JPH0919853A - 生産管理装置および該装置を用いた生産管理方法 - Google Patents

生産管理装置および該装置を用いた生産管理方法

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JPH0919853A
JPH0919853A JP7167718A JP16771895A JPH0919853A JP H0919853 A JPH0919853 A JP H0919853A JP 7167718 A JP7167718 A JP 7167718A JP 16771895 A JP16771895 A JP 16771895A JP H0919853 A JPH0919853 A JP H0919853A
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lot
manufacturing
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JP7167718A
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Yasumasa Kobayashi
安正 小林
Kazumasa Machida
和正 町田
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]

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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体プロセス等において、ロット処理スケジ
ューリングを行う生産管理装置および該装置を用いた生
産管理方法により、作業者が効率よい生産を行うための
環境を実現する。 【構成】生産指示管理手段は生産ロットの優先度を含む
ロット情報と、生産情報通知手段から供給される製造手
段の生産状況と、メンテナンス管理手段から供給される
メンテナンス情報に応じて生産指示情報を発生する。前
記生産指示情報は生産着手指示手段に伝えられ、生産ロ
ット保管手段で管理される生産ロットが出庫される。製
造手段は前記生産指示情報に応じた内容の製造処理を施
し、生産状況を表す状態情報が生産指示通知手段により
出力される。メンテナンス管理手段は、製造手段の生産
状況に応じて前記メンテナンス情報とメンテナンス指示
情報を発生し、前記メンテナンス指示情報はメンテナン
ス情報通知手段に通知される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、単一の生産
ラインにおいて多品種の集積回路を混合して生産する半
導体プロセス等に用いて好適な生産管理装置および該装
置を用いた生産管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、近年では、コンピュータ
と生産設備とをリンクさせ、生産計画から生産工程まで
をこのコンピュータによって一元的に管理するシステム
が各種開発されている。このようなシステムは、例え
ば、メモリIC等の集積回路を生産するプロセスにも適
用されている。ここで言うプロセスとは、集積回路が形
成されるウエハ上に絶縁膜を堆積させるCVD工程や、
半導体表面に不純物を導入させる拡散工程などである。
これら工程では、多品種に対応した生産ロットが混在し
た状態で半導体製造装置に搬入され、前処理、炉処理お
よび後処理が順次施される。
【0003】また、上記各工程では、各品種に対応した
生産ロット毎のウエハが半導体製造装置において一括し
て処理されるため、この半導体製造装置でなされる一連
の処理は、バッチ処理と総称されている。このバッチ処
理は、各生産ライン毎に配設される半導体製造装置にお
いて各々行われる。従って、生産ライン全体では、異な
った処理条件のバッチ処理が複数同時に行われるため、
並列処理として見なせる。そこで、このような並列処理
を効率良く実行させる生産管理システムが実現されてい
る。
【0004】上述した生産管理システムでは、半導体製
造装置においてなされるバッチ処理が複数同時に存在す
る場合、どのバッチ処理を優先して実行するかを選択す
る必要がある。このような場合、ホストコンピュータ
は、同一処理条件の生産ロットをまとめるバッチ化と、
どの装置で、どの生産ロットを、どのタイミングで処理
するかを決定するロット処理スケジューリングを実施し
ている。
【0005】ロット処理スケジューリングでは、どの装
置に、どのタイミングで生産ロットを割り付けるかを、
その時点での各装置の稼働状態をみて判断している。各
装置の稼働状態としては、処理中、未処理中(生産ロッ
ト待ち)、故障中といった識別を行っている。また、処
理中の状態の場合には、あとどの位時間が経過すれば次
の生産ロットの処理が可能になるかをみて、次の生産ロ
ットの割り付けを行うタイミングを判断している。
【0006】さらに、上述のロット処理スケジューリン
グ以外に、生産ロットの自動搬送から半導体製造装置の
オンライン制御まで、一連の処理を自動で行う高度に自
動化されたシステムも実現されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した生
産ラインの各半導体製造装置では、定期的なメンテナン
ス作業が必要になる。メンテナンス作業の内容は各装置
により異なり、例えばCVD装置や拡散炉ではチューブ
洗浄や治具洗浄など、洗浄装置では薬液交換などの作業
を定期的に行わなければならない。普通これらの定期的
なメンテナンス作業は、各作業内容毎にその実施頻度が
定められており、メンテナンス実施時期に達した時点
で、所定のメンテナンス作業を行っている。従って、メ
ンテナンス実施時期に達した時点からメンテナンスが終
了するまでの期間、各装置では通常の生産ロットの処理
を行うことはできない。
【0008】しかしながら、上述した従来の生産管理シ
ステムにおいては、半導体製造装置の稼働状態のみを認
識しているだけで、メンテナンスの管理まではあまり考
慮されていない。すなわち、将来発生するであろうメン
テナンスに関わる情報が、生産管理システムに十分反映
されていない。従って、ロット処理スケジューリングの
中で重要な内容である処理装置、処理タイミングの決定
が、不適当なものとなってくる。そして、ロット処理ス
ケジューリングの結果が実際の装置の状況に合わなくな
り、ロット処理スケジューリング通りの処理ができなく
なるという問題がある。その結果、効率的なロット処理
スケジューリングを行うことができず、製造ライン全体
の生産能力を低下させてしまうという問題がある。
【0009】また、同様に、上述した従来の生産管理シ
ステムにおいては、半導体製造装置の稼働状態管理のみ
が行われているだけで、半導体製造装置の処理条件(以
下レシピという)単位の管理までは考慮されていない。
すなわち、従来の半導体製造装置の稼働状態管理では、
複数のレシピが登録されている半導体製造装置におい
て、何らかの不具合が発生し、複数登録されているレシ
ピの中の一部分のレシピが使用できなくなってしまう
と、まだ使用可能なレシピが残されている場合であって
も、該当半導体製造装置の稼働状態は故障中といった識
別がされて、その半導体製造装置に対する生産ロットの
割り付けが、全面的に停止となってしまうのである。つ
まりロット処理スケジューリングにおいて、本来であれ
ば使用可能なレシピを備えた半導体製造装置であり、生
産ロットの割り付けが行えるにもかかわらず、割り付け
が行われなくなってしまうという問題がある。その結
果、効率的なロット処理スケジューリングを行うことが
できず、製造ライン全体の生産能力を低下させてしまう
という問題がある。
【0010】また、上述した従来の生産管理システムに
あっては、特に最近の新設生産ラインにおいては、コン
ピュータによるロット処理スケジューリング以外に、半
導体製造装置までの自動搬送、オンライン装置制御まで
実現したものが多く、高度に自動化されている。つま
り、自動化前提のシステムとして構築されている訳であ
り、作業者が介在する場合についてはあまり考慮されて
いない。
【0011】しかしながら、既存の生産ラインに手を加
えてシステムを構築するような場合においては、半導体
製造装置までの自動搬送の導入や、すべての半導体製造
装置を上位コンピュータとの通信機能、オンライン制御
機能を有する最新の装置に置き換えることは、生産ライ
ンのレイアウト上の制限、莫大な投資が必要などの理由
により不可能である。従って、このような場合には、作
業者が介在することを前提としたシステムでなければな
らない。
【0012】作業者が介在する場合の基本的な作業形態
としては、生産管理システムからの情報提供、あるいは
指示に基づいて、作業者が処理すべき生産ロットを、保
管場所から半導体製造装置まで搬送し、各装置でのオペ
レーションを行う、ということになる。従って、このよ
うな場合のシステムにおいては、作業者(人間)への作
業支援を行う手段、つまり、システムと作業者(人間)
とのインターフェース部分が最も重要なものとなってく
る。効率的な生産を行うためには、作業者(人間)との
インターフェースを十分に考えたシステムでなければな
らない。そこで、従来のような自動化前提のシステムで
は、作業者が介在する作業形態に対して十分に対応でき
ない、効率的な生産を行うための環境を提供できないと
