JP2003293922A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
内燃機関用点火装置Info
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】機関の極低速時に点火時期が過進角して機関の
動作が不安定になったり機関が停止したりするのを防止
する。 【解決手段】パルサ2が、点火時期の計測の基準位置を
与える第1のパルス信号Vs1を発生した時に、このパル
ス信号の発生周期Tnを読み込んで、このパルスの発生
周期Tnを設定値Tn1と比較することにより、機関の現
在の回転速度が設定速度を超えているか否かを判定す
る。この判定の結果、回転速度が設定速動以下であると
判定された時には、予め定めた固定の点火時期に点火を
行わせ、回転速度が設定速度を超えていると判定された
時には、点火時期演算手段5により演算され、点火時期
補正手段6により補正された点火時期に点火を行わせ
る。
動作が不安定になったり機関が停止したりするのを防止
する。 【解決手段】パルサ2が、点火時期の計測の基準位置を
与える第1のパルス信号Vs1を発生した時に、このパル
ス信号の発生周期Tnを読み込んで、このパルスの発生
周期Tnを設定値Tn1と比較することにより、機関の現
在の回転速度が設定速度を超えているか否かを判定す
る。この判定の結果、回転速度が設定速動以下であると
判定された時には、予め定めた固定の点火時期に点火を
行わせ、回転速度が設定速度を超えていると判定された
時には、点火時期演算手段5により演算され、点火時期
補正手段6により補正された点火時期に点火を行わせ
る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロコンピュ
ータを用いて機関の点火時期を制御する内燃機関用点火
装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】マイクロコンピュータにより点火時期を
制御する内燃機関用点火装置は、点火信号が与えられた
時に点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の
クランク軸の回転角度位置が該機関の低速時の点火時期
に相当する回転角度位置よりも一定角度進角した位置に
設定された基準位置θ3 に一致したときに第1のパルス
信号Vs1を発生し、内燃機関の回転角度位置が低速時の
点火時期に相当する回転角度位置(点火位置)θ1 に一
致したときに第2のパルス信号Vs2を発生するパルサ
と、パルサが第1のパルス信号Vs1を発生する周期(ク
ランク軸が1回転するのに要する時間)を計測するパル
ス発生周期計測手段と、パルス発生周期計測手段により
計測された第1のパルス信号Vs1の発生周期から内燃機
関の回転速度を演算する回転速度演算手段及びこの回転
速度演算手段により演算された回転速度に対して内燃機
関の点火時期を演算する点火時期演算手段を有する主制
御手段と、パルサが第1のパルス信号Vs1を発生した時
に上記パルス発生周期計測手段により計測された第1の
パルス信号Vs1の発生周期を読み込むパルス発生周期読
み込み手段及びパルサが第1のパルス信号Vs2を発生し
た時に点火タイマに点火時期計測用の計測値をセットし
て該点火タイマに点火時期の計測を開始させる点火タイ
マセット手段を有するパルサ割込み制御手段と、点火タ
イマが点火時期の計測を完了した時またはパルサが第2
のパルス信号を発生した時に点火回路に点火信号を与え
る点火信号供給手段とを備えている。 【0003】従来のこの種の点火装置においては、パル
サが発生する第1のパルス信号の発生周期をCPUによ
り計測することにより機関のクランク軸が1回転するの
に要する時間Tnを計測して、この計測値Tnから機関
の回転速度Nを演算し、演算した回転速度に対して例え
ば図5に示すように点火時期θを変化させている。 【0004】即ち、演算された回転速度Nがアイドリン
グ回転速度N2 よりも低い始動完了速度にほぼ等しく設
定された設定速度N1 以下であるときには、パルサが機
関の上死点付近に設定された始動時及び極低速時の点火
時期に相当する回転角度位置(点火位置)θ1 で第2の
パルス信号を発生した時に点火回路に点火信号を与えて
点火動作を行わせる。 【0005】演算された回転速度Nが始動完了速度にほ
ぼ等しい設定速度N1 を超え、進角開始回転速度N3 未
満であるときには、アイドリング回転速度N2 を維持す
るために適した点火位置θ2 (θ1 とθ3 との間の位
置)をCPUにより演算して、この点火位置θ2 で点火
回路に点火信号を与えて点火動作を行わせる。 【0006】また回転速度Nが進角開始回転速度N3 以
上になったときには、アイドリング時の点火位置θ2 よ
りも進角した位置で機関を点火するように、点火位置を
回転速度Nの上昇に伴って進角させる。 【0007】図5はあくまでも一例を示したものである
が、この例では、始動時の点火位置θ1 が上死点TDC
よりも機械角で8°進角した位置に設定され、アイドリ
ング付近の点火位置θ2 は上死点TDCよりも機械角で
14°進角した位置に設定されている。またパルサが第
1のパルス信号を発生する位置(基準位置)θ3 と第2
のパルサ信号を発生する始動時の点火位置θ1 との間の
角度は30°であり、第1のパルス信号の発生位置θ3
は上死点前38°の位置に設定されている。また設定速
度N1 、アイドリング速度N2 及び進角開始回転速度N
3 はそれぞれ、N1 =1000[rpm],N2 =15
00[rpm],N3 =2500[rpm]である。 【0008】図5において、N≦N1 の領域はパルサが
発生する第2のパルス信号の発生位置により決まる固定
の点火位置で点火が行われる領域であり、N>N1 の領
域はCPUにより演算された点火位置で点火が行われる
領域である。本明細書では、常に固定の点火位置θ1 で
点火が行われるN≦N1 の領域を固定点火領域と呼び、
点火位置が演算により決められるN>N1 の領域を演算
点火領域と呼ぶ。 【0009】上記のように、マイクロコンピュータを用
いて点火時期を制御するようにした従来の内燃機関用点
火装置においては、図8及び図9のようなアルゴリズム
により点火時期を制御していた。図8はマイクロコンピ
ュータが実行するプログラムのメインルーチンを示し、
図9はパルサが第1のパルス信号を発生する毎に実行さ
れるパルサ割込みルーチンを示している。 【0010】このアルゴリズムに従う場合には、CPU
の電源が確立した後、先ず図8のステップ1において各
部をイニシャライズし、割込みを許可した後、ステップ
2において、パルサが発生する第1のパルス信号の発生
周期に相当する時間(回転速度計測時間)Tnを回転速
度Nに換算する。この回転速度計測時間Tnは、機関の
クランク軸が1回転するのに要する時間であり、パルサ
が第1のパルス信号を発生する毎に実行される図9のパ
ルサ割込みルーチンのステップ1で読み込まれる。 【0011】図8のステップ2において回転速度Nを演
