、次工程のスライス工程への払い出し指令があるまで
待機させる。この待ち時間を利用して、スライスのため
の準備としてストッカーの副工程として設けた、インゴ
ットの結晶方位測定、およびスライス時のウエーハ落下
防止のための当て板およびワークプレートの接着を行
い、再度ストッカーに保管しておく。
【0028】次に、本発明のスライス工程に入るが、コ
ンピューターからの指示により、インゴットをスライス
工程に送り込み、各インゴットのブロック毎にウエーハ
に切断する。ここで、本発明の工程管理において使用す
るロットの概念を説明するが、上記のブロックを以下、
全工程内加工ロットと称し、下記のように定義する。前
記主工程を構成する各単位工程の内、最初のA工程にお
けるウエーハの1バッチ処理数をa(枚)、B工程にお
ける1バッチ処理数をb(枚)、………最終F工程にお
ける1バッチ処理数をf(枚)とした時、全工程内1ロ
ットの大きさL(枚)は、A工程からF工程に至る各単
位工程の1バッチ処理数の最小公倍数で表されるものと
する。
【0029】また、各単位工程の1バッチ処理数の最大
公約数がG(枚)で表されるものとした時、ウエーハを
少なくともG枚収納するカセットを最小単位ロットとし
て、単位工程への搬出入、加工処理およびストッカーへ
の取り込み、保管、払い出しを行い、この最小単位ロッ
トG(枚)を全工程内ロットL(枚)のサブロットとし
て、全工程間のウエーハ処理速度を制御、管理するよう
にした。
【0030】このようなロット構成にしたことにより、
下記ストッカーの配備と相まって、複数のインゴットか
ら切り出されたブロックすなわち全工程内ロットが混在
する状態でも或は最小単位ロットで混在する状態でもウ
エーハ加工処理が可能となり、従来のインゴット1本、
1ロットの管理方法およびシステムと比較して、最小単
位ロット毎に、停滞、空白を生じることなく円滑に流れ
るため、処理速度は格段に向上し、操業は安定化、効率
化し、ひいては製品歩留が向上した。
【0031】スライスして得られたウエーハは、当て
板、ワークプレートを剥離し、洗浄工程を経て、上記ロ
ット構成方法に従って、最小単位ロットに仕立てられ、
ストッカーに収納される。
【0032】本発明のもう一つの特徴は、ウエーハを一
時的に保管するストッカーを設けて前記ウエーハ単位の
ロット管理をすることである。このストッカーの配置場
所は、各単位工程間の1バッチ処理能力に差があり、カ
セットが滞留している間に、二次的な加工処理や品質抜
取り検査等が可能な場所に設置することになるが、少な
くともスライス後と、出荷前とし、特に、少なくとも、
カセットストッカーと称して、スライス後の当て板剥離
洗浄後、およびクリーンストッカーと称して、最終洗浄
前とするのがよい。カセットストッカーは最小単位ロッ
ト管理の最初の出発点となり、クリーンストッカーは出
荷直前の製品ロット編成場所として重要な意味がある。
【0033】副工程の例としては、前記カセットストッ
カーに並列して、結晶方位測定、一次面取り工程を、ク
リーンストッカーに並列して、出荷用製品ロットに再編
成するためのコンパイル工程を、設けることによって生
産効率のよいシステム化を図った。
【0034】前記カセットストッカー保管時に、副工程
において方位測定、一次面取りを終えたウエーハは、全
工程内ロット単位で、ラップ−二次面取り−エッチング
−鏡面面取り−鏡面研磨(一次研磨−二次研磨−仕上げ
研磨)−一次洗浄−検査、から成る主工程を移動し、各
単位工程では、最小単位ロットで加工処理され、クリー
ンストッカーに保管される。
【0035】ここでは、製品規格に基ずく品質検査結果
を見て、合否判定し、不合格品は最小単位ロットにまと
めて鏡面研磨工程に戻して再加工する。合格品は副工程
で最小単位ロットを再編成した後、最終洗浄−包装−出
荷の主工程を経て顧客に届けられる。
【0036】前記各単位工程は、自己完結型で、ウエー
ハをカセットで受入れ、カセットで払い出すシステムを
採っている。例えば、図2に鏡面面取りの場合を示した
ように、鏡面面取り工程では、工程入口に副工程間バッ
ファストッカーを配設し、そこへは、前工程のエッチン
グ工程から主工程AGV(自動搬送装置)によって全工
程内ロット単位でウエーハが搬送されて保管される。鏡