いう問題がある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(手段1)少なくとも生産ロット毎に付与され、前記生
産ロットの属性を表すロット情報と、生産情報通知手段
から通知される製造手段の状態情報により形成される生
産状況に対応して、次に行う製造処理の内容を規定する
生産指示情報を発生する生産指示管理手段と、前記生産
指示情報により指定された生産ロットを、所定の製造手
段で所定の製造処理を施すよう作業者、および製造手段
に通知するとともに、製造処理の過程において製造手段
の前記状態情報を生成して出力する生産情報通知手段
と、前記生産情報通知手段から通知される製造手段の状
態情報と、メンテナンス情報通知手段から通知されるメ
ンテナンス管理情報に基づいて、前記製造手段のメンテ
ナンス実施時期を管理し、メンテナンス指示情報を発生
するメンテナンス管理手段と、前記メンテナンス指示情
報を作業者に通知するとともに、前記メンテナンス管理
情報を前記メンテナンス管理手段に通知するメンテナン
ス情報通知手段とを具備することを特徴とする。
【0014】(手段2)前記生産指示管理手段は、前記
メンテナンス指示情報に基づいて、所定の製造手段の残
り製造処理可能時間、または残り製造処理可能回数を判
断して、次に行う製造処理の内容を規定する生産指示情
報を発生することを特徴とする。
【0015】(手段3)前記生産指示管理手段が発生す
る生産指示情報は、少なくとも、次に製造処理を行う生
産ロットの指定情報、使用する製造手段の指定情報、お
よび処理開始時刻の指定情報から構成されることを特徴
とする。
【0016】(手段4)前記生産情報通知手段は、前記
製造手段と通信回線で接続されており、製造処理の過程
において前記製造手段の状態変化が発生する時点で、前
記製造手段から出力される信号に基づいて、前記状態情
報を生成して出力することを特徴とする。
【0017】(手段5)前記生産情報通知手段は、前記
製造手段と通信回線で接続されておらず、製造処理の過
程において製造処理の開始、終了、異常発生などの状態
変化が発生する時点で、状態変化発生の入力を条件に、
前記状態情報を生成して出力することを特徴とする。
【0018】(手段6)前記メンテナンス情報通知手段
は、メンテナンス実施時期に達した時点で、能動的に作
業者に対して前記メンテナンス指示情報を出すことを特
徴とする。
【0019】(手段7)前記メンテナンス情報通知手段
は、メンテナンス実施予定時期、または残り処理可能回
数を表示することを特徴とする。
【0020】(手段8)前記製造手段は、前記メンテナ
ンス指示情報に基づいて、製造手段自身がメンテナンス
を実施することを特徴とする。
【0021】(手段9)少なくとも生産ロット毎に付与
され、前記生産ロットの属性を表すロット情報と、製造
手段の状態情報により形成される生産状況に対応して、
次に行う製造処理の内容を規定する生産指示情報を発生
する生産指示管理手段と、前記生産ロットの識別、保
管、在庫管理、を行う生産ロット保管手段と、前記生産
指示管理手段から出力される前記生産指示情報を作業者
に通知するための生産着手指示手段と、を具備すること
を特徴とする。
【0022】(手段10)前記生産ロット保管手段は、
前記生産ロットを保管する機能、および識別する機能、
入庫、出庫を認識する機能、所在を管理する機能、上位
コンピュータとの通信機能を有することを特徴とする。
【0023】(手段11)前記生産着手指示手段は、前
記生産指示管理手段により規定された生産ロットが、前
記生産ロット保管手段のどこに存在するかを表示装置に
表示することを特徴とする。
【0024】(手段12)前記生産着手指示手段は、前
記生産指示管理手段により規定された生産ロットのロッ
トID、仕掛かり工程、処理する生産装置などの情報を
表示することを特徴とする。
【0025】(手段13)前記生産着手指示手段は、同
時に処理可能な複数の生産ロットが存在する場合、同時
処理可能な生産ロットの所在箇所をすべて同時に表示す
ることを特徴とする。
【0026】(手段14)少なくとも生産ロット毎に付
与され、前記生産ロットの属性を表すロット情報と、生
産情報通知手段から通知される製造手段の状態情報によ
り形成される生産状況に対応して、次に行う製造処理の
内容を規定する生産指示情報を発生する生産指示管理手
段と、前記生産指示情報により指定された生産ロット
を、所定の製造手段で所定の製造処理を施すよう作業
者、および製造手段に通知するとともに、製造処理の過
程において製造手段の前記状態情報を生成して出力する
生産情報通知手段と、前記製造手段における製造処理条
件の使用状態管理を行う製造処理条件管理手段とを具備
することを特徴とする。
【0027】(手段15)前記生産指示管理手段は、前
記製造処理条件管理手段が管理する製造処理条件の使用
状態情報に基づいて、所定の製造手段の次に行う製造処
理の内容を規定する生産指示情報を発生することを特徴
とする。
【0028】(手段16)前記生産情報通知手段は、前
記製造手段と通信回線で接続されており、前記製造手段
から出力される信号に基づいて、前記製造処理条件の使
用状態情報を生成して出力することを特徴とする。
【0029】(手段17)前記生産情報通知手段は、前
記製造手段と通信回線で接続されておらず、前記製造手
段における製造処理条件の使用状態が変化する時点で、
状態変化発生の入力を条件に、前記製造処理条件の使用
状態情報を生成して出力することを特徴とする。
【0030】(手段18)前記製造手段は、前記製造処
理条件の使用状態情報の通知を行うことを特徴とする。
【0031】(手段19)少なくとも生産ロット毎に付
与され、前記生産ロットの属性を表すロット情報と、生
産情報通知手段から通知される製造手段の状態情報によ
り形成される生産状況に対応して、次に行う製造処理の
内容を規定する生産指示情報を発生する第1の過程と、
前記生産指示情報により指定された生産ロットを、所定
の製造手段で所定の製造処理を施すよう作業者、および
製造手段に通知するとともに、製造処理の過程において
製造手段の前記状態情報を生成して出力する第2の過程
と、前記生産情報通知手段から通知される製造手段の状
態情報と、メンテナンス情報通知手段から通知されるメ
ンテナンス管理情報に基づいて、前記製造手段のメンテ
ナンス実施時期を管理し、メンテナンス指示情報を発生
する第3の過程と、前記メンテナンス指示情報を作業者
に通知するとともに、前記メンテナンス管理情報を前記
メンテナンス管理手段に通知する第4の過程とを具備す
ることを特徴とする。
【0032】(手段20)少なくとも生産ロット毎に付
与され、前記生産ロットの属性を表すロット情報と、生
産情報通知手段から通知される製造手段の状態情報によ
り形成される生産状況に対応して、次に行う製造処理の
内容を規定する生産指示情報を発生する第1の過程と、
前記生産指示情報により指定された生産ロットを、所定
の製造手段で所定の製造処理を施すよう作業者、および
製造手段に通知するとともに、製造処理の過程において
製造手段の前記状態情報を生成して出力する第2の過程
と、前記製造手段における製造処理条件の使用状態管理
を行う第3の過程と、を具備することを特徴とする。
【0033】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の具体例につ
いて説明する。
【0034】A.実施例の構成 図1はこの発明の一実施例である生産管理システムの概
略構成を示すブロック図である。なお、この図に示す実
施例は、半導体プロセス工場に適用した場合のシステム
構成を示すものである。図において、1はシステム各部
を監視および制御するホストコンピュータである。ホス
トコンピュータ1の内部には、生産指示管理手段2と、
メンテナンス管理手段3、ロット情報管理ファイルL
f、イベント情報管理ファイルIf、メンテナンス情報
管理ファイルMfが存在する。
【0035】4は、それぞれ各生産ライン毎に配設され
る半導体製造装置であり、生産指示管理手段2によって
指定された生産ロットに対し、所定の半導体プロセス処
理を施す。
【0036】5は、各半導体製造装置4毎に配置された
生産情報通知手段である。基本的には、1:1または
1:多で半導体製造装置4と対応している。また、5a
のように半導体製造装置4aと通信回線で接続されたも
のと、5bのように半導体製造装置4bと通信回線で接
続されてないものの二種類がある。生産情報通知手段5
は、イーサネットENを介してホストコンピュータ1と
接続される。
【0037】6は、メンテナンス情報通知手段である。
メンテナンス情報通知手段6は、イーサネットENを介
してホストコンピュータ1と接続される。
【0038】7は、生産ロットの識別、保管、在庫管理
などを行う生産ロット保管手段である。8は、生産指示
情報を作業者に伝えるための生産着手指示手段である。
生産ロット保管手段7、生産着手指示手段8は、イーサ
ネットENを介してホストコンピュータ1と接続され
る。
【0039】Lfは、ホストコンピュータ1の内部のロ
ット情報管理ファイルである。ロット情報管理ファイル
Lfには、各品種毎のロット情報がデータベースとして
登録されている。このロット情報とは、予め策定された
生産計画に基づいてホストコンピュータ1が生成した各
生産ロット毎の識別データから構成されるものである。
この識別データは、例えば、各生産ロット毎にその種
類、優先度および納期を表すデータ、当該生産ロットに
加える処理内容を示すデータ、あるいは処理の進捗状況
を示すデータ、当該生産ロットの保管場所を示すデータ
