JP3909913B2 - 半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法および工程管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体シリコン単結晶インゴットをスライスして単結晶ウエーハを製造する工程であって、インゴットを受け入れてからスライスするまでの工程における、製造工程管理方法およびそのシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体シリコン単結晶ウエーハは、一般的には、図2にその主な工程を示したように、インゴットで受け入れ、これを、結晶方位測定−当て板接着−スライス−当て板剥離洗浄する直列の各工程で加工処理され、さらに、ラップ−面取り−エッチング−鏡面研磨−洗浄−検査−品質保証−包装等の主工程を経て出荷されている。これらの工程間には、種々の副工程が存在し、また、工程順についても、図2に示したものに限られず、目的によって種々変更が行われている。
【0003】
このような、従来のウエーハ製造工程では、前半に行われる主工程であるスライス工程がインゴット毎に行われるため、加工処理単位としてインゴット1本を1ロットと見做していた。従って、インゴットの長さによりロットの大きさに大きなバラツキがある上、1ロットの大きさが50枚程度〜数百枚と非常に大きく、後続の各工程の1バッチ処理数が、枚葉処理から数十枚処理まで処理数が小さい上にまちまちなので、単位時間当たり最低処理数の工程が律速段階となり、それに拘束された加工処理速度になるため、1ロットを加工処理するのに各工程間で滞留したり、逆に空白時間ができたりして必ずしも能率的な工程管理が行われているとは言えなかった。
【0004】
また、近年インゴットの大口径化、長尺化に伴い、スライス装置が内周刃切断機から能率の高いマルチワイヤーソーに代わってきたため、1本のインゴットを1ロットとしてスライスする工程管理方法および管理システムでは、複数のインゴットから作製される長短ブロックが同時に混在する状態では効率的に加工処理することが難しく、各工程の処理速度を調整することが困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、インゴットの加工処理に当たり、各工程における滞留、空白を解消し、複数のインゴットから切り出される長短ブロックを同時に加工処理して、加工処理工程の稼働率の向上と操業の安定化を図ることを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、本発明は、半導体単結晶インゴットをスライスして半導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、インゴットを受け入れてからスライスするまでの主工程において、受け入れたインゴットを一時的に保管するストッカーを設けて、インゴットのロット管理をする、ことを特徴とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法である。
【0007】
このように、インゴットを受け入れてからスライスするまでの主工程において、インゴットを一時的に保管するストッカーを設けたことにより、種々の長さのインゴット或はインゴットから切り出された長短ブロックについて、インゴットのロット管理をすることができる。そして、インゴットのロット管理をすれば、インゴットを受け入れてからスライスするまでの工程における主工程間の処理能力の差を吸収して、各工程を一定速度で加工処理することができ、また、保管中のインゴットはストッカーに併設した副工程に回して待機時間を短縮したり、無くすようにすることができる。
【0008】
そして、このストッカーの位置を、少なくとも、インゴット受入れ後とスライス前とに配置するようにした。
このように、インゴット受入れ後とスライス前とにストッカーを配置すれば、インゴットのロット管理ができ、種々の長さのインゴット或は複数のインゴットから切り出された長短ブロックについて、主工程、副工程の運転状況に対応したロット編成、工程管理が可能となる。さらに加工処理能力の高い工程の後、或は加工処理能力の低い工程の前にストッカーを配置すれば、ストッカーをバッファとして使用することができ、各工程の加工処理速度を、より効率化、一定化することができる。
【0009】
そして、本発明では、前記ストッカーに受け入れたインゴットを所定長さのブロックに切断する際に、受け入れたインゴットの長さをL、使用するスライス装置の切断仕様最大長さをM、長さMに満たない短尺ブロックの長さをRとした時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッカーに戻されてインゴットのロットに編成されて副工程に回され、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカーに保管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて当て板で接合し、長尺ブロックに仕立ててインゴットのロットに編成してから、副工程に回すことによって、各工程間のインゴット処理速度を制御、管理するようにした。
【0010】
