JP3414736B2 - 高純度及び超高純度ビスフェノールaの製造のための新規な方法 - Google Patents

高純度及び超高純度ビスフェノールaの製造のための新規な方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は高純度又はポリカーボネート級の、及び超高
純度のビスフェノールを製造する方法に関する。より詳
細には本発明は高純度及び超高純度の2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(すなわちビスフェノー
ルA、以下、ときに「4,4−BPA」又は「p,p−BPA」ある
いは単に「BPA」と表示する)を、供給原料(フェノー
ルおよびアセトン)の高い転化率及びビスフェノールA
の高い選択率において、修飾イオン交換樹脂触媒の存在
のもとに新規な多段懸濁反応ストリッピング技術を用
い、また従って反応段階から排出される縮合物、すなわ
ち液状縮合反応混合物の中間濃縮を行うことなく、結晶
化段階における新規な微結晶消失技術及びフェノール除
去段階における新規な蒸気/固体脱フェノール技術を用
いることによって製造するための単純化された方法に関
する。もう1つのアスペクトにおいて本発明は新規な多
段懸濁反応ストリッピング装置に関し、その際このもの
の排出液は、これが冷却されたときに1:1のモル比のビ
スフェノールAとフェノールとの付加物結晶を直ちに形
成するのに充分な濃度を有しているために、その得られ
た縮合反応混合物排出液の中間的濃縮を必要とせず直
接、結晶化の操作段階にかけられる。
発明の背景技術 ビスフェノールAは、ポリアクリレート類、ポリアミ
ド類、ポリエーテルイミド類、ポリスルホン類及びポリ
カーボネート類を含む種々のポリマー、及びエポキシ樹
脂や変性フェノール/ホルムアルデヒド樹脂の工業的製
造のための原料又は中間生成物である。高品質ポリカー
ボネートを製造するためには高純度ビスフェノールAを
使用しなければならない。
一方、ポリカーボネートは重要なエンジニヤリング樹
脂である。それらは高温度に対する優れた抵抗性、高い
対衝撃抵抗性及び良好な絶縁抵抗を有する。これらのポ
リマーは例えば化学、化学工業及び電気/電子工学のよ
うな工業的諸分野においてますます重要な役割を演じて
いる。最近、例えばコンピュータ及びビデオ/オーディ
オ工業のような各工業分野においてレーザーデータ記憶
ディスクが広く利用されるようになってきており、とい
うのは光学的データ記憶技術が種々の大きな利点を有し
ているからである。光学的データ記憶基材を製造するた
めの原料はほぼ無色の超高純度のビスフェノールA(ビ
スフェノールAの含有率が約99.99重量%よりも高い)
を用いて作らなければならないポリカーボネートであ
る。超高純度ビスフェノールAは高い純度を有するばか
りでなく、着色度、透過率、灰分及び鉄含有量等につい
て極めて厳密な標準値を満足する必要がある。これによ
ってビスフェノールAの合成と精製とに関連して通常の
ポリカーボネート級ビスフェノールAの製造におけるよ
りも高い諸要求条件が持ち上がる。
ビスフェノールAはフェノールとアセトンとを、過剰
のフェノールを用いて、場合により促進剤とともに酸性
触媒の存在のもとに縮合反応させることによって作られ
る: その反応生成物の混合物は未反応のフェノールとアセ
トン、反応の間に生じた水及び種々の副反応生成物をビ
スフェノールAに加えて含有している。
フェノールとアセトンとの縮合反応の間に形成される
種々の副反応生成物は、主として2−(2−ヒドロキシ
フェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(以下、ときに単に「2,4−BPA」又は「o,p−BPA」とも
表示される)及び“Dianin"の化合物を含む。追加的
に、この反応混合物の中には少量の2,4−ビス[2−
(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]フェノール
(以下においてときに「トリフェノール」とも表現され
る)、ポリフェノール及び若干の望ましくない着色性物
質が存在する。そのような副反応生成物や不純物がビス
フェノールA生成物の中に存在することは、例えばビス
フェノールAを用いて作られた種々の樹脂の品質又は性
能特性の低下をもたらす。
一般に、ビスフェノールAを製造する方法は2つの必
須段階、すなわちフェノールとアセトンとの縮合反応に
よるビスフェノールAの合成と、及び引き続くその得ら
れたビスフェノールAを含む反応混合物の精製とであ
る。
ビスフェノールAの合成に通常的に用いられる方法は
主として「塩酸触媒法」及び「イオン交換樹脂触媒法」
を含む。
塩酸触媒法においては触媒としての塩酸は高度に反応
性であってわずかな量で用いられる。その塩酸により接
触された反応速度及び出発物質、中でもアセトンの転化
率は高い。しかしながら塩酸触媒法は、例えばその酸性
の反応溶液の、アセトンとフェノールとの縮合反応を実
施するのに用いた装置に対する強い腐食性等の欠点を有
する。従ってこの方法は縮合反応及び引き続く種々の処
理を実施するための設備を作るために特殊な型の物質で
作られていることが要求される。加えて、所望の生成物
に対するその反応の選択性の低いこと及び得られたビス
フェノールAの分解は蒸着の間において酸性物質の存在
することに帰せられる。その上に、その反応に引き続く
塩酸の回收のため及び得られた反応生成物の精製のため
に複雑な精製設備が必要である。
更にまた、その所望のBPA生成物は汚染されやすい。
より重要なことは、酸性物質と接触する全ての器具が特
殊な耐食性材料で作られていなければならないことであ
る。
或る場合には、硫酸、種々の硫黄化合物その他の物質
が共触媒又は促進剤としてその塩酸触媒法を或る様相に
おいて改善するために用いられるが、これによって一般
に触媒として酸を用いるビスフェノールAの製造のため
の方法の上述した諸欠点が克服されたことはない。
一方、イオン交換樹脂触媒法は非腐食性の反応系を用
いる。従ってこの方法は反応及び引き続く処理のための
装置の作成に多種多様の材料を使用することを許容し、
そしてこれはまた装置のための設備投資を大いに低下さ
せる。更に、触媒として使用することのできるイオン交
換樹脂は一般にその反応混合物系の中に不溶性であるた
めにこれは縮合反応の後で容易に分離され、そして従っ
て高品質ビスフェノールA生成物を得ることができる。
近年において出発物質の転化率及び所望のビスフェノー
ルA生成物の選択率はイオン交換樹脂触媒法と密接に関
連する触媒工学が継続的に進歩しているために顕著に改
善されている。その結果、この方法はビスフェノールA
の合成においてますます広範囲に用いられている。多数
の特許、特許出願及び他の刊行物がこのイオン交換樹脂
法を記述しており、そして中でも各操作段階、特殊な樹
脂及びそれらに用いられる装置が記述されている。例え
ば、米国特許第3,073,868号、同第3,153,001号、同第3,
172,916号、同第3,234,221号、同第3,873,275号、同第
3,936,507号、同第4,054,611号、同第4,156,089号、同
第4,209,646号、同第4,212,997号、同第4,215,011号、
同第4,294,994号、同第4,308,404号、同第4,346,247
号、同第4,354,046号、同第4,391,997号、同第4,400,55
5号、同第4,445,409号、同第4,471,154号、同第4,487,4
30号、同第4,492,807号、同第4,590,303号、同第4,740,
634号、同第4,798,654号、同第4,847,433号、同第4,91
8,245号、同第4,950,806号、同第4,954,661号、同第5,0
87,767号(日本特許公開JP第64−332,802号も)、同第
5,105,026号及び同第5,124,265号、英国特許GB第159,66
8号、同第1,183,564号、同第1,340,869号及び同第2,05
3,019号、ドイツ特許DE第2,733,537号、ヨーロッパ特許
EP第0,144,735A、同第0,265,318A、同第0,319,325A3(C
N 1,034,361A及びJP公開第62−304,901号も)、同第0,3
24,080号、同第0,329,075号、同第0,330,146号、同第0,
332,877号、同第0,343,349号及び同第0,442,122A、日本
特許公告昭36−23,335号、同昭38−1,368号、同昭40−
7,186号、同昭47−43,937号、同昭49−48,319号、日本
特許公開第50−13,334号、同第54−159,378号、同第55
−27,108号、同第56−46,831号、同第57−88,137号、同
第60−122,004号、同第61−78,741号、同第62−148,441
号、同第62−178,532号、同第63−56,335号及び同第63
−60,227号(CN 1,002,560Cも)、SU 715,100及びCN 1,
034,360A、同1,035,282、同1,036,559A、同1,048,987
A、同1,059,480A及び同1,069,961は若干ともイオン交換
樹脂触媒法に関し、或いは若干の操作段階並びにそれに
用いた装置及び樹脂触媒に関する。
不純物や縮合反応の間に形成された副反応生成物の除
去によって高純度ビスフェノールAを得るための多くの
方法が提案されている。
イオン交換樹脂触媒法によってビスフェノールAを合
成するためには下記の精製過程が一般的に用いられる: 減圧のもとに分別蒸留によりその液態縮合反応混合物
から水及び未反応のアセトンとフェノールとを除去し、
次いでその残留液態混合物を冷却してビスフェノールA
をビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶の形で
析出させ、更にこの得られた付加物結晶を副反応生成物
と不純物とが含まれた混合物から分離し、そして最後に
その付加物結晶からフェノールを除去して高純度ビスフ
ェノールA生成物を得る。更に、付加物結晶を分離して
しまった母液の処理のために多くの方法がすでに提案さ
れている。
ビスフェノールAとフェノールとの付加物の結晶から
フェノールを除去するための方法の1つは蒸留法であ
り、その際フェノールは減圧のもとに溜去される。しか
しながらその付加物結晶の中に存在するフェノールのす
べてを蒸留法によって除去することは不可能である。従
って引き続く操作において日本特許公告第47−43,937号
又は同第40−7,186号に記述されているようなストリッ
ピング段階を実施するか、又は日本特許公開第57−88,1
37号に記述されているような熱水を用いる再結晶段階を
実施することが必要である。
より特別には、Francis N.Apel等に与えられた米国特
許第3,049,569号は超高純度ビスフェノールAを製造す
るための方法を記述しているが、これはアセトンと過剰
のフェノールとの混合物を実質的に不溶性のカチオン交
換樹脂触媒と連続的に接触させ、その反応帯域からの流
出液を2つの流れに分割し、その第1の流れから反応の
副生物とビスフェノールAとを分離し、その第2の流れ
を脱水し、そしてそれら分離された反応の副生物、アセ
トン及びフェノールを反応帯域へ再循環させる各段階を
含む。Apelによれば、ビスフェノールAの理論收率の約
99%の收率を与えるので約50重量%の転化率が最も望ま
しいとしている。得られた反応混合物は僅かに約15重量
%のビスフェノールAしか含んでいない。従ってこの混
合物は濃縮しなければならず、そして再循環量は極めて
大きい。その上、得られる純度は約99%のオーダーであ
る(実施例においては約99.7%が得られている)。
Richard C.Bennettに与えられた米国特許第3,873,275
号は一般的に結晶化のための装置と方法とを記述してお
り、その際母液の再循環量と微細結晶消滅回路を通して
除かれる結晶粒の粒度とを制御して、結晶化を受けてい
るスラリー本体から除かれた望ましくない微細結晶とそ
の滞留時間とが個別に、実質的に改善された均一粒度の
生成物を与えるように制御されるようにする。しかしな
がらBennettの装置は相当に複雑であって、装置の性能
を調節したり制御したりするのは困難である。
Caluire R.Gac等に与えらえた米国特許第4,209,646号
は、約10ないし約50重量%のジフェニロールプロパン、
フェノール及び約15重量%よりも少ない約70℃から約10
0℃までの温度の水の液体を作り、そしてこれにその混
合物の蒸気圧に相当する約20ないし約120mmHgのような
減圧を適用し、一方同時にこれを冷却して殆ど純粋なジ
フェニロールプロパンを結晶の形で析出させることによ
って純粋なジフェニロールプロパン(ビスフェノール
A)を製造する方法を記述している。しかしながら得ら
れたジフェニロールプロパンはなお約2重量%までの不
純物を含み、そしてそのジフェニロールプロパンの着色
は溶融の後で30APHAに相当する。
Lawrence A.Smith,Jr.に与えられた米国特許第4,215,
011号は反応−蒸留塔の中で用いるための、粒状触媒物
質が含まれている複数個の閉じた布ポケットを含み、こ
れらが上記閉じた布ポケットと密接に関連させた金網に
より上記反応−蒸留塔の中に配置され、支持されている
触媒系を開示している。この複雑な触媒粒子の配置は特
に、少なくとも1種類のイソオレフィンと、これに対応
するノルマルオレフィンとの混合物を含む流れからイソ
オレフィン類を分離するためのものである。この特許は
特にノルマンブテンを含む流れからイソブテンを分離す
るのに有効である。これはビスフェノールAの製造にお
いて有効であるか、或いはかつて用いられたことがある
かについては知られていない。
Ming K.Liに与えられた米国特許第4,294,994号は、ビ
スフェノールAとフェノールとの付加物の約50℃から約
150℃までの温度の供給物を、フェノールの沸点以下の
沸点を有する少量の液体キャリヤとともに約150から約2
50℃までの温度におけるようなスプレー乾燥条件にさら
し、そしてその解放されたフェノールからビスフェノー
ルAを回收することによりビスフェノールAとフェノー
ルとの付加物からフェノールを分離する方法を記述して
いる。得られたビスフェノールA生成物の純度は、ビス
フェノールAとフェノールとの付加物が約250℃までの
高い温度の作用を受けてそれにより一般にこのものの分
解又は望ましくない反応が起こるということは明らかに
欠点であるけれども、Liによりあげられた実施例2に示
されているように、約99重量%までである。
Arien Kwantes等に与えられた米国特許第4,308,404号
は1連の反応器を含む反応帯域の中で酸性イオン交換樹
脂触媒の存在のもとにフェノールとアセトンとからビス
フェノールAのようなビスフェノール類を製造するに当
たり、最後の反応器を除いて少なくとも1つの反応器か
らの流出物の1部をその前の反応器、好ましくは第1の
反応器へ再循環させ、そしてその再循環される流れの次
の反応器へ供給される流れに対する比率(再循環率)が
約0.1:1から約10:1までの範囲でであるような改善され
た連続的方法を提案している。しかしながら、このKwan
tesの操作方法は疑いもなくその縮合反応の進行につれ
て反応率の重大な低下がもたらされる。
John W.Flockに与えられた米国特許第4,351,966号は
ビスフェノールAの製造の間に導かれたタール状残渣か
らフェノールを回收する方法に関する。Flockによれば
ビスフェノールのタールを約200から約500℃までの温度
及び大気圧において処理してその捕集されたフェノール
及び種々のフェノール系化合物から遊離されたフェノー
ルの全てを回收する。Flockはいわゆる分子篩触媒を用
いているが、これは結晶性の水和したシリカ−アルミナ
触媒である。
Glem R.Ladewig等に与えられて米国特許第4,354,046
号は未反応のフェノールとアセトン、及びその縮合反応
の間に生じた水の含まれている粗ビスフェノールAを縮
合反応器から結晶化装置へ供給し、トルエンのような有
