JP2003254213A - 多気筒内燃機関用点火装置 - Google Patents

多気筒内燃機関用点火装置

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JP2003254213A
JP2003254213A JP2002048416A JP2002048416A JP2003254213A JP 2003254213 A JP2003254213 A JP 2003254213A JP 2002048416 A JP2002048416 A JP 2002048416A JP 2002048416 A JP2002048416 A JP 2002048416A JP 2003254213 A JP2003254213 A JP 2003254213A
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cylinder
reluctor
ignition
pulse
edge detection
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JP2002048416A
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English (en)
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Kenji Kimura
賢司 木邨
Masafumi Shimizu
雅史 清水
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Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2バイトを超える演算を行うことなく、機関の
始動時のパルスの気筒判別を行うことができる多気筒内
燃機関用点火装置を提供する。 【解決手段】8ビットのタイマ11と、タイマ11が2
56個のクロックパルスを計数する毎にマイクロコンピ
ュータが実行するプログラムに割り込みをかけるタイマ
割り込み手段14と、割り込み手段14による割り込み
の回数を最大2バイトのデータとしてRAMに記憶する
割り込み回数記憶手段15とを設ける。パルサが各気筒
用のリラクタの後端側エッジを検出してパルスを発生し
たときに割り込み回数記憶手段15から読み出した割り
込み回数をリラクタ通過時間データとし、このデータか
らパルサが発生する一連のパルスがいずれの気筒に対応
するパルスであるかを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュ
ータを用いて点火時期を制御する多気筒内燃機関用点火
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関用の点火装置は、点火信号が与
えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プ
ラグに高電圧を印加して点火動作を行わせる点火回路
と、点火回路に与える点火信号を発生させる時期(点火
時期)を制御する点火時期制御装置とにより構成され
る。点火時期制御装置をマイクロコンピュータを用いて
構成する場合には、機関の回転速度などの制御条件に対
して点火時期を決定する点火時期決定手段と、機関のク
ランク軸の回転角度位置が設定された基準位置に一致す
るタイミングで点火時期決定手段により決定された点火
時期の計測を開始して、該点火時期の計測が完了したと
き(点火時期が検出されたとき)に点火信号を発生させ
る点火信号発生手段とがマイクロコンピュータにより構
成される。
【0003】従ってこの種の点火装置では、機関のクラ
ンク軸の回転角度位置が基準位置に一致したことの情報
をマイクロコンピュータに与える必要があり、そのため
に、クランク軸の回転角度位置が基準位置に一致したと
きに基準パルスを発生する信号発生装置を必要とする。
【0004】この種の信号発生装置は、リラクタ(誘導
子)を有するロータと、該ロータのリラクタの回転方向
の前端側のエッジを検出したとき及び後端側のエッジを
検出したときにそれぞれ前端エッジ検出パルス及び後端
エッジ検出パルスを発生するパルサとにより構成され、
前端エッジ検出パルスまたは後端エッジ検出パルスが前
記基準パルスとして用いられる。また多くの場合、後端
エッジ検出パルスは、機関の始動時及び低速時の点火時
期を定めるための信号として用いられる。
【0005】内燃機関が単気筒の機関である場合には、
上記基準パルスをクランク軸が1回転する間に1回だけ
発生させればよいが、多気筒内燃機関の場合には、クラ
ンク軸が1回転する間に複数の気筒にそれぞれ対応する
基準位置でそれぞれの気筒用の基準パルスを発生させる
必要がある。
【0006】クランク軸が1回転する間にn個の気筒用
の基準パルスを発生させる方法としては、n個の気筒に
共通のリラクタをロータに設けるとともに、各気筒毎に
別のパルサを設ける方法と、ロータにn個の気筒にそれ
ぞれ対応するリラクタを設けるとともに、すべての気筒
に共通の1つのパルサを設けて、このパルサからn個の
気筒用のパルスを順次発生させる方法とがある。
【0007】前者の方法によれば、各気筒用のパルスを
個別に得ることができるため、パルスを判別するための
処理を行う必要がないが、気筒数分のパルサを必要とす
るため、信号発生装置の構造が複雑になり、コストが高
くなるのを避けられない。
【0008】これに対し、後者の方法によれば、パルサ
を1つだけ設ければよいため、信号発生装置の構成を簡
単にすることができる。しかしこの場合には、パルサが
複数の気筒用のパルスを順次発生するため、各パルスが
いずれの気筒用のパルスであるかを判別するための処理
を行う必要がある。
【0009】そこで、パルサを1つだけ用いるn気筒内
燃機関用の信号発生装置においては、ロータに設けるn
個のリラクタのうち、1つの気筒に対応するリラクタの
極弧角を他の気筒に対応するリラクタの極弧角よりも十
分に大きく設定して、パルサがこの極弧角が大きいリラ
クタの前端及び後端を検出したときにそれぞれけ出力す
る前端エッジ検出パルス及び後端エッジ検出パルスの発
生間隔を、パルサが他のリラクタの前端及び後端を検出
したときに出力する前端エッジ検出パルス及び後端エッ
ジ検出パルスの発生間隔よりも長くすることにより、パ
ルサが発生する一連のパルスがいずれの気筒用のパルス
であるかを判別するための処理を可能にしている。
【0010】この場合、点火時期制御装置は、パルサが
各リラクタの前端側エッジを検出して前端エッジ検出パ
ルスを発生してから続いて同じリラクタの後端側エッジ
を検出して後端エッジ検出パルスを発生するまでの時間
をリラクタ通過時間データとして計測するリラクタ通過
時間データ計測手段と、極弧角が大きく設定された1つ
のリラクタに対して計測したリラクタ通過時間データと
他のリラクタに対して計測したリラクタ通過時間データ
とを比較して、パルサが発生する一連の前端エッジ検出
パルス及び後端エッジ検出パルスがそれぞれいずれの気
筒に対応するパルスであるかを判別するパルス判別手段
と、内燃機関の各気筒の点火時期を決定する点火時期決
定手段と、点火時期決定手段により決定された各気筒の
点火時期をパルス判別手段により判別された各気筒に対
応する前端エッジ検出パルスの発生タイミングまたは後
端エッジ検出パルスの発生タイミングを基準として検出
して、各気筒の点火時期を検出したときに点火回路に与
える各気筒用の点火信号を発生する点火信号発生手段と
を備えた構成とする。
【0011】上記リラクタ通過時間データは、通常、内
燃機関の回転速度を計測するためのタイマを用いて検出
している。すなわち、パルサが各リラクタの前端側エッ
ジを検出してから後端側エッジを検出するまでの時間
を、回転速度計測用のタイマを用いて計測することによ
り、各リラクタのリラクタ通過時間データを得て、一連
のリラクタに対してそれぞれ計測したリラクタ通過時間
データを比較することにより、パルスの判別を行うよう
にしている。
【0012】図1は、一例として、2サイクル4気筒内
燃機関を点火する点火装置の構成を示したものである。
同図において、1は同一の構成を有する第1気筒ないし
第4気筒用の単位点火回路U1ないしU4を備えた点火
回路、2は信号発生装置、3はマイクロコンピュータを
備えた点火時期制御装置、4は信号発生装置2から発生
