JP3413210B2 - 二酸化塩素発生器流出物及び供給物流の固定樹脂床による処理 - Google Patents

二酸化塩素発生器流出物及び供給物流の固定樹脂床による処理

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、二酸化塩素発生器流出物、特に硫酸及び硫
酸ナトリウムを含む流出物を処理するための方法に関す
る。特に本発明の方法は、回収工程で必要なナトリウム
及び硫黄の量を維持しながら、回収工程へ再循環される
二酸化塩素発生器からの使用済み酸によるパルプ製造装
置液体中のアルカリ度の低下を防ぐために開発されたも
のである。発生器使用済み酸に含まれる硫酸は、硫酸ナ
トリウム汚染物から精製され、発生器に戻されるか、又
はパルプ工場側で種々の他の用途で用いることができ
る。
〔背景技術〕
パルプ漂白で塩素を使用することは、塩素化ジオキシ
ンの形成を避け、AOX(吸着性有機結合ハロゲン)規制
を満足させるために急速に減少してきている。現在二酸
化塩素は漂白操作で塩素に代わる好ましい代替物であ
る。なぜなら、それを使用することにより、最終生成物
の品質を維持しながら、環境問題の目的に合わせること
ができるからである。
パルプ工場での二酸化塩素の製造には二つの主要な工
程が含まれている。第一の工程では、硫酸が塩素酸ナト
リウムと反応して塩素酸及び硫酸ナトリウム副生成物を
生ずる(反応1)。第二工程では、塩素酸が、メタノー
ル、二酸化硫黄、塩化物又は過酸化水素のような還元剤
と反応することにより還元されて二酸化塩素になる(反
応2)。
2NaClO3+H2SO4→Na2SO4+2HClO3 (1) HClO3+還元剤→ClO2+酸化生成物 (2) 殆どの発生器での二酸化塩素形成速度は、遊離水素イ
オン濃度の、それに強く影響された関数である〔タウベ
(Taube)H.及びドージェン(Dodgen)H.、J.Amer.Che
m.Soc.,71:3330−3336(1949);ルサー(Luther)R.及
びマクドガール(McDougall)F.H.、Z.Physik.Chem,62:
199−242(1908)〕: d[ClO2]/dt=k[H+3-4[ClO3 -][Cl-
(3) しかし、二酸化塩素発生器中での遊離水素イオン濃度
は、次の平衡により限定されている〔メンディラッタ
(Mendiratta)S.K.、CPPA第79回年次大会(ケーベック
州モントリオール)、Mtg.Tech.Sec.,A193−A196,Jan.
(1993);インドゥ(Indu)B.、ホック(Hoq)M.F.及
びエルンスト(Ernst)W.R.、AIChE Journal,37(11):
1744−1748(1991)〕: Na2SO4+HClO3→NaHSO4+NaClO3 (4) 反応4では、反応1で形成された塩素酸からの遊離水
素イオンの一部分が硫酸水素ナトリウム(NaHSO4)を形
成する。二酸化塩素生成速度を増大するため、通常殆ど
の発生器で実質的量の硫酸(化学量論的量より充分多い
量)を添加し、反応4の平衡を左の方へ移行させる。添
加した過剰の硫酸は水溶液中で解離することにより反応
混合物に遊離水素イオンを与える: H2SO4=HSO4 -+H+ (5) 大きな生成速度を与えるために過剰の硫酸を添加した
結果、二酸化塩素反応器流出物は通常高い酸性になって
いる。例えば、大気圧反応器の場合、改良マシーソン
(Mathieson)はClO2 1t当たり2.2tのH2SO4を生じ、マ
シーソンはClO2 1t当たり1.7tのH2SO4を生じ、ソルベイ
(Solvay)は、ClO2 1t当たり1.6tのH2SO4を生ずる〔チ
ャールス(Charles)、J.,Pulp Paper Can.,88(10):4
3−44(1987);スムーク(Smook)G.A.、「パルプ及び
紙技術者のためのハンドブック」(Handbook for Pulp
and Paper Technologists)、紙工業合同教科書委員会
(Joint Textbook Committe of the Paper Industry)1
58−160(1982)〕。最近エカ・ノベル社(Eka Nobel I
nc.)により開発されたHP−A(商品名)発生器は、反
応体積、形状及び操作条件によりClO2 1t当たり1.9tのH
2SO4を生ずる。R8及びSVP−LITEのような減圧発生器
は、副生成物として比較的少量の硫酸を生ずる(ClO2 1
t当たり0.24tのH2SO4)。なぜなら、それらは反応溶液
からの真空蒸発及び過剰硫酸ナトリウム(セイキ硫酸ナ
トリウム形で)の連続的析出及び濾過により、発生器中
で比較的高い遊離酸濃度を維持するように設計されてい
るからである。残留硫酸の消費及び発生が少ないことを
含めた減圧発生器の数多くの利点にも拘わらず、多くの
パルプ工場ではこれらの装置を今だ設置していない。な
ぜなら、大きな資本投資(数百万ドル)を必要とするか
らである。
殆どのパルプ工場では、二酸化塩素発生器からの使用
済み酸の一部分を、ナトリウム及び硫黄補充のための回
収工程へ、未処理状態のまま又は水酸化ナトリウムで中
和した後に戻している。残りの使用済み酸は通常石灰又
は石灰乳で中和し、硫酸カルシウムの形で排出されてい
る。しかし、硫酸カルシウムの溶解度は非常に低いた
め、この塩の大部分は最終的に一次及び(又は)二次ス
ラッジになり、それがスラッジ浚渫及び廃棄コストを増
大することになる。装置の閉鎖が増加すると、この問題
は一層深刻になる。なぜなら、流出物の流れの減少は、
流出物処理装置中で沈澱する硫酸カルシウム部分を増大
させる結果になるからである。回収工程へ戻される使用
済み酸の一部分は、通常黒液(BL)又は緑液(GL)に添
加される。これらの液体のアルカリ度が高いことと同
様、使用済み酸の酸含有量が高いため、次の中和反応の
一つ以上が起きるものと予想されている: H2SO4+NaOH→Na2SO4+H2O(GL及びBL) (6) H2SO4+NaCO→Na2SO4+CO2+H2O(GL及びBL) (7) H2SO4+Na2S→Na2SO4+H2S(GL及びBL) (8) H2SO4+NaOR→Na2SO4+HOR(BL) (9) 式中、ORは、フェニル系又はカルボン酸型中の有機成分
を表す。
上記反応の結果として、多量の水酸化ナトリウムをパ
ルプ工業の白液に添加し、黒液又は緑液中の発生器使用
済み酸によって中和された苛性分のための補充をしなけ
ればならない。更に、使用済み酸中に存在する硫酸は、
種々の中和反応で浪費される。このような状況を考慮す
ると、次のことを行うのが有用であろう: a) 回収工程で必要なナトリウム及び硫黄の量を維持
しながら、パルプ製造装置液体中のアルカリ度の、使用
済み酸による低下を防ぐこと; b) 現在回収工程へ戻されている使用済み酸の部分の
硫酸成分を回収及び使用すること;及び c) 現在排水溝へ捨てられている使用済み酸の部分の
硫酸成分を回収及び使用すること。
これらの問題の一つ以上に注目して、二酸化塩素発生
器からの使用済み酸を中性及び酸性成分中へ分離する種
々の努力が行われてきた。大気圧発生器の場合、ハウァ
ード(Haward)及びロブレイ(Lobley)〔米国特許第4,
104,365号(1978年8月1日)〕は、使用済み液へ水溶
性アルコール又はケトン及び水を同時に添加することに
より使用済み酸から硫酸を分離し、得られた固体(硫酸
ナトリウム)を溶液から分離して硫酸水溶性を残す方法
を記載している。パーキンソン(Parkinson)その他
(米国特許第4,483,740号、1984年11月20日)は、発生
器(マシーソン又はソルベイ)使用済み酸のための三段
階蒸発/結晶化法を提案しており、それは最終的に硫酸
ナトリウム塩濾滓(saltcake)及び硫酸を生ずる。トゥ
ォードゥスキー(Twardowski)(米国特許第4,678,655
号、1987年7月7日)は、発生器からの流出酸を陰イオ
ン交換膜を通る拡散透析にかけ、流出酸流からの硫酸を
優先的に容器水性媒体へ移し、一方硫酸ナトリウムは廃
液流中に残す方法を記述している。
減圧発生器の場合、セスキ硫酸ナトリウム塩濾滓から
硫酸を除去するための幾つかの方法が提案されている。
例えば、フラー(Fuller)(米国特許第3,975,505号、1
976年8月17日)は、二酸化塩素発生器からの結晶副生
成物を、洗浄塔中で洗浄温水に対し向流的に通すことを
提案しており、それは酸性硫酸ナトリウムを中性硫酸ナ
トリウムへ添加する効果を有する。この方法の問題点
は、それが発生器に対する蒸発負担を著しく増大するこ
とである。スウィンデルズ(Swindells)及びフレデッ
ト(Fredette)(米国特許第4,325,934号、1982年4月3
0日)は、R8二酸化塩素発生器からの固相副生成物酸性
硫酸ナトリウムを、水とメタノールとの混合物と接触さ
せ、固相中性硫酸ナトリウムを生成させる別の方法を記
述している。この方法によって回収される酸分を二酸化
塩素発生器へ再循環し、一方過剰のメタノールは、コス
トのかかるストリッピング工程により酸性溶液からスト
リップする。ディック(Dick)及びコーレー(Cowley)
(カナダ特許第1,118,184号、1982年2月16日)は、R8
法からの固相副生成物を温水と接触させて副生成物セス
キ硫酸ナトリウムの中性硫酸ナトリウムへの転化(副分
解)を多段階傾瀉・洗浄操作で行う方法を記述してい
る。この方法の欠点は、装置が屡々閉塞し、多量の水が
必要になり(二酸化塩素1t当たり約3〜4tの追加の
水)、発生器に対する蒸発負担を増大することが判明し
ていることである。これらの問題に対する部分的解決法
がシュライブナー(Scribner)その他(米国特許第5,11
6,595号、1992年5月26日)により示唆されており、彼
らは結晶セスキ硫酸ナトリウムを塩素酸ナトリウム水溶
液と接触させることにより副分解反応を行わせることを
提案している(R10法)。この方法は、R8発生器を具え
た数多くのパルプ工業で実施されていた〔CPPA第80回年
次総会、Mtg.Tech.Sec.,ケベック州モントリオール、A2
11−A215 Jan.(1994)〕。この方法では、塩濾滓と混
合する溶媒の量は、全ての酸が溶解され、無水硫酸ナト
リウムの中性固体塩が残されるように注意深く調節す
る。溶媒と混合した後、無水硫酸ナトリウムを真空濾過
により分離し、酸濾液を発生器又はパルプ工場中の別の
場所で再使用するために供給する。同様な装置が、現在
エカ・ノベル(Eka Nobel)のような他の供給業者によ
り提案されている。
減圧二酸化塩素発生器のための後者の酸回収装置が効
果的であることは疑いのないところであるが、それらは
幾つかの重要な欠点を有する: a. これらの方法は複雑で操作しにくい。なぜなら、奇
麗な溶液ではなく固体及びスラリーを取扱わなければな
らないからである。
b. 発生器へ再循環して戻す母液からセスキ硫酸ナトリ
ウム結晶を分離するのに別のフィルターが必要である。
c. 或る条件下では、分離するのが非常に困難な非常に
微細な結晶を生ずることが報告されている。
d. 生成した硫酸ナトリウムは実質的に遊離酸を含まな
いが、塩濾滓中に僅か約60%の硫酸ナトリウムしか回収
されず、残りは酸によって再び溶解され、発生器へ再循
環されて戻る。この硫酸ナトリウムの未回収分(dead l
oad)は、再び析出しなければならず、そのためフィル
ターの固体負担が明らかに増大する。その結果、発生器
液体からセスキ硫酸ナトリウム塩濾滓を分離するように
最初設置されたフィルターは不適切になり、一層大きな
フィルターで置き換えなければならない。最初のフィル
ターは通常脱酸(de−acidified)硫酸ナトリウムを分
離するために通常用いることができるが、設置に必要な
変更を行うためにはかなりの費用がかかる。
e. 上記複雑性の結果として、最適条件下でさえも別の
フィルター及びそれに伴われる設備の設置コスト及び制
御はかなりのものになる。
更に、従来の方法では、塩濾滓と共に失われる塩素酸
ナトリウム量を減少させるため、塩濾滓を通常新鮮な水
で洗浄し、その洗浄液を発生器へ再循環して戻す。この
再循環水は、発生器に蒸発負担を課することになる。残
念ながら、硫酸ナトリウム濾滓の一部分はこの洗浄によ
って溶解され、それによって最終的に再結晶化されなけ
ればならない硫酸ナトリウムの未回収分が更に増大す
る。
本発明の別の態様は、固定樹脂床イオン交換装置を用
いて塩素酸ナトリウムから塩素酸ナトリウム/塩素酸混
合物をコスト的に効果的に製造することを取扱うもので
ある。上で示したように、二酸化塩素を生成させるのに
硫酸イオン又はナトリウムイオンは不必要である(反応
2)。実際、これらのイオンが存在すると、発生器中の
遊離水素イオンの濃度を減少し、従って、それは実際に
は二酸化塩素生成反応速度を低下する影響を与える(式
3)。更に、これらのイオンが発生器中に存在すると、
過剰の量の酸性硫酸ナトリウム副生成物を発生すること
になる。二酸化塩素製造に必要な化学物質は、塩素酸
(遊離水素イオン及び塩素酸イオン)、塩化物イオン及
び化学量論的量の還元剤だけである。このことは、現存
する二酸化塩素発生器中の遊離水素イオン濃度と少なく
とも同じ高さの濃度の純粋塩素酸溶液を発生器へ送る限
り、製造速度を変化させずに維持できることを意味す
る。もし送りこんだ塩素酸の濃度がこの最低濃度よりも
高いならば、そのような発生器の容量を増大することが
可能になるはずである。
上で述べた理由から、最近数多くの研究者が、塩素酸
ナトリウムと硫酸との反応以外に、塩素酸を発生させる
方法を調べてきている。
シモニス(Shimonis)〔Elektrokhimiya,11(11),16
94−169(1975)〕は、電解槽中での塩化物の酸化によ
り塩酸から塩素酸を形成することを論じている。この方
法は大きな収率(95〜98%)で希釈塩素酸溶液を生ずる
ことができるが、一層大きな塩酸濃度では、この酸と塩
素酸生成物との反応により塩素と二酸化塩素を生ずるた
め、それらの収率は著しく減少する。別法として、塩素
酸は次亜塩素酸、HOClの直接アノード酸化により製造す
ることができる〔コールフィールド(Caulfield)D.W.