機溶剤と水とを加え、得られた混合物を加熱して単一液
相を形成させ、この液相を冷却してビスフェノールAの
結晶を得、得られた母液からその溶剤と水とを分離し、
フェノールをその母液と混合し、この混合物をカチオン
交換樹脂触媒又は塩酸と接触させてそれら不純物をビス
フェノールAに転化し、その混合物からフェノールを除
去し、そしてその残部及びその分離されたフェノールを
結晶化装置及び縮合反応器へそれぞれ再循環させること
によってビスフェノールAの純度及び收率を改善する方
法を提案している。p,p−ビスフェノールの生成物收率
及び全不純物の転化率がそれぞれ約95%であることを明
らかに見ることができる。
Ashok K.Mendirattaに与えられた米国特許第4,391,99
7号はビスフェノールAを製造するための方法を記述し
ており、この方法は触媒としてのカチオン交換樹脂の存
在のもとにフェノールとアセトンとを連続反応器系の中
で反応させ、その際その反応温度が反応器の長さ方向に
沿って上昇するか、又は反応が漸進的に上昇する温度に
おいて運転される1連の反応器の中で行われ、ビスフェ
ノールA、フェノール、アセトン、水及びフェノール/
アセトン縮合反応の副生物の縮合反応混合物を形成し、
これは次にいずれかの通常的手段により処理して着色性
物質その他の縮合反応副生物又は不純物の限定された量
を有するビスフェノールA生成物を形成させる。Mendir
attaの教示によれば、副生物又は不純物の量及び物質の
損失を低下させてそれにより用いた系の中での物質の利
用及びBPAの品質を改善することが試みられる。しかし
ながらアセトン反応の転化率及び選択率も著しく限定さ
れる。実際に、約10.7:1のフェノール:アセトンのモル
比において約90℃の温度でアセトンの転化率は約69%に
一定に留まっている。定常的な運転条件のもとでp,p−
ビスフェノールAは約94+%の收率で生じ、そしてp,p
−BPA+o,p−BPAは約98+%から約99+%までの收率
(p,p−BPA、o,p−BPA及び他の副次的量の副生物に基づ
いて)で組み合わせて形成される。p,p−BPAの選択率
は、おそらくは僅かに約96%(p,p−BPA、o,p−BPA及び
他の副次的量の副生物に基づいて)程度であると信じら
れる。
Ashok K.Mendirattaに与えられた米国特許第4,400,55
5号は、カチオン交換樹脂触媒ビスフェノールA製造法
において多重アセトン注入技術を用いる改善されたビス
フェノールA合成反応器系を提案している。Ashok K.Me
ndirattaは、高い物質利用率を与えること及びビスフェ
ノールA生成物の着色又は色調を改善すること、並びに
反応器系に装入された同じ総括的フェノール/アセトン
比についての過剰のフェノールの回收及び再循環を含む
装置設備費/運転経費を低下させることを意図してい
る。運転において第1の反応器又は反応器の開始部にア
セトンの25−75%の供給流を注入し、そして残余はそれ
以降の反応器へ、又は反応器の長さ方向へ沿って注入
し、そしてフェノールは全てその第1反応器へ装入する
か、又は反応器の開始部へ装入する。この方法は高い相
対的フェノール濃度がその縮合反応過程の殆どの間にお
いて維持されることを許容するが、一方そのフェノール
対アセトンの総括的モル比はできるだけ低く低下される
と信じられる。Mendirattaによれば、アセトン反応のp,
p−BPAへの転化率及び選択率は多重アセトン注入系によ
って有意に限定されている〔p,p−BPAの收率は約94+%
であり、そしてp,p−BPAとo,p−BPAとの合計の收率は僅
かに約98+%から約99+%まで(p,p−BPA、o,p−BPA及
び他の副次的副生物に基づいて)である〕。
Frederick C.Franklinに与えられた米国特許第4,471,
154号は垂直方向に互いに隔てられていて、反応液をト
レーからトレーへ流下させるためのそれぞれのダウンカ
マーによって互いに連結された複数個のトレーを有する
反応器容器を含む多段型の流動床蒸留反応器を示してお
り、その際それらトレーの少なくともいくつかのものは
各トレーに結合したスクリーンにより或る容積内に閉じ
込められ、そして蒸気の作用により流動化される或る量
の粒状触媒を含んでいる。運転を開始したときに蒸気の
流れ及び液体の流れは触媒をその上に載せている個々の
トレーをそれぞれ上向き及び下向きに通過する。低沸点
物質及び高沸点物質はそれぞれこの蒸留反応器の上部及
び下部から除かれる。Frederick C.Franklinの教示より
見て、この特許は、ビスフェノールA生成物の純度や色
調或いは着色を、同時にビスフェノールAの製造方法の
単純化とともに改善することを目的とするものというよ
りはむしろ、多段型の流動床蒸留反応器を提供すること
により反応物A及びBの反応を実施することを目的とし
たものであることは明らかである。
Viney P.Anejaに与えられた米国特許第4,492,807号は
不純のビスフェノールA及びフェノールよりなる混合物
に約15重量%までの水と約15重量%までの有機液体とを
同時に加えることを示している。その有機液体はビスフ
ェノールAやフェノールと反応してはならず、そしてビ
スフェノールAの合成の間に生じた不純物又は副生物の
実質的割合を溶解させるものである。好ましい有機液体
はトルエン及びアセトンである。Anejaの発明は約90%
までというようなビスフェノールAの回收の著しい上昇
が生成物純度を重大に犠牲にすることなく得られるとい
う点で有利である。回收率及び純度は明らかに期待され
たものよりもそれほど改善されてはいない。
Ashok K.Mendirattaに与えられた米国特許第4,590,30
3号はフェノールとアセトンとからビスフェノールAを
製造する方法に関し、その際その縮合反応器に1時間当
たり装入された合計アセトン供給物の重量について1時
間当たり約5重量%から約70重量%まで、好ましくは約
10重量%から約40重量%までのアセトン供給物を分流さ
せ、そして縮合反応器の流出物の生成物分布が実質的に
維持されるように転移反応器へ移動させる。全アセトン
供給物を転移反応器へ分流させた結果として改善された
アセトン転化率が実現され、そしてBPA生産性が高めら
れると報告されている。しかしながら、アセトン転化率
の約35%の上昇があるにしても、最も高い総合アセトン
転化率は約65重量%である。
Isabel M.Gones de Matos等に与えられた米国特許第
4,740,634号はビスフェノールAを製造するための方法
の特別な様相を開示しており、その際ビスフェノールA
と、約0.5から約15重量%までのジフェノール異性体及
び他の不純物とを含むけれども本質的にフェノールを含
まない混合物に水が加えられる。得られた混合物をその
中に存在する固体物質が溶融するのに充分な温度にし、
次いで約90℃以下の温度に冷却してビスフェノールAの
結晶を形成させ、これをその後で分離し、洗浄し、そし
て乾燥させてビスフェノールAの生成物を得る。しかし
ながら、そのようにしてビスフェノールA生成物は0.11
1の初期吸光度を有し、そしてこれを有機溶剤と接触さ
せることにより更に精製しても約99.5重量%よりも低い
p,p−BPAしか含有しない。
Shigeru Iimuro等に与えられた米国特許第4,798,654
号はビスフェノールAとフェノールとの中間付加物を約
160℃から約200℃までの範囲の温度において脱フェノー
ル化塔の中で蒸留し、フェノールをその蒸留塔の塔頂か
ら、そしてビスフェノールAをその蒸留塔の塔底から回
收し、そして塔底液の1部をビスフェノールAとフェノ
ールとの付加物の供給物に再循環させることを含む、ビ
スフェノールAの製造方法を記述している。このIimuro
の開示において蒸留塔の閉塞が防止され、そして1年間
というような長期間の連続運転が可能であるといわれて
いる。しかしながらその脱フェノール化塔の塔底から取
り出されたビスフェノールA生成物のフェノール含有量
はなお約2%にも達している。
Gaylord M.Kissingerに与えられた米国特許第4,847,4
33号はビスフェノールAのような2価フェノールを製造
する方法を提案しており、この方法はその酸性イオン交
換樹脂触媒から回收された流れの中にこの触媒に由来す
る酸性不純物の多量が存在することの発見に基づくもの
である。これらの不純物はそのビスフェノールA生成物
の消失(分解)をもたらすと信じられる。従ってKissin
gerは酸を中和するのに有効な量の第II−a族の金属又
は遷移金属の+2の酸化数の炭酸塩を加えること、そし
てその際炭酸バリウムが特に好ましいことを示唆してい
る。純度のデータ中でもビスフェノールAの純度のデー
タ及びアセトンの転化率についてのデータはこのKissin
gerの開示の中には見いだされない。
Shigeru Iimuro等に与えられた米国特許第4,918,245
号はビスフェノールAの製造方法を記述している。この
米国特許によれば、1)例えばメルカプトエチルアミン
のようなメルカプト基含有化合物で修飾されたスルホン
酸型カチオン交換樹脂触媒の存在のもとに1モルのアセ
トンを4ないし12モルのフェノールと反応させて約20か
ら約60%までのアセトンを転化させ、そして2)その未
反応アセトンを含む反応混合物を次に塩酸触媒の存在の
もとに反応させる。しかしながら、この米国特許第の欠
点は、塩酸触媒を用いること、及びそのようにしてさ
え、その得られたp,p−BPAの純度は、この発明の唯一の
例に示されているように僅かに98.3%に過ぎないという
ことである。
Shigeru Iimuro等に与えられた米国特許第4,950,806
号は、ビスフェノールAのフェノール溶液から水の存在
のもとにビスフェノールAとフェノールとの付加物を結
晶化させる方法を記述しており、この方法は上記の溶液
の中のビスフェノールAの濃度を、溶液比重の測定に基
づくフィードバックの制御により上記の溶液からフェノ
ールの1部を除去するか、又は上記の溶液にフェノール
を加えることにより、20から50重量%までのビスフェノ
ールAを含む調節された溶液が得られるように上記溶液
の中のビスフェノールAの濃度を制御し、そしてその調
節された溶液を結晶化装置へ供給して約30℃から約70℃
までの温度を有する溶液を形成させ、そしてこの結晶化
装置の内壁を温度差が5℃よりも小さいことを条件とし
てその溶液よりも高い温度に維持する各段階を含む。こ
の特許も塩化水素を触媒として使用し、そしてその反応
系から出てくる反応混合物を濃縮しなければならないと
いう欠点がある。
Shigeru Iimuro等に与えられた米国特許第4,954,661
号はビスフェノールAとフェノールとの付加物が分離さ
れてしまった後の母液から高收率でビスフェノールAを
回收し、そして着色性物質及び他の不純物を除去するこ
とにより高純度又は高品質のビスフェノールAを製造す
る方法を開示している。このIimuro発明の第1アスペク
トによれば、ビスフェノールAとして回收されない各副
生物の1部をその反応系から抜き出し、その際これをい
ずれかの工程へ再循環することが防止されるか又はこれ
を各工程に再循環させるのを最小限にし、そして従って
ビスフェノールAはそのような副生物の蓄積に基づいて
それらにより汚染され得ない。更にまた、回收されてビ
スフェノールAを得ることができるような副生物の抜き
出された全ての部分をこの主要反応過程に送り戻すこと
ができるので、各工程の生産性を最大限度まで上昇させ
ることが可能である。この特許は濃縮、結晶化及び分解
又はクラッキング等のようなフェノールとアセトンとの
縮合反応に引き続く種々の操作を含む総合的方法を教示
しているに過ぎない。
Kenichi Okamoto等に与えられた米国特許第5,087,767
号は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの
製造方法を示しており、この方法は触媒として酸性イオ
ン交換樹脂の存在のもとにアセトンとフェノールとを反
応させ、その際そのアセトン及びフェノールの含まれた
反応混合物から反応の間に生じた水の1部を、選択的に
水を透過する、例えば多孔質ガラス、シリカ、アルミナ
及びセラミック膜のような膜を用いる完全蒸発(pervap
oration)法によって除去しながらアセトンとフェノー
ルとの反応を実施する。この特許に記述された方法によ
れば、反応により生じた水は反応と同時に、又は反応と
別に完全蒸発操作により迅速に除去することができ、ま
た従ってそのイオン交換樹脂の触媒活性は少しも損なわ
れない。その上、脱水に伴う複雑な操作をなんら必要と
しない。従ってその酸性イオン交換樹脂触媒はこれを再
生するためのなんらの処理を必要とせず、長期間にわた
って連続的に使用することができる。更に、この特許の
方法によればビスフェノールAをアセトンとフェノール
とから高い転化率及び良好な收率で経済的に製造するこ
とができる。しかしながら、その例示的ないくつかの実
施例において示されているように、その水除去の能力は
強力ではなく、従ってバッチ式の撹拌機付き反応器の中
での約8時間の縮合反応の後でアセトン転化率又はp,p
−ビスフェノールAの收率は無機/有機複合膜について
約75%であり、有機性膜について約80%であり、そして
無機性膜について約90%である。
Joseph B.Powellに与えられた米国特許第5,105,026号
はビスフェノール副生物の異性化方法におけるビスフェ
ノール生成物の純度の改善に関し、その際ビスフェノー
ルの各異性体が所望のビスフェノール生成物に異性化さ
れる。異性化の間にその酸性イオン交換樹脂異性化触媒
から酸性樹脂の微細粒子が反応流出液の中に溶離され
る。これらの樹脂微細粒子はアルミナ又はカーボンのよ
うな固体粒子の床によって汚染なく効率的に濾過するこ
とができる。この樹脂微細粒子の除去は、樹脂粒子が除
かれること及び引き続く精製及び仕上げ工程の間におけ
るビスフェノール類の酸による接触分解が減少すること
により生成物品質や收率を改善する。
Edward M.Jonesに与えられた米国特許第5,133,942号
は蒸留塔反応器の中でいくつかの化学反応を同時に実施
し、分別蒸留によって各反応物及び反応生成物を分離
し、その蒸留塔反応器から反応触媒を除去し、そして使
用済み触媒を新しい及び/又は再生された触媒で置き換
えるための装置を提案している。この蒸留塔には複数個
の適当な液体/蒸気接触トレーが含まれている。上記ト
レーのそれぞれはダウンカマーを有し、かつこれと組み
合わされており、上記ダウンカマーはそれぞれのトレー
を上記各トレーの下のトレーに連結している。上記トレ
ーの少なくとも1部の上に固体粒状触媒が金網又はスク
リーン或いは濾材によって支持されており、そして上記
トレーの上の液体の深さにほぼ等しい深さまで沈められ
ている。各トレーの上の液体を通して上昇する蒸気はそ
れら粒状触媒をその液体の中の懸濁液の形に保つ傾向を
有する。明らかに、各反応物の反応温度と分別蒸留によ
って分離されるべき各成分又は生成物の蒸留温度とが互
いに一致しないか又はその間に大きな差異が存在するた
めに実行されない多数の化学反応が存在する。
Shigeru Iimuro等に与えられたヨーロッパ特許EP 0,3
19,326A3は高純度の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノールA)を製造するための方
法を提案している。Shigeru Iimuro等は実際には単に、
中でもアセトンとフェノールとの縮合反応及び引き続
く、例えば蒸留又はその得られた反応混合物の濃縮及び
結晶化のような処理によって得られたビスフェノールA
とフェノールとの付加物を脱フェノール化操作にかける
前の予備処理段階を示しているに過ぎない。このIimuro
の発明によれば、その付加物はビスフェノールAとフェ
ノールとの付加物が分解されてビスフェノールA生成物
を与えるときに副生物として得られるフェノールにより
洗浄される。このIimuroの記述には、その洗浄された付
加物の分解により得られたビスフェノールAの色調が約
10APHAであり、そしてこのビスフェノールA生成物の純
度は光学的記憶用ポリカーボネートの製造に用いるため