このように、標準ブロック、長尺ブロック、短尺ブロックから成るインゴットの加工処理ロットの大きさを決め、インゴットのロットを編成することにより、インゴット1本−1ロット管理のみしかできなかったものを、複数のブロックから成るインゴット−1ロット管理をも可能となったため、各工程の処理速度に対して弾力的に対応可能となり、各工程を一定速度で効率的に運転することができる。
【0011】
また、本発明は、前記ストッカーに保管中の待機時間内に、主工程に併設した副工程において、前記インゴットのロット毎に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を行うことができ、さらに、この副工程を、ブロック作製、結晶方位測定、当て板接着、当て板溝加工、品質検査を行う工程とした。
【0012】
このようにすれば、主工程においても、副工程においても、複数のブロックから成るインゴットのロット毎に、各工程間を停滞或は空白を生じることなく円滑に流れ、特に、副工程においては、従来は主工程内に組み込まれていた加工処理が、時間のロスなく行うことが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の工程管理方法を、前記インゴットのスライス工程におけるスライス装置が、マルチワイヤーソーの場合に適用すれば、マルチワイヤーソーでは、短尺のブロックを切り出したのでは、無駄が大きく、長尺ブロックに仕立てる必要が大きいため、特に有用である。
【0014】
次に、本発明は、半導体シリコン単結晶インゴットをスライスして半導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、インゴットを受け入れてからスライスするまでの主工程において、受け入れたインゴットを一時的に保管するストッカーを設けて、インゴットのロット管理を可能としたことを特徴とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理システムである。
【0015】
このように、インゴットを受け入れてからスライスするまでの主工程において、インゴットを一時的に保管するストッカーを設けたシステムを構築したことにより、種々の長さのインゴット或はインゴットから切り出されたブロックについて、インゴットのロット管理をすることができる。そして、インゴットのロット管理をすれば、インゴットを受け入れてからスライスするまでの工程における主工程間の処理能力の差を吸収して、各工程を一定速度で加工処理することができ、また、保管中のインゴットはストッカーに併設した副工程に回して待機時間を短縮したり、無くすようにすることができる。
【0016】
そして、このストッカーの位置を、少なくとも、インゴット受け入れ後とスライス前とに配置したシステムとすることができる。
このように、インゴット受入れ後とスライス前とにストッカーを配置すれば、インゴットのロット管理ができ、種々の長さのインゴット或は複数のインゴットから切り出されたブロックについて、主工程、副工程の運転状況に対応したロット編成、工程管理が可能となる。さらに加工処理能力の高い工程の後、或は加工処理能力の低い工程の前にストッカーを配置すれば、ストッカーをバッファとして使用することができ、各工程の加工処理速度を、より効率化、一定化することができる。
【0017】
そして、本発明は、前記ストッカーに受け入れたインゴットを所定長さのブロックに切断する際に、受け入れたインゴットの長さをL、使用するスライス装置の切断仕様最大長さをM、長さMに満たない短尺ブロックの長さをRとした時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッカーに戻されてインゴットのロットに編成されて副工程に回され、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカーに保管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて当て板で接合し、長尺ブロックに仕立ててインゴットのロットに編成してから、副工程に回すことによって各工程間のインゴット処理速度を制御、管理することを可能とした、半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理システムである。
【0018】
このように、標準ブロック、長尺ブロック、短尺ブロックから成るインゴットの加工処理ロットの大きさを決め、インゴットのロットを編成することにより、インゴット1本−1ロット管理のみしかできなかったものを、複数のブロックから成るインゴット−1ロット管理をも可能となったため、各工程の処理速度に対して弾力的に対応可能となり、各工程を一定速度で効率的に運転することができる。
【0019】
また、本発明は、前記ストッカーに保管中の待機時間内に、主工程に併設した副工程において、前記インゴットのロット毎に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を行うことができ、さらに、この副工程を、ブロック作製、結晶方位測定、当て板接着、当て板溝加工、品質検査を行う工程とした。
【0020】
このようなシステムにすれば、主工程においても、副工程においても、複数のブロックから成るインゴットのロット毎に、各工程間を停滞或は空白を生じることなく円滑に流れ、特に副工程においては、従来は主工程内に組み込まれていた加工処理が、時間のロスなく行うことが可能となる。
【0021】