及びロフティス(Loftis)H.J.、米国特許第5,064,514
号、1991年11月12日;カウフィールド(cawfield)その
他、米国特許第5,108,560号、1992年4月28日〕。しか
し、この方法は、塩化物を含まない安価な次亜塩素酸原
料を必要とするが、三つのアノード競争反応の結果とし
て、得られる収率(約50%)及び電流効率(60〜90%)
が比較的低い。塩素酸ナトリウムから塩素酸ナトリウム
/塩素酸混合物及び水酸化ナトリウムへ転化するための
2室電解法が開発されている〔リプツタジン(Lipsztaj
n)M.、フレデッテ(Fredette)M.C.及びトゥォードゥ
スキー(Twardowski)Z.、米国特許第5,174,868号、199
2年12月29日〕。しかし、この場合には、アノード室か
らカソード室への水素イオンの競争輸送のため、酸(2.
1M塩素酸)及び塩基生成のための電流効率が約50%に限
定されている。塩素酸の酸化による過塩素酸のアノード
形成のため、別の電流効率の低下が起きている。これら
の問題を最少にするため、カツール(Kaczur)その他
(米国特許第5,084,148号及び第5,223,103号)は、3室
電解法を用い、この場合塩素酸ナトリウムを、アノード
液室とカソード液室とから二つの陽イオン選択性膜によ
って分離されたイオン交換室中へ供給する。別の3室法
の形態では、アノード室に隣接した隔膜セパレーターを
用い、中心室からの塩素酸イオンをアノード液室中へ輸
送し、塩素酸を形成する〔コイン(Coin)R.J.その他、
米国特許第5,242,552号、1993年9月7日〕。しかし、
2室以上3室形態の二つの欠点は、付加的室を持たせる
ことに伴われる資本コスト及び操作コストが大きくなる
ことである。純粋な塩素酸〔及び(又は)塩素酸ナトリ
ウム/塩素酸混合物〕及び水酸化ナトリウムを生成させ
るために陽イオン選択性及び(又は)陰イオン選択性膜
の外に2極性膜を用いる電気透析法が、最近報告されて
いる。〔リプツタジンその他、米国特許第4,915,927
号、1990年4月10日;パレオロゴウ(Paleologou)その
他、J.Pulp & Paper Sci.,20(2),J39−J45(199
4);パレオロゴウその他、Pulp & Paper Canada,95
(10),T386−T390(1994);パレオロゴウその他、J.P
ulp & Paper Sci.,22(1),J1−J7(1996)〕。電解
装置に比較して、これらの装置に伴われる資本及び操作
コスト(エネルギー消費)が比較的低いにも拘わらず、
塩素酸溶液中での膜の安定性、特に陰イオン選択性膜及
び2極性膜の陰イオン選択性部品の安定性が主な制約に
なっている。
容易に入手できるアルカリ金属塩素酸塩から塩素酸を
製造するための固定樹脂床イオン交換法が示されてきて
いる〔ブリク(Vulikh)A.I.その他、Metody Poluch.Kh
im.Reaktiv Prep.,16,5−13(1967);シュラムバーガ
ー(Schlumberger)A.A.、米国特許第3,810,969号、197
4年5月14日;及びハーデー(Hardee)K.L.及びサッコ
(Sacco)A.R.、米国特許第4,798,715号、1989年1月17
日〕。これらの刊行物には、陽イオン交換樹脂を用いて
約4.5Mまでの濃度で塩素酸を製造することが記載されて
いる。しかし、これらの方法の経済的将来性は、次の多
くの因子と妥協したものになっている:(a)入手でき
る炭化水素系陽イオン交換樹脂が、これらの樹脂中に存
在するジビニルベンゼン架橋を攻撃する塩素酸によるそ
れらの酸化のため耐久性が限定されている、(b)これ
らの方法は購入価格の高い酸を用いてそれらの樹脂を周
期的に再生しなければならない。
しかし、上述の装置の中で、大気圧又は減圧二酸化塩
素発生器からの使用済み酸を、従来法の問題を回避する
ようなやり方で処理するのに、適切な固定樹脂床イオン
交換法を適用することについて示唆しているものは一つ
もない。特に、パルプ製造装置液体中のアルカリ性成分
を破壊することなく、回収工程へ戻すことができる脱酸
硫酸ナトリウム溶液、及び塩素酸ナトリウムを発生器へ
供給する前に、それを塩素酸ナトリウム/塩素酸混合物
へ転化するための固定樹脂床陽イオン交換装置(CEU)
の再生を含めた他のパルプ製造用途で用いることができ
る精製硫酸流を生じさせるために、固定樹脂床酸レター
デーション装置(ARU)を用いることについては何も言
及されていない。それでもトゥォードゥスキー(米国特
許第4,678,655号。1987年7月7日)は、大気圧二酸化
塩素発生器からの使用済み酸を脱酸するための拡散透析
法を記述しているが、そのような装置を減圧発生器のた
めに用いることについては何も言及していない。更に、
減圧発生器を取扱う上記装置の中で、適当な固定樹脂床
ARU又は他の酸分離法(例えば、拡散透析、電気透析、
又はナノ濾過)からの精製酸を、そのような発生器から
のセスキ硫酸ナトリウム副生成物を溶解するのに、二酸
化塩素発生器へそれを戻すことができる充分な高さの水
準にその回収酸の濃度を増大するようなやり方で用いる
ことについて示唆しているものは一つもない。
〔発明の開示〕
本発明は、回収工程で必要なナトリウム及び硫黄の量
を維持しながら、使用済み酸によるパルプ製造装置液体
のアルカリ度の低下を防ぐことを目的とする。
本発明は、更に現在回収工程へ戻されている使用済み
酸の部分の硫酸成分を回収し、使用することを目的とす
る。
本発明の更に別な目的は、現在排水溝へ捨てられてい
る使用済み酸の部分の硫酸成分を回収し、使用すること
である。
特に、本発明は、二酸化塩素発生器流出物を、回収し
た化学物質で処理するための方法を与えることを目的と
する。
本発明により、硫酸及び硫酸ナトリウムを含む流出物
である、二酸化塩素発生器からの二酸化塩素発生器流出
物を処理するための方法において、 a. 粒状第四級アンモニウム樹脂を入れた固定樹脂床酸
レターデーション装置へ硫酸及び硫酸ナトリウムを含む
流出物を供給し、ここで前記酸を前記樹脂により収着
し、硫酸ナトリウムを排除して脱酸硫酸ナトリウム溶液
を生成させ、前記脱酸溶液を回収し、そして b. 前記酸レターデーション装置中で収着された酸を水
で溶離し、精製硫酸溶液を回収する、 工程からなる二酸化塩素発生器流出物処理方法が与えら
れる。
本発明の一つの態様に従い、硫酸及び硫酸ナトリウム
を含有する減圧二酸化塩素発生器流出物副生成物塩濾滓
を処理する方法において、 i) 前記副生成物塩濾滓を水に溶解して溶液を形成
し、 ii) 硫酸、硫酸ナトリウム及び塩素を含有する得られ
た溶液を酸分離装置へ送り、前記硫酸を前記硫酸ナトリ
ウムから分離し、脱酸溶液を回収し、そして iii) 工程ii)からの分離された硫酸を回収する、 工程からなる二酸化塩素発生器流出物処理方法が与えら
れる。
〔好ましい態様についての説明〕
副生成物塩濾滓を水に溶解することにより形成した二
酸化塩素流出物又は溶液を、分離工程へ送る前に、還元
剤で処理して残留塩素化合物を破壊するのが適切であ
る。この還元は、流出物中に塩化物を与える結果になる
のが典型的である。
例えば、大気圧二酸化塩素発生器の場合には、本発明
の方法の特徴は、典型的には次の工程: (a) 二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、メタノール又
は過酸化水素のような還元剤を使用済み酸貯槽中へ導入
し、残留塩素酸ナトリウム、二酸化塩素及び塩素を破壊
し、 (b) 処理した溶液を固定樹脂床ARU中へ導入し、そ
こでその樹脂により硫酸を取り込み、脱酸硫酸ナトリウ
ム溶液を生成し、それを回収工程へ送ってナトリウム及
び硫黄補充のために用い、 (c) ARUへ水を添加することにより樹脂床から酸を
溶離し、パルプ工場側の種々の可能な用途へ送り、且つ
(又は)蒸発により濃縮し、二酸化塩素発生器へ戻す
か、別法として、前記酸を、下に記載する工程(d)へ
送り、 (d) 工程(c)からの精製硫酸を用いてナトリウム
型の固定樹脂床CEUを再生させ、それによって脱酸硫酸
ナトリウム溶液を生成させ、それを回収工程へ送り、ナ
トリウム及び硫黄補充のために用い、 (e) 塩素酸ナトリウム溶液を固定樹脂床CEU(水素
型)へ供給し、それによりその一部塩素酸へ転化し、 (f) 塩素酸ナトリウム/塩素酸混合物を二酸化塩素
発生器へ送り、二酸化塩素及び酸性硫酸ナトリウム副生
成物を生成させ、 (g) 酸性硫酸ナトリウム副生成物を、上記工程
(a)へ送る、 工程からなる。
減圧二酸化塩素発生器の場合には、本発明の方法の特
徴は、次の工程: (i) 酸性硫酸ナトリウム塩濾滓副生成物を水又は酸
含有溶液中に溶解し、 (ii) 上記工程(a)と同様に行い、 (iii) 処理した溶液を固定樹脂床ARU又は他の酸分離
装置(例えば、拡散透析、電気透析、ナノ濾過)へ導入
し、それにより、ナトリウム及び硫黄補充用のため回収
工程へ送られる脱酸硫酸ナトリウム溶液及び精製硫酸を
生成させ、 (iv) 工程(iii)からの分離した硫酸を酸分離装置
から取り出し、パルプ工場側の種々の可能な用途へ送
り、且つ(又は)蒸発により濃縮し、二酸化塩素発生器
へ戻すか、別法として、前記酸を上記工程(d)又は下
に記載する工程(v)へ送り、 (v) (iv)で生成した硫酸含有溶液の第一部分を、
工程(i)での酸性硫酸ナトリウム濾滓を溶解するため
に、水の代わりに用い、それによって酸生成物の濃度を
増大し、 (vii) 工程(iv)で生成した硫酸含有溶液の第二部
分を二酸化塩素発生器へ戻すか、又は上記工程(d〜
g)へ送り、且つ(又は)パルプ工場側での他の用途へ
送る、 工程からなる。
この方法を用いて、パルプ製造装置液体のアルカリ度
の低下を防ぐことができ、これにより回収工程への苛性
補充要求量を減少させることができる。更に、回収工程
へ戻される使用済み酸の部分の硫酸成分は、現在排水溝
に捨てられている使用済み酸中の硫酸部分と同様回収さ
れる。多くのパルプ工場では、回収工程のナトリウム及
び硫黄必要量を満足させるため、使用済み酸の殆どを処
理しなければならないため、この技術をパルプ工場側で
実施することにより、無機系統の閉じた経路への主要な
段階を達成することができる。本発明は、この方法を遂
行するための装置も与える。
