JP3412466B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

内燃機関用点火装置

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JP3412466B2 JP22231697A JP22231697A JP3412466B2 JP 3412466 B2 JP3412466 B2 JP 3412466B2 JP 22231697 A JP22231697 A JP 22231697A JP 22231697 A JP22231697 A JP 22231697A JP 3412466 B2 JP3412466 B2 JP 3412466B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロコンピュータ
を用いて内燃機関の点火位置を制御する内燃機関用点火
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に内燃機関用の点火装置は、点火信
号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する点火回
路と、該点火回路に点火信号を与える時期(点火位置)
を制御する制御部とを備えていて、点火回路から得られ
る高電圧を機関の気筒に取り付けられた点火プラグに印
加することにより点火動作を行なわせるようになってい
る。
【0003】近年内燃機関に対しては、排気ガスの浄
化、燃費の向上、騒音の低減、及び出力の向上等の種々
の要求がされるようになり、これらの要求に応えるため
に、マイクロコンピュータを用いて内燃機関の点火位置
を回転数等の制御条件に対して正確に制御するデジタル
式の点火装置が必要とされるようになった。
【0004】マイクロコンピュータを用いて点火位置を
制御する内燃機関用点火装置においては、内燃機関の最
大進角位置または該最大進角位置よりも進んだ位置に設
定された基準回転角度位置を検出するための基準信号を
少なくとも発生する信号発生装置を設けるとともに、内
燃機関の回転数を演算するためのデータを求める回転数
計測手段と、内燃機関の点火位置を計測するためのデー
タを求める点火位置演算手段と、点火位置を計測して点
火信号を発生させる点火信号発生手段とをマイクロコン
ピュータにより実現して、内燃機関の点火位置を回転数
に対して制御するようにしている。
【0005】回転数計測手段は、機関の基準回転角度位
置で基準信号が発生してから次の基準信号が発生するま
での間(機関が1回転する間)に発生する基準クロック
パルスを、マイクロコンピュータ内に設けられたカウン
タにより計数してその計数値を回転数計測用計数値とし
てRAMに記憶させる。
【0006】点火位置演算手段は、機関の回転数と点火
位置との関係を与えるマップを用いて、回転数計測用計
数値から求められた各回転数に対して点火位置を補間演
算する。この点火位置は、機関のクランク軸が基準回転
角度位置から点火位置まで回転する間に発生する基準ク
ロックパルスの数の形で演算されて、RAMの所定のア
ドレスに記憶される。本明細書では、機関のクランク軸
が基準回転角度位置から点火位置まで回転する間に発生
する基準クロックパルスの数を点火位置計測用計数値と
呼ぶ。
【0007】点火信号発生手段は、基準信号が発生した
ときに点火位置計測用計数値をカウンタにセットして、
該点火位置計測用計数値の計数を開始し、該カウンタが
点火位置計測用計数値の計数を完了した時に点火信号を
発生させる。
【0008】内燃機関用点火装置に対しては、小形化と
コストの低減とがきびしく求められるため、通常マイク
ロコンピュータとしては、MPU、ROM、RAM、カ
ウンタ等の構成要素を1つのチップ内に構成したいわゆ
るワンチップマイコンが用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような内燃機関
用点火装置において、点火位置を回転数に対して正確に
制御するためには、回転数計測用計数値と点火位置計測
用計数値とを16ビットの2進数として扱う必要があ
る。従来の点火装置では、回転数計測用計数値及び点火
位置計測用計数値をそれぞれ16ビットのカウンタを用
いて計数していたため、マイクロコンピュータとして1
6ビットカウンタを内蔵した高価なものを用いる必要が
あり、コストが高くなるという問題があった。
【0010】そこで、本発明者は先に、安価な8ビット
のカウンタを2つ備えたマイクロコンピュータにより点
火位置を正確に制御することができるようにした内燃機
関用点火装置を提案した。
【0011】本発明の目的は、8ビットのカウンタを1
つだけ備えた安価なマイクロコンピュータを用いて点火
位置を正確に制御することができるようにして、更にコ
ストの低減を図った内燃機関用点火装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる内燃機関
用点火装置は、点火信号が与えられたときに点火用の高
電圧を発生する点火回路と、基準クロックパルスを発生
するクロック回路と該基準クロックパルスの周波数を設
定された分周比で分周した周波数のパルスを出力するプ
リスケーラと該プリスケーラから与えられるパルスを計
数する動作を繰り返すように設けられて計数値がオーバ
フローする毎にリセットされる(計数値が初期値に戻さ
れる)8ビットのカウンタとを有するマイクロコンピュ
ータと、内燃機関の上死点よりも進角した位置に設定さ
れた基準回転角度位置で基準信号を発生する信号発生装
置とを備えたもので、マイクロコンピュータは、内燃機
関が1回転する間にクロック回路が発生する基準クロッ
クパルスを計数して16ビットの2進数からなる回転数
計測用計数値を求める回転数計測手段と、内燃機関が基
準回転角度位置から点火位置まで回転する間にクロック
回路が発生する基準クロックパルスの数を16ビットの
2進数からなる点火位置計測用計数値として回転数計測
用計数値から求められた内燃機関の各回転数に対して演
算する点火位置演算手段と、点火位置計測用計数値を用
いて検出した点火位置で点火回路に信号幅が制限された
点火信号を与える点火信号供給手段とを実現して、内燃
機関の点火位置を回転数に対して制御する。
【0013】本発明においては、上記マイクロコンピュ
ータとして、カウンタを1つだけ備えたものを用いる。
【0014】本発明で用いる点火信号供給手段は、点火
位置演算手段により演算された16ビットの点火位置計
測用計数値の上位8ビットが0であるか1以上であるか
を判定して点火位置計測用計数値の上位8ビットが1以
上であると判定されたときに点火位置計測用計数値の上
位8ビットが0になるまで該点火位置計測用計数値の各
桁を下位の桁側にシフトさせる計数値シフト手段と、該
計数値シフト手段によるシフトの回数C(Cは0を含む
正の整数)が0のときには点火位置演算手段が演算した
点火位置計測用計数値の下位8ビットを点火用計数値と
してカウンタの計数値がオーバフローするまでの間に該
カウンタが計数するパルスの数を該点火用計数値に等し
くするために基準回転角度位置でカウンタにセットする
必要があるプリセット値を記憶し、シフトの回数Cが1
以上であるときにはシフト後の点火位置計測用計数値の
下位8ビットを点火用計数値として前記カウンタの計数
値がオーバフローするまでの間に該カウンタが計数する
パルスの数を該点火用計数値に等しくするために基準回
転角度位置でカウンタにセットする必要があるプリセッ
ト値を記憶するカウンタプリセット値記憶手段と、前記
プリスケーラの分周比を1/(2)に設定する第1の
分周比設定手段と、前記基準信号が発生したときにカウ
ンタプリセット値記憶手段に記憶されたプリセット値を
カウンタにセットして点火用計数値の計数を開始させる
点火時カウンタ制御手段と、カウンタが点火用計数値の
計数を完了した時に点火信号を出力する点火信号出力手
段とを備えている。
【0015】また上記回転数計測手段は、点火信号が発
生したときにプリスケーラの分周比を1とする第2の分
周比設定手段と、カウンタの計数値がオーバフローする
毎に記憶する数値を1ずつ増加させる計数値上位8ビッ
ト記憶手段と、基準信号が発生したときのカウンタの計
数値を記憶する計数値下位8ビット記憶手段と、計数値
上位8ビット記憶手段に記憶された数値及び計数値下位
8ビット記憶手段に記憶された数値をそれぞれ上位8ビ
ット及び下位8ビットとした16ビットの数値に前回演
算された16ビットの点火位置計測用計数値を加算して
得た数値を回転数計測用計数値として、該回転数計測用
計数値の上位8ビット及び下位8ビットをそれぞれ記憶
する第1及び第2の回転数計測用計数値記憶手段とを備
えている。
【0016】点火位置演算手段は、上記第1及び第2の
回転数計測用計数値記憶手段にそれぞれ上位8ビット及
び下位8ビットが記憶された回転数計測用計数値から演
算した回転数に対して点火位置計測用計数値を演算する
ように構成される。
【0017】内燃機関用点火装置においては、点火信号
