JPH10296716A - 半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法および工程管理システム - Google Patents

半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法および工程管理システム

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JPH10296716A
JPH10296716A JP12480597A JP12480597A JPH10296716A JP H10296716 A JPH10296716 A JP H10296716A JP 12480597 A JP12480597 A JP 12480597A JP 12480597 A JP12480597 A JP 12480597A JP H10296716 A JPH10296716 A JP H10296716A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 半導体単結晶インゴットから半導体単結晶ウ
エーハを製造する工程におけるインゴットの加工処理に
当たり、各工程における滞留、空白を解消し、複数のイ
ンゴットから切り出された短尺インゴットを同時に加工
処理して、加工処理工程の稼働率の向上と操業の安定化
を図ることを主目的とする。 【解決手段】 半導体単結晶インゴットをスライスして
半導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、インゴ
ットを受け入れてからスライスするまでの主工程におい
て、受け入れたインゴットを一時的に保管するストッカ
ーを設けて、インゴットのロット管理をすることを特徴
とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方法
および工程管理システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体シリコン単
結晶インゴットをスライスして単結晶ウエーハを製造す
る工程であって、インゴットを受け入れてからスライス
するまでの工程における、製造工程管理方法およびその
システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、半導体シリコン単結晶ウエー
ハは、一般的には、図2にその主な工程を示したよう
に、インゴットで受け入れ、これを、結晶方位測定−当
て板接着−スライス−当て板剥離洗浄する直列の各工程
で加工処理され、さらに、ラップ−面取り−エッチング
−鏡面研磨−洗浄−検査−品質保証−包装等の主工程を
経て出荷されている。これらの工程間には、種々の副工
程が存在し、また、工程順についても、図2に示したも
のに限られず、目的によって種々変更が行われている。
【0003】このような、従来のウエーハ製造工程で
は、前半に行われる主工程であるスライス工程がインゴ
ット毎に行われるため、加工処理単位としてインゴット
1本を1ロットと見做していた。従って、インゴットの
長さによりロットの大きさに大きなバラツキがある上、
1ロットの大きさが50枚程度〜数百枚と非常に大き
く、後続の各工程の1バッチ処理数が、枚葉処理から数
十枚処理まで処理数が小さい上にまちまちなので、単位
時間当たり最低処理数の工程が律速段階となり、それに
拘束された加工処理速度になるため、1ロットを加工処
理するのに各工程間で滞留したり、逆に空白時間ができ
たりして必ずしも能率的な工程管理が行われているとは
言えなかった。
【0004】また、近年インゴットの大口径化、長尺化
に伴い、スライス装置が内周刃切断機から能率の高いマ
ルチワイヤーソーに代わってきたため、1本のインゴッ
トを1ロットとしてスライスする工程管理方法および管
理システムでは、複数のインゴットから作製される長短
ブロックが同時に混在する状態では効率的に加工処理す
ることが難しく、各工程の処理速度を調整することが困
難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑みなされたもので、インゴットの加工処理に
当たり、各工程における滞留、空白を解消し、複数のイ
ンゴットから切り出される長短ブロックを同時に加工処
理して、加工処理工程の稼働率の向上と操業の安定化を