(i) 処理された溶液 処理すべき水溶液は、どのような型のものでも二酸化
塩素発生器からの使用済み酸である。大気圧発生器〔例
えば、マシーソン、改良マシーソン、ソルベイ及びHP−
A(商標名)〕の場合には、使用済み酸は、通常幾らか
の量の残留する塩素酸塩、二酸化塩素及び塩素を含ん
だ、硫酸ナトリウム及び硫酸の水溶液である。減圧発生
器の場合には、その発生器からの流出物は、セスキ硫酸
ナトリウム(固体状)と呼ばれている酸性塩の形になっ
ている。後者は、与えられた温度で硫酸ナトリウムの溶
解度限界で水に溶解し、然る後、装置へ導入される。
(ii) 二酸化塩素発生器使用済み酸の前処理 イオン交換樹脂分解の一般的機構は、重合体主鎖の架
橋を破壊する酸化である。塩素、二酸化塩素、オゾン、
酸素、過酸化物、及びUV光のような酸化剤は、熱と一緒
になって、樹脂の架橋破壊の速度を大きくする。硝酸、
クロム酸及び塩素酸のような強酸は、同様に酸化能力を
有する〔ミチャウド(Michaud)C.及びブロディー(Bro
die)D.F.、Water Conditioning and purification,44
−51,Jan.(1990)〕。架橋度が減少するにつれて、重
合体の構造は弱くなり、一層開口性になり、その水透過
性及び残留水分の両方が増大する。そのようなビーズは
一層壊れ易くなり、破片が後でカラムから洗浄除去され
る。樹脂の水分含有量は、樹脂の架橋度の便利な尺度で
あり、他の方法では架橋度は複雑な装置がないと決定す
るのが非常に困難になる。架橋破壊による樹脂の物理的
破壊の外に、イオン交換官能基の化学的劣化も同様に起
きる。これは、官能基の性質、処理される溶液、及び温
度に大きく依存する。全イオン交換容量は、樹脂の、完
全な状態で残っているイオン交換基の数の尺度である。
上で述べたように、使用済み酸は残留している量の塩
素酸塩、二酸化塩素及び塩素を含有し、それらがARU樹
脂の長期間の耐久性に問題を与える。このため、二酸化
塩素、塩素及び塩素酸塩は、二酸化塩素発生器使用済み
酸をARU装置へ導入する前に破壊するか又は除去しなけ
ればならない。これは、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫
黄、又は他の適当な還元剤(例えば、メタノール、過酸
化水素等)でこれらの溶液を処理することにより達成す
ることができる。
酸性条件下では亜硫酸ナトリウムは次の式に従って、
塩素酸塩、二酸化塩素及び塩素と反応する: NaClO3+3Na2SO3+3H2SO4→NaCl+6NaHSO4 (10) 2ClO2+5Na3SO3+H2O→2NaCl+4Na2SO4+H2SO4(11) Cl2+Na2SO3+H2O→2NaCl+H2SO4 (12) 別法として、塩素酸塩、二酸化塩素及び塩素は、次の
反応で例示したように、二酸化硫黄を用いて破壊するこ
とができる: NaClO3+3SO2+3H2O→NaCl+3H2SO4 (13) 2ClO2+5SO2+6H2O→2HCl+5H2SO4 (14) Cl2+SO2+2H2O→2HCl+H2SO4 (15) 二酸化硫黄を用いてこれらの物質を破壊することは、
ORP(酸化/還元電位)センサー及び(又は)比色セン
サーを用いて監視し、制御することができる。メタノー
ル又は過酸化水素のような他の化学的還元剤を用いて
も、本発明の範囲から逸脱することはない。還元は電気
化学的又は触媒により達成することもできる。別法とし
て、残留塩素酸塩、二酸化塩素及び塩素の物質は、適当
な分離法を用いて溶液から除去することができる。更に
別の選択される方法は、酸化性化学物質により攻撃を受
けにくい樹脂を用いることである。次に、もし必要なら
ば、処理された溶液を懸濁固体を除去するためのフィル
ターに送り、然る後、固定樹脂床ARU又は他の酸分離法
により処理することもできる。
(iii) 酸分の回収 本発明に従い、二酸化塩素発生器使用済み酸は、脱酸
硫酸ナトリウム及び精製硫酸溶液へイオン交換法を用い
て分離することができることが見出されている。この方
法は、溶液から酸を収着し、一方それらの酸の塩を除外
する能力を有する強塩基陰イオン交換樹脂(第四級アン
モニウム基)を用いる〔ハッチ(Hatch)M.J.及びディ
ロン(Dillon)J.A.、Industrial and Engineering Che
mistry:Process Design and Development,2(4),253,
Oct.(1963);ハッチM.J.及びディルトンJ.A.、米国特
許第3,067,007号、1962年12月4日;ハッチM.J.及びデ
ィルトンJ.A.、米国特許第3,099,529号、1963年7月30
日、これらの教示は参考のためここに入れてある〕。
「酸レターデーション(acid retardation)」として知
られている方法は、酸を水により樹脂から容易に脱着す
ることができると言う点で可逆性である。このようにし
て、この樹脂の床を通して汚染した酸と水とを交互に送
ることにより金属塩から遊離酸を分離することができ
る。
固定樹脂床ARUの水溶離により生じた精製硫酸は、次
の工程を含めたパルプ工場の幾つかの用途へ送ることが
できる: i) 蒸発により濃縮した後の精製酸の全て又は一部分
を二酸化塩素発生器へ再循環する; ii) 発生器への塩素酸ナトリウム供給物の一部分を塩
素酸へ転化するのに用いた陽イオン交換装置の再生; iii) ボイラー供給水を処理するのに用いた陽イオン
交換装置の再生; iv) トール油のダーク油化; v) ピッチ制御のための褐色パルプ材(brownstock)
の酸性化; vi) 漂白前のpH調節;及び vii) 過酸素(peroxygen)漂白段階前の非工程金属の
除去。
塩化物イオンは、意図的に添加するか、且つ(又は)
二酸化塩素発生器中で副生成物として発生し、使用済み
発生器流出物中に含まれている。更に、塩化物イオン
は、固定樹脂床ARUで発生器流出物溶液を処理する直前
の還元工程でも発生する。通常のイオン交換選択性に基
づき、一価陰イオンである塩化物イオンは、ARUで用い
られている強塩基陰イオン交換樹脂に対する優先的結合
性は二価の硫酸イオンよりも低いと予想されるであろ
う。この根拠から、塩酸のような塩化物よりも硫酸の方
が一層優先的に取り込まれ、酸生成物は塩化物イオンが
欠乏し、一方塩副生成物は結局塩化物イオンに富むよう
になると予想されるであろう。このことは、本発明の場
合には望ましくない。なぜなら、脱酸発生器流出物溶液
をクラフト回収工程へ再循環すると、その中に塩化物イ
オンが蓄積する結果になるからである。クラフト工程液
中に塩化物イオンが存在すると、金属部品の腐食の増大
及び回収ボイラーの閉塞を含めた多くの悪影響を与える
ことが知られているからである。
本発明で用いられる条件下では、脱酸硫酸ナトリウム
流と比較して、遥かに大きい割合の塩化物が精製酸流へ
リポート(report)していることが判明している。その
結果、脱酸発生器流出物溶液の再循環が行われても、塩
化物汚染による悪影響はない。更に、精製酸を二酸化塩
素発生器へ再循環して戻すと、回収された塩化物は、二
酸化塩素の発生に関与し、その工程の性能を改善するこ
とができる。
固定樹脂床ARUによる塩化物に対する選択性のこの明
白な移行の正確な理由は知られていないが、本発明のAR
Uへの供給物中の硫酸の濃度が比較的高い(即ち、約450
〜500g/l)ことにより起こされるイオン交換選択性の移
行によるものと考えられている。同様な挙動は、亜鉛電
解採取回路から酸性亜鉛含有電解液ブリード(bleed)
溶液から硫酸を回収することを含めた別のARU用途でも
観察されている〔ブラウン(Brown)C.J.「精製電解液
ブリードからの硫酸の回収」(Recovery of sulfuric a
cid from refinery electrolyte bleeds)、ハリス(Ha
rris)B.及びクラウゼ(Krause)E.編集、湿式精錬法で
の不純物制御及び廃棄に関する国際シンポジウム予稿集
(Proceedings of the International Symposium on Im
purity Control and Disposal in Hydrometallurgical
Processes)、オンタリオ州トロント、1994年8月21〜2
4日〕。
(iv) 陽イオン交換装置(CEU) 本発明の変形として、陽イオン交換装置(CEU)を本
方法と一体化して、その実施により与えられる利点を一
層大きくする。固定樹脂床CEUは、二酸化塩素発生器へ
供給される塩素酸ナトリウムの幾らかを塩素酸へ転化す
るために用いられる。これは幾つかの利点を有する:塩
素酸ナトリウム代わりに塩素酸を供給すると、発生器中
のナトリウム含有量を低下し、従って上で論じたように
その有効酸性度が増大する。これは、発生器中の二酸化
塩素の発生速度を増大する効果を有する。別法として、
発生器を一層低い硫酸濃度で操作することができる。こ
のことが今度は使用済み発生器酸中の硫酸の量を減少す
ることになる。
塩素酸ナトリウム発生器供給溶液を処理した後、CEU
のイオン交換樹脂はナトリウム型になる。固定樹脂床AR
Uからの精製硫酸をCEUに通して送り、ナトリウムイオン
を水素イオンと交換し、それにより式16に従って硫酸ナ
トリウム溶液を生成する: H2SO4+2R−SO3Na→Na2SO4+2R−SO3H (16) 式中、R−SO3Na及びR−SO3Hは、夫々ナトリウム型
及び水素型の陽イオン交換樹脂を表す。
陽イオン交換樹脂を再生するのに化学量論的よりも多
くの硫酸が必要になるので、硫酸ナトリウム使用済み再
生溶液は、かなりの量の残留硫酸を含んでいる。
式17に示すように、塩素酸ナトリウム溶液が樹脂を通
過した時、その樹脂はナトリウム型へ転化されて元へ戻
る: NaClO3+R−SO3H→HClO3+R−SO3Na (17) 樹脂をナトリウム型へ転化するのに化学量論的量より
も多くの塩素酸ナトリウムを必要とするので、塩素酸生
成物はかなりの量の塩素酸ナトリウムを含んでいる。
固定樹脂床ARUから得られた酸を、塩素酸ナトリウム
を塩素酸へ転化するのに用いた固定樹脂床CEUを再生す
るのに用いると、後者の固定樹脂床の再生に伴われるコ
ストが減少するか又は不必要になる。このことは塩素酸
を生成させるのに陽イオン交換を用いている従来法の主
な弱点の一つである。従来法の別な弱点は、非常に長い