の信号幅を必要以上に広くしないように、点火信号の信
号幅を制限する手段を設ける必要がある。点火信号の信
号幅の制限は、ソフトウェア上で行わせてもよく、ハー
ドウェア回路により行わせてもよい。ソフトウェア上で
信号幅を制限するには、例えば、上記点火信号出力手段
を、カウンタが点火用計数値の計数を完了した時に点火
信号を発生させる点火信号発生手段と、該カウンタが点
火用計数値の計数を完了した直後に行われるカウンタの
計数動作で該カウンタの計数値がオーバフローしたこと
が検出された時に点火信号を消滅させる点火信号消滅手
段とにより構成すればよい。
【0018】ハードウェア回路により点火信号の信号幅
を制限するには、例えば、カウンタが点火用計数値の計
数を完了したときにトリガされて一定のパルス幅を有す
るパルスを発生するシュミットトリガ回路等のパルス発
生回路を設けて、該パルス発生回路から得られるパルス
を点火信号として用いるようにすればよい。
【0019】上記のように構成すると、8ビットのカウ
ンタを1つだけ用いて、回転数及び点火位置のデータを
16ビットの2進数で処理することができるため、1個
の8ビットカウンタを備えた安価なマイクロコンピュー
タを用いて内燃機関の点火位置を正確に制御することが
できる。したがって、2個の8ビットカウンタを用いて
回転数及び点火位置のデータを16ビットで処理するよ
うにした既提案の点火装置に比べて更に装置のコストの
低減を図ることができる。
【0020】内燃機関の始動時の極低速領域から高速回
転領域までの全ての回転領域において、点火位置をソフ
トウェア上で演算して決定するようにしてもよいが、機
関の極低速回転領域(例えば1000[rpm]以下の領
域)では、機関の行程変化に伴ってピストンからクラン
ク軸に伝わる反力の変化により、クランク軸の回転速度
が細かく変動するため、極低速領域においてもソフトウ
ェア上で演算された点火位置で点火を行わせるようにし
た場合には、演算した通りの点火位置で点火動作を行わ
せることができなくなって、機関の回転が不安定になっ
たり、機関が停止したりするおそれがある。このような
事態が生じるのを防ぐためには、機関の回転数が設定値
以下にあるとき(機関が極低速領域にあるとき)に点火
位置を固定点火位置に固定する固定点火モードとし、機
関の回転数が設定値を超えたときに該固定点火モードを
解除して回転数に対して点火位置を変化させるようにす
るのが好ましい。
【0021】本発明に係わる点火装置において、機関の
極低速領域で点火位置を固定する構成をとる場合には、
内燃機関の極低速時の固定点火位置で固定点火位置信号
を発生し、該固定点火位置よりも進角した位置に設定さ
れた基準回転角度位置で基準信号を発生するように信号
発生装置を構成する。
【0022】またこの場合、点火信号供給手段は、例え
ば、上記と同様に構成された計数値シフト手段、カウン
タプリセット値記憶手段及び点火時カウンタ制御手段
と、内燃機関の回転数が設定値を超えているか否かを判
定する回転数判定手段と、該回転数判定手段により回転
数が設定値以下であると判定されたときに固定点火モー
ド指令信号を発生し、回転数判定手段により回転数が設
定値を超えていると判定されたときに定常点火モード指
令信号を発生する点火モード指令信号発生手段と、定常
点火モード指令信号が発生している状態でカウンタが点
火用計数値の計数を完了したときに点火信号を出力する
第1の点火信号出力手段と、固定点火モード指令信号が
発生している状態で固定点火位置信号が発生したときに
点火信号を出力する第2の点火信号出力手段とにより構
成される。
【0023】この場合も、第1の点火信号出力手段を、
カウンタが点火用計数値の計数を完了した時に点火信号
を発生させる点火信号発生手段と、該カウンタが点火用
計数値の計数を完了した直後に行われるカウンタの計数
動作で該カウンタの計数値がオーバフローしたことが検
出された時に点火信号を消滅させる点火信号消滅手段と
により構成することにより、点火信号の信号幅を制限す
ることができる。
【0024】なお信号発生装置が発生する固定点火位置
信号は、もともと信号幅が制限されているため、第2の
点火信号出力手段に信号幅を制限する手段を特に設ける
必要はない。
【0025】点火信号供給手段を上記のように構成する
と、回転数の設定値を適当な値(例えば1000[rpm]
に設定しておくことにより、回転数が細かく変動する機
関の極低速領域では固定された点火位置で点火動作を行
わせて機関の動作が不安定になったり、機関が停止した
りするのを防止し、機関の回転が安定する定常回転領域
では、演算された点火位置で点火を行わせて、排気ガス
の浄化、燃費の向上、騒音の低減、機関の出力の向上等
を図ることができる。
【0026】本発明で用いるカウンタはパルスが入力さ
れる毎に計数値を00HからFFH(Hは16進表示の
2進数であることを意味する。)まで増加させていくア
ップカウンタでもよく、パルスが入力される毎に計数値
をFFHから00Hまで減少させていくダウンカウンタ
でもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係わる内燃機関用
点火装置のハードウェアの構成例を示したもので、同図
において1は点火信号が与えられたときに点火用の高電
圧を発生する点火回路である。この点火回路はコンデン
サ放電式の回路として周知のもので、1次コイル2a及
び2次コイル2bを有する点火コイル2と、図示しない
内燃機関の出力軸に取り付けられた磁石発電機内に設け
られたエキサイタコイル3と、点火エネルギ蓄積用コン
デンサ4と、放電用サイリスタ5と、ダイオード6及び
7とからなっている。点火コイルの一次コイル2aの一
端はエキサイタコイル3の一端とともに接地され、一次
コイル2aの他端は二次コイル2bの一端に接続されて
いる。一次コイル2aの他端にはまたコンデンサ4の一
端が接続され、コンデンサ4の他端はカソードを該コン
デンサ側に向けたダイオード6を通してエキサイタコイ
ル3の他端に接続されている。コンデンサ4とダイオー
ド6との接続点にサイリスタ5のアノードが接続され、
該サイリスタのカソードは接地されている。また点火コ
イルの一次コイル2aの両端に、カソードを接地側に向
けてダイオード7が接続されている。点火コイルの二次
コイル2bの他端は、図示しない内燃機関の気筒に取り
付けられた点火プラグ8の非接地側端子に接続されてい
る。
【0028】上記の点火回路1において、エキサイタコ
イル3は機関の回転に同期して交流電圧Ve を誘起す
る。エキサイタコイル3が図示の矢印方向の正の半サイ
クルの電圧Ve を発生すると、エキサイタコイル3→ダ
イオード6→コンデンサ4→ダイオード7及び一次コイ
ル2a→エキサイタコイル3の経路で電流が流れてコン
デンサ4が図示の極性に充電される。サイリスタ5のゲ
ートに点火信号Vi が与えられると、該サイリスタ5が
導通するため、コンデンサ4の電荷がサイリスタ5と点
火コイルの一次コイル2aとを通して放電する。この放
電により点火コイルの二次コイル2bに点火用の高電圧
が誘起し、該高電圧が点火プラグ8に印加される。これ
により点火プラグ8に火花が生じ、機関が点火される。
【0029】10はマイクロコンピュータで、このマイ
クロコンピュータは、MPU(特に図示せず。)と、R
OM10a及びRAM10bと、割込み制御回路10c
と、クロック回路10dと、3ビットプリスケーラ10
eと、8ビットカウンタ(アップカウンタ)10fとを
備えた1チップマイコンからなっている。
【0030】クロック回路10dは1[μsec ]の周期
で常時基準クロックパルスPc を発生する発振器からな
っていて、クロック回路10dが発生する基準クロック
パルスはプリスケーラ10eに与えられている。
【0031】プリスケーラ10eには、3ビットの2進
数000,001,…,110,111をセットするこ
とができるようになっていて、これらの2進数をセット
することにより合計8通りの分周比を設定できるように
なっている。プリスケーラ10eにセットする3ビット
の2進数に対応する10進数をcとした場合、プリスケ
ーラでの分周比は1/(2)となる。プリスケーラ1
0eは、基準クロックパルスPc の周波数を設定された
分周比で分周して、分周された周波数のクロックパルス
Pc ´を出力する。プリスケーラ10eが出力するクロ
ックパルスの周期は、1μsec ,2μsec ,4μsec ,
…,128μsec ,256μsec のいずれかである。
【0032】カウンタ10fは、常時計数動作を繰り返
しているフリーランカウンタであって、プリスケーラ1
0eから出力されるクロックパルスPc ´を計数して、
計数値を00H,01H,02H,…,FFHとする計
数動作を常時繰り返しており、計数値がオーバフローす
る毎に(FFHまで計数する毎に)リセットされてその
計数値が00Hに戻される。
【0033】なお00H,01H,…,FFHの末尾に
付されたHは、これらが16進表示された2進数である
ことを示している。
