JPH11254275A - 生産ライン管理システムおよび生産ライン管理方法 - Google Patents

生産ライン管理システムおよび生産ライン管理方法

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JPH11254275A
JPH11254275A JP5864198A JP5864198A JPH11254275A JP H11254275 A JPH11254275 A JP H11254275A JP 5864198 A JP5864198 A JP 5864198A JP 5864198 A JP5864198 A JP 5864198A JP H11254275 A JPH11254275 A JP H11254275A
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JP
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lot
time
manufacturing apparatus
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processing
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JP5864198A
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Kiyoshi Nishikawa
潔 西川
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロットの搬送効率を向上させて、製造装置の
ロスタイムを抑えることを可能とする生産ライン管理シ
ステムおよび生産ライン管理方法を提供する。 【解決手段】 CIM実績管理コンピュータ1は、製造
装置通信管理コンピュータ2を介して、製造装置E1〜
Enと通信を行い、これら製造装置E1〜Enへのロッ
トの搬送時刻を以下のように制御する。すなわち、製造
装置E1〜Enまでの搬送所要時間を計測し、メモリ内
搬送時間データベース3に記憶されている搬送所要時間
を所定の方法で更新する。そして、更新した搬送所要時
間に基づいて、ロットの搬送時刻を決定する。このよう
に、生産ラインにおける搬送状況を常に監視し、ロット
の搬送時刻を調整しているので、ロットの搬送効率を向
上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の工程によっ
てTFT液晶パネル等の工業製品の製造を行うための生
産ラインを管理するための、生産ライン管理システムお
よび生産ライン管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TFT液晶パネルを多数生産する工場に
おける生産ライン管理は、一般に、いわゆるCIM(Co
mputer Integrated Manufacuturing:コンピュータ統合
生産)手法を用いた管理方法で行われている。
【0003】図14は、この管理方法を用いた生産管理
を行う管理システムの構成を示す説明図である。この図
に示すように、このシステムは、CIM実績管理コンピ
ュータ101と、製造装置通信管理コンピュータ102
と、生産系データベース103とを備えている。
【0004】このような管理システムによって管理され
るTFT液晶パネルの製造工程では、単数または複数の
生産ラインが使用される。そして、各生産ラインでは、
TFT液晶パネルの材料であるTFT専用ガラス基板
が、ロット単位、すなわち、カセットと呼ばれる入れ物
に装填された多数枚の材料を単位として処理される。そ
して、単数あるいは複数のクリーンルームにおいて、数
十からなる工程の処理が各ロットに施され、TFT液晶
パネルが製造される。
【0005】なお、ロットとは、生産ライン上での被加
工物の最小単位であるとともに、物流の際の最小単位で
もある。通常、工場内には、製品の種類毎にこのロット
が多数存在する。また、通常のTFT液晶パネルの製造
では、ロット番号が記されたカセットに最大20枚程度
のガラス基板が装填され、被加工物の最小単位となって
いる。
【0006】このシステムにおいて、生産系データベー
ス103は、CIM実績管理コンピュータ101が制御
するデータベースであり、工場内に多数存在する各機種
のロットの情報が、ロット単位で登録されている。この
情報とは、例えば、ロット番号、現在の仕掛かりステッ
プ、現在位置、レシピ情報等である。仕掛かりステップ
とは、所属の工程フローに定義された製造プロセスの処
理ステップのことを示す。また、工程フローとはある機
種の生産プロセスの手順を記した一連の流れを定義した
ものである。また、レシピとは、ロットを各製造装置で
処理するための条件である。
【0007】CIM実績管理コンピュータ101と製造
装置通信管理コンピュータ102とは、工場あるいはク
リーンルーム内で稼働する各種製造装置を管理・制御す
るためのものである。図15は、工場内の各製造装置通
信管理コンピュータ102が、製造装置通信インタフェ
ースF1〜Fnを介して、各種の製造装置E1〜Enと
接続されている構成を示す説明図である。この図に示す
ように、製造装置通信管理コンピュータ102には、単
数または複数のクリーンルームで稼働する各種の製造装
置E1〜Enが、これら各製造装置E1〜Enの台数だ
け備えられている製造装置通信インタフェースF1〜F
nを介して接続されている。そして、CIM実績管理コ
ンピュータ101と製造装置通信管理コンピュータ10
2とは、各製造装置から発信されるロットの搬入要求、
ロットの搬入完了、処理開始、処理終了、ロットの搬出
要求、ロットの搬出完了等の信号を受信し、動作状況を
リアルタイムに管理する。これらCIM実績管理コンピ
ュータ101および製造装置通信管理コンピュータ10
2の管理は、例えば特開平7−40206号公報に開示
されているようなディスパッチングルールに基づいて行
うようにしてもよい。
【0008】CIM実績管理コンピュータ101は、こ
の製造装置通信管理コンピュータ102からの各種の製
造装置E1〜Enにおける実績報告に基づき、生産系デ
ータベース103を更新するとともに、各クリーンルー
ムにおいて行われる数十もの工程を含む処理ステップ
を、ロット毎に工程完了(払い出し)まで管理するよう
になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の管理システムには、以下に示す問題があ
る。すなわち、複数の共有ポート(搬入・搬出のための
ポート)を備えている製造装置は、製造装置オンライン
移行時に、全ての共有ポートからの搬入要求を製造装置
通信管理コンピュータ102に発信する。従って、製造
装置には、ポートの数だけ仕掛かりロットが搬送されて
しまう。
【0010】このため、これらのロットのうち、最初に
処理されるもの以外のロットは、ポート上で待機状態を
強いられる。従って、クリーンな状態でなければならな
いロットであっても、工場内の無人搬送車や通行するオ
ペレータ達が発するダストの影響を受けてしまう。そし
て、このダストの影響のため、ロット内における被加工
物の良品率が低下するとともに、製造装置内部の処理機
構(プロセスチャンバー)にも悪影響が及ぼされる。さ
らに、この製造装置により処理された被化合物、およ
び、この処理以降の処理を行う製造装置にも、多大な悪
影響が及ぼされてしまう。
【0011】さらに、無人搬送車等の搬送装置によって
ロットを搬送している際、搬送装置にトラブル(無人搬
送車の故障等により発生する障害物の撤去等)が発生し
た場合や、製造装置のメンテナンスにより経路(生産ラ
イン)が遮断された場合には、ロットの搬送に要する時
間が一定ではなくなる。従って、このような場合には、
製造装置までのロットの搬送所要時間と製造装置の処理
時間とを考慮して、時間をずらして複数のロットを搬送
したとしても、製造装置におけるポート上でのロットの
待機時間、あるいは、製造装置自身のロット待ちの時間
の発生は避けられない。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1に記載の生産ライン管理システ
ムは、生産ライン上の各製造装置にロットを搬送し、処
理終了後に回収するための生産ライン管理システムにお
いて、生産ライン上の各移動経路におけるロットの搬送
所要時間を、移動経路毎に記憶するための記憶手段と、
ロットが搬送される度にその搬送所要時間を計測する計
測手段と、上記記憶手段に記憶されている搬送所要時間
と、上記計測手段に計測された搬送所要時間とに基づい
て、上記記憶手段に記憶されている搬送所要時間を更新
し、更新した搬送所要時間に基づいて、ロットの搬送時
刻を決定するための制御手段とを備えていることを特徴
としている。
【0013】上記の構成によれば、記憶手段には、生産
ライン上でロットが移動するすべての経路の搬送所要時
間が記憶されている。この経路とは、例えば、各ロット
が格納されているストッカと各製造装置間の経路、ある
いは、ある製造装置から別の製造装置までの経路等であ
る。また、計測手段は、上記の経路の何れかを用いたロ
ットの搬送が行われると、その搬送に要した時間を常に
計測する。この計測は、例えば、搬送機が搬送を開始し
た時刻と搬送を終了した時刻との差をとることで行われ
る。
【0014】そして、制御手段は、ある経路において一
つのロットの搬送が終了し、計測手段の計測が終了する
と、記憶手段に記憶されている搬送所要時間と、計測手
段によって新たに計測された搬送所要時間とに基づい
て、記憶手段の搬送所要時間を更新する。この更新は、
ユーザの所望の設定で行うことが可能であるが、例え
ば、現実の搬送所要時間に近くなるように行なうことが
好ましい。また、例えば、請求項2に記載のように、記
憶手段に記憶されている搬送所要時間と、計測手段によ
って計測された搬送所要時間との平均の時間を、新たな
搬送所要時間として記憶手段に記憶することで更新が行
われてもよい。
【0015】そして、制御手段は、同じ経路を用いてロ
ットを搬送する際、この更新された搬送所要時間に基づ
いて、ロットの搬送時刻(搬送の開始時刻)を決定す
る。すなわち、例えば、ストッカから製造装置までロッ
ト(搬送ロット)を搬送する場合であって、この製造装
置において別のロット(処理ロット)が処理されている
場合であれば、制御手段は、この製造装置における処理
ロットに対する処理が終了した直後に搬送ロットの搬送
が完了するように、搬送ロットの搬送時刻を決定する。
【0016】このようにすれば、搬送機のトラブル等に
よりロットの搬送に要する時間が一定にならなくても、
ロスタイムを最小限に抑え、最良の搬送効率でロットの
搬送を行うことが可能となる。
【0017】さらに、複数のロットが同時に同一の製造
装置に搬入されることがないので、各ロットは、工場内