等から形成されている。
【0040】Ifはイベント履歴ファイルである。この
イベント履歴ファイルIfには、後述する生産イベント
データIsが登録される。生産イベントデータIsと
は、生産情報通知手段5から供給される情報であり、半
導体製造装置4の生産状況を表すものである。これらデ
ータは、イベント報告毎にイーサネットENを介してホ
ストコンピュータ1に供給され、その度毎にイベント履
歴ファイルIfに更新登録される。こうしたファイルI
fにより、ホストコンピュータ1は常にシステム全体の
状態を把握することが可能になる。
【0041】Mfは各半導体製造装置4のメンテナンス
情報管理ファイルである。メンテナンス情報管理ファイ
ルには、各半導体製造装置4についての各種のメンテナ
ンス情報が登録されている。各半導体製造装置4では、
装置の種類毎に、またメンテナンス作業の種類毎に、処
理可能な累積処理ロット数、累積処理時間などの上限値
として、メンテナンス管理値が定められている。メンテ
ナンス情報とは、一つは、この各メンテナンス作業毎の
メンテナンス管理値のデータであり、もう一つは、各メ
ンテナンス管理項目の現在の実績値のデータである。
【0042】生産指示管理手段2は、イベント履歴ファ
イルIfの内容に基づき半導体製造装置4の処理状況を
把握すると共に、この把握した処理状況とロット情報管
理ファイルLfの内容とに応じて後述する生産指示デー
タDsを発生する。
【0043】生産指示データDsは、生産指示通知手段
5、および生産着手指示手段8に供給されるものであ
り、各生産ロット毎の識別データに対して処理の優先度
を付与させたものである。すなわち、どの半導体製造装
置4で、どの生産ロットを、どのような順番で処理する
か、を割り付けたものである。こうした生産指示データ
Dsは、製造処理開始のタイミングで生産指示管理手段
2から生産情報通知手段5、および生産着手指示手段8
へ転送される。
【0044】メンテナンス管理手段3は、イベント履歴
ファイルIfの内容に基づき半導体製造装置4の処理状
況を把握すると共に、この把握した処理状況とメンテナ
ンス情報管理ファイルMfの内容とに応じて後述するメ
ンテナンス指示データDmを発生する。
【0045】メンテナンス指示データDmは、メンテナ
ンス情報通知手段6に供給されるものであり、各半導体
製造装置4に対してのメンテナンス実施時期の指示を行
うものである。すなわち、各半導体製造装置4でメンテ
ナンスを行わなければならないタイミングになった時点
で、メンテナンス実施の指示を通知する。また、メンテ
ナンス実施時期に達していない場合でも、あと何時間、
あるいはあと何ロット処理が可能かといった情報を通知
する。
【0046】生産情報通知手段5は、半導体製造装置4
の稼動状態をモニタすると共に、それぞれの負荷状態を
ホストコンピュータ1へ報告する。この報告は、例え
ば、処理工程が移行したり、所定ロットの処理が完了し
た時などイベントが発生した場合になされるものであ
る。こうしたイベント報告では、前述した生産イベント
データIsを生成し、これをホストコンピュータ1へ出
力し、イベント履歴ファイルIfに更新登録される。ま
た生産情報通知手段5は、前述の生産指示管理手段2で
生成された生産指示データDsを受信し、生産指示デー
タDsに基づいた半導体製造装置4の制御や、作業者へ
の指示も行う。
【0047】生産情報通知手段5aは、半導体製造装置
4aと通信回線で接続されており、これらの稼動状態を
オンラインでモニタし、リアルタイムで半導体製造装置
4aのイベントデータIsを出力する。生産情報通知手
段5bは、半導体製造装置4bとは通信回線で接続され
てはいないが、イベント発生のタイミングで作業者が所
定の入力操作を行うことにより、半導体製造装置4bの
イベントデータIsを出力する。例えば、生産ロットの
処理を開始する時や、処理が完了した時、および半導体
製造装置4bで異常が発生した時などに、作業者が所定
の入力操作を行うことにより、生産情報通知手段5aと
同様に生産イベントデータIsを生成、出力する。
【0048】メンテナンス情報通知手段6は、前述のメ
ンテナンス管理手段3で生成したメンテナンス指示デー
タDmを受信し、メンテナンス指示データDmに基づい
たメンテナンスの指示、およびメンテナンス情報の提供
を作業者に行うものである。このメンテナンス情報通知
手段6は、図1では独立した構成となっているが、前述
の生産情報通知手段5とハードウエア構成上同一のもの
であっても構わない。
【0049】生産ロット保管手段7は、図2に示すよう
に生産ロットの保管を行う棚部分9と、制御部10から
構成されている。棚部分9は、各棚に1ヶずつの生産ロ
ット11が収納でき、全体で数10ヶの生産ロット11
を収納できる。制御部10は、例えばバーコードリーダ
ーなどの生産ロット11のロットIDを識別する機能、
生産ロット11の入庫、出庫を認識する機能、在庫して
いる各生産ロット11の所在を管理する機能、ホストコ
ンピュータ1との通信機能を備えている。
【0050】生産着手指示手段8は、前記生産ロット保
管手段7の内部、または隣接して設置され、前述の生産
指示管理手段2により規定された生産ロット11が、生
産ロット保管手段7のどこに存在するかを表示装置によ
り知らせるものである。この表示装置は、ランプ、LE
D、LCDディスプレイ、プラズマディスプレイ、CR
Tなどで構成されている。図2は、表示装置としてLE
D12とLCDディスプレイ13を用いて、生産ロット
保管手段7の内部に設置した場合の実施例である。LE
D12は、生産ロット保管手段7の各棚毎に取り付けら
れている。
【0051】また、図3はこの発明の、他の実施例であ
る生産管理システムの概略構成を示すブロック図であ
る。なお、図1と同様な構成要素については、ここでは
説明を省略する。この図に示す実施例も、半導体プロセ
ス工場に適用した場合のシステム構成を示すものであ
る。図において、1はシステム各部を監視および制御す
るホストコンピュータであり、ホストコンピュータ1の
内部には、生産指示管理手段2と、レシピ管理手段1
4、ロット情報管理ファイルLf、レシピ情報管理ファ
イルRf、が存在する。
【0052】Rfは各半導体製造装置4のレシピ情報管
理ファイルである。レシピ情報管理ファイルには、各半
導体製造装置4についてのレシピ情報が登録されてい
る。各半導体製造装置4では、装置毎に、処理可能なレ
シピが定められており、レシピ情報とは、一つは、この
装置毎にどのようなレシピが処理可能であるかを表すデ
ータであり、もう一つは、装置毎の各レシピの現在の使
用可否状態を表すデータである。
【0053】レシピ管理手段14は、生産情報通知手段
5から送られてくるレシピ状態データRsの内容に基づ
き半導体製造装置4の各レシピの使用可否状況を把握
し、レシピ情報管理ファイルRfの装置毎の各レシピの
使用可否状態の内容を更新する。
【0054】生産情報通知手段5は、半導体製造装置4
のレシピ状態をホストコンピュータ1へ報告する。この
報告は、例えば、半導体製造装置4が複数の薬液槽を持
つ洗浄装置の場合を例にとって説明すると、複数ある薬
液槽のうちの一部の薬液槽が、薬液の寿命による定期的
な薬液交換や、あるいは、不純物汚染などによる突発的
な薬液交換により、該当薬液槽が使用できなくなってし
まうことがある。このような時、該当薬液槽を使用する
レシピのレシピ状態は、使用不可の状態となる。このよ
うな場合に、レシピ状態の報告がなされる。こうした報
告では、レシピ状態データRsを生成し、これをホスト
コンピュータ1へ出力し、レシピ管理手段14に通知さ
れる。なお、薬液交換中の該当洗浄装置には、他に薬液
槽があり、薬液交換中の薬液槽を除いた、これらの薬液
槽を使用するレシピのレシピ状態は、依然として、使用
可の状態のままである。
【0055】生産情報通知手段5aは、半導体製造装置
4aと通信回線で接続されており、これらのレシピ状態
をオンラインでモニタし、リアルタイムで半導体製造装
置4aのレシピ状態データRsを出力する。生産情報通
知手段5bは、半導体製造装置4bとは通信回線で接続
されてはいないが、レシピ状態変化発生のタイミングで
作業者が所定の入力操作を行うことにより、半導体製造
装置4bのレシピ状態データRsを出力する。
【0056】B.実施例の動作 1.生産指示管理手段およびメンテナンス管理手段の動
作 次に、上記構成による実施例の動作について図4、図5
を参照し、説明する。なおここでは、既に生産管理シス
テムが稼働している状態にあるものとし、まず生産指示
管理手段2が生産指示データDsを発生する動作と、メ
ンテナンス管理手段3がメンテナンス指示データDmを
発生する動作について説明する。この動作は、後述する
「生産指示管理ルーチン」と、「メンテナンス管理ルー
チン」とから達成される。以下、これらルーチンの動作
について順次説明を加える。
【0057】a.生産指示管理ルーチン システム各部の初期設定を経て各生産ラインが稼働する
と、生産指示管理手段2では、図4に示す「生産指示管
理ルーチン」が起動される。「生産指示管理ルーチン」
では、前述したロット情報管理ファイルLfによる生産
ロット情報と、イベント履歴ファイルIfによる各半導
体製造装置4の処理状況、稼働状況とに基づいて、ロッ
ト処理スケジューリングを行う。すなわち、どの装置
で、どの生産ロットを、どのタイミングで処理するかを
決定する。また、同時に複数の生産ロットを処理できる
バッチ処理装置においては、同一処理条件の生産ロット
をまとめるバッチ化をも行う。この「生産指示管理ルー