図ることを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明の請求項1に記載した発明は、半導体単
結晶インゴットをスライスして半導体単結晶ウエーハを
製造する工程であって、インゴットを受け入れてからス
ライスするまでの主工程において、受け入れたインゴッ
トを一時的に保管するストッカーを設けて、インゴット
のロット管理をする、ことを特徴とする半導体シリコン
単結晶インゴットの工程管理方法である。
【0007】このように、インゴットを受け入れてから
スライスするまでの主工程において、インゴットを一時
的に保管するストッカーを設けたことにより、種々の長
さのインゴット或はインゴットから切り出された長短ブ
ロックについて、インゴットのロット管理をすることが
できる。そして、インゴットのロット管理をすれば、イ
ンゴットを受け入れてからスライスするまでの工程にお
ける主工程間の処理能力の差を吸収して、各工程を一定
速度で加工処理することができ、また、保管中のインゴ
ットはストッカーに併設した副工程に回して待機時間を
短縮したり、無くすようにすることができる。
【0008】そして、このストッカーの位置を、少なく
とも、インゴット受入れ後とスライス前とに配置するよ
うにした(請求項2)。このように、インゴット受入れ
後とスライス前とにストッカーを配置すれば、インゴッ
トのロット管理ができ、種々の長さのインゴット或は複
数のインゴットから切り出された長短ブロックについ
て、主工程、副工程の運転状況に対応したロット編成、
工程管理が可能となる。さらに加工処理能力の高い工程
の後、或は加工処理能力の低い工程の前にストッカーを
配置すれば、ストッカーをバッファとして使用すること
ができ、各工程の加工処理速度を、より効率化、一定化
することができる。
【0009】そして、本発明では、前記ストッカーに受
け入れたインゴットを所定長さのブロックに切断する際
に、受け入れたインゴットの長さをL、使用するスライ
ス装置の切断仕様最大長さをM、長さMに満たない短尺
ブロックの長さをRとした時、長さMに切断された標準
ブロックは、ストッカーに戻されてインゴットのロット
に編成されて副工程に回され、一方、長さRの短尺ブロ
ックは一旦ストッカーに保管された後、結晶方位の合う
ものを組み合わせて当て板で接合し、長尺ブロックに仕
立ててインゴットのロットに編成してから、副工程に回
すことによって、各工程間のインゴット処理速度を制
御、管理するようにした(請求項3)。
【0010】このように、標準ブロック、長尺ブロッ
ク、短尺ブロックから成るインゴットの加工処理ロット
の大きさを決め、インゴットのロットを編成することに
より、インゴット1本−1ロット管理のみしかできなか
ったものを、複数のブロックから成るインゴット−1ロ
ット管理をも可能となったため、各工程の処理速度に対
して弾力的に対応可能となり、各工程を一定速度で効率
的に運転することができる。
【0011】また、本発明の請求項4に記載した発明
は、前記ストッカーに保管中の待機時間内に、主工程に
併設した副工程において、前記インゴットのロット毎
に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を行うことが
でき、さらに、この副工程を、ブロック作製、結晶方位
測定、当て板接着、当て板溝加工、品質検査を行う工程
とした(請求項5)。
【0012】このようにすれば、主工程においても、副
工程においても、複数のブロックから成るインゴットの
ロット毎に、各工程間を停滞或は空白を生じることなく
円滑に流れ、特に、副工程においては、従来は主工程内
に組み込まれていた加工処理が、時間のロスなく行うこ
とが可能となる。
【0013】さらに、請求項6に記載したように、本発
明の工程管理方法を、前記インゴットのスライス工程に
おけるスライス装置が、マルチワイヤーソーの場合に適
用すれば、マルチワイヤーソーでは、短尺のブロックを
切り出したのでは、無駄が大きく、長尺ブロックに仕立
てる必要が大きいため、特に有用である。
【0014】次に、本発明の請求項7に記載した発明
は、半導体シリコン単結晶インゴットをスライスして半
導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、インゴッ
トを受け入れてからスライスするまでの主工程におい
て、受け入れたインゴットを一時的に保管するストッカ