の材料として満足であると信じられることが報告されて
いる。しかしながら、このビスフェノールA生成物の純
度はこのIimuroの開示には特にあげられてはいない。
三井東圧化学(株)に譲渡された日本特許第61−78,7
41号は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(BPA)の製造方法を記述しており、その際フェノール
とアセトンとを含んだ混合反応液をイオン交換樹脂及び
脱水剤と同時的に、又は別個に接触させる。結果とし
て、あげられているいくつかの実施例には、そのような
縮合反応の約8時間後に転化率は最高で約95%であり、
そして得られたビスフェノールA生成物の純度は約97.5
%を超えないことが報告されている。
CN 1,069,951Aは、ビスフェノールAとフェノールと
の付加物結晶の製造及び精製、高品質ビスフェノールA
生成物の結晶化手段及び製造方法に関する。この特許出
願の教示によれば、アセトンと過剰のフェノールとの縮
合反応からもたらされた反応混合物を複数個の結晶化処
理段階を通過させ、そしてそれぞれの結晶化段階におい
てその間に結晶化して分離されたビスフェノールAとフ
ェノールとの付加物を、特殊な態様に従ってそれら付加
物結晶を充分に洗浄して精製するために既に精製されて
いるフェノール生成物と密接に接触させる。その後でフ
ェノールを、例えば蒸発、抽出及び水蒸気蒸留等により
付加物結晶から除去する。この出願の開示においては高
純度、良好な色調(15APHAよりも低い)、良好な貯蔵安
定性及び溶融したときの着色に対する抵抗性を有するビ
スフェノールAを得ることができると主張されている。
明らかに、この出願においては、得られたビスフェノー
ルAの純度が、単純化された反応器系及びそれに引き続
く処理手段による種々の操作段階の改善によってどのよ
うに上昇されるかよりは、そのビスフェノールAとフェ
ノールとの既に形成された付加物結晶の結晶化操作の実
施のみが強調されている。
イオン交換樹脂触媒法に従う精製操作の後で得られた
ビスフェノールA生成物は通常のポリカーボネートの製
造のために使用できるビスフェノールAの品質について
の要求条件は満たすけれども、これまで、例えば光学的
データ記憶材料の製造に用いるのに充分な、例えば約9
9.95%以上、或いは更に約99.99%を超えるような純度
を有する超高純度ビスフェノールA生成物は知られてい
ない。
上にあげた特許及び特許出願のような文献にこれまで
提案されているイオン交換樹脂触媒法に従う高純度ビス
フェノールAの合成方法は一般に約8:1よりも高いフェ
ノール対アセトンの比較的高いモル比を採用し、そして
同時に反応温度及び滞留時間等について或る限定が存在
するので、得られる液態縮合反応混合物の中のビスフェ
ノールAの濃度は非常に低く、典型的には約15%以下で
ある。従ってこの液態縮合反応混合物はこれを冷却して
ビスフェノールAとフェノールとの付加物を結晶の形で
析出させるに先立って濃縮しなければならない。これま
で、その非常に希薄な縮合反応溶液の直接の結晶化は疑
いもなく非常に低いビスフェノールAの收率をもたら
し、そして全く許容できない着色又は15APHAよりも高い
色調をもたらし、それによりそのようにして得られたビ
スフェノールA生成物の純度を著しく低下させるので、
濃縮段階を省略する提案は存在していない。反応混合物
を濃縮することは、その方法の生成物の流れが強い熱的
な作用に1回以上さらされることを意味し、それによ
り、その反応器系からの液態縮合反応混合物が僅かに酸
性の不純物を含んでいるので、おそらくはその所望の反
応生成物の分解又は2次的反応に導いて着色性物質が形
成される。
その上に、例えば上にあげた特許又は特許出願の中に
記述されているイオン交換樹脂触媒法は縮合反応速度が
低く、かつ供給原料の反応器系内での滞留時間が長いこ
とが欠点である。後処理は複雑であり、そしてフェノー
ルのアセトンに対する比率が高くかつ未反応フェノール
の再循環の流れが多量であるので負荷が大きい。ある場
合には用いた反応器系は組み立て又は分解が困難であ
る。米国特許第4,487,430号に記述されている袋構造の
場合には若干の液体が各袋の間の空間を通して流れ得
る。
従って、個別にそれぞれの先行的方法に対する若干の
利点が示され、そして上にあげたような多くの特許その
他の刊行物に記述されているようなビスフェノールA
(BPA)を製造するための多数の方法が既に存在してい
るけれども、従来の種々の方法或いはそれらのうちの若
干の段階を種々の点について更に改善するか、又はます
ます高い品質(純度及び着色等)のビスフェノールA生
成物を製造するための新規な方法を開発して、種々の工
業的用途における大きな要望に合わせることが常に望ま
しい。
発明の開示 本発明者等は、新規に開発された微細結晶消滅技術及
び/又は蒸気/固体脱フェノール化技術との組み合わせ
において、但しその縮合反応器系から排出される縮合反
応混合物を、それらが結晶化にかけられるに先立ってな
んら中間的濃縮を行うことなく、触媒としての修飾され
たイオン交換樹脂の存在のもとでのフェノールとアセト
ンとの縮合反応のために特殊に設計された、ストリッピ
ング媒質として不活性のガスの流れを用いる多段懸濁反
応ストリッピング技術を採用することを含む方法で、ビ
スフェノールAをより簡単にかつより経済的に製造で
き、それによりポリカーボネート級ビスフェノールA生
成物の製造ばかりでなく、超高純度ビスフェノールA生
成物の製造をも許容し、そして同時に設備費用及び運転
経費が大きく低下することを見出した。
従って、本発明の目的の1つは、多段懸濁反応ストリ
ッピング装置の中でフェノールとアセトンとを反応させ
て高いビスフェノールA含有率を有する反応混合物を形
成させることを含む高純度ビスフェノールAの製造方法
を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、その反応ストリッピング
装置からのビスフェノールA生成物を含む反応混合物を
直接結晶化させることを含む高純度ビスフェノールAの
製造方法を提供することである。
本発明の更にもう1つの目的は、2つの濾過手段を有
し、かつ少なくとも1つの結晶消滅装置と連結された結
晶化装置の中でビスフェノールA生成物を含む反応混合
物を冷却することを含む、高純度ビスフェノールAの製
造方法を提供することである。
本発明の更に別な目的は、ガス/固体脱フェノール装
置の中でビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶
からフェノールを除去することを含む高純度ビスフェノ
ールAの製造方法を提供することである。
本発明のなお別な目的は、脱フェノール装置からのビ
スフェノールA結晶を再結晶させることを含む超高純度
ビスフェノールAの製造方法を提供することである。
本発明の更になお別な目的は、ビスフェノールAとフ
ェノールとの付加物結晶を分離した後で得られる母液を
濃縮し、2次結晶化させ、そして再びその結晶を分離
し、引き続いて2次結晶を反応ストリッピング装置から
排出される反応混合物の排出流に再循環させることを含
む、高純度又は超高純度ビスフェノールAを良好な收率
で、且つ高い選択率において製造するための方法を提供
することである。
本発明の具体例の1つによれば、高純度ビスフェノー
ルAを製造する方法が提供されるが、この方法は、 1)触媒として修飾されたカチオン交換樹脂の存在のも
とに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセト
ンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応ストリ
ッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2)その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4)上記段階3)において得られた付加物結晶からフェ
ノールを除去して高純度ビスフェノールA生成物を得る
こと を含む方法である。
本発明のもう1つの具体例によれば、高純度ビスフェ
ノールAを製造する方法が提供されるが、この方法は、 1)触媒としての修飾されたカチオン交換樹脂の存在の
もとに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセ
トンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応スト
リッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2')その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、但し上記結晶化装置はそ
の中に設けられた2つのフィルター手段を有して、それ
によりビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶
の、予め定められた結晶分画の粒度よりも小さな粒度を
有する微細粒子を含むスラリーの部分を循環ポンプによ
り択一的にフィルター手段の1方を通過させ、次いで少
なくとも1つの微細結晶消滅装置の中に導入してここか
ら微細結晶の消滅の後で得られた溶液を上記の、又はも
う1つの循環ポンプを用いて択一的にもう1方のフィル
ター手段を通して結晶化装置へ戻し、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4)上記段階3)において得られた付加物結晶からフェ
ノールを除去して高純度ビスフェノールA生成物を得る
こと を含む方法である。
本発明の更にもう1つの具体例によれば、高純度ビス
フェノールAの製造方法が提供され、この方法は 1)触媒として修飾されたカチオン交換樹脂の存在のも
とに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセト
ンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応ストリ
ッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2)その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4')上記段階3)において得られた付加物結晶から、こ
の付加物結晶を真空式又は不活性ガス流式脱フェノール
装置の中へ導き、付加物結晶を真空中で又は不活性ガス
の流れの存在のもとにこのものの溶融点以下の温度にし
てその結晶をガス相と固体相とに分解し、このガス相を
真空中で又は不活性ガスの流れとともに抜き出し、そし
てその固体相を高純度ビスフェノールA生成物として排
出させることによりフェノールを除去すること を含む方法である。
本発明の更に別なもう1つの具体例によれば、高純度
ビスフェノールAを製造する方法が提供されるが、この
方法は、 1)触媒としての修飾されたカチオン交換樹脂の存在の
もとに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセ
トンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応スト
リッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2')その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、但し上記結晶化装置はそ
の中に設けられた2つのフィルター手段を有して、それ
によりビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶
の、予め定められた結晶分画の粒度よりも小さな粒度を
有する微細粒子を含むスラリーの部分を循環ポンプによ
り択一的に1方のフィルター手段を通過させ、次いで少
なくとも1つの微細結晶消滅装置の中に導入してここか
ら微細結晶の消滅の後で得られた溶液を上記の、又はも
う1つの循環ポンプを用いて択一的にもう1方のフィル
ター手段を通して結晶化装置へ戻し、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4')上記段階3)において得られた付加物結晶から、こ
の付加物結晶を真空式又は不活性ガス流式脱フェノール
装置の中へ導き、付加物結晶を真空中で又は不活性ガス
の流れの存在のもとにこのものの溶融点以下の温度にし
てその結晶をガス相と固体相とに分解し、このガス相を
真空中で又は不活性ガスの流れとともに抜き出し、そし
てその固体相を高純度ビスフェノールA生成物として排
出させることによりフェノールを除去すること を含む方法である。
本発明のなお別な具体例の1つによれば、超高純度ビ
スフェノールAを製造する方法が提供されるが、この方
法は、 1)触媒としての修飾されたカチオン交換樹脂の存在の
もとに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセ
トンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応スト
リッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2)その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4)上記段階3)において得られた付加物結晶からフェ
ノールを除去して高純度ビスフェノールA結晶を得、 5)上記段階4)において得られた高純度ビスフェノー
ルAの結晶を結晶化装置の中で溶剤の存在のもとに再結
晶させ、そして 6)その母液からビスフェノールAの結晶を分離し、そ
して場合により引き続いてこの分離されたビスフェノー
ルAの結晶を洗浄して超高純度ビスフェノールA生成物
を得ること を含む方法である。
本発明の更になお別な具体例の1つによれば、超高純
度ビスフェノールAを製造する方法が提供されるが、こ
の方法は、 1)触媒としての修飾されたカチオン交換樹脂の存在の
もとに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセ
トンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応スト
リッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2')その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、但し上記結晶化装置はそ
の中に設けられた2つのフィルター手段を有して、それ
によりビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶
の、予め定められた結晶分画の粒度よりも小さな粒度を
有する微細粒子を含むスラリーの部分を循環ポンプによ
り択一的に1方のフィルター手段を通過させ、次いで少
なくとも1つの微細結晶消滅装置の中に導入してここか
ら微細結晶の消滅の後で得られた溶液を上記の、又はも
う1つの循環ポンプを用いて択一的にもう1方のフィル
ター手段を通して結晶化装置へ戻し、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4)上記段階3)において得られた付加物結晶からフェ
ノールを除去して高純度ビスフェノールA結晶を得、 5)上記段階4)において得られた高純度ビスフェノー
ルAの結晶を結晶化装置の中で溶剤の存在のもとに再結
晶させ、そして 6)その母液からビスフェノールAの結晶を分離し、そ
して場合により引き続いてこの分離されたビスフェノー
ルAの結晶を洗浄して超高純度ビスフェノールA生成物
を得ること を含む方法である。
本発明の更になお別な具体例の1つによれば、超高純
度ビスフェノールAを製造する方法が提供されるが、こ
の方法は、 1)触媒として修飾されたカチオン交換樹脂の存在のも
とに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセト
ンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応ストリ
ッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2)その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4')上記段階3)において得られた付加物結晶から、こ
の付加物結晶を真空式又は不活性ガス流式脱フェノール
装置の中へ導き、付加物結晶を真空中で又は不活性ガス
の流れの存在のもとにこのものの溶融点以下の温度にし
てその結晶をガス相と固体相とに分解し、このガス相を
真空中で又は不活性ガスの流れとともに抜き出し、そし
てその固体相を高純度ビスフェノールA結晶として排出
させることによりフェノールを除去し、 5)上記段階4)において得られた高純度ビスフェノー
ルAの結晶を結晶化装置の中で溶剤の存在のもとに再結
晶させ、そして 6)その母液からビスフェノールAの結晶を分離し、そ
して場合により引き続いてこの分離されたビスフェノー
ルAの結晶を洗浄して超高純度ビスフェノールA生成物
を得ること を含む方法である。
本発明の更になお別な具体例の1つにによれば、超高
純度ビスフェノールAを製造する方法が提供されるが、
この方法は、 1)触媒としての修飾されたカチオン交換樹脂の存在の
もとに約4ないし約12倍モル過剰量のフェノールをアセ
トンと、実質的に垂直の、下記を含む多段懸濁反応スト
リッピング装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダ
ウンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された
第2スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各
ダウンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び
第1スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み
合わされて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された固体粒状触媒とを含
む装置 の中で約60℃から約130℃までの範囲内の温度において
反応させ、その際フェノールとアセトンとの縮合反応に
必要な全てのフェノールを最上段トレーの上方から反応
器塔に装入し、必要なアセトンの全ての部分をこの最上
段トレーの次のトレー及びそれより下の若干の又は全て
のトレーにそれぞれ装入し、そして不活性のガスの流れ
を触媒室を上向きに通過させて固体/液態懸濁液を形成
させ、かつ反応混合物から水を追い出し、 2')その反応ストリッピング装置からの液態縮合反応混
合物排出流を結晶化装置の中で冷却してビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶と母液
とを含むスラリーを形成させ、但し上記結晶化装置はそ
の中に設けられた2つのフィルター手段を有して、それ
によりビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶
の、予め定められた結晶分画の粒度よりも小さな粒度を
有する微細粒子を含むスラリーの部分を循環ポンプによ
り択一的に1方のフィルター手段を通過させ、次いで少
なくとも1つの微細結晶消滅装置の中に導入してここか
ら微細結晶の消滅の後で得られた溶液を上記の、又はも
う1つの循環ポンプを用いて択一的にもう1方のフィル
ター手段を通して結晶化装置へ戻し、 3)この付加物結晶を母液から分離し、そして場合によ
り、引き続いてその分離された付加物結晶を洗浄し、そ
して 4')上記段階3)において得られた付加物結晶から、こ
の付加物結晶を真空式又は不活性ガス流式脱フェノール
装置の中へ導き、付加物結晶を真空中で又は不活性ガス
の流れの存在のもとにこのものの溶融点以下の温度にし
てその結晶をガス相と固体相とに分解し、このガス相を
真空中で又は不活性ガスの流れとともに抜き出し、そし
てその固体相を高純度ビスフェノールA結晶として排出
させることによりフェノールを除去し、 5)上記段階4)において得られた高純度ビスフェノー
ルAの結晶を結晶化装置の中で溶剤の存在のもとに再結
晶させ、そして 6)その母液からビスフェノールAの結晶を分離し、そ
して場合により引き続いてこの分離されたビスフェノー
ルAの結晶を洗浄した超高純度ビスフェノールA生成物
を得ること を含む方法である。
本発明の更にもう1つの好ましい具体例によれば、ア
セトンとフェノールとを反応させてビスフェノールAと
水とを含む反応混合物を形成させ、反応混合物の残りを
冷却してビスフェノールA/フェノールの付加物の結晶を
形成させ、この付加物結晶を母液から分離し、そしてこ
の付加物結晶からフェノールを分離してビスフェノール
Aを得る、ビスフェノールAの製造方法が提供され、こ
の方法は、アセトンとフェノールとの反応を、固体の粒
状触媒を支持している複数個の多孔トレーを有する反応
器塔の中で実施し、そしてこの反応の間に反応器塔を通
して不活性ガスを上向きに通過させて触媒を撹拌すると
ともに反応混合物から水を追い出してそれにより低い水
分含有量を有する反応混合物の流出液を形成させること
を特徴とするものである。特に好ましい形態において、
本発明の後者の具体例は、冷却段階の間にその反応混合
物の流出液を少なくとも第1及び第2のフィルタ手段の
含まれた結晶化装置の中で冷却し、そして或る予め定め
られた結晶分画のそれよりも小さな粒度を有する結晶化
させた反応混合物の1部をポンプ給送してその第1フィ
ルタ手段を通し、次いで結晶消滅装置の中へ導入した溶
解した溶液を得、これを第2フィルタ手段を通して結晶
化装置へ送り戻し、その際各フィルタ手段を通過させる
循環の方向は、或る予め定められた時間の後で逆転させ
てその結晶化させた反応混合物の1部をポンプ給送して
これが結晶消滅装置の中へ導入されるに先立って第2フ
ィルタ手段を通過し、そして第1フィルタ手段を通して
結晶化装置へ送り戻されることを特徴とする。
更により好ましい形態の1つにおいて、本発明のこの
具体例は更に、フェノールが真空脱フェノール装置の中
で、又は不活性ガスの流れを有する空気動力学的脱フェ
ノール装置の中で付加物から除去されることを特徴とす
る。
本発明によれば、実質的に垂直の多段懸濁反応ストリ
ッピング装置の中でフェノールとアセトンとは非常に良
好な收率でかつビスフェノールAに対する優れた選択率
において反応する。
反応混合物の中のビスフェノールAの濃度は25%より
も高くまで上昇し、そして各種副生物の濃度は本発明に
よれば比較的低い。反応混合物は濃縮することなく結晶
化させることができ、これは生成物の良好な品質を確実
にするのみならず、この方法を単純化させる。付加物結
晶化段階において結晶粒度及び粒度分布を改善するため
に微細結晶消滅技術が適用されて高純度でかつ均一な粒
度の付加物結晶が得られる。結晶脱フェノール段階にお
いてビスフェノールAの着色及び分解を防止するために
比較的低い脱フェノール化温度を保つようにガス/固体
脱フェノール化技術が適用される。その脱フェノール段
階から高純度ビスフェノールAがそれ以上の精製を必要
とすることなく得られる。
超高純度ビスフェノールAはこの高純度ビスフェノー
ルAの結晶を溶剤を用いて再結晶させることにより得ら
れる。2次付加物結晶の溶融物は、1次結晶の洗浄段階
からの洗浄媒質により洗浄された後縮合反応段階から出
てくる反応混合物と混合され次いで1次結晶化装置へ再
循環される。従って、本質的な工程の流れは低い副生物
の濃度を有し、かつ着色物質によって汚染されない。
図面の簡単な説明 第1図は本発明に従う新規な多段懸濁反応ストリッピ
ング方法及び各トレーの上に支持された触媒を有する種
々のトレーを示している装置の図式図である。
第2図は新規な反応ストリッピング方法を含む本発明
の具体例の1つに従う高純度ビスフェノールAの製造の
ための図式系統図である。
第3図は新規な反応ストリッピング方法及び新規な微
細結晶消滅の方法を含む本発明のもう1つの具体例に従
う高純度ビスフェノールAの製造のための図式系統図で
ある。
第4図は新規な反応ストリッピング方法及びフェノー
ルの蒸気/固体分離のための新規な方法を含む本発明の
もう1つの具体例に従う高純度ビスフェノールAの製造
のための図式系統図である。
第5図は新規な反応ストリッピング方法、微細結晶消
滅のための新規な方法及びフェノールの蒸気/固体除去
のための新規な方法を含む本発明の更に別な具体例に従
う高純度ビスフェノールAの製造のための図式系統図で
ある。
第6図はビスフェノールAの高純度結晶の再結晶化を
含む本発明の更に別な具体例に従う超高純度ビスフェノ
ールAの製造のための図式系統図である。
第7図はビスフェノールAとフェノールとの付加物結
晶が本発明に従う高純度及び超高純度のビスフェノール
Aの製造方法の段階3)において分離されてしまった母
液の処理を示す図式系統図である。
第8図は本発明に従う微細結晶の消滅を含む反応スト
リッピング装置からの反応混合物の結晶化を示す図式系
統図である。
発明を実施するための最良の態様 本発明者等は、その例が例えば第3級ブチルフェノー
ル及び2,6−ジtert−ブチルパラクレゾール及び例えば
ポリオレフィンにおいて使用することのできる酸化防止
剤1010,168のような多くの遮蔽されたフェノール酸化防
止剤であるようなフェノール類は、使用したときに極め
て良好な着色を有するべきであることを見いだした。更
に、良好な着色度を得るための手段は酸素を除去するこ
と、反応及び引き続く処理において用いられる温度を低
下させること、及び熱的作用にさらされる時間をできる
だけ低い限度に減少させることであることが一般に認め
られている。フェノール型の物質としてはビスフェノー
ルAの製造において酸素を完全に除き、そして熱的作用
を最小限にすることがたいへん重要である。
フェノールとアセトンとの縮合反応からのビスフェノ
ールAの製造は触媒の存在のもとに、場合により促進剤
をも含めて行われる。従来技術においては反応と蒸留と
を蒸留反応器系の中で組み合わせて反応生成物の1つ
を、反応の間にそれが生じたときに分別蒸留によって抜
き出してそれにより所望の生成物の收率又は供給原料の
転化率を大きな限度まで高めている。これまでは、ビス
フェノールAの製造において通常は固定床反応器系が用
いられ、そしてアセトンの転化は1回通過ではわずかに
約50重量%である。従ってアセトンの転化率を高め、か
つエネルギー消費、再循環量、中でもビスフェノールA
生成物の物質損失及び装置容積の低下を得るためにビス
フェノールAの製造において公知の蒸留反応器を適用す
ることが常に期待されていた。
反応的蒸留は理論的には価値があると考えられるけれ
ども、蒸留反応器系の実際の利用は非常に限られてい
る。典型的例の1つとして、反応的蒸留系はMTBE及び低
分子量エステル類を蒸留反応器系の中で作り出すのに用
いられるが、しかしながらそれらは他の工業においては
殆ど用いられない。それらはアミド化、水素化及びメト
キシル化のような反応においては理論的にはそれに適用
可能であるけれどもまだ実用されていない。触媒が活性
を示す温度と反応混合物の沸点との間に大きな差が存在
するという点において常に困難に遭遇する。
例えば、ビスフェノールAの製造のための縮合反応に
おいて触媒が活性である温度は一般に約60℃から約100
℃までの範囲であり、そして120℃が最高値である。こ
れらの温度及びそれに伴う圧力において過剰のフェノー
ル又は未反応のフェノール及び水等は沸騰することがで
きず、従ってその反応系から溜去することができない。
さもなければ、もしより高い温度を用いた場合には触媒
はこれが軟化したり老化したりするために失活し、又は
更に完全に分解することがあり、一方、フェノール、反
応生成物及び各種副生物の反応混合物の沸点は180℃よ
りも高い。明らかに、蒸留反応器系はビスフェノールA
の製造においては使用することができない。反応機構の
観点から、縮合反応の間に形成される水は反応速度を抑
制する。公知の方法においては水は、例えば上述した種
々の特許文献等の文献に記述されている半透過性の膜や
脱水剤等を用いて反応系から取り出される。
予期しなかったことに、フェノールとアセトンとの縮
合反応の間に生ずる水を、水の沸点よりも低い、例えば
約80℃という反応温度において不活性のガスの流れを用
いて反応系から追い出すことができることが見いだされ
た。この点についての実験は縮合反応の間に生ずる水の
除去のために必要な不活性のガスの流れが多量ではない
ことを示し、そしてこれは工業的に実用可能であること
を証明している。
ビスフェノールAの製造のためのイオン交換樹脂触媒
法は一般に所望の生成物、すなわちp,p−ビスフェノー
ルAに対する選択率80重量%を有する。この縮合反応の
間に形成される多量の異性体は反応系に再循環され、そ
の際その反応系へ供給される主要の流れに対する再循環
量の割合は更に他の異性体の形成を防止するためには0.
7:1までであることができるが、この具体例に含まれる
種々の欠点は明らかである。しかしながら、所望の生成
物(p,p−ビスフェノールA)に対する選択率は特殊に
設計された多段懸濁反応ストリッピング装置のただ1回
の通過において約90%よりも高くなることができる。従
来の技術においてすでに確立されているように、フェノ
ールのアセトンに対する理論的比率は2:1であるけれど
も、この比率の上昇は疑いもなくp,p−ビスフェノール
Aに対する選択率を改善するであろう。一般に、所望の
生成物に対する選択率はフェノール/アセトン比8−1
0:1を用いた場合に高めることができる。にもかかわら
ず、本発明者等は上記不活性のガスの流れの作用による
強い又は強力な撹拌の条件のもとでアセトンを反応系に
滴加することによって所望の生成物に対する良好な選択
率及びアセトンの優れた転化率が常にもたらされること
を見出した。このような条件のもとで縮合反応はバッチ
式で実施される。
なんらかの理論により束縛されるものではないが、フ
ェノールのアセトンに対する極端に高い比率が本発明に
従うアセトンの滴加によって全縮合反応を通じていかな
る瞬間においても得られるであろうことが考えられる。
従って、本発明者等はNorbert Wiener;“CYBERNETICS"1
961による制御理論において確立されている「時間シリ
ーズ」の概念を理解する。Wienerによれば、時間を通じ
て起っている全ての操作は「時間シリーズ」として記述
することができる。バッチ式操作の全ては時間を経過し
て起こる操作である。しかしながら工業化されるべきい
かなる方法も大規模には連続的に実施しなければならな
い。従ってWienerにより確立された「時間シリーズ」は
「空間シリーズ」に転換させる必要がある。すなわち、
ビスフェノールAを望ましく製造する場合に、フェノー
ルのアセトンに対する極端に高い比率を実現するために
は多段階装置を提供することが必要であるが、一方、フ
ェノールのアセトンに対する総合的比率は、ビスフェノ
ールAの濃度を著しく高めて再循環流を著しく少なくす
るためには、できるだけ小さくなければならない。この
ように、アセトン供給原料を高度に望ましい態様でその
反応系に装入することが必要である。けれども、装置の
運転、制御及び構造は、種々の供給原料を装入するため
に多すぎる位置が用いられるときは疑いもなく複雑にな
る。このような欠点を克服するために、本発明者等は必
要なフェノールの全てを一番上または第1の多孔トレー
の上方に装入し、直接後続してアセトンの段階的な添加
と噴霧化及び触媒粒子をその上に支持して有する複数個
の多孔トレーを通して上昇する不活性のガスの流れの同
時的導入を含む新規な方法を開発した。噴霧化されたア
セトンは不活性のガスの上昇流との組み合わせにおいて
反応系の液相の中の粒状触媒の懸濁液の中に吸収され、
一方このアセトンは触媒の存在のもとにフェノールと反
応する。蒸気の形のアセトンの分子の分散性が液滴のそ
れの何百万の何百万倍にもなるので、フェノールのアセ
トンに対する極端に高い比率がいかなる時点においても