面面取り工程内では、バッファストッカーから工程内A
GVで所定のカセットを取り出し、鏡面面取り装置にセ
ットし、カセット単位で加工処理し、加工が済むと洗浄
および工程内検査を行って、再度バッファストッカーに
収納される。工程内でのカセットの移動は、工程内AG
Vにより、連続的に加工のタイミングを見計らって行わ
れる。
【0037】前記スライス工程において、インゴット1
本から切り出されるウエーハの数をS(枚)とし、最小
単位ロットの大きさG(枚)の整数倍をnGとすると、
正規のロットを構成することのできない端数ウエーハR
(枚)は次式で表され、 R=(S−nG) (ここに、S>nGである) 各インゴットから発生する端数ウエーハRa 、Rb ……
f は、まとめてダミー用ウエーハとして加工工程に流
すことによって、ウエーハロスの削減を図っている。ダ
ミー用ウエーハは、加工処理条件の設定、調整に不可欠
なものとして有効に利用される。
【0038】本発明の工程管理方法および工程管理シス
テムに適用されるハードは、公知の内周刃切断機、マル
チワイヤーソー、ラップ盤、エッチング装置、研磨盤、
洗浄装置等の単体加工機、ベルトコンベア、ローラーコ
ンベア、ターンテーブル、自動連結解放台車、ハンドリ
ングロボット等を組み合わせた搬送装置、位置センサ
ー、タイマー、制御用コンピューター等の自動運転制御
機器を目的に応じて適宜組み合わせて、いわゆるAGV
(自動搬送装置)を組み立てることができる。
【0039】中でもインゴットのスライス工程における
スライス装置には、内周刃切断装置が主流を占めてきた
が、インゴットの大口径化には追随できず、生産性の高
いマルチワイヤーソーにとって代わられつつあり、本発
明は、このマルチワイヤーソーの特性、能力を充分発揮
させて生産性を高め、物と時間のロスをできるだけ減少
させようというシステムである。このマルチワイヤーソ
ーをスライス工程に用いると、一度に大量のウエーハが
スライスされるので、本発明のように、ウエーハ単位で
ロット管理するシステムが特に有用となる。
【0040】また、ストッカーは、流通するカセットの
搬出入に適合したものであれば形式を問わないが、棚、
引き出し、箱等、前記単体加工機、搬送装置の特性にマ
ッチしたものが選択される。また、滞留時間が長くなる
場合にはクリーン度に配慮する必要がある。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例)単位工程Aでのウエーハの1バッチ処理数を
20枚、B工程では15枚、A、B以外の他の単位工程
では10枚であるとすると、全工程内ロットの大きさ
は、これらの最小公倍数のL=60枚となる。また、最
小単位ロットの大きさは、これらの最大公約数のG=1
0枚となり、主工程と副工程から成る全工程をメインロ
ット60枚、サブロット10枚で加工処理した。また、
図1に示したようにストッカーは、スライス−当て板剥
離洗浄後ラップ前にカセットストッカー、および最終検
査後、最終洗浄前にクリーンストッカーを設置して、夫
々副工程において、方位測定、一次面取りを、或はロッ
ト再編成を行った。
【0042】別に比較例として従来の方式で、インゴッ
ト1本を1ロットとして、図3に示したストッカーのな
いフローで流した。この試験操業の結果、比較例では今
まで、インゴット投入から出荷までのリードタイムが、
14日間(稼働日数)掛かっていたものが、本発明の実
施例ではその約60%の8.5日間(稼働日数)までに
短縮できた。
【0043】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0044】例えば、上記説明ではストッカーの配置場
所を、主工程ではカセットストッカー、クリーンストッ
カーとし、或は、副工程では鏡面面取り工程のバッファ
ストッカーとして、それぞれ個別に説明したが、これら
の配置は同時に実施してもよく、配置場所、配置数を任
意に変更することもできる。また、別の単位工程の加工
機のバッチ処理能力が変わった場合に、設置効果が大き
いバッファストッカーを設けることになるが、その配置
場所、配置数等については弾力的に対応することが可能
である。
【0045】また、本発明では、シリコン単結晶を製造
する工程として、ラップ−面取り−エッチング−鏡面研