算した後、同図のステップ3において、演算された回転
速度Nにおける点火時期を演算する。この点火時期は、
第1のパルス信号が発生する位置である基準位置θ3 か
ら点火時期に相当する回転角度位置(点火位置)θiま
で機関のクランク軸が回転するのに要する時間(点火時
期計測用タイマ時間と呼ぶ。)の形で演算される。 【0012】点火時期を演算した後、図8のステップ4
において回転速度Nが始動完了速度N1 を超えているか
否かを判定し、回転速度Nが始動完了速度N1 を超えて
いるときには、ステップ5において回転速度が演算点火
領域にあると判定し、ステップ6において他の必要な演
算処理を行わせた後、ステップ2に戻る。ステップ4に
おいて回転速度4が始動完了速度N1 以下であると判定
されたときには、ステップ7において回転速度が固定点
火領域にあると判定した後ステップ6に移行する。 【0013】パルサが第1のパルス信号を発生する毎に
図9の割り込みルーチンが実行される。この割込みルー
チンでは先ずステップ1においてパルス発生周期計測手
段を構成するタイマが計測している時間Tn(第1のパ
ルス信号の発生周期)をロードし、次いでステップ2に
おいて、メインルーチンで回転速度Nが演算点火領域に
あると判定されているか否かを確認する。その結果、メ
インルーチンにおいて演算点火領域にあると判定されて
いるときには、ステップ3に進んで、点火タイマ(クロ
ックパルスをカウントすることにより計時動作を行って
点火時期を計測するタイマ)に点火時期計測用タイマ時
間をセットして該点火タイマによる計時動作を開始させ
る。その後更に他の処理が必要な場合には、ステップ4
でその処理を行った後メインルーチンに戻る。 【0014】図9のステップ2において、メインルーチ
ンで回転速度が固定点火領域にあると判定されているこ
とが確認されたときには、点火タイマをセットすること
なくステップ4に移行する。 【0015】図8のメインルーチンにおいて機関の回転
速度が演算点火領域にあると判定されている状態で、図
9のステップ3が実行されて点火タイマがセットされた
ときには、該点火タイマが点火時期計測用タイマ時間の
計測を完了した時に点火回路に点火信号が与えられ、演
算された点火時期に点火が行われる。 【0016】またメインルーチンで回転速度が固定点火
領域にあると判定され、図9のステップ3が実行されな
いときには、パルサが固定点火位置θ1 で第2のパルス
信号を発生した時に点火回路に点火信号が与えられて点
火動作が行われる。 【0017】この例では、図8のステップ2により回転
速度演算手段が、またステップ3により点火時期演算手
段がそれぞれ実現され、これらの手段を実現するメイン
ルーチンにより主制御手段が構成される。また図9のス
テップ1により、パルス発生周期読み込み手段が、また
ステップ3により点火タイマセット手段がそれぞれ実現
され、これらの手段を実現する図9の割込みルーチンに
より、割込み制御手段が構成される。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、マイク
ロコンピュータにより点火時期を制御するようにした従
来の点火装置では、各点火サイクルにおいて回転速度が
固定点火領域にあるか、演算点火領域にあるかの判定
(回転速度領域の判定)をメインルーチンで行っていた
ため、同判定を各点火サイクルのパルサ割込みルーチン
で取り込んだ最新の回転速度計測時間を用いて行うこと
ができず、前回の点火サイクルのパルサ割込みルーチン
で取り込んだ1回転前の回転速度計測時間Tnを用いて
行わざるを得なかった。 【0019】そのため、点火サイクル毎の回転速度変動
が大きい機関の低速時に、各点火サイクルにおける回転
速度領域の判定を正確に行うことができないことがあ
り、機関の点火時期が適正な時期から大きくずれること
があった。 【0020】特に、機関の極低速時に、或点火サイクル
において、機関の回転速度が固定点火領域にあるにも拘
らず、1回転前に取り込んだ回転速度計測時間Tnに基
づいてメインルーチンで行われた回転速度領域の判定結
果が演算点火領域である場合には、その点火サイクルに
おける点火時期が正規の時期(固定点火位置)よりも進
角してしまうため、機関の回転が不安定になったり、機
関が停止したりすることがあった。 【0021】本発明の目的は、点火サイクル毎の回転速
度変動が大きい機関の低速時に、回転速度領域の判定
を、最新の回転速度計測時間を用いて正確に行うことが
できるようにして、点火時期の過進角を防ぎ、機関を安
定に動作させることができるようにした内燃機関用点火
装置を提供することにある。 【0022】 【課題を解決するための手段】本発明は、点火信号が与
えられた時に点火用の高電圧を発生する点火回路と、内
燃機関の回転角度位置が該機関の低速時の点火時期に相
当する回転角度位置よりも一定角度進角した位置に設定
された基準位置に一致したときに第1のパルス信号を発
生し、内燃機関の回転角度位置が低速時の点火時期に相
当する回転角度位置に一致したときに第2のパルス信号
を発生するパルサと、パルサが第1のパルス信号を発生
する周期を計測するパルス発生周期計測手段と、パルス
発生周期計測手段により計測された第1のパルス信号の
発生周期から内燃機関の回転速度を演算する回転速度演
算手段及びこの回転速度演算手段により演算された回転
速度に対して内燃機関の点火時期を演算する点火時期演
算手段を有する主制御手段と、パルサが第1のパルス信
号を発生した時にパルス発生周期計測手段により計測さ
れた第1のパルス信号の発生周期を読み込むパルス発生
周期読み込み手段及びパルサが第1のパルス信号を発生
した時に点火タイマに点火時期を計測するための計測値
をセットして該点火タイマに点火時期の計測を開始させ
る点火タイマセット手段を有するパルサ割込み制御手段
と、点火タイマが点火時期の計測を完了した時または第
2のパルス信号が発生した時に点火回路に点火信号を与
える点火信号供給手段とを備えた内燃機関用点火装置を
対象とする。 【0023】本発明においては、上記パルス発生周期読
み込み手段が第1のパルス信号の発生周期を読み込んだ
直後に今回読み込まれた第1のパルス信号の発生周期を
設定値と比較して今回読み込まれた第1のパルス信号の
発生周期が設定値未満の時に内燃機関の回転速度が設定
値を超えたと判定する回転速度判定手段をパルサ割込み
制御手段に設ける。 【0024】また、点火タイマセット手段は、上記回転
速度判定手段により内燃機関の回転速度が設定値を超え
ていると判定されたときにのみ点火タイマに点火時期の
計測を開始させるように構成される。 【0025】更に、主制御手段には、第1のパルス信号
が発生してから点火タイマがセットされるまでに要する
時間の存在に起因する点火時期の遅れを無くすように点
火時期演算手段が演算した点火時期を補正する点火時期
補正手段を設けておく。 【0026】上記のように構成すると、各点火サイクル
においてパルサが第1のパルス信号を発生する毎に回転