工程時間を用いる慣用的陽イオン交換法を用いているこ
とである。これらの長い工程時間のため、樹脂が塩素酸
溶液により浸食されることになり、それにより樹脂の寿
命を短くする。本発明で短い工程時間及び頻繁な樹脂洗
浄工程を用いる、DCUとして知られている市販のレコフ
ロ(Recoflo)陽イオン交換装置〔カナダ、オンタリオ
州ピッカーリングのエコ・テク社(Eco−Tec Inc.)〕
を用いることにより、樹脂の寿命は著しく長くすること
ができる。
硫酸の消費量を更に最小限にするため、固定樹脂床CE
Uを、電解又は二極性膜電気透析(BME)のような塩分割
法と組合せて用いることができる。この場合、CEU固定
樹脂床の再生から生じた硫酸ナトリウムを、漂白へ行く
水酸化ナトリウムと、CEU固定樹脂床を再生するのに用
いる硫酸とへ分割する。正味の基準で、このようにして
塩素酸ナトリウムを水酸化ナトリウムと塩素酸へ分割す
ることができ、これにより二酸化塩素発生器の硫酸必要
量及び硫酸ナトリウム/酸副生成物(使用済み酸)を減
少することができる。塩分割装置は、比較的不活性な化
学物質と共に作動しているので、そのような装置の膜の
寿命は、塩素酸ナトリウムを直接塩分割装置へ送る場合
と比較して、非常に長くなると予想される。後者の場
合、塩素酸及び(又は)二酸化塩素及び塩素は、膜を侵
食し、それによりそれらの有効寿命を短くすることが知
られている。
(v) 減圧二酸化塩素発生器 本発明の別の変更として、減圧二酸化塩素発生器から
のセスキ硫酸ナトリウムを水又は硫酸含有溶液中に溶解
し、その後で、クラフト回収工程へ戻すことができる脱
酸硫酸ナトリウム流と、二酸化塩素発生器へ戻すのに充
分な高い濃度の精製硫酸流へ分離する。
この場合、酸性硫酸ナトリウム塩のスラリーが、反応
(1)の結果として生ずる。このスラリーを取り出し、
回転ドラム真空フィルターのような固体/液体分離装置
へ送る。酸濾過液は発生器へ戻し、一方このフィルター
から回収された濾滓は、溶解用タンクで、その中に含ま
れている溶液中への塩の溶解を促進するための混合器及
び加熱器を具えた溶解用タンクへ送る。残留塩素酸塩、
二酸化塩素及び塩素分は、大気圧発生器の場合について
上で述べたような適当な還元剤を用いて破壊する。処理
された溶液は、次に固定樹脂床ARU又は他の酸分離装置
(例えば、拡散透析、電気透析、又はナノ濾過)へ送
る。脱酸硫酸ナトリウム溶液はナトリウム及び硫黄の補
充のためクラフト回収工程(黒液又は緑液)へ再循環す
る。固定樹脂床ARU又は他の酸分離装置から取り出され
た精製酸の一部分は、溶解用タンクへ再循環し、セスキ
硫酸ナトリウムの溶解のために用いる。精製酸生成物の
第二部分を、真空フィルターの濾滓から発生器媒体を洗
い落とすのに用い、残余を二酸化塩素発生器へ、蒸発コ
ストを最少にするのに充分な高い濃度で再循環する。
〔図面の簡単な説明〕
第1図〜第7図は、大気圧及び減圧の両方の二酸化塩
素発生器に適用されるものであり、一方第8図〜第10図
は、特に減圧二酸化塩素発生器に適用されるものであ
る。
第1図は、ARUへの供給溶液を処理する樹脂の耐久性
に対する影響を例示するグラフである。
第2図は、ここで発生器酸精製(即ち、GAP)装置と
して言及する、本発明の最も基本的な態様を詳細に示す
模式的図である。
第3図は、本発明のGAP装置をパルプ製造装置操作と
一体化した場合を例示する簡単化した模式的図である。
第4図は、第3図に示した本発明の別の態様を例示す
るものであり、この場合、GAP装置からの精製硫酸を、
二酸化塩素発生器へ戻す前に濃縮するために蒸発器を用
いている。
第5図は、本発明の別の態様を例示しており、この場
合GAP装置からの精製硫酸を、塩素酸ナトリウムを塩素
酸ナトリウム/塩素酸混合物へ転化するのに用いた陽イ
オン交換装置(CEU)を再生するのに用いている。
第6図は、第5図に示した方法を修正したものを例示
しており、この場合CEUからの硫酸ナトリウム再生流をA
RUへ送り、それに含有されている硫酸の殆どを除去す
る。
第7図は、第5図又は第6図の更に別な修正を例示し
ており、この場合CEUからの硫酸ナトリウム再生流は、
硫酸ナトリウムを漂白へ行く水酸化ナトリウムと、CEU
を再生するのに用いられる硫酸とに分割する塩分割装置
へ送る。
第8図は、46℃の温度で種々の硫酸濃度での硫酸水溶
液に対する硫酸ナトリウムの溶解度を示すグラフであ
る。
第9図は、水(即ち、硫酸を含まない)に対する硫酸
ナトリウムの溶解度を示すグラフである。
第10図は、本発明の別の態様であり、減圧二酸化塩素
発生器からのセスキ硫酸ナトリウムがどのように硫酸含
有溶液中に溶解され、その後でクラフト回収工程へ戻す
ことができる脱酸硫酸ナトリウム流と、二酸化塩素発生
器へ戻すのに充分な濃度にした精製硫酸流とに分離する
ことができるかを例示している。
〔発明の実施の態様〕
第1図は、固定樹脂床ARUへの供給溶液を処理するこ
とによる樹脂耐久性に対する影響を例示するグラフであ
る。樹脂耐久性についての問題を取扱うため、二つの実
験室的試験を行なった。それら試験は常に室温に保持し
た褐色瓶の中で行なった。第一の試験では、ARU樹脂を
パルプ製造装置からの未処理使用済み酸に曝した。第二
の試験では、パルプ製造装置使用済み酸を亜硫酸ナトリ
ウムで処理し、残留していた量の塩素酸塩、二酸化塩素
及び塩素を破壊した。耐久性研究のために、処理された
溶液を調製するのに用いた亜硫酸ナトリウムの量は、1.
1×化学量論的必要量であり、含有される塩素酸ナトリ
ウムを完全に塩化ナトリウムに転化した。次にその溶液
を空気でパージし、耐久性試験のために使用する前に、
形成されていた溶解ガス(例えば、ClO2、Cl2)を全て
除去した。処理した又は処理してないパルプ製造装置使
用済み酸溶液の両方に曝した樹脂について、種々の時間
間隔で水分含有量及び全イオン交換容量を測定した。室
温で行なった試験では、処理溶液に曝した樹脂と、未処
理溶液に曝した樹脂の両方の水分含有量は52%で殆ど変
化していないように見え、311日の連続的露出の後でも
両方の場合で樹脂の架橋度は同じままであることを示唆
していた。しかし、イオン交換容量については、未処理
溶液に曝した樹脂の容量が28%減少したのに対し、処理
溶液に曝した樹脂は全く損失を受けなかったことは明ら
かである。40℃で行なった試験の場合、改良マシーソン
二酸化塩素発生器の流出物の温度、未処理溶液に曝した
樹脂と処理溶液に曝した樹脂の両方の水分含有量は、室
温の場合と同様に殆ど変化しないままであった。しか
し、未処理溶液に曝した樹脂のイオン交換容量は、165
日間に亙って25.3%低下した。処理溶液に曝した樹脂の
イオン交換容量は、同じ時間に亙って全く損失を受けな
かった。これらの試験は最も悪い場合のシナリオを示し
ているとここでは言うべきである。なぜなら、通常の操
作中、樹脂は5分の操作工程のうち僅か2.5分しか供給
溶液に曝されておらず、残りの2.5分中、樹脂は水で洗
浄されているからである。このような結果に基づいて、
GAP装置の一部分として使用済み酸処理工程を組み込む
ことに決定した。
第2図は、本発明のGAP装置の詳細な模式的図であ
る。この図面に示したように、二酸化塩素発生器100か
らの使用済み酸101を、使用済み酸タンク201へ送る。硫
酸ナトリウムが完全には溶解していない場合、これは水
を添加することによりこのタンク内で達成される。二酸
化硫黄202(又は亜硫酸ナトリウム又は他の適当な還元
剤)を、次に使用済み酸貯蔵タンクへ導入し、残留する
塩素酸ナトリウム、二酸化塩素及び塩素を破壊する。こ
の反応の進行はORPセンサー203によって監視する。処理
した溶液204をマルチメディア(multimedia)フィルタ
ー205を用いて濾過し、存在している可能性のある全て
の懸濁固体を除去する。フィルターは周期的に水206で
洗浄し、廃棄物流207を生ずる。濾液208は供給物タンク
209へ送り、そこから固定樹脂床ARU210へ送り、そこで
樹脂により硫酸を収着し、それにより脱酸硫酸ナトリウ
ム溶液211を生成し、それをナトリウム及び硫黄の補充
のため回収工程へ送る。水212を、次に水供給タンク212
からARUへ送り、生成硫酸生成物213を生成し、それを幾
つかのパルプ製造装置操作の一つ以上の所へ送る。
第3図は、本発明の基本的態様、第2図のGAP装置を
パルプ製造装置操作へ一体化する場合を例示する簡単化
した模式的図である。この図に示したように、二酸化塩
素発生器100からの使用済み酸101をGAP装置200へ送り、
そこでこの溶液から硫酸を除去し、それにより脱酸硫酸
ナトリウム溶液211を生じ、それを回収工程300(黒液又
は緑液)へ送り、ナトリウム及び硫黄の補充を行う。こ
の溶液は脱酸されているので、回収工程(白液)への苛
性補充301は著しく減少させることができると予想され
る。GAP装置のARU樹脂床から精製硫酸生成物213を洗浄
除去するのに新しい水212を用い、その精製硫酸生成物
を次のものを含めた幾つかのパルプ製造装置操作へ送
る:ピッチ制御のための褐色パルプ材酸性化、漂白前の
pH調節、トール油のダーツ油化、ボイラー供給水の処理
中に用いられたイオン交換カラムの再生、塩素酸ナトリ
ウムの二酸化塩素発生器へ導入する前の希釈、及び過酸
素漂白段階前の非工程金属の除去。
第4図は、第3図に示した方法の修正を例示する。こ
の場合、GAP装置200からの精製硫酸213を真空蒸発器400
へ送り、それを用いて濃硫酸溶液を生成させ、それを二
酸化塩素発生器へ再循環する。
第5図は、第3図に示した方法の第二の修正を例示し
ており、この場合精製硫酸213を用いて、陽イオン交換
装置(CEU)500を再生し、その装置は塩素酸ナトリウム
を塩素酸ナトリウム/塩素酸混合物502へ転化するのに
用いたものであり、その混合物は塩素酸ナトリウム及び
硫酸の代わりに二酸化塩素発生器100へ供給する。CEU樹
脂床再生工程の部分的に脱酸された硫酸ナトリウム生成
物503を回収工程300へナトリウム及び硫黄の補充として
戻し、それによって回収工程への苛性補充301を減少す
る。別法として、この流れは幾らかの残留硫酸を含むの
で、それはGAP装置で処理する前に使用済み酸101と混合
してもよい。
第6図は、第5図に示した方法の修正を例示するもの
であり、この場合、CEU500からの硫酸ナトリウム再生流