するパルスを点火時期制御装置3のマイクロコンピュー
タが認識し得る波形のパルスに変換する波形整形回路、
5は点火回路1に点火エネルギーを与える電源回路であ
る。
【0013】図示の例では、点火回路1を構成する単位
点火回路U1ないしU4が、周知のコンデンサ放電式の
回路からなっている。各単位点火回路は、点火コイルI
Gと、点火コイルの一次側に設けられた点火用コンデン
サCと、点火コイルの一次コイルの両端に接続されたダ
ンパダイオードD1と、点火信号Viが与えられたとき
に導通してコンデンサCの電荷を点火コイルの一次コイ
ルを通して放電させるように設けられたサイリスタTh
と、電源回路5の出力端子と点火用コンデンサCとの間
に挿入されたコンデンサ充電用ダイオードD2とを備え
ていて、第1気筒用ないし第4気筒用の単位点火回路U
1ないしU4のそれぞれの点火コイルIGの二次コイル
の誘起電圧が機関の第1気筒ないし第4気筒にそれぞれ
取り付けられた点火プラグPL1ないしPL4に印加さ
れている。
【0014】各単位点火回路においては、電源回路5の
出力電圧により、点火用コンデンサCが図示の極性に充
電される。各気筒の点火時期においてサイリスタThの
ゲートに点火信号Viが与えられると、このサイリスタ
Thが導通するため、点火用コンデンサCに蓄積された
電荷がサイリスタThと点火コイルIGの一次コイルと
を通して放電する。これにより点火コイルIGの二次コ
イルに高電圧が誘起し、この高電圧が点火プラグに印加
されるため、各点火プラグで火花放電が生じて機関が点
火される。
【0015】信号発生装置2は、内燃機関と同期回転す
るように設けられたロータ2aと、機関のケースなどに
取り付けられたパルサ2bとにより構成される。ロータ
2aは、鉄などの強磁性材料からなる回転子ヨーク20
1の外周に4つの円弧状の突起からなるリラクタr1な
いしr4を90°間隔で設けたものからなっている。図
示の例では、ロータ2aが機関のクランク軸に取り付け
られていて、リラクタr1ないしr4がそれぞれ機関の
第1気筒ないし第4気筒に対応している。4つのリラク
タのうち、3つのリラクタr1ないしr3は、等しい極
弧角αを有するように形成され、1つのリラクタr4
は、他のリラクタよりも大きな極弧角βを有するように
形成されている。ここでは、極弧角が小さい方のリラク
タr1ないしr3を「短リラクタ」と呼び、極弧角が大
きいリラクタr4を「長リラクタ」と呼ぶことにする。
図示の例では、短リラクタr1ないしr3の極弧角αが
5°に設定され、長リラクタr4の極弧角βが40°に
設定されている。
【0016】パルサ2bは、リラクタに対向する磁極部
を先端に有する鉄心と、この鉄心に巻装された信号コイ
ルと、該鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えてい
て、リラクタr1ないしr4のそれぞれの回転方向の前
端側のエッジを検出したとき、及び回転方向の後端側の
エッジを検出したときにそれぞれ極性が異なるパルス信
号を発生する。パルサ2bが発生するパルスの波形の一
例を、横軸に時間t[msec]をとって図2(A)に
示した。
【0017】図2(A)において、Vs1はパルサが各
リラクタの回転方向の前端側のエッジを検出したときに
発生する前端エッジ検出パルス、Vs2はパルサが各リ
ラクタの回転方向の後端側のエッジを検出したときに発
生する後端エッジ検出パルスで、この例では、前端エッ
ジ検出パルスVs1及び後端エッジ検出パルスVs2が
それぞれ負極性パルス及び正極性パルスからなってい
る。
【0018】また図2(A)において、続いて発生する
対のパルスVs1及びVs2の近傍に表示された符号#
1ないし#4は、それぞれの対のパルスVs1及びVs
2がリラクタr1ないしr4を検出したときに発生する
パルスであることを示している。同じ気筒用のリラクタ
を検出したときに発生するパルスVs1の発生間隔がク
ランク軸の1回転(360°)に相応している。
【0019】パルサ2bが発生するパルスVs1及びV
s2はパルス波形入力回路4によりそれぞれ図2(C)
及び(D)に示すような立上がりが速いパルス信号に変
換されて、点火時期制御装置3のマイクロコンピュータ
に割り込み信号INT1及びINT2として入力され
る。マイクロコンピュータはこれらの割り込み信号の立
上がりを検出したときに所定の割り込みルーチンを実行
する。
【0020】点火時期制御装置3のマイクロコンピュー
タは、後記する回転速度計測用タイマにより、クランク
軸が1回転する間にパルサ2bが発生するパルス信号の
発生間隔を検出することにより機関の回転速度を演算
し、演算した回転速度に対して機関の各気筒の点火時期
を演算する。この場合各気筒の点火時期は、パルサが各
気筒用のリラクタのいずれかのエッジを検出したときに
発生するパルスを基準パルスとして、該基準パルスの発
生タイミングから点火時期までの間にタイマが計測すべ
き時間(以下点火時期計測時間という。)の形で演算さ
れる。以下の説明では、パルサが各気筒用のリラクタの
回転方向の後端側のエッジを検出したときに発生する前
端エッジ検出パルスVs2を各気筒用の基準パルスとし
て用いるものとする。
【0021】マイクロコンピュータは、割り込み信号I
NT2を検出したとき(各気筒用の後端エッジ検出パル
スの立上がりを認識したとき)に、点火時期計測時間を
点火タイマにセットして、該タイマに点火時期計測時間
の計時を開始させる。マイクロコンピュータは、点火タ
イマが点火時期計測時間の計時を完了した時に該マイク
ロコンピュータが実行しているメインルーチンに割り込
みをかけて、点火回路1の各気筒用の単位点火回路に与
える各気筒用の点火信号Viを発生する。
【0022】上記のように、図1に示した点火時期制御
装置3を構成するマイクロコンピュータは、パルサが各
気筒用のリラクタの後端側エッジを検出して後端エッジ
検出パルス(以下基準パルスともいう。)Vs2を発生
するタイミングを基準として、各気筒の点火時期を検出
するため、パルサ2bが順次発生する一連の基準パルス
がそれぞれいずれの気筒用のパルスであるのかの判別
(この判別を基準パルスの気筒判別と呼ぶ。)を行う必
要がある。
【0023】そのため、この例では、1つのリラクタr
4を基準リラクタとして、この基準リラクタの極弧角を
他のリラクタr1ないしr3の極弧角よりも大きくし、
リラクタr4がパルサ2bの磁極位置を通過する際に計
測されるリラクタ通過時間データ(パルサ2bがリラク
タの前端側エッジを検出してから後端側エッジを検出す
るまでの時間でリラクタの長さに相当する時間)を、他
のリラクタr1ないしr3がパルサの磁極位置を通過す
る際にそれぞれ計測されるリラクタ通過時間データより
も長くすることにより、各基準パルスの気筒判別を行う
ことができるようにしている。
【0024】マイクロコンピュータは、機関の回転速度
の検出と、基準パルスの気筒判別とを行うため、割り込
み信号INT1の立上がりを検出したときに実行中のプ
ログラムに割り込みをかけて、回転速度計測用タイマに
よる計時動作を開始させる。回転速度計測用タイマは、
マイクロコンピュータ内の発振器が一定の周期(通常は
1μsec)で発生するクロックパルスを計数すること
により、計時動作を行う。
【0025】マイクロコンピュータはまた、割り込み信
号INT2の立上がりを検出したときにマイクロコンピ
ュータに割り込みをかけて、この割り込みルーチンにお
いて、回転速度計測用タイマの計測値をリラクタ通過時
間データTn(この例ではn=1,2,3または4)と
して読み込む。そして、1を超える適値に設定された定
数k(通常はk=2)を求められた計測値Tnに乗じて
k*Tn(ここで*は乗算記号を示している)を演算
し、このk*Tnと、Tn−1との差を求める演算を行
って、その演算結果が正であるか負であるかにより、T
n−1>k*Tnが成立している否かを判定する。その
結果、Tn−1>k*Tnが成立していると判定された
ときに、今回の割り込み信号INT2を生じさせた基準
パルスVs2が第1気筒に対応する基準パルスであると
判定する。
【0026】各気筒用のパルスが発生する順序は決まっ
ているため、このようにして第1気筒用のパルスを判別
することができれば、第2ないし第3気筒用のパルスは
簡単に判別することができる。
【0027】マイクロコンピュータは、割り込み信号I
N2が発生したときに実行する割り込み処理において、
上記のようにしてパルスの気筒判別を行った後、点火時