チン」が起動されると、図4に示すステップSa1が実
行される。
【0058】ステップSa1では、次の処理が可能な対
象装置の候補を検索する。この検索は、各半導体製造装
置4の稼働状態をみて行っている。稼働状態としては、
未処理中(生産ロット待ち)、処理中、メンテナンス
中、故障中などの識別があり、候補装置としては、未処
理中の装置が第1優先となる。また、未処理中の装置が
ない場合には、処理中装置の中から、最も早く次の処理
が可能となる装置を候補装置とする。この場合の候補装
置の選択は、現在処理を行っているレシピの所要時間
と、生産イベントデータIsの一つである処理開始イベ
ントの発生時刻から、あとどの位時間が経過すれば次の
生産ロットの処理が可能になるかを計算して行う。ま
た、メンテナンス中、故障中の装置の場合には、生産ロ
ットの処理は行えないため候補装置からは除外される。
このようにして、ステップSa1では、次の処理を行う
べき対象装置の候補を検索する。そして、次のステップ
Sa2へ進む。
【0059】ステップSa2では、ステップSa1で検
索した候補装置について、後述する「メンテナンス管理
ルーチン」で設定する「メンテナンス要求フラグ」=0
であるかを判断する。「メンテナンス要求フラグ」と
は、該当装置の残り製造処理可能時間、または残り製造
処理可能回数を判断して、以降の新たな生産ロットの処
理が可能かどうかを、システム内部で識別するために設
定するものである。システム内部では、この「メンテナ
ンス要求フラグ」を基に処理の判断を行う。「メンテナ
ンス要求フラグ」=0の場合には、候補装置はまだ新た
な生産ロットの処理が可能であり、判断結果は「Ye
s」となって、ステップSa3へ進む。一方、「メンテ
ナンス要求フラグ」=1の場合は、候補装置は以降の新
たな生産ロットの処理が不可能であり、判断結果は「N
o」となって、最初のステップSa1へ戻る。
【0060】ステップSa3では、ステップSa1で検
索した候補装置を、該当装置のメンテナンス情報まで含
めて判断した結果、最終的にロット処理スケジューリン
グの対象装置として決定する。
【0061】次のステップSa4では、決定した対象装
置で処理が可能な生産ロットを検索する。この生産ロッ
トの検索は、前述したロット情報管理ファイルLfのデ
ータに基づいて行われ、対象装置で処理可能な工程、レ
シピであるロットを読み出してリストアップする。
【0062】次のステップSa5は、バッチ処理装置の
場合に適用する。バッチ処理装置では、同一処理条件の
生産ロットを複数同時に処理することができるが、この
同時に処理する生産ロットの集合を処理バッチ、あるい
は単にバッチと呼び、この処理バッチを構成する作業を
バッチ化と呼ぶ。ステップSa5では、前のステップS
a4でリストアップされた生産ロットを、各工程別に分
類して、各工程毎の処理バッチを構成するバッチ化を行
う。
【0063】次のステップSa6では、ステップSa5
で構成した処理バッチが複数存在する場合、各処理バッ
チの優先順位を決定する。この優先順位の決定方法は、
その生産ラインの特徴、その時の負荷状況などによっ
て、生産量優先、短納期優先など各種のルールが考えら
れる。また、バッチ処理装置でない単一ロット処理装置
の場合には、このステップは、対象ロットの優先順位決
定ということになる。
【0064】次のステップSa7では、最優先とした処
理バッチ、あるいは生産ロットを、対象装置に割り付け
て、実際に処理に着手してもよいかの最終判断を行う。
例えば、最優先バッチに決定されたバッチの構成ロット
数が極端に少なく、さらに個々の生産ロットの優先度が
低いような場合には、そのまま処理を行うと生産効率が
悪いため、次の候補ロットが到着するまで待ってから処
理を行う方が有利である。この最優先バッチの割り付け
可否の判断とは、このような生産効率の悪い処理を行わ
ないための判断である。具体的には、例えば、処理バッ
チの構成ロット数や、構成ロットの優先度の合計値など
が、ある基準値に達しているかどうかといった判断が行
われる。また、この判断基準値は、任意に設定可能とし
ておくことにより、生産ラインの状況に応じた判断が可
能となる。最優先バッチの割り付け可否判断の結果が
「Yes」の場合には、次のステップSa8へ進む。一
方、判断結果が「No」の場合には、最初のステップS
a1へ戻る。
【0065】ステップSa8では、ステップSa3で決
定した対象装置に、ステップSa6で決定した最優先の
処理バッチ、あるいは生産ロットの割り付けを行う。す
なわち、ここで最終的なロット処理スケジューリングが
行われる訳である。
【0066】次のステップSa9では、作業者に対し
て、最終的に決定したロット処理スケジューリング結果
に基づいた生産着手指示を出す。この生産着手指示は、
前述した生産指示データDsに相当するものであり、前
述した生産指示通知手段5、および生産着手指示手段8
に供給されるものである。
【0067】この生産着手指示の具体的な内容は、例え
ば、ロットIDなどの対象ロットの指定情報や、装置
名、または装置IDなどの対象装置の指定情報、および
対象装置で処理を開始すべき時刻の指定情報から構成さ
れる。また、開始時刻の指定情報については、この生産
着手指示が出た時点が開始時刻であるとすれば、不要と
なる。さらに、対象ロットの仕掛かり工程名、対象装置
で処理すべきレシピIDなどの情報もあれば、作業者の
作業を支援するのにさらに有効である。また、バッチ処
理装置の場合には、処理バッチの構成ロットすべての指
定情報を同時に表示することにより、処理バッチの構成
を知らせることができる。以上の指示情報は、ディスプ
レイなどの表示装置に表示されるが、その他に、ブザ
ー、ランプなどの補助手段を用いて、作業者に積極的に
知らせることもできる。生産着手指示を出したら、最初
のステップSa1へ戻る。
【0068】以上説明した「生産指示管理ルーチン」で
は、従来からの半導体製造装置の稼働状態に加えて、メ
ンテナンスに関わる情報までも考慮しているために、よ
り正確で、効率的なロット処理スケジューリングを行う
ことができる。
【0069】b.メンテナンス管理ルーチンの動作 一方、メンテナンス管理手段3では、図5に示す「メン
テナンス管理ルーチン」が起動される。メンテナンス管
理手段3で管理するメンテナンス管理項目は、装置の種
類毎に異なり、また1台の装置で複数のメンテナンス管
理項目が存在する。このメンテナンス管理項目とは、例
えばCVD装置、拡散炉などでは、チューブ交換、治具
洗浄、ガス交換、オーバーホールなどであり、洗浄装置
などでは、薬液交換、フィルター交換などである。この
それぞれのメンテナンス管理項目において、処理可能な
累積処理時間、累積処理ロット数などの上限値であるメ
ンテナンス管理値が、メンテナンス作業の種類毎に設定
されており、その設定値もメンテナンス作業の種類によ
り様々である。また、メンテナンス管理項目実績値もそ
れに対応した項目分存在する。従って、この「メンテナ
ンス管理ルーチン」も、1台の装置でメンテナンス管理
項目分複数存在し、独立して動作する。この「メンテナ
ンス管理ルーチン」が起動されると、図5に示すステッ
プSb1が実行される。
【0070】ステップSb1では、前述した各半導体製
造装置4でのメンテナンス管理項目実績値の更新タイミ
ングを待っている。更新タイミングとは、メンテナンス
管理値が累積処理ロット数である場合には生産ロットの
処理開始イベントの受信であり、累積処理時間である場
合には時間の経過となる。生産ロットの処理開始イベン
トは、前述した生産イベントデータIsのデータの一つ
であり、半導体製造装置4で生産ロットの処理が開始さ
れた時点で、生産情報通知手段5を経由して報告される
ものである。各半導体製造装置4での各メンテナンス管
理項目毎に、メンテナンス管理項目実績値の更新タイミ
ングを監視しており、更新タイミングになったら、次の
ステップSb2に進む。
【0071】ステップSb2では、メンテナンス管理項
目実績値の更新を行う。メンテナンス管理値が累積処理
ロット数である場合には、現在の累積処理ロット数、ま
たは累積処理バッチ数に「1」を加算する。累積処理バ
ッチ数とは、同時に複数の生産ロットの処理ができるバ
ッチ処理装置の場合に適用する。また、メンテナンス管
理値が累積処理時間である場合には、現在の累積処理時
間に「経過時間」を加算する。累積処理時間の管理値
は、メンテナンス項目によって、数10時間、数日、数
カ月と幅があるため、「経過時間」もメンテナンス項目
毎に設定幅を変更できるようにしておけばよい。メンテ
ナンス管理項目実績値の更新が行われたら、次のステッ
プSb3に進む。
【0072】次のステップSb3では、更新されたメン
テナンス管理項目実績値と、メンテナンス管理値とを比
較判断する。更新されたメンテナンス管理項目実績値
が、メンテナンス管理値より小さい場合は、まだ該当半
導体製造装置4はメンテナンス実施時期に達していな
い、ということであり、以降の生産ロットの処理は可能
である。この場合、判断結果は「Yes」となって、ス
テップSb4へ進む。逆に、メンテナンス管理値より大
きいか、等しい場合には、該当半導体製造装置4はメン
テナンス実施時期に達している、ということであり、以
降の新たな生産ロットの処理は不可能となる。この場
合、判断結果は「No」となり、ステップSb5へ進
む。
【0073】一方、メンテナンスの実施時期となったこ
とをシステム内部で識別するために、「メンテナンス要
求フラグ」を設定し、これを基に処理の判断を行う。メ