反応器塔の全ての空間の中で反応系のいかなる点におい
ても得られる。この発明思想は明らかに、供給原料の滴
状導入の態様で行われた多数の小規模反応に基づいて工
業的拡大のために適用される。
この新規な方法によれば、本発明の多段懸濁反応スト
リッピング装置からの反応混合物流出液の中に存在する
不純物の含有量は数百ppmのオーダーであり、また従っ
て反応生成物としてのビスフェノールAの複雑な精製は
実質的に避けることができる。1次ビスフェノールA付
加物結晶の純度は約99.99%までとなることができ、そ
してこの付加物結晶の再結晶化はもちろんこの場合には
不必要である。
母液の不純物含有量は、これら不純物は或る程度まで
蓄積するけれども非常に低い水準で存在する。母液は2
次的結晶化を受けさせることができる。p,p−ビスフェ
ノールの異性体類を、それらがそれ以上形成されるのを
防ぐ目的で縮合反応に再循環させることは不必要であ
る。結果として、母液を反応ストリッピング装置へ戻す
ことは、そのようにすることは後に記述するように許容
することができるけれども、それも不必要である。
より重要なことには、反応ストリッピング装置からの
液態反応混合物流出液を1次結晶化にかけるに先立って
濃縮することが完全に不必要なことである。更に、アセ
トンの回収も、供給アセトンの高い転化率のために省略
される。
ビスフェノールAの合成のための従来技術においては
脱水手段として半透過性の膜等を縮合反応からの反応混
合物の中のビスフェノールA生成物の濃度を高めるため
に用いられる。前述したように、米国特許第5,087,767
号が参照される。けれども、反応操作は大規模に工業化
するためにはあまりにも複雑である。
一般に、反応混合物流出液の中のBPAの濃度は広く用
いられているBPA合成のためのイオン交換樹脂触媒法に
おいては約15重量%のオーダーである。もしこの反応混
合物を直接結晶化させた場合にはビスフェノールA付加
物結晶の收率は約30から約40重量%までの低さとなるで
あろう。加えて、アセトンの転化率は約50重量%であ
り、そしてその反応混合物は重大な量の未反応アセトン
を含む。明らかに、軽い、又は低沸点の、例えばH2Oや
アセトンのような化合物を除去し、そして引き続いてア
セトンを水から分離するための操作を設けないことは不
利であろうと考えられる。
驚くべきことに、この新規な反応ストリッピング装置
から出てきた反応混合物は約30重量%よりも高いビスフ
ェノールA含有量を有し、そしてその回収されたビスフ
ェノールAを2次結晶化において加えた後では約35重量
%に達することが見出されている。反応混合物の濃縮を
含む中間段階の省略によってもたらされる利益は著しい
ものがある。例えば、エネルギー消費量及び運転設備は
有意に少なくなる。より重要なことは、そのビスフェノ
ールA生成物が濃縮に際しての熱的悪影響に対して保護
されてそれによりそのビスフェノールA生成物の着色水
準が著しく改善されることである。従って、本発明は、
上述したようなビスフェノールAの合成のための現在の
工業的な種々の方法と明確に異なっている。
その上に、本発明者等の驚いたことには、実験によっ
て縮合反応器からの反応混合物を濃縮した場合に着色品
質がAPHA度で数度まで低下することが見出された。従っ
て、反応混合物の中間的濃縮を省略することによって本
発明はビスフェノールA生成物の着色水準を対応的にAP
HA値で少なくとも数度まで改善できる。実際に、本発明
に従い得られたビスフェノールA生成物の着色水準は7A
PHA程度、そして更に4APAHの低さでさえあることができ
る。
本発明の好ましい具体例の1つにおいて、粒状触媒は
いくつかのトレーの上に支持された複数個のスクリーン
の上に配置される。この触媒は不活性ガスの上昇流の撹
拌のもとに液態反応混合物の中で実質的に均一混合物の
形で存在する。これは例えば、触媒がアセトンを液相
(フェノール及びアセトン)と固相(触媒)との間の境
界(触媒部位)へ移動させるのに強い抵抗を有するよう
な網容器やポケットの中に閉じ込めている前述したもの
のような従来の反応器系の性能に対して対照的である。
本発明においては物質移動に対するそのような抵抗は、
新規な多段懸濁反応ストリッピング装置の配置及び不活
性ガス流の撹拌作用のために有意に低下している。
約99.9%又はそれ以上というようなアセトンの良好な
転化率及びその所望の生成物に対する優れた選択率、例
えば約80℃における約96ないし約97%、そして約60℃に
おける約99.7%というようなビスフェノールAの選択率
がもたらされるのはストリッピング媒質として不活性ガ
スの流れを利用した多段懸濁反応ストリッピング装置の
運転によるものである。にもかかわらず、反応混合物の
中のビスフェノールAの含有率は、例えば60℃又はそれ
以下のような低い温度においては低い。従って好ましい
温度は反応ストリッピング装置の中で約60℃から約130
℃までの範囲、好ましくは約80℃から100℃までの範囲
である。反応温度が約130℃よりも高いときは触媒が完
全に破壊されるであろう。
同様に、本発明の好ましい具体例の1つにおいて、フ
ェノール対アセトンの好ましいモル比は約4:1から約12:
1までの範囲である。もしこの比率が約4:1よりも低いと
きは、ビスフェノールAに対する選択率が大きく低下す
る。これに対して、もしこの比率が約12:1よりも高いと
きは、フェノールの再循環量が経済的であるには多量に
過ぎることになる。
以下に本発明を添付の図面の参照のもとに更に詳細に
記述する。
第2図に示すように、段階1)においてフェノールは
新規な実質的に垂直の多段懸濁反応ストリッピング装置
の中でアセトンと反応してビスフェノールAを作り出
す。この反応は修飾されたカチオン交換樹脂を用いて接
触される。本発明の好ましい具体例の1つによれば、フ
ェノールのアセトンに対するモル比は非常に低下させる
ことができるが、一方、アセトンの転化率及びビスフェ
ノールAに対する選択率は大きく上昇させることがで
き、それらは両方とも、1回通過において少なくとも約
96重量%であることができ、そして約99.9重量%までに
達することができる。反応混合物中のビスフェノールA
の濃度は25重量%よりも高い。この反応混合物は直接結
晶化させて、中間的に濃縮することなくビスフェノール
Aとフェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶が作り
だされる。所望の生成物、すなわちビスフェノールAに
対する選択率が高いために反応混合物中の各種副生物の
含有量は比較的低い。これらの全ての利点は本発明者等
により提供された反応ストリッピング装置を用いたこと
に帰せられる。
本発明に従う反応的ストリッピングの操作のために用
いられる装置はまた、反応的ストリッピングのための多
段懸濁床とも表される。本発明によれば、この装置は互
いに垂直方向へ間隔を隔てた複数個のトレーが含まれて
いる反応器塔を含む。これらのトレーは液態をトレーか
らトレーへ下向きに導くための各ダウンカマーによって
互いに連結されている。各トレーの上に篩いスクリーン
が載せられており、そしてこのスクリーンの篩メッシュ
よりも大きな直径を有する固体の粒状触媒がこの篩スク
リーンの上に直接担持されている。各ダウンカマーの開
口は同じ篩スクリーンで囲まれている。不活性ガスの流
れがこの反応器塔に反応器底のところのガス入口から流
入し、そして各トレー上の液相を通して上向きに上昇
し、そして反応器頂部のガス出口から出てゆく。反応器
頂部に少なくとも1つの液体供給流入口が存在し、そし
て最下端トレーの上方に反応器塔の壁に沿って異なった
高さ位置においていくつかの側部供給流入口が存在し、
そして反応器塔の底部に液態生成物出口が存在してい
る。各トレーに使用済みの、又は失活した触媒を抜き出
して新しい、及び/又は再生された触媒を導入するため
の側管が存在している。反応ストリッピング塔の中に設
けられた各トレーは篩トレー、フロートバルブトレー又
は他のいずれかの適当な気/液接触トレーである。
触媒としてのイオン交換樹脂の存在のもとでのビスフ
ェノールAを作り出すためのフェノールとアセトンとの
間の反応の現在の連続的方法は、その反応を固定床反応
器の代りに新規な多段(床)反応ストリッピング装置の
中で実施することを特徴とする。反応に必要な全てのフ
ェノールは反応器頂部のところの液態供給流入口から装
入され、そしてアセトンはいくつかの側部供給流入口か
ら装入される。この新規な反応ストリッピング装置の使
用によって上述した種々の欠点が克服される。
本発明によれば、不活性ガス又はガスの流れ、多孔ト
レー及び側部アセトン入口の作用はフェノールとアセト
ンとの間の反応を実施するための本発明の好ましい具体
例の1つにおいて次のように総括することができる: 上昇する不活性ガスの作用は、 トレーの上に配置されている篩スクリーンを通しての
反応液体の漏洩を防止し、それによってトレーの上の反
応液体の或る高さを保ってフェノールとアセトンとがト
レーの上で迅速に反応するようにすること、 不活性ガスの撹拌により、樹脂触媒粒子がトレーの上
の反応液体の層の中に懸濁されるのを許容し、従って各
トレーは理想的な混合槽に匹敵し、その全反応器は直列
に並んだ多数の槽に匹敵し、そして反応に影響を及ぼす
物質移動に対する抵抗を大きく低下させること、及び 不活性ガスと反応液体との気泡的接触によって、フェ
ノールとアセトンとの反応の間に生じた水を不活性ガス
で除去すること である。
多孔トレーの作用は、 反応液体の逆混合帯域(backmixing zone)を1個の
トレーに閉じ込めてそれにより初めの、又は上方の各ト
レーの高い反応速度を充分に利用すること、 アセトン、フェノール及びビスフェノールA生成物の
含まれた混合溶液から反応の間に生じた水を除去するた
めに要求される気/液物質移動面積を提供すること、及
び 各トレーの上の液体静圧水準を低下させてそれにより
樹脂粒子が液体の中に均一に懸濁されるのを許容するこ
と である。
アセトンの供給流に対して数個の側部入口があること
の効果は 個々の室の中の高い相対的フェノール濃度を維持し、
一方総括的なフェノール/アセトンの供給モル比は比較
的低く、それによってビスフェノールAに対する反応選
択性を高め、かつフェノールの再循環量を低下させるよ
うにすること、及び より高い反応温度を用いることを許容すること である。
まず第1図を参照するならば、反応混合物又は反応系
から少なくとも1つの低沸点成分を分離するとともに種
々の化学反応を連続的に実施するための新規な多段懸濁
反応ストリッピング装置は、垂直方向へ間隔を置いた複
数個のトレー42を有する反応器塔41を含む。各トレーの
間にダウンカマー43によって下向きに流れる液体流路が
設けられている。各トレーの上に篩スクリーン44が載っ
ており、各ダウンカマーの頂部開口は全てそのトレーの
上に載っているものと同じ篩スクリーン45によって囲ま
れている。篩スクリーン44及び45は、例えばステンレス
鋼又は反応条件のもとで影響を受けない他の材料で構成
されている。篩のメッシュよりも大きな直径を有する粒
状触媒46(懸濁した状態で示されている)が各トレーの
上に配置されている。反応器塔の上方部分に同伴液体捕
集構造47が存在する。数字48及び49はそれぞれ不活性ガ
スの入口及び出口を示す。数字50及び51はそれぞれ液態
反応物入口及び液態反応混合物出口を表わす。反応器側
壁に沿っていくつかの側部反応物入口52及び使用済み粒
状触媒を各トレーから抜き出し、そして新しい粒状触媒
及び/又は再生された触媒を装入するための側管53が存
在する。
第1図に示すように、反応器塔の中には少なくとも2
枚の多孔トレー42が存在する。もちろん、用いられるト
レー42がより多数であればあるほど、良好な効率が得ら
れるであろうけれども、そのようにした場合に装置の設
備投資費用が上昇する。各トレー42の孔隙率は通常は約
1から約50%まで、好ましくは約10から約30%までであ
る。スクリーン44のメッシュは粒状触媒46の粒度に依存
するけれども、前者は常に後者よりも僅かに小さい。ダ
ウンカマー43は全てその末端部に配置されたスクリーン
キャップ45を有し、そして各キャップ45は、例えば溶接
による等のいかなる通常的態様ででも各ダウンカマー43
に結合されていることができる。キャップスクリーン45
はトレー42の上に載っているスクリーン44と同じ材料か
ら構成されている。トレーの上の各ダウンカマー43の長
さは、隣接する2つのトレー42の間の高さの約1/2から
約3/4までである。
反応器塔の中の圧力は大気圧であるか、又は僅かに高
められた圧力である。反応器塔41にそれぞれ装入される
アセトンの種々の部分の割合は主として所望の收率及び
ビスフェノールAに対する選択率に依存して決定され
る。アセトンがその上方に装入されるトレー42の数又は
側部アセトン入口の数も所望のビスフェノールAの收率
及びそれに対する選択率に依存する。もちろん、アセト
ン入口が多ければ多いほど反応器塔の構造はより複雑に
なる。本発明の好ましい具体例の1つにおいて隣り合っ
た2つの側部アセトン入口の間に少なくとも1つのトレ
ー42が存在するが、各トレー42の上方に1つのアセトン
入口を設けることも可能である。より好ましくは本発明
の実施において2つの隣り合った側部アセトン入口の間
に1枚から5枚までのトレーが存在するのがよい。アセ
トン供給流は蒸気又は液体或いはそれらの混合物の形で
あることができる。
反応混合物から少なくとも1種類の低沸点成分又は生
成物を取り出すために有効な不活性ガスの流れは、例え
ば窒素、又はアルゴン或いはそれらのいずれかの混合物
のようないかなる市販で入手できる不活性ガスであるこ
ともでき、そして窒素ガスが入手可能性と経済性とから
特に好ましい。
本発明の反応ストリッピング方法によれば、総括的な
フェノール/アセトンの供給モル比は約4−12:1、好ま
しくは約7−10:1、そして最も好ましくは約7:1であ
る。反応温度は約60℃から約130℃まで、好ましくは約8
0℃から約100℃まで、そして乾燥触媒重量について計算
した滞留時間は約0.25から約2時間までである。反応圧
力は大気圧又は僅かに高められた圧力である。上昇して
いる不活性ガスの流量は塔断面積について約0.006から
約0.075m/sである。各トレー又は各室についての触媒装
入量は触媒と反応液体とを含む全混合物の合計容積の約
3容積%から約10容積%までの範囲である。
ガス入口48からの不活性ガスの流れは液体反応物入口
50及び側部反応物入口52を通して流入する液体の流れに
対して逆方向に流れる。液体反応物入口50からの過剰の
フェノールと側部反応物入口52からのアセトンとの間の
反応は各トレー42の上の液体/固体懸濁液の中で起こ
る。上述した本発明に従う多段反応ストリッピング方法
及び装置は下記の利点を有する: 不活性ガスの撹拌により粒状触媒は反応器塔の中の反
応液の中に懸濁され、それによって各反応物の触媒表面
へ向かう拡散に対する抵抗が減少し、そして反応速度は
大きく増大する。
不活性ガスは反応液体から水分を除去し、その結果触
媒は高い活性を保ち、そして反応速度は更に増大する。
対照的に、通常的系においては水が触媒に毒作用をもた
らす。
イオン交換樹脂触媒BPA合成方法において複数のアセ
トン注入点を用いることは高純度及び超高純度BPAを低
い総合的フェノール/アセトン供給モル比において製造
することができるためにそれぞれのトレーにおいて高い
相対的なフェノール濃度が維持されることを許容する。
不活性ガスの撹拌作用び熱移動作用は発熱反応により
もたらされるその塔の軸方向及び直径方向の温度差を低
下させることができ、それによって局部的な過熱を避け
ることができ、そして最適の反応条件を容易に制御する
ことができる。
反応器塔の各トレーについて随意に側管が存在してい
ることができ、それによって樹脂をトレーに加え、又は
トレーから取り除くことができる。このように、触媒は
トレーごとに交換することができ、従って予備の塔を有
することは不必要である。更に、トレーの上の触媒が交
換されているときでさえ、塔を連続的に運転することが
可能である。
本発明によれば、高いBPA濃度を有する縮合反応液体
が得られる。この液体は直接に結晶化装置へ送り込んで