期計測時間を点火タイマにセットしてその計時を開始さ
せる。そして、点火タイマが点火時期計測時間の計測を
完了したときに(点火時期を検出したときに)、今回の
割り込み信号IN2を発生させた基準パルスに対応する
気筒の単位点火回路に点火信号Viを与えて点火動作を
行わせる。
【0028】マイクロコンピュータはまた、パルサ2b
が基準リラクタr4の前端側エッジを再度検出して割り
込み信号IN1を発生したときに回転速度計測用タイマ
の計測値を読み込むとともに、該タイマをリセットして
再度その計時動作を開始させる。マイクロコンピュータ
は、割り込み信号IN1が発生したときに読み込んだ回
転速度計測用タイマの計測値(機関が1回転するのに要
した時間)から機関の回転速度を演算する。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】一般に回転速度計測用
のタイマは、その計測精度の向上を図る観点から、入力
クロックパルスの周期を1μsecに設定している。こ
の場合、タイマとして16ビットタイマを用いれば、9
16[=(60/2)*10][rpm]以上の回転速度
を検出することができる。
【0030】一方内燃機関を始動させるために必要な内
燃機関用点火装置の動作開始回転速度は100[rp
m]以下であり、場合によっては50[rpm]で点火
装置の動作を開始させることが必要とされる。そのた
め、内燃機関の始動を支障なく行わせるためには、10
0[rpm]以下の回転速度の検出と基準パルスの気筒
判別とを行うことができるようにしておく必要がある。
【0031】前述のように、基準パルスの気筒判別を行
う際には、長リラクタr4と短リラクタr1ないしr3
のそれぞれの長さ(極弧角)に相当するリラクタ通過時
間データTnを計測して,Tn−1とk*Tnとの間の
大小関係を判定するが、1μsecの周期で発生するク
ロックパルスを16ビットタイマで計数することにより
リラクタ通過時間データTnを計測した場合には、機関
の始動時に長リラクタのリラクタ通過時間データを与え
るクロックパルスの計数値が大きくなって16ビットタ
イマがオーバフローする。そのため、タイマがオーバフ
ローすることを考慮して判別処理を行うことが必要にな
り、その処理のプログラムが複雑になって、処理に必要
な時間が長くなる。
【0032】またk*Tnが16ビットで表すことがで
きる数値の最大値(65536)よりも大きくなるた
め、k*Tnを求めるために3バイトの演算を行うこと
が必要になり、Tn−1とk*Tnとの間の大小関係の
判定に時間がかかる。
【0033】因みに、機関の回転速度が100[rp
m]のとき及び50[rpm]のときにそれぞれ計測さ
れる長リラクタr4(極弧角40°)のリラクタ通時間
は、66666μsec及び133333μsecとな
り、16ビットタイマをオーバフローさせてしまう。
【0034】3バイトの演算を行うための高級命令を実
行し得る高価なマイクロコンピュータを用いる場合に
は、上記の演算処理を簡単に行うことができるが、高級
命令を実行することができないマイクロコンピュータを
用いる場合には、上記の演算処理をサブルーチン化して
行うことが必要になる。
【0035】高級命令を持たないマイクロコンピュータ
を用いた従来の点火装置において、割り込み信号INT
2が発生したときに実行していた割り込みルーチンのア
ルゴリズムを示すフローチャートを図9に示した。
【0036】このアルゴリズムに従う場合には、先ずス
テップ1において回転速度計測用タイマの計測値をリラ
クタ通過過時間TnとしてRAMに記憶させ、A=k*
Tnの演算を行う。機関の低速時には、このk*Tnの
値が3バイトの数値になるため、A=k*Tnの演算
は、サブルーチン処理により行う。
【0037】A=k*Tnの演算を行った後、ステップ
3においてTn−1>Aが成立しているか否かを判定
し、この関係が成立している場合には、ステップ4に進
んで今回の割り込みを生じさせたパルスが第1気筒用の
基準パルスであると判定する。次いで、ステップ5で第
1の気筒用点火タイマに点火時期計測時間をセットし
て、該タイマの計時動作を開始させ、ステップ6でRA
Mに記憶させたTnをTn−1としてメインルーチンに
戻る。マイクロコンピュータは、第1の気筒用の点火タ
イマが点火時期計測時間を計測したときに、第1の気筒
用の単位点火回路U1に点火信号Viを与えて点火動作
を行わせる。
【0038】またステップ3でTn−1>Aの関係が成
立しないと判定されたときには、ステップ7に進んで今
回の割り込み信号IN2を発生させたパルスが機関の第
1気筒以外の他の気筒用の基準パルスであると判定し
て、点火タイマに点火時期計測時間をセットし、ステッ
プ8で点火タイマが点火時期計測時間を計測したときに
他の気筒用の点火信号を発生させる。その後ステップ6
に移行して、RAMに記憶させたリラクタ通過時間デー
タTnをTn−1とした後、メインルーチンに戻る。マ
イクロコンピュータは、他の気筒用の点火タイマが点火
時期計測時間を計測したときに他の気筒用の単位点火回
路に点火信号Viを与えて点火動作を行わせる。
【0039】上記のように、Tn−1とk*Tnとの間
の大小関係の判定を行うための3バイトの演算処理をサ
ブルーチン化して行うと、その処理に200μsec
(実測値)を必要とする。そのため、パルスの気筒判別
を行った後、点火タイマをスタートさせて点火時期の計
測を行わせると、点火時期は演算された時期よりも20
0μsec遅れることになる。200μsecの遅れ
は、1000[rpm]で1.2degに相当する。こ
のように点火時期が正規の点火時期から遅れると、内燃
機関の出力が低下する等の問題が生じるため好ましくな
い。
【0040】本発明の目的は、点火時期の計測を開始す
るタイミングを定める基準パルスの気筒判別を行うため
の演算処理を、2バイトを超える演算を行うことなく、
しかも短時間で行うことができるようにして、点火時期
の遅れを少なくすることができるようにした多気筒内燃
機関用点火装置を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】本発明は、2以上の気筒
を有する多気筒内燃機関の少なくとも1つの気筒に対応
しているリラクタをn個(nは2以上の整数)有して、
1つのリラクタの極弧角が他のリラクタの極弧角よりも
大きく設定されたロータと、該ロータの各リラクタの回
転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞれ検出
したときに前端エッジ検出パルス及び後端エッジ検出パ
ルスを発生するパルサとを備えてロータが内燃機関の回
転軸に取り付けられた信号発生装置と、内燃機関の各気
筒に対応する点火信号が与えられたときに各気筒で点火
動作を行わせる点火回路と、マイクロコンピュータを用
いて点火回路に各気筒用の点火信号を与える時期を制御
する点火時期制御装置とを備えた内燃機関用点火装置を
対象とする。
【0042】なお信号発生装置のロータに設ける各リラ
クタは、機関の気筒に1対1で対応していてもよく、各
リラクタが機関の2以上の気筒に対応していてもよい。
例えば、2サイクル内燃機関においては、1つの気筒が
点火時期にあるときにその気筒の点火プラグで火花を生
じさせると同時に、その気筒に対して点火時期がクラン
ク角で180°離れている他の気筒の点火プラグで同時
に火花を生じさせても機関の動作には支障を来さない。
このような場合には、機関の2つの気筒の点火プラグで
同時に火花を生じさせることができるため、点火回路に
設ける点火コイルとして、二次コイルの両端を2つの異
なる気筒の点火プラグに接続して該2つの気筒の点火プ
ラグに同時に点火用の高電圧を印加する、いわゆる「同
時発火コイル」を用いることにより、1つの点火回路で
同時に2つの気筒を点火することができ、点火回路の数
を気筒数(偶数)の1/2とすることができる。このよ
うな場合には、同時に点火動作を行わせる2つの気筒に
対して1つのリラクタを設ければよい。このように、同
時発火コイルを用いる場合、機関が例えば4気筒であれ
ば、ロータにリラクタを2つ設けて、各リラクタを機関
の2つの気筒に対応させればよく、機関が6気筒であれ
ば、ロータにリラクタを3つ設けて各リラクタを2つの
気筒に対応させればよい。
【0043】本発明が対象とする点火装置において、点
火時期制御装置は、パルサが各リラクタの前端側エッジ