ーを設けて、インゴットのロット管理を可能としたこと
を特徴とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管
理システムである。
【0015】このように、インゴットを受け入れてから
スライスするまでの主工程において、インゴットを一時
的に保管するストッカーを設けたシステムを構築したこ
とにより、種々の長さのインゴット或はインゴットから
切り出されたブロックについて、インゴットのロット管
理をすることができる。そして、インゴットのロット管
理をすれば、インゴットを受け入れてからスライスする
までの工程における主工程間の処理能力の差を吸収し
て、各工程を一定速度で加工処理することができ、ま
た、保管中のインゴットはストッカーに併設した副工程
に回して待機時間を短縮したり、無くすようにすること
ができる。
【0016】そして、このストッカーの位置を、少なく
とも、インゴット受け入れ後とスライス前とに配置した
(請求項8)システムとすることができる。このよう
に、インゴット受入れ後とスライス前とにストッカーを
配置すれば、インゴットのロット管理ができ、種々の長
さのインゴット或は複数のインゴットから切り出された
ブロックについて、主工程、副工程の運転状況に対応し
たロット編成、工程管理が可能となる。さらに加工処理
能力の高い工程の後、或は加工処理能力の低い工程の前
にストッカーを配置すれば、ストッカーをバッファとし
て使用することができ、各工程の加工処理速度を、より
効率化、一定化することができる。
【0017】そして、本発明の請求項9に記載した発明
は、前記ストッカーに受け入れたインゴットを所定長さ
のブロックに切断する際に、受け入れたインゴットの長
さをL、使用するスライス装置の切断仕様最大長さを
M、長さMに満たない短尺ブロックの長さをRとした
時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッカーに
戻されてインゴットのロットに編成されて副工程に回さ
れ、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカーに保
管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて当て板
で接合し、長尺ブロックに仕立ててインゴットのロット
に編成してから、副工程に回すことによって各工程間の
インゴット処理速度を制御、管理することを可能とし
た、半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理システ
ムである。
【0018】このように、標準ブロック、長尺ブロッ
ク、短尺ブロックから成るインゴットの加工処理ロット
の大きさを決め、インゴットのロットを編成することに
より、インゴット1本−1ロット管理のみしかできなか
ったものを、複数のブロックから成るインゴット−1ロ
ット管理をも可能となったため、各工程の処理速度に対
して弾力的に対応可能となり、各工程を一定速度で効率
的に運転することができる。
【0019】また、本発明の請求項10に記載した発明
は、前記ストッカーに保管中の待機時間内に、主工程に
併設した副工程において、前記インゴットのロット毎
に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を行うことが
でき、さらに、この副工程を、ブロック作製、結晶方位
測定、当て板接着、当て板溝加工、品質検査を行う工程
とした(請求項11)。
【0020】このようなシステムにすれば、主工程にお
いても、副工程においても、複数のブロックから成るイ
ンゴットのロット毎に、各工程間を停滞或は空白を生じ
ることなく円滑に流れ、特に副工程においては、従来は
主工程内に組み込まれていた加工処理が、時間のロスな
く行うことが可能となる。
【0021】さらに、請求項12に記載したように、本
発明の工程管理システムを、前記インゴットのスライス
工程におけるスライス装置が、マルチワイヤーソーの場
合に適用すれば、マルチワイヤーソーでは、短尺のブロ
ックを切り出したのでは、無駄が大きく、長尺ブロック
に仕立てる必要が大きいため、特に有用である。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。本発明者等は、従来の半導体シリコ
ン単結晶インゴットの工程管理方法およびシステムであ