の無人搬送車や通行するオペレータ達が発するダストの
影響を受けることがない。従って、ダストが引き起こす
被加工物の良品率の低下、製造装置内部の処理機構の汚
染等を防ぐことができる。
【0018】また、請求項3に記載の生産ライン管理方
法は、生産ライン上の各製造装置にロットを搬送し、処
理終了後に回収するための生産ライン管理方法におい
て、生産ライン上の各移動経路におけるロットの搬送所
要時間を、移動経路毎に記憶し、ロットが搬送される度
にその搬送所要時間を計測し、記憶している搬送所要時
間と計測した搬送所要時間とに基づいて、各移動経路に
おける搬送所要時間を更新し、更新した搬送所要時間に
基づいて、ロットの搬送時刻を決定することを特徴とし
ている。
【0019】上記の方法では、生産ライン上でロットが
移動するすべての経路の搬送所要時間を、各経路毎に記
憶する。この経路とは、例えば、各ロットが格納されて
いるストッカと各製造装置間の経路、あるいは、ある製
造装置から別の製造装置までの経路等である。そして、
上記の経路の何れかを用いてロットの搬送が行われる
と、その搬送に要した時間を常に計測する。この計測
は、例えば、搬送機が搬送を開始した時刻と搬送を終了
した時刻との差をとることで行われる。
【0020】そして、ある経路において一つのロットの
搬送が終了し、搬送所要時間の計測が終了すると、記憶
している搬送所要時間と、新たに計測された搬送所要時
間とに基づいて、記憶すべき搬送所要時間を更新し、こ
の搬送所要時間を記憶する。この更新は、ユーザの所望
の設定で行うことが可能であるが、例えば、現実の搬送
所要時間に最も近くなるように行なうことが好ましい。
また、例えば、請求項4に記載のように、記憶されてい
る搬送所要時間と、計測された搬送所要時間との平均の
時間を、新たな搬送所要時間として記憶することで更新
が行われてもよい。
【0021】そして、同じ経路を用いてロットを搬送す
る際、この更新された搬送所要時間に基づいて、ロット
の搬送時刻(搬送の開始時刻)が決定される。すなわ
ち、例えば、ストッカから製造装置までロット(搬送ロ
ット)を搬送する場合であって、この製造装置において
別のロット(処理ロット)が処理されている場合であれ
ば、ロットの搬送時刻は、この製造装置における処理ロ
ットに対する処理が終了した直後に搬送ロットの搬送が
完了するように決定される。
【0022】このようにすれば、搬送機のトラブル等に
よりロットの搬送に要する時間が一定にならなくても、
ロスタイムを最小限に抑え、最良の搬送効率でロットの
搬送を行うことが可能となる。
【0023】さらに、複数のロットが同時に同一の製造
装置に搬入されることがないので、各ロットは、工場内
の無人搬送車や通行するオペレータ達が発するダストの
影響を受けることがない。従って、ダストが引き起こす
被加工物の良品率の低下、製造装置内部の処理機構の汚
染等を防ぐことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について以下
に説明する。本実施の形態にかかる生産ライン管理シス
テム(以下、本システムとする)は、TFT液晶パネル
の生産を管理するシステムである。図1は、本システム
の構成を示すブロック図である。この図に示すように、
本システムは、CIM実績管理コンピュータ1と、製造
装置通信管理コンピュータ2と、メモリ内搬送時間デー
タベース3と、生産系データベース4と、搬送時間デー
タベース5と、ロット進捗管理サーバ7と、製造装置管
理サーバ8と、ロット搬送管理サーバ9と、製造装置通
信インタフェースF1〜Fnとを備えている。また、こ
の図における製造装置E1〜Enは、本システムが管理
する生産ラインにおいて、各種の製造工程を処理するた
めの製造装置である。
【0025】製造装置通信インタフェースF1〜Fn
は、本システムと製造装置E1〜Enとの通信を可能と
するためのインタフェースであり、各製造装置E1〜E
nと1対1対応となるように設けられている。
【0026】製造装置通信管理コンピュータ2は、製造
装置通信インタフェースF1〜Fnを制御して、各製造
装置E1〜Enの動作状況をリアルタイムにCIM実績
管理コンピュータ1に伝達し、CIM実績管理コンピュ
ータ1の制御に従ってこれら製造装置E1〜Enを管理
するものである。
【0027】CIM実績管理コンピュータ(制御手段、
計測手段)1は、ロット進捗管理サーバ7,製造装置管
理サーバ8およびロット搬送管理サーバ9を制御して、
製造装置通信管理コンピュータ2からの情報に従って各
ロットおよび製造装置E1〜Enを管理する、本システ
ムの中枢部である。以下に、CIM実績管理コンピュー
タ1の機能を詳細に説明する。
【0028】まず、CIM実績管理コンピュータ1は、
製造装置通信管理コンピュータ2からの情報に基づいて
ロット進捗管理サーバ7を制御し、メモリ内搬送時間デ
ータベース3と生産系データベース4との管理、およ
び、各ロットにおける全工程のステップ管理を行う。
【0029】すなわち、ロット進捗管理サーバ7は、C
IM実績管理コンピュータ1の制御によって、製造装置
通信管理コンピュータ2からの各種の製造装置E1〜E
nにおける実績報告(製造装置管理情報)に基づき生産
系データベース4を更新するとともに、各クリーンルー
ムにおいて行われる数十もの工程を含む処理ステップ
を、ロット毎に工程完了(払い出し)まで管理する。
【0030】図2は、生産系データベース4にあらかじ
め記憶されている工程フロー情報(以下、工程フロー情
報J7とする)の例を示す説明図である。この図に示す
ように、工程フロー情報J7には、1つの工程フローI
D『FLOW−001』における仕掛かりステップと、
各ステップに対する工程名称,レシピID,仕掛かりキ
ューIDおよび搬出先ストッカIDが示されている。ロ
ット進捗管理サーバ7は、この工程フロー情報J7に基
づいて、ロット毎に全工程を管理する。
【0031】ロット進捗管理サーバ7によって更新され
る生産系データベース4は、CIM実績管理コンピュー
タ1が制御するデータベースであり、各ロットの情報
が、ロット管理情報として登録されている。図3(a)
は、このロット管理情報(以下、ロット管理情報J1と
する)を示す説明図である。この図に示すように、ロッ
ト管理情報J1には、『ロット番号(d01)』,『工
程フローID(d02)』,各工程フローにおける『ス
テップID(d10)』,『工程名称(d03)』,
『現在位置(d04)』,『現在ポート位置(d0
5)』,『処理ステータス(d06)』,『搬送ステー
タス(d11)』,『基板枚数(d07)』,『ホール
ド個数(d08)』および『ホールド情報(d09)』
の各欄が設けられている。
【0032】『工程フローID(d02)』欄には、あ
るTFT液晶パネルにおける生産プロセスの手順を記し
た一連の流れを定義した工程フローのID(Identficat
ion)が表示される。また、『ステップID(d10)』
欄には、所属の工程フローに定義された製造プロセスの
処理ステップである仕掛りステップのIDが表示され
る。また、『現在ポート位置(d05)』欄には、ロッ
トが製造装置E1〜Enにある場合、これら装置のどの
ポートにあるのかが表示される。『搬送ステータス(d
11)』欄には、ロットの搬送状態における詳細が示さ
れる。また、『処理ステータス(d06)』欄には、ロ
ットが処理可能であるかどうかが表示される。
【0033】また、『ホールド情報(d09)』欄に
は、ロットに生じたホールドが記載される。また、『ホ
ールド個数(d08)』欄には、『ホールド情報(d0
9)』内に記載されたホールドの個数が記載される。図
3(a)に示すように、『ホールド情報(d09)』欄
は、ロットに生じたホールドの通し番号が記載された
『ホールド設定位置(d12)』欄によって所定数のエ
リアに区切られ、各エリアに対応して、『ホールドタイ
プ(d13)』および『コメント(d14)』の各欄が
設けられている。
【0034】『ホールドタイプ(d13)』には、ホー
ルドの種類を示す、あらかじめ設定された記号が記載さ
れる。表1に、この『ホールド情報(d09)』の各欄
における記載の例と、各ホールドの意味するロットの状
況とを示す。この表1に示すように、『コメント(d1
4)』欄には、『ホールドタイプ(d13)』欄に記載
された記号で示されるホールドの簡単な意味が記載され
る。従って、『ホールドタイプ(d13)』欄および
『コメント(d14)』欄の記載は必ず一対で記載され
る。また、『ホールド設定位置(d12)』欄は、空き
エリアのうちの小さい番号のエリアから順に使用され
る。空きエリアとは、『ホールドタイプ(d13)』欄
がブランクとなっているエリアである。
【0035】
【表1】
【0036】また、ロット進捗管理サーバ7は、全ての
ロットにおけるロット管理情報J1に基づいて、仕掛か
りロット情報を作成し、生産系データベース4に記憶さ
せている。図3(b)は、この仕掛かりロット情報(以
下、仕掛かりロット情報J2とする)の例を示す説明図
である。この仕掛かりロット情報J2には、各ロット
の、『ロット番号(c04)』,『優先度(c0
1)』,『レシピID(c02)』および『仕掛かり登
録時刻(c03)』が表示されている。
【0037】上記の『レシピID(c02)』欄には、
製造装置およびロットに応じたレシピを特定するための
IDが表示される。ここで、レシピとは、ロットを処理
するための条件のことである。また、『仕掛かり登録時
刻(c03)』には、各ロットが仕掛かり状態となった
時刻が登録される。
【0038】メモリ内搬送時間データベース(記憶手
段)3には、搬送所要時間情報が記憶されている。図4
は、この搬送所要時間情報(以下搬送所要時間情報J3
とする)を示す説明図である。この図に示すように、搬
送所要時間情報J3には、各ロットのストッカから、各
製造装置までの搬送所要時間が記載されている。この搬
送所要時間は、後述する計算方法によって搬送の度に更
新されているので、常に最新の情報が反映されたものと
なっている。搬送所要時間情報J3の更新はロット進捗
管理サーバ7によって行われるが、ロット進捗管理サー
バ7は、この情報を搬送時間データベース(記憶手段)
5にも記憶させる。
【0039】また、CIM実績管理コンピュータ1は、
製造装置通信管理コンピュータ2からの情報に基づいて
ロット搬送管理サーバ9および製造装置管理サーバ8を
制御し、各製造装置E1〜Enの状態を管理・制御する
ために、後述する製造装置管理情報を作成して生産系デ
ータベース4に記憶させる。そして、これら製造装置管
理サーバ8およびロット搬送管理サーバ9を制御して、
製造装置通信管理コンピュータ2に与える指示を作成・
伝達する。
【0040】図5は、製造装置管理サーバ8が作成する
製造装置管理情報(以下、製造装置管理情報J4とす
る)を示す説明図である。この図に示すように、製造装
置管理情報J4は、『1.製造装置状態管理』,『2.