を検出して前端エッジ検出パルスを発生してから続いて
同じリラクタの後端側エッジを検出して後端エッジ検出
パルスを発生するまでの時間に相当するデータをリラク
タ通過時間データとして計測するリラクタ通過時間デー
タ計測手段と、極弧角が大きい1つのリラクタに対して
計測したリラクタ通過時間データと他のリラクタに対し
て計測したリラクタ通過時間データとを比較してパルサ
が発生する一連の前端エッジ検出パルス及び後端エッジ
検出パルスがそれぞれいずれの気筒に対応するパルスで
あるかを判別するパルス判別手段と、内燃機関の各気筒
の点火時期を決定する点火時期決定手段と、点火時期決
定手段により決定された各気筒の点火時期をパルス判別
手段により判別された各気筒に対応する前端エッジ検出
パルスの発生タイミングまたは後端エッジ検出パルスの
発生タイミングを基準として検出して、各気筒の点火時
期を検出したときに点火回路に与える各気筒用の点火信
号を発生する点火信号発生手段とを備えているものとす
る。
【0044】本発明においては、上記リラクタ通過時間
データ計測手段が、クロックパルスを計数することによ
り計時動作を行う8ビットのタイマと、タイマが256
個のクロックパルスを計数する毎にマイクロコンピュー
タが実行するプログラムに割り込みをかけて、この割り
込みの回数を最大2バイトのデータとしてRAMに記憶
する割り込み回数記憶手段とを備えている。
【0045】またパルス判別手段は、パルサが各後端エ
ッジ検出パルスが発生したときに割り込み回数記憶手段
から読み出した割り込み回数をリラクタ通過時間データ
として、各パルスがいずれの気筒に対応するパルスであ
るかを判別するように構成される。
【0046】上記リラクタ通過時間データ計測手段は、
例えば、クロックパルスを計数することにより計時動作
を行う8ビットのタイマと、該タイマが256個のクロ
ックパルスを計数する毎にマイクロコンピュータが実行
するプログラムに割り込みをかけて、この割り込みの回
数を最大2バイトのデータとしてRAMに記憶する割り
込み回数記憶手段とを備えた構成とすることができる。
【0047】また上記パルス判別手段は、パルサが各後
端エッジ検出パルスを発生したときに割り込み回数記憶
手段により記憶されている割り込み回数をリラクタ通過
時間データとして記憶するリラクタ通過時間データ記憶
手段と、リラクタ通過時間データ記憶手段により新たに
記憶されたリラクタ通過時間データTnに定数k(kは
1以上の実数)を乗じた値Tn*kと1つ前の後端エッ
ジ検出パルスが発生したときにリラクタ通過時間データ
記憶手段により記憶されたリラクタ通過時間データTn
−1との間にTn−1>Tn*kの関係が成立したとき
に今回発生した後端エッジ検出パルスが特定の気筒に対
応するパルスであると判別し、Tn−1とTn*kとの
間にTn−1>Tn*kの関係が成立しない場合に、特
定の気筒以外の他の気筒に対応するパルスであると判別
するパルス判別手段とを備えた構成とすることができ
る。
【0048】上記のように8ビットのタイマと、該タイ
マが256個のクロックパルスを計数する毎にマイクロ
コンピュータが実行するプログラムに割り込みをかけ
て、この割り込みの回数を最大2バイトのデータとして
RAMに記憶する割り込み回数記憶手段を構成すると、
この割り込み回数記憶手段は仮想の16ビットタイマと
して働くため、安価な8ビットのタイマを用いて、16
ビットの値をとる時間を計測することができる。
【0049】また例えばクロックパルスの周期を1μs
ecとすると、仮想の16ビットタイマが計測するクロ
ックパルスの周期は256μsecであるため、機関の
回転速度が50ないし100[rpm]のように低い領
域でも、該16ビットタイマがオーバフローすることは
ない。従って、回転速度が100[rpm]のときはも
ちろん、50[rpm]のときでも、2バイトを超える
計算式や数値を用いることなく、パルスの気筒判別処理
を行うことができるため、パルスの気筒判別に要する処
理時間を短くして点火時期の遅れを少なくすることがで
きる。
【0050】本発明の好ましい態様において、マイクロ
コンピュータにより実現するパルス判別手段は、パルサ
が各後端エッジ検出パルスを発生したときに割り込み回
数記憶手段により記憶されている割り込み回数をリラク
タ通過時間データとして記憶するリラクタ通過時間デー
タ記憶手段と、今回の後端エッジ検出パルス発生時にリ
ラクタ通過時間データ記憶手段により記憶されたリラク
タ通過時間データTnに定数k(kは1以上の実数)を
乗じたデータTn*k及び1つ前の後端エッジ検出パル
スが発生したときにリラクタ通過時間データ記憶手段に
より記憶された前回のリラクタ通過時間データTn−1
の双方が1バイトのデータであるか少なくとも一方が2
バイトのデータであるかを判定するデータ規模判定手段
と、データ規模判定手段によりデータTn*k及びTn
−1の少なくとも一方が2バイトのデータであると判定
されたときに、データTn*kとTn−1との間にTn
−1>Tn*kの関係が成立しているか否かの判定を2
バイトの演算式を用いて行ってTn−1>Tn*kの関
係が成立していると判定されたときに今回発生した後端
エッジ検出パルスが特定の気筒に対応するパルスである
と判別する第1のパルス判別手段と、データ規模判定手
段によりデータTn*k及びTn−1が共に1バイトの
データであると判定されたときに今回のリラクタ通過時
間データTnに定数k(kは1以上の実数)を乗じた値
Tn*kと前回のリラクタ通過時間データTn−1との
間にTn−1>Tn*kの関係が成立しているか否かの
判定を1バイトの演算式を用いて行って、Tn−1>T
n*kの関係が成立していると判定されたときに今回発
生した後端エッジ検出パルスが特定の気筒に対応するパ
ルスであると判別する第2のパルス判別手段とを備えた
構成とする。
【0051】このように構成すると、機関の始動時にデ
ータ規模判定手段によりTn*k及びTn−1の少なく
とも一方が2バイトのデータであると判定されたときに
のみ2バイトの演算を行えばよく、機関の回転速度が上
昇した後は1バイトの演算を行えばよいため、基準パル
スの気筒判別処理に要する時間を更に短縮して点火時期
の遅れを少なくすることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図1に示した多気筒内燃機
関用点火装置に本発明を適用した場合の構成を図3ない
し図8を用いて説明する。
【0053】図3は本発明の第1の実施形態の構成を示
したブロック図で、同図においてE/Gは2サイクル4
気筒内燃機関、1は内燃機関の各気筒に対応する点火信
号が与えられたときに各気筒で点火動作を行わせる点火
回路、2は信号発生装置である。
【0054】図1に示した例と同様に、点火回路1は、
機関の気筒に対応する単位点火回路U1ないしU4から
なっている。信号発生装置2は、内燃機関の4個の気筒
にそれぞれ対応する4個のリラクタr1ないしr4を有
して1つの気筒に対応するリラクタr4の極弧角が他の
気筒に対応するリラクタr1ないしr3の極弧角よりも
大きく設定されたロータ2aと、このロータの各リラク
タの回転方向の前端側エッジ及び後端側エッジをそれぞ
れ検出したときに前端エッジ検出パルス及び後端エッジ
検出パルスを発生するパルサ2bとを備えている。ロー
タ2aは内燃機関のクランク軸に取り付けられて、機関
が1回転する間に1回転させられる。
【0055】また図3において11は8ビットタイマ
で、このタイマは、0ないし256のクロックパルスを
計数することができる。本実施形態では、タイマ11
に、1μsec周期のクロックパルスを計数させること
により、計時動作を行わせるものとする。
【0056】本発明においては、点火時期制御装置のマ
イクロコンピュータに所定のプログラムを実行させるこ
とにより、回転速度演算手段12と、点火時期決定手段
13と、タイマ割り込み手段14と、割り込み回数記憶
手段15と、リラクタ通過時間データ記憶手段16と、
パルス判別手段17と、点火信号発生手段18とを実現
する。
【0057】回転速度演算手段12は、マイクロコンピ
ュータの発振器が1μsecの周期で発生するクロック
パルスを計数することにより計時動作を行う回転速度計
測用の16ビットタイマを用いて、機関が1回転するの
に要する時間を計測することにより機関の回転速度を演
算する。
【0058】点火時期決定手段13は、16ビットタイ
マがオーバフロする機関の始動時には、予め定められた