母液の中に1:1のモル比のフェノール/BPA付加物の結晶
のスラリーを作り出すことができる。すなわち、結晶化
に先立ってアセトン、水及び若干のフェノールを濃縮器
の中で蒸発により除去する操作をBPA製造過程から省略
することができる。この省略はビスフェノールA生成物
の品質の実質的な上昇をもたらす。
総括的フェノール/アセトン供給モル比の低いことに
よって、未反応フェノールの再循環流の容積が減少し、
そして従って縮合反応後のこの方法の負荷が低減され
る。
液体の沸点と触媒活性温度との好適な対に対する要求
は蒸留反応器塔の効率的利用に制限をもたらす。本発明
によれば、不活性ガスによって反応液体からより揮発性
の高い成分が除去されるために、反応及び分離過程に対
して温度を適合化させる必要はない。
本発明の方法によれば、縮合反応液体の中のBPA濃度
は30重量%又はそれ以上に達することができ、そしてア
セトンの転化率は約96%又はそれ以上であることがで
き、そしてBPAに対する選択率は1回通過において平均
して約95%又はそれ以上であることができる。
本発明によれば、ビスフェノールAを製造するための
反応ストリッピング過程を実施するのに用いられる触媒
は、これについて通常的に用いられるいかなる強酸性イ
オン交換樹脂触媒であってもよい。好ましいものはスル
ホン酸型イオン交換樹脂であり、これは場合によりメル
カプトアミンで修飾されていることができる。
第2ないし7図に示すように、縮合反応段階1)から
の反応混合物は1次結晶化段階2)又は2')、或いはビ
スフェノールAを1:1のモル比のビスフェノールAとフ
ェノールとの付加物の結晶の形で析出させる1次結晶化
装置の中に直接導入される。結晶化装置へ送り込まれる
反応混合物の中のビスフェノールAの濃度は約25重量%
から約45重量%まで、好ましくは約30重量%から約40重
量%まで、より好ましくは約30重量%から約35重量%ま
で、そして最も好ましくは約30重量%から約33重量%ま
でである。
ビスフェノールAの1次結晶化はいかなる通常的態様
ででも実施することができる。しかしながら本発明に従
う1次結晶化の間に、これも本発明の1部をなすところ
の微細結晶消滅技術を用いて結晶粒度及び粒度分布を修
飾することができ、それによってビスフェノールAとフ
ェノールとの付加物の結晶の中の随伴母液の含有量を低
下させ、それにより高純度結晶を得ることができる。加
えて、後に詳細に記述する付加物結晶の連続的濾過及び
洗浄の効率は微細結晶消滅技術を用いることによって大
きく改善することができる。
本発明のもう1つのアスペクトは微細結晶消滅技術の
適用によって高純度のビスフェノールA生成物を製造す
るための新規な方法を提供することである。すなわち、
本発明は更に、大きくかつ均一な結晶粒度を有する結晶
性ビスフェノールA/フェノール付加物を作り出すための
新規な方法を提供する。この好ましい方法を実施するた
めに、 A)結晶化装置の中に2つのフィルタが設けられてお
り、 B)結晶性のビスフェノールA/フェノール付加物を含ん
だスラリーの1部を循環ポンプにより結晶化装置から抜
き出して第1フィルタを通して濾過し、そしてその微細
結晶分画の粒度よりも小さな粒度の微細粒の部分だけを
含むスラリーを少なくとも1つの微細結晶消滅装置へ供
給し、次いで微細粒子が消滅してしまった溶液を第2フ
ィルタを通して結晶化装置へ送り戻して第2フィルタを
洗浄し、かつ更に結晶化させ、 C)或る切換え時間の後で結晶性のビスフェノールA/フ
ェノール付加物を含むスラリーの1部を結晶化装置から
抜き出して循環ポンプを用いて第2フィルタを通して濾
過し、そしてその微細結晶分画の粒度よりも小さな粒度
の微細粒子のみを含むスラリーを少なくとも1つの微細
結晶消滅装置へ供給し、次いでその微細粒子がすでに消
滅してしまった溶液を、第1フィルタを洗浄し、かつ結
晶化装置の中で更に結晶化させるために、第1フィルタ
を通して結晶化装置へ送り戻し、 D)或る切換え時間の後で上記B)及び第2フィルタの
洗浄を繰り返し、それにより上記B)及びC)の操作を
交互に繰り返して微細結晶消滅過程を連続的に実施す
る。
本発明において用いられる結晶化装置は結晶化装置の
種々の型及び形状を含む。好ましい結晶化装置は、例え
ば撹拌結晶化装置、Swenson−Walker結晶化装置及びCer
ney直接冷却剤結晶化装置のような冷却結晶化装置、蒸
発型結晶化装置、加塩型(salting)結晶化装置、反応
結晶化装置及び真空結晶化装置等を含む。
本発明において用いられるフィルタは、上記分画粒度
よりも小さな微細粒子が通過することを許容できる種々
の型及び形状のフィルタ、例えば多孔質の中空シリン
ダ、濾布で被覆され、又は被覆されていない球状体−及
びテーブル型ステロフィルタ等を含む。最も好ましいフ
ィルタは編みメッシュ材料で被覆された多孔質中空シリ
ンダよりなるフィルタである。上記中空シリンダは処理
される物質に依存して金属、セラミック又はポリマーで
できていることができる。その編みメッシュ材料は金属
ワイヤ又はガラス繊維或いは合成繊維や、例えば綿、木
材、絹、麻等のような天然繊維より作られた1種の織物
から作られていることができる。上記編みメッシュはそ
の分画粒度よりも小さな粒度の結晶が通過することを許
容するような一定の空孔寸法を有し、これはその微細結
晶の分画粒度、すなわち消滅されることが期待される微
細粒子の最大粒度によって決定される。微細結晶消滅粒
度は異なった空孔寸法を有する編みメッシュ材料をその
多孔質中空シリンダの被覆のために用いることによって
制御することができる。本発明において最も好ましい編
みメッシュ材料は金属スクリーンである。
フィルタはスラリーの液面よりも下方のいかなる部分
に設けてもよいが、好ましくは2つのフィルタをスラリ
ーの上方部分の中に垂直に、かつ向かい合わせて実質的
に沈めて設けるのがよい。
本発明において用いられる微細結晶消滅装置は、加熱
によって微細粒子を溶解させることのできる熱交換器で
あり、好ましくはシェル/チューブ型熱交換器、コイル
熱交換器又はジャケット付き熱交換器等である。
この方法においては、循環ポンプ自身の性能及び循環
ポンプに対する結晶の影響に依存して1つ又は2つの微
細結晶消滅装置を用いることができる。2つの微細結晶
消滅装置を用いるときは、それらは同じものであって
も、同じものでなくてもよく、そして循環ポンプはそれ
ら2つの微細結晶消滅装置の間に設けられる。1つの消
滅装置を用いる場合には循環ポンプはこの消滅装置の前
にでも後にでも設けることができる。
この方法は連続的又はバッチ式の結晶化過程に対して
好適である。スラリーの循環量はその結晶化系及び結晶
生成物の所望の結晶粒度分布により決定される。一般
に、連続結晶化法においてはスラリーの循環量は結晶化
装置の処理容量の約3倍から約10倍までであり、一方、
バッチ式結晶化法においてはこの循環量は結晶化装置の
装入量の約1/6から約1/4までである。循環の時間は結晶
化の時間に等しい。
本発明を第8図の参照のもとに、より詳細に説明す
る。
第8図において、微細結晶分画粒度よりも小さな粒度
の微細粒子のみを含むスラリーを結晶化装置35の中のフ
ィルタ34を通して結晶化装置35から微細結晶消滅装置31
へ抜き出し、この中でそれら微細粒子を加熱により溶解
させ、次いでこれを循環ポンプ32により結晶化装置35の
中に設けられたフィルタ36へ送り、それによってフィル
タ36を洗浄し、そして最終的に結晶化装置35へ戻す。或
る時間の後に上述の過程を逆方向へ行ない、すなわち微
細結晶分画粒度よりも小さな粒度の微細粒子のみを含む
スラリーを結晶化装置35の中のフィルタ36及び循環ポン
プ32を通して微細結晶消滅装置31へ抜き出し、次いでこ
れを結晶化装置35の中のフィルタ34を通過させてそれに
よりフィルタ34を洗浄し、そして最終的に結晶化装置35
へ戻す。上述した過程は正しい間隔で切り換えて連続的
に運転される。
従来技術と比較して本発明は下記の諸利点を有する: 1)結晶化装置の中に設けたフィルタを通してその微細
結晶分画粒度よりも小さな粒度の微細粒子のみを含むス
ラリーを結晶化装置から抜き出し、微細結晶消滅装置を
通過させてこの中で微細粒子を溶解させ、そして結晶化
装置へ戻す。上述の過程は簡単でかつ効果的であり、も
との結晶化装置の交換を必要としない。その微細結晶分
画粒度は異なった孔寸法を有する被覆用編みメッシュ材
料を選ぶことにより制御することができる。
2)結晶化装置の中に2つのフィルタが存在する。スラ
リーは一方のフィルタから微細粒子を溶解するための微
細結晶消滅装置へ抜き出され、次いでもう1方のフィル
タを通してこの後者を洗浄し、そして最終的に結晶化装
置へ送り戻される。これら2つのフィルタは切り換えら
れ、そして正しい間隔で洗浄されて閉塞が防止され、そ
して方法の連続運転を確実にする。
3)循環ポンプの前又は後のそれぞれの側に1つの微細
結晶消滅装置が存在してもよい。この配置は結晶が循環
ポンプの中に進入するのを防ぎ、また従ってポンプの性
能に対する要求はより厳格でない。
4)結晶化装置の中で得られた結晶粒度及びその分布は
微細結晶スラリーの循環流量を制御することによって効
果的に制御することができ、そして均一で大きな結晶粒
度及び高純度を有する結晶性生成物を得ることができ
る。
1次結晶化段階2)又は2')或いは1次結晶化装置か
ら排出される排出液は付加物結晶と母液とを含むスラリ
ーである。次にこのスラリーは固/液分離段階3)へ送
り込まれ、ここで付加物結晶は母液と分離され、次いで
場合により洗浄される。
母液からの付加物結晶の分離はいかなる通常的な方法
ででも行なうことができる。本発明において用いること
のできる例示的な方法は濾過及び遠心分離等である。
分離された付加物結晶は場合により溶剤で洗浄される
が、これは好ましくはフェノール、より好ましくは付加
物結晶からフェノールを除去する後続の段階において得
られたフェノールであり、これは以下において詳細に記
述する。洗浄用溶剤の付加物結晶に対する重量比は好ま
しくは約1/4から約1/2までの範囲である。この洗浄段階
における温度は約40℃から50℃までである。
固/液分離段階3)からの、分離されて場合により洗
浄された付加物結晶の湿分含有量は約30重量%よりも低
く、好ましくは15重量%よりも低い。この付加物結晶
は、脱フェノール段階又は脱フェノール装置4)又は
4')へ進入し、この中でフェノールがビスフェノールA
から分離される。付加物結晶から除去されるべきフェノ
ールはその付加物結晶の中でビスフェノールAと結合し
ているもの及び遊離のものであることができる。
付加物結晶の脱フェノールはいかなる通常的態様でで
も実施することができる。しかしながら、これも本発明
の1部をなすところの、新規なガス/固体脱フェノール
化技術を、その付加物結晶から遊離フェノール及び結合
フェノールを含めて、フェノールをほぼ完全に、すなわ
ち100%除去するのに用いることができる。このガス/
固体脱フェノールは脱フェノール装置の中で真空におい
て、又は不活性ガスの流れの中で実施することができ
る。フェノールの除去のための温度は約60℃から約130
℃まで、好ましくは約80℃から約110℃までの範囲であ
る。
付加物結晶からフェノールを除去する公知の種々の方
法においては、高温度のためにビスフェノールAの收率
及び品質(着色水準等)が低いこと、或いは再結晶、蒸
留又は水蒸気蒸留法による溶剤回収等の設備投資費用や
運転経費の上昇等の問題に遭遇するのを避けることがで
きない。また水蒸気蒸留法については廃水処理における
大きな困難も存在する。
付加物結晶を高温度に加熱するのを避けるため、設備
費及び運転経費を低下させるため及び高純度並びに超高
純度のビスフェノールA生成物を得るために、本発明者
等は低い温度で行なわれる新規なガス/固体脱フェノー
ル方法を開発した。
ビスフェノールAとフェノールとの付加物は加熱した
ときに分解する傾向を有する不安定な結晶性化合物であ
る。真空又は不活性ガスの流れの存在のもとに、その融
点以下に加熱したときにこの付加物結晶は分解してビス
フェノールAの固体とガス状のフェノールとを形成し、
そしてその融点以上に加熱したときはこの結晶は溶融す
る。本発明者等は、予期しなかったことに、ビスフェノ
ールAとフェノールとの付加物結晶の分解圧力が液態フ
ェノール及びフェノールとビスフェノールAとの混合物
の溶液の飽和蒸気圧よりも相当に高いことを見出した
が、このことはビスフェノールAとフェノールとの付加
物結晶が比較的低い温度において分解させることがで
き、一方フェノールは除去できることを示している。実
験よって、ビスフェノールAは酸素に対して非常に敏感
であることが証明されている。本発明者等は、比較的低
い温度において付加物結晶から高純度ビスフェノールA
を直接得るという本発明を完成するために、真空のもと
で、又は不活性ガスの流れによって付加物結晶のガス/
固体反応においてフェノールを除去する方法を開発し
た。
本発明の好ましい具体例の1つによれば、ビスフェノ
ールAとフェノールとの付加物結晶からフェノールを除
去することにより、高純度ビスフェノールAを製造する
方法が提供され、これは溶媒も水も、或いはいかなる高
温度操作をも使用しない。その代わりに、本発明の脱フ
ェノール過程は付加物結晶からフェノールを除去し、そ
して高純度ビスフェノールAを直接得るためにガス/固
体反応を用いる。
本発明のもう1つの好ましい具体例によれば、ビスフ
ェノールAとフェノールとの付加物結晶からフェノール
を除去することにより高純度ビスフェノールAを作り出
す方法が提供されるが、この方法は、真空のもとに、又
は不活性ガスの流れの存在のもとに真空の、又は空気力
学的な脱フェノール装置の中に直接付加物結晶を供給
し、付加物結晶の温度をこの付加物結晶の融点以下に制
御し、付加物結晶をガス相と固体相とに分解し、その際
このガス相のフェノールを真空のもとで、又は不活性ガ
スの流れによってその脱フェノール化装置から除去し、
次にこの流れからフェノールを凝縮させて回収し、それ
によりその脱フェノール化装置から直接高純度ビスフェ
ノールA生成物を得ることを含む。
本発明の脱フェノール装置においては付加物結晶の湿
分含有量は約30重量%以下、好ましくは約15重量%以下
に制御するべきであり、そしてより低い湿分含有量が好
ましい。脱フェノール化を実施する装置は市販で入手可
能な、例えば円筒状真空デシケータ、真空炉又は流動化
反応器のような真空の、又は空気力学的な装置であるこ
とができる。真空のもとで、又は不活性ガスの流れの存
在のもとに、その供給原料は静止状態又は流動状態にあ
ることができる。運転媒質としてその不活性ガスの流れ
は、ビスフェノールA及びフェノール並びにそれらの付
加物の結晶と反応性を示さない、例えば窒素及びアルゴ
ン、好ましくは窒素のようないかなるガスの流れをも含
む。脱フェノール装置の内部に熱交換手段を設けてその
ガス/固体脱フェノール反応に必要な熱を供給しなけれ
ばならない。付加物結晶の温度は約40℃と約130℃との
間で制御される。付加物結晶は加熱されたときに分解し
て2つの相を形成し、その際ビスフェノールAが固体相
を、そしてフェノールがガス相を形成する。フェノール
のガス相は脱フェノール装置から真空のもとに、又は不
活性ガスの流れによって除去され、そのようにして高純
度ビスフェノールAが直接得られる。
バッチ式及び連続式の運転方法の両方を本発明の脱フ
ェノール方法において用いることができる。バッチ式の
運転の間における真空脱フェノール装置の運転条件は次
の通りである:温度は好ましくは約60℃から約130℃ま
での範囲である。温度の上昇速度は必要な滞留時間に従
って変化することができ、そして約0.2から約2.0℃/分
までであり、その際好ましい速度は約1.2℃/分であ
る。運転圧力は約2から50トールまでであり、そして滞
留時間は約1から約4時間までである。バッチ式の運転
の間における空気力学的脱フェノール装置の運転条件は
次の通りである:温度は好ましくは約60℃から約130℃
までの範囲であり、そして温度の最高上昇速度は約0.2
から約2℃/分までであり、そして好ましくは約1.2℃
/分であって、滞留時間は約1から約3.5時間までであ
り、そして不活性ガスの流れの流量は約0.1から約0.5m/