って、ロット構成がインゴット1本であり、その順番通
りにウエーハ1枚づつにスライス加工処理されるため、
種々の長さのインゴット或は複数のインゴットから作製
される長短ブロックを同時に混在する状態で加工処理す
ることが難しく、また、各工程の加工処理速度を調整す
ることが困難で、極めて非能率的であった工程管理を改
良するには、各工程間に、インゴットを一時的に保管す
るストッカーを設けて、インゴットのロット管理をすれ
ばよいことを発想し、本発明を完成させたものである。
【0023】本発明の半導体シリコン単結晶インゴット
の加工処理工程の一例を図1に示す。本発明の最初のイ
ンゴット受け入れ工程では、先ず、顧客から受注したオ
ーダー仕様に合致するシリコン単結晶インゴットを受入
れ、各インゴットにオーダー(または受注)番号とイン
ゴットロット番号を記入し、重量、長さ等を測定し、こ
れらのデータをデータベースに入力、保存し、これらの
ロット番号を基にしてインゴット用ストッカーに保管
し、次工程のワークプレート接着工程への払い出し指令
があるまでストッカーに待機させる。
【0024】この待ち時間を利用して、スライスの前工
程であり、ストッカーの副工程として設けた、ブロック
作製、結晶方位測定、およびスライス時のウエーハ落下
防止のための当て板接着、および短尺ブロックを当て板
で接合して長尺ブロックを作製する等の各工程でインゴ
ットの加工処理を行うようにする。これら副工程間の物
流を円滑に行うために、主工程と副工程間または各副工
程間にバッファストッカーを配置することもできる。
【0025】副工程の内、先ず、ブロック作製工程で
は、受け入れたインゴットをスライス装置のスライス能
力に合せた長さに切断する。例えば、マルチワイヤーソ
ーの場合には、受け入れたインゴットの長さをL、使用
するスライス装置の切断仕様最大長さをM、長さMに満
たない短尺ブロックの長さをRとした時、長さMに切断
された標準ブロックは、ストッカーに戻されてインゴッ
トのロットに編成されて次の副工程に回され、一方、長
さRの短尺ブロックは一旦ストッカーに保管された後、
結晶方位の合うものを組み合わせて当て板で接合し、長
尺ブロックに仕立ててインゴットのロットに編成してか
ら、次の副工程に回すことによって各工程間のインゴッ
ト処理速度を制御、管理するようにしている。
【0026】ブロック作製の次は、ブロックの結晶方位
測定とブロックの当て板接着工程である。ストッカーか
ら引き出されたブロックは、先ず、例えば、特開平8−
294914号公報に開示されているような、結晶方位
測定装置で結晶方位を測定した後、スライス時のウエー
ハの落下を防止するための当て板を接着剤で接着する。
当て板の接着を終えたインゴット或はブロックは、接着
剤が充分硬化するまで一旦ストッカーに戻して保管す
る。
【0027】当て板は、通常、マルチワイヤーソーのイ
ンゴット切断仕様長さにほぼ統一されているが、これよ
り若干長くても(インゴット切断仕様長さ+10mm程
度)問題なく切断できるようになっている。当て板の材
質としては、ガラス、グラファイトビーム等が使用され
る。また、当て板の接着剤は、硬化時間が短かく、ノッ
チ(溝)加工の際にインゴットの位置ずれを起こさない
接着強度の高いものがよく、二液性エポキシ系接着剤、
例えば、アピボンド#2410(大智化学産業(株)製
商品名)等が好ましい。別の当て板接着方法としては、
受入れたインゴットに付いているノッチを基準として、
[インゴットの長さ+α(両端で10mm程度)]の長
さに合せて切断した当て板を前記のような接着剤で接着
してもよい。
【0028】この当て板接着工程では、前記した短尺ブ
ロックを長尺ブロックに仕立てる加工処理も行ってい
る。前記したように、例えば、マルチワイヤーソーの切
断仕様最大長さMに満たない長さRの短尺ブロックをそ
のまま切断したのでは、マシンの能力をフルに活用しな
いので能率が悪いものとなる。そこで結晶方位の揃った
短尺ブロック同士を当て板で接合して長尺ブロックに仕
立ててからスライスすることになる。ここで長尺ブロッ
クとは、出来るだけ長さMに仕立てるのが良く、特に、
スライス装置がマルチワイヤーソーの場合には、その切
断仕様に示された最大能力を充分に活用することができ
る。
【0029】そして、これらのブロックは、インゴット
の長さ、結晶方位、先入れ先出し方式、ウエーハの出荷
納期、或は内周刃切断機、マルチワイヤーソー等のスラ
イス装置別等のロット編成条件によって、仕分けされ、
