JP3412470B2 - Soi基板の製造方法 - Google Patents
Soi基板の製造方法Info
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Description
持基板上に有するSOI基板の製造方法に関するもので
ある。
路(ULSI)基板として注目されてきている。このS
OI基板の製造方法には、シリコン基板同士を絶縁膜
を介して貼り合わせる方法、絶縁性基板又は絶縁性薄
膜を表面に有する基板の上にシリコン薄膜を堆積させる
方法、シリコン基板の内部に高濃度の酸素イオンを注
入した後、高温でアニール処理してこのシリコン基板表
面から所定の深さの領域に埋込みシリコン酸化層を形成
し、その表面側のSi層を活性領域とするSIMOX法
などがある。
入を行った後に、この半導体基板をイオン注入面を重ね
合せ面として支持基板に重ね合せ、この積層体を500
℃を越える温度に昇温して上記半導体基板を上記水素イ
オン等を注入した部分で支持基板から分離し、支持基板
の表面に薄膜を有する薄い半導体材料フィルムの製造方
法が提案されている(特開平5−211128)。この
方法では、イオンを半導体基板の内部に表面から均一に
注入できれば、均一な厚さの薄膜を有する半導体基板が
得られる。また支持基板の表面に予め酸化層を設けてお
けば、この方法によりSOI基板を製造することができ
る。
材料フィルムの製造方法では、半導体基板に水素イオン
のみを注入した場合に、比較的多くの量を注入しなけれ
ばならなず、イオン注入に比較的多くの時間を要する不
具合があった。また上記従来の薄い半導体材料フィルム
の製造方法が記載された特許公報には、水素ガスイオン
及び希ガスイオンを2種以上組合せて使用できるとは記
載されているが、どのような組合せ及び注入順序が好ま
しいかについては全く言及されていない。
スイオン注入後に水素ガスイオン又は水素分子イオンを
注入することにより効率的に半導体基板のイオン注入領
域に気泡を発生できるSOI基板の製造方法を提供する
ことにある。本発明の別の目的は、従来の水素イオンを
単独で注入した場合より少ないイオンのトータル注入量
でイオン注入領域に気泡を発生できるSOI基板の製造
方法を提供することにある。
板に水素ガスイオン又は水素分子イオン及び希ガスイオ
ンを組合せて注入する実験を繰返したところ、イオンの
注入順序を変えることによりイオンのトータル注入量が
大きく相違することを見出して本発明に到達した。
に、表面に絶縁層11aが形成された半導体基板11に
水素ガスイオン又は水素分子イオン及び希ガスイオンを
注入して半導体基板11内部に絶縁層11aに平行なイ
オン注入領域11bを形成する工程と、半導体基板11
を支持基板12に重ね合せて積層体13を形成する工程
と、積層体13を所定の温度に昇温して半導体基板11
をイオン注入領域11bで厚肉部11c及び薄膜11d
に分離する工程とを含むSOI基板の製造方法の改良で
ある。その特徴ある構成は、半導体基板11内部への注
入イオンが水素ガスイオン又は水素分子イオン及びヘリ
ウムイオンであり、イオンの注入順序がヘリウムイオン
を注入した後に水素ガスイオン又は水素分子イオンを注
入したところにある。この請求項1に記載されたSOI
基板では、水素ガスイオン又はヘリウムイオンを単独で
注入したときと比べて、イオンのトータル注入量が同一
となるようにヘリウムイオン注入後に水素ガスイオン又
は水素分子イオンを注入して薄膜分離熱処理を行うと、
イオン注入領域11bで気泡がより効率的に発生するの
で、半導体基板11が上記気泡を起点としてイオン注入
領域11bでより容易に割れ、厚肉部11cと薄膜11
dに分離する。
明であって、更にヘリウムイオンの注入量が0.5×1
016/cm2であり、かつ水素ガスイオンの注入量が
3.0×1016〜4.5×1016/cm2であることを
特徴とする。請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、更にヘリウムイオンの注入量が0.5×1