磨−洗浄−検査−出荷の各単位工程を挙げたが、これは
主な工程を単に列記したに過ぎず、本発明はこのような
工程順で、このような単位工程を具備している場合にの
み限定されるものではなく、これらの工程間には種々の
別の工程が存在し得るし、また、工程順についても、目
的に応じて変更可能であり、あるいは、一部工程が省略
されることもある。本発明は、そのような場合において
も、当然に適用可能で、有効な管理方法、管理システム
であることは言うまでもなく、本発明はこのような場合
も包含するものである。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、主工程を構成する単位
工程間の要所にストッカーを配置してウエーハ単位のロ
ット管理としたことにより、ウエーハの工程間の滞留、
空白が解消できて、加工処理速度が一定となり、また、
加工処理ロットの大きさを、全工程内ロットと最小単位
ロットの大小二段階に設定したことにより、複数インゴ
ットから作製されるウエーハの最小単位ロットが混在す
る状態での加工処理が可能となり、さらに、ストッカー
配置場所には副工程を設けて二次的加工処理や品質検査
を行うこともでき、全工程の生産性が総合的に向上し、
歩留の向上、操業の安定化、品質管理の徹底が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体単結晶ウエーハの加工処理工程
を示す流れ図である。
【図2】本発明の単位工程内(鏡面面取り)のフローの
一例を示す摸式図である。
【図3】従来の半導体単結晶ウエーハの加工処理工程の
一例を示す流れ図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/02 H01L 21/68 H01L 21/304

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インゴットをスライスして得たウエーハ
    に、ラップ−面取り−エッチング−鏡面研磨−洗浄−検
    査−出荷の各単位工程処理を施して半導体シリコン単結
    晶ウエーハを製造する主工程において、ウエーハを一時
    的に保管するストッカーを設け、該ストッカーの位置
    を、少なくとも、スライス後の当て板剥離洗浄後と、最
    終洗浄前とに配置してウエーハ単位のロット管理をする
    ことを特徴とする半導体シリコン単結晶ウエーハの工程
    管理方法。
  2. 【請求項2】 前記主工程を構成する各単位工程の内、
    最初のA工程におけるウエーハの1バッチ処理数をa
    (枚)、B工程における1バッチ処理数をb(枚)、…
    ……最終F工程における1バッチ処理数をf(枚)とし
    た時、全工程内1ロットの大きさL(枚)は、A工程か
    らF工程に至る各単位工程の1バッチ処理数の最小公倍
    数とする、ことを特徴とする請求項1に記載した半導体
    シリコン単結晶ウエーハの工程管理方法。
  3. 【請求項3】 各単位工程の1バッチ処理数の最大公約
    数がG(枚)で表されるものとした時、ウエーハを少な
    くともG枚収納するカセットを最小単位ロットとして、
    単位工程への搬出入、加工処理およびストッカーへの取
    り込み、保管、払い出しを行い、この最小単位ロットG
    (枚)を全工程内ロットL(枚)のサブロットとして、
    全工程間のウエーハ処理速度を制御、管理する、ことを
    特徴とする請求項に記載した半導体シリコン単結晶ウ
    エーハの工程管理方法。
  4. 【請求項4】 前記ストッカーに保管中の待機時間内
    に、主工程に併設した副工程において、前記最小単位ロ
    ット毎に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を行
    う、ことを特徴とする請求項に記載した半導体シリコ
    ン単結晶ウエーハの工程管理方法。
  5. 【請求項5】 前記副工程が、結晶方位測定、品質検
    査、面取りである、ことを特徴とする請求項に記載し
    た半導体シリコン単結晶ウエーハの工程管理方法。
  6. 【請求項6】 インゴット1本から切り出されるウエー