ロットを再編成し、ストッカーに保管される。
【0030】次は、主工程のワークプレート接着工程に
入る。ここでは、スライス装置のセンター軸と平行にな
るように、当て板の平坦部にワークプレート接着用の位
置決めのための、いわゆるノッチ(凹形部)と呼ばれる
溝を加工する。インゴットの位置ずれを起こさない程度
に接着剤が硬化したら、再び、ストッカーからインゴッ
トを呼び出し、インゴットの結晶方位測定をX方向(切
断方向)とY方向(ワイヤーの走行方向)について行
い、XとYとの合成方位のずれに対して、切断時に所定
のウエーハ方位が得られるように、当て板を研削加工し
て所定の傾斜面を得る。その後、スライス装置のセンタ
ー軸と平行になるように、当て板の平坦部にワークプレ
ート接着用の位置決めノッチを加工する。例えば、当て
板を長手方向500mmとし、傾斜角度が合成値で5度
あるとしたら、約5mmの切断残り代を持った厚さとす
るのが適正である。
【0031】ワークプレートの構造は、通常、当て板と
の接着面は平坦なものでよいが、マルチワイヤーソー用
には、マルチ切断を可能とするためのインゴット位置決
め用ノッチ(凸形部)を、当て板との平坦な接着面の中
央に備えたものがよい。ワークプレートの接着の終わっ
たインゴットは、再びストッカーに保管される。
【0032】これから先の工程は、本発明の範疇外であ
るが、当然のことながら関連性があるので簡単に述べて
おく。次工程は、スライス工程であって、前記ストッカ
ーから呼び出されたインゴットは、一般的にはマルチワ
イヤーソーか内周刃切断機でウエーハに切断される。そ
の後は、ラップ−面取り−エッチング−研磨−洗浄−検
査−出荷の各工程を経て製品として顧客に送られる。本
発明のインゴットのロット管理方法およびシステムは、
次工程のスライス工程に引き継がれることになるが、特
に、最近のマルチワイヤーソーに対応したものとなって
いるので、前記したように、種々の長さのインゴット、
標準ブロック、長尺ブロックから成るインゴットも、マ
ルチワイヤーソーの能力を最大限発揮してスライスする
ように構成されている。
【0033】すなわち、前記のようなロット構成にした
ことにより、下記ストッカーの配備と相まって、複数の
インゴットから切り出された、マルチワイヤーソーの切
断仕様最大長さMの標準ブロックから成るロットでも、
短尺ブロックを接合した長尺ブロックから成るロットで
も、或はこれらが混在するロットでもスライス加工処理
が可能となり、従来のインゴット1本、1ロットの管理
方法およびシステムと比較して、ロット毎に、停滞、空
白を生じることなく円滑に流れるため、処理速度は格段
に向上し、操業は安定化、効率化し、ひいては製品歩留
が向上する。
【0034】以上本発明をインゴット受け入れからスラ
イスまで工程順に説明したが、本発明の最大の特徴は、
インゴットを一時的に保管するストッカーを設けて前記
インゴットのロット管理を行うシステムを構築し、効率
的な工程管理を行うことである。
【0035】このストッカーの配置場所は、二次的な加
工処理や品質検査等が必要な場所に設置することになる
が、少なくともインゴット受入れ後と、次工程であるス
ライス工程前に設置するのが有効である。インゴット受
入れ後のストッカーにおいては、副工程として、例え
ば、前記したブロック作製とインゴットの結晶方位測定
と当て板の接着と当て板の溝(ノッチ)加工を行った
後、ストッカーに戻してブロックから成るインゴットロ
ットを編成する。
【0036】スライス工程前のストッカーでは、当て板
にワークプレートを接着したブロックから成るインゴッ
トを受入れ、スライス工程からの指示により払い出すこ
とになる。ここではスライス工程からの諸要請に対応で
きるロット編成を可能としており、このように、インゴ
ットのロットを編成することによって、各工程間のイン
ゴット処理速度を効率的に制御、管理することができ
る。
【0037】前記各主工程は、自己完結型で、インゴッ
ト或はブロックを受入れ、インゴットロットを編成して
払い出すシステムを採っている。例えば、インゴット用
ストッカーでは、前工程のインゴット受入れ工程から主
工程AGV(自動搬送装置)によってインゴットが搬送
されて保管される。このインゴット用ストッカーの副工
程内では、インゴット用ストッカーから工程内AGVで
所定のインゴットを取り出し、ブロック作製、結晶方位
を測定した後、当て板を接着し、当て板溝加工を施して