503をARU600へ送り、それに含まれる硫酸の殆どを除去
し、それにより脱酸硫酸ナトリウム溶液601を生成し、
それを回収工程300へ戻す。この流れは脱酸されている
ので、それはパルプ製造装置液体(黒液又は緑液)のア
ルカリ度を低下することはなく、それによって回収工程
へ(白液中へ)の苛性補充301を減少する。新しい水602
を用いてARUからの酸を洗浄除去し、硫酸流603を生成さ
せ、それをGAP装置200からの精製酸203と混合するか、
又は排水溝へ捨てる。
第7図は、第5図の更に別な修正を例示し、この場合
CEU503からの硫酸ナトリウム再生流を塩分割装置700へ
送り、その装置により硫酸ナトリウムを、漂白へ行く水
酸化ナトリウム702と、CEU500を再生するのに用いられ
る硫酸701へ分割する。塩分解装置は、電解装置である
か、又は二極性膜電気透析装置であり、全ての塩をその
成分の酸と塩基に分割する。
第8図、第9図及び第10図は、特に二酸化塩素工程の
副生成物として固体セスキ硫酸ナトリウムを生成する減
圧二酸化塩素発生器に適用される。この場合、固定樹脂
床ARU又は他の酸分離装置(例えば、拡散透析、電気透
析、ナノ濾過)を本発明と共に用いることができる。簡
単にするため、固定樹脂床ARUに議論を殆ど限定するこ
とにする。
第8図は、46℃の温度で異なった硫酸濃度での硫酸ナ
トリウムの溶解度を示している。線ACは、セスキ硫酸ナ
トリウム中に存在する硫酸に対する硫酸ナトリウムの比
率を表し、それは合計の約18%の硫酸含有量に相当す
る。線ACが溶解度線と交わる点Bは、水に溶解すること
により達成することができるセスキ硫酸ナトリウムの最
大溶解度を示している。これは、約7%の硫酸濃度と、
約32%の硫酸ナトリウム濃度とを有する溶液を生ずる。
もしこの溶液を固定樹脂床ARU又は他の酸分離装置(例
えば、拡散透析、電気透析、ナノ濾過)へ送ると、硫酸
は供給溶液から除去され、それにより脱酸硫酸ナトリウ
ム溶液を生ずる。固定樹脂床ARU又は殆どの他の酸分離
装置から取り出すことができる硫酸の最大濃度は、供給
物の濃度、即ち、7%になるであろう。実際、脱酸塩副
生成物溶液への酸分の損失により、実際の酸濃度は幾ら
か低く、典型的には5〜6%である。
第9図は、水溶液中の硫酸ナトリウムの溶解度を温度
の関数として示している。硫酸ナトリウムの溶解度は、
約30℃の温度より低いと非常に温度依存性になる。セス
キ硫酸ナトリウムの溶解度を最大にし、本発明により生
成した硫酸の濃度を最大にするために、塩濾滓を溶解す
るのに用いる溶液の温度は30℃より高くすべきである。
装置中での硫酸ナトリウムの結晶化を避けるため、溶離
に用いる水も30℃より高く加熱すべきである。
第10図は、本発明の別の態様であり、それは減圧二酸
化塩素発生器からのセスキ硫酸ナトリウムが、クラフト
回収工程へ戻すことができる脱酸硫酸ナトリウム流と、
二酸化塩素発生器へ戻すのに充分な高い濃度の精製硫酸
流とへ、どのようにして分離することができるかを例示
している。そのような発生器100では、酸性硫酸ナトリ
ウム塩のスラリー801が反応1の結果として生成する。
このスラリーを取り出して、回転ドラム真空フィルター
のような固体/液体分離装置802へ送る。酸濾液803は発
生器へ戻す このフィルターから回収された濾滓は、接
続手段804によって溶解用タンク805へ運ばれ、そのタン
クには、そこに入っている溶液中への塩の溶解を促進す
るために混合器及び加熱器(図示されていない)が配備
されている。この場合、残留塩素酸塩、二酸化塩素及び
塩素分の破壊は、溶解用タンク中で行うことができる。
処理された溶液を固定樹脂床ARU又は分離装置(例え
ば、拡散透析、電気透析、ナノ濾過)へ送る。このよう
にして硫酸は供給溶液から除去され、脱酸硫酸ナトリウ
ム溶液211を生じ、それはナトリウム及び硫黄補充のた
めクラフト回収工程300(黒液又は緑液)へ再循環する
ことができる。この溶液は脱酸されているので、回収工
程(白液)への苛性補充301は、著しく減少することが
できるものと予想される。もし固定樹脂床ARUを用いる
ならば、新しい水212を用いてARU樹脂床を洗浄し、精製
硫酸生成物213を生ずる。別法として、そのような酸生
成物を他の酸分離装置から取り出すことができる。精製
酸生成物213の一部分は、接続手段806を通って溶解用タ
ンク805へ再循環する。精製酸生成物807の第二の部分
は、真空フィルター802上の濾滓から発生器媒体を洗い
落とすのに用い、残余808を二酸化塩素発生器100へ再循
環する。
第8図から、硫酸ナトリウムの溶解度は、約30%の酸
濃度まで硫酸濃度に大きく依存し、その点を越えると、
それは酸濃度を増大することにより逆の影響を受け始め
ることが認められる。本発明によれば、酸性硫酸ナトリ
ウム塩は純粋な水には溶解しない。その代わり、酸分離
装置から取り出された精製硫酸生成物を、酸塩に溶解す
るのに用いる。その工程は二つの基本的やり方のいずれ
かで操作することができる。
バッチ方式で操作する場合、先ずセスキ硫酸ナトリウ
ム飽和溶液のバッチを、その塩を水に固体が溶けなくな
るまで添加することにより調製する。次にこの溶液を固
定樹脂床ARU又は他の酸分離装置へ送る。脱酸硫酸ナト
リウム溶液を収集する。酸分離装置により生成した低下
した濃度の硫酸ナトリウムを含む精製硫酸生成物も収集
する。次に付加的セスキ硫酸ナトリウムをその酸生成物
に溶解してもよい。一層多くの硫酸ナトリウム及び硫酸
で今度は濃度が高くなった得られた溶液を、再び酸分離
装置へ送る。脱酸塩を収集し、一方精製酸生成物を収集
し、次にそれを一層のセスキ硫酸ナトリウムを溶解する
のに用い、それにより溶液中の硫酸濃度を更に増大す
る。酸生成物中にセスキ硫酸ナトリウムを溶解し、それ
を再び酸分離装置へ送る工程は、希望の酸濃度が達成さ
れるまで数回繰り返す。この時点で精製酸を二酸化塩素
発生器へ再循環して戻すことができる。次に別のバッチ
を同様に処理することができる。
この方法を連続的方式で同様に操作することができ
る。これは、一般に好ましい操作方式である。なぜな
ら、二つの操作方式は効果的には同じであるが、この方
が制御が簡単だからである。本発明の特許請求の範囲で
連続的操作に言及している場合、バッチ操作も暗黙のう
ちに含まれている。この場合、酸分離装置から取り出し
た精製酸の一部分は、溶解用タンクへ再循環して戻す。
溶解用タンク中の溶液には、飽和に近い溶液を維持する
のに充分な固体セスキ硫酸ナトリウムを添加する。精製
酸生成物の残りは収集して二酸化塩素発生器へ再循環し
て戻すか、又はパルプ工場のどこかで用いる。一層多く
の塩を溶解するために再循環する酸生成物と、発生器へ
戻すために収集する酸生成物の相対的体積は、酸の濃度
を決定する。最適条件下では、溶解用タンク中にセスキ
硫酸ナトリウムを溶解するための溶媒に対する必要量
は、酸分離装置から得られた硫酸の再循環により完全に
満たされるであろう。溶解用タンクに直接新しい水を添
加しなくてもよい。
固定樹脂床ARUを用いる場合、脱酸硫酸ナトリウム溶
液中に存在する残留酸の濃度は、その樹脂床から酸を溶
離するのに用いた水の量に大きく依存する。もし少量の
水を用いれば、塩溶液中の酸濃度は高くなり、それによ
って樹脂床により吸収され、回収に利用される酸の量は
減少する。一方もし多量の水を用いれば、これは、回収
された酸生成物の濃度を減少する傾向を持ち、本発明の
主たる目的に反することになる。
前に述べたように、本発明の固定樹脂床ARUで用いら
れているもののような有機イオン交換樹脂は、塩素酸ナ
トリウムのような酸化剤により酸化を受ける。このた
め、二酸化塩素発生器流出物を直接処理して溶解硫酸ナ
トリウムを除去するためにARUを用いることは適切では
ない。減圧二酸化塩素発生器の場合には、硫酸ナトリウ
ムの結晶化が重要な利点を与える。なぜなら、それは殆
どの塩素酸ナトリウムを母液中に残し、酸性硫酸ナトリ
ウム塩を再溶解した時、得られた溶液はARUで処理され
るのであるが、それは少量の塩素酸塩しか含んでいない
からである。前に論じたように、この少量の残留塩素酸
塩は、もし必要ならば、本発明の溶解用タンク中で二酸
化硫黄、メタノール又は過酸化水素のような還元剤で経
済的に還元することができる。
従来法によれば、塩濾滓と共に失われる塩素酸ナトリ
ウムの量を減少させるため、塩濾滓を通常新しい水で洗
浄し、洗浄液を発生器へ再循環して戻す。勿論この再循
環された水は、発生器に蒸発の負担をかける。残念なが
ら、硫酸ナトリウム濾滓の一部分はこの洗浄により溶解
し、それにより最終的に再結晶しなければならない硫酸
ナトリウムの未回収分を増大する。本発明の好ましい態
様として、新しい水の代わりに、塩濾滓を、固定樹脂床
ARUから溶離した硫酸又は他の酸分離装置から取り出し
た硫酸で洗浄する。この洗浄溶液中に硫酸が存在する
と、洗浄液に対する硫酸ナトリウムの溶解度を幾らか低
下し、そのため硫酸ナトリウム未回収分を減少する。こ
れを行うことにより、発生器にかかる蒸発負担を少なく
することができる。別法として、固定樹脂床ARUを用い
た場合、付加的溶離水を各工程でのARUにより用いるこ
とができ、それは脱酸副生成物中の硫酸の濃度を低下
し、それにより工程の酸回収効率を増大する。このやり
方で洗浄した後の塩濾滓中に残留する酸は、塩濾滓を溶
解用タンク中で再溶解した時に回収されるので、失われ
ることはない。
〔実施例〕
例1 この例では、二酸化塩素発生器使用済み酸を、本発明
の第2図に示した全工程によって処理した。用いた使用
済み酸は、大気圧型の発生器である改良マシーソン二酸
化塩素発生器を具えたイースタン・カナディアン・ミル
(eastern Canadian mill)(ミルA)により供給され
た。改良マシーソン発生器は、一次(P)及び二次
(S)発生器として言及する二つの反応器からなり、そ
れらの後に発生器使用済み酸から残留二酸化塩素及び塩
素を除去するためのストリッパーが存在する。二次発生
器からの三つの試料と、一次発生器からの一の試料を
得、三つの異なった時間(A、B及びC)で分析した。
ミルは、時間Dで、一次及び二次発生器についてのそれ
ら使用済み酸の分析を与えた。これらのデーターを表1
に示す。
ミルから得られた使用済み酸中の塩化物及び塩素酸塩
の濃度が低いのは、二酸化塩素と塩素を生ずる高い酸性
度での残留塩素酸塩と塩化物との継続的反応のためであ