速度領域の判定を行って、その判定結果に応じて、固定
点火または演算点火を行わせることができるため、固定
点火を行うべき機関の極低速時に過進角した位置で演算
点火が行われて機関の動作が不安定になったり、機関が
停止したりするのを防ぐことができる。 【0027】また上記のように、第1のパルサ信号が発
生した時に回転速度領域の判定処理を行うと、この判定
処理を行うのに要する時間に相当する分だけ点火タイマ
のセットが遅れるが、本発明では、回転速度判定手段が
判定を行うのに要する時間の存在に起因する点火時期の
遅れを無くすように、回転速度に対して演算した点火時
期を補正する点火時期補正手段を主制御部に設けたの
で、点火タイマをセットする前に回転速度領域の判定を
行わせたことにより点火時期が正規の点火時期から遅れ
るのを防ぐことができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下図1ないし図7を参照して本
発明の実施の一形態を説明する。図1は本発明に係わる
内燃機関用点火装置の構成例を示したブロック図、図2
は図1の点火装置で用いる点火回路の構成例を示した回
路図、図3は同点火装置で用いるパルサが発生するパル
ス信号の波形の一例を示した波形図、図4は図1の点火
装置で用いる点火回路のコンデンサの端子電圧の波形と
パルサの出力波形との一例を示した波形図、図5は本発
明が対象とする内燃機関用点火装置により得られる点火
特性の一例を示した線図である。また図6及び図7はそ
れぞれ本発明の実施形態においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズム
及びパルサ割込みルーチンのアルゴリズムの一例を示し
たフローチャートである。 【0029】図1において、1は点火回路、2はパル
サ、3はパルス発生周期計測手段、4及び5はそれぞれ
回転速度演算手段及び点火時期演算手段、6は点火時期
補正手段である。また7はパルス発生周期読み込み手
段、8は回転速度判定手段、9は点火タイマセット手
段、10は点火タイマ、11は点火信号供給手段であ
る。 【0030】各部の構成を説明すると、点火回路1は、
点火信号が与えられた時に点火用の高電圧を発生する回
路で、この点火回路としては、コンデンサ放電式の回路
や、電流遮断式の回路を用いることができる。本実施形
態では、点火回路1としてコンデンサ放電式の点火回路
を用いるものとする。 【0031】コンデンサ放電式の点火回路は、一般に、
点火コイルと、点火コイルの一次側に設けられて点火電
源の出力により一方の極性に充電される点火用コンデン
サと、点火信号が与えられたときに導通して点火用コン
デンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通
して放電させるように設けられた放電用スイッチと、放
電用スイッチに点火信号を与える点火時期制御部とによ
り構成される。 【0032】コンデンサ放電式の点火回路1の一例を図
2に示した。図2において、IGは一次コイルw1 及び
二次コイルw2 を有する点火コイルで、図示の例では一
次コイルw1 及び二次コイルw2 の一端が接地されてい
る。点火コイルの一次コイルw1 の他端に点火用コンデ
ンサCi の一端が接続され、コンデンサCi の他端と接
地間に放電用スイッチを構成するサイリスタThiがその
カソードを接地側に向けた状態で接続されている。コン
デンサCi の他端はまたカソードを該コンデンサ側に向
けたダイオードD1 を通して点火電源PSの出力端子に
接続され、点火コイルの一次コイルw1 の両端には、カ
ソードを接地側に向けたダイオードD2が接続されてい
る。またマイクロコンピュータを備えた点火時期制御部
100が設けられて、この点火時期制御部からサイリス
タThiのゲートに点火信号が与えられるようになってい
る。点火時期制御部100には、パルサ2が出力するパ
ルス信号が入力されている。また点火コイルIGの二次
コイルw2 の非接地側端子が、図示しない内燃機関の気
筒に取り付けられた点火プラグPの非接地側端子に高圧
コードを通して接続され、点火コイルの二次コイルw2
に誘起する点火用の高電圧が点火プラグPに印加される
ようになっている。 【0033】図2に示した点火回路1において、点火電
源PSは、点火用コンデンサCi を充電するための電圧
を発生する電源で、この電源としては、内燃機関に取り
付けられる磁石発電機内に設けられて、機関の回転に同
期して交流電圧を誘起するエキサイタコイルや、バッテ
リの電圧を昇圧して200[V]以上の高い電圧を発生
するDC−DCコンバータ等が用いられる。 【0034】図2に示した点火回路においては、点火用
コンデンサCi が点火電源PSの出力により図示の極性
に充電される。点火時期制御部100は、パルサ2が発
生するパルスから得た機関の回転速度情報に対して機関
の点火時期を演算して、演算した点火時期が検出された
ときにサイリスタThiに点火信号Viを与える。 【0035】点火用コンデンサCi が図示の極性に充電
されている状態で点火時期制御部100からサイリスタ
Thiに点火信号Viが与えられると、コンデンサCi の
端子電圧Vcがアノードカソード間に順方向に印加され
ているサイリスタThiが導通するため、コンデンサCi
の電荷がサイリスタThiと点火コイルIGの一次コイル
w1 とを通して放電し、点火コイルの一次コイルに立上
がりが速い一次電流が流れる。このとき点火コイルの一
次コイルには、一次電流が流れるのを妨げる方向の高い
電圧が誘起する。この電圧が更に昇圧されて二次コイル
w2 に点火用の高電圧が誘起するため、点火プラグPで
火花放電が生じ、機関が点火される。 【0036】パルサ2は、図1に示したように、機関の
クランク軸に取り付けられた鉄製のロータヨーク2aの
外周にリラクタ2a1を形成したロータ2Aと、リラクタ
2a1の回転方向の前端側のエッジ及び後端側のエッジを
それぞれ検出したときに図3に示すように極性が異なる
第1のパルス信号Vs1及び第2のパルス信号Vs2を発生
する信号発電子2Bとにより構成される。ロータヨーク
2aとしては、機関に取り付けられるフライホイール磁
石回転子のフライホイールを利用することができる。ま
た信号発電子2Bは、リラクタ2a1に対向する磁極部を
先端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルと、
該鉄心に磁気結合された永久磁石とを有する公知のもの
で、リラクタ2a1が該信号発電子の鉄心の磁極部との対
向を開始する際及び該対向を終了する際にそれぞれ鉄心
中で生じる磁束の変化により信号コイルにパルス信号を
誘起する。 【0037】図3に示した例では、第1のパルス信号V
s1及び第2のパルス信号Vs2がそれぞれ負極性のパルス
信号及び正極性のパルス信号からなっているが、信号コ
イルの巻き方により、第1のパルス信号Vs1を正極性の
信号とし、第2のパルス信号Vs2を負極性の信号とする