製造装置ポート状態管理』および『3.処理中ロット状
態管理』の各項目からなる情報である。
【0041】『1.製造装置状態管理』項目には、『製
造装置ID(g01)』,『製造装置通信状態(g0
2)』,『最大搬入可能ロット数(g03)』,『処理
中ロット数(g04)』,『ロット選択要求発行タイマ
(g05)』および『インタバルタイマ(g06)』の
各欄が設けられている。『製造装置ID(g01)』欄
には、生産ラインにおける製造装置のID(図の例で
は、E1〜Enのいずれか)が表示される。また、『製
造装置通信状態(g02)』欄には、製造装置のライン
の状態、すなわち、オンライン状態(ONL)である
か、あるいは、オフライン状態(OFL)であるかが表
示される。『処理中ロット数(g04)』欄には、製造
装置において処理中のロット数が表示される。また、
『ロット選択要求発行タイマ(g05)』および『イン
タバルタイマ(g06)』欄の表示については、後述す
る。
【0042】『2.製造装置ポート状態管理』項目に
は、『搬入予定ロット番号(g11)』欄および『搬入
要求受信済み識別子(g12)』欄がポート毎に設けら
れている。そして、『搬入予定ロット番号(g11)』
欄には、各ポートの『ポートID(g07)』欄毎に搬
入が予定されているロットの番号が表示され、『搬入要
求受信済み識別子(g12)』欄には、製造装置から発
信されたロット搬入要求通知がロット搬送管理サーバ9
で受信されたかどうかが表示される。このロット搬入要
求通知については後述する。
【0043】『3.処理中ロット状態管理』項目は、各
製造装置において処理にかかっているロットの状態を示
すものであり、ロット毎に設けられている。各ロットの
『3.処理中ロット状態管理』には、『ロット番号(g
13)』欄、『レシピID(g14)』欄,『搬出先ス
トッカID(g15)』,『処理開始時刻(g16)』
欄,『処理終了時刻(g17)』欄,『処理枚数(g1
8)』欄および『不良枚数(g19)』欄が設けられて
いる。
【0044】『ロット番号(g13)』欄には、各ロッ
トに固有の番号が表示される。『搬出先ストッカID
(g15)』欄には、処理済のロットにおける搬出先の
ストッカ(各ロットを格納する場所)を特定するIDが
表示される。『処理開始時刻(g16)』欄および『処
理終了時刻(g17)』欄には、この製造装置における
各ロットの処理の開始・終了の時刻が表示される。『処
理枚数(g18)』欄および『不良枚数(g19)』欄
には、処理の済んだロット内におけるTFT液晶パネル
の材料であるガラス基板の枚数、および、適切に処理で
きなかった材料の数が表示される。また、『不良枚数
(g19)』欄の下部には、ロット内の基板番号に対応
して、『不良コード(g21)』欄が設けられている。
これは、適切に処理できなかった材料と、その原因とを
表示するためのものである。
【0045】また、製造装置管理サーバ8は、全ての製
造装置における製造装置管理情報J4に基づいて、レシ
ピ情報を作成する。図6は、このレシピ情報(以下、レ
シピ情報J5とする)の例を示す説明図である。この図
に示すように、レシピ情報J5には、製造装置ID毎
に、使用可能なレシピが所定のフォーマットで記載され
ている。
【0046】また、図7は、本システムが管理する生産
ラインの概略を示す説明図である。この図に示すよう
に、各製造装置E1〜En(製造装置E1〜E4のみ図
示)は、それぞれ複数のポートを備えている。そして、
各ポートとストッカST1・ST2との間で、ロットが
授受されるようになっている。この図の例では、製造装
置E1・E2のポートP1〜P4は全て共有ポートであ
り、ロード(搬入)とアンロード(搬出)とを行うこと
ができる。また、製造装置E1・E2のポートP1はロ
ード(搬入)専用ポートであり、同じくP2はアンロー
ド(搬出)専用のポートである。
【0047】以下に、本システムにおける生産ライン管
理の動作について説明する。以下では、本システムが、
製造装置E1によって処理を行う例を用いて、CIM実
績管理コンピュータ1と製造装置通信管理コンピュータ
2との通信及び内部動作について、説明する。なお、表
2は、ロット進捗管理サーバ7と製造装置管理サーバ8
との間において処理の際に授受される、後述する各通知
の内容を示す説明図である。本システムでは、これらの
通知を用いることで、生産ラインを管理するようになっ
ている。
【0048】
【表2】
【0049】本システムでは、生産の開始時には、生産
ライン上の各製造装置は、オペレータ(工場内作業者)
によって、オンラインモードに切り替えられる。この切
り替えは、各製造装置毎に設置されている操作パネル
を、オペレータが操作することによって行われる。オン
ラインモードとなると、製造装置E1は、製造装置通信
インタフェースF1に、オンライン移行報告を伝達し、
オンラインとなったことを報告する。
【0050】製造装置通信インタフェースF1は、CI
M実績管理コンピュータ1下で可動する製造装置管理サ
ーバ8に、受け取ったオンライン移行報告を伝達する。
そして、製造装置管理サーバ8は、製造装置E1がオン
ラインとなったことを示す移行内容詳細を作成し、表2
に示すオンライン移行通知(i13)を作成してロット
進捗管理サーバ7に伝達する。
【0051】製造装置管理サーバ8は、製造装置IDに
基づいて、図5に示した製造装置E1の製造装置管理情
報J4を検索し、『1.製造装置状態管理』項目におけ
る『製造装置通信状態(g02)』欄を「ONL」に更
新する。これにより、製造装置E1がオンライン状態に
なったことが識別可能となる。
【0052】オンライン移行時、製造装置E1のポート
P1〜P4が空である場合、製造装置E1は、各ポート
P1〜P4にロットを要求するための、表2に示すロッ
ト搬入要求通知(i01)を、製造装置通信インタフェ
ースF1に発信する。製造装置通信インタフェースF1
は、この通知を製造装置管理サーバ8に瞬時に伝達す
る。
【0053】製造装置管理サーバ8は、伝達されたロッ
ト搬入要求通知(i01)が、どの製造装置におけるど
のポートからのものかを判断し、製造装置IDおよびポ
ートIDをキーワードとし、製造装置管理情報J4を検
索する。そして、製造装置管理情報J4の『2.製造装
置ポート状態管理』項目における、該当ポートIDの
『搬入要求受信済み識別子(g12)』欄を、「1」
(搬入要求受信済み)に更新する。その後、製造装置管
理サーバ8は、製造装置E1のための表2に示すロット
選択要求通知(i02)をロット進捗管理サーバ7に伝
達する。このロット選択要求通知(i02)は、処理待
ちのロットの中から、処理を行うロットを選択・決定す
ることをロット進捗管理サーバ7に指示するための通知
である。
【0054】ロット進捗管理サーバ7は、ロット選択要
求通知(i02)に基づいて、要求のあったポートに搬
入する処理ロットを選択・決定する。この決定は、図3
(a)に示したロット管理情報J1、図3(b)に示し
た仕掛かりロット情報J2、および、図6に示したレシ
ピ情報J5に基づいて、以下の〜に示す条件を満た
すロットを検索することで行われる。
【0055】仕掛かりロット情報J2に示されている
処理待ちロット中、『優先度(c01)』を示す数字が
最小のもの。 仕掛かりロット情報J2に示す仕掛かりキューに登録
されているロット中、『仕掛かり登録時刻(c03)』
が最も古いもの。 上記またはを満足するロットにおいて、ロット管
理情報J1(図3(a)参照)の『ホールド個数(d0
8)』が「0」であり、『処理ステータス(d06)』
が「QUE」(処理可能)であり、かつ、『搬送ステー
タス(d11)』が空白(搬送中でない)であること。 上記を満足するロットにおいて、仕掛かりロット情
報J2における『レシピID(c02)』が、ロットを
要求している製造装置にて処理可能であること。
【0056】なお、以下では、図3(a),図3(b)
および図6より、ロットLT1が上記〜を満たすこ
とから、処理ロットをロットLT1とする。ロット進捗
管理サーバ7は、このように決定した処理ロットLT1
におけるロット管理情報J1の『処理ステータス(d0
6)』を「QUE」(処理可能)から、「PRO」(処
理中)へ更新する。そして、ロット進捗管理サーバ7
は、製造装置管理サーバ8に、表2に示すプロセス手順
指示通知(i03)を伝達する。図8は、このプロセス
手順指示通知(i03)の例を示す説明図である。この
図に示すように、この通知には、製造装置ID,選択結
果,ロット番号,レシピIDおよび搬出先ストッカID
が記載されている。なお、この図における『選択結果』
欄の「1」は、処理ロット(最適ロット)があったこと
を意味している。
【0057】上記の処理ロットの検索では、上記〜
条件を満足しないロットは無視される。そして、これら
を満足するロットが見つかるまで検索が行われる。最終
的にこれらの条件を満足するロットがないと判断された
場合には、処理ロットなしのプロセス手順指示通知(i
03)(『選択結果』欄が「0」)が製造装置管理サー
バ8に伝達される。
【0058】プロセス手順指示通知(i03)を受信し
た製造装置管理サーバ8は、この通知における『選択結
果』欄に従って、以下に示す2種類の処理のうちのいず
れかを行う。
【0059】まず、処理ロットが検索されず、『選択結
果』欄が「0」であるプロセス手順指示通知(i03)
を受け取った場合について説明する。この場合、製造装
置管理サーバ8は、所定のロット選択要求発行タイマが
経過した後、再度、ロット進捗管理サーバ7にロット選
択要求通知(i02)を伝達する。この後のロット進捗
管理サーバ7の処理は、上記と同様である。上記したロ
ット選択要求発行タイマは、あらかじめ定められた所定
の時間である。
【0060】次に、処理ロットが決定され、『選択結
果』欄が「1」であるプロセス手順指示通知(i03)
を受け取った場合について説明する。この場合、製造装
置管理サーバ8は、この情報の中の『製造装置ID(g
01)』欄に記載されている製造装置IDをキーワード
として製造装置管理情報J4を検索する。検索された製
造装置管理情報J4、すなわち、ロットを要求している
製造装置E1の製造装置管理情報J4に対し、以下の設
定を行う。まず、製造装置管理サーバ8は、この製造装
置管理情報J4の『1.製造装置状態管理』項目におけ
る『処理中ロット数(g04)』欄の数字に1を加算す
る。
【0061】そして、『2.製造装置ポート状態管理』
項目における『搬入要求受信済み識別子(g12)』欄
の数字が「1」(受信済み)のポートのうち、最小の番
号が付けられているポートの『搬入予定ロット番号(g
11)』に、処理ロットのロット番号を設定する。この
設定は、製造装置に誤ったロットが置かれた場合、製造
装置およびオペレータにこの誤りを通知するためのもの
である。いまの場合、ポートP1にロットLT1を設定
するとする。
【0062】次に、製造装置管理サーバ8は、『3.処
理中ロット状態管理』項目の『ロット番号(g1
3)』,『レシピID(g14)』および『搬出先スト