る。ミルから使用済み酸試料を得るのに数日かかるの
で、残留塩化ナトリウム及び塩素酸ナトリウムの測定さ
れた量は比較的低い。
第一工程では、亜硫酸ナトリウム又は二酸化硫黄を用
いて、使用済み酸中の残留塩素酸塩、二酸化塩素及び塩
素を破壊することができる。その反応の完結はORPセン
サーにより監視した。表2は、短い時間(2分未満)で
塩素酸塩が亜硫酸ナトリウムにより破壊できたことを示
している。この実験では、1.1×必要な化学量論的量の
亜硫酸ナトリウムを用いた。
別法として、二酸化硫黄を2μmのフィルターを通し
て使用済み酸の50cmカラム中へ0.83リットル/分で散布
した。二酸化硫黄の使用量は1.22×必要な化学量論的量
であった。ORPセンサーを用いて二酸化硫黄の添加量を
制御した。ミル使用済み酸溶液についての初期ORPの読
みは、1040mV(Pt対Ag/AgCl)であり、塩素酸塩が溶液
中に検出されなくなった点での最終読みは500mVであっ
た。残留塩化ナトリウムは、塩素酸ナトリウムの完全な
転化から予想される量の約半分であり、幾らかの二酸化
塩素及び塩素も形成されたことを示していた。表3に示
したように、反応の開始から20分以内に全ての残留塩素
酸塩が破壊され、検出可能な量の二酸化塩素又は塩素が
観察されなかった。
第二の工程では、処理溶液を濾過して存在している可
能性のある懸濁固体を全て除去した。ミルAからの使用
済み酸〔1.5μmウォットマン(Whatman)ガラス・マイ
クロファイバー・フィルター、型934/AHにより濾過し
た〕は、0.0128g/lの懸濁固体を含むことが分かった。
第三工程では、第二工程からの処理した使用済み酸を
ARUへ送った。APU(カナダ、オンタリオ州ピッカーリン
グのエコ・テク社)として知られている市販のARUを用
いて試験を行なった。パイロットプラントは、直径5cm
×高さ60cmの固定樹脂床を具えていた。この装置を用い
た以前の広範な実験から、得られた結果は実物大のプラ
ントでの操作を信頼性を持って予測できるものであるこ
とを示していた。
APUは異なった条件下で操作することができ、種々の
程度の効率で酸と塩を分離することができる。ミルにつ
いての最もコスト的に効果的な操作は、副生成物塩溶液
中の酸の量及び生成物酸溶液中の塩の量が最少になった
場合に得られている。しかし、もしミルの硫酸ナトリウ
ムに対する必要量が、使用済み酸中に存在する量よりも
大きいならば、生成物硫酸ナトリウム流中に一層多くの
硫酸が残るように操作条件を調節し、最終的に回収工程
で一層多くの量の同じ硫酸ナトリウム塩濾滓が得られる
結果になるようにすることができる。
表4は、塩副生成物中の酸の量を最少にするように選
択した一組の操作条件Aの下で得られた生成物の正味の
全平均生産率(net overall average throughput rat
e)及び濃度を示している。これは、樹脂床から酸を溶
離するのに比較的多量の水(5.9リットルの水/2.3リッ
トルの供給物=2.57)を用いることにより達成された。
この実験では、改良マシーソン二酸化塩素発生器使用済
み酸溶液(476g/lのH2SO4及び414g/lのNa2SO4)を2.3リ
ットル/時の供給速度でAPUへ供給し、二つの流れへ分
離した:4.0リットル/時の速度で生成する硫酸ナトリウ
ムに富む副生成物流(202g/lのNa2SO4及び16g/lのH2S
O4)及び4.2リットル/時の速度で生成する硫酸に富む
生成物流(247g/lのH2SO4及び32g/lのNa2SO4)。各流れ
は間歇的に流れるので、全ての流れは正味の全平均とし
て表されている。
供給溶液中のクロムは三価の陽イオンの形をしている
ので、クロムの殆ど(92.5%)は、硫酸クロムの形で塩
副生成物と共にレポート(report)する。塩副生成物は
ミルの回収工程へ戻されるので、ROMは最終的には滓(d
reg)として緑液から除去されるものと予想される。こ
のことは、二酸化塩素発生器流出物中のクロム含有量が
大きいミルでは、GAP装置の設置に続き、流出物処理装
置へそれを排出し、最終的に、受け取り水へ排出される
のを避けることができることを意味する。その代わり、
クロムはミル滓中に入り、それは通常埋立て地に捨てら
れる。
この実験で用いられた条件下で、脱酸硫酸ナトリウム
流(1.7%)と比較して、精製酸流へ遥かに大きな割合
(98.3%)の塩化物がリポートすることが判明してい
る。その結果、脱酸硫酸ナトリウム溶液を回収工程へ戻
しても、塩化物汚染による悪影響はない〔例えば、回収
ボイラーの腐食及び(又は)閉塞〕。更に、もし精製酸
を二酸化塩素発生器へ再循環して戻した場合、回収され
た塩化物が二酸化塩素の発生に関与し、その方法の性能
を改善することができる。
第二の組みの操作条件、Bの下では、3.1リットル/
時で供給した使用済み酸溶液(445g/lのH2SO4及び392g/
lのNa2SO4)を、5.1リットル/時の速度で生成する硫酸
ナトリウムに富む副生成物流(260g/lのNa2SO4及び80g/
lのH2SO4)と、3.2リットル/時で生成する硫酸に富む
生成物流(323g/lのH2SO4及び22g/lのNa2SO4)とに分離
した。これらの二つの操作条件の主な相違は、Bの場合
では樹脂から酸を溶離するのに、Aの場合よりも使用す
る水が少なかったこと(即ち、5.2リットル/3.1リット
ル供給物=1.68)である。このことは、一層多くの酸性
硫酸ナトリウムに富む副生成物溶液と、一層濃厚な硫酸
に富む生成物を形成する結果になる。
例2 例1のミルAを、パルプ製造装置操作にGAP装置を一
体化するための候補として評価した(第3図)。ここに
与えた物質収支データーは、12t/日の二酸化塩素製造
(50%二酸化塩素置換)に基づいている。発生器は40℃
で、7.5cmH2Oの僅かな真空度で操作した。約9.5g/lの水
溶液として二酸化塩素が得られた。
二酸化塩素発生器からの使用済み酸の一部分を、ナト
リウム及び硫黄補充のために回収工程への緑液に添加し
た。使用済み酸の必要量は、煙道ガス洗浄器及び褐色パ
ルプ材洗浄器からの硫黄損失によって影響を受ける。与
えられた時間で緑液に添加すべき使用済み酸の量は、白
液の硫化度に基づいて決定される。もし硫化度が余りに
も高くなると、使用済み酸の緑液への流れが減少する。
ミルAのための平均硫化度は約27%〔全滴定可能なアル
カリ(TTA)に基づく〕であり、それは20%〜30%の範
囲にある。19.5%及び26.2%の硫化度を持つ、ミルから
の白液の二つの試料が得られた(表6)。
試料Fは、1993年4月に得られた試料と比較して、一
層高い硫酸ナトリウム(Na2S)及び一層低い苛性(NaOH
+Na2CO3)含有量を有する。ミルAは、緑液に添加する
使用済み酸を少なくすることにより、平均硫化度を27%
から一層低い水準(例えば、25%)へ低下する自由な選
択ができる。そのような場合、APU(商標名)脱酸硫酸
ナトリウム副生成物から得られる苛性の節約を増大する
ことができる。なぜなら、回収工程の硫黄要求量を満足
するために塩と共に維持される必要のある酸の量が少な
くてすむからである。更に、緑液中の未回収分としての
硫酸ナトリウムの量が少なくなることにより、苛性化器
は一層効果的に作動することが予想され、白液中の苛性
量を増大する結果になる。
ミルAでの緑液タンクへの使用済み酸の流量は、平均
して1045リットル/時であり、318〜1817リットル/時
の範囲にある。反応6、7及び8によって形成される硫
酸ナトリウムと同様、使用済み酸中の硫酸ナトリウムか
ら生ずる回収工程中の全硫酸ナトリウム要求量は、平均
して28t/日であり、12〜48t/日の範囲にある。このこと
は、使用済み酸の硫酸成分による緑液中で破壊された苛
性分を補充するために、白液へ水酸化ナトリウムを平均
9.8t/日(4.2〜16.9t/日)添加することを必要とする。
流出物処理装置へ行く使用済み酸の量は2.7〜18.3t/日
の範囲にある。
12t/日の二酸化塩素製造では、二酸化塩素発生器から
の使用済み酸の流量は約49,390リットル/日(20.5t/日
の硫酸ナトリウム及び23.5t/日の硫酸)である。これ
は、476g/lの硫酸及び414g/lの硫酸ナトリウムの使用済
み酸組成に基づいている。もしGAP装置をミルAに設置
すると、それは使用済み酸の全てを処理し、ミルは白液
への水酸化ナトリウム補充を8.8t/日程多く節約するこ
とができ、更に22.1t/日の精製酸を生ずることができ、
その酸はミル側の種々の用途で使用することができる。
例えば、ミルAは褐色パルプ材酸性化で4t/日の硫酸を
用いるように自由に選択することができる。更にGAP装
置は19.6t/日の脱酸硫酸ナトリウムを精製し、それを回
収工程へ戻すことができる。ミルAは、回収工程でのナ
トリウム及び硫黄の補充のために必要になる28t/日の硫
酸ナトリウムに対処するため、8.4t/日の硫酸ナトリウ
ムを購入しなければならないであろう。別法として、回
収工程で一層低い硫化度で操作するように自由に選択す
ることができ、その場合には購入する硫酸ナトリウムは
少なくなるか又は不必要になるであろう。
例3 例1のミルAを例3で用い、第4図に例示したパルプ
製造装置操作にGAP装置を一体化することについて評価
した。この自由な選択は、褐色パルプ材酸性化で用いら
れない、ARUからの精製硫酸生成物の一部分を、真空蒸
発を用いて70%へ濃縮し、それを発生器へ再循環するこ
とを含んでいる。この形態では、ミルAのための二酸化
塩素発生器・APU・蒸発器装置についての物質収支は、
表7に示すようになる。
ARU及び蒸発器装置を設置することにより、ミルA
は、二酸化塩素発生器系統の完全な閉じた経路を達成す
ることができるようになる。この方法は、購入した硫酸
の外、この過剰の酸を中和するのに用いる石灰乳に関し
て実現される実質的節約をもたらす。この方法の更に別
な利点は、スラッジ廃棄コストが減少することである。
なぜなら、一次及び二次スラッジのかなりの部分が、石
灰による過剰の硫酸の中和から生ずる非溶解硫酸カルシ
ウムであるからである。
例4 第5図の方法をこの例により説明する。この場合、例
1のGAP装置からの精製硫酸を用いて、塩素酸ナトリウ
ムを塩素酸ナトリウム/塩素酸混合物へ転化するのに用
いられた陽イオン交換装置(CEU)を再生する。その混