一定のタイミングを点火時期として決定し、機関が始動
してその回転速度が16ビットタイマにより計測し得る
速度まで上昇した後は、回転速度演算手段12により演
算された回転速度に対してマップ演算により点火時期を
決定する。
【0059】タイマ割り込み手段14は、タイマ11が
256μsecの時間を計測する毎に(タイマ11が2
56個のクロックパルスを計数する毎に)マイクロコン
ピュータが実行するプログラムに割り込みをかけ、割り
込み回数記憶手段15は、タイマ割り込み手段14が割
り込みをかけた回数を最大2バイトのデータとしてRA
Mに記憶させる。
【0060】またリラクタ通過時間データ記憶手段16
は、パルサ2bが各後端エッジ検出パルスVs2を発生
したときに割り込み回数記憶手段15により記憶されて
いる割り込み回数をリラクタ通過時間データTnとして
記憶する。
【0061】パルス判別手段17は、リラクタ通過時間
データ記憶手段16により新たに記憶されたリラクタ通
過時間データTnに定数k(kは1以上の実数)を乗じ
た値Tn*kと1つ前の後端エッジ検出パルスが発生し
たときにリラクタ通過時間データ記憶手段により記憶さ
れたリラクタ通過時間データTn−1との間にTn−1
>Tn*kの関係が成立したときに今回発生した基準パ
ルス(後端エッジ検出パルス)が特定の気筒(この例で
は第1気筒)に対応するパルスであると判別し、Tn−
1とTn*kとの間にTn−1>Tn*kの関係が成立
しない場合に、特定の気筒以外の他の気筒に対応するパ
ルスであると判別する。
【0062】点火信号発生手段18は、パルス判別手段
17により基準パルスがいずれの気筒に対応するパルス
であるかの判定が行われたときに、点火タイマに点火時
期決定手段13により決定された点火時期を計測するた
めの時間をセットして点火タイマをスタートさせ、該タ
イマが点火時期を計測したときに点火回路1の気筒判別
が行われた基準パルスが対応する気筒の単位点火回路に
点火信号を与える。
【0063】この例では、8ビットタイマ11と、タイ
マ割り込み手段14と、割り込み回数記憶手段15とに
より、リラクタ通過時間データ計測手段が構成される。
またリラクタ通過時間データ記憶手段16とパルス判別
手段17とにより、パルサが各後端エッジ検出パルスを
発生したときに割り込み回数記憶手段から読み出した割
り込み回数をリラクタ通過時間データとして各パルスが
いずれの気筒に対応するパルスであるかを判別するパル
ス判別手段が構成される。
【0064】図3に示した割り込み回数記憶手段15と
リラクタ通過時間データ記憶手段16と、パルス判別手
段17とを実現するためにマイクロコンピュータに実行
させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャート
の一例を図5ないし図7に示した。
【0065】図5は、マイクロコンピュータに割り込み
信号IN1が入力されたときに実行される割り込みルー
チンを示したもので、この割り込みルーチンでは、先ず
ステップ1でリラクタ通過時間データTnを計測する8
ビットタイマ11をセットして該タイマをスタートさ
せ、次いで他の必要な処理を行わせた後メインルーチン
に戻る。「他の処理」の中には、別途設けられた16ビ
ットタイマ(1μsecの周期で発生するクロックパル
スを計数するタイマ)の計数値から回転速度の演算を行
う処理などが含まれる。メインルーチンでは、回転速度
に対する点火時期の演算などの処理が行われる。
【0066】8ビットタイマ11は、1μsec周期の
クロックパルスを計数することにより計時動作を行う。
8ビットタイマ11が256μsecを計測すると、図
7に示す割り込みルーチンが実行される。この割り込み
ルーチンでは、ステップ1でRAMの所定のアドレスに
割り当てたJIKANA(1バイト)に記憶させる数値
を1だけインクリメントし、ステップ2でJIKANA
がオーバフローしたか否かを判定する。その結果、JI
KANAがオーバフローしていないと判定されたときに
は、ステップ4に移行して他の必要な処理を行い、メイ
ンルーチンに戻る。またステップ2でJIKANAがオ
ーバフローしたと判定されたときには、ステップ3に進
んでJIKANAをクリアすると共に、RAMの他のア
ドレスに割り当てたJIKANB(1バイト)に記憶さ
せる数値を1だけインクリメントする。その後ステップ
4に進んで他の必要な処理を行い、メインルーチンに戻
る。これらの動作により、JIKANAとJIKANB
とに最大2バイトの数値を記憶させることができる。
【0067】本実施形態では、8ビットタイマと、RA
M JIKANA及びJIKANBと、図7に示した割
り込みルーチンとにより、256μsecの周期で発生
するクロックパルスを最大2バイトの計数値まで計数す
る仮想の16ビットタイマが構成される。
【0068】パルサが後端エッジ検出パルスVs2を発
生してマイクロコンピュータに割り込み信号IN2が入
力されると、図6の割り込みルーチンが実行される。こ
の割り込みルーチンでは、ステップ1で8ビットタイマ
の計数値をリラクタ通過時間データTnとして読み込
み、このリラクタ通過時間データをRAMに記憶させ
る。
【0069】次いでステップ2において前回の割り込み
時にRAMに記憶されたリラクタ通過時間データTn−
1と、今回記憶されたTnと計数kとの積Tn*kとを
比較する。その結果、Tn−1>Tn*kの関係が成立
していると判定されたときにステップ3で今回の割り込
みを生じさせた基準パルスが第1気筒用のパルスである
と判定する。
【0070】次いでステップ4で第1気筒用の点火タイ
マに点火時期決定手段により決定されている点火時期を
計測するための計数値をセットして、該点火タイマをス
タートさせる。その後ステップ5においてRAMに記憶
されているTnをTn−1としてメインルーチンに戻
る。第1気筒用の点火タイマが点火時期を計測したとき
に第1気筒用の点火信号を発生させる。
【0071】またステップ2でTn−1>Tn*kの関
係が成立していないと判定されたときには、ステップ6
で今回の割り込みを生じさせた基準パルスが第1気筒以
外の他の気筒用のパルスであると判定し、ステップ7で
他の気筒用の点火タイマに点火時期計測用計数値をセッ
トして該タイマをスタートさせる。その後、ステップ5
に進んで、RAMに記憶されているTnをTn−1とし
てメインルーチンに戻る。他の気筒用の点火タイマが点
火時期を計測したときに他の気筒用の点火信号を発生さ
せる。
【0072】上記のように、8ビットのタイマと、この
タイマが256μsecの時間を計測する毎にマイクロ
コンピュータが実行するプログラムに割り込みをかけ
て、この割り込みの回数を最大2バイトのデータとして
RAMに記憶する割り込み回数記憶手段を構成すると、
この割り込み回数記憶手段は仮想の16ビットタイマと
して働くため、安価な8ビットのタイマを用いて、16
ビットの値をとる時間[μsec]を計測することがで
きる。
【0073】また仮想の16ビットタイマが計測するク
ロックパルスの周期は256μsecであるため、機関
の回転速度が50ないし100[rpm]のように低い
領域でも、該16ビットタイマがオーバフローすること
はない。従って、回転速度が100[rpm]のときは
もちろん、50[rpm]のときでも、2バイトを超え
る計算式や数値を用いることなく、パルスの気筒判別処
理を行うことができるため、パルスの気筒判別に要する
時間を短くして点火時期の遅れを少なくすることができ
る。
【0074】因みに、極弧角が40°の長リラクタにつ
いて、256μsecの周期のパルスを計数することに
よりリラクタ通過時間データを計測した場合の計数値T
nは、回転速度が100[rpm]の場合で260[=
(60*10/256)(1/100)*(40/36
0)],回転速度が50[rpm]の場合で520[=
(60*10/256)(1/50)*(40/36
0)]である。これらいずれの数値も、16ビット以内
であり、基準パルスの気筒判別を行う際にTnに係数k
(通常はk=2)を乗じても、16ビットを超えること
はないため、前記16ビットの仮想タイマがオーバーフ
ローすることはない。
【0075】上記の構成をとることにより、実際に、基
準パルスの気筒判別を行うための処理時間を70[μs
ec]まで短縮することができた。回転速度が1000
[rpm]のときに70[μsec]を角度に換算する
と、約0.42deg[=1000*70*10*(1