016/cm2であり、かつ水素分子イオンの注入量が
1.5×1016〜2.0×1016/cm2であることを
特徴とする。この請求項2又は3に記載されたSOI基
板の製造方法では、従来の水素ガスイオンを単独で注入
した場合と比べて同等若しくは少ないイオンのトータル
注入量で、薄膜分離熱処理時にイオン注入領域に気泡を
発生させることができる。
基づいて説明する。図1に示すように、本発明のSOI
基板を製造するには、先ずシリコンウェーハからなる半
導体基板11を熱酸化により基板11表面に絶縁層であ
る酸化層11a(SiO2層)を形成する。次いでこの
基板11にヘリウムイオン(He+)を0.5×1016
/cm2以上のドーズ量でイオン注入した後に(図1
(a))、水素ガスイオンである水素イオン(H+)を
3.0×1016/cm2以上又は水素分子イオン
(H2 +)を1.5×1016/cm2以上のドーズ量でイ
オン注入する(図1(c))。符号11bはヘリウムイ
オンやヘリウムイオン及び水素ガスイオンの注入により
半導体基板11内部に形成されたイオン注入領域であ
り、このイオン注入領域11bは酸化層11aに平行に
形成される。また水素ガスイオン(H+)の場合には、
水素分子イオン(H2 +)の場合の約2倍の注入量が必要
である。
有するシリコンウェーハからなる支持基板12を用意し
(図1(b))、両基板11,12をRCA法により洗
浄した後、支持基板12上に半導体基板11を室温で重
ね合せて積層体13を形成する(図1(d))。この積
層体13を窒素(N2)雰囲気中で500〜800℃の
範囲に昇温し、この温度範囲に5〜30分間保持して薄
膜分離熱処理を行う。これにより半導体基板11がイオ
ン注入領域11bのところで割れて上部の厚肉部11c
と下部の薄膜11dに分離する(図1(e))。ここ
で、上記熱処理の温度を500〜800℃に限定したの
は、500℃未満では水素による気泡内圧の上昇が十分
でない不具合があり、800℃を越えると気泡の成長が
進んで表面粗さが増大する不具合があるからである。
11bで割れた積層体13の温度を下げ、酸化層11a
を介して薄膜11dが積層された支持基板12(以下、
単に支持基板12という)から半導体基板11の厚肉部
11c(以下、単に厚肉部11cという)を取除き、こ
の支持基板12を酸素(O2)又は窒素(N2)雰囲気中
で900〜1200℃の範囲に昇温しこの温度範囲に3
0〜120分間保持する熱処理を行う(図1(f))。
この熱処理は薄膜11dの支持基板12への貼合せを強
固にする熱処理である。更に支持基板12及び厚肉部1
1cの分離面をそれぞれ研磨(タッチポリッシング)し
て平滑化する(図1(h)及び図1(i))。これによ
り支持基板12はSOI基板となり、厚肉部11cは支
持基板又は半導体基板として再びSOI基板の製造に使
用できる。なお、上記実施の形態では、半導体基板の表
面に熱酸化により絶縁層である酸化層(SiO2層)を
形成したが、半導体基板の表面に窒化処理等により絶縁
層を形成してもよい。
説明する。 <実施例1>図1(a)及び図1(c)に示すように、
厚さ625μmのシリコンウェーハからなる半導体基板
11を熱酸化して表面に厚さ400nmの酸化層11a
を形成した(図1(a))。この半導体基板11に90
keVの電圧を印加してヘリウムイオン(He+)を
0.5×1016/cm2注入した後に(図1(a))、
この半導体基板に120keVの電圧を印加して水素分
子イオン(H2 +)を1.5×1016/cm2注入した
(図1(c))。この半導体基板11を実施例1とし
た。 <実施例2>ヘリウムイオン及び水素分子イオンの注入
量がそれぞれ1.0×1016/cm2及び1.5×10
16/cm2であることを除いて、上記実施例1と同様に
作製した半導体基板を実施例2とした。
イオンの注入量がそれぞれ2.0×1016/cm2及び
1.5×1016/cm2であることを除いて、上記実施