【0034】上記のカウンタ10fに対しては、ソフト
ウェア上で任意のプリセット値をセットできるようにな
っていて、カウンタ10fにプリセット値がセットされ
たときには、該プリセット値の次の値から計数動作が開
始されてFFHまで計数が行われる。即ち、プリセット
値がセットされたときには、FFHから該プリセット値
を減算した数値を計数したときにカウンタ10fの計数
値がFFHに達してオーバフローする。
【0035】8ビットカウンタ10fは、その計数値が
FFHになってオーバフローする毎に(全計数動作が完
了する毎に)割込み制御回路10cに割込み信号INT
2 を与える。
【0036】プリスケーラ10eの分周比は、機関の回
転数を検出する際に1とされ、点火位置を計測する際に
は、点火位置を計数するための計数値のビット数に応じ
てソフトウェア上で適宜の値に設定される。
【0037】11は内燃機関の出力軸に取り付けられた
信号発電機(パルサ)内に設けられた信号コイル12
と、第1及び第2の波形整形回路13A及び13Bとか
らなる信号発生装置、14及び15はそれぞれ第1及び
第2の点火信号出力回路で、第1及び第2の点火信号出
力回路14及び15を通して出力される信号がオア回路
16を通して点火回路1のサイリスタ5のゲートに点火
信号Vi として供給されている。
【0038】信号コイル12は、図5(A)に示したよ
うに、機関の上死点よりも進んだ位置(通常は最大進角
位置)に設定された基準回転角度位置θ1 でスレショル
ドレベル(回路が認識し得るレベル)Vt 以上になる第
1の信号Vs1と、基準回転角度位置よりも遅れた固定点
火位置θ2 でスレショルドレベルVt 以上になる第2の
信号Vs2とを機関の1回転当り1回ずつ発生する。
【0039】固定点火位置θ2 は機関の極低速時の点火
位置で、この固定点火位置は、機関の上死点よりも僅か
に進んだ位置である最小進角位置に等しく設定する場合
もあり、最小進角位置より進角した位置(機関の極低速
時の点火位置として適当な位置)に設定する場合もあ
る。図示の例では、第1の信号Vs1が負極性のパルスか
らなり、第2の信号Vs2が正極性のパルスからなってい
る。
【0040】信号コイル12の出力は第1及び第2の波
形整形回路13A及び13Bに入力されている。第1の
波形整形回路13Aは、負極性の第1の信号Vs1をパル
ス波形に整形する回路で、この波形整形回路13Aは、
NPNトランジスタTR1 と、ダイオードD1 及びD2
と、抵抗R1 ないしR4 と、コンデンサC1 とからなっ
ている。
【0041】また第2の波形整形回路13Bは、正極性
の第2の信号Vs2をパルス波形に整形する回路で、NP
NトランジスタTR2 と、抵抗R5 ないしR7 と、ダイ
オードD3 と、コンデンサC2 とからなっている。
【0042】信号コイル12が負極性の第1の信号Vs1
を発生し、該第1の信号のレベルが、コンデンサC1 の
両端の電圧によりほぼ決まるスレショールドレベルVt
を超えると、信号コイル11からダイオードD1 及びD
2 とコンデンサC1 及び抵抗R1 の並列回路とを通して
電流が流れる。この電流が流れると、ダイオードD1の
両端に生じた電圧降下がトランジスタTR1 のベースエ
ミッタ間に逆方向に印加されるため、それまで導通して
いたトランジスタTR1 が遮断状態になり、該トランジ
スタTR1 のコレクタの電位が上昇する。第1の信号V
s1のレベルがスレショールドレベルを下回ると、ダイオ
ードD1 に電流が流れなくなって、トランジスタTR1
が導通するため、該トランジスタTR1 のコレクタに
は、図5(B)に示すように、第1の信号Vs1がスレシ
ョールドレベルVt を超えている期間にパルス幅が等し
い第1のパルス信号P1 が得られる。この第1のパルス
信号P1 は機関の回転角度位置が基準回転角度位置θ1
に一致したことを検出するための(マイクロコンピュー
タに認識させるための)基準信号であって、この基準信
号は、マイクロコンピュータの所定の入力ポートを通し
て割込み制御回路10cに第1の割込み信号INT1 と
して与えられている。この例では、割込み制御回路10
cが第1のパルス信号(基準信号)P1 の立上りを割込
み信号INT1として認識するようになっている。
【0043】また信号コイル12が正極性の第2の信号
Vs2を発生したときには、該信号Vs2のレベルがコンデ
ンサC2 の両端の電圧によりほぼ決まるスレショールド
レベルVt を超えている間だけ第2の波形整形回路13
BのトランジスタTR2 にベース電流が流れて該トラン
ジスタTR2 が導通状態になる。そのため、第2の信号
Vs2がスレショールドレベルを超えている期間だけ低レ
ベル(ほぼ接地電位)の状態になる第2のパルス信号P
2 が、トランジスタTR2 のコレクタに得られる。この
第2のパルス信号P2 は、固定点火位置信号として、抵
抗R7 を通して第2の点火信号出力回路15に与えられ
ている。
【0044】第1の点火信号出力回路14は、マイクロ
コンピュータ10の出力ポートAに抵抗R10を通してベ
ースが接続され、エミッタが接地されたNPNトランジ
スタTR3 と、該トランジスタTR3 のベースエミッタ
間に接続された抵抗R11と、トランジスタTR3 のコレ
クタに抵抗R12を通してベースが接続され、エミッタが
図示しない直流定電圧電源回路の正極側出力端子に接続
されたPNPトランジスタTR4 と、トランジスタTR
4 のベースエミッタ間に接続された抵抗R13と、トラン
ジスタTR4 のコレクタに一端が接続された抵抗R14と
からなり、抵抗R14の他端はオア回路16を構成するダ
イオードD4 のアノードに接続されている。
【0045】第2の点火信号出力回路15は、第2の波
形整形回路13Bの出力端子(抵抗R7 のトランジスタ
TR2 と反対側の端子)にベースが接続されたPNPト
ランジスタTR5 と、トランジスタTR5 のベース及び
エミッタにそれぞれコレクタ及びエミッタが接続された
PNPトランジスタTR6 と、トランジスタTR5 のベ
ースエミッタ間に接続された抵抗R15と、トランジスタ
TR6 のベースエミッタ間に接続された抵抗R16と、ト
ランジスタTR6 のベースとマイクロコンピュータの出
力ポートBとの間に接続された抵抗R17と、マイクロコ
ンピュータの出力ポートBと図示しない直流定電圧電源
回路の正極側出力端子との間に接続された抵抗R18と、
トランジスタTR5 のコレクタとオア回路16を構成す
るダイオードD5 のアノードとの間に接続された抵抗R
19とからなっている。
【0046】オア回路16を構成するダイオードD4 及
びD5 のカソードは共通接続されて、点火回路1のサイ
リスタ5のゲートに接続されている。
【0047】マイクロコンピュータ10の出力ポートA
は、機関の回転角度位置がマイクロコンピュータにより
演算された点火位置に一致したことが検出されたときに
高レベルになって点火指令信号を出力するポートであ
る。この出力ポートAの電位が高レベルになると(点火
指令信号が発生すると)、トランジスタTR3 がオン状
態になる。トランジスタTR3 がオン状態になると、ト
ランジスタTR4 にベース電流が流れるため、該トラン
ジスタTR4 がオン状態になり、図示しない電源からト
ランジスタTR4 のエミッタコレクタ間回路と抵抗R14
とダイオードD4とを通して点火回路1に点火信号Vi
が与えられる。
【0048】マイクロコンピュータ10の出力ポートB
は、点火モードを固定点火モードとするか、定常点火モ
ードとするかを指令する信号を出力するポートで、この
出力ポートBは、機関の回転数が設定値以下で極低速領
域にあるときに高レベルの固定点火モード指令信号を出
力し、機関の回転数が設定値を超えていて、点火位置を
固定点火位置θ2 に固定することが禁止される状態にあ
るときに低レベル(ほぼ接地電位)の定常点火モード指
令信号を出力する。
【0049】出力ポートBの電位が低レベルの状態にあ
るとき(定常点火モード指令信号が発生しているとき)
には、トランジスタTR6 がオン状態にあるため、トラ
ンジスタTR5 のエミッタベース間が短絡された状態に
保持される。この状態では、固定点火位置θ2 で第2の
波形整形回路13BのトランジスタTR2 が導通しても
(固定点火位置信号P2 が発生しても)トランジスタT
R5 は導通することができないため、固定点火位置信号
P2 により点火回路1に点火信号が与えられることはな
い。これに対し、機関の回転数が設定値以下で、出力ポ
ートBの電位が高レベルの状態にあるときには、トラン
ジスタTR6 がオフ状態にあるため、トランジスタTR
2 がオン状態になって固定点火位置信号P2 が発生した
ときにトランジスタTR5 がオン状態になり、図示しな
い直流定電圧電源回路からトランジスタTR5 のエミッ
タコレクタ間と抵抗R19とダイオードD5 とを通して点
火回路のサイリスタ5に点火信号Vi が与えられる。
【0050】マイクロコンピュータ10は、図示しない
直流電源により電源電圧が与えられて動作する。この直