/60)*360]である。すなわち、本発明により、
点火時期の遅れを1.2degから0.42degまで
少なくすることができた。
【0076】次に図4を参照して本発明の第2の実施形
態の構成を説明する。本発明の第2の実施形態では、デ
ータ規模判定手段17aと、第1のパルス判別手段17
bと、第2のパルス判別手段17cとによりパルス判別
手段が構成され、このパルス判別手段と、リラクタ通過
時間データ記憶手段16とにより、パルス判別手段が構
成されている。
【0077】リラクタ通過時間データ記憶手段16は、
図3に示した例と同様に、パルサ2bが各後端エッジ検
出パルスを発生したときに割り込み回数記憶手段15に
より記憶されている割り込み回数をリラクタ通過時間デ
ータとしてRAMに記憶する。
【0078】データ規模判定手段17aは、今回の後端
エッジ検出パルス発生時にリラクタ通過時間データ記憶
手段16により記憶された今回のリラクタ通過時間デー
タTnに定数k(kは1以上の実数)を乗じたデータT
n*k及び1つ前の後端エッジ検出パルスが発生したと
きにリラクタ通過時間データ記憶手段16により記憶さ
れた前回のリラクタ通過時間データTn−1の双方が1
バイトのデータであるか少なくとも一方が2バイトのデ
ータであるかを判定する。
【0079】第1のパルス判別手段17bは、データ規
模判定手段17aによりデータTn*k及びTn−1の
少なくとも一方が2バイトのデータであると判定された
ときに、データTn*kとTn−1との間にTn−1>
Tn*kの関係が成立しているか否かを判定するための
演算を2バイトの演算式を用いて行って、Tn−1>T
n*kの関係が成立していると判定されたときに今回発
生した後端エッジ検出パルスが特定の気筒に対応するパ
ルスであると判別する。
【0080】また第2のパルス判別手段17cは、デー
タ規模判定手段17aによりTn*k及びTn−1が共
に1バイトのデータであると判定されたときに今回のリ
ラクタ通過時間データTnに定数k(通常はk=2)を
乗じた値Tn*kと、前回のリラクタ通過時間データT
n−1との間にTn−1>Tn*kの関係が成立してい
るか否かを判定するための演算を1バイトの演算式を用
いて行って、Tn−1>Tn*kの関係が成立している
と判定されたときに今回発生した後端エッジ検出パルス
が特定の気筒に対応するパルスであると判別する。図4
の実施形態において、割り込み信号IN2が発生したと
きに実行される割り込みルーチンのアルゴリズムを示す
フローチャートの一例を図8に示した。
【0081】図8に示した割り込みルーチンでは、まず
ステップ1においてリラクタ通過時間データTnを読み
込み、このデータをRAMに記憶させる。次いでステッ
プ2でデータTn−1及びTn*kの双方が1バイトの
データであるか否かを判定し、Tn−1及びTn*kの
双方が1バイトのデータではない(Tn−1及びTn*
kの少なくとも一方は2バイトのデータである)と判定
されたときには、ステップ3に進んでTn−1>Tn*
kが成立しているか否かを判定するための演算を1バイ
トの演算式を用いて行う。その結果、Tn−1>Tn*
kが成立していると判定されたときには、ステップ4に
進んで今回の割り込み信号IN2を発生させたパルスが
第1気筒用のパルスであると判定し、ステップ5で第1
気筒用点火タイマに点火時期計測時間をセットして該タ
イマをスタートさせる。その後、ステップ6でRAMに
記憶されているTnをTn−1としてメインルーチンに
戻る。マイクロコンピュータは、第1気筒用の点火タイ
マが点火時期を計測したときに第1気筒用の単位点火回
路U1に点火信号を与える。
【0082】ステップ3において、Tn−1>Tn*k
が成立しないと判定されたときには、ステップ7に進ん
で今回の割り込み信号IN2を発生させたパルスが他の
気筒用のパルスであると判定し、ステップ8で他の気筒
用点火タイマに点火時期計測時間をセットする。その後
ステップ6に移行して、RAMに記憶されているTnを
Tn−1としてメインルーチンに戻る。他の気筒用の点
火タイマが点火時期を計測したときに他の気筒用の点火
信号を発生させる。
【0083】またステップ2でTn−1及びTn*kの
双方が1バイトのデータであると判定されたときには、
次いでステップ9に進んでTn−1>Tn*kの関係が
成立しているか否かを判定するための演算を1バイトの
演算式を用いて行う。その結果Tn−1>Tn*kの関
係が成立していると判定されたときには、ステップ4に
移行し、Tn−1>Tn*kの関係が成立していないと
判定されたときには、ステップ7に移行する。
【0084】図8に示した例では、ステップ2によりデ
ータ規模判定手段17aが構成される。またステップ3
とステップ4及び7とにより、第1のパルス判別手段1
7bが構成され、ステップ9とステップ4及び7とによ
り、第2のパルス判別手段17cが構成される。
【0085】上記のように構成すると、機関の始動時に
データ規模判定手段によりTn*k及びTn−1の少な
くとも一方が2バイトのデータであると判定されたとき
にのみ2バイトの演算を行えばよく、機関の回転速度が
上昇した後は1バイトの演算を行えばよいため、基準パ
ルスの気筒判別処理に要する時間を更に短縮して点火時
期の遅れを少なくすることができる。
【0086】Tn*k(k=2)のデータ量が1バイト
を超えるのは、機関の回転速度が101[rpm]以下
の場合のみであり、回転速度が102[rpm]以上に
なるとTn*kのデータ量は1バイト以内に収まる。従
って、2バイトの演算が必要になるのは、機関の始動時
のみであり、機関が始動した後は、常に1バイトの演算
により基準パルスの気筒判別を行うことができる。
【0087】従って、上記のように構成すると、機関の
始動時にデータ規模判定手段によりTn*k及びTn−
1の少なくとも一方が2バイトのデータであると判定さ
れたときにのみ2バイトの演算を行えばよく、機関が始
動した後は1バイトの演算を行えばよいため、基準パル
スの気筒判別処理に要する時間を更に短縮して点火時期
の遅れを少なくすることができる。
【0088】上記の例では、パルサがリラクタの回転方
向の後端側のエッジを検出したときに発生する後端エッ
ジ検出パルスVs2を、点火時期の計測を開始するタイ
ミングを定める基準パルスとして用いているが、パルサ
がリラクタの回転方向の前端側のエッジを検出したとき
に発生する前端エッジ検出パルスVs1を基準パルスと
して用いるようにしてもよい。
【0089】上記の例では、クロックパルスの周期を1
μsecとしたが、クロックパルスの周期は上記の例に
限定されない。
【0090】上記の例では、点火回路1がコンデンサ放
電式の回路からなっているが、電流遮断形の点火回路を
用いる場合にも本発明を適用することができる。
【0091】上記の実施形態では、4気筒の内燃機関を
点火する場合を例にとったが、本発明は、2気筒以上の
多気筒内燃機関を点火する点火装置に広く適用すること
ができる。
【0092】上記の実施形態では、ロータに設けられた
各リラクタが機関の気筒に1対1で対応しているが、本
発明において、必ずしもこのように各リラクタが機関の
気筒に1対1で対応している必要がないのは、課題を解
決するための手段の項で述べた通りである。例えば、上
記の実施形態において、内燃機関が2サイクル4気筒機
関である場合には、点火回路U2とU4のそれぞれの点
火コイルを同時発火コイルとして、それぞれの点火コイ
ルの二次コイルを2つの気筒の点火プラグに接続する構
成をとることにより、点火回路U1及びU3を省略する
ことができる。この場合、信号発生装置のロータにはリ
ラクタr2とr4のみを設けて、各リラクタを点火時期
が180°異なる2つの気筒に対応させるようにすれば
よい。
【0093】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、8ビッ
トのタイマと、このタイマが256個のクロックパルス
を計数する毎にマイクロコンピュータが実行するプログ
ラムに割り込みをかけて、この割り込みの回数を最大2
バイトのデータとしてRAMに記憶する割り込み回数記
憶手段とを備えたリラクタ通過時間データ計測手段を設
けて、このリラクタ通過時間データ計測手段に仮想の1
6ビットタイマとしての動作を行わせるするとともに、
パルサが各後端エッジ検出パルスが発生したときに上記
割り込み回数記憶手段から読み出した割り込み回数をリ