sまでである。
他方において、連続運転における運転温度特性は少な
くとも2つ又は3つの区分に分割することができ、例え
ばその第1区分は約60℃から約80℃まで、その第2区分
は約80℃から約110℃まで、そしてその第3区分は約110
℃から約130℃までである。それら3つの区分の運転時
間の比率はほぼ2:1:2であり、そして総合滞留時間は約
1から約4時間までである。
この技術における前述の種々の特許文献に記述されて
いるような公知の種々の方法と比較して本発明の脱フェ
ノール方法は下記の利点を有する: 1)付加物結晶を高温度において蒸留により脱フェノー
ル化することが不必要である。運転温度はビスフェノー
ルAの分解温度よりもはるかに低く、そして不純物や着
色性物質が追加的に形成されることはなく、それによっ
て高純度及び低い着色水準を有する生成物ビスフェノー
ルAが得られる。
2)付加物結晶を溶剤抽出や再結晶にかけることは不必
要であって、それにより溶剤抽出や再結晶による脱フェ
ノールのための多量の溶剤回収の問題が避けられる。本
発明の脱フェノール方法は単純化されており、そして設
備投資や運転経費は実質的に減少している。
3)本発明の脱フェノール方法に従う付加物結晶の分解
によるビスフェノールAの製造のための1回通過での收
率は殆ど100%である。
本発明の脱フェノール法を用いて得られた生成物ビス
フェノールAの諸パラメータは次の通りである: 純度 >99.95重量% 融点 >156.8℃ 遊離フェノール <100ppm 灰分 <0.01重量% 着色(50%エタール中)<10 APHA 鉄分 <0.1ppm 脱フェノール段階3)からの1次母液は濃縮段階7へ
送りこまれてここで残りのビスフェノールAの濃度が高
められる。濃縮された母液は次に2次結晶化の段階又は
装置8において2次結晶化を受けてビスフェノールAと
フェノールとの付加物結晶の形でビスフェノールAも析
出させる。2次付加物結晶は段階9において分離され、
次いで場合により段階3)において得られた使用済み洗
浄液で洗浄することができる。分離された2次付加物結
晶は反応ストリッピング装置から出てくる縮合反応混合
物流出液に戻される。これらの結晶はそれらが反応器塔
からの反応混合物へ再循環されるに先立って加熱して溶
液にすることができる。しかしながらこれは、反応スト
リッピング装置から出てくる反応混合物の温度が結晶を
溶融させるのに充分であるので不必要である。
分離段階9から排出された2次母液は分解又はクラッ
キング操作段階10にかけることができるが、これは例え
ば上にあげた種々の特許又は特許出願のいくつかの中に
記述されているようないかなる通常的な態様ででも行な
うことができる。その後で、分解操作の間に生じたター
ル分は分解段階10から排出させ、次いで廃棄される。こ
の段階において回収できない着色物質や不純物は運転系
からタール分として排出される。
この分解又はクラッキングの操作において2次母液の
中に存在しているo,p−ビスフェノールA及び残りのp,p
−ビスフェノールAは回収可能なフェノールとパラ−イ
ソプロペニルフェノール(PIPH)とに分解される。分解
不可能な不純物は運転系からタール状残渣として排出さ
れる。
この分解又はクラッキングから得られるフェノール及
びパラ−イソプロペニルフェノールを含む残りの溶液は
或る転移反応手段の中に導入されるが、これはいかなる
通常的な反応器であってもよい。この転移反応器の中で
フェノール及びパラ−イソプロペニルフェノールは反応
して所望のp,p−ビスフェノールAを形成する。その後
で、この新たに形成されたp,p−ビスフェノールAの含
まれた溶液は濃縮段階7へ戻される。
2次母液の中の芳香族の着色性物質を含む副生物の濃
度が比較的高いために、付加物結晶の中に随伴される2
次母液の中の副生物は、もし付加物結晶を洗浄すること
なく再循環させた場合には、疑いもなくその主要な生成
物の流れを著しい程度まで汚染するであろう。これは高
純度ビスフェノールAの製造において不利である。その
上に、1次母液の中の副生物の濃度は2次付加物結晶の
不純物含有量よりも大いに低いので、1次付加物結晶を
洗浄した液体フェノールは2次付加物結晶を洗浄するの
に使用することができる。このような操作で1次及び2
次付加物結晶を洗浄すると、その洗浄液の量は増加せ
ず、そして本質的に縮合反応、1次結晶化、1次付加物
結晶の分離及び脱フェノールを含む主要な過程に入って
くる副生物の量は最低の水準に低下する。これが本発明
の利点の1つである。
上述のようにして得られたビスフェノールA生成物の
純度は、現在知られている種々の方法により得られるも
のよりも大いに高い。従って、そのビスフェノールA生
成物は公知のビスフェノールA生成物で作られたポリカ
ーボネートよりも大いに優れた品質のポリカーボネート
類を製造するのに使用することができる。
超高純度ビスフェノールA生成物を得るためには脱フ
ェノール段階4)から回収されたビスフェノールAを段
階5)において再結晶させる。高純度ビスフェノールA
の再結晶はいかなる通常的態様においてでも溶剤の存在
のもとに行なうことができる。ここで用いる溶剤はトル
エン及び水、並びにこの目的に通常的に用いられる他の
適当な溶剤である。結晶化段階5)からの排出液は次に
分離段階6)へ送りこまれ、ここでビスフェノールAと
その溶剤とを分離して超高純度ビスフェノールA生成物
を得る。段階6)においてはその分離は段階3)につい
て上に記述したと同様な態様で行なうことができる。
上に記述したようにして得られたビスフェノールAは
約99.999%又はそれ以上の純度を有することができる。
本発明及びその利点をより明確に示すために下記の諸
例をあげる。他に示さない限り、以下の諸例及び本願明
細書全体を通じて、また下にあげる請求の範囲において
全ての部及び%は重量で表わされており、そして全ての
温度は摂氏度である。
例1 フェノールとアセトンとの縮合反応を前に記述した他
段懸濁床反応器塔の中で実施した。この反応器は約150m
mの内直径、約2200mmの高さを有し、そして内部に、垂
直方向に互いに約150mmの間隔で隔てられていてかつ約2
0%の孔隙率を有する13枚の多孔トレーが設けられてい
る。それら多孔トレーは60メッシュの篩スクリーンで覆
われており、この上に修飾されたマクロポーラスのスチ
レン−ジビニルベンゼン強酸性イオン交換樹脂触媒が載
せられている。フェノールは最上段のトレーからこの反
応器塔の中に供給され、そしてその供給量は5.604kg/hr
であった。アセトンはそれぞれ第2、第5及び第10番目
のトレーの上方の3つの区画において合計供給量約0.49
4kg/hrでこの反応器塔の中に供給され、そしてそれら第
2、第5及び第10番目ののトレーの上の3つのアセトン
部分の割合はそれぞれ、約15.79%、約31.58%、約52.6
3%であった。第13番目のトレーの下の反応器塔の底か
ら上向きに約2.9m3/hrの流量で再循環窒素を通過させ
た。反応器塔の中の反応温度は約80℃であった。反応混
合物は反応器塔底において得られ、そして下記の組成を
有していた:ビスフェノールA約29.16重量%、フェノ
ール約69.94重量%、2,4−ビスフェノールA約0.686重
量%、トリフェノール約0.323重量%、クロマン約0.083
7重量%、水約0.22重量%及び他の物質約0.135重量%。
この反応混合物を連続的に1次結晶化装置の中へ直接供
給したが、ここでその反応温度は約80℃から約42℃まで
低下してビスフェノールAとフェマノールとの1:1のモ
ル比の付加物結晶を含む結晶スラリーが得られた。この
結晶スラリーを次にこの付加物結晶の容積の約1/4の量
の新しいフェノールで透過的に1回洗浄して付加物結晶
を得た。この付加物結晶の大部分は約210μmの粒度、
約37%の変化係数及び約99.90%の結晶純度を有してい
た。
それらの付加物結晶を約130℃に加熱して溶融され
た。次にそれらを蒸留塔へ供給して少なくともフェノー
ルの大部分を除去した。この蒸留塔は約50mmHg(絶対)
の減圧のもとに運転した。反応器塔の頂部の温度は104
℃であり、反応器塔の底部の温度は約180℃であった。
約3%のフェノールを含むビスフェノールAが蒸留塔の
底から得られ、そして次にこれは流下膜脱フェノール装
置の中に連続的に供給したが、その運転条件は次の通り
であった:供給物温度は約180℃であり、装置の底の温
度は約224℃であり、そしてこの装置系内の運転圧力は
約5mmHg(絶対)であった。そのビスフェノールA生成
物は流下膜脱フェノール装置から排出させたが、このも
のは約99.9重量%の純度、約20ppmの遊離フェノール含
有量及び約10APHA(50%エタノール中)の着色度を有し
ていた。この生成物は高品質ビスフェノールAを製造す
ることが望まれたときは高純度ビスフェノールAに対す
る要求条件を満たすのに充分な品質を有していた。超高
純度ビスフェノールA生成物を得るために、上記の高純
度又はポリカーボネート級ビスフェノールA結晶の約25
8gを、溶剤としてトルエンと水との混合物を用いて運転
される溶剤再結晶化装置の中へ供給した。その溶剤混合
物は約602gのトルエンと約80.6gの水とを含んでいた。
温度は約85℃から約35℃まで低下した。運転時間は3.5
時間であった。固/液分離によって得られたビスフェノ
ールA結晶をトルエンで洗浄した。このトルエンの量は
約120gであり、そして洗浄温度は約40℃であった。その
洗浄されたビスフェノールA生成物を真空のもとに乾燥
させて約245gの超高純度ビスフェノールA生成物を得た
が、このものは下記の特性値を有していた: ビスフェノールA >99.99% 融点 156.8℃ 遊離フェノール 0 灰分 0.01% 鉄イオン 測定せず 着色(50%エタノール中) 8 APHA 比較例1 フェノールとアセトンとの縮合反応を固定床反応器塔
の中で実施した。この反応器塔は約70mmの直径及び約41
86mmの高さを有していた。この反応器塔の中に粒状触媒
床が3つの区分に分けて設けられていたが、そのおのお
のは約1000mmの長さを有していた。それらの床に多段懸
濁反応ストリッピング塔において用いたと同じ修飾され
た強酸性イオン交換樹脂触媒を入れた。この反応器塔に
装入された供給原料のアセトンに対するフェノールのモ
ル比は約8:1であり、そして合計供給流量は約6.05kg/hr
であった。反応温度は約70℃であった。この固定床反応
器塔から排出された縮合反応混合物は下記の組成を有し
ていた:ビスフェノールA約17.96重量%、フェノール
約81.35重量%、2,4−ビスフェノールA約0.373重量
%、水約0.187重量%、トリフェノール約0.130重量%及
びクロマン約0.030重量%。この縮合反応混合物を、低
沸点成分を除去するための塔の中へ送りこみ、その際フ
ェノールの1部、縮合反応の間に形成された水及びアセ
トンが除去されて濃縮物が得られたが、このものは下記
の組成を有していた:ビスフェノールA約30.08重量
%、フェノール約68.11重量%、2,4−ビスフェノールA
約0.95重量%、トリフェノール約0.57重量%、クロマン
約0.12重量%及びその他約0.15重量%。
濃縮物を例1に記述したと同様に再結晶し、濾過し、
洗浄し、そして脱フェノールしてビスフェノールA生成
物を得たが、このものは下記の特性値を有していた: ビスフェノールA 99.99% 融点 156.5℃ 遊離フェノール 100ppm 着色(50%エタノール中) 20 APHA この比較例からわかるように、固定床反応器塔から排
出される縮合反応混合物の中の低い濃度のためにフェノ
ールとビスフェノールAとの1:1のモル比の付加物の結
晶が冷却に際して析出するに先立って低沸点成分を除去
するために濃縮操作を行なうことが必要である。これは
エネルギー消費量を増大させ、そして所望の反応生成物
をもう1度熱的作用にさらすことになるばかりでなく、
その濃縮物の中の不純物の含有量をも上昇させる。実際
に、その濃縮物の中の不純物含有量は多段懸濁反応器塔
からの縮合反応混合物の中のそれよりも大いに高く、従
って最終的に得られたビスフェノールA生成物の着色は
重大に悪化する。
例2 例1に実質的に記述したと同じ多段懸濁反応器塔から
縮合反応混合物が得られた。次にこの反応混合物を約6k
g/hrの供給量で結晶化装置の中に供給した。(反応)混
合物(の温度)は結晶化装置内で反応混合物を一次結晶
化するために約80℃から約20℃までに下げられた。付加
物結晶の粒度を上昇させ、そして粒度分布を改善するた
めに上に特に記述した微細結晶消滅装置を用いた。1次
結晶化装置の中に円筒状の2つのフィルタを設けた。こ
れらのフィルタはステンレス鋼フィラメントから構成さ
れた約120メッシュの篩スクリーンで被覆されており、
そして外部循環ポンプ及びそれぞれこのポンプの前後に
設けられた2つの管型微細結晶消滅装置によって互いに
連結されていた。
この微細結晶消滅装置の運転の間に125μmよりも小
さな粒度の微細結晶のみを含む結晶スラリーを循環ポン
プにより取り出して結晶消滅装置のパイプラインを通過
させた。約85℃の温度の熱水をその外板側に通した。そ
れら微細結晶は加熱されたときに溶融し、次いで循環ポ
ンプによって1次結晶化装置の中に設けられたもう1つ
のフィルタを通してその結晶化装置へ送り戻された。循
環ポンプの輸送方向又は排出方向は約35分間ごとに1度
逆転させてそれら2つのフィルタの濾過と洗浄との作用
を交代させた。微細結晶消滅装置系と連結された1次結
晶化装置から得られた付加物結晶スラリーを濾過し、洗
浄して付加物結晶を得た。この付加物結晶の大部分は約
390μmの粒度、約21%の変化係数及び約99.99%よりも
高い付加物結晶純度を有していた。
それら付加物結晶は例1には記述したと同様に脱フェ
ノール化してビスフェノールA生成物を得たが、このも
のは下記の特性値を有していた: ビスフェノールA 99.95% 融点 156.8℃ 遊離フェノール 20ppm 着色(50%エタノール中) 10 APHA そのようにして得られたビスフェノールAの結晶を例
1に記述したと同じトルエン/水の2成分溶剤から再結
晶させて超高純度ビスフェノールA生成物を得たが、こ
のものは下記の特性値を有していた: ビスフェノールA 99.99% 融点 156.8℃ 遊離フェノール 0 着色(50%エタノール中) 7 APHA 例3 例1に記述したと同じ操作に従って付加物結晶を得
た。この付加物結晶を次に固相脱フェノール化にかけ
た。この例において用いた真空脱フェノール化装置は市
販で入手できる変形した真空炉であった。より詳細には
このものは真空系と凝縮したフェノールの捕集装置とを
備えていた。脱フェノール化の間中、その付加部結晶を
含む系内に真空を作り出して約10mmHg(絶対)に一定に
保った。運転時間は約4時間であった。この脱フェノー
ル操作において温度はプログラムされた態様で約50℃か
ら約130℃まで上昇させ、そして次のように制御した:
約60分間にわたり約50℃から約85℃まで、約60分間にわ
たり約85℃から約110℃まで、そして約120分間にわたり
約110℃から約130℃まで。この脱フェノール化の後でこ
の真空炉から直接高純度又はポリカーボネート級ビスフ
ェノールA生成物が得られた。そのようにして得られた
ビスフェノールAは下記の特性値を有していた: ビスフェノールA 99.90% 融点 156.8℃ 遊離フェノール 85ppm 着色(50%エタノール中) 7 APHA そのようにして得られたビスフェノールA生成物を例
1に記述したと同じトルエン/水の2成分溶剤から再結
晶させて超高純度ビスフェノールA生成物を得たが、こ
のものは下記の特性値を有していた: ビスフェノールA >99.99% 融点 156.8℃ 遊離フェノール 0 着色(50%エタノール中) 5 APHA 例4 例1に記述したと同じ操作に従い、多段懸濁反応器塔
から反応混合物を得た。次にこの反応混合物を例2に記
述と多と同じ微細結晶消滅装置系に連結された結晶化装
置に供給し、そして例2に記述したと同じ条件のもとに
冷却してビスフェノールAとフェノールとの付加物結晶
を析出させた。そのようにして得られた付加物結晶のス