流電源としては、機関に取り付けられた磁石発電機の出
力を整流して直流電圧を発生する電源回路を有するも
の、または磁石発電機の出力を整流して直流電圧を発生
する電源回路とバッテリとを併用したものを用いるのが
好ましい。機関に取り付けられた磁石発電機を電源とし
て直流電圧を発生する電源によりマイクロコンピュータ
を動作させるように構成しておくと、バッテリが搭載さ
れない車両等を駆動する内燃機関にも適用することがで
きる。
【0051】またバッテリのみによりマイクロコンピュ
ータを駆動するようにした場合、バッテリが過放電状態
になるとマイクロコンピュータを動作させることができ
なくなって機関を運転することができなくなる。特に船
外機の場合には、洋上でバッテリが過放電状態になると
帰港することができなくなるおそれがあるが、機関に取
り付けられた磁石発電機を電源としてマイクロコンピュ
ータを動作させ得るようにしておけば、このような問題
が生じるのを防ぐことができる。
【0052】マイクロコンピュータ10は、ROM10
aに記憶されたプログラムを実行することにより機関の
回転数[rpm]を演算し、該回転数に対する点火位置
を演算する。マイクロコンピュータ10はまた、回転数
が設定値を超えているか否かを判定して、回転数が設定
値を超えているときに演算された点火位置の計測を行な
い、機関の回転角度が点火位置に相当する回転角度位置
θi に一致したことを検出したときに出力ポートAの電
位を低レベルの状態から高レベルの状態へと変化させ
(点火指令信号を発生させ)て、第1の点火信号出力回
路14とオア回路16のダイオードD4 とを通して点火
信号Vi を出力させる。
【0053】回転数が設定値以下の場合には、点火位置
の計測を行なうことなく、出力ポートBの電位を高レベ
ルにして(固定点火モード指令信号を発生させて)、固
定点火位置θ2 で固定点火位置信号が発生したときに第
2の点火信号出力回路15から点火信号を出力させる。
【0054】本発明では、機関が1回転する間にクロッ
ク回路10dが発生する基準クロックパルスPc を計数
してその計数値から機関の回転数を演算し、演算された
回転数に対して内燃機関の点火位置を演算する。機関の
点火位置は、基準回転角度位置から点火位置まで機関が
回転する間にクロック回路10dが発生する基準クロッ
クパルスPc の数(点火位置計測用計数値)の形で演算
し、基準回転角度位置θ1 から演算された点火位置計測
用計数値の計数を開始して、その計数が完了したときに
点火信号を発生させる。
【0055】点火位置の制御を正確に行わせるために
は、上記点火位置計測用計数値及び回転数計測用計数値
はともに16ビットの2進数とする必要がある。本発明
では、回転数計測用計数値を16ビットの2進数として
求める処理、及び16ビットの2進数として演算された
点火位置計測用計数値に基づいて点火位置を計測するた
めの処理を、プリスケーラと1つの8ビットカウンタと
を備えたマイクロコンピュータを用いて行うことを可能
にする。
【0056】そのため、本発明においては、図5(C)
に示すように、各基準回転角度位置θ1 から次の基準回
転角度位置θ1 までの1回転の区間を、基準回転角度位
置θ1 から点火位置θi (回転数の変化に応じて変化す
る)までの第1の区間αと、点火位置θi から次の基準
回転角度位置θ1 までの第2の区間βとに分ける。
【0057】これらの区間のうち、第1の区間αは、演
算された点火位置θi を検出するためにクロックパルス
を計数する区間である。本発明では、8ビットカウンタ
を用いて点火位置θi を検出することができるようにす
るために、16ビットの2進数からなる点火位置計測用
計数値を1/(2)倍に縮小して8ビットの2進数か
らなる「点火用計数値」に変換しておく。
【0058】即ち、本明細書では、機関が基準回転角度
位置θ1 から点火位置まで回転する間にクロック回路1
0dが発生する基準クロックパルスの数(16ビットの
2進数)を「点火位置計測用計数値」と呼び、基準回転
角度位置θ1 から点火位置まで機関が回転する間に実際
にカウンタ10fが計数するクロックパルスの数(8ビ
ットの2進数)を「点火用計数値」と呼んでいる。
【0059】そして第1の区間αでは、クロック回路1
0dが発生する基準クロックパルスPcの周波数をプリ
スケーラ10eにより1/(2)の分周比で分周して
得たクロックパルスPc ´を8ビットカウンタ10fに
入力し、点火位置θi にてカウンタ10fがオーバフロ
ーするように、基準回転角度位置θ1 で所定のプリセッ
ト値(メモリIGTIMEに記憶されている。)をカウ
ンタ10fにセットして計数動作を行わせ、基準回転角
度位置θ1 からの計数値が点火用計数値に等しくなって
カウンタ10fがオーバフローしたとき(点火位置θi
が検出されたとき)に、マイクロコンピュータ10の出
力ポートAの電位を高レベルにして点火信号Vi を出力
させる。
【0060】図5(C)はカウンタ10fの計数動作
と、後記するメモリREVRAMの記憶内容とを示した
もので、同図においてIGTIMEと表示されているの
は、メモリIGTIMEに記憶されたプリセット値がカ
ウンタ10fにセットされることを意味し、FFHと表
示されているのは、カウンタの計数値がFFHに達する
ことを意味する。FFHとメモリIGTIMEからセッ
トされたプリセット値との差が点火用計数値となる。
【0061】点火位置θi から次の基準回転角度位置θ
1 までの第2の区間βは、機関の回転数を検出するため
にクロックパルスを計数する区間で、この第2の区間β
では、プリスケーラ10eの分周比を1として、クロッ
ク回路10dが発生する基準クロックパルスを計数す
る。この基準クロックパルスを計数する過程では、計数
値がFFHに達するごとにカウンタ10fがオーバフロ
ーしてリセットされる。本発明では、RAM10bの所
定のアドレスを回転数計数値上位8ビット記憶用メモリ
REVRAMとして割り当てて、点火信号が発生したと
きに該メモリREVRAMの内容を0にし、以後カウン
タ10fがオーバフローする毎に該メモリREVRAM
の記憶内容を1ずつ増加させることにより、第2の区間
βにおける基準クロックパルスの計数値の上位8ビット
を計数する。また、基準回転角度位置θ1 が検出された
ときのカウンタ10fの計数値を第2の区間βにおける
基準クロックパルスの計数値(16ビット)の下位8ビ
ットの計数値とする。基準回転角度位置でREVRAM
がオーバフローしているときには、第2の区間βにおけ
る基準クロックパルスの計数値の上位8ビット及び下位
8ビットを共に最大(FFH)にする。
【0062】このようにして第2の区間βで計数された
基準クロックパルスの計数値に、前回の点火の際に点火
位置θi を計測するために用いられた16ビットの2進
数からなる点火位置計測用計数値(基準回転角度位置θ
1 から前回の点火位置θi まで機関が回転する間に発生
する基準クロックパルスPcの数)を加算し、この加算
により得られた計数値を回転数計測用計数値(機関が1
回転する間に発生した基準クロックパルスの数)として
用いて、該回転数計測用計数値から回転数を演算する。
【0063】本発明に係わる点火装置において、マイク
ロコンピュータ10が実行するプログラムのアルゴリズ
ムを示すフローチャートの一例を図2ないし図4に示し
た。なおこれらのフローチャートで用いる各メモリは、
特に断らない限りRAM10bの所定のアドレスを割り
当てたものである。
【0064】図2はマイクロコンピュータ10に電源電
圧が印加されたときに開始されるメインルーチンを示
し、図3は基準回転角度位置θ1 で基準信号が発生して
マイクロコンピュータに第1の割込み信号INT1 が与
えられたときに実行される割込みルーチンを示してい
る。また図4は8ビットカウンタ10fがオーバフロー
して第2の割込み信号INT2 を発生する毎に実行され
る割込みルーチンを示している。
【0065】図2ないし図4に示されたフローチャート
による処理を説明すると次の通りである。
【0066】マイクロコンピュータ10に電源電圧が印
加されると、図2に示すメインルーチンが開始される。
このメインルーチンでは、先ずステップ1で各部の初期
化(イニシャライズ)を行い、ステップ2で第1の回転
数記憶用メモリNRPM1及び第2の回転数記憶用メモ
リNRPM2に記憶された回転数計測用計数値から機関
の回転数を演算して、演算した回転数をRAM10bの
所定のアドレスに記憶させる。
【0067】第1及び第2の回転数記憶用メモリNRP
M1及びNRPM2はいずれも8ビットメモリで、これ
らのメモリNRPM1及びNRPM2にはそれぞれ、後
述する方法により求められた回転数計測用計数値(16
ビットの2進数)の上位8ビット及び下位8ビットが記
憶される。
【0068】機関の回転数を演算した後、ステップ3
で、回転数と点火位置との関係を与えるマップを用い
て、演算された回転数における点火位置θi を演算す
る。この演算に用いるマップは、回転数と点火位置との