さらに、本発明の工程管理システムを、前記インゴットのスライス工程におけるスライス装置が、マルチワイヤーソーの場合に適用すれば、マルチワイヤーソーでは、短尺のブロックを切り出したのでは、無駄が大きく、長尺ブロックに仕立てる必要が大きいため、特に有用である。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者等は、従来の半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法およびシステムであって、ロット構成がインゴット1本であり、その順番通りにウエーハ1枚づつにスライス加工処理されるため、種々の長さのインゴット或は複数のインゴットから作製される長短ブロックを同時に混在する状態で加工処理することが難しく、また、各工程の加工処理速度を調整することが困難で、極めて非能率的であった工程管理を改良するには、各工程間に、インゴットを一時的に保管するストッカーを設けて、インゴットのロット管理をすればよいことを発想し、本発明を完成させたものである。
【0023】
本発明の半導体シリコン単結晶インゴットの加工処理工程の一例を図1に示す。
本発明の最初のインゴット受け入れ工程では、先ず、顧客から受注したオーダー仕様に合致するシリコン単結晶インゴットを受入れ、各インゴットにオーダー(または受注)番号とインゴットロット番号を記入し、重量、長さ等を測定し、これらのデータをデータベースに入力、保存し、これらのロット番号を基にしてインゴット用ストッカーに保管し、次工程のワークプレート接着工程への払い出し指令があるまでストッカーに待機させる。
【0024】
この待ち時間を利用して、スライスの前工程であり、ストッカーの副工程として設けた、ブロック作製、結晶方位測定、およびスライス時のウエーハ落下防止のための当て板接着、および短尺ブロックを当て板で接合して長尺ブロックを作製する等の各工程でインゴットの加工処理を行うようにする。
これら副工程間の物流を円滑に行うために、主工程と副工程間または各副工程間にバッファストッカーを配置することもできる。
【0025】
副工程の内、先ず、ブロック作製工程では、受け入れたインゴットをスライス装置のスライス能力に合せた長さに切断する。例えば、マルチワイヤーソーの場合には、受け入れたインゴットの長さをL、使用するスライス装置の切断仕様最大長さをM、長さMに満たない短尺ブロックの長さをRとした時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッカーに戻されてインゴットのロットに編成されて次の副工程に回され、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカーに保管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて当て板で接合し、長尺ブロックに仕立ててインゴットのロットに編成してから、次の副工程に回すことによって各工程間のインゴット処理速度を制御、管理するようにしている。
【0026】
ブロック作製の次は、ブロックの結晶方位測定とブロックの当て板接着工程である。ストッカーから引き出されたブロックは、先ず、例えば、特開平8−294914号公報に開示されているような、結晶方位測定装置で結晶方位を測定した後、スライス時のウエーハの落下を防止するための当て板を接着剤で接着する。当て板の接着を終えたインゴット或はブロックは、接着剤が充分硬化するまで一旦ストッカーに戻して保管する。
【0027】
当て板は、通常、マルチワイヤーソーのインゴット切断仕様長さにほぼ統一されているが、これより若干長くても(インゴット切断仕様長さ+10mm程度)問題なく切断できるようになっている。
当て板の材質としては、ガラス、グラファイトビーム等が使用される。
また、当て板の接着剤は、硬化時間が短かく、ノッチ(溝)加工の際にインゴットの位置ずれを起こさない接着強度の高いものがよく、二液性エポキシ系接着剤、例えば、アピボンド#2410(大智化学産業(株)製商品名)等が好ましい。
別の当て板接着方法としては、受入れたインゴットに付いているノッチを基準として、[インゴットの長さ+α(両端で10mm程度)]の長さに合せて切断した当て板を前記のような接着剤で接着してもよい。
【0028】
この当て板接着工程では、前記した短尺ブロックを長尺ブロックに仕立てる加工処理も行っている。前記したように、例えば、マルチワイヤーソーの切断仕様最大長さMに満たない長さRの短尺ブロックをそのまま切断したのでは、マシンの能力をフルに活用しないので能率が悪いものとなる。そこで結晶方位の揃った短尺ブロック同士を当て板で接合して長尺ブロックに仕立ててからスライスすることになる。ここで長尺ブロックとは、出来るだけ長さMに仕立てるのが良く、特に、スライス装置がマルチワイヤーソーの場合には、その切断仕様に示された最大能力を充分に活用することができる。
【0029】
そして、これらのブロックは、インゴットの長さ、結晶方位、先入れ先出し方式、ウエーハの出荷納期、或は内周刃切断機、マルチワイヤーソー等のスライス装置別等のロット編成条件によって、仕分けされ、ロットを再編成し、ストッカーに保管される。
【0030】
次は、主工程のワークプレート接着工程に入る。ここでは、スライス装置のセンター軸と平行になるように、当て板の平坦部にワークプレート接着用の位置決めのための、いわゆるノッチ(凹形部)と呼ばれる溝を加工する。