こともできる。 【0038】本実施形態で用いるパルサ2においては、
機関の上死点位置(ピストンが上死点TDCに達したと
きのクランク軸の回転角度位置)θ0 から僅かに進角し
た位置に設定された始動時及び極低速時の点火時期に相
当する回転角度位置θ1 よりも一定角度進角した位置に
設定された基準位置θ3 に機関の回転角度が一致したと
きに第1のパルス信号Vs1が発生し、内燃機関の回転角
度位置が低速時の点火時期に相当する回転角度位置θ1
に一致したときに第2のパルス信号Vs2が発生するよう
に、ロータ2Aと信号発電子2Bとの位置関係が設定さ
れている。 【0039】なお本明細書では、パルサ2が発生する各
パルス信号がしきい値Vthに達する位置を各パルス信号
の発生位置としている。 【0040】パルス発生周期計測手段3は、パルサ2が
第1のパルス信号Vs1を発生する周期を計測するもの
で、点火時期制御部100を構成するマイクロコンピュ
ータ内に設けられてクロックパルスを計数することによ
り計時動作を行うタイマと、該タイマを制御するために
マイクロコンピュータが実行するプログラムとにより構
成される。 【0041】マイクロコンピュータは、パルサ2から第
1のパルス信号が入力される毎にパルス発生周期計測用
のタイマの計測値Tnを読み込むとともに、該タイマを
リセットして、次の第1のパルス信号が発生するまでの
時間(クランク軸が次の1回転に要する時間)の計測を
開始させる。 【0042】なおクロックパルスを計数するフリーラン
ニングカウンタを計時手段として用いて、第1のパルス
信号が発生する毎に該カウンタの計数値を読み込み、新
たに読み込んだ計数値と前回の第1のパルス信号の発生
時に読み込んだ該フリーランニングカウンタの計数値と
の差を、第1のパルス信号の発生間隔として検出するよ
うにパルス発生周期計測手段3を構成することもでき
る。 【0043】回転速度演算手段4は、第1のパルス信号
Vs1の発生間隔を与える時間Tnから内燃機関の回転速
度を演算する。時間Tnの単位をmsecとすると、回
転速度N[rpm]は、以下の式により与えられる。 【0044】 N=6000/Tn [rpm] …(1) 点火時期演算手段5は、演算された内燃機関の回転速度
に対して、内燃機関の点火時期を演算する手段で、この
点火時期の演算は、回転速度Nと点火時期との間の関係
を与える点火時期演算用マップを用いて行うことができ
る。 【0045】点火時期は、パルサが第1のパルス信号を
発生する基準位置θ3 から点火時期に相当する回転角度
位置まで機関が回転するのに要する時間Ti(第1のパ
ルス信号の発生時刻から点火時期までの間に点火タイマ
に計測させる時間で、この時間を点火時期計測用タイマ
時間と呼ぶ。)の形で演算される。 【0046】基準位置θ3 と点火位置θiとの間の角度
をα°とすると、点火時期計測用タイマ時間Ti'[μs
ec]は下記の式により与えられる。 【0047】 Ti'=(6×107 /Tn)×(α°/360°) …(2) 点火時期補正手段6は、第1のパルス信号Vs1が発生し
てから後記するパルサ割込みルーチンで点火タイマがセ
ットされるまでに要する時間Δtの存在に起因する点火
時期の遅れを無くすように、点火時期演算手段が演算し
た点火時期を補正する。点火時期補正手段6は、下記の
演算を行うことにより実際に点火タイマに計測させる点
火時期計測用タイマ時間Tiを演算する。 【0048】 Ti=Ti'−Δt …(3) 本実施形態では、上記回転速度演算手段4と、点火時期
演算手段5と、点火時期補正手段6とにより、主制御手
段Mが構成されている。 【0049】パルス発生周期読み込み手段7は、パルサ
2が第1のパルス信号Vs1を発生した時にパルス発生周
期計測手段3により計測された第1のパルス信号の発生
周期Tnを読み込む手段で、読み込んだパルス発生周期
TnをRAMに格納する。 【0050】回転速度判定手段8は、パルサが第1のパ
ルス信号を発生した時に、現在の回転速度が固定点火領
域と演算点火領域との境界を与える回転速度を超えてい
るか否かを判定する(現在の回転速度が固定点火領域で
あるか演算点火領域であるかを判定する)ための手段
で、パルス発生周期読み込み手段7が第1のパルス信号
の発生周期Tnを読み込んだ直後に今回読み込まれた第
1のパルス信号の発生周期Tnを設定値Tn1と比較して
今回読み込まれた第1のパルス信号の発生周期Tnが設
定値Tn1未満の時に内燃機関の回転速度が設定速度を超
えたと判定するように構成される。 【0051】点火タイマセット手段9は、パルサ2が第
1のパルス信号Vs1を発生した時に点火タイマ10に点
火時期を計測するための計測値をセットして、該点火タ
イマに点火時期の計測を開始させる手段である。本発明
においては、この点火タイマセット手段が、回転速度判
定手段8により内燃機関の回転速度が設定速度を超えて
いると判定されたときにのみ点火タイマ10に点火時期
の計測を開始させるように構成される。 【0052】点火信号供給手段11は、点火タイマ10
が、点火時期演算手段5により演算され、点火時期補正
手段6により補正された点火時期の計測を完了した時、
または機関の始動時及び極低速時の点火位置θ1 でパル
サ2が第2のパルス信号Vs2が発生した時に点火回路1
に点火信号を与えるように構成される。 【0053】この例では、パルス発生周期読み込み手段
7と、回転速度判定手段8と、点火タイマセット手段9
とにより割込み制御手段INが構成されている。 【0054】本発明は、図1に示した構成の内、割込み
制御手段INに回転速度判定手段8を設けた点、回転速
度判定手段8により内燃機関の回転速度が設定速度を超
えていると判定されたときにのみ点火タイマ10に点火
時期の計測を開始させるように点かタイマセット手段9
を構成した点、及び第1のパルス信号が発生してから点
火タイマがセットされるまでに要する時間の存在に起因
する点火時期の遅れを無くすように点火時期演算手段が
演算した点火時期を補正する点火時期補正手段を主制御
手段Mに設けた点を特徴としている。 【0055】図1に示した各手段のうち、回転速度演算
手段4、点火時期演算手段5、点火時期補正手段6、パ
ルス発生周期読み込み手段7、回転速度判定手段8、及
び点火タイマセット手段9を実現するためにマイクロコ
ンピュータに実行させるプログラムのメインルーチン及
びパルサ割込みルーチンのアルゴリズムの一例をそれぞ
れ図6及び図7に示した。 【0056】図6及び図7に示したアルゴリズムによる
場合には、CPUの電源が確立した後、先ず図6のステ
ップ1において各部をイニシャライズし、割込みを許可
した後、ステップ2において、パルサが発生する第1の
パルス信号の発生周期に相当する時間(回転速度計測時
間)Tnを回転速度Nに換算する。この回転速度計測時
間Tnは、パルサが第1のパルス信号Vs1を発生する毎
に実行される図7のパルサ割込みルーチンのステップ1
で読み込まれる。 【0057】図6のステップ2において回転速度Nを演
算した後、同図のステップ3において、演算された回転