関係を与える特性(一般に折れ線グラフで表される。)
の各屈曲点をマップポイントとして、各マップポイント
における回転数と点火位置とをテーブルの形で記憶した
もので、点火位置はこのマップを用いて補間法により演
算される。
【0069】次いで、ステップ4では、基準回転角度位
置θ1 から演算された点火位置θiに相当する回転角度
位置まで機関が回転する間にクロック回路10dが発生
する基準クロックパルスの数を点火位置計測用計数値と
して、この点火位置計測用計数値を16ビットの2進数
で演算し、この計数値の上位8ビット及び下位8ビット
をそれぞれ第1及び第2の点火位置記憶用メモリ(8ビ
ットメモリ)IGTIME1及びIGTIME2に記憶
させる。またステップ5で、これらのメモリIGTIM
E1及びIGTIME2に記憶された上位8ビット及び
下位8ビットの計数値と同じ数値をそれぞれ点火位置デ
ータ一時保存用メモリIGTIEE1及びIGTIEE
2にも記憶させておく。
【0070】次いで、ステップ6でシフトの回数Cを0
とし、ステップ7で、第1の点火位置記憶用メモリIG
TIME1に記憶された点火位置計測用計数値の上位8
ビットが0であるか否かを判定する。その結果、第1の
点火位置記憶用メモリIGTIME1に記憶された点火
位置計測用計数値の上位8ビットが1以上である場合に
は、ステップ8でマイクロコンピュータに設けられたキ
ャリーフラグCYに0を入れた後、ステップ9に進ん
で、点火位置記憶用メモリIGTIME1及びIGTI
ME2にそれぞれ記憶された点火位置計測用計数値の上
位8ビット及び下位8ビットの末尾の1ビットをキャリ
ーフラグCYに移動させるとともに、キャリーフラグC
Yに記憶された「0」を点火位置計測用計数値の上位8
ビット及び下位8ビットの最上位の桁に移動させる。こ
れにより、IGTIME1及びIGTIME2にそれぞ
れ記憶された点火位置計測用計数値の上位8ビット及び
下位8ビットが下位の桁側に1ビットシフトする。次い
でステップ10でシフトの回数Cを1だけ増加させた
後、第1の点火位置記憶用メモリIGTIME1に記憶
された点火位置計測用計数値の上位8ビットが0になっ
たか否かを判定するステップ7の過程に戻り、該点火位
置計測用計数値の上位8ビットが0でない場合には、I
GTIME1及びIGTIME2に記憶された上位8ビ
ット及び下位8ビットの各桁を1ビットずつ下位の桁側
にシフトするステップ8ないし10の過程を繰り返す。
これらの過程により、点火位置計測用計数値の上位8ビ
ットが0になるまで、該計数値の各桁が下位の桁側にシ
フトさせられる。
【0071】点火位置計測用計数値の各桁が下位の桁側
に1回シフトする毎に、点火位置計測用計数値の大きさ
は1/2になっていく。例えば点火位置計測用計数値の
上位8ビットが零になるまでに2回シフトが行われたと
すると、シフト後の点火位置計測用計数値の値は演算さ
れた値の1/4になり、3回シフトが行われたとする
と、シフト後の点火位置計測用計数値の値は演算された
値の1/8になる。一般にC回シフトが行われた場合、
点火位置計測用用計数値の値は演算された値の1/(2
)になる。
【0072】ステップ7で第1の点火位置記憶用メモリ
IGTIME1に記憶された点火用計数値の上位8ビッ
トが0であるか否かを判定した結果、該上位8ビットが
0であると判定された場合には、ステップ11に進ん
で、プリスケーラ10eでの分周比1/(2)(Cは
0を含む正の整数)を設定するための数値C(3ビット
の2進数)を分周比記憶用メモリIGPREに記憶させ
る。次いでステップ12に進み、点火位置記憶用メモリ
IGTIME2に記憶されたシフト後の点火位置計測用
計数値の下位8ビットを点火用計数値として、該点火用
計数値(IGTIME2に記憶された計数値)をカウン
タ10fの最大計数値FFHから減算して求めた数値を
8ビットの点火用計数値記憶用メモリIGTIMEに記
憶させる。このメモリIGTIMEに記憶させる数値
は、基準回転角度位置θ1 から点火位置θi まで機関が
回転する間に(カウンタ10fの計数値がオーバフロー
するまでの間に)カウンタ10fが計数するパルスPc
´の数を点火用計数値に等しくするために基準回転角度
位置θ1 でカウンタ10fにセットする必要があるプリ
セット値である。
【0073】信号発生装置11が基準信号P1 を発生し
て、マイクロコンピュータ10に第1の割込み信号IN
T1 が与えられると、図2に示したメインルーチンが中
断されて、図3に示した割込みルーチンが実行される。
この割込みルーチンでは、先ずステップ1で基準信号P
1 (割込み信号INT1 )が発生したときのカウンタ1
0fの計数値をRAMの所定のアドレスを割り当てたメ
モリNRPA2に記憶させる。次いでステップ2でプリ
スケーラ10eに分周比1/2をセットし、メインル
ーチンで既に演算されてメモリIGTIMEに記憶され
ているプリセット値をカウンタ10fにセットして点火
用計数値の計数を開始させる。次いでステップ3でメモ
リREVRAMがオーバフローしているか否かの識別を
するためのオーバフローフラグOVERFLが1である
か否か(フラグがセットされているか否か)を判定し、
その結果オーバフローフラグOVERFLが1であると
きには、ステップ4で該フラグOVERFLを0とする
とともに、メモリNRPA1及びNRPA2の双方の記
憶内容をFFHとする。
【0074】ステップ3でオーバフローフラグOVER
FLが1であるか否かを判定した結果フラグOVERF
Lが0であったときには、ステップ5で、メモリREV
RAMに記憶されている数値を第2の区間βにおける基
準クロックパルスの計数値の上位8ビットとしてメモリ
NPRA1に記憶させる。メモリREVRAMの内容を
メモリNPRA1に記憶させた後、またはメモリNRP
A1及びNRPA2の双方の記憶内容をFFHとした
後、ステップ6でメモリREVRAMの内容を0にし、
カウンタ10fがオーバフローする毎に発生する第2の
割込み信号INT2 による割込みが行われた際に、機関
の回転角度位置が点火位置の計測を行う区間αであるか
否かを識別するためのフラグTENKAFを1の状態
(点火位置の計測を行う区間αであることを示す状態)
にセットする。
【0075】そして、ステップ7では、図2に示したメ
インルーチンで前回演算された点火位置計測用計数値の
上位8ビット及び下位8ビットをそれぞれ記憶している
メモリIGTIXX1及びIGTIXX2の内容をそれ
ぞれメモリIGTIYY1及びIGTIYY2に記憶さ
せ、今回演算された点火位置計測用計数値の上位8ビッ
ト及び下位8ビットを記憶しているメモリIGTIEE
1及びIGTIEE2の内容をそれぞれメモリIGTI
XX1及びIGTIXX2に記憶させる。
【0076】次いでステップ8で、メモリNRPA1及
びNRPA2にそれぞれ上位8ビット及び下位8ビット
が記憶されている区間βにおける基準クロックパルスの
計数値に、メモリIGTIYY1及びIGTIYY2に
上位8ビット及び下位8ビットがそれぞれ記憶されてい
る前回の点火位置計測用計数値を加算し、この加算によ
り得られた数値を回転数計測用計数値として、その上位
8ビット及び下位8ビットをそれぞれメモリNRPM1
及びNRPM2に記憶させる。
【0077】その後、ステップ9で上記回転数計測用計
数値から演算される回転数が設定値(図示の例では10
00[rpm ])よりも大きいか否かを判定し、その結
果、回転数が設定値よりも大きいときには、ステップ1
0で点火モード識別用フラグHARDFLを0(点火モ
ードを定常点火モードとすることを指令する状態)と
し、マイクロコンピュータのポートBの電位を低レベル
の状態(「0」の状態)にして、固定点火位置信号P2
により点火回路1に点火信号が与えられるのを禁止す
る。また回転数が設定値よりも大きいか否かを判定した
結果、回転数が設定値以下であると判定された場合に
は、ステップ11で点火モード識別用フラグHARDF
Lを1(点火モードを固定点火モードとすることを指令
する状態)とするとともに、出力ポートBの電位を高レ
ベルの状態(「1」の状態)にして固定点火位置信号P
2 により点火信号が与えられるのを許容する。
【0078】カウンタ10fがオーバフローして割込み
信号INT2 が発生すると、図4に示す割込みルーチン
が実行される。この割込みルーチンでは、まずステップ
1でフラグTENKAFが1であるか否か(割込み信号
INT2 が発生したときの区間が点火位置の計測を行う
区間αであるか否か)を判定し、その結果、フラグTE
NKAFが1であるときには、次いでステップ2でフラ
グHARDFLが1であるか否かを判定する。その結
果、フラグHARDFLが1でない場合(定常点火モー
ドである場合)には、ステップ3でマイクロコンピュー
タの出力ポートAの電位を高レベルの状態にして点火信
号を発生させる。フラグHARDFLが1である場合に
は、出力ポートAの電位を高レベルの状態にすることな
く、ステップ4に進んでカウンタ10fの計数値を0と
し(カウンタをリセットし)、プリスケーラ10eにセ