ラリーを濾過して洗浄し、次いでその分離した付加物結
晶を例3におけるそれと同じ脱フェノール化条件のもと
に真空脱フェノール装置の中へ供給してフェノールをそ
の付加物結晶から除去した。そのようにして得られたビ
スフェノールAは下記の特性値を有していた: ビスフェノールA 99.99% 融点 156.8℃ 遊離フェノール 80ppm 着色(50%エタノール中) 7 APHA このビスフェノールA生成物を例3に記述したと同じ
ようにトルエン/水の2成分溶剤から再結晶させて超高
純度ビスフェノールA生成物を得た。そのようにして得
られた生成物は下記の特性値を有していた: ビスフェノールA >99.999% 融点 156.8℃ 遊離フェノール 0 着色(50%エタノール中) 5 APHA 例5 例1に記述したと同じ多段懸濁反応器塔から約980gの
縮合反応混合物を得た。この反応器塔の運転温度は約80
℃であり、そして滞留時間は約1.5時間であった。この
反応器塔に装入されたアセトンに対するフェノールのモ
ル比は約7:1であった。得られた縮合反応生成物はビス
フェノールA約31重量%、2,4−ビスフェノールA約0.5
8重量%、他の副生物及び不純物約0.42重量%を含む。
この反応混合物を約80℃から約42℃まで冷却してビスフ
ェノールAとフェノールとの1:1のモル比の付加物結晶
を析出させ、そして次に460.6gの付加物結晶を固/液分
離によって得た。
そのようにして得られた付加物結晶をガス相/固相脱
フェノール装置の中に供給し、そしてフェノールを真空
のもとに除去した。この脱フェノール装置における運転
条件は次の通りであった:絶対圧力は約5mmHgであり、
本体温度は約60℃と約100℃との間で制御し、そして運
転時間は約2.5時間であった。脱フェノール化の後で約2
58gの高純度又はポリカーボネート級のビスフェノール
Aが得られた。この生成物は下記の特性値を有してい
た: ビスフェノールA >99.9% 融点 >156.8℃ 遊離フェノール <100ppm 灰分 <0.01% 着色(50%エタノール中) <10 APHA 鉄分 <0.1ppm 例6 例5に記述したと同じ操作によって約258gの高純度又
はポリカーボネート級のビスフェノールA生成物を得
た。次にこのビスフェノールA生成物を溶剤再結晶化装
置へ供給した。溶剤としてはトルエンと水とを用い、す
なわち約602gのトルエンと約80.6gの水とを用いた。得
られた混合物を約85℃から約35℃まで冷却し、そしてそ
の再結晶化装置の中の滞留時間は約3.5時間であった。
固/液分離によって得られたビスフェノールAをトルエ
ンで洗浄したが、このものの量は約40℃の洗浄温度にお
いて約120gであった。次にこのビスフェノールA生成物
を真空のもとに乾燥して約245gの超高純度ビスフェノー
ルA生成物を得た。この生成物は下記の特性値を有して
いた: ビスフェノールA >99.999% 融点 >156.8℃ 遊離フェノール 0 灰分 <0.01% 着色(50%エタノール中) 5APHA 鉄分は測定しなかった 工業的利用可能性 本発明は99.9%までの高純度又はポリカーボネート級
純度及び99.9%よりも高く、好ましくは99.99%又はそ
れ以上の純度及び15APHAよりも低い着色、好ましくは10
APHAの、より好ましくは8APHAよりも低く、そして4APHA
もの低い着色を有する超高純度ビスフェノールA生成物
を製造するために実施することができる。これらのビス
フェノールA生成物は多数のポリマー類及び他の成品を
製造するのに使用することができる。より詳細にはこれ
らのビスフェノールA生成物はデータ記憶用の光学的デ
ィスクを製造するのに用いられる。
更に、本発明は以上において、特に高純度及び超高純
度ビスフェノールAの製造についての好ましい具体例に
より説明と描写の目的で記述されている。この技術に習
熟した者には、以下の添付の請求の範囲に一般的に定義
されている本発明の範囲と思想との範囲内で、一般的な
反応的ストリッピングの方法と装置、微細結晶消滅手段
及びガス/固体脱フェノール方法に関連して多くの修飾
及び変更を行なうことができることは明らかである。
フロントページの続き (72)発明者 タン、チウ 中国、300072 ティアンジン、ナンカイ ディストリクト、ウェイジン ロード 72 (72)発明者 チャン、ミンフア 中国、300072 ティアンジン、ナンカイ ディストリクト、ウェイジン ロード 72 (72)発明者 ユ、シェンボ 中国、300072 ティアンジン、ナンカイ ディストリクト、ウェイジン ロード 72 (72)発明者 リウ、ツォンチャン 中国、300072 ティアンジン、ナンカイ ディストリクト、ウェイジン ロード 72 (72)発明者 チアン、シェンフア 中国、300072 ティアンジン、ナンカイ ディストリクト、ウェイジン ロード 72 (72)発明者 リ、チュアンチャオ 中国、300072 ティアンジン、ナンカイ ディストリクト、ウェイジン ロード 72 (56)参考文献 特開 平3−291249(JP,A) 米国特許5146007(US,A) 米国特許5133942(US,A) 米国特許4471154(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 39/16 C07C 37/20 C07C 37/84 B01J 31/08 B01J 19/00 B01J 8/26 B01J 8/28 B01D 3/22 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の各段階、すなわち1)触媒の存在の
    もとに過剰のフェノールとアセトンとを反応させ、2)
    その反応混合物を冷却してビスフェノールAとフェノー
    ルとの付加物の結晶及び母液を形成させ、3)この付加
    物結晶を母液から分離し、そして4)その付加物結晶か
    らフェノールを除去することを含むビスフェノールAの
    製造方法において、 段階1)において、過剰のフェノールとアセトンとを、
    実質的に垂直な、下記を含む多段懸濁反応ストリッピン
    グ装置、すなわち i)その中に設けられた複数個の多孔トレーと、 ii)各トレーの上に配置された第1スクリーンと、 iii)それらトレーを互いに連結している複数個のダウ
    ンカマーと、 〔それぞれのダウンカマーはその頂部に結合された第2
    スクリーンを有し、この第2スクリーンと、上記各ダウ
    ンカマーの1部と、反応器塔の側壁の1部と、及び第1
    スクリーンを上に備えた多孔トレーの1つとが組み合わ
    されて触媒室を画定している〕及び iv)上記触媒室内部に收容された粒状固体の形の強酸性
    の修飾されたイオン交換樹脂触媒と を含む装置 の中で反応させることを特徴とし、そしてフェノールの
    アセトンとの縮合反応に必要な全てのフェノールを最上
    段のトレーの上方から反応器塔に装入し、そして全ての
    必要なアセトンのいくつかの部分を最上段のトレーの次
    のトレー及びより低い方のトレーのいくつか又は全部に
    それぞれ装入し、そして不活性ガスの流れを上向きに触
    媒室を通過させて固体/液体懸濁液を形成させかつその
    反応混合物から水を追い出すことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】段階2)においてその反応ストリッピング
    装置からの液態縮合反応混合物排出流を結晶化装置の中
    で冷却してビスフェノールAとフェノールとの付加物の
    結晶と母液とを含むスラリーを形成させ、但し上記結晶
    化装置はその中に設けられた2つのフィルタ手段を有し
    て、それによりビスフェノールAとフェノールとの付加
    物結晶の、予め定められた結晶分画のそれよりも小さな
    粒度を有する微細粒子を含むスラリーの部分を循環ポン
    プにより択一的にフィルタ手段の1方を通過させ、次い
    で少なくとも1つの微細結晶消滅装置の中に導入してこ
    こから微細結晶の消滅の後で得られた溶液を上記の、又
    はもう1つの循環ポンプを用いて択一的にもう1方のフ
    ィルター手段を通して結晶化装置へ戻すことを特徴とす
    る、請求の範囲1に従うビスフェノールAの製造方法。
  3. 【請求項3】段階4)において、上記段階3)で得られ
    た付加物結晶から、この付加物結晶を真空式又は不活性
    ガス流式脱フェノール装置の中へ導き、付加物結晶を真
    空中で又は不活性ガスの流れの存在のもとにこのものの
    融点以下の温度にしてその結晶をガス相と固体相とに分
    解し、このガス相を真空中で又は不活性ガスの流れとと
    もに抜き出し、そしてその固体相を高純度ビスフェノー
    ルA生成物として排出させることによりフェノールを除
    去することを特徴とする、請求の範囲1に従うビスフェ
    ノールAの製造方法。
  4. 【請求項4】方法が更に、 5)上記段階4)において得られた高純度ビスフェノー
    ルAの結晶を結晶化装置の中で溶剤の存在のもとに再結
    晶させ、そして 6)その母液からビスフェノールAの結晶を分離し、そ
    して場合により引き続いてこの分離されたビスフェノー
    ルAの結晶を洗浄して超高純度ビスフェノールA生成物
    を得る。 各段階を含むことを特徴とする、請求の範囲1に従うビ
    スフェノールAの製造方法。
  5. 【請求項5】塔のトレーが篩トレー又はフロートバルブ
    トレーであることを特徴とする、請求の範囲1に従うビ
    スフェノールAの製造方法。
  6. 【請求項6】各トレーの上に置かれたスクリーンのメッ
    シュが触媒粒子の粒度よりも小さいことを特徴とする、
    請求の範囲1に従うビスフェノールAの製造方法。
  7. 【請求項7】反応器塔の中に設けられた各トレーについ
    ての触媒の装入量が、触媒と反応液との合計体積の約3
    容積%から約10容積%までの範囲であることを特徴とす
    る、請求の範囲1に従うビスフェノールAの製造方法。
  8. 【請求項8】反応ストリッピング装置に供給されるフェ
    ノールのアセトンに対するモル比が約4から約12までの
    範囲であることを特徴とする、請求の範囲1に従うビス
    フェノールAの製造方法。
  9. 【請求項9】反応ストリッピング装置に供給されるフェ
    ノールのアセトンに対するモル比が約7から約12までの
    範囲であることを特徴とする、請求の範囲1に従うビス
    フェノールAの製造方法。
  10. 【請求項10】反応ストリッピング装置に供給されるフ
    ェノールのアセトンに対するモル比が約7であることを
    特徴とする、請求の範囲1に従うビスフェノールAの製
    造方法。
  11. 【請求項11】反応温度が約60℃から約130℃までの範
    囲であることを特徴とする、請求の範囲1に従うビスフ
    ェノールAの製造方法。
  12. 【請求項12】反応温度が約80℃から約100℃までの範
    囲であることを特徴とする、請求の範囲1に従うビスフ
    ェノールAの製造方法。
  13. 【請求項13】乾燥触媒重量に基づき計算された滞留時
    間が約0.25時間から約2時間までの範囲であることを特
    徴とする、請求の範囲1に従うビスフェノールAの製造
    方法。
  14. 【請求項14】不活性ガスの流れが窒素よりなることを
    特徴とする、請求の範囲1に従うビスフェノールAの製
    造方法。
  15. 【請求項15】上昇するガスの流れの速度が約0.006m/s
    から約0.075m/sの範囲であることを特徴とする、請求の
    範囲1に従うビスフェノールAの製造方法。
  16. 【請求項16】不活性ガスの流れを反応ストリッピング
    から除去し、この不活性ガスの流れから水を分離し、そ
    して次にその不活性ガスを反応器塔底に再循環すること
    を特徴とする、請求の範囲1に従うビスフェノールAの
    製造方法。
  17. 【請求項17】段階1)からの縮合反応混合物排出液を
    直接冷却してビスフェノールAを、ビスフェノールAと
    フェノールとの1:1のモル比の付加物の結晶の形で析出
    させることを特徴とする、請求の範囲1に従うビスフェ
    ノールAの製造方法。
  18. 【請求項18】反応混合物を約40℃よりも多くまで冷却
    することを特徴とする、請求の範囲1に従うビスフェノ
    ールAの製造方法。
  19. 【請求項19】反応混合物を約42℃まで冷却することを
    特徴とする、請求の範囲1に従うビスフェノールAの製
    造方法。
  20. 【請求項20】フェノールとアセトンとを約4:1から約1
    2:1のフェノール:アセトンのモル比で反応ストリッピ
    ング装置へ供給し、反応が約60℃から約130℃までの範
    囲の温度で起こり、そして段階4)が、付加物結晶を真
    空式又は不活性ガス流式脱フェノール装置へ導入し、こ
    の付加物結晶をその融点以下の温度にしてこの結晶をガ
    ス相と固体相とに分解させ、そしてこの固体相を高純度
    ビスフェノールA生成物として排出させることを含むこ
    とを特徴とする、請求の範囲2に従うビスフェノールA
    の製造方法。
  21. 【請求項21】方法が更に、 5)上記段階4)において得られた高純度ビスフェノー
    ルAを溶剤の存在のもとに再結晶させ、そして 6)その母液からビスフェノールAの結晶を分離して超
    高純度ビスフェノールA生成物を得る 各段階を含むことを特徴とする、請求の範囲20に従うビ
    スフェノールAの製造方法。
  22. 【請求項22】アセトンとフェノールとを反応させてビ
    スフェノールAと水とを含む反応混合物を形成させ、反
    応混合物の残りを冷却してビスフェノールA/フェノール
    の付加物の結晶を形成させ、この付加物結晶を母液から
    分離し、そしてこの付加物結晶からフェノールを分離し
    てビスフェノールAを得る、ビスフェノールAの製造方
    法において、 アセトンとフェノールとの反応を、固体の粒状触媒を支
    持している複数個の多孔トレーを有する反応器塔の中で
    実施し、そして 反応の間に反応器塔を通して不活性ガスを上向きに通過
    させて触媒粒子を撹拌するとともに反応混合物から水を
    追い出してそれにより低い水分含有量を有する反応混合
    物の流出液を形成させること を特徴とする方法。
  23. 【請求項23】冷却段階の間に反応混合物排出液を、少
    なくとも第1及び第2の各フィルタ手段を含む結晶化装
    置の中で冷却し、或る予め定められた結晶分画のそれよ
    りも小さい粒度を有する結晶化した反応混合物の1部を
    第1フィルタ手段を通してポンプ搬送し、次いで結晶消
    滅装置の中へ導入して溶解した溶液を得、これを次に第
    2フィルタ手段を通して結晶化装置へ戻し、その際それ
    らフィルタ手段を通しての循環の方向を或る予め定めた
    時間間隔の後で逆転させてその結晶化した反応混合物の
    1部が結晶消滅装置の中に導入されるに先立って第2フ
    ィルタ手段を通してポンプ搬送され、そして第1フィル
    タ手段を通して結晶化装置へ戻されるようにすることを
    特徴とする、請求の範囲22に従うビスフェノールAの製
    造方法。
  24. 【請求項24】真空式脱フェノール装置又は不活性ガス
    の流れを有する空気力学的脱フェノール装置の中で付加
    物結晶からフェノールを除去することを特徴とする、請
    求の範囲22に従うビスフェノールAの製造方法。
  25. 【請求項25】真空式脱フェノール装置又は不活性ガス
    の流れを有する空気力学的脱フェノール装置の中で付加
    物結晶からフェノールを除去することを特徴とする、請
    求の範囲23に従うビスフェノールAの製造方法。
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