速度Nにおける点火時期を演算する。この点火時期は、
第1のパルス信号が発生する位置である基準位置θ3 か
ら点火時期に相当する回転角度位置(点火位置)θiま
で機関のクランク軸が回転するのに要する時間(点火時
期計測用タイマ時間)の形で演算される。 【0058】点火時期を演算した後、図6のステップ4
において、図7の割込みルーチンで実行されるTn<T
n1の判定のための演算処理に要する時間に起因する点火
時期の遅れをなくすように、ステップ3で演算された点
火時期を補正する。その後ステップ5において他の必要
な演算処理を行わせた後、ステップ2に戻る。 【0059】パルサが第1のパルス信号を発生する毎に
図7の割り込みルーチンが実行される。この割込みルー
チンでは先ずステップ1においてパルス発生周期計測手
段を構成するタイマが計測している時間Tn(第1のパ
ルス信号の発生周期)をロードし、ステップ2におい
て、時間Tnが設定回転速度N1に相応する設定値Tn1
未満であるか否かを判定する。その結果、Tn<Tn1で
あると判定されたとき(機関の現在の回転速度が設定速
度N1を超えていると判定されたとき)には、ステップ
3に進んで現在の回転速度が演算点火領域にあると判定
し、ステップ4で点火タイマ10に点火時期計測用タイ
マ時間Ti(図6のメインルーチンのステップ3で演算
され、ステップ4で補正された点火時期計測用タイマ時
間)をセットして、該点火タイマによる計時動作を開始
させる。その後更に他の処理が必要な場合には、ステッ
プ4でその処理を行った後メインルーチンに戻る。 【0060】図7の割込みルーチンのステップ2におい
て、Tn<Tn1でないと判定されたとき(機関の現在の
回転速度が設定速度N1以下であると判定されたとき)
には、ステップ6に進んで現在の回転速度が固定点火領
域にあると判定して、点火タイマをセットすることなく
メインルーチンに復帰する。 【0061】この例では、図6のメインルーチンのステ
ップ2により回転速度演算手段が、またステップ3によ
り点火時期演算手段がそれぞれ実現され、ステップ4に
より点火時期補正手段が構成される。これらの手段を実
現するメインルーチンにより主制御手段Mが構成され
る。 【0062】また図7のステップ1により、パルス発生
周期読み込み手段が、またステップ2により回転速度判
定手段がそれぞれ構成され、ステップ4により点火タイ
マセット手段が構成される。図7の割込みルーチンによ
り、割込み制御手段INが構成される。 【0063】上記のように、各点火サイクルにおいてパ
ルサ2が第1のパルス信号Vs1を発生する毎に、点火タ
イマのセットに先立って、機関の回転速度が固定点火領
域にあるのか演算点火領域にあるのかを判定するように
すると、回転速度領域の判定をリアルタイムで行うこと
ができるため、機関の低速時に回転速度領域が固定点火
領域であるにもかかわらず演算固定領域であると誤認し
て、過進角した位置で演算点火が行われるのを防ぐこと
ができる。従って、機関の極低速時に過進角した位置で
演算点火が行われて機関の動作が不安定になったり、機
関が停止したりするのを防ぐことができる。 【0064】また上記のように、第1のパルサ信号が発
生した時に回転速度領域の判定処理を行うと、この判定
処理を行うのに要する時間に相当する分だけ点火タイマ
のセットが遅れるため、点火時期演算手段により演算さ
れた点火時期計測用タイマ時間をそのまま点火タイマに
セットすると、点火時期が遅角するが、本発明では、回
転速度判定手段が判定を行うのに要する時間の存在に起
因する点火時期の遅れを無くすように、回転速度に対し
て演算した点火時期を補正する点火時期補正手段を主制
御手段に設けたので、点火タイマをセットする前に回転
速度領域の判定を行わせたことにより点火時期が正規の
点火時期から遅れるのを防ぐことができる。 【0065】上記点火時期補正手段は、点火時期演算手
段により演算された点火時期計測用タイマ時間Ti'か
ら、回転速度判定手段が判定処理を行うのに要する時間
(図7のステップ2を行うために必要な処理時間)Δt
を減じる前記(3)式の演算を行う過程により実現する
ことができる。 【0066】図1の点火装置において、機関の回転速度
変動が大きい極低速時に点火用コンデンサCiの両端で
検出される電圧Vcの波形、及びパルサが出力するパル
ス信号の波形の観測結果の一例を図4(A)及び(B)
に示した。なお図4(C)は、第1のパルス信号Vs1の
発生周期Tn(n=1,2,…,5)と、各Tnの回転
速度換算値と、点火時期計測用タイマ時間Tiとを示し
ている。 【0067】この例において、内燃機関の望ましい点火
特性は図5に示した通りであり、パルサのリラクタの極
弧角は30°であり、第2のパルス信号の発生位置θ1
は、上死点TDCから8°進角した位置である。 【0068】また図4(A)に付した番号1,2,…,
5は点火番号で、各点火番号が表示されている位置で点
火用コンデンサの放電が行われて(Vcが零になって)
点火動作が行われている。この例では、内燃機関が単気
筒機関であるため、点火番号相互間の区間がクランク角
360度(クランク軸の1回転)に相当している。また
この例では、固定点火から演算点火に切り換える際の設
定速度N1 (図5参照)を1000[rpm]としてい
る。 【0069】図4に示した例では、点火番号4から点火
番号5の間で機関の回転速度が860[rpm]となっ
て、設定速度1000[rpm]よりも低下しているた
め、点火番号5の点火は第2のパルス信号Vs2が発生す
る位置(固定点火位置)で行う必要がある。ところが図
8及び図9に示したアルゴリズムにより点火時期を制御
していた従来の点火装置では、点火番号5の点火を固定
点火とするか演算点火とするかの判定を、点火番号3か
ら4の間に計測された回転速度1111[rpm]を用
いて行うようにしていたため、点火番号5の点火に先立
って、第1のパルス信号Vs1が発生した際に、点火番号
5の点火が演算点火であるとの誤判定が行われ、図4に
番号5´で示したように、固定点火位置よりも進角した
演算点火位置で点火が行われるという問題があった。 【0070】図4に示した例において、点火番号5の点
火に先立ってパルサがリラクタの回転方向の前端側エッ
ジを検出して第1のパルス信号Vs1を発生してから、リ
ラクタの回転方向の後端側エッジを検出して第2のパル
ス信号Vs2を発生するまでの間に経過した時間(リラク
タ通過時間)は13msec(実測値)である。このリ
ラクタ通過時間から機関の回転速度Nを求めると、リラ
クタの極弧角が30°であることから、N=60000
/(13×360/30)=384[rpm]である。
図5に示したように、設定速度N1 からN3 までの間の
回転領域における演算点火位置θ2 を、基準位置θ3 か
ら24°の位置とすると、点火番号5の点火に先立って
行う回転速度領域の判定に用いる回転速度1111[r
pm]に対して演算される点火時期計測用タイマ時間T
i(基準位置θ3 から24°の区間を回転するのに要す