ットする数値を0として分周比を1とする。その後ステ
ップ5でフラグTENKAFを0とし、メインルーチン
に戻る。
【0079】第2の割込み信号INT2 が発生したとき
に、ステップ1でフラグTENKAFが1でないと判定
された場合には、ステップ6に進んでマイクロコンピュ
ータの出力ポートAの電位を低レベルにし、ステップ7
でメモリREVRAMに記憶させる数値を1だけ増加さ
せる。次いでステップ8でメモリREVRAMがオーバ
フローしたか否かを判定し、オーバフローしていない場
合にはメインルーチンに戻る。またメモリREVRAM
がオーバフローしている場合には、ステップ9でオーバ
フローフラグOVERFLを1とした後メインルーチン
に戻る。
【0080】そして、基準回転角度位置θ1 が検出され
たときにメモリIGTIMEに記憶された8ビットの計
数値をカウンタ10fにプリセット値としてセットし
て、該プリセット値の次の数値から計数を行わせること
により、点火用計数値の計数を行わせ、該点火用計数値
の計数が完了したときに点火信号Vi を発生させる。
【0081】即ち、図示の例のようにカウンタ10fと
してアップカウントするフリーランカウンタを用いる場
合には、機関が基準回転角度位置θ1 から点火位置θi
まで回転する間にカウンタが点火用計数値に等しい数の
パルスを計数した時にちょうどカウンタ10fがオーバ
フローするように、基準回転角度位置でカウンタ10f
にプリセット値をセットする。
【0082】点火位置計測用計数値のシフトがC回行わ
れた場合、カウンタ10fが計数する点火用計数値は、
基準クロックパルスの計数値として演算された点火位置
計測用計数値の1/(2)となっているが、本発明で
は、カウンタ10fに、基準クロックパルスの周波数を
1/(2)に分周した周波数のパルスを計数させるた
め、点火位置の計測を支障なく行わせることができる。
【0083】上記の動作をまとめて説明すると以下に示
す通りである。機関の回転角度位置が基準回転角度位置
θ1 に一致して、第1の割込み信号INT1 が発生する
と、メモリIGTIMEからカウンタ10fに点火用計
数値の計数を行わせるためのプリセット値がセットされ
る。またこのときプリスケーラ10eに1/(2
(C≧1)の分周比が設定され、プリスケーラ10eか
ら分周されたクロックパルスPc ´がカウンタ10fに
与えられる。図5(C)に示すように、カウンタ10f
は分周されたクロックパルスPc ´を計数していく。機
関の回転角度位置が点火位置θi に一致するとカウンタ
10fがオーバフローするため、該カウンタがリセット
されるとともに、図5(D)に示すようにマイクロコン
ピュータの出力ポートAが高電位の状態にされて点火信
号Vi が出力される。またこのときメモリREVRAM
の内容が0にされる。点火信号が発生した直後に行われ
るカウンタ10fの計数動作において該カウンタがオー
バフローすると、図4の割込みルーチンにおいてマイク
ロコンピュータの出力ポートAの電位が低レベルの状態
(「0」の状態)にされ、点火信号が消滅させられる。
したがって、点火信号Vi の信号幅は、基準クロックパ
ルスを計数しているカウンタがリセットされた後オーバ
フローするまでの時間(=256μsec )にほぼ等しく
なる。
【0084】点火信号Vi が発生すると点火回路1のサ
イリスタ5が導通するため、コンデンサ4の電荷がサイ
リスタ5と点火コイルの1次コイル2aとを通して放電
し、点火コイルの2次コイル2bに点火用の高電圧が発
生する。点火信号Vi が消滅し、サイリスタ5が遮断状
態になった後、エキサイタコイル3の正の半サイクルの
電圧Ve が立上るとコンデンサ4が図1に示した極性に
充電されていく。このコンデンサ4の両端の電圧Vc の
変化を図5(E)に示してある。
【0085】第2の区間βにおいては、カウンタ10f
がオーバフローする毎にメモリREVRAMの内容が1
ずつ増加していき、メモリREVRAMに区間βにおけ
る基準クロックパルスの計数値の上位8ビットが記憶さ
れていく。また基準回転角度位置θ1 におけるカウンタ
の計数値が区間βにおける基準クロックパルスの計数値
の下位8ビットとなる。基準回転角度位置θ1 において
メモリREVRAMがオーバフローしていないときに
は、図3の割込みルーチンにおいて、メモリREVRA
Mの内容を区間βにおける基準クロックパルスPc の計
数値の上位8ビットとしてメモリNPRA1に記憶さ
せ、またカウンタの計数値を区間βにおける基準クロッ
クパルスの計数値の下位8ビットとしてメモリNPRA
2に記憶させる。次いで図3の割込みルーチンにおい
て、メモリNPRA1及びNPRA2に記憶された計数
値に、前回演算された点火位置計測用計数値を加算して
回転数計測用計数値を求め、該回転数計測用計数値の上
位8ビット及び下位8ビットをそれぞれメモリNRPM
1及びNRPM2に記憶させる。
【0086】図3の割込みルーチンにおいて、機関の回
転数が設定値以下であると判定された場合には、マイク
ロコンピュータの出力ポートBの電位が高レベルの状態
にされ、また図4の割込みルーチンにおいて出力ポート
Aの電位を高レベルの状態(「1」の状態)にする過程
が行われないため、第1の点火信号出力回路14側から
点火回路1に点火信号Vi が与えられるのが禁止され
る。この状態では、第2の波形整形回路13Bが固定点
火位置θ2 で固定点火位置信号P2 を発生したときに第
2の点火信号出力回路15側から点火回路1に点火信号
が与えられる。
【0087】また回転数が設定値を超えていると判定さ
れたときには、図3の割り込みルーチンにより出力ポー
トBの電位が低レベルの状態にされ、図4の割込みルー
チンにおいて、点火位置θi で出力ポートAの電位が高
レベルの状態にされるため、第1の点火信号出力回路1
4側から点火信号が出力され、第2の点火信号出力回路
15側から点火信号が出力されるのが禁止される。
【0088】上記の例では、図2に示したメインルーチ
ンの点火位置を演算してその上位8ビット及び下位8ビ
ットをメモリIGTIME1及びIGTIME2に記憶
させる過程(ステップ4)により点火位置演算手段が実
現されている。また、図2のメインルーチンにおいて、
シフト回数Cを0にする過程(ステップ6)と、IGT
IME1の内容が0であるか否かを判定する過程(ステ
ップ7)と、キャリーフラグCYを0にする過程(ステ
ップ8)と、IGTIME1及びIGTIME2の内容
を1ビットずつ下位の桁側にシフトさせる過程(ステッ
プ9)と、シフト回数Cを1だけ増加させる過程(ステ
ップ10)とにより、点火位置演算手段により演算され
た16ビットの点火位置計測用計数値の上位8ビットが
0であるか1以上であるかを判定して点火位置計測用計
数値の上位8ビットが1以上であると判定されたときに
点火位置計測用計数値の上位8ビットが0になるまで該
点火位置計測用計数値の各桁を下位の桁側にシフトさせ
る計数値シフト手段が実現される。
【0089】また図2のメインルーチンのステップ12
により、計数値シフト手段によるシフトの回数C(Cは
0を含む正の整数)が0のときには点火位置演算手段が
演算した点火位置計測用計数値の下位8ビットを点火用
計数値として、カウンタの計数値がオーバフローするま
での間に該カウンタが計数するパルスの数を点火用計数
値に等しくするために基準回転角度位置でカウンタにセ
ットする必要があるプリセット値を記憶し、シフトの回
数Cが1以上であるときにはシフト後の点火位置計測用
計数値の下位8ビットを点火用計数値としてカウンタの
計数値がオーバフローするまでの間に該カウンタが計数
するパルスの数を前記点火用計数値に等しくするために
基準回転角度位置でカウンタにセットする必要があるプ
リセット値を記憶するカウンタプリセット値記憶手段が
実現される。
【0090】更に、図2のメインルーチンにおいて1/
(2)をメモリIGPREに記憶させる過程(ステッ
プ11)と、図3の割込みルーチンにおいてメモリIG
PREの内容をプリスケーラにセットする過程(ステッ
プ2)とにより、プリスケーラの分周比を1/(2
に設定する第1の分周比設定手段が実現される。
【0091】また図3の割込みルーチンにおいてIGT
IMEに記憶されたプリセット値をカウンタ10fにセ
ットする過程(ステップ2)により、基準信号が発生し
たときにカウンタプリセット値記憶手段に記憶されたプ
リセット値をカウンタにセットして点火用計数値の計数
を開始させる点火時カウンタ制御手段が実現され、図3
の割込みルーチンにおいて回転数が設定値(1000rp
m )よりも大きいか否かを判定する過程(ステップ9)
と、フラグHARDFLを1または0にセットする過程
(ステップ10,11)とにより、回転数判定手段によ
り回転数が設定値以下であると判定されたときに固定点
火モード指令信号を発生し、回転数判定手段により回転
数が設定値を超えていると判定されたときに定常点火モ
ード指令信号を発生する点火モード指令信号発生手段が
実現される。
【0092】更に図4の割込みルーチンにおいて、フラ