再度インゴット用ストッカーに収納される。工程内での
インゴット或はブロックの移動は、工程内AGVによ
り、連続的に加工のタイミングを見計らって行われる。
【0038】本発明の工程管理方法および工程管理シス
テムに適用されるハードは、公知の内周刃切断機、マル
チワイヤーソー等の単体加工機、ベルトコンベア、ロー
ラーコンベア、ターンテーブル、自動連結解放台車、ハ
ンドリングロボット等を組み合わせた搬送装置、位置セ
ンサー、タイマー、制御用コンピューター等の自動運転
制御機器を目的に応じて適宜組み合わせて、いわゆるA
GV(自動搬送装置)を組み立てることができる。
【0039】中でも次工程のインゴットのスライス工程
におけるスライス装置には、内周刃切断装置が主流を占
めてきたが、インゴットの大口径化には追随できず、生
産性の高いマルチワイヤーソーにとって代わられつつあ
り、本発明は、このマルチワイヤーソーの特性、能力を
充分発揮させて生産性を高め、物と時間のロスをできる
だけ減少させようというシステムである。
【0040】また、ストッカーは、流通するインゴット
の搬出入に適合したものであれば形式を問わないが、
棚、引き出し、箱等、前記単体加工機、搬送装置の特性
にマッチしたものが選択される。また、滞留時間が長く
なる場合にはクリーン度に配慮する必要がある。
【0041】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0042】例えば、上記説明ではストッカーの配置場
所を、主工程ではインゴット受け入れ後のインゴット用
ストッカー、スライス前のロット再編成用ストッカーと
して、それぞれ個別に説明したが、これらの配置は同時
に実施してもよく、配置場所、配置数を任意に変更する
こともできる。また、各工程の加工機のバッチ処理能力
が変わった場合には、設置効果が大きいバッファストッ
カーを設けることになるが、その配置場所、配置数等に
ついては弾力的に対応することが可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、主工程を構成する工程
間の要所にストッカーを配置してインゴットのロット管
理を可能とするシステムを構築し、工程管理をするよう
にしたことにより、インゴットの工程間の滞留、空白が
解消できて、加工処理速度が一定となり、さらに、スト
ッカーの配置場所には副工程を設けて二次的加工処理や
品質検査を行うこともでき、全工程の生産性が総合的に
向上し、歩留の向上、操業の安定化、品質管理の徹底が
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体単結晶インゴットの加工処理工
程の一例を示す流れ図である。
【図2】従来の半導体単結晶インゴットの加工処理工程
の一例を示す流れ図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体単結晶インゴットをスライスして
    半導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、インゴ
    ットを受け入れてからスライスするまでの主工程におい
    て、受け入れたインゴットを一時的に保管するストッカ
    ーを設けて、インゴットのロット管理をすることを特徴
    とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ストッカーの位置を、少なくとも、
    インゴット受入れ後とスライス前とに配置した、ことを
    特徴とする請求項1に記載した半導体シリコン単結晶イ
    ンゴットの工程管理方法。
  3. 【請求項3】 前記ストッカーに受け入れたインゴット
    を所定長さのブロックに切断する際に、受け入れたイン
    ゴットの長さをL、使用するスライス装置の切断仕様最
    大長さをM、長さMに満たない短尺ブロックの長さをR
    とした時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッ
    カーに戻されてインゴットのロットに編成されて副工程
    に回され、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカ
    ーに保管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて
    当て板で接合し、長尺ブロックに仕立ててインゴットの
    ロットに編成してから、副工程に回すことによって、各
    工程間のインゴット処理速度を制御、管理することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載した半導体シリ
    コン単結晶インゴットの工程管理方法。
  4. 【請求項4】 前記ストッカーに保管中の待機時間内
    に、主工程に併設した副工程において、前記インゴット
    のロット毎に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を
    行う、ことを特徴とする請求項3に記載した半導体シリ
    コン単結晶インゴットの工程管理方法。
  5. 【請求項5】 前記副工程が、ブロック作製、結晶方位
    測定、当て板接着、当て板溝加工、品質検査である、こ
    とを特徴とする請求項4に記載した半導体シリコン単結
    晶インゴットの工程管理方法。
  6. 【請求項6】 前記インゴットのスライス工程における
    スライス装置が、マルチワイヤーソーである請求項1〜
    請求項5のいずれか1項に記載した半導体シリコン単結
    晶インゴットの工程管理方法。
  7. 【請求項7】 半導体単結晶インゴットをスライスして
    半導体単結晶ウエーハを製造する工程であって、インゴ
    ットを受け入れてからスライスするまでの主工程におい
    て、受け入れたインゴットを一時的に保管するストッカ
    ーを設けて、インゴットのロット管理を可能としたこと
    を特徴とする半導体シリコン単結晶インゴットの工程管
    理システム。
  8. 【請求項8】 前記ストッカーの位置を、少なくとも、
    インゴット受入れ後とスライス前とに配置した、ことを
    特徴とする請求項7に記載した半導体シリコン単結晶イ
    ンゴットの工程管理システム。
  9. 【請求項9】 前記ストッカーに受け入れたインゴット
    を所定長さのブロックに切断する際に、受け入れたイン
    ゴットの長さをL、使用するスライス装置の切断仕様最
    大長さをM、長さMに満たない短尺ブロックの長さをR
    とした時、長さMに切断された標準ブロックは、ストッ
    カーに戻されてインゴットのロットに編成されて副工程
    に回され、一方、長さRの短尺ブロックは一旦ストッカ
    ーに保管された後、結晶方位の合うものを組み合わせて
    当て板で接合し、長尺ブロックに仕立ててインゴットの
    ロットに編成してから、副工程に回すことによって各工
    程間のインゴット処理速度を制御、管理することを可能
    とした、ことを特徴とする請求項7または請求項8に記
    載した半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理シス
    テム。
  10. 【請求項10】 前記ストッカーに保管中の待機時間内
    に、主工程に併設した副工程において、前記インゴット
    のロット毎に、副工程加工処理を行い、ロット再編成を
    行うようにした、ことを特徴とする請求項9に記載した
    半導体シリコン単結晶インゴットの工程管理システム。
  11. 【請求項11】 前記副工程が、ブロック作製、結晶方
    位測定、当て板接着、当て板溝加工、品質検査である、
    ことを特徴とする請求項10に記載した半導体シリコン
    単結晶インゴットの工程管理システム。
  12. 【請求項12】 前記インゴットのスライス工程におけ
    るスライス装置が、マルチワイヤーソーである請求項7
    〜請求項11のいずれか1項に記載した半導体シリコン
    単結晶インゴットの工程管理システム。
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KR20140014112A (ko) * 2011-01-31 2014-02-05 가부시끼가이샤 후지세이사쿠쇼 태양전지용 기판의 제작 방법 및 태양전지
CN111187894A (zh) * 2020-01-20 2020-05-22 北京科技大学设计研究院有限公司 一种确定装钢时间并预防热送钢坯损坏炉前设备的方法
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