合物は後で塩素酸ナトリウム及び硫酸の代わりに二酸化
塩素発生器へ供給する。CEU再生工程の部分的に脱酸さ
れた硫酸ナトリウム生成物は、ナトリウム及び硫黄補充
のために回収工程へ戻され、それにより回収工程への苛
性補充を減少する。別法として、この流れは幾らかの残
留硫酸を含んでいるので、それはGAP装置で処理する前
に使用済み酸と混合してもよい。
改良マシーソン二酸化塩素発生器からの使用済み酸を
処理するGAP装置からの典型的な酸生成物に対しDCU(カ
ナダ、オンタリオ州ピッカーリングのエコ・テク社)と
して知られている市販のCEUを用いて試験を行なった。
パイロットプラントは、直径5cm×高さ60cmの固定樹脂
床を具えていた。この装置を用いて行なった広範な前の
実験は、得られた結果は実物大のプラントでの操作を信
頼性を持って予測できることを示していた。
全ての化学物質の分析を次の通り行なった:酸は、フ
ェノールフタレイン指示薬を用いた滴定による。硫酸塩
は、ロジゾン酸ナトリウム指示薬を用いた塩化バリウム
滴定による。塩素酸塩は、沃素還元滴定による。ナトリ
ウムは硫酸塩、塩素酸塩及び酸の合計及び差から計算し
た。或る場合には、生成物中の硫酸塩は、450nmでの濁
り測定、又はイオンクロマトグラフィーにより分析し、
ナトリウムはAAにより分析した。
DCUは、異なった条件で操作することができ、種々の
程度の効率で塩素酸ナトリウム供給溶液から塩素酸ナト
リウム/塩素酸混合物を生成することができる。ミルに
ついての最もコスト的に効果的な操作は、生成物溶液中
の塩素酸の量が最大の時に得られている。塩素酸ナトリ
ウムから塩素酸への転化度が増大するに従って、DCUを
水素型へ再生するのに必要な硫酸の量は多くなる。
表8は、この実験で得られた生成物の平均全生産率及
び濃度を示している。例1のGAP装置からの僅かに希釈
した精製硫酸(173g/lのH2SO4及び22g/lのNa2SO4)をDC
U(ナトリウム型)へ2.7リットル/時の正味の供給平均
速度で供給し、それによりDCUを水素型へ転化し、硫酸
ナトリウムに富む再生生成物(101g/lのNa2SO4及び83g/
lのH2SO4及び8g/lの残留NaClO3)を3.0リットル/時で
生成した。続く工程では、濃縮した塩素酸ナトリウム溶
液(628g/lのNaClO3)をDCU(水素型)へ1.5リットル/
時で供給し、それにより塩素酸ナトリウム/塩素酸混合
物(241g/lのNaClO3及び165g/lのHClO3及び10.7g/lのNa
2SO4)を2.4リットル/時の速度で生成した。DCUへ供給
した硫酸の量は、ナトリウムを除去するのに必要な化学
量論的酸の2.13倍であった。
上記実験の塩素酸ナトリウム/塩素酸生成物を、改良
マシーソン二酸化塩素発生器の条件下で作動する二酸化
塩素発生器へ供給した。発生器へ導入する前に、DCU生
成物中の全塩素酸塩濃度(塩素酸ナトリウム+塩素酸)
を、この溶液中に固体塩素酸ナトリウムを溶解すること
により基準の場合の濃度まで上昇させた。得られた結果
を表9に示す。
ここで、 収率=理論的ClO2(SO2に基づく)/実際に生成したClO2 効率=ClO2/(ClO2+Cl2+HCl) 表9から分かるように、DCU生成物をパイロット改良
マシーソン発生器(オンタリオ州ミシソーガのICI)へ
供給すると、発生器に必要な硫酸は、4.9g/分から3.17g
/分へ、35.3%の減少で低下した。更に、この方法の収
率及び効率は、基準の場合と大して異なっていなかっ
た。更に、発生器使用済み酸の硫酸含有量は、基準の場
合と比較して、酸消費量と同じ割合だけ減少した。
例5 第6図の方法をこの例によって説明する。第6図は、
第5図に示した方法の修正を例示しており、この場合、
CEUからの硫酸ナトリウム再生流をARUへ供給し、それに
含まれる硫酸の殆どを除去し、それによって脱酸硫酸ナ
トリウム溶液を生成し、それを回収工程へ戻す。この流
れは脱酸されているので、パルプ製造装置液体(黒液又
は緑液)中のアルカリ度を低下することはなく、それに
よって回収工程(白液)への苛性補充要求量を減少す
る。水を用いてARUから酸を洗浄除去し、硫酸流を生成
し、それをGAP装置からの精製酸と混合するか、又は排
水溝へ捨てる。
例4の場合のように、この場合には例1のGAP装置か
らの精製硫酸を用いて、塩素酸ナトリウムを塩素酸ナト
リウム/塩素酸混合物へ転化するのに使用した陽イオン
交換装置(CEU)を再生し、その混合物を後で塩素酸ナ
トリウム及び硫酸の代わりに二酸化塩素発生器へ送る。
市販DPU(オンタリオ州ピッカーリングのエコ・テク
からのDCU−APU)を用いて試験を行なった。用いたDCU
及びAPU床は、内径2″×高さ24″であった。
表10は、この実験で得られた生成物の正味の平均全生
産率及び濃度を示す。例1のGAP装置からの僅かに希釈
した精製硫酸(173g/lのH2SO4及び22g/lのNa2SO4)をDP
UのDCU部分(ナトリウム型)へ2.5リットル/時の供給
速度で供給し、それによりDCUを水素型へ転化し、硫酸
ナトリウムに富む再生生成物(64g/lのNa2SO4及び8g/l
のH2SO4及び8g/lの残留NaClO3)を2.7リットル/時で生
成した。続く工程では、濃厚にした塩素酸ナトリウム溶
液(669g/lのNaClO3)をDPUのDCU部分(水素型)へ1.2
リットル/時で送り、それにより塩素酸ナトリウム/塩
素酸混合物(260g/lのNaClO3及び140g/lのHClO3)を1.7
リットル/時の速度で生成した。得られたITは1.21であ
った。
上記実験の塩素酸ナトリウム/塩素酸生成物を、改良
マシーソン二酸化塩素発生器の条件下で作動する二酸化
塩素発生器へ送った。発生器へ導入する前に、DPU生成
物中の全塩素酸塩濃度(塩素酸ナトリウム+塩素酸)
を、この溶液に固体塩素酸ナトリウムを溶解することに
より基準の場合の濃度まで上昇させた。結果は表9に示
したものと同様であった。
例6 この例では、本発明の第2図に示した全ての工程によ
り二酸化塩素発生器使用済み酸を処理した。用いた使用
済み酸は大気圧型発生器であるソルベイ二酸化塩素発生
器を具えたセントラル・カナディアン・ミル(central
Canadian mill)(ミルB)により供給した。1996年4
月にその発生器のストリッパーから試料を得、分析し
た。これらのデーターを表11に示す。この表から分かる
ように、ソルベイ発生器流出物溶液は、硫酸ナトリウ
ム、硫酸及び残留塩素酸塩及び二酸化塩素分の外に、か
なり高い濃度の蟻酸を含んでいた。この酸は、ソルベイ
発生器で還元剤として用いられているメタノールの酸化
生成物である。
第一工程では、使用済み酸中の残留塩素酸ナトリウ
ム、二酸化塩素及び塩素を破壊するのに亜硫酸ナトリウ
ムを用いた。反応は溶液の黄色が完全に消えた時完了し
た。その点でこの溶液中に塩素酸塩、二酸化塩素又は塩
素は検出されなかった。この結果は、塩素酸塩、二酸化
塩素及び塩素の消失を監視するのに比色センサーを用い
ることを可能にしている。
この場合には処理した溶液をフィルターに通す必要は
なかった。なぜなら、溶液を1.5μmワットマン・ガラ
スマイクロファイバー・フィルター(934/AH型)に通し
て濾過しても懸濁固体は検出されなかったからである。
第二工程では、第一工程からの処理した使用済み酸を
APUへ供給した(例1参照)。表12は、塩生成物中の酸
の量を最小にするように選択した一組の操作条件Cの下
で得られた生成物の正味の平均全生産速度及び濃度を示
している。これは、樹脂から酸を溶離するのに比較的多
量の水(5.9リットルの水/2.3リットルの供給物=2.5
7)を用いることにより達成された。この実験では、ソ
ルベイ二酸化塩素発生器使用済み酸溶液(435g/lのH2SO
4、55.5g/lのHCOOH及び405g/lのNa2SO4)を2.3リットル
/時の供給速度でAPUへ供給し、二つの流れへ分離した:
4.1リットル/時の速度で生成する硫酸ナトリウムに富
む副生成物流(197g/lのNa2SO4、15.3g/lのH2SO4及び0.
40g/lのHCOOH)及び4.1リットル/時の速度で生成する
硫酸に富む生成物流(228g/lのH2SO4、31.1g/lのHCOOH
及び29.0g/lのNa2SO4)。固定樹脂床から酸に富む生成
物流を溶離するため、新鮮な水をAPUに6リットル/時
で添加した。各流れは間歇的に流れるので、全ての流れ
は正味の全平均として表されている。これらのデーター
で、蟻酸の殆どは樹脂床から硫酸によって溶離されたこ
とが認められるべきである。このことは、硫酸の外に、
蟻酸が同様に回収されたことを意味する。一つの自由な
選択は、褐色パルプ材酸性化及び(又は)漂白前のpH調
節にこの流れを用いることであり、この場合、蟻酸は、
硫酸によって与えられる酸分に、中和のための付加的酸
分を与えることになる。第二の自由な選択は、蒸発を用
いて生成物酸を濃縮し、それを二酸化塩素発生器へ戻す
ことができるようにすることである。そのような場合、
蟻酸成分は蒸留されて濃縮物の中へ入り、それによって
二酸化塩素発生器・GAP併用装置中にそれが蓄積するの
を回避できることが判明している。
例7 この例では、減圧二酸化塩素発生器からのセスキ硫酸
ナトリウムを水に溶解し、本発明の第2図に示した全て
の工程により処理した。用いたセスキ硫酸ナトリウム
は、R8二酸化塩素発生器を具えたセントラル・カナディ
アン・ミル(ミルC)により供給した。R8及びSVP−LIT
Eのような減圧発生器は、副生成物として比較的少量の
硫酸(H2SO40.24t/ClO21t)しか生成しない。なぜな
ら、それらは発生器中に、真空蒸発及び反応溶液からの
過剰の硫酸ナトリウムの連続的析出及び濾過により、比
較的高い遊離酸濃度を維持するように設計されているか
らである。
表13は、塩生成物中の酸の量を最小にするように選択
した一組の操作条件Dの下で得られた生成物の全生産率
及び濃度を示している。これは、樹脂から酸を溶離する
のに比較的多量の水を用いることにより達成された。こ
の実験では、R8二酸化塩素発生器使用済み酸(セスキ硫
酸ナトリウムの溶液)(47g/lのH2SO4及び202g/lのNa2S
O4)を6.3リットル/時の供給速度でAPUへ供給し、二つ
の流れへ分離した:8.6リットル/時の速度で生成する硫
酸ナトリウムに富む副生成物流(131g/lのNa2SO4及び9.