る時間)は、Ti=(6×107 /1111)×(2
4°/360°)=3600μsecとなる。この36
00μsecに相当する角度は、[3600×384×
360°)/6]×107 =約8.3°となる。これ
より、上死点から測った点火番号5´の点火位置は38
°−8.3°=29.7°となる。点火番号5の点火
は、本来であれば第2のパルス信号の発生位置(上死点
から8.3°の位置)で行われなければならないとこ
ろ、上死点から29.7°進角した位置で点火が行われ
ることになり、正規の点火位置よりも大幅に進角してし
まう。このように点火位置が過進角すると、機関の回転
が不安定になったり、機関が停止したりする。 【0071】これに対し、本発明によれば、第1のパル
ス信号が発生した時に実行するパルサ割込みにおいて、
パルス発生周期計測手段から取り込んだ第1のパルス信
号の発生周期Tnを設定値Tn1(N1=1000rpm
の場合には、Tn1=60000μsec)と比較するこ
とにより、回転速度領域の判定を行って、この判定によ
り演算点火領域にあると判定されたときにのみ点火タイ
マをセットするので、図4に示した例において、点火番
号5の点火は、正しく第2のパルス信号Vs2の発生位置
で行わせることができ、過進角を防止することができ
る。 【0072】上記の例では、単気筒の内燃機関を点火す
る場合を例にとったが、多気筒内燃機関を点火する点火
装置にも本発明を適用することができる。多気筒内燃機
関を点火する場合には、例えば、点火回路1を各気筒毎
に設け、基準位置及び始動時の点火位置でそれぞれパル
ス信号Vs1及びVs2を発生する信号発電子2Bを各気筒
毎に設ければよい。 【0073】上記の例では、コンデンサ放電式の点火回
路を用いているが、電流遮断形の点火回路を用いる場合
にも本発明を適用することができる。 【0074】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、各点火
サイクルにおいてパルサが第1のパルス信号を発生する
毎に回転速度領域の判定を行って、その判定結果に応じ
て、固定点火または演算点火を行わせるようにしたの
で、固定点火を行うべき機関の極低速時に過進角した演
算点火位置で演算点火が行われて機関の動作が不安定に
なったり、機関が停止したりするのを防ぐことができ
る。 【0075】また本発明によれば、回転速度判定手段が
判定を行うのに要する時間に起因する点火時期の遅れを
無くすように、回転速度に対して演算した点火時期を補
正する点火時期補正手段を主制御部に設けたので、点火
タイマをセットする前に回転速度領域の判定を行わせた
ことにより点火時期が正規の点火時期から遅れるのを防
ぐことができる。
ータを用いて機関の点火時期を制御する内燃機関用点火
装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】マイクロコンピュータにより点火時期を
制御する内燃機関用点火装置は、点火信号が与えられた
時に点火用の高電圧を発生する点火回路と、内燃機関の
クランク軸の回転角度位置が該機関の低速時の点火時期
に相当する回転角度位置よりも一定角度進角した位置に
設定された基準位置θ3 に一致したときに第1のパルス
信号Vs1を発生し、内燃機関の回転角度位置が低速時の
点火時期に相当する回転角度位置(点火位置)θ1 に一
致したときに第2のパルス信号Vs2を発生するパルサ
と、パルサが第1のパルス信号Vs1を発生する周期(ク
ランク軸が1回転するのに要する時間)を計測するパル
ス発生周期計測手段と、パルス発生周期計測手段により
計測された第1のパルス信号Vs1の発生周期から内燃機
関の回転速度を演算する回転速度演算手段及びこの回転
速度演算手段により演算された回転速度に対して内燃機
関の点火時期を演算する点火時期演算手段を有する主制
御手段と、パルサが第1のパルス信号Vs1を発生した時
に上記パルス発生周期計測手段により計測された第1の
パルス信号Vs1の発生周期を読み込むパルス発生周期読
み込み手段及びパルサが第1のパルス信号Vs2を発生し
た時に点火タイマに点火時期計測用の計測値をセットし
て該点火タイマに点火時期の計測を開始させる点火タイ
マセット手段を有するパルサ割込み制御手段と、点火タ
イマが点火時期の計測を完了した時またはパルサが第2
のパルス信号を発生した時に点火回路に点火信号を与え
る点火信号供給手段とを備えている。 【0003】従来のこの種の点火装置においては、パル
サが発生する第1のパルス信号の発生周期をCPUによ
り計測することにより機関のクランク軸が1回転するの
に要する時間Tnを計測して、この計測値Tnから機関
の回転速度Nを演算し、演算した回転速度に対して例え
ば図5に示すように点火時期θを変化させている。 【0004】即ち、演算された回転速度Nがアイドリン
グ回転速度N2 よりも低い始動完了速度にほぼ等しく設
定された設定速度N1 以下であるときには、パルサが機
関の上死点付近に設定された始動時及び極低速時の点火
時期に相当する回転角度位置(点火位置)θ1 で第2の
パルス信号を発生した時に点火回路に点火信号を与えて
点火動作を行わせる。 【0005】演算された回転速度Nが始動完了速度にほ
ぼ等しい設定速度N1 を超え、進角開始回転速度N3 未
満であるときには、アイドリング回転速度N2 を維持す
るために適した点火位置θ2 (θ1 とθ3 との間の位
置)をCPUにより演算して、この点火位置θ2 で点火
回路に点火信号を与えて点火動作を行わせる。 【0006】また回転速度Nが進角開始回転速度N3 以
上になったときには、アイドリング時の点火位置θ2 よ
りも進角した位置で機関を点火するように、点火位置を
回転速度Nの上昇に伴って進角させる。 【0007】図5はあくまでも一例を示したものである
が、この例では、始動時の点火位置θ1 が上死点TDC
よりも機械角で8°進角した位置に設定され、アイドリ
ング付近の点火位置θ2 は上死点TDCよりも機械角で
14°進角した位置に設定されている。またパルサが第
1のパルス信号を発生する位置(基準位置)θ3 と第2
のパルサ信号を発生する始動時の点火位置θ1 との間の
角度は30°であり、第1のパルス信号の発生位置θ3
は上死点前38°の位置に設定されている。また設定速
度N1 、アイドリング速度N2 及び進角開始回転速度N
3 はそれぞれ、N1 =1000[rpm],N2 =15
00[rpm],N3 =2500[rpm]である。 【0008】図5において、N≦N1 の領域はパルサが
発生する第2のパルス信号の発生位置により決まる固定
の点火位置で点火が行われる領域であり、N>N1 の領
域はCPUにより演算された点火位置で点火が行われる
領域である。本明細書では、常に固定の点火位置θ1 で
点火が行われるN≦N1 の領域を固定点火領域と呼び、
点火位置が演算により決められるN>N1 の領域を演算
点火領域と呼ぶ。 【0009】上記のように、マイクロコンピュータを用
いて点火時期を制御するようにした従来の内燃機関用点