ンテナンス実施時期に達していない状態を「メンテナン
ス要求フラグ」=0とし、メンテナンス実施時期に達し
た状態を、「メンテナンス要求フラグ」=1とする。こ
の「メンテナンス要求フラグ」は、メンテナンス管理項
目毎に存在し、前述の「生産指示管理ルーチン」に対し
て、各半導体製造装置4のメンテナンス情報として供給
されるものである。
【0074】ステップSb4では、メンテナンス管理項
目実績値が、まだメンテナンス管理値に達していないた
め、まだ該当半導体製造装置4はメンテナンス実施時期
ではない。従って、以降の生産ロットの処理はまだ可能
である。そこで、該当半導体製造装置4の「メンテナン
ス要求フラグ」=0のままとし、最初のステップSb1
へ戻る。
【0075】ステップSb5では、メンテナンス管理項
目実績値が、メンテナンス管理値に達しているため、該
当半導体製造装置4はメンテナンス実施時期となり、以
降の新たな生産ロットの処理は不可能である。そこで、
「メンテナンス要求フラグ」=1とし、次のステップS
b6へ進む。
【0076】ステップSb6では、作業者に対して、メ
ンテナンス実施指示を出す。このメンテナンス実施指示
は、前述のメンテナンス指示データDmに相当するもの
であり、メンテナンス情報通知手段6へ転送され、作業
者に対してメンテナンスの実施を知らせるものである。
具体的なメンテナンス実施指示は、例えば、端末の画面
に、メンテナンスを実施すべき半導体製造装置名、号機
などの装置情報と、チューブ交換、治具洗浄、薬液交換
などのメンテナンス管理項目を表示させるものである。
また、前述の「生産指示管理ルーチン」と同様に、必要
に応じて、ブザーを鳴らしたり、ランプを点灯、点滅さ
せることにより、作業者への注意を喚起することもでき
る。メンテナンス実施指示を出したら、次のステップS
b7へ進む。
【0077】ステップSb7では、メンテナンス情報通
知手段6に表示されたメンテナンス実施指示に基づき、
作業者が該当装置のメンテナンスを行う。メンテナンス
の開始、終了のイベントは、前述の生産情報通知手段5
を介してホストコンピュータ1に報告される。これも前
述した生産イベントデータIsの一つである。
【0078】半導体製造装置4aのように、生産情報通
知手段5aと通信回線で接続されている場合は、このメ
ンテナンスの開始、終了のイベントを自動的に収集する
ことができる。一方、半導体製造装置4bのように、生
産情報通知手段5bと通信回線で接続されていない場合
には、作業者が生産情報通知手段5bから入力を行うこ
とにより、メンテナンスの開始、終了のイベントを通知
することができる。
【0079】また、生産情報通知手段5aと通信回線で
接続された半導体製造装置4aにおいては、メンテナン
ス管理項目によっては、作業者を介さずに、装置自身で
メンテナンス作業を自動的に行うことができるものがあ
る。この場合、メンテナンス情報通知手段6と、生産情
報通知手段5aとは、ハードウエア構成上同一のもので
ある。メンテナンス情報通知手段6に通知されたメンテ
ナンス実施指示は、接続された通信回線を介して半導体
製造装置4aまで通知され、半導体製造装置4aはこの
メンテナンス実施指示に基づいて、自動的にメンテナン
ス作業を行うのである。これは、すべてのメンテナンス
作業について可能な訳ではなく、例えば、集中給液装置
を装備した洗浄装置の薬液交換のように、人手を介さず
にスイッチ操作で行えるようなメンテナンス作業の場合
に限られる。
【0080】次のステップSb8では、メンテナンス終
了後の該当装置の確認作業を行う。メンテナンス作業が
終了すると、該当装置に異常がないことを確認する作業
が必要になる。この確認作業とは、例えば、CVD装置
や拡散炉などでは、チューブ交換後などに装置で生成さ
れる酸化膜などの膜厚、膜質、パーティクル量などに異
常がないか、規格内に入っているか、といった確認であ
る。また、洗浄装置においては、薬液交換後の新しいエ
ッチング液についてのエッチングレートに異常がないか
どうか、といったような確認である。通常、これらのメ
ンテナンス後の確認作業は、生産ロットではなくモニタ
ウエハを用いて行われている。メンテナンス作業の終了
後、実際に生産ロットが処理可能となるのは、この確認
作業の結果に異常のないことが確認できた時点である。
このメンテナンス後の確認作業が終了したら、次のステ
ップSb9へ進む。
【0081】ステップSb9では、該当するメンテナン
ス管理項目の実績値をリセットし、「メンテナンス要求
フラグ」=0として、メンテナンス管理の状態値を初期
化する。初期化が終了したら、最初のステップSb1へ
戻る。
【0082】以上説明した「メンテナンス管理ルーチ
ン」によって、前述した「生産指示管理ルーチン」にメ
ンテナンス情報を提供することができ、さらに、メンテ
ナンス実施時期に達したことを作業者に知らせることが
できる。
【0083】また、メンテナンス管理手段3では、前述
の「メンテナンス管理ルーチン」とは独立して、あるタ
イミングで現在のメンテナンス管理項目実績値を、メン
テナンス情報通知手段6に通知する機能を備えている。
この通知されるメンテナンス管理項目実績値も、メンテ
ナンス指示データDmの一つである。通知するタイミン
グとしては、前述の生産指示管理手段2が生産指示デー
タDsを生産情報通知手段5に通知した時点、およびメ
ンテナンス情報通知手段6から作業者が問い合わせを行
った時点である。メンテナンス情報通知手段6では、通
知されたメンテナンス管理項目実績値を画面に表示する
ことにより、作業者に対して残り製造処理可能時間、ま
たは残り製造処理可能回数、メンテナンス実施予定時期
として知らせることができる。特に、生産情報通知手段
5と、メンテナンス情報通知手段6が、ハードウエア構
成上同一のものである場合には、生産指示データDs
と、このメンテナンス指示データDmが、同一タイミン
グで同一画面に表示できることになり、作業者が一度に
必要な情報すべてを把握することができる。従って、作
業者の作業支援にはきわめて有効である。
【0084】2.生産ロット保管手段および生産着手指
示手段の動作 次に、前述の生産指示管理手段2が生産指示データDs
を発生する動作を受けて、生産ロット保管手段7と生産
着手指示手段8がどのように動作するかについて、図2
を参照して説明する。
【0085】まず、前の工程での処理が終了した生産ロ
ット11が、該当工程へ運ばれてくると、処理待ちロッ
トとして生産ロット保管手段7へ入庫される。生産ロッ
ト保管手段7への入庫の操作は、各生産ロット11の識
別を行うためのロットIDの入力と、生産ロット保管手
段7へ入庫したことを認識するための入力により行われ
る。
【0086】ロットIDの入力は、例えば、各生産ロッ
ト11のロットIDが、バーコードで表示、識別されて
いる場合には、制御部10に備えられたバーコードリー
ダーで入力を行えば作業性も良い。
【0087】次に、生産ロット保管手段7へ入庫したこ
とを認識するための入力は、複数ある棚部分9のどの位
置に生産ロット11が入庫されたか、入庫位置情報まで
含めて行わなければならない。例えば、生産ロット11
を収納する各棚部分9に、それぞれ在荷検出センサを装
備しておき、生産ロット11が棚部分9に置かれた時点
で、このセンサにより検出する方法がある。各棚毎にセ
ンサが設けられているため、どのセンサが検出したかで
生産ロット11が入庫された位置までも認識することが
できる。また別の方法としては、棚部分9の各棚毎に確
認スイッチを設け、生産ロット11を入庫した際に、入
庫した棚に対応した確認スイッチを押すことにより、ど
の位置に入庫されたかを認識する、という方法もある。
【0088】この入庫された生産ロット11の情報は、
生産ロット入庫イベントとして制御部10からホストコ
ンピュータ1へ報告される。これも前述の生産イベント
データIsの一つであり、イベント履歴ファイルIfに
登録される。また同時に、ロット情報管理ファイルLf
上の、該当生産ロットの保管場所データも更新、登録さ
れる。この生産ロット入庫イベントの具体的なデータ内
容としては、生産ロット11のロットID、生産ロット
保管手段7での所在位置、入庫時刻などから構成され
る。
【0089】前述した生産指示管理手段2では、この生
産ロット保管手段7に存在する生産ロット11を、ロッ
ト処理スケジューリングの対象ロットの候補としてい
る。具体的には、ロット情報管理ファイルLfに登録さ
れている生産ロットの中で、生産ロットの保管場所デー
タが、この生産ロット保管手段7である生産ロットを、
候補ロットとして検索するのである。
【0090】以上説明した内容が、生産ロット保管手段
7への生産ロット11の入庫の手順である。次に、生産
ロット保管手段7からの出庫の手順について説明する。
【0091】生産着手指示手段8では、生産指示管理手
段2から通知された生産着手指示を受けると、表示装置
であるLED12、およびLCDディスプレイ13に、
その指示内容を表示する。生産着手指示は、前述した生
産指示管理手段2の動作で説明したように、対象ロット
の指定情報、対象装置の指定情報などの情報を含んでい
る。
【0092】LED12は、この実施例では、生産ロッ
ト保管手段7の各棚毎に取り付けられており、生産着手
指示により指定された出庫対象ロットの所在位置を表示
するものである。具体的には、出庫対象ロットの収納さ
れた棚位置に対応するLED12を、点灯、あるいは点
滅させることにより、作業者に対して出庫対象ロットの
所在位置を知らせることができる。この表示装置である