ラクタ通過時間データとして、このリラクタ通過時間デ
ータから各パルスがいずれの気筒に対応するパルスであ
るかを判別するようにパルス判別手段を構成したので、
安価な8ビットタイマを用いて、16ビットの値をとる
時間を計測することができる。
【0094】また上記仮想の16ビットタイマが計測す
るパルスの周期はクロックパルスの周期の256倍にな
るため、機関の回転速度が50ないし100[rpm]
のように低い領域でも、該16ビットタイマがオーバフ
ローすることはない。従って、本発明によれば、機関の
回転速度が100[rpm]のときはもちろん、50
[rpm]のときでも、2バイトを超える計算式や数値
を用いることなく、パルスの気筒判別処理を行うことが
でき、パルスの気筒判別に要する時間を短くして点火時
期の遅れを少なくすることができる。
【0095】また本発明において、リラクタ通過時間デ
ータTnに定数k(kは1以上の実数)を乗じたデータ
Tn*k及び1つ前のリラクタ通過時間データTn−1
の双方が1バイトのデータであるか少なくとも一方が2
バイトのデータであるかを判定するデータ規模判定手段
を設けて、このデータ規模判定手段によりデータTn*
k及びTn−1の少なくとも一方が2バイトのデータで
あると判定されたときに、データTn*kとTn−1と
の間にTn−1>Tn*kの関係が成立しているか否か
の判定を2バイトの演算式を用いて行い、データ規模判
定手段によりデータTn*k及びTn−1が共に1バイ
トのデータであると判定されたときにはTn−1>Tn
*kの関係が成立しているか否かの判定を1バイトの演
算式を用いて行うようにした場合には、機関の始動時に
データ規模判定手段によりTn*k及びTn−1の少な
くとも一方が2バイトのデータであると判定されたとき
にのみ2バイトの演算を行えばよく、機関の回転速度が
上昇した後は1バイトの演算を行えばよいため、基準パ
ルスの気筒判別処理に要する時間を更に短縮して点火時
期の遅れを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする多気筒内燃機関用点火装置
の構成例を示した構成図である。
【図2】図1の点火装置で用いるパルサの出力波形と、
リラクタ通過時間を計測するタイマの計測動作と、マイ
クロコンピュータに与えられる割り込み信号とを示した
タイミングチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態の構成を示したブロッ
ク図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の構成を示したブロッ
ク図である。
【図5】本発明に係わる点火装置において、パルサが前
端エッジ検出パルスを発生したときに行われる割り込み
ルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャート
である。
【図6】本発明の第1の実施形態において、パルサが後
端エッジ検出パルスを発生したときに実行される割り込
みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャー
トである。
【図7】本発明に係わる点火装置において、8ビットタ
イマが256μsecを計測する毎に実行される割り込
みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャー
トである。
【図8】本発明の第2の実施形態において、パルサが後
端エッジ検出パルスを発生したときに実行される割り込
みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフローチャー
トである。
【図9】従来の多気筒内燃機関用点火装置においてパル
サが後端エッジ検出パルスを発生したときに実行される
割り込みルーチンのアルゴリズムの一例を示したフロー
チャートである。
【語句の説明】
1…点火回路,2…信号発生装置、3…点火時期制御装
置、5…電源回路、11…8ビットタイマ、12…回転
速度演算手段、13…点火時期決定手段、14…タイマ
割り込み手段、15…割り込み回数記憶手段、16…リ
ラクタ通過時間データ記憶手段、17…パルス判別手
段、17a…データ規模判定手段、17b…第1のパル
ス判別手段、17c…第2のパルス判別手段、18…点
火信号発生手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 376 F02P 3/04 303G F02P 3/04 303 7/067 302C 7/067 302 5/15 C 17/00 E 17/00 U Fターム(参考) 3G019 AB01 AC01 BA02 DB07 DB13 DC06 GA01 GA02 GA05 HA15 HA16 3G022 CA01 FA02 GA01 GA02 GA05 3G084 BA00 BA17 CA01 DA04 DA06 EA05 EC02 EC05 FA33 FA35 FA39

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2以上の気筒を有する多気筒内燃機関の
    少なくとも1つの気筒に対応しているリラクタをn個
    (nは2以上の整数)有して、1つのリラクタの極弧角
    が他のリラクタの極弧角よりも大きく設定されたロータ
    と前記ロータの各リラクタの回転方向の前端側エッジ及
    び後端側エッジをそれぞれ検出したときに前端エッジ検
    出パルス及び後端エッジ検出パルスを発生するパルサと
    を備えて前記ロータが前記内燃機関の回転軸に取り付け
    られた信号発生装置と、前記内燃機関の各気筒に対応す
    る点火信号が与えられたときに各気筒で点火動作を行わ
    せる点火回路と、マイクロコンピュータを用いて前記点
    火回路に各気筒用の点火信号を与える時期を制御する点
    火時期制御装置とを備え、 前記点火時期制御装置は、前記パルサが各リラクタの前
    端側エッジを検出して前端エッジ検出パルスを発生して
    から続いて同じリラクタの後端側エッジを検出して後端
    エッジ検出パルスを発生するまでの時間に相当するデー
    タをリラクタ通過時間データとして計測するリラクタ通
    過時間データ計測手段と、前記極弧角が大きい1つのリ
    ラクタに対して計測したリラクタ通過時間データと他の
    リラクタに対して計測したリラクタ通過時間データとを
    比較して前記パルサが発生する一連の前端エッジ検出パ
    ルス及び後端エッジ検出パルスがそれぞれいずれの気筒
    に対応するパルスであるかを判別するパルス判別手段
    と、前記内燃機関の各気筒の点火時期を決定する点火時
    期決定手段と、前記点火時期決定手段により決定された
    各気筒の点火時期を前記パルス判別手段により判別され
    た各気筒に対応する前端エッジ検出パルスの発生タイミ
    ングまたは後端エッジ検出パルスの発生タイミングを基
    準として検出して、各気筒の点火時期を検出したときに
    前記点火回路に与える各気筒用の点火信号を発生する点
    火信号発生手段とを備えている多気筒内燃機関用点火装
    置において、 前記リラクタ通過時間データ計測手段は、クロックパル
    スを計数することにより計時動作を行う8ビットのタイ
    マと、前記タイマが256個のクロックパルスを計数す
    る毎に前記マイクロコンピュータが実行するプログラム
    に割り込みをかけて、この割り込みの回数を最大2バイ
    トのデータとしてRAMに記憶する割り込み回数記憶手
    段とを備え、 前記パルス判別手段は、前記パルサが各後端エッジ検出
    パルスが発生したときに前記割り込み回数記憶手段から
    読み出した割り込み回数を前記リラクタ通過時間データ
    として各パルスがいずれの気筒に対応するパルスである
    かを判別するように構成されていること、 を特徴とする多気筒内燃機関用点火装置。
  2. 【請求項2】 2以上の気筒を有する多気筒内燃機関の
    少なくとも1つの気筒に対応しているリラクタをn個
    (nは2以上の整数)有して、1つのリラクタの極弧角
    が他のリラクタの極弧角よりも大きく設定されたロータ
    と前記ロータの各リラクタの回転方向の前端側エッジ及
    び後端側エッジをそれぞれ検出したときに前端エッジ検