火装置においては、図8及び図9のようなアルゴリズム
により点火時期を制御していた。図8はマイクロコンピ
ュータが実行するプログラムのメインルーチンを示し、
図9はパルサが第1のパルス信号を発生する毎に実行さ
れるパルサ割込みルーチンを示している。 【0010】このアルゴリズムに従う場合には、CPU
の電源が確立した後、先ず図8のステップ1において各
部をイニシャライズし、割込みを許可した後、ステップ
2において、パルサが発生する第1のパルス信号の発生
周期に相当する時間(回転速度計測時間)Tnを回転速
度Nに換算する。この回転速度計測時間Tnは、機関の
クランク軸が1回転するのに要する時間であり、パルサ
が第1のパルス信号を発生する毎に実行される図9のパ
ルサ割込みルーチンのステップ1で読み込まれる。 【0011】図8のステップ2において回転速度Nを演
算した後、同図のステップ3において、演算された回転
速度Nにおける点火時期を演算する。この点火時期は、
第1のパルス信号が発生する位置である基準位置θ3 か
ら点火時期に相当する回転角度位置(点火位置)θiま
で機関のクランク軸が回転するのに要する時間(点火時
期計測用タイマ時間と呼ぶ。)の形で演算される。 【0012】点火時期を演算した後、図8のステップ4
において回転速度Nが始動完了速度N1 を超えているか
否かを判定し、回転速度Nが始動完了速度N1 を超えて
いるときには、ステップ5において回転速度が演算点火
領域にあると判定し、ステップ6において他の必要な演
算処理を行わせた後、ステップ2に戻る。ステップ4に
おいて回転速度4が始動完了速度N1 以下であると判定
されたときには、ステップ7において回転速度が固定点
火領域にあると判定した後ステップ6に移行する。 【0013】パルサが第1のパルス信号を発生する毎に
図9の割り込みルーチンが実行される。この割込みルー
チンでは先ずステップ1においてパルス発生周期計測手
段を構成するタイマが計測している時間Tn(第1のパ
ルス信号の発生周期)をロードし、次いでステップ2に
おいて、メインルーチンで回転速度Nが演算点火領域に
あると判定されているか否かを確認する。その結果、メ
インルーチンにおいて演算点火領域にあると判定されて
いるときには、ステップ3に進んで、点火タイマ(クロ
ックパルスをカウントすることにより計時動作を行って
点火時期を計測するタイマ)に点火時期計測用タイマ時
間をセットして該点火タイマによる計時動作を開始させ
る。その後更に他の処理が必要な場合には、ステップ4
でその処理を行った後メインルーチンに戻る。 【0014】図9のステップ2において、メインルーチ
ンで回転速度が固定点火領域にあると判定されているこ
とが確認されたときには、点火タイマをセットすること
なくステップ4に移行する。 【0015】図8のメインルーチンにおいて機関の回転
速度が演算点火領域にあると判定されている状態で、図
9のステップ3が実行されて点火タイマがセットされた
ときには、該点火タイマが点火時期計測用タイマ時間の
計測を完了した時に点火回路に点火信号が与えられ、演
算された点火時期に点火が行われる。 【0016】またメインルーチンで回転速度が固定点火
領域にあると判定され、図9のステップ3が実行されな
いときには、パルサが固定点火位置θ1 で第2のパルス
信号を発生した時に点火回路に点火信号が与えられて点
火動作が行われる。 【0017】この例では、図8のステップ2により回転
速度演算手段が、またステップ3により点火時期演算手
段がそれぞれ実現され、これらの手段を実現するメイン
ルーチンにより主制御手段が構成される。また図9のス
テップ1により、パルス発生周期読み込み手段が、また
ステップ3により点火タイマセット手段がそれぞれ実現
され、これらの手段を実現する図9の割込みルーチンに
より、割込み制御手段が構成される。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、マイク
ロコンピュータにより点火時期を制御するようにした従
来の点火装置では、各点火サイクルにおいて回転速度が
固定点火領域にあるか、演算点火領域にあるかの判定
(回転速度領域の判定)をメインルーチンで行っていた
ため、同判定を各点火サイクルのパルサ割込みルーチン
で取り込んだ最新の回転速度計測時間を用いて行うこと
ができず、前回の点火サイクルのパルサ割込みルーチン
で取り込んだ1回転前の回転速度計測時間Tnを用いて
行わざるを得なかった。 【0019】そのため、点火サイクル毎の回転速度変動
が大きい機関の低速時に、各点火サイクルにおける回転
速度領域の判定を正確に行うことができないことがあ
り、機関の点火時期が適正な時期から大きくずれること
があった。 【0020】特に、機関の極低速時に、或点火サイクル
において、機関の回転速度が固定点火領域にあるにも拘
らず、1回転前に取り込んだ回転速度計測時間Tnに基
づいてメインルーチンで行われた回転速度領域の判定結
果が演算点火領域である場合には、その点火サイクルに
おける点火時期が正規の時期(固定点火位置)よりも進
角してしまうため、機関の回転が不安定になったり、機
関が停止したりすることがあった。 【0021】本発明の目的は、点火サイクル毎の回転速
度変動が大きい機関の低速時に、回転速度領域の判定
を、最新の回転速度計測時間を用いて正確に行うことが
できるようにして、点火時期の過進角を防ぎ、機関を安
定に動作させることができるようにした内燃機関用点火
装置を提供することにある。 【0022】 【課題を解決するための手段】本発明は、点火信号が与
えられた時に点火用の高電圧を発生する点火回路と、内
燃機関の回転角度位置が該機関の低速時の点火時期に相
当する回転角度位置よりも一定角度進角した位置に設定
された基準位置に一致したときに第1のパルス信号を発
生し、内燃機関の回転角度位置が低速時の点火時期に相
当する回転角度位置に一致したときに第2のパルス信号
を発生するパルサと、パルサが第1のパルス信号を発生
する周期を計測するパルス発生周期計測手段と、パルス
発生周期計測手段により計測された第1のパルス信号の
発生周期から内燃機関の回転速度を演算する回転速度演
算手段及びこの回転速度演算手段により演算された回転
速度に対して内燃機関の点火時期を演算する点火時期演
算手段を有する主制御手段と、パルサが第1のパルス信
号を発生した時にパルス発生周期計測手段により計測さ
れた第1のパルス信号の発生周期を読み込むパルス発生
周期読み込み手段及びパルサが第1のパルス信号を発生
した時に点火タイマに点火時期を計測するための計測値
をセットして該点火タイマに点火時期の計測を開始させ
る点火タイマセット手段を有するパルサ割込み制御手段
と、点火タイマが点火時期の計測を完了した時または第
2のパルス信号が発生した時に点火回路に点火信号を与
える点火信号供給手段とを備えた内燃機関用点火装置を
対象とする。 【0023】本発明においては、上記パルス発生周期読
み込み手段が第1のパルス信号の発生周期を読み込んだ