LED12は、前述した生産ロット保管装置7に設けら
れている確認スイッチと、ハードウエア構成上同一のも
のとして、LED内蔵スイッチとすれば、取り付けスペ
ース、製作コスト面でも有利である。
【0093】一方、LCDディスプレイ13では、機能
的にLED12に比べて多くの情報を表示することがで
きるため、生産着手指示の細かな情報まで表示すること
が可能となる。例えば、ロットIDなどの対象ロットの
指定情報、およびその所在位置、装置名IDなどの処理
すべき装置の指定情報、対象ロットの仕掛かり工程名な
どの情報である。この表示された情報に基づいて、作業
者は次に行うべき作業内容を把握することができるた
め、作業支援の手段としては非常に有効である。
【0094】また、対象装置がバッチ処理装置である場
合には、処理バッチを構成する生産ロットすべての情報
を同時に表示することにより、作業者に対して処理バッ
チの構成を知らせることができる。特にLED12によ
る表示装置の場合には、バッチ構成ロットすべての所在
位置のLED12を、同時に点灯、点滅させることによ
り、作業者が捜しまわることなく処理バッチの所在を知
ることができる。
【0095】ここでは、表示装置としてLED12、お
よびLCDディスプレイ13を用いた実施例を説明した
が、生産ラインの規模や状況に応じて、どちらか単独で
も良い。また、構成の項目で説明した他の表示手段や、
それらの組み合わせで用いても機能は実現される。
【0096】以上説明した生産着手指示に基づいて、作
業者は出庫指示ロットを生産ロット保管手段7から出庫
する。出庫の操作は、生産ロット保管手段7から出庫し
たことを認識するための入力により行われる。出庫した
ことを認識するための入力は、入庫の操作で説明した生
産ロット11の在荷検出センサ、または確認スイッチに
より行うことができる。
【0097】また、出庫された生産ロット11の情報
も、生産ロット出庫イベントとして制御部10からホス
トコンピュータ1へ報告される。これも生産イベントデ
ータIsの一つであり、イベント履歴ファイルIfに登
録される。具体的なデータ内容としては、生産ロット1
1のロットID、生産ロット保管手段7での所在位置、
出庫時刻などから構成される。出庫された生産ロット1
1は、生産着手指示手段8の指示内容に従って、所定の
半導体製造装置4で処理が施される。
【0098】以上説明したような生産指示管理手段2、
生産ロット保管手段7、および生産着手指示手段8を用
いることにより、作業者が介在する生産ラインにおい
て、作業者に対する作業支援を行い、効率的な生産を行
う環境を構築することができる。
【0099】3.生産指示管理手段およびレシピ管理手
段の動作 次に、図3の構成による実施例の動作について図6、図
7を参照し、説明する。なおここでは、既に生産管理シ
ステムが稼働している状態にあるものとし、生産指示管
理手段2が生産指示情報を発生する動作と、レシピ管理
手段14が行うレシピ管理動作について説明する。この
動作は、後述する「生産指示管理ルーチン」と、「レシ
ピ管理ルーチン」とから達成される。以下、これらルー
チンの動作について順次説明を加える。
【0100】a.生産指示管理ルーチンの動作 一方、システム各部の初期設定を経て各生産ラインが稼
働すると、生産指示管理手段2では、図6に示す「生産
指示管理ルーチン」が起動される。「生産指示管理ルー
チン」では、前述したロット情報管理ファイルLfによ
る生産ロット情報と、イベント履歴ファイルIfによる
各半導体製造装置4の処理状況、稼働状況とに基づい
て、ロット処理スケジューリングを行う。すなわち、ど
の装置で、どの生産ロットを、どのタイミングで処理す
るかを決定する。また、同時に複数の生産ロットを処理
できるバッチ処理装置においては、同一処理条件の生産
ロットをまとめるバッチ化をも行う。この「生産指示管
理ルーチン」が起動されると、図6に示すステップSc
1が実行される。
【0101】ステップSc1では、まず、ロット処理ス
ケジューリングの対象とする半導体製造装置4の候補の
検索を行う。各半導体製造装置4の中から、任意の1台
を選び出し、対象装置候補とするのである。ここで、対
象装置の候補を決定する場合、各半導体製造装置4の中
から無作為に、あるいは、順番に1台づつ対象装置を選
び出す方法が考えられる。また、前述した生産イベント
データIsに基づき、各半導体製造装置4の処理状況を
チェックして、より効率的に対象装置の候補を選び出す
方法も考えられる。つまり、該当半導体製造装置4が生
産指示を受けて、生産ロットを処理しているかどうかに
より、生産ロットの処理をしていない、生産ロット待ち
状態の半導体製造装置4から先に、対象装置の候補とす
るのである。更に、現在、生産ロットを処理中の半導体
製造装置4であっても、次に処理を行う生産ロットが、
該当半導体製造装置4に対して、ロット処理スケジュー
リングされていない、すなわち、ロットが割り付けられ
ていない場合には、該当半導体製造装置4を対象装置の
候補とすることも考えられる。この場合には、該当半導
体製造装置4は、現在生産ロットを処理中であるため、
現在処理中である生産ロットの次に処理を行う生産ロッ
トの予約を行う目的で、ロット処理スケジューリングの
対象装置の候補とするのである。いずれにせよ、いずれ
かの方法により、ロット処理スケジューリングの対象装
置の候補を検索したら、次のステップSc2に進む。
【0102】ステップSc2では、ステップSc1で検
索した候補装置について、後述する「レシピ管理ルーチ
ン」で設定する「レシピ有無フラグ」=ONであるかど
うかを判断する。「レシピ有無フラグ」とは、該当半導
体製造装置4に使用可能なレシピがあるかどうかを判断
して、該当半導体製造装置4で以降の新たな生産ロット
処理が可能かどうかを、システム内部で識別するために
設定するものである。該当半導体製造装置4で、使用可
能なレシピが1つでもある場合には、「レシピ有無フラ
グ」=ONとなり、該当半導体製造装置4で、使用可能
なレシピが1つもない場合には、「レシピ有無フラグ」
=OFFとなる。「レシピ有無フラグ」は、後述する
「レシピ管理ルーチン」で、半導体製造装置4ごとに設
定され、レシピ情報管理ファイルRfに登録される。レ
シピ情報管理ファイルRfを調べて、該当半導体製造装
置4の「レシピ有無フラグ」=ONである場合、少なく
とも1つ以上の、使用可能なレシピが存在することにな
り、生産ロット処理ができるという判断となる。この場
合、次のステップSc3に進む。逆に、「レシピ有無フ
ラグ」=OFFである場合、該当半導体製造装置4に
は、使用可能なレシピが1つも存在しないことになり、
生産ロット処理ができないという判断になる。この場
合、最初のステップSc1に戻る。
【0103】なお、この時、前述のステップSc1で、
対象装置候補を選び出す方法が、現在生産ロットの処理
中である半導体生産装置4であった場合には、現在生産
ロット処理中のレシピがあるということで、当然、「レ
シピ有無フラグ」=ONであるはずであるから、このス
テップSc2は、不要なステップであると感じられるか
もしれない。しかし、対象装置候補の選び出し方が、必
ずしも現在、生産ロット処理中である半導体生産装置4
から選ばれるかどうかは分からない。というのは、たと
えば、対象装置候補を選び出す時に、生産ロット処理中
の半導体生産装置4が、たまたま1台もなかったという
こともありうるからである。逆に、必ずこのようにする
ことで、対象装置の候補の選び出し方に自由度がでて、
生産管理システムの構築が容易となる。
【0104】ステップSc3では、ステップSc1で検
索した候補装置を、該当装置のレシピ情報まで含めて判
断した結果、最終的にロット処理スケジューリングの対
象装置として決定する。
【0105】次のステップSc4では、決定した該当半
導体製造装置4のレシピ情報の検索を行う。レシピ情報
管理ファイルRfには、該当半導体製造装置4の各レシ
ピのレシピ情報が登録されている。ここでは、レシピ情
報管理ファイルRfより、該当半導体製造装置4の任意
の1つのレシピのレシピ情報を検索する。レシピ情報を
検索した後、次のステップSc5へ進む。
【0106】ステップSc5では、レシピ情報の検索結
果を判断する。判断する内容は、検索した結果、レシピ
情報が得られたかどうかである。レシピ情報が得られた
場合は、ステップSc6へ進み、レシピ情報が得られな
かった場合には、ステップSc8へ進む。後述するが、
レシピ検索は、該当半導体製造装置4の任意の1つのレ
シピのレシピ情報の検索を、繰り返し実施するのであ
る。該当半導体製造装置4は、「レシピ有無フラグ」=
ONである、つまり、少なくとも1つ以上の、使用可能
なレシピが存在するわけであるから、必ず最低1回は、
ステップSc6に進むことになる。ステップSc8へ進
む場合とは、レシピ情報の検索を繰り返し実施し、最終
的に該当半導体製造装置4の全てのレシピ情報を検索し
終えた場合である。
【0107】ステップSc6では、検索して得られたレ
シピ情報について、後述する「レシピ管理ルーチン」で
設定する「レシピ可否フラグ」=ONであるかどうかを
判断する。
【0108】「レシピ可否フラグ」とは、該当レシピが
使用可能なレシピがあるかどうかを判断して、該当半導
体製造装置4で該当レシピを用いて、以降の新たな生産
ロット処理が可能かどうかを、システム内部で識別する
ために設定するものである。該当レシピの使用可否状態
が「使用可能」の状態である場合には「レシピ可否フラ
グ」=ONとなり、該当レシピの使用可否状態が「使用