ッカID(g15)』の各欄に、プロセス手順指示情報
に記載のIDを設定する。今の場合、『ロット番号(g
13)』には「LT1」,『レシピID(g14)』に
は「DEP4000Å」,『搬出先ストッカID(g1
5)』には「ST2」が設定される。また、製造装置管
理情報J4には、製造装置が「E1」であること、およ
び、選択結果が「1」であることも設定される。
【0063】その後、製造装置管理サーバ8は、製造装
置管理情報J4の『2.製造装置ポート状態管理』項目
における『搬入要求受信済み識別子(g12)』欄が
「1」であるポート(処理中のポートを除く)があれ
ば、あらかじめ定められた所定の時間(例えば5分)
を、ロット選択要求発行タイマとして設定する。そし
て、この時刻となったとき、製造装置管理サーバ8は、
ロット選択要求通知(i02)をロット進捗管理サーバ
7に伝達する。一度に多数(例えば4つ)の処理ロット
を選択すると、その間に最特急ロット(一刻も早く処理
する必要のあるロット)が仕掛かっていても、それを数
時間待機させてしまう可能性がある。このようなことを
避けるため、上記のようなロット選択要求発行タイマが
あらかじめ設定されている。
【0064】プロセス手順指示通知(i03)を処理し
た後、製造装置管理サーバ8は、表2に示すロット搬送
指示通知(i04)を作成し、ロット搬送管理サーバ9
に伝達する。ロット搬送指示通知(i04)には、処理
ロットの現在位置(ロット管理情報J1における『現在
位置(d04)』欄に記載)と、搬送先である目的のポ
ートとが記載されている。今の場合、ロットLT1のス
トッカST2と、製造装置E1のポートP1とが記載さ
れている。このとき、製造装置E1の製造装置管理情報
J4における『1.製造装置状態管理』の『処理中ロッ
ト数(g04)』欄が「2」以上の場合、製造装置管理
サーバ8は、図4に示した搬送所要時間情報J3を参照
し、次の処理ロットのための搬入指示を搬送機に伝達す
るまでの待機時間である搬送指示発行タイマを求め、ロ
ット搬送指示通知(i04)に記載する。この搬送指示
発行タイマは、ロット搬送管理サーバ9が製造装置管理
サーバ8から受けた指示に従って搬送機に指示を伝達す
る際、伝達を保留する時間である。すなわち、ロット搬
送管理サーバ9は、この搬送指示発行タイマに設定され
た時間が経過した後、製造装置管理サーバ8からの指示
を搬送機に伝達するようになっている。なお、この搬送
指示発行タイマの設定方法については後述する。
【0065】また、製造装置管理サーバ8は、図9に示
すような搬送処理情報(以下、搬送処理情報J6とす
る)を作成する。この図に示すように、搬送処理情報J
6には、『ロット番号(h01)』、『搬送指示内容
(h02)』、『搬送元(h03)』、『搬送先(h0
4)』、および『搬送開始時間(h05)』が記載され
ている。『搬送開始時間(h05)』には、ロット搬送
管理サーバ9が搬送機に搬送を指示する時間がセットさ
れ、今の場合、現在時刻がセットされる。また、製造装
置管理サーバ8は、ロットLT1のロット管理情報J1
における『搬送ステータス(d11)』欄を、空白から
「TRN」(搬送中)へ更新する。また、搬送開始時間
(h05)には、搬送機へ搬送指示を発行するタイマが
記載されていてもよい。
【0066】ロット搬送指示通知(i04)を受けたロ
ット搬送管理サーバ9は、搬送機へ、上記のロット搬送
指示通知(i04)の内容(ロットLT1をストッカS
T2から製造装置E1のポートP1に搬送するというこ
と)を含んだ搬入指示を伝達する。搬送機は、この指示
に従って、ロットLT1を製造装置E1のポートP1に
搬入する。
【0067】処理ロットを製造装置に搬入した後、搬送
機は、ロット搬送管理サーバ9に、搬入が完了したこと
を伝える搬入完了報告を伝達する。搬入完了報告を受け
取ると、ロット搬送管理サーバ9は、処理ロットの搬送
処理情報J6を検索し、以下の処理を行う。すなわち、
まず、搬入の完了が伝達された時刻から搬送処理情報J
6に記載されている搬送開始時間を差引いた時間を、現
在の搬送所要時間とする。その後、ロット管理情報J1
の『搬送ステータス(d11)』欄を、「TRN」(搬
送中)から空白(搬送中でない)に更新する。そして、
ロット搬送管理サーバ9は、ロット進捗管理サーバ7
に、表2に示すロット搬送完了通知(i05)を伝達す
る。
【0068】ロット進捗管理サーバ7は、ロット搬送管
理サーバ9からロット搬送完了通知(i05)が伝達さ
れると、以下の処理を行う。まず、ロット進捗管理サー
バ7は、ロット管理情報J1に記載されている現在位置
を、搬入先の製造装置における製造装置ID、すなわ
ち、製造装置E1に更新する。また、『現在ポート位置
(d05)』を、ロット搬入要求を出したポートのポー
トP1に更新する。
【0069】その後、ロット進捗管理サーバ7は、処理
ロットの搬送元、搬送先をキーワードとして、メモリ内
搬送時間データベース3の搬送所要時間情報J3(図4
参照)を検索し、搬送所要時間を取得する。取得した搬
送所要時間から以下の(1)式に基づいて計算を行い、
新規の搬送所要時間を求める。 新規の搬送所要時間=(搬送所要時間+現在の搬送所要時間)/2 …(1) 例えば、ロット搬送管理サーバ9から報告された現在の
搬送所要時間が20分であり、搬送所要時間情報J3に
記載の搬送所要時間が17分である場合、新規の搬送所
要時間は19分となる。このとき、ロット進捗管理サー
バ7は、分子が0となる場合、および、現在の搬送所要
時間が0の場合には、上記の計算は行わない。なお、上
記の例では、計算結果における1分以下の端数の時間を
切り上げて新規の搬送所要時間を求めているが、端数の
時間を切り下げて求めるようにしてもよい。また、1分
以下の時間も正確に表現してもよい。すなわち、上記の
例における新規の搬送所要時間を、18分30秒として
もよい。
【0070】ロット進捗管理サーバ7は、メモリ内搬送
時間データベース3の搬送所要時間を、上記の計算によ
り求めた新規の搬送所要時間に更新する。また、ロット
進捗管理サーバ7は、新規の搬送所要時間を、実体とし
て存在する搬送時間データベース5に反映させる。すな
わち、次の処理ロットを搬送する際にタイマとして利用
する。このように、新規の搬送時間を、図4に示した搬
送所要時間情報J3として、メモリ内搬送時間データベ
ース3および搬送時間データベース5に記憶すること
で、どちらか一方のデータベースが故障したとしても、
生産ラインを止める必要がないようになっている。その
後、搬送した処理ロットの搬送処理情報J6は不要デー
タとなるため、ロット進捗管理サーバ7は、処理ロット
の搬送処理情報J6を、ロット番号をキーワードとして
検索し、削除する。
【0071】また、製造装置E1は、ポートに処理ロッ
トが搬送されると、製造装置通信インタフェースF1を
介して、ロット搬送管理サーバ9に、表2に示すロット
搬入完了通知(i06)を伝達する。ロット搬送管理サ
ーバ9は、このロット搬入完了通知(i06)を製造装
置管理サーバ8に伝達する。
【0072】ロット搬入完了通知(i06)が伝達され
ると、製造装置管理サーバ8は、以下の処理を行う。ま
ず、製造装置管理サーバ8は、ロット搬入完了通知(i
06)を伝達した製造装置およびポートのID(今の場
合は製造装置E1のポートP1)をキーワードとして、
製造装置管理情報J4の『2.製造装置ポート状態管
理』項目を検索し、該当するポートIDの『搬入要求受
信済み識別子(g12)』を、「0」(未受信)に更新
する。その後、製造装置管理サーバ8は、この製造装置
およびポートのID、処理ロットの番号をキーワードと
して、製造装置管理情報J4の『3.処理中ロット状態
管理』項目を検索し、該当するレシピIDを取得する。
そして、製造装置管理サーバ8は、これら製造装置I
D,ポートID,ロット番号およびレシピIDが設定さ
れた、表2に示すレシピ通知(i07)を、製造装置通
信インタフェースF1を介して製造装置、今の場合は製
造装置E1に伝達する。
【0073】その後、製造装置E1は、製造装置通信イ
ンタフェースF1を介してCIM実績管理コンピュータ
1下で稼働する製造装置管理サーバ8に、表2に示す処
理開始通知(i08)を伝達し、処理の開始を報告す
る。この通知を受けると、製造装置管理サーバ8は、処
理開始通知(i08)に記載されている製造装置IDお
よびロット番号に基づいて、製造装置管理情報J4の
『3.処理中ロット状態管理』項目を検索し、『処理開
始時刻(g16)』欄に現在時刻をセットする。例え
ば、現在の時刻が1997年8月22日午後8時ちょう
どであれば、「1997/08/22,20:00:0
0」を『処理開始時刻(g16)』欄に記載する。
【0074】製造装置E1は、処理が終了すると、製造
装置通信インタフェースF1を介して、表2に示す処理
終了通知(i09)を製造装置管理サーバ8に伝達し、
処理の終了を報告する。製造装置管理サーバ8は、処理
終了通知(i09)に記載されている製造装置IDおよ
び処理ロットの番号に基づいて、製造装置管理情報J4
の『3.処理中ロット状態管理』を検索し、『処理終了
時刻(g17)』欄に現在時刻をセットする。そして、
製造装置管理サーバ8は、処理終了通知(i09)に記
載されている処理枚数、不良枚数および各基板の不良コ
ード(基板情報)を、『3.処理中ロット状態管理』の
各欄に設定する。例えば、現在の時刻が1997年8月
22日午後11時59分59秒であり、1ロット中の処
理枚数が20であって、1枚目および19枚目に、コー
ド「0001」および「0002」の不良が発生した場
合、『3.処理中ロット状態管理』の各欄は、図10に
示すように設定される。
【0075】製造装置E1は、処理終了通知(i09)
を伝達後に、製造装置通信インタフェースF1を介して
製造装置管理サーバ8に、表2に示すロット搬出要求通
知(i10)を伝達し、ロットの搬出を要求する。この
ロット搬出要求通知(i10)を受けると、製造装置管
理サーバ8は以下に示す処理を行う。
【0076】まず、ロット搬出要求通知(i10)に記
載されている製造装置IDおよびロット番号に基づい
て、製造装置管理情報J4の『1.製造装置状態管理』
項目および『3.処理中ロット状態管理』項目を各々検
索して、処理完了通知(i11)を作成する。表2に示
すように、処理完了通知(i11)には、製造装置のI
D,ロット番号,処理開始時刻,処理終了時刻,レシピ
ID,処理枚数,不良枚数および各基板における不良コ
ード(基板情報)が記載されるようになっている。
【0077】今の場合では、製造装置のIDとして「E
1」,ロット番号として「LT1」,処理開始時刻とし
て「1997/08/22,22:00:00」,処理
終了時刻として「1997/08/22,23:59:
59」,レシピIDとして「DEP4000Å」,処理
枚数として「20」,不良枚数として「2」が設定され
る。そして、図10に示したように、基板番号1および
19に不良が発生しているから、不良コードとして、基
板番号1の所定の欄に「0001」,基板番号19の所