    ハの枚数をS(枚)とし、最小単位ロットの大きさG
    (枚)の整数倍をnGとすると、正規のロットを構成す
    ることのできない端数ウエーハR(枚)は次式で表さ
    れ、 R=(S−nG) (ここに、S>nGである) 各インゴットから発生する端数ウエーハRa、Rb……
    Rfは、まとめてダミー用ウエーハとして加工処理工程
    に流すことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか
    1項に記載した半導体シリコン単結晶ウエーハの工程管
    理方法。
  7. 【請求項7】 前記インゴットのスライス工程における
    スライス装置が、マルチワイヤーソーである請求項1〜
    請求項のいずれか1項に記載した半導体シリコン単結
    晶ウエーハの工程管理方法。
  8. 【請求項8】 インゴットをスライスして得たウエーハ
    に、ラップ−面取り−エッチング−鏡面研磨−洗浄−検
    査−出荷の各単位工程処理を施して半導体シリコン単結
    晶ウエーハを製造する主工程において、ウエーハを一時
    的に保管するストッカーを設け、該ストッカーの位置
    を、少なくとも、スライス後の当て板剥離洗浄後と、最
    終洗浄前とに配置してウエーハ単位のロット管理を可能
    としたことを特徴とする半導体シリコン単結晶ウエーハ
    の工程管理システム。
  9. 【請求項9】 前記主工程を構成する各単位工程の内、
    最初のA工程におけるウエーハの1バッチ処理数をa
    (枚)、B工程における1バッチ処理数をb(枚)、…
    ……最終F工程における1バッチ処理数をf(枚)とし
    た時、全工程内1ロットの大きさL(枚)は、A工程か
    らF工程に至る各単位工程の1バッチ処理数の最小公倍
    数とする、ことを特徴とする請求項8に記載した半導体
    シリコン単結晶ウエーハの工程管理システム。
  10. 【請求項10】 各単位工程の1バッチ処理数の最大公
    約数がG(枚)で表されるものとした時、ウエーハを少
    なくともG枚収納するカセットを最小単位ロットとし
    て、各単位工程への搬出入、加工処理およびストッカー
    への取り込み、保管、払い出しを行い、この最小単位ロ
    ットG(枚)を全工程内ロットL(枚)のサブロットと
    して、全工程間のウエーハ処理速度の制御、管理を可能
    とした、ことを特徴とする請求項に記載した半導体シ
    リコン単結晶ウエーハの工程管理システム。
  11. 【請求項11】 前記ストッカーに保管中の待機時間内
    に、主工程に併設した副工程において、前記最小単位ロ
    ット毎に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を行う
    ようにした、ことを特徴とする請求項10に記載した半
    導体シリコン単結晶ウエーハの工程管理システム。
  12. 【請求項12】 前記副工程が、結晶方位測定、品質検
    査、面取りである、ことを特徴とする請求項11に記載
    した半導体シリコン単結晶ウエーハの工程管理システ
    ム。
  13. 【請求項13】 インゴット1本から切り出されるウエ
    ーハの枚数をS(枚)とし、最小単位ロットの大きさG
    (枚)の整数倍をnGとすると、正規のロットを構成す
    ることのできない端数ウエーハR(枚)は次式で表さ
    れ、 R=(S−nG) (ここに、S>nGである) 各インゴットから発生する端数ウエーハRa、Rb……
    Rfは、まとめてダミー用ウエーハとして加工処理工程
    に流すことを特徴とする請求項〜請求項12のいずれ
    か1項に記載した半導体シリコン単結晶ウエーハの工程
    管理システム。
  14. 【請求項14】 前記インゴットのスライス工程におけ
    るスライス装置が、マルチワイヤーソーである請求項
    〜請求項13のいずれか1項に記載した半導体シリコン
    単結晶ウエーハの工程管理システム。
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