直後に今回読み込まれた第1のパルス信号の発生周期を
設定値と比較して今回読み込まれた第1のパルス信号の
発生周期が設定値未満の時に内燃機関の回転速度が設定
値を超えたと判定する回転速度判定手段をパルサ割込み
制御手段に設ける。 【0024】また、点火タイマセット手段は、上記回転
速度判定手段により内燃機関の回転速度が設定値を超え
ていると判定されたときにのみ点火タイマに点火時期の
計測を開始させるように構成される。 【0025】更に、主制御手段には、第1のパルス信号
が発生してから点火タイマがセットされるまでに要する
時間の存在に起因する点火時期の遅れを無くすように点
火時期演算手段が演算した点火時期を補正する点火時期
補正手段を設けておく。 【0026】上記のように構成すると、各点火サイクル
においてパルサが第1のパルス信号を発生する毎に回転
速度領域の判定を行って、その判定結果に応じて、固定
点火または演算点火を行わせることができるため、固定
点火を行うべき機関の極低速時に過進角した位置で演算
点火が行われて機関の動作が不安定になったり、機関が
停止したりするのを防ぐことができる。 【0027】また上記のように、第1のパルサ信号が発
生した時に回転速度領域の判定処理を行うと、この判定
処理を行うのに要する時間に相当する分だけ点火タイマ
のセットが遅れるが、本発明では、回転速度判定手段が
判定を行うのに要する時間の存在に起因する点火時期の
遅れを無くすように、回転速度に対して演算した点火時
期を補正する点火時期補正手段を主制御部に設けたの
で、点火タイマをセットする前に回転速度領域の判定を
行わせたことにより点火時期が正規の点火時期から遅れ
るのを防ぐことができる。 【0028】 【発明の実施の形態】以下図1ないし図7を参照して本
発明の実施の一形態を説明する。図1は本発明に係わる
内燃機関用点火装置の構成例を示したブロック図、図2
は図1の点火装置で用いる点火回路の構成例を示した回
路図、図3は同点火装置で用いるパルサが発生するパル
ス信号の波形の一例を示した波形図、図4は図1の点火
装置で用いる点火回路のコンデンサの端子電圧の波形と
パルサの出力波形との一例を示した波形図、図5は本発
明が対象とする内燃機関用点火装置により得られる点火
特性の一例を示した線図である。また図6及び図7はそ
れぞれ本発明の実施形態においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズム
及びパルサ割込みルーチンのアルゴリズムの一例を示し
たフローチャートである。 【0029】図1において、1は点火回路、2はパル
サ、3はパルス発生周期計測手段、4及び5はそれぞれ
回転速度演算手段及び点火時期演算手段、6は点火時期
補正手段である。また7はパルス発生周期読み込み手
段、8は回転速度判定手段、9は点火タイマセット手
段、10は点火タイマ、11は点火信号供給手段であ
る。 【0030】各部の構成を説明すると、点火回路1は、
点火信号が与えられた時に点火用の高電圧を発生する回
路で、この点火回路としては、コンデンサ放電式の回路
や、電流遮断式の回路を用いることができる。本実施形
態では、点火回路1としてコンデンサ放電式の点火回路
を用いるものとする。 【0031】コンデンサ放電式の点火回路は、一般に、
点火コイルと、点火コイルの一次側に設けられて点火電
源の出力により一方の極性に充電される点火用コンデン
サと、点火信号が与えられたときに導通して点火用コン
デンサに蓄積された電荷を点火コイルの一次コイルを通
して放電させるように設けられた放電用スイッチと、放
電用スイッチに点火信号を与える点火時期制御部とによ
り構成される。 【0032】コンデンサ放電式の点火回路1の一例を図
2に示した。図2において、IGは一次コイルw1 及び
二次コイルw2 を有する点火コイルで、図示の例では一
次コイルw1 及び二次コイルw2 の一端が接地されてい
る。点火コイルの一次コイルw1 の他端に点火用コンデ
ンサCi の一端が接続され、コンデンサCi の他端と接
地間に放電用スイッチを構成するサイリスタThiがその
カソードを接地側に向けた状態で接続されている。コン
デンサCi の他端はまたカソードを該コンデンサ側に向
けたダイオードD1 を通して点火電源PSの出力端子に
接続され、点火コイルの一次コイルw1 の両端には、カ
ソードを接地側に向けたダイオードD2が接続されてい
る。またマイクロコンピュータを備えた点火時期制御部
100が設けられて、この点火時期制御部からサイリス
タThiのゲートに点火信号が与えられるようになってい
る。点火時期制御部100には、パルサ2が出力するパ
ルス信号が入力されている。また点火コイルIGの二次
コイルw2 の非接地側端子が、図示しない内燃機関の気
筒に取り付けられた点火プラグPの非接地側端子に高圧
コードを通して接続され、点火コイルの二次コイルw2
に誘起する点火用の高電圧が点火プラグPに印加される
ようになっている。 【0033】図2に示した点火回路1において、点火電
源PSは、点火用コンデンサCi を充電するための電圧
を発生する電源で、この電源としては、内燃機関に取り
付けられる磁石発電機内に設けられて、機関の回転に同
期して交流電圧を誘起するエキサイタコイルや、バッテ
リの電圧を昇圧して200[V]以上の高い電圧を発生
するDC−DCコンバータ等が用いられる。 【0034】図2に示した点火回路においては、点火用
コンデンサCi が点火電源PSの出力により図示の極性
に充電される。点火時期制御部100は、パルサ2が発
生するパルスから得た機関の回転速度情報に対して機関
の点火時期を演算して、演算した点火時期が検出された
ときにサイリスタThiに点火信号Viを与える。 【0035】点火用コンデンサCi が図示の極性に充電
されている状態で点火時期制御部100からサイリスタ
Thiに点火信号Viが与えられると、コンデンサCi の
端子電圧Vcがアノードカソード間に順方向に印加され
ているサイリスタThiが導通するため、コンデンサCi
の電荷がサイリスタThiと点火コイルIGの一次コイル
w1 とを通して放電し、点火コイルの一次コイルに立上
がりが速い一次電流が流れる。このとき点火コイルの一
次コイルには、一次電流が流れるのを妨げる方向の高い
電圧が誘起する。この電圧が更に昇圧されて二次コイル
w2 に点火用の高電圧が誘起するため、点火プラグPで
火花放電が生じ、機関が点火される。 【0036】パルサ2は、図1に示したように、機関の
クランク軸に取り付けられた鉄製のロータヨーク2aの
外周にリラクタ2a1を形成したロータ2Aと、リラクタ
2a1の回転方向の前端側のエッジ及び後端側のエッジを
それぞれ検出したときに図3に示すように極性が異なる
第1のパルス信号Vs1及び第2のパルス信号Vs2を発生
する信号発電子2Bとにより構成される。ロータヨーク
2aとしては、機関に取り付けられるフライホイール磁
石回転子のフライホイールを利用することができる。ま
た信号発電子2Bは、リラクタ2a1に対向する磁極部を
先端に有する鉄心と該鉄心に