定の欄に「0002」が記載される。
【0078】次に、工程フロー情報J7(図2参照)に
記載されている搬出先ストッカID(今の場合ではST
1)に基づいて、処理ロットの搬出先ストッカを確認
し、このストッカへの処理ロットを搬出する指示を記載
した搬出指示通知をロット搬送管理サーバ9に伝達す
る。この搬出指示通知には、処理ロットの現在位置を示
す製造装置IDおよびポートID、搬出先ストッカI
D、および、ゼロにセットされた搬送指示発行タイマが
設定されている。
【0079】その後、製造装置管理サーバ8は、処理ロ
ットであるロットLT1の製造装置E1における処理が
終了したとして、不要となるデータを削除し、内部カウ
ンタをマイナス1とする。すなわち、製造装置E1の内
部カウンタの数字と、製造装置管理情報J4における
『1.製造装置状態管理』項目の『処理中ロット数(g
04)』欄の数字とから1を差し引く。そして、製造装
置管理情報J4から、ロットLT1のための『3.処理
中ロット状態管理』項目を削除する。これらの処理の
後、製造装置管理サーバ8は、作成した処理完了通知
(i11)をロット進捗管理サーバ7に伝達する。
【0080】処理完了通知(i11)を受けたロット進
捗管理サーバ7は、まず、ロットLT1のロット管理情
報J1における『ステップID(d10)』を更新する
(STEP−0020からSTEP−0030に更新す
る)。
【0081】その後、製造装置E1での処理結果に基づ
いて、以下の処理を行う。すなわち、不良枚数が発生す
る等、処理に異常があった場合、ロット進捗管理サーバ
7は、まず、ロットLT1のロット管理情報J1におけ
る『ホールド個数(d08)』欄の数字に1を加える。
その後、このロット管理情報J1における『ホールド設
定位置(d12)』欄の空いている番号のうち、最小の
番号における『ホールドタイプ(d13)』欄に、「W
IT」をセットする。そしてこの番号における『コメン
ト(d14)』欄に、「処理結果確認待ち」をセットす
る。この場合、オペレータの確認待ちとなり、確認が済
むまでは次工程への仕掛かりは行われないとともに、生
産系データベース4における図示しないロット処理履歴
データベースへの登録が認められない。
【0082】一方、正常に処理が終了した場合、ロット
進捗管理サーバ7は、生産系データベース4における図
示しないロット処理履歴データベースに、処理完了通知
(i11)の内容を、ロット番号を筆頭に登録する。
【0083】また、製造装置管理サーバ8から搬出指示
通知を受けたロット搬送管理サーバ9は、以下の処理を
行う。まず、ロット搬送管理サーバ9は、この搬出指示
通知に基づいて、製造装置E1から所定の搬出先ストッ
カST2までロットLT1を搬送するように、搬送機に
搬出指示を伝達する。搬送指示発行タイマが「0」にセ
ットされているので、この指示は、製造装置管理サーバ
8から搬出指示通知を受けた直後に伝達される。
【0084】無人搬送車等の搬送機によりロットLT1
が製造装置E1から取り除かれると、製造装置E1は、
製造装置通信インタフェースF1を介して、CIM実績
管理コンピュータ1下で稼働する製造装置管理サーバ8
に、ロット搬出完了通知(i12)を伝達する。ロット
搬出完了通知(i12)を受けた製造装置管理サーバ8
は、何も処理を行わない。
【0085】ロットLT1の搬送が完了すると、ロット
搬送管理サーバ9は、ロットLT1のロット管理情報J
1を検索し、各欄の以下のようにセットする。すなわ
ち、記憶している搬送所要時間を「0」ゼロにセットす
る。その後、ロット管理情報J1の『搬送ステータス
(d11)』欄を「TRN」(搬送中)から、空白(搬
送中でない)へ更新する。その後、ロット搬送管理サー
バ9は、ロットLT1の搬送完了をロット進捗管理サー
バ7に報告する。
【0086】ロットLT1の搬送完了が報告されると、
ロット進捗管理サーバ7は、まず、ロットLT1のロッ
ト管理情報J1における『現在位置(d04)』欄を搬
出先ストッカST2に、『現在ポート位置(d05)』
を空白にそれぞれ更新する。そして、『ステップID
(d10)』欄を、図2に示した工程フロー情報J7に
基づいて、仕掛かりステップ「STEP−0030」の
仕掛かりステップIDである「PHOT−QUE」に更
新する。
【0087】そして、仕掛かりロット情報J2に示され
ている各ロットの優先度、仕掛かり登録時刻に基づい
て、全てのロットを並び替える。なお、搬送所要時間が
ロット搬送管理サーバ9によって「0」にセットされて
いるので、計算および搬送所要時間情報J3の更新は行
わない。ここまでで、ロットLT1の製造装置E1にお
ける処理が終了する。
【0088】ここで、製造装置をオフラインモードとす
る処理について説明する。工場内一斉メンテナンスまた
は装置トラブルで、本システムをオフラインモードに移
行する場合、オンラインモード移行時と同じく、オペレ
ータ(工場内作業者)が各製造装置ごとに設置されてい
る操作パネルを操作し、オフラインモードヘセットす
る。オフラインモードにセットされた製造装置は、製造
装置通信管理コンピュータ2下で稼働する製造装置通信
インタフェースに、表2に示すオフライン移行通知(i
14)を伝達する。そして、オフライン移行通知(i1
4)は、製造装置通信インタフェースF1からCIM実
績管理コンピュータ1下で稼働する製造装置管理サーバ
8に伝達される。
【0089】製造装置管理サーバ8は、製造装置IDに
基づいて、各製造装置の製造装置管理情報J4を検索
し、『製造装置通信状態(g02)』欄を「OFL」に
更新する。これにより、製造装置のオフライン状態が識
別可能となる。もし、オフラインモード移行時に、製造
装置内に処理ロットが存在していた場合、製造装置管理
サーバ8は、この処理ロットにおけるロット管理情報J
1を以下のように設定し、オペレータに判断を促す。す
なわち、製造装置管理サーバ8は、『ホールド個数(d
08)』の数字に1を加え、『ホールド設定位置(d1
2)』の小さい空き番号における『ホールドタイプ(d
13)』に、「BRK」をセットする。そして、この番
号の『コメント(d14)』欄に、「処理中断」をセッ
トする。
【0090】次に、本システムにおける、複数のロット
を扱う場合の生産ライン管理の処理について説明する。
まず、インタバルタイマおよび搬送指示発行タイマにつ
いて説明する。インタバルタイマとは、処理待ちのロッ
トがある場合、製造装置から搬入要求があった時から、
この製造装置に搬送されている別のロットの搬送が完了
するまでの時間である。また、製造装置から搬入要求が
あったときに処理待ちのロットがない場合には、インタ
バルタイマとしては、ロットが処理待ちとなってから、
この製造装置に搬送されている別のロットの搬送が完了
するまでの時間が設定される。また、この製造装置に搬
送中のロットが存在しない場合には、インタバルタイマ
は0である。また、上記したように、搬送指示発行タイ
マとは、ロット搬送管理サーバ9がロット搬入を開始す
る旨の指示の搬送機への伝達を保留する時間である。こ
の時間は、以下のように設定される。すなわち、同一の
製造装置において複数のロットを処理する際、先に搬送
されたロットに対するプロセスが終了した直後に、次の
ロットの前処理が終了するように、この搬送指示発行タ
イマが設定される。以下に、図11(a)〜(c)を用
いて、搬送指示発行タイマの設定について説明する。
【0091】図11(a)〜(c)は、同一のストッカ
にある2つのロットLT1およびロットLT2に対し
て、ひとつの製造装置の複数のポートから搬入要求があ
った場合の、ロット搬送処理のタイミングチャートを示
す説明図である。なお、各ロットには、製造装置におい
て前処理と実際のプロセスとが施される。ここで、前処
理とは、例えば、ロット内の全ての基板の洗浄処理等で
ある。そして、これらの図では、ロットLT1の製造装
置までの搬送所要時間をa、前処理の時間をb、およ
び、プロセスの所要時間をcとしている。また、ロット
LT2の搬送所要時間をa’、前処理の時間をb’、プ
ロセスの所要時間をc’、インタバルタイマをd’、お
よび、搬送指示発行タイマをe’としている。また、ロ
ット選択要求発行タイマをfとしている。
【0092】これらの図のうち、図11(a)は、2つ
のロットLT1およびロットLT2が処理待ちであっ
て、同一の製造装置における2つ以上のポートから搬入
要求があった場合のタイミングチャートである。この図
に示すように、先に処理されるロットLT1の搬送が開
始されると、ロットLT2にはインタバルタイマが設定
され、搬送待ちの状態になる。
【0093】そして、ロットLT1の搬送が終了したと
きに、ロットLT2のインタバルタイマが終了し、新た
に搬送指示発行タイマが設定され、引続き搬送待ちの状
態となる。このように2つの処理待ちのロットに搬送要
求のあった場合、ロットLT1のプロセスが終了した直
後にロットLT2に対する前処理が終了するためには、
図11(a)からわかるように、ロットLT1の搬送時
間,前処理時間およびプロセス所要時間の合計と、ロッ
トLT2の搬送指示発行タイマ,搬送時間および前処理
時間の合計とが等しい時間となればよい。すなわち、b
+c=e’+a’+b’であればよい。そして、製造装
置での前処理時間およびプロセス所要時間はどのロット
に対しても同様であるから、b=b’とすれば、 e’=c−a’ … (2) となる。従って、搬送指示発行タイマは、プロセス所要
時間からロットLT2の搬送所要時間を差し引いた時間
となる。
【0094】搬送指示発行タイマが設定されるときに
は、当然、ロットLT2の正確な搬送所要時間は不明で
あるが、この搬送所要時間としては、搬送所要時間情報
J3に記載の時間を用いる。この時間は、ロットLT1
の搬送時間が考慮されて更新されたものであり、実際の
ロットLT2の搬送時間とほぼ同様の時間である可能性
が非常に高い。従って、このように搬送指示発行タイマ
を設定すれば、図11(a)に示すように、ロットLT
1のプロセスが終了した時点で、ロットLT2の前処理
が終了するようになる。
【0095】また、図11(b)は、1つのロットLT
1の搬送中に、2つめのロットLT2が処理待ちとなっ
た場合のタイミングチャートである。この図に示すよう
に、この場合には、ロットLT2のインタバルタイマが
短くなるだけで、図11(a)に示した場合と同様に搬
送指示発行タイマが設定される。
【0096】また、図11(c)は、1つのロットLT
1の搬送が完了した後に、ロットLT2が処理待ちとな
った場合のタイミングチャートである。この場合、ロッ
トLT1の搬入後に、上記したロット選択要求発行タイ
マが設定され、所定時間毎に、処理待ちのロットが検索
される。そして、ロットLT2が処理待ちとなるまで
に、このロット選択要求発行タイマがn回設定されたと
すると、合計で約n×fという時間が、処理ロットなし
の待機時間であるということができる。従って、この場
合のロットLT2に対する搬送指示発行タイマは、以下
のように求められる。
【0097】すなわち、この場合、ロットLT1のプロ