不可」の状態である場合には「レシピ可否フラグ」=O
FFとなる。「レシピ可否フラグ」は、後述する「レシ
ピ管理ルーチン」で、半導体製造装置4の各レシピごと
に設定され、レシピ情報管理ファイルRfに、登録され
る。レシピ情報管理ファイルRfを調べて、該当半導体
製造装置4の該当レシピの「レシピ可否フラグ」=ON
である場合、該当レシピは使用可能であり、次のステッ
プSc7へ進む。該当レシピのレシピ情報が、「レシピ
可否フラグ」=OFFであれば、該当レシピは使用不可
能であり、該当装置の別のレシピ情報を検索するため
に、前のステップSc4へ戻る。
【0109】ステップSc7では、ステップSc4で検
索した候補レシピを、該当レシピの使用可否状態まで含
めて判断した結果、最終的にロット処理スケジューリン
グの対象装置の対象レシピの1つとして決定する。更
に、対象装置の他のレシピ情報を検索するために、前の
ステップSc4へ戻る。
【0110】このように、ステップSc4からSc7を
繰り返し行うことにより、該当装置で使用可能な全ての
対象レシピを、得ることができるのである。
【0111】次のステップSc8では、決定した対象装
置で処理が可能な生産ロットの検索を行う。この生産ロ
ットの検索は、前述したロット情報管理ファイルLfの
データと、ステップSc6で決定した対象装置の対象レ
シピの情報に基づいて行われ、対象レシピを用いて処理
を行う工程に仕掛かっているロットを選択し、リストア
ップする。
【0112】以降のステップSc9〜Sc13は、前述
した図4のステップSa5〜Sa9と基本的に同じであ
るため、ここでの説明は省略する。
【0113】b.レシピ管理ルーチンの動作 一方、レシピ管理手段14では、図7に示す「レシピ管
理ルーチン」が起動される。この「レシピ管理ルーチ
ン」が起動されると、図7に示すステップSd1に処理
が進む。
【0114】ステップSd1では、各半導体製造装置4
での各レシピの使用可否状態の変更が通知されるのを待
っている。変更通知は、前述したレシピ状態データRs
によって通知がなされ、半導体製造装置4でレシピ状態
の変更があった時点で、生産情報通知手段5を経由して
報告されるものである。半導体製造装置4毎の各レシピ
の使用可否状態の変更通知を常に監視しており、変更通
知を受信したら、次のステップSd2に進む。
【0115】ステップSd2では、状態変更が通知され
てきたレシピの使用可否状態の内容の判断を行う。レシ
ピの使用可否状態としては、「使用可能」と「使用不
可」の2種類があり、変更通知されたレシピの使用可否
状態の内容から、該当半導体製造装置4の該当レシピ
が、どちらの状態に変更となったかを判断する。判断の
結果、レシピの使用可否状態が、「使用可能」であった
場合には、ステップSd3に進む。また、レシピの使用
可否状態が、「使用不可」であった場合には、ステップ
Sd4に進む。
【0116】なお前述したように、レシピの使用可否状
態をシステム内部で識別するために、「レシピ可否フラ
グ」を設定し、これによりレシピの使用可否状態を識別
する。レシピの使用可否状態が「使用可能」の状態に変
更になった場合には「レシピ可否フラグ」=ONとし、
レシピの使用可否状態が「使用不可」の状態に変更にな
った場合には「レシピ可否フラグ」=OFFとする。
【0117】ステップSd3では、レシピの使用可否状
態が、「使用可能」に変更となっているので、該当半導
体製造装置4の該当レシピの「レシピ可否フラグ」=O
Nに設定し、この設定した情報にて、レシピ情報管理フ
ァイルRfを更新し、ステップSd5に進む。
【0118】また、ステップSd4では、レシピの使用
可否状態が、「使用不可」に変更となっているので、該
当半導体製造装置4の該当レシピの「レシピ可否フラ
グ」=OFFに設定し、同じくこの設定された情報に
て、レシピ情報管理ファイルRfを更新し、ステップS
d5に進む。
【0119】ステップSd5では、該当半導体製造装置
4の全てのレシピの使用可否状態の検査を行うために、
レシピ情報管理ファイルRfに登録されている該当半導
体製造装置4の全レシピの情報の検索を行う。レシピ情
報管理ファイルRfには、半導体製造装置4毎の各レシ
ピの現在の使用可否状態が、各レシピ毎に「レシピ可否
フラグ」=ONまたは「レシピ可否フラグ」=OFFの
どちらかで登録されている。まず、レシピ情報管理ファ
イルRfより、該当半導体製造装置4の任意の1つのレ
シピのレシピ情報を検索する。ここで、レシピの情報検
索の結果を、システム内部で識別するために、「レシピ
カウンタ」を設定する。検索して得られたレシピ情報
が、「レシピ可否フラグ」=ONである場合に、「レシ
ピカウンタ」をプラス1する。「レシピカウンタ」は、
初期値として0(ゼロ)が与えられている。このため、
「レシピ可否フラグ」=ONであるレシピ情報が、1つ
検索されれば、「レシピカウンタ」は、1となるわけで
ある。ただし、検索して得られたレシピ情報が、「レシ
ピ可否フラグ」=OFFである場合には、この「レシピ
カウンタ」の値を操作することをせずに、次の別のレシ
ピ情報の検索に移る。このようにして、該当半導体製造
装置4のレシピ情報検索を繰り返し、該当半導体製造装
置4の全てのレシピ情報の検索を行う。全てのレシピ情
報検索が終了したところで、ステップSd6に進む。
【0120】ステップSd6では、ステップSd5で行
った該当半導体製造装置4の全レシピの使用可否状態の
検査結果より、該当半導体製造装置4で使用できるレシ
ピがあるかどうかの判断を行う。この判断は、「レシピ
カウンタ」の値を用いて行う。「レシピカウンタ」の値
が、1以上であるか0(ゼロ)であるかを判断する。
「レシピカウンタ」の値が、1以上であった場合には、
該当半導体製造装置4で使用できるレシピが、少なくと
も1つはあるということになり、該当半導体製造装置4
で何らかの生産ロット処理が可能であるということにな
る。この場合は、ステップSd7に進む。また、「レシ
ピカウンタ」の値が、0であった場合には、該当半導体
製造装置4で使用できるレシピが、1つもないというこ
とになり、該当半導体製造装置4では生産ロット処理は
全くできないということになる。この場合は、ステップ
Sd8に進む。
【0121】なお前述したように、半導体製造装置4で
使用できるレシピがあるかどうかをシステム内部で識別
するために、「レシピ有無フラグ」を設定し、識別す
る。半導体製造装置4で、使用できるレシピが1つでも
ある場合には、「レシピ有無フラグ」=ONとし、半導
体製造装置4で、使用できるレシピが1つもない場合に
は、「レシピ有無フラグ」=OFFとする。
【0122】ステップSd7では、該当半導体製造装置
4で、使用できるレシピが1つ以上はあるので、該当半
導体製造装置4の「レシピ有無フラグ」=ONに設定
し、この設定された情報にて、レシピ情報管理ファイル
Rfを更新し、最初のステップSd1に戻る。
【0123】また、ステップSd8では、該当半導体製
造装置4で、使用できるレシピが1つもないので、該当
半導体製造装置4の「レシピ有無フラグ」=OFFに設
定し、この設定された情報にて、レシピ情報管理ファイ
ルRfを更新し、最初のステップSd1に戻る。
【0124】このように、上述した「レシピ管理ルーチ
ン」は、ステップSd1〜Sd8が繰り返されること
で、生産ラインに配置されている、すべての半導体製造
装置4のレシピ管理が行われるのである。
【0125】以上のように、上記実施例による生産管理
システムにあっては、半導体製造装置4をレシピの単位
で管理を行い、一部のレシピしか使用できないような半
導体製造装置4であっても、ロット処理スケジューリン
グの対象とするので、装置を効率よく稼働させることが
できる。また、半導体製造装置4が無駄なく生産ロット
のスケジューリング対象となり、常に効率よい生産ライ
ンを維持することが可能となる。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、将来発生し得る半導体製造装置のメンテナンスを管
理して、このメンテナンスのタイミングを十分考慮した
ロット処理スケジューリングを行うので、実際の装置の
状況に合ったロット処理スケジューリング結果を得るこ
とができ、このスケジューリング結果に従って処理する
ことで効率よい生産形態が実現できる。
【0127】また、生産管理システムからの生産指示情
報や生産着手指示情報を作業者に提供したり、生産ロッ
トの識別、保管、在庫管理を行うので、作業者が介在す
る生産管理システムにおいて、作業者に対するさまざま
な作業支援を行う、効率よい生産を行う環境の構築が実
現できる。
【0128】さらに、半導体製造装置をレシピの単位で
管理して、レシピの状態を考慮したロット処理スケジュ
ーリングを行うので、従来スケジューリングの対象外と
なったであろう装置をスケジューリングの対象としたロ
ット処理スケジューリング結果を得ることができ、この
スケジューリング結果に従って処理することで効率よい
生産形態が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体構成を示すブロック
図。
【図2】同実施例における生産ロット保管手段と生産着
手指示手段の構成を示す図。
【図3】この発明の一実施例の全体構成を示すブロック
図。
【図4】同実施例における生産指示管理ルーチンの動作
を示すフローチャート。
【図5】同実施例におけるメンテナンス管理ルーチンの
動作を示すフローチャート。
【図6】同実施例における生産指示管理ルーチンの動作