グTENKAFが1であるか否かを判定する過程(ステ
ップ1)と、フラグHARAFLが1であるか否かを判
定する過程(ステップ2)と、出力ポートAの電位を高
レベルにする過程(ステップ3)と、出力ポートAの電
位を低レベルにする過程(ステップ6)と、第1の点火
信号出力回路14とオア回路16とにより、定常点火モ
ード指令信号が発生している状態でカウンタが点火用計
数値の計数を完了したときに点火信号を出力する第1の
点火信号出力手段が実現されている。
【0093】またこの点火信号出力手段においては、出
力ポートAの電位を高レベルにする過程(図4のステッ
プ3)と第1の点火信号出力回路14とにより、点火信
号発生手段が実現され、出力ポートAの電位を低レベル
にする過程(図4のステップ6)により、カウンタが点
火用計数値の計数を完了した直後に行われるカウンタの
計数動作で該カウンタの計数値がオーバフローしたこと
が検出された時に点火信号を消滅させる点火信号消滅手
段が実現される。
【0094】更に、図3の割込みルーチンにおいて、出
力ポートBの電位を高レベルの状態にする過程(ステッ
プ11)と、第2の点火信号出力回路15とオア回路1
6とにより、固定点火モード指令信号が発生している状
態で固定点火位置信号が発生したときに点火信号を出力
する第2の点火信号出力手段が実現される。
【0095】そして、上記計数値シフト手段と、カウン
タプリセット値記憶手段と、第1の分周比設定手段と、
点火時カウンタ制御手段と、回転数判定手段と、点火モ
ード指令信号発生手段と、第1及び第2の点火信号出力
手段とにより、点火信号供給手段が構成される。
【0096】また上記の例では、図4の割込みルーチン
においてプリスケーラに0をセットする過程(ステップ
4)により、点火信号が発生したときにプリスケーラの
分周比を1とする第2の分周比設定手段が構成され、ス
テップ7により、カウンタの計数値がオーバフローする
毎にメモリREVRAMに記憶する数値を1ずつ増加さ
せる第1の回転数計測用計数値記憶手段が実現される。
【0097】また図3のステップ1により、基準信号が
発生したときのカウンタの計数値を記憶する第2の回転
数計測用計数値記憶手段が実現され、図3のステップ8
により、第1の回転数計測用計数値記憶手段REVRA
Mに記憶された数値及び第2の回転数計測用計数値記憶
手段NRPA2に記憶された数値をそれぞれ上位8ビッ
ト及び下位8ビットとした16ビットの数値に前回演算
された16ビットの点火位置計測用計数値を加算して得
た数値を回転数計測用計数値として、該回転数計測用計
数値の上位8ビット及び下位8ビットをそれぞれ記憶す
る第1及び第2の回転数計測用計数値記憶手段が実現さ
れる。
【0098】そして、上記第2の分周比設定手段と、第
1の回転数計測用計数値記憶手段と、第2の回転数計測
用計数値記憶手段と、第1及び第2の回転数計測用計数
値記憶手段とにより、回転数計測手段が実現される。
【0099】上記の実施例では、カウンタ10fとして
アップカウンタを用いたが、カウンタ10fとしてダウ
ンカウンタを用いてもよい。ダウンカウンタを用いる場
合には、図2のメインルーチンにおいて、IGTIME
2の内容(8ビットの点火用計数値)をそのままIGT
IMEに転送するようにすればよい。
【0100】上記の例では、回転数が設定値以下のとき
(極低速時)に、固定点火位置信号で点火回路に点火信
号を与えるようにしているが、本発明はこのように構成
する場合に限定されるものではなく、機関の極低速時の
点火位置をもマイクロコンピュータ10により演算して
決定するようにしてもよい。この場合には、第2の点火
信号出力回路15及びオア回路16が省略される。
【0101】上記の例では、点火回路1としてエキサイ
タコイルにより点火エネルギ蓄積用コンデンサを充電す
るコンデンサ放電式の回路を用いたが、エキサイタコイ
ルを用いずに、バッテリを電源としたDC−DCコンバ
ータ(昇圧回路)により点火エネルギ蓄積用コンデンサ
を充電するようにしたコンデンサ放電式の点火回路を用
いる場合にも本発明を適用できる。また点火回路は、点
火信号が与えられたときに点火用の高電圧を発生する回
路であればよく、コンデンサ放電式の点火回路に代え
て、電流遮断式の点火回路が用いられる場合にも本発明
を適用することができる。
【0102】上記の例では、信号発生装置の信号源とし
て信号コイルを有する信号発電機を用いたが、ホール素
子などの磁気検出素子を用いて磁束の変化を検出するこ
とにより信号を発生する信号発電機を信号源として用い
ることもできる。
【0103】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、8ビッ
トのカウンタを1個だけ備えた安価なマイクロコンピュ
ータを用いて、回転数及び点火位置を16ビットの2進
数で処理することができるため、2個の8ビットカウン
タを備えたマイクロコンピュータを用いて内燃機関の点
火位置を制御するようにした既定案の内燃機関用点火装
置よりも更にコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用点火装置のハードウ
ェアの構成を示した構成図である。
【図2】本発明に係わる内燃機関用点火装置においてマ
イクロコンピュータが実行するメインルーチンのアルゴ
リズムの一例を示したフローチャートである。
【図3】本発明に係わる内燃機関用点火装置において基
準信号が発生したときに実行される割り込みルーチンの
アルゴリズムの一例を示したフローチャートである。
【図4】本発明に係わる内燃機関用点火装置においてカ
ウンタがオーバフローする毎に実行される割り込みルー
チンのアルゴリズムの一例を示したフローチャートであ
る。
【図5】本発明に係わる内燃機関用点火装置の動作を説
明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 点火回路 2 点火コイル 3 エキサイタコイル 4 点火エネルギ蓄積用コンデンサ 5 放電用サイリスタ 10 マイクロコンピュータ 10d クロック回路 10e プリスケーラ 10f 8ビットカウンタ 11 信号発生装置 12 信号コイル 13A 第1の波形整形回路 13B 第2の波形整形回路 14 第1の点火信号出力回路 15 第2の点火信号出力回路 16 オア回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02P 5/15 F02D 45/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、基準クロックパルスを発生
    するクロック回路と前記基準クロックパルスの周波数を
    設定された分周比で分周した周波数のパルスを出力する
    プリスケーラと前記プリスケーラから与えられるパルス
    を計数する動作を繰り返すように設けられていて計数値
    がオーバフローする毎にリセットされる8ビットのカウ
    ンタとを有するマイクロコンピュータと、内燃機関の上
    死点よりも進角した位置に設定された基準回転角度位置
    で基準信号を発生する信号発生装置とを備え、 内燃機関が1回転する間に前記クロック回路が発生する
    基準クロックパルスを計数して16ビットの2進数から
    なる回転数計測用計数値を求める回転数計測手段と、内
    燃機関が前記基準回転角度位置から点火位置まで回転す
    る間に前記クロック回路が発生する基準クロックパルス
    の数を16ビットの2進数からなる点火位置計測用計数
    値として前記回転数計測用計数値から求められた内燃機
    関の各回転数に対して演算する点火位置演算手段と、前
    記点火位置計測用計数値を用いて検出した点火位置で前
    記点火回路に信号幅が制限された点火信号を与える点火
    信号供給手段とを前記マイクロコンピュータを用いて実
    現して、内燃機関の点火位置を回転数に対して制御する
    内燃機関用点火装置であって、 前記マイクロコンピュータは、前記カウンタを1つだけ
    備え、 前記点火信号供給手段は、前記点火位置演算手段により
    演算された16ビットの点火位置計測用計数値の上位8
    ビットが0であるか1以上であるかを判定して点火位置
    計測用計数値の上位8ビットが1以上であると判定され
    たときに前記点火位置計測用計数値の上位8ビットが0
    になるまで該点火位置計測用計数値の各桁を下位の桁側
    にシフトさせる計数値シフト手段と、前記計数値シフト
    手段によるシフトの回数C(Cは0を含む正の整数)が
    0のときには前記点火位置演算手段が演算した点火位置
    計測用計数値の下位8ビットを点火用計数値として前記
    カウンタの計数値がオーバフローするまでの間に該カウ
    ンタが計数するパルスの数を前記点火用計数値に等しく
    するために前記基準回転角度位置で前記カウンタにセッ