セスが終了した直後にロットLT2に対する前処理が終
了するためには、図11(c)からわかるように、ロッ
トLT1の搬送時間,前処理時間およびプロセス所要時
間の合計と、待機時間,ロットLT2の搬送指示発行タ
イマ,搬送時間および前処理時間の合計とが等しい時間
となればよい。すなわち、b+c=e’+a’+b’+
n×fであればよい。そして、上記と同様に、b=b’
とすれば、 e’=c−a’−n×f … (3) となる。従って、この場合の搬送指示発行タイマは、プ
ロセス所要時間から、ロットLT2の搬送所要時間とロ
ット選択要求発行タイマの累積時間(待機時間)とを差
し引いた時間となる。
【0098】なお、上記では、ロットLT2におけるイ
ンタバルタイマ、のように、インタバルタイマがロット
に設定されるように記載したが、インタバルタイマは、
実際は、製造装置に対して設定される時間である。従っ
て、ロットLT1の搬送中に、他のロットもロットLT
2とともに処理待ちとなった場合には、インタバルタイ
マ終了後、これら複数の処理待ちのロットのなかから、
最適なロットが選択され、そのロットに搬送指示発行タ
イマが設定される。また、ロットLT1とロットLT2
とが互いに別々のストッカにある場合にも、搬送指示発
行タイマは、上記の(2)および(3)によって求める
ことができる。
【0099】次に、本システムにおける、4つのロット
LT1〜ロットLT4を扱う場合の生産ライン管理の流
れを、図12を用いて以下に説明する。なお、以下の説
明では、ロットLT1〜LT2だけが仕掛かった状態で
あるとする。そして、35分後と110分後に、ロット
LT3およびロットLT4の前工程の処理が完了し、工
程ステップが1つ進んだ状況であるとする。また、ロッ
トの具体的な動き及び製造装置からの各種要求(搬入要
求、搬入完了、処理開始、処理終了、搬出要求、搬出完
了、装置オンラインおよび装置オフライン)における、
CIMコンピュータ群、すなわち、ロット進捗管理サー
バ7,製造装置管理サーバ8,ロット搬送管理サーバ9
の動作は、上記した通りである。また、製造装置E1の
前処理時間は10分,プロセス所要時間は40分である
とする。
【0100】図12は、これらロットLT1〜LT4に
おける処理工程との各処理の経過時間とを示す説明図で
ある。以下では、この図を用いて、経過時間に沿って、
ロットLT1〜LT4の処理の流れを説明する。
【0101】製造装置E1がオンライン状態となり、4
つのポートP1〜P4から瞬時に搬入要求が伝達される
と、上記したように、ロット進捗管理サーバ7が最初の
処理ロットを決定する。ここでは、この最初の処理ロッ
トをロットLT1とする。ロット進捗管理サーバ7が、
製造装置管理サーバ8にロットLT1を処理ロットとす
る旨のプロセス手順指示通知(i03)を伝達すると、
製造装置管理サーバ8は、この通知に基づいて、ロット
搬送管理サーバ9にロット搬送指示通知(i04)を伝
達する。この通知には、ロットLT1の現在位置である
ストッカST2から、製造装置E1のポートP1にロッ
トLT1を搬送する指示が記載されている。このとき、
製造装置管理情報J4における『処理中ロット数(g0
4)』欄は0であるので、搬送指示発行タイマは「0」
に設定されている。従って、ロット搬送管理サーバ9
は、ロットLT1の搬入指示を搬送機に伝達し、搬送機
は、ロットLT1の搬送(図12におけるk1)を開始
する。なお、図12では、この搬送開始の時刻を0とし
ているので、以下では、この時刻を、「開始」と表現す
る。
【0102】また、ロット搬送管理サーバ9が搬送機に
搬送指示を伝達したとき、製造装置管理サーバ8は、ロ
ットLT1の搬送指示および搬送開始時刻を搬送処理情
報J6に登録する。また、製造装置管理サーバ8は、製
造装置E1の製造装置管理情報J4における『インタバ
ルタイマ(g06)』を設定する。すなわち、製造装置
管理サーバ8は、ロットLT1の搬送が開始された後、
同一の製造装置E1に搬送するためのロット選択要求通
知(i02)の伝達を、インタバルタイマの期間だけ待
機する。そして、製造装置管理サーバ8は、搬入要求が
あった時点から、製造装置E1に搬送されているロット
LT1の搬送が完了するまでの時間を、製造装置E1に
おけるインタバルタイマとして設定する。なお、製造装
置E1に搬送されているロットが存在しない場合には、
上記したようにインタバルタイマは0である。従って、
図12の例では、製造装置管理サーバ8は、次のロット
選択要求通知(i02)の伝達を、ロットLT1の搬送
時間だけ待機する(図12におけるk4)。
【0103】開始から20分後、ロットLT1が製造装
置E1におけるポートP1に到着し、ロットLT1に対
して前処理が開始される(図12におけるk2)。この
とき、搬送機から搬入完了報告を受けたロット搬送管理
サーバ9は、ロット番号および搬送指示内容をキーワー
ドとして搬送処理情報J6を検索し、現在時刻から搬送
処理情報J6の『搬送開始時間(h05)』に記載の時
刻を差し引き、現在の搬送所要時間を求める。そしてこ
の時間をロット搬入完了通知(i06)とともにロット
進捗管理サーバ7に伝達する。
【0104】ロット進捗管理サーバ7は、ロット搬送管
理サーバ9から伝達された現在の搬送所要時間を用い
て、上記(1)式によって新規の搬送所要時間を求め
る。今の場合、搬送所要時間が20分、現在の搬送所要
時間も20分であるので、新規の搬送所要時間は20分
となる。この新規の搬送所要時間を用いて、搬送所要時
間情報J3の所定の欄を更新する。
【0105】また、このとき、製造装置E1のインタバ
ルタイマ(図12におけるk4)が満了する。そして、
2つめの処理ロットであるロットLT2が処理ロットと
して決定される。そして、ロット進捗管理サーバ7が、
ロットLT2を処理ロットとする旨の通知を製造装置管
理サーバ8に伝達する。
【0106】また、このとき、製造装置管理情報J4に
おける『処理中ロット数(g04)』は2となる。製造
装置管理サーバ8は、搬送所要時間が記載されているメ
モリ内搬送時間データベース3を検索し、ストッカST
2から製造装置E1への搬送所要時間を取得する。ここ
では、取得される時間は20分である。また、製造装置
管理サーバ8は、搬送時間データベース5にあらかじめ
記憶されている、図13に示すようなプロセス所要時間
情報J8を検索する。このプロセス所要時間情報J8に
は、各製造装置E1〜Enにおけるプロセスの所要時間
が、製造装置毎に記載されている。この検索により、製
造装置管理サーバ8は、製造装置E1のプロセス所要時
間を取得する。上記したように、ここで取得される製造
装置E1のプロセス所要時間は40分である。
【0107】製造装置管理サーバ8は、これらの値から
搬送指示発行タイマを計算する。ロットLT2は処理待
ちであるから、この搬送指示発行タイマは、上記(2)
を用いて求めることができる。すなわち、 搬送指示発行タイマ=プロセス所要時間(40分)−搬
送所要時間(20分)=20分 これにより、搬送指示発行タイマは20分に設定される
(図12におけるk5)。その後、製造装置管理サーバ
8から、ロット搬送管理サーバ9にロットLT2のロッ
ト搬送指示通知(i04)が伝達される。この通知に
は、ロットLT2の現在位置であるストッカST2か
ら、製造装置E1のポートP1にロットLT1を搬送す
る指示、および、上記の搬送指示発行タイマが記載され
ている。
【0108】開始から30分後、製造装置E1における
ロットLT1に対する前処理が終了し、ロットLT1に
対する実際のプロセス(例えば薄膜形成)が開始される
(図12におけるk3)。そして、開始から35分後、
ロットLT3が前工程を終了して仕掛かりキュー(SP
T−QUE)状態となり、仕掛かりロット情報J2に登
録される。このとき、製造装置管理サーバ8は、製造装
置E1のインタバルタイマ(図12におけるk9)を設
定する。
【0109】開始から40分後、ロットLT2の搬送指
示発行タイマが満了する。そして、ロット搬送管理サー
バ9が搬送機に搬送指示を伝達し、搬送が開始される
(図12におけるk6)。この搬送指示には、ロットL
T2をストッカST2から製造装置E1のポートP2に
搬送するようにとの指示が含まれている。
【0110】開始から60分後、20分の搬送所要時間
でロットLT2が製造装置E1のポートP2に到着す
る。搬送機は、ロットLT2がこのポートP2に到着し
たことを伝えるための搬送完了報告をロット搬送管理サ
ーバ9に伝達する。搬送機から搬送完了報告を受たロッ
ト搬送管理サーバ9は、ロット番号および搬送指示内容
をキーワードとして搬送処理情報J6を検索し、現在時
刻から搬送処理情報J6の『搬送開始時間(h05)』
に記載の時刻を差し引き、現在の搬送所要時間(今の場
合は20分)を求め、ロット搬入完了通知(i06)と
ともに、ロット進捗管理サーバ7に伝達する。
【0111】ロット進捗管理サーバ7は、ロット搬送管
理サーバ9から伝達された現在の搬送所要時間を用い
て、上記(1)式によって新規の搬送所要時間を求め
る。今の場合、搬送所要時間が20分、現在の搬送所要
時間も20分であるので、新規の搬送所要時間は20分
となる。この新規の搬送所要時間を用いて、搬送所要時
間情報J3を更新する。
【0112】製造装置E1のポートP2に到着後、ロッ
トLT2には前処理(10分)が施される(図12にお
けるk7)。図12に示すように、このロットLT2の
前処理は、ロットLT1の前処理が完了した後に行われ
るようになっている。従って、ロットLT2は、ポート
P2で待機することなく、前処理を受けることができ
る。
【0113】また、このとき、製造装置E1のインタバ
ルタイマ(図12におけるk9)が満了し、ロット進捗
管理サーバ7によりロットLT3が処理ロットに決定さ
れる。製造装置管理サーバ8は、ロットLT3のロット
搬送指示通知(i04)を作成し、ロット搬送管理サー
バ9に伝達する。このき、搬送所要時間情報J3に記載
のストッカST2から製造装置E1への搬送所要時間は
20分であり、上記(2)式を用いて搬送指示発行タイ
マが計算される。今の場合、 搬送指示発行タイマ=プロセス所要時間(40分)−搬
送所要時間(20分)=20分 となるので、製造装置管理サーバ8は、ロットLT3の
搬送指示発行タイマを20分に設定し(図12における
k10)、ロット搬送管理サーバ9にロット搬送指示通
知(i04)を伝達する。この通知には、搬送指示発行
タイマ,ロットLT3の現在位置としてストッカST2
および搬入先として製造装置E1のポートP3が記載さ
れている。
【0114】開始から70分後、ロットLT1に対する
プロセスが終了する。そして、このとき、ロットLT2
の前処理(10分)が終了し、このロットLT2への実
際のプロセスが開始される(図12におけるk8)。こ
のように、このロットLT2に対するプロセスは、ロッ
トLT1に対するプロセスが完了した直後に行われるよ
うになっている。従って、ロットLT2は、ポートP2
で待機することなく、プロセスを受けることができる。