インゴットの位置ずれを起こさない程度に接着剤が硬化したら、再び、ストッカーからインゴットを呼び出し、インゴットの結晶方位測定をX方向(切断方向)とY方向(ワイヤーの走行方向)について行い、XとYとの合成方位のずれに対して、切断時に所定のウエーハ方位が得られるように、当て板を研削加工して所定の傾斜面を得る。その後、スライス装置のセンター軸と平行になるように、当て板の平坦部にワークプレート接着用の位置決めノッチを加工する。例えば、当て板を長手方向500mmとし、傾斜角度が合成値で5度あるとしたら、約5mmの切断残り代を持った厚さとするのが適正である。
【0031】
ワークプレートの構造は、通常、当て板との接着面は平坦なものでよいが、マルチワイヤーソー用には、マルチ切断を可能とするためのインゴット位置決め用ノッチ(凸形部)を、当て板との平坦な接着面の中央に備えたものがよい。ワークプレートの接着の終わったインゴットは、再びストッカーに保管される。
【0032】
これから先の工程は、本発明の範疇外であるが、当然のことながら関連性があるので簡単に述べておく。
次工程は、スライス工程であって、前記ストッカーから呼び出されたインゴットは、一般的にはマルチワイヤーソーか内周刃切断機でウエーハに切断される。その後は、ラップ−面取り−エッチング−研磨−洗浄−検査−出荷の各工程を経て製品として顧客に送られる。
本発明のインゴットのロット管理方法およびシステムは、次工程のスライス工程に引き継がれることになるが、特に、最近のマルチワイヤーソーに対応したものとなっているので、前記したように、種々の長さのインゴット、標準ブロック、長尺ブロックから成るインゴットも、マルチワイヤーソーの能力を最大限発揮してスライスするように構成されている。
【0033】
すなわち、前記のようなロット構成にしたことにより、下記ストッカーの配備と相まって、複数のインゴットから切り出された、マルチワイヤーソーの切断仕様最大長さMの標準ブロックから成るロットでも、短尺ブロックを接合した長尺ブロックから成るロットでも、或はこれらが混在するロットでもスライス加工処理が可能となり、従来のインゴット1本、1ロットの管理方法およびシステムと比較して、ロット毎に、停滞、空白を生じることなく円滑に流れるため、処理速度は格段に向上し、操業は安定化、効率化し、ひいては製品歩留が向上する。
【0034】
以上本発明をインゴット受け入れからスライスまで工程順に説明したが、本発明の最大の特徴は、インゴットを一時的に保管するストッカーを設けて前記インゴットのロット管理を行うシステムを構築し、効率的な工程管理を行うことである。
【0035】
このストッカーの配置場所は、二次的な加工処理や品質検査等が必要な場所に設置することになるが、少なくともインゴット受入れ後と、次工程であるスライス工程前に設置するのが有効である。インゴット受入れ後のストッカーにおいては、副工程として、例えば、前記したブロック作製とインゴットの結晶方位測定と当て板の接着と当て板の溝(ノッチ)加工を行った後、ストッカーに戻してブロックから成るインゴットロットを編成する。
【0036】
スライス工程前のストッカーでは、当て板にワークプレートを接着したブロックから成るインゴットを受入れ、スライス工程からの指示により払い出すことになる。ここではスライス工程からの諸要請に対応できるロット編成を可能としており、このように、インゴットのロットを編成することによって、各工程間のインゴット処理速度を効率的に制御、管理することができる。
【0037】
前記各主工程は、自己完結型で、インゴット或はブロックを受入れ、インゴットロットを編成して払い出すシステムを採っている。例えば、インゴット用ストッカーでは、前工程のインゴット受入れ工程から主工程AGV(自動搬送装置)によってインゴットが搬送されて保管される。このインゴット用ストッカーの副工程内では、インゴット用ストッカーから工程内AGVで所定のインゴットを取り出し、ブロック作製、結晶方位を測定した後、当て板を接着し、当て板溝加工を施して再度インゴット用ストッカーに収納される。工程内でのインゴット或はブロックの移動は、工程内AGVにより、連続的に加工のタイミングを見計らって行われる。
【0038】
本発明の工程管理方法および工程管理システムに適用されるハードは、公知の内周刃切断機、マルチワイヤーソー等の単体加工機、ベルトコンベア、ローラーコンベア、ターンテーブル、自動連結解放台車、ハンドリングロボット等を組み合わせた搬送装置、位置センサー、タイマー、制御用コンピューター等の自動運転制御機器を目的に応じて適宜組み合わせて、いわゆるAGV(自動搬送装置)を組み立てることができる。
【0039】
中でも次工程のインゴットのスライス工程におけるスライス装置には、内周刃切断装置が主流を占めてきたが、インゴットの大口径化には追随できず、生産性の高いマルチワイヤーソーにとって代わられつつあり、本発明は、このマルチワイヤーソーの特性、能力を充分発揮させて生産性を高め、物と時間のロスをできるだけ減少させようというシステムである。
【0040】
また、ストッカーは、流通するインゴットの搬出入に適合したものであれば形式を問わないが、棚、引き出し、箱等、前記単体加工機、搬送装置の特性にマッチしたものが選択される。また、滞留時間が長くなる場合にはクリーン度に配慮する必要がある。
【0041】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0042】