を示すフローチャート。
【図7】同実施例におけるレシピ管理ルーチンの動作を
示すフローチャート。
【符号の説明】
1…ホストコンピュータ 2…生産指示管理手段 3…メンテナンス管理手段 4…半導体製造装置 5…生産指示通知手段 6…メンテナンス情報通知手段 7…生産ロット保管手段 8…生産着手指示手段 9…棚部分 10…制御部 11…生産ロット 12…LED 13…LCDディスプレイ 14…レシピ管理手段

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも生産ロット毎に付与され、前記
    生産ロットの属性を表すロット情報と、生産情報通知手
    段から通知される製造手段の状態情報により形成される
    生産状況に対応して、次に行う製造処理の内容を規定す
    る生産指示情報を発生する生産指示管理手段と、 前記生産指示情報により指定された生産ロットを、所定
    の製造手段で所定の製造処理を施すよう作業者、および
    製造手段に通知するとともに、製造処理の過程において
    製造手段の前記状態情報を生成して出力する生産情報通
    知手段と、 前記生産情報通知手段から通知される製造手段の状態情
    報と、メンテナンス情報通知手段から通知されるメンテ
    ナンス管理情報に基づいて、前記製造手段のメンテナン
    ス実施時期を管理し、メンテナンス指示情報を発生する
    メンテナンス管理手段と、 前記メンテナンス指示情報を作業者に通知するととも
    に、前記メンテナンス管理情報を前記メンテナンス管理
    手段に通知するメンテナンス情報通知手段と、 を具備することを特徴とする生産管理装置。
  2. 【請求項2】前記生産指示管理手段は、前記メンテナン
    ス指示情報に基づいて、所定の製造手段の残り製造処理
    可能時間、または残り製造処理可能回数を判断して、次
    に行う製造処理の内容を規定する生産指示情報を発生す
    ることを特徴とする請求項1記載の生産管理装置。
  3. 【請求項3】前記生産指示管理手段が発生する生産指示
    情報は、少なくとも、次に製造処理を行う生産ロットの
    指定情報、使用する製造手段の指定情報、および処理開
    始時刻の指定情報から構成されることを特徴とする請求
    項1記載の生産管理装置。
  4. 【請求項4】前記生産情報通知手段は、前記製造手段と
    通信回線で接続されており、製造処理の過程において前
    記製造手段の状態変化が発生する時点で、前記製造手段
    から出力される信号に基づいて、前記状態情報を生成し
    て出力することを特徴とする請求項1記載の生産管理装
    置。
  5. 【請求項5】前記生産情報通知手段は、前記製造手段と
    通信回線で接続されておらず、製造処理の過程において
    製造処理の開始、終了、異常発生などの状態変化が発生
    する時点で、状態変化発生の入力を条件に、前記状態情
    報を生成して出力することを特徴とする請求項1記載の
    生産管理装置。
  6. 【請求項6】前記メンテナンス情報通知手段は、メンテ
    ナンス実施時期に達した時点で、能動的に作業者に対し
    て前記メンテナンス指示情報を出すことを特徴とする請
    求項1記載の生産管理装置。
  7. 【請求項7】前記メンテナンス情報通知手段は、メンテ
    ナンス実施予定時期、または残り処理可能回数を表示す
    ることを特徴とする請求項1記載の生産管理装置。
  8. 【請求項8】前記製造手段は、前記メンテナンス指示情
    報に基づいて、製造手段自身がメンテナンスを実施する
    ことを特徴とする請求項1記載の生産管理装置。
  9. 【請求項9】少なくとも生産ロット毎に付与され、前記
    生産ロットの属性を表すロット情報と、製造手段の状態
    情報により形成される生産状況に対応して、次に行う製
    造処理の内容を規定する生産指示情報を発生する生産指
    示管理手段と、 前記生産ロットの識別、保管、在庫管理、を行う生産ロ
    ット保管手段と、 前記生産指示管理手段から出力される前記生産指示情報
    を作業者に通知するための生産着手指示手段と、 を具備することを特徴とする生産管理装置。
  10. 【請求項10】前記生産ロット保管手段は、前記生産ロ
    ットを保管する機能、および識別する機能、入庫、出庫
    を認識する機能、所在を管理する機能、上位コンピュー
    タとの通信機能を有することを特徴とする請求項9記載
    の生産管理装置。
  11. 【請求項11】前記生産着手指示手段は、前記生産指示
    管理手段により規定された生産ロットが、前記生産ロッ
    ト保管手段のどこに存在するかを表示装置に表示するこ
    とを特徴とする請求項9記載の生産管理装置。
  12. 【請求項12】前記生産着手指示手段は、前記生産指示
    管理手段により規定された生産ロットのロットID、仕
    掛かり工程、処理する生産装置などの情報を表示するこ
    とを特徴とする請求項9記載の生産管理装置。
  13. 【請求項13】前記生産着手指示手段は、同時に処理可
    能な複数の生産ロットが存在する場合、同時処理可能な
    生産ロットの所在箇所をすべて同時に表示することを特
    徴とする請求項9記載の生産管理装置。
  14. 【請求項14】少なくとも生産ロット毎に付与され、前
    記生産ロットの属性を表すロット情報と、生産情報通知
    手段から通知される製造手段の状態情報により形成され
    る生産状況に対応して、次に行う製造処理の内容を規定
    する生産指示情報を発生する生産指示管理手段と、 前記生産指示情報により指定された生産ロットを、所定
    の製造手段で所定の製造処理を施すよう作業者、および
    製造手段に通知するとともに、製造処理の過程において
    製造手段の前記状態情報を生成して出力する生産情報通
    知手段と、 前記製造手段における製造処理条件の使用状態管理を行
    う製造処理条件管理手段と、 を具備することを特徴とする生産管理装置。
  15. 【請求項15】前記生産指示管理手段は、前記製造処理
    条件管理手段が管理する製造処理条件の使用状態情報に
    基づいて、所定の製造手段の次に行う製造処理の内容を
    規定する生産指示情報を発生することを特徴とする請求
    項14記載の生産管理装置。
  16. 【請求項16】前記生産情報通知手段は、前記製造手段
    と通信回線で接続されており、前記製造手段から出力さ
    れる信号に基づいて、前記製造処理条件の使用状態情報
    を生成して出力することを特徴とする請求項14記載の
    生産管理装置。
  17. 【請求項17】前記生産情報通知手段は、前記製造手段
    と通信回線で接続されておらず、前記製造手段における
    製造処理条件の使用状態が変化する時点で、状態変化発
    生の入力を条件に、前記製造処理条件の使用状態情報を
    生成して出力することを特徴とする請求項14記載の生
    産管理装置。
  18. 【請求項18】前記製造手段は、自動的に前記製造処理
    条件の使用状態情報の通知を行うことを特徴とする請求
    項14記載の生産管理装置。
  19. 【請求項19】少なくとも生産ロット毎に付与され、前
    記生産ロットの属性を表すロット情報と、生産情報通知
    手段から通知される製造手段の状態情報により形成され
    る生産状況に対応して、次に行う製造処理の内容を規定
    する生産指示情報を発生する第1の過程と、 前記生産指示情報により指定された生産ロットを、所定
    の製造手段で所定の製造処理を施すよう作業者、および
    製造手段に通知するとともに、製造処理の過程において
    製造手段の前記状態情報を生成して出力する第2の過程
    と、 前記生産情報通知手段から通知される製造手段の状態情
    報と、メンテナンス情報通知手段から通知されるメンテ
    ナンス管理情報に基づいて、前記製造手段のメンテナン
    ス実施時期を管理し、メンテナンス指示情報を発生する
    第3の過程と、 前記メンテナンス指示情報を作業者に通知するととも
    に、前記メンテナンス管理情報を前記メンテナンス管理
    手段に通知する第4の過程と、 を具備することを特徴とする生産管理方法。
  20. 【請求項20】少なくとも生産ロット毎に付与され、前
    記生産ロットの属性を表すロット情報と、生産情報通知
    手段から通知される製造手段の状態情報により形成され
    る生産状況に対応して、次に行う製造処理の内容を規定
    する生産指示情報を発生する第1の過程と、 前記生産指示情報により指定された生産ロットを、所定
    の製造手段で所定の製造処理を施すよう作業者、および
    製造手段に通知するとともに、製造処理の過程において
    製造手段の前記状態情報を生成して出力する第2の過程
    と、 前記製造手段における製造処理条件の使用状態管理を行
    う第3の過程と、 を具備することを特徴とする生産管理方法。
JP7167718A 1995-07-03 1995-07-03 生産管理装置および該装置を用いた生産管理方法 Withdrawn JPH0919853A (ja)

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