    出パルス及び後端エッジ検出パルスを発生するパルサと
    を備えて前記ロータが前記内燃機関の回転軸に取り付け
    られた信号発生装置と、前記内燃機関の各気筒に対応す
    る点火信号が与えられたときに各気筒で点火動作を行わ
    せる点火回路と、マイクロコンピュータを用いて前記点
    火回路に各気筒用の点火信号を与える時期を制御する点
    火時期制御装置とを備え、 前記点火時期制御装置は、前記パルサが各リラクタの前
    端側エッジを検出して前端エッジ検出パルスを発生して
    から続いて同じリラクタの後端側エッジを検出して後端
    エッジ検出パルスを発生するまでの時間に相当するデー
    タをリラクタ通過時間データとして計測するリラクタ通
    過時間データ計測手段と、前記極弧角が大きい1つのリ
    ラクタに対して計測したリラクタ通過時間データと他の
    リラクタに対して計測したリラクタ通過時間データとの
    差に基づいて前記パルサが発生する一連の前端エッジ検
    出パルス及び後端エッジ検出パルスがそれぞれいずれの
    気筒に対応するパルスであるかを判別するパルス判別手
    段と、前記内燃機関の各気筒の点火時期を決定する点火
    時期決定手段と、前記点火時期決定手段により決定され
    た各気筒の点火時期を前記パルス判別手段により判別さ
    れた各気筒に対応する前端エッジ検出パルスの発生タイ
    ミングまたは後端エッジ検出パルスの発生タイミングを
    基準として検出して、各気筒の点火時期を検出したとき
    に前記点火回路に各気筒用の点火信号を与える点火時期
    検出手段とを備えている多気筒内燃機関用点火装置にお
    いて、 前記リラクタ通過時間データ計測手段は、クロックパル
    スを計数することにより計時動作を行う8ビットのタイ
    マと、前記タイマが256個のクロックパルスを計数す
    る毎に前記マイクロコンピュータが実行するプログラム
    に割り込みをかけて、この割り込みの回数を最大2バイ
    トのデータとしてRAMに記憶する割り込み回数記憶手
    段とを備え、 前記パルス判別手段は、前記パルサが各後端エッジ検出
    パルスを発生したときに前記割り込み回数記憶手段によ
    り記憶されている割り込み回数を前記リラクタ通過時間
    データとして記憶するリラクタ通過時間データ記憶手段
    と、前記リラクタ通過時間データ記憶手段により新たに
    記憶されたリラクタ通過時間データTnに定数k(kは
    1以上の実数)を乗じた値Tn*kと1つ前の後端エッ
    ジ検出パルスが発生したときに前記リラクタ通過時間デ
    ータ記憶手段により記憶されたリラクタ通過時間データ
    Tn−1との間にTn−1>Tn*kの関係が成立した
    ときに今回発生した後端エッジ検出パルスが特定の気筒
    に対応するパルスであると判別し、前記Tn*kとTn
    −1との間にTn−1>Tn*kの関係が成立しないと
    きに今回発生した後端エッジ検出パルスが特定の気筒以
    外の他の気筒に対応するパルスであると判別するパルス
    判別手段とを備えていること、 を特徴とする多気筒内燃機関用点火装置。
  3. 【請求項3】 2以上の気筒を有する多気筒内燃機関の
    少なくとも1つの気筒に対応しているリラクタをn個
    (nは2以上の整数)有して、1つのリラクタの極弧角
    が他のリラクタの極弧角よりも大きく設定されたロータ
    と前記ロータの各リラクタの回転方向の前端側エッジ及
    び後端側エッジをそれぞれ検出したときに前端エッジ検
    出パルス及び後端エッジ検出パルスを発生するパルサと
    を備えて前記ロータが前記内燃機関の回転軸に取り付け
    られた信号発生装置と、前記内燃機関の各気筒に対応す
    る点火信号が与えられたときに各気筒で点火動作を行わ
    せる点火回路と、マイクロコンピュータを用いて前記点
    火回路に各気筒用の点火信号を与える時期を制御する点
    火時期制御装置とを備え、 前記点火時期制御装置は、前記パルサが各リラクタの前
    端側エッジを検出して前端エッジ検出パルスを発生して
    から続いて同じリラクタの後端側エッジを検出して後端
    エッジ検出パルスを発生するまでの時間に相当するデー
    タをリラクタ通過時間データとして計測するリラクタ通
    過時間データ計測手段と、前記極弧角が大きい1つのリ
    ラクタに対して計測したリラクタ通過時間データと他の
    リラクタに対して計測したリラクタ通過時間データとの
    差に基づいて前記パルサが発生する一連の前端エッジ検
    出パルス及び後端エッジ検出パルスがそれぞれいずれの
    気筒に対応するパルスであるかを判別するパルス判別手
    段と、前記内燃機関の各気筒の点火時期を決定する点火
    時期決定手段と、前記点火時期決定手段により決定され
    た各気筒の点火時期を前記パルス判別手段により判別さ
    れた各気筒に対応する前端エッジ検出パルスの発生タイ
    ミングまたは後端エッジ検出パルスの発生タイミングを
    基準として検出して、各気筒の点火時期を検出したとき
    に前記点火回路に各気筒用の点火信号を与える点火時期
    検出手段とを備えている多気筒内燃機関用点火装置にお
    いて、 前記リラクタ通過時間データ計測手段は、クロックパル
    スを計数することにより計時動作を行う8ビットのタイ
    マと、前記タイマが256個のクロックパルスを計数す
    る毎に前記マイクロコンピュータが実行するプログラム
    に割り込みをかけて、この割り込みの回数を最大2バイ
    トのデータとしてRAMに記憶する割り込み回数記憶手
    段とを備え、 前記パルス判別手段は、前記パルサが各後端エッジ検出
    パルスを発生したときに前記割り込み回数記憶手段によ
    り記憶されている割り込み回数を前記リラクタ通過時間
    データとして記憶するリラクタ通過時間データ記憶手段
    と、今回の後端エッジ検出パルス発生時に前記リラクタ
    通過時間データ記憶手段により記憶された今回のリラク
    タ通過時間データTnに定数k(kは1以上の実数)を
    乗じたデータTn*k及び1つ前の後端エッジ検出パル
    スが発生したときに前記リラクタ通過時間データ記憶手
    段により記憶された前回のリラクタ通過時間データTn
    −1の双方が1バイトのデータであるか少なくとも一方
    が2バイトのデータであるかを判定するデータ規模判定
    手段と、前記データ規模判定手段によりデータTn*k
    及びTn−1の少なくとも一方が2バイトのデータであ
    ると判定されたときに、データTn*kとTn−1との
    間にTn−1>Tn*kの関係が成立しているか否かの
    判定を2バイトの演算式を用いて行ってTn−1>Tn
    *kの関係が成立していると判定されたときに今回発生
    した後端エッジ検出パルスが特定の気筒に対応するパル
    スであると判別する第1のパルス判別手段と、前記デー
    タ規模判定手段によりデータTn*k及びTn−1が共
    に1バイトのデータであると判定されたときに今回のリ
    ラクタ通過時間データTnに定数k(kは1以上の実
    数)を乗じた値Tn*kと前回のリラクタ通過時間デー
    タTn−1との間にTn−1>Tn*kの関係が成立し
    ているか否かの判定を1バイトの演算式を用いて行っ
    て、Tn−1>Tn*kの関係が成立していると判定さ
    れたときに今回発生した後端エッジ検出パルスが特定の
    気筒に対応するパルスであると判別する第2のパルス判
    別手段とを備えていること、 を特徴とする多気筒内燃機関用点火装置。
JP2002048416A 2002-02-25 2002-02-25 多気筒内燃機関用点火装置 Pending JP2003254213A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015186760A1 (ja) * 2014-06-03 2015-12-10 株式会社ミクニ エンジンの制御装置

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