例えば、上記説明ではストッカーの配置場所を、主工程ではインゴット受け入れ後のインゴット用ストッカー、スライス前のロット再編成用ストッカーとして、それぞれ個別に説明したが、これらの配置は同時に実施してもよく、配置場所、配置数を任意に変更することもできる。また、各工程の加工機のバッチ処理能力が変わった場合には、設置効果が大きいバッファストッカーを設けることになるが、その配置場所、配置数等については弾力的に対応することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、主工程を構成する工程間の要所にストッカーを配置してインゴットのロット管理を可能とするシステムを構築し、工程管理をするようにしたことにより、インゴットの工程間の滞留、空白が解消できて、加工処理速度が一定となり、さらに、ストッカーの配置場所には副工程を設けて二次的加工処理や品質検査を行うこともでき、全工程の生産性が総合的に向上し、歩留の向上、操業の安定化、品質管理の徹底が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体単結晶インゴットの加工処理工程の一例を示す流れ図である。
【図2】従来の半導体単結晶インゴットの加工処理工程の一例を示す流れ図である。
Claims (6)
- 半導体単結晶インゴットをスライスして半導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、少なくとも、スライス、ラップ、面取り、エッチング、鏡面研磨、洗浄、検査、及び包装の各工程を行う場合に、インゴットを受け入れてからスライスするまでにインゴットを一時的に保管するストッカーを設け、インゴットをスライスする前に、少なくとも、前記ストッカーに受け入れたインゴットを所定長さのブロックに切断する工程を行い、該ストッカーに受け入れたインゴットを所定長さのブロックに切断する際に、受け入れたインゴットの長さをL、使用するスライス装置の切断仕様最大長さをM、長さMに満たない短尺ブロックの長さをRとした時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッカーに戻されてブロックからなるインゴットロットに編成されて次の工程に回され、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカーに保管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて当て板で接合し、長尺ブロックに仕立ててブロックからなるインゴットロットに編成してから、次の工程に回すことによりロット管理をすることを特徴とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法。
- 前記ストッカーの位置を、少なくとも、インゴット受入れ後とスライス前とに配置した、ことを特徴とする請求項1に記載した半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法。
- 前記インゴットのスライス工程におけるスライス装置が、マルチワイヤーソーである請求項1または請求項2に記載した半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法。
- 半導体単結晶インゴットをスライスして半導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、少なくとも、スライス、ラップ、面取り、エッチング、鏡面研磨、洗浄、検査、及び包装の各工程を行う場合に、インゴットを受け入れてからスライスするまでにインゴットを一時的に保管するストッカーを設けて、インゴットをスライスする前に、少なくとも、前記ストッカーに受け入れたインゴットを所定長さのブロックに切断する工程を行い、該ストッカーに受け入れたインゴットを所定長さのブロックに切断する際に、受け入れたインゴットの長さをL、使用するスライス装置の切断仕様最大長さをM、長さMに満たない短尺ブロックの長さをRとした時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッカーに戻されてブロックからなるインゴットロットに編成されて次の工程に回され、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカーに保管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて当て板で接合し、長尺ブロックに仕立ててブロックからなるインゴットロットに編成してから、次の工程に回すロット管理を可能としたことを特徴とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理システム。
- 前記ストッカーの位置を、少なくとも、インゴット受入れ後とスライス前とに配置した、ことを特徴とする請求項4に記載した半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理システム。
- 前記インゴットのスライス工程におけるスライス装置が、マルチワイヤーソーである請求項4または請求項5に記載した半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理システム。
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