また、製造装置E1は、前処理を施されたロットを待つ
ことなく、実際のプロセスを施すことができる。
【0115】開始から80分後、ロットLT3に対する
搬送指示発行タイマ(20分)が満了する。このとき、
ロット搬送管理サーバ9は、搬送機に搬送指示を伝達
し、搬送が開始される(図12におけるk11)。この
搬送指示には、ロットLT3をストッカST2から製造
装置E1のポートP3に搬送するようにとの指示が含ま
れている。ここでは、搬送の所要時間は20分であると
する。
【0116】開始から100分後、ロットLT3が搬送
所要時間20分で製造装置E1のポートP3に到着し、
製造装置E1にて前処理(約20分)を受ける(図12
におけるk12)。この時刻には、ロットLT2の前処
理が完了しているので、ロットLT3は、ポートP3で
長時間待機することなく、前処理を受けることができ
る。
【0117】また、このとき、搬送機が、ロットLT3
の搬送完了報告をロット搬送管理サーバ9に伝達する。
ロット搬送管理サーバ9は、ロット番号および搬送指示
内容をキーワードとして搬送処理情報J6を検索し、現
在時刻から搬送処理情報J6の『搬送開始時間(h0
5)』に記載の時刻を差し引き、現在の搬送所要時間
(今の場合は25分)を求め、ロット番号とともにロッ
ト搬入完了通知(i06)としてロット進捗管理サーバ
7に伝達する。
【0118】ロット進捗管理サーバ7は、ロット搬送管
理サーバ9から伝達された現在の搬送所要時間を用い
て、上記(1)式によって新規の搬送所要時間を求め
る。今の場合、搬送所要時間が20分、現在の搬送所要
時間が20分であるので、新規の搬送所要時間も20分
となる。この新規の搬送所要時間によって、搬送所要時
間情報J3が更新される。
【0119】また、このとき、製造装置E1にはインタ
バルタイマが設定されていないので、ロット進捗管理サ
ーバ7が次の処理ロットを決定しようとするが、仕掛か
りキュー状態のロットは存在しない。従って、製造装置
管理サーバ8は、あらかじめ定められた所定のロット選
択要求発行タイマを設定して待機する(図12おけるk
14)。以下では、このロット選択要求発行タイマを5
分とする。
【0120】開始から110分後、ロットLT2に対す
る実際のプロセスが終了する。そして、同時に、ロット
LT3の前処理(10分)が終了し、このロットLT3
への実際のプロセスが開始される(図12におけるk1
3)。このように、このロットLT3に対するプロセス
は、ロットLT2に対するプロセスが完了した直後に行
われるようになっている。従って、ロットLT3は、ポ
ートP3で待機することなく、プロセスを受けることが
できる。また、製造装置E1は、前処理を施されたロッ
トを待つことなく、実際のプロセスを施すことができ
る。
【0121】また、このとき、ロットLT4が前工程を
終了して仕掛かりキュー(SPT−QUE)状態とな
り、仕掛かりロット情報J2に登録される。このときに
は、製造装置E1にインタバルタイマが設定されていな
いので、ロット進捗管理サーバ7によってロットLT4
が処理ロットに指定されるとともに、ロットLT4に対
する搬送指示発行タイマが設定される。この時刻には、
既にロットLT3の搬送が終了し、2回のロット選択要
求発行タイマが満了しているので、ロットLT4に対す
る搬送指示発行タイマは、上記(3)に示した計算方法
によって求められる。すなわち、 搬送指示発行タイマ=プロセス所要時間(40分) −搬送所要時間(20分) −ロット選択要求発行タイマ(5分)×2 =10分 となるので、製造装置管理サーバ8は、ロットLT4の
搬送指示発行タイマを10分に設定し(図12における
k15)、ロット搬送管理サーバ9にロット搬送指示通
知(i04)を伝達する。このロット搬送指示通知(i
04)には、搬送指示発行タイマ,ロットLT4の現在
位置としてストッカST2および搬入先として製造装置
E1のポート4が記載されている。
【0122】開始から120分後、ロットLT4に対す
る搬送指示発行タイマ(10分)が満了し、搬送が開始
される(図12におけるk16)。このとき、ロット搬
送管理サーバ9は、搬送機に搬送指示を伝達する。この
搬送指示には、ロットLT4をストッカST2から製造
装置E1のポートP4に搬送するようにとの指示が含ま
れている。なお、ロットLT3〜LT4へのこれ以降の
処理については、繰り返しとなるので説明を省略する。
【0123】以上のように、本システムにおける生産ラ
イン管理では、製造装置E1〜Enからの搬入要求に基
づき、ロット進捗管理サーバ7が最適な処理ロットを選
択する。そして、メモリ内搬送時間データベース3に記
憶されている各搬送経路の所要時間と、ロット搬送管理
サーバ9が取得した現在の搬送所要時間に基づいて、新
規の搬送所要時間を算出し、この時間と製造装置のプロ
セス所要時間とに基づいて発送指示発行タイマを決定す
るようになっている。すなわち、本システムにおける生
産ライン管理では、ロットの搬送所要時間を常時計測
し、この時間から、仕掛かりロットのストッカでの待機
時間(搬送指示発行タイマ)を決定するようになってい
る。このように、生産ラインにおける搬送状況をリアル
タイムで監視し、待機時間を調整しているので、搬送機
のトラブル等によりロットの搬送に要する時間が一定に
ならなくても、ロスタイムを最小限に抑え、最良の搬送
効率でロットの搬送を行うことが可能となっている。
【0124】さらに、複数のロットが同時に同一の製造
装置に搬入されることがないので、各ロットは、工場内
の無人搬送車や通行するオペレータ達が発するダストの
影響を受けることがない。従って、ダストが引き起こす
被加工物の良品率の低下、製造装置内部の処理機構の汚
染等を防ぎ、被加工物および製造装置をクリーンな状態
に保つことが可能となる。
【0125】また、ロット管理情報J1および製造装置
管理情報J4を用いて、各製造装置および各ロットを個
別に、リアルタイムに管理しているので、各製造装置に
おける処理時間が装置によって異なっても、蓄積してし
まう仕掛かりロットを少なくすることができる。従っ
て、生産ライン全体の稼働率を向上させることが可能と
なる。
【0126】また、通常の生産ラインでは、TFTや半
導体のフォトリソ工程等の数10回も仕掛かる工程があ
るような場合、あるいは、各製造装置の処理能力が均等
でないような場合、各工程の処理時間が装置によって異
なる。しかしながら、本システムでは、製造装置管理情
報J4を用いて各製造装置を管理しているので、処理に
時間のかかる工程のための製造装置上であっても、ロッ
トが長時間待機することがない。従って、ロットをクリ
ーンな状態に保つことができる。
【0127】なお、本実施の形態では、本システムは、
TFT液晶パネルの生産ラインを管理するとしている
が、本発明の生産ライン管理システムは、これに限るも
のではなく、複数のロットを処理する生産ラインであれ
ば、どのような製品を製造する生産ラインに応用しても
よい。
【0128】また、図5に示した製造装置管理情報J
4,図6に示したレシピ情報J5,図9に示した搬送処
理情報J6を記憶するために、生産系データベース4を
用いるようにしてもよい。
【0129】また、ロット進捗管理サーバ7は、ロット
搬送管理サーバ9が取得した現在の搬送所要時間と、メ
モリ内搬送時間データベース3に記憶されている搬送所
要時間との平均を、上記(1)式を用いて取得し、新規
の搬送所要時間とするようにしているが、本発明の生産
ライン管理システムにおける新規の搬送所要時間の取得
方法はこれに限るものではない。新規の搬送所要時間の
算出方法は、ユーザの望むどのような方法でもよい。ま
た、本実施の形態では、ロットが処理待ちとなるタイミ
ングによって、(2)あるいは(3)の式により搬送指
示発行タイマが設定されるとしているが、本システムに
おける搬送指示発行タイマの設定方法はこれに限らな
い。
【0130】もし、搬送時間が前処理時間あるいはプロ
セス所要時間より長い場合、搬送指示発行タイマは常に
0に設定される。また、搬送時間が前処理時間あるいは
プロセス所要時間より短く、かつ、前処理時間がプロセ
ス所要時間より長い場合には、搬送指示発行タイマは、
以下の(4)式によって設定されるようにしてもよい。 搬送指示発行タイマ=前処理時間−ロット選択要求発行タイマの累積時間 −搬送所要時間 … (4) なお、この式を用いる場合、ロット選択要求発行タイマ
が1回も設定されなかった場合には、搬送指示発行タイ
マは、前処理時間から搬送所要時間を差し引いた時間と
なる。また、この(4)式に限らず、搬送指示発行タイ
マは、ユーザの所望の方法で算出されるようにしてもよ
い。
【0131】また、上記では、インタバルタイマは、処
理待ちのロットがある場合、製造装置から搬入要求があ
った時から、この製造装置に搬送されている別のロット
の搬送が完了するまでの時間であるとしているが、これ
に限らず、以下のように設定してもよい。すなわち、イ
ンタバルタイマとしては、処理待ちのロットがある場
合、製造装置から搬入要求があった時から、使用すべき
搬送経路が未使用となるまでの時間を設定するようにし
てもよい。また、製造装置から搬入要求があった時に処
理待ちのロットがない場合には、ロットが処理待ちとな
ってから、使用すべき搬送経路が未使用となるまでの時
間を設定するようにしてもよい。
【0132】また、CIM実績管理コンピュータ1,製
造装置通信管理コンピュータ2,ロット進捗管理サーバ
7,製造装置管理サーバ8およびロット搬送管理サーバ
9の少なくとも1つの機能を遂行するためのプログラム
を、CD−ROM(Read Only Memory)やFD(Floppy
Disk )等の記録媒体に記録し、このプログラムを読み
込み可能な情報処理装置をこれらの部材に代えて用いる
ようにしてもよい。
【0133】また、本システムでは、作業員が手でロッ
トを搬送するのではなく、搬送装置によってロットを搬
送するようにしているが、これは、以下のような理由に
よる。生産の効率化のため、ロットは年々大型化してい
る。例えば、ロットにおけるカセット内部のガラス基板
は、1m四方を超える大きさ、0.5mm程度の厚さを
有するものである。そして、このガラス基板が例えば2
0枚挿入されているロットの重量は、20kg程度とな
る。さらに、TFT液晶パネルは、多くの製造装置にお
いて種々のプロセスを数十回繰り返して製造されるもの
である。
【0134】従って、TFT液晶パネルの製造におい
て、このようなロットを作業員が手で搬送すると、無人
搬送装置での搬送に比べて、ロットに大きな振動を与え
てしまう。このため、ガラス基板の端部に、割れ・欠け
が生じる可能性が非常に高くなってしまう。
【0135】また、作業員の手による搬送では、ロット
のカセットあるいはガラス基板に、手に付着しているダ
ストが付着してしまう可能性がある。クリーンルーム内
に入る作業員は全て防塵服を着用し、発塵しないように
工夫されている。しかしながら、作業員は、両手でロッ
トを持ったときに、ロットの重みのために、カセットの
端を体に密着させてバランスをとるようしてしまうの