    トする必要があるプリセット値を記憶し、シフトの回数
    Cが1以上であるときにはシフト後の点火位置計測用計
    数値の下位8ビットを点火用計数値として前記カウンタ
    の計数値がオーバフローするまでの間に該カウンタが計
    数するパルスの数を前記点火用計数値に等しくするため
    に前記基準回転角度位置で前記カウンタにセットする必
    要があるプリセット値を記憶するカウンタプリセット値
    記憶手段と、前記基準信号が発生したときに前記プリス
    ケーラの分周比を1/(2)に設定する第1の分周比
    設定手段と、前記基準信号が発生したときに前記カウン
    タプリセット値記憶手段に記憶されたプリセット値を前
    記カウンタにセットして点火用計数値の計数を開始させ
    る点火時カウンタ制御手段と、前記カウンタが前記点火
    用計数値の計数を完了したときに前記点火信号を出力す
    る点火信号出力手段とを備え、 前記回転数計測手段は、前記点火信号が発生したときに
    前記プリスケーラの分周比を1とする第2の分周比設定
    手段と、前記カウンタの計数値がオーバフローする毎に
    記憶する数値を1ずつ増加させる計数値上位8ビット記
    憶手段と、前記基準信号が発生したときの前記カウンタ
    の計数値を記憶する計数値下位8ビット記憶手段と、前
    記計数値上位8ビット記憶手段に記憶された数値及び前
    記計数値下位8ビット記憶手段に記憶された数値をそれ
    ぞれ上位8ビット及び下位8ビットとした16ビットの
    数値に前回の点火の際の点火位置を計測するために用い
    られた16ビットの点火位置計測用計数値を加算して得
    た数値を前記回転数計測用計数値として、該回転数計測
    用計数値の上位8ビット及び下位8ビットをそれぞれ記
    憶する第1及び第2の回転数計測用計数値記憶手段とを
    備え、 前記点火位置演算手段は、前記第1及び第2の回転数計
    測用計数値記憶手段にそれぞれ上位8ビット及び下位8
    ビットが記憶された回転数計測用計数値から演算した回
    転数に対して前記点火位置計測用計数値を演算するよう
    に構成されていることを特徴とする内燃機関用点火装
    置。
  2. 【請求項2】 前記点火信号出力手段は、前記カウンタ
    が点火用計数値の計数を完了したときに前記点火信号を
    発生させる点火信号発生手段と、前記カウンタが点火用
    計数値の計数を完了した直後に行われる前記カウンタの
    計数動作で該カウンタの計数値がオーバフローしたこと
    が検出された時に前記点火信号を消滅させる点火信号消
    滅手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載
    の内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 点火信号が与えられたときに点火用の高
    電圧を発生する点火回路と、基準クロックパルスを発生
    するクロック回路と前記基準クロックパルスの周波数を
    設定された分周比で分周するプリスケーラと前記プリス
    ケーラから得られるクロックパルスを計数する動作を繰
    り返すように設けられていて計数値がオーバフローする
    毎にリセットされる8ビットのカウンタとを有するマイ
    クロコンピュータと、内燃機関の極低速領域での固定点
    火位置で固定点火位置信号を発生し、該固定点火位置よ
    りも進角した位置に設定された基準回転角度位置で基準
    信号を発生する信号発生装置とを備え、 内燃機関が1回転する間に前記クロック回路が発生する
    基準クロックパルスを計数して16ビットの2進数から
    なる回転数計測用計数値を求める回転数計測手段と、内
    燃機関が前記基準回転角度位置から点火位置まで回転す
    る間に前記クロック回路が発生する基準クロックパルス
    の数を16ビットの2進数からなる点火位置計測用計数
    値として前記回転数計測用計数値から求められた内燃機
    関の各回転数に対して演算する点火位置演算手段と、前
    記点火位置計測用計数値を用いて検出した点火位置で前
    記点火回路に信号幅が制限された点火信号を与える点火
    信号供給手段とを前記マイクロコンピュータを用いて実
    現して、内燃機関の点火位置を回転数に対して制御する
    内燃機関用点火装置であって、 前記マイクロコンピュータは、前記カウンタを1つだけ
    備え、 前記点火信号供給手段は、前記点火位置演算手段により
    演算された16ビットの点火位置計測用計数値の上位8
    ビットが0であるか1以上であるかを判定して点火位置
    計測用計数値の上位8ビットが1以上であると判定され
    たときに前記点火位置計測用計数値の上位8ビットが0
    になるまで該点火位置計測用計数値の各桁を下位の桁側
    にシフトさせる計数値シフト手段と、前記計数値シフト
    手段によるシフトの回数C(Cは0を含む正の整数)が
    0のときには前記点火位置演算手段が演算した点火位置
    計測用計数値の下位8ビットを点火用計数値として前記
    カウンタの計数値がオーバフローするまでの間に該カウ
    ンタが計数するパルスの数を前記点火用計数値に等しく
    するために前記基準回転角度位置で前記カウンタにセッ
    トする必要があるプリセット値を記憶し、シフトの回数
    Cが1以上であるときにはシフト後の点火位置計測用計
    数値の下位8ビットを点火用計数値として前記カウンタ
    の計数値がオーバフローするまでの間に該カウンタが計
    数するパルスの数を前記点火用計数値に等しくするため
    に前記基準回転角度位置で前記カウンタにセットする必
    要があるプリセット値を記憶するカウンタプリセット値
    記憶手段と、前記プリスケーラの分周比を1/(2
    に設定する第1の分周比設定手段と、前記基準信号が発
    生したときに前記カウンタプリセット値記憶手段に記憶
    されたプリセット値を前記カウンタにセットして点火用
    計数値の計数を開始させる点火時カウンタ制御手段と、
    内燃機関の回転数が設定値を超えているか否かを判定す
    る回転数判定手段と、前記回転数判定手段により回転数
    が設定値以下であると判定されたときに固定点火モード
    指令信号を発生し、前記回転数判定手段により回転数が
    設定値を超えていると判定されたときに定常点火モード
    指令信号を発生する点火モード指令信号発生手段と、前
    記定常点火モード指令信号が発生している状態で前記カ
    ウンタが点火用計数値の計数を完了したときに前記点火
    信号を出力する第1の点火信号出力手段と、前記固定点
    火モード指令信号が発生している状態で前記固定点火位
    置信号が発生したときに前記点火信号を出力する第2の
    点火信号出力手段とを備え、 前記回転数計測手段は、前記点火信号が発生したときに
    前記プリスケーラの分周比を1とする第2の分周比設定
    手段と、前記カウンタの計数値がオーバフローする毎に
    記憶する数値を1ずつ増加させる計数値上位8ビット記
    憶手段と、前記基準信号が発生したときの前記カウンタ
    の計数値を記憶する計数値下位8ビット記憶手段と、前
    記計数値上位8ビット記憶手段に記憶された数値及び前
    記計数値下位8ビット記憶手段に記憶された数値をそれ
    ぞれ上位8ビット及び下位8ビットとした16ビットの
    数値に前回演算された16ビットの点火位置計測用計数
    値を加算して得た数値を前記回転数計測用計数値とし
    て、該回転数計測用計数値の上位8ビット及び下位8ビ
    ットをそれぞれ記憶する第1及び第2の回転数計測用計
    数値記憶手段とを備え、 前記点火位置演算手段は、前記第1及び第2の回転数計
    測用計数値記憶手段にそれぞれ上位8ビット及び下位8
    ビットが記憶された回転数計測用計数値から演算した回
    転数に対して前記点火位置計測用計数値を演算するよう
    に構成されていることを特徴とする内燃機関用点火装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の点火信号出力手段は、前記カ
    ウンタが点火用計数値の計数を完了したときに前記点火
    信号を発生させる点火信号発生手段と、前記カウンタが
    点火用計数値の計数を完了した直後に行われる前記カウ
    ンタの計数動作で該カウンタの計数値がオーバフローし
    たことが検出された時に前記点火信号を消滅させる点火
    信号消滅手段とを備えていることを特徴とする請求項3
    に記載の内燃機関用点火装置。
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