例1と同様に作製した半導体基板を実施例3とした。 <実施例4>ヘリウムイオン及び水素分子イオンの注入
量がそれぞれ1.0×1016/cm2及び2.0×10
16/cm2であることを除いて、上記実施例1と同様に
作製した半導体基板を実施例4とした。 <実施例5>ヘリウムイオン及び水素分子イオンの注入
量がそれぞれ1.0×1016/cm2及び2.5×10
16/cm2であることを除いて、上記実施例1と同様に
作製した半導体基板を実施例5とした。
水素分子イオンのみを0.5×1016/cm2注入した
ことを除いて、上記実施例1と同様に作製した半導体基
板を比較例1とした。 <比較例2>水素分子イオンの注入量が1.0×1016
/cm2であることを除いて、上記比較例1と同様に作
製した半導体基板を比較例2とした。 <比較例3>水素分子イオンの注入量が1.5×1016
/cm2であることを除いて、上記比較例1と同様に作
製した半導体基板を比較例3とした。
2.0×1016/cm2であることを除いて、上記比較
例1と同様に作製した半導体基板を比較例4とした。 <比較例5>水素分子イオンの注入量が2.5×1016
/cm2であることを除いて、上記比較例1と同様に作
製した半導体基板を比較例5とした。 <比較例6>水素分子イオンを注入せず、ヘリウムイオ
ンのみを0.5×1016/cm2注入したことを除い
て、上記実施例1と同様に作製した半導体基板を比較例
6とした。
1.0×1016/cm2であることを除いて、上記比較
例6と同様に作製した半導体基板を比較例7とした。 <比較例8>ヘリウムイオン及び水素分子イオンの注入
量がそれぞれ1.0×1016/cm2及び1.0×10
16/cm2であることを除いて、上記実施例1と同様に
作製した半導体基板を比較例8とした。 <比較例9>実施例2とはイオン注入順序を逆にした半
導体基板を比較例9とした。即ち水素分子イオンを1.
5×1016/cm2注入した後に、ヘリウムイオンを
1.0×1016/cm2注入した半導体基板を比較例9
とした。
較例1〜9の半導体基板を薄膜分離熱処理と同一のアニ
ール処理、即ち窒素(N2)雰囲気中で600℃に30
分間保持した後に、各半導体基板の酸化膜表面にブリス
タ(火ぶくれ)が発生したか否かを調べた。その結果を
表1及び図3に示す。なお、アニール処理後のブリスタ
の発生の有無を調べたのは、ヘリウムイオン及び水素分
子イオンの注入と貼合せ技術とを組合せてSOI基板を
製造するためには、図2に示すように貼合せ無しの状態
でアニール処理後に半導体基板11のイオン注入領域1
1bで気泡11eが発生することが必要であり、この気
泡11eが発生すると酸化膜11a表面にブリスタ11
fが発生するためである。即ち、ブリスタ11fの発生
の有無によりイオン注入領域11bでの気泡11eの発
生の有無を判断できるからである。また図3において白
丸及び黒丸は火ぶくれが発生したことを示し、×印は火
ぶくれが発生しなかったことを示す。
2ではブリスタが発生したのに対し、実施例2とはイオ
ン注入順序を逆にした比較例9ではブリスタが発生しな
かった。これは、実施例2では質量の重いヘリウムイオ
ンを先に注入することで、相対的に軽い水素分子イオン
に比べて効果的にイオン注入領域(注入ダメージ層、ア
モルファス層)が形成され、この後に注入された水素分
子イオンの注入分布幅をシャープにし、更にヘリウムイ
オン注入により形成されたダングリングボンドが後で注
入された水素分子イオンにより終端されることで、アニ
ール処理時における結晶の再配列と気泡の凝集が促進さ
れたためであると考えられる。これに対し、比較例9で
は水素分子イオンの注入により形成されたイオン注入領
域の構造が上記とは異なるため、イオンのトータル注入
量が十分であっても、気泡の凝集が発生しなかったため
であると考えられる。
素分子イオンのトータル注入量が2.0×1016/cm
2と比較的少なくてもブリスタが発生したのに対し、水
素分子イオンを単独で注入した比較例1〜5では水素分
子イオンを2.5×1016/cm2注入した比較例5で
初めてブリスタが発生した。これは、比較例1〜5のよ
うに水素分子イオンを単独で注入する場合には、注入過
程初期において注入された水素分子イオンが注入ダメー
ジ層を形成するけれども、この注入ダメージ層を形成す
る水素分子イオンが軽いため、ある程度多くの量を注入
しなければならなかったためであると考えられる。
面に絶縁層が形成された半導体基板内部への注入イオン
が水素ガスイオン又は水素分子イオン及びヘリウムイオ
ンであり、これらのイオンの注入順序がヘリウムイオン
を注入した後に水素ガスイオン又は水素分子イオンを注
入したので、この状態で薄膜分離熱処理を行うと、イオ
ン注入領域で気泡が発生する。これに対し、上記とは逆
に水素ガスイオン又は水素分子イオン注入後にヘリウム
イオンを注入して薄膜分離熱処理を行うと、それぞれの
イオン注入量が同一であっても、薄膜分離熱処理時にイ
オン注入領域に気泡が発生しない。この結果、本発明で
は、効率的に半導体基板のイオン注入領域に気泡を発生
できる、即ち半導体基板を効率的にイオン注入領域で厚
肉部と薄膜とに分離できる。
016/cm2とし、かつ水素ガスイオンの注入量を3.
0×1016〜4.5×1016/cm2又は水素分子イオ
ンの注入量を1.5×1016〜2.0×1016/cm2
とすれば、従来の水素ガスイオンを単独で注入した場合
(5.0×1016/cm2)又は水素分子イオンを単独
で注入した場合(2.5×1016/cm2)と比べて同
等若しくは少ないイオンのトータル注入量(He+とH+
を注入した場合のトータル注入量は3.5×1016〜
5.0×1016/cm2であり、He+とH2 +を注入した
場合のトータル注入量は2.0×1016〜2.5×10
16/cm2である。)で、薄膜分離熱処理時にイオン注
入領域に気泡を発生させることができる。この結果、短
時間でイオン注入を行うことができるので、SOI基板
の生産性を向上できる。
順に示す図。
オンを注入した半導体基板を焼鈍したときに絶縁層表面
に火ぶくれが発生した状態を模式的に示す半導体基板の
断面図。
のヘリウムイオン及び水素分子イオンの注入量を変えた
ときのブリスタの発生の有無を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 表面に絶縁層(11a)が形成された半導体
基板(11)に水素ガスイオン又は水素分子イオン及び希ガ
スイオンを注入して前記半導体基板(11)内部に前記絶縁
層(11a)に平行なイオン注入領域(11b)を形成する工程
と、 前記半導体基板(11)を支持基板(12)に重ね合せて積層体
(13)を形成する工程と、 前記積層体(13)を所定の温度に昇温して前記半導体基板
(11)を前記イオン注入領域(11b)で厚肉部(11c)及び薄膜
(11d)に分離する工程とを含むSOI基板の製造方法に
おいて、 前記半導体基板(11)内部への注入イオンが前記水素ガス
イオン又は前記水素分子イオン及びヘリウムイオンであ
り、 前記イオンの注入順序が前記ヘリウムイオンを注入した
後に前記水素ガスイオン又は前記水素分子イオンを注入
したことを特徴とするSOI基板の製造方法。 - 【請求項2】 ヘリウムイオンの注入量が0.5×10
16/cm2であり、かつ水素ガスイオンの注入量が3.
0×1016〜4.5×1016/cm2である請求項1記
載のSOI基板の製造方法。 - 【請求項3】 ヘリウムイオンの注入量が0.5×10
16/cm2であり、かつ水素分子イオンの注入量が1.
5×1016〜2.0×1016/cm2である請求項1記
載のSOI基板の製造方法。
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- 1997-09-04 JP JP23917497A patent/JP3412470B2/ja not_active Expired - Fee Related
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