で、どうしてもダストの付着が生じてしまう。このた
め、製品の良品質に悪影響が生じてしまう。
【0136】さらに、作業員による搬送では、搬送中に
転倒事故が発生する可能性がある。ロットを持ったまま
転倒すれば、落下したカセットの端部に体をぶつける、
あるいは、破損したロットの清掃時に、ガラス基板の破
片で怪我を負うなどといった危険性がある。また、清掃
時には、他の作業員や無人搬送車の走行経路が塞がれて
しまうので、生産ラインの滞留時間が長期化し、生産ラ
イン全体における製造装置の稼働率に悪影響が生じてし
まう。
【0137】このように、ロットの製造装置への搬入
を、作業員の手ではなく、搬送装置によって行うこと
で、良品質の向上や、製造装置,生産ラインおよび工場
全体の稼働率の向上を実現するとともに、人員およびコ
ストの削減を実現することが可能となる。
【0138】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に記載
の生産ライン管理システムは、生産ライン上の各製造装
置にロットを搬送し、処理終了後に回収するための生産
ライン管理システムにおいて、生産ライン上の各移動経
路におけるロットの搬送所要時間を、移動経路毎に記憶
するための記憶手段と、ロットが搬送される度にその搬
送所要時間を計測する計測手段と、上記記憶手段に記憶
されている搬送所要時間と、上記計測手段に計測された
搬送所要時間とに基づいて、上記記憶手段に記憶されて
いる搬送所要時間を更新し、更新した搬送所要時間に基
づいて、ロットの搬送時刻を決定するための制御手段と
を備えている構成である。
【0139】上記の構成では、生産ラインにおける搬送
状況を常に監視し、待機時間を調整しているので、搬送
機のトラブル等によりロットの搬送に要する時間が一定
にならなくても、ロスタイムを最小限に抑え、最良の搬
送効率でロットの搬送を行うことが可能となるという効
果を奏する。
【0140】さらに、複数のロットが同時に同一の製造
装置に搬入されることがないので、各ロットは、工場内
の無人搬送車や通行するオペレータ達が発するダストの
影響を受けることがない。従って、ダストが引き起こす
被加工物の良品率の低下、製造装置内部の処理機構の汚
染等を防ぎ、被加工物および製造装置をクリーンな状態
に保つことが可能となるという効果も併せて奏する。
【0141】また、請求項2に記載の生産ライン管理シ
ステムは、請求項1に記載の構成に加えて、上記制御手
段が、記憶手段に記憶されている搬送所要時間と、計測
手段が計測した搬送所要時間との平均の時間を求め、こ
の平均の時間によって記憶手段の搬送所要時間を更新す
る構成である。
【0142】これにより、搬送所要時間の更新を簡単な
計算によって行うようになっているので、更新にかかる
時間を極めて少なくすることが可能となるとともに、計
算のための構成を簡単なものすることができる。従っ
て、請求項1の効果に加えて、システムの簡素化と低コ
スト化とを実現できるという効果を奏する。
【0143】また、請求項3に記載の生産ライン管理方
法は、生産ライン上の各製造装置にロットを搬送し、処
理終了後に回収するための生産ライン管理方法におい
て、生産ライン上の各移動経路におけるロットの搬送所
要時間を、移動経路毎に記憶し、ロットが搬送される度
にその搬送所要時間を計測し、記憶している搬送所要時
間と計測した搬送所要時間とに基づいて、各移動経路に
おける搬送所要時間を更新し、更新した搬送所要時間に
基づいて、ロットの搬送時刻を決定する方法である。
【0144】上記の方法では、生産ラインにおける搬送
状況を常に監視し、待機時間を調整しているので、搬送
機のトラブル等によりロットの搬送に要する時間が一定
にならなくても、ロスタイムを最小限に抑え、最良の搬
送効率でロットの搬送を行うことが可能となるという効
果を奏する。
【0145】さらに、複数のロットが同時に同一の製造
装置に搬入されることがないので、各ロットは、工場内
の無人搬送車や通行するオペレータ達が発するダストの
影響を受けることがない。従って、ダストが引き起こす
被加工物の良品率の低下、製造装置内部の処理機構の汚
染等を防ぎ、被加工物および製造装置をクリーンな状態
に保つことが可能となるという効果も併せて奏する。
【0146】また、請求項4に記載の生産ライン管理方
法は、請求項3に記載の方法に加えて、上記搬送所要時
間の更新は、記憶している搬送所要時間と、計測した搬
送所要時間との平均の時間を求めることで行う方法であ
る。
【0147】これにより、搬送所要時間の更新を簡単な
計算によって行うようになっているので、更新にかかる
時間を極めて少なくすることが可能となるとともに、計
算のための構成を簡単なものすることができる。従っ
て、請求項3の効果に加えて、請求項3に記載の方法を
応用したシステムの簡素化と低コスト化とを実現できる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施形態の生産ライン管理シ
ステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した生産ライン管理システムにおける
生産系データベースにあらかじめ記憶されている工程フ
ロー情報の例を示す説明図である。
【図3】図3(a)は、上記生産系データベースに記憶
されているロット管理情報の例を示す説明図であり、図
3(b)は、上記生産系データベースに記憶されている
仕掛かりロット情報の例を示す説明図である。
【図4】図1に示した生産ライン管理システムにおける
メモリ内搬送時間データベースに記憶されている搬送所
要時間情報の例を示す説明図である。
【図5】図1に示した生産ライン管理システムにおける
製造装置管理サーバが作成する製造装置管理情報の例を
示す説明図である。
【図6】図1に示した生産ライン管理システムにおける
製造装置管理サーバが作成するレシピ情報の例を示す説
明図である。
【図7】図1に示した生産ライン管理システムが管理す
る生産ラインの概略を示す説明図である。
【図8】図1に示した生産ライン管理システムにおける
ロット進捗管理サーバから製造装置管理サーバに伝達さ
れるプロセス手順指示通知の例を示す説明図である。
【図9】図1に示した生産ライン管理システムにおける
製造装置管理サーバが作成する搬送処理情報の例を示す
説明図である。
【図10】図5に示した製造装置管理情報の処理中ロッ
ト状態管理項目の表示の例を示す説明図である。
【図11】図11(a)〜(c)は、図1に示した生産
ライン管理システムにおいて同一の製造装置における2
つ以上のポートから搬入要求があった場合の、インタバ
ルタイマおよび搬送指示発行タイマの設定を説明するた
めの説明図であって、図11(a)は、2つのロットが
処理待ちである場合のタイミングチャートを示す説明図
であり、図11(b)は、1つのロットの搬送中に、2
つめのロットが処理待ちとなった場合のタイミングチャ
ートを示す説明図であり、図11(c)は、1つのロッ
トの搬送が完了した後に、2つめのロットが処理待ちと
なった場合のタイミングチャートを示す説明図である。
【図12】図1に示した生産ライン管理システムにおい
て、4つのロットが処理される場合の処理工程と各処理
の経過時間との例を示す説明図である。
【図13】図1に示した生産ライン管理システムにおけ
る搬送時間データベースにあらかじめ記憶されている、
各製造装置におけるプロセス所要時間が記載されている
プロセス所要時間情報の例を示す説明図である。
【図14】従来の生産ライン管理方法を用いた生産ライ
ン管理システムの構成を示す説明図である。
【図15】図14に示した生産ライン管理システムにお
ける製造装置通信管理コンピュータが、製造装置通信イ
ンタフェースを介して、各種の製造装置と接続されてい
る構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 CIM実績管理コンピュータ(計測手段,制御手
段) 2 製造装置通信管理コンピュータ 3 メモリ内搬送時間データベース(記憶手段) 4 生産系データベース 5 搬送時間データベース(記憶手段) 7 ロット進捗管理サーバ 8 製造装置管理サーバ 9 ロット搬送管理サーバ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生産ライン上の各製造装置にロットを搬送
    し、処理終了後に回収するための生産ライン管理システ
    ムにおいて、 生産ライン上の各移動経路におけるロットの搬送所要時
    間を、移動経路毎に記憶するための記憶手段と、 ロットが搬送される度にその搬送所要時間を計測する計
    測手段と、 上記記憶手段に記憶されている搬送所要時間と、上記計
    測手段に計測された搬送所要時間とに基づいて、上記記
    憶手段に記憶されている搬送所要時間を更新し、更新し
    た搬送所要時間に基づいて、ロットの搬送時刻を決定す
    るための制御手段とを備えていることを特徴とする生産
    ライン管理システム。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、記憶手段に記憶されてい
    る搬送所要時間と、計測手段が計測した搬送所要時間と
    の平均の時間を求め、この平均の時間によって記憶手段
    の搬送所要時間を更新することを特徴とする請求項1に
    記載の生産ライン管理システム。
  3. 【請求項3】生産ライン上の各製造装置にロットを搬送
    し、処理終了後に回収するための生産ライン管理方法に
    おいて、 生産ライン上の各移動経路におけるロットの搬送所要時
    間を、移動経路毎に記憶し、 ロットが搬送される度にその搬送所要時間を計測し、 記憶している搬送所要時間と計測した搬送所要時間とに
    基づいて、各移動経路における搬送所要時間を更新し、
    更新した搬送所要時間に基づいて、ロットの搬送時刻を
    決定することを特徴とする生産ライン管理方法。
  4. 【請求項4】上記搬送所要時間の更新は、記憶している
    搬送所要時間と、計測した搬送所要時間との平均の時間
    によって行うことを特徴とする請求項3に記載の生産ラ
    イン管理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6341271B1 (en) * 1998-11-13 2002-01-22 General Electric Company Inventory management system and method
KR20020054830A (ko) * 2000-12-28 2002-07-08 이계안 차량 이송장치의 자동운전 시스템 및 그 제어방법
CN104444313A (zh) * 2014-11-05 2015-03-25 四川省品信机械有限公司 一种砖坯自动化输送抓坯及人工码坯两用运输装置

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