3g/lのH2SO4)及び6.3リットル/時の速度で生成する硫
酸に富む生成物流(35g/lのH2SO4及び23g/lのNa2S
O4)。
装置中へ供給した全硫酸ナトリウムの90.7%が塩生成
物流中に回収され、供給溶液中の硫酸の77.8%が酸生成
物流中に回収された。
例8 例7に示したように、GAP装置は、回収工程へ再循環
される硫酸ナトリウムを中和するのに必要なアルカリの
量を減少する望ましい目的を効果的に達成することがで
きるが、減圧二酸化塩素発生器の副生成物であるセスキ
硫酸ナトリウムから硫酸を回収するのに適用する場合に
は一つの原理的欠点を有する。セスキ硫酸ナトリウムを
最適温度で溶解限界まで水に溶解すると、生成した硫酸
の最大濃度は僅かに約5〜7%の硫酸になる。この溶液
を固定樹脂床ARU又は殆どの他の酸分離装置で処理する
と、硫酸濃度は5%以下へ減少する。そのような薄い硫
酸溶液を発生器へ再循環すると、蒸発の負担をかなり増
大することになる。それに伴うエネルギー費用は非常に
魅力がなく、多くの場合、発生器はその負担を取扱うの
に充分な蒸発能力を持たない。
この例は、固定樹脂床ARU又は他の酸分離装置(例え
ば、拡散透析、電気透析、ナノ濾過)を用いて、二酸化
塩素発生器から生じた酸性硫酸ナトリウム塩からの硫酸
を回収し、同時にその回収された硫酸の濃度を増大する
方法を与える。
3リットルの容量を持つタンクに、減圧二酸化塩素発
生器からの酸性硫酸ナトリウム塩濾滓を溶解するのに適
した混合器及び加熱器を配備した。エコ・テク社により
製造されAPUとして商業的に知られている固定樹脂床ARU
を組立た。APUに直径約2インチ、高さ24インチの樹脂
床を配備した。用いた樹脂はポリスチレン系第四級アミ
ン強塩基型であった。
油圧空気圧ポンプにより溶解用タンクからAPU樹脂床
の底へ溶液を送った。ウォーター・ボイド(water voi
d)を表す樹脂床の頂部から収集した溶液の最初の部分
を収集し、後の溶離工程で用いるために新しい水を補充
した。樹脂床の頂部から収集した溶液の残りの部分は、
「副生成物」と呼ばれているが、それを次に収集した。
続いて水をポンプで床の頂部へ送った。床の底を出た最
初の部分は「再循環1」と呼ばれており、それは溶解用
タンクへ再循環した。「生成物」と呼ばれる溶液の続く
部分を収集した。床の底から収集した溶液の最終部分は
「再循環2」と呼ばれ、溶解用タンクへ再循環した。R8
/SVP−LITE型の二酸化塩素発生器から得られた約120gの
セスキ硫酸ナトリウム(水分6.7%)を、次に溶解用タ
ンクへ添加した。このようにしてAPUを10サイクル操作
し、その時点で溶解用タンク中の溶液の組成は定常状態
の値に到達していた。最終APUサイクルについての平均
組成と同様、各部分の全平均流量を表14に示す。
生成物中の硫酸の濃度(127.3g/l)は、セスキ硫酸ナ
トリウムを単に水に溶解し、その後で固定樹脂床ARUに
よって処理して得られたもの(例7参照)よりもかなり
高いことに注意されたい。
副生成物中の硫酸対硫酸ナトリウムの比は、セスキ硫
酸ナトリウム中の0.23に対し0.03である。従って、硫酸
ナトリウム含有量に対する副生成物中の硫酸の量は、処
理される最初のセスキ硫酸ナトリウム中の量の僅か13%
である。含有される硫酸を中和するのに必要な苛性ソー
ダの量は、従って、87%減少するであろう。R8/SVP−LI
TE発生器によって生じたセスキ硫酸ナトリウム中に含ま
れている硫酸の中和によって生じた硫酸ナトリウムの量
は、全硫酸ナトリウムの25%である。本発明を用いるこ
とにより、硫酸の中和後、二酸化塩素発生器から生成し
た硫酸ナトリウムの量は、25%×87%=22%減少するで
あろう。
回収した硫酸生成物と共に二酸化塩素発生器へ再循環
して戻す硫酸ナトリウムの未回収分は、回収された硫酸
1t当たり僅か0.5tである。これは、回収された硫酸1t当
たり約1.3tの硫酸ナトリウムを戻すR−10法(水溶媒を
用いる)のような他の塩濾滓回収法を用いた場合よりも
著しく少なくなっている。発生器に対する付加的蒸発の
負担も、R10型法の場合よりも著しく少なくなってい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/44 D21C 9/14 // D21C 9/14 B09B 3/00 304Z (72)発明者 パレオロゴウ,マイケル カナダ国エイチ9ダブリュ 6イー5 ケベック,ビーコンズフィールド,アリ ス キャリエール 297 (72)発明者 トムプソン,ロクサーレ カナダ国エイチ9エス 5エイ2 ケベ ック,ポイント クレア,バサースト アベニュー 127 (72)発明者 ブラウン,クレイグ,ジェイ. カナダ国エル1ブイ 1エヌ5 オンタ リオ,ピカリング,ハイブッシュ トレ イル 1446 (72)発明者 シーデイ,マイケル カナダ国エム2エイチ 2エックス9 オンタリオ,ノース ヨーク,ショウニ ー サークル 121 (56)参考文献 特開 平7−48103(JP,A) 特開 平4−214002(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 17/90 C01B 11/02 D21C 9/14

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸及び硫酸ナトリウムを含む流出物であ
    る、二酸化塩素発生器からの二酸化塩素発生器流出物を
    処理するための方法において、 a. 粒状第四級アンモニウム樹脂を入れた固定樹脂床酸
    レターデーション装置へ硫酸及び硫酸ナトリウムを含む
    流出物を供給し、ここで前記酸を前記樹脂により収着
    し、硫酸ナトリウムを排除して脱酸硫酸ナトリウム溶液
    を生成させ、前記脱酸溶液を回収し、そして b. 前記酸レターデーション装置中で収着された酸を水
    で溶離し、精製硫酸溶液を回収する、 工程からなる二酸化塩素発生器流出物処理方法。
  2. 【請求項2】工程a)での流出物が、残留塩素化合物も
    含有し、工程a)の前に還元剤で前記塩素化合物を破壊
    する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】残留塩素化合物が、塩素酸ナトリウム、二
    酸化塩素及び塩素の一種類以上である、請求項2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】脱酸硫酸ナトリウム溶液を、ナトリウム及
    び硫黄化学物質のためにパルプ製造装置回収工程へ再循
    環し、それにより前記回収工程でのパルプ製造装置液体
    のアルカリ成分の破壊を回避し、補充水酸化ナトリウム
    の必要量を減少する、請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】工程b)での精製硫酸を二酸化塩素発生器
    へ再循環する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】工程b)からの精製硫酸を、二酸化塩素発
    生器へ再循環する前に蒸発器で濃縮する、請求項5に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】工程b)からの精製硫酸を、陽イオン交換
    樹脂を再生するために陽イオン交換装置へ送る、請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】流出物を取り出す二酸化塩素発生器へ供給
    される塩素酸ナトリウム溶液中のナトリウムイオンを陽
    イオン交換樹脂で水素イオンと交換し、前記樹脂を酸型
    からナトリウム型へ転化し、然る後、前記樹脂を、工程
    b)からの精製硫酸で酸型に再生し、硫酸ナトリウムを
    含む使用済み再生剤を生成する、請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】工程b)での精製硫酸を、褐色パルプ材の
    酸性化、トール油のダーク油化、パルプ漂白前のpH調
    節、又は過酸素パルプ漂白前の非工程金属の除去から選
    択されたパルプ製造装置操作へ送る、請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】硫酸ナトリウム含有使用済み再生剤を塩
    分割器で処理し、硫酸ナトリウムを硫酸と水酸化ナトリ
    ウムへ転化する工程を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】二酸化塩素発生器流出物が、マシーソン
    又は改良マシーソン発生器、ソルベイ発生器、又はHP−
    A発生器の流出物である、請求項1〜10のいずれか1項
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】発生器が減圧二酸化塩素発生器であり、
    流出物が硫酸及び硫酸ナトリウムを含有する塩濾滓から
    なり、工程a)の前に、前記塩濾滓を水性ビヒクル中に
    溶解し、得られた溶液を工程a)での処理のために供給
    する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】塩濾滓が残留塩素化合物も含み、得られ
    た溶液を還元剤で処理して残留塩素化合物を、a)の前
    に破壊する工程を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】水性ビヒクルが硫酸含有水溶液であり、
    それによってその中の硫酸及び硫酸ナトリウムの濃度を
    増大し、工程b)からの精製硫酸溶液の一部分を供給し
    て前記水性ビヒクルの少なくとも一部分を形成すること
    を含む、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 【請求項15】水性ビヒクルが水である、請求項12又は
    13に記載の方法。
  16. 【請求項16】水性ビヒクルの温度が30℃より高い、請
    求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】酸レターデーション装置へ送られる溶液
    の硫酸濃度が30重量%より低い、請求項14に記載の方
    法。
  18. 【請求項18】工程b)からの精製硫酸を二酸化塩素発
    生器へ再循環する、請求項12〜27のいずれか1項に記載
    の方法。
  19. 【請求項19】工程b)からの精製硫酸の一部分を、二
    酸化塩素発生器溶液から濾過された酸性硫酸ナトリウム
    結晶から塩素酸ナトリウムを洗い落とすために送る、請
    求項12〜17のいずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】酸レターデーション装置によって生成し
    た精製硫酸を、二酸化塩素発生器へ再循環する前に蒸発
    器によりさらに濃縮する、請求項12〜17のいずれか1項
    に記載の方法。
  21. 【請求項21】硫酸及び硫酸ナトリウムを含有する、二
    酸化塩素発生器からの減圧塩素流出物副生成物塩濾滓を
    処理する方法において、 i) 前記副生成物塩濾滓を水に溶解して溶液を形成
    し、 ii) 硫酸及び硫酸ナトリウムを含有する得られた溶液
    を酸分離装置へ送り、前記硫酸を前記硫酸ナトリウムか
    ら分離し、脱酸溶液を回収し、そして iii) 工程ii)からの分離された硫酸を回収する、 工程からなる処理方法。
  22. 【請求項22】塩濾滓が残留塩素化合物も含み、工程
    i)での溶液を還元剤で処理して残留塩素化合物を、工
    程ii)の前に破壊する工程を含む、請求項21に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】工程ii)での酸分離装置が、拡散透析、
    電気透析、又はナノ濾過を用いる、請求項21に記載の方
    法。
  24. 【請求項24】回収された分離硫酸を二酸化塩素発生器
    へ再循環する、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】回収された分離硫酸の一部分を、二酸化
    塩素発生器溶液から濾過された酸性硫酸ナトリウム結晶
    から塩素酸ナトリウムを洗い落とすために供給する、請
    求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】回収された分離硫酸を、二酸化塩素発生
    器へ再循環する前に、蒸発器により濃縮する、請求項24
    に記載の方法。
  27. 【請求項27】回収された分離硫酸を、陽イオン交換装
    置を再生するため、或はボイラーへの給水の処理、又は
    褐色パルプ材酸性化、又はトール油のダーク油化、又は
    過酸素漂白段階前の非工程金属の除去、又は漂白前のpH
    調節のために供給する、請求項23に記載の方法。
  28. 【請求項28】陽イオン交換装置を、二酸化塩素発生器
    へ供給される塩素酸ナトリウム溶液中のナトリウムイオ
    ンと水素イオンとを交換するために用いる、請求項27に
    記載の方法。
  29. 【請求項29】陽イオン交換装置からの硫酸ナトリウム
    を含有する使用済み再生剤を、塩分割器により処理し、
    硫酸ナトリウムを硫酸と水酸化ナトリウムへ転化する、
    請求項28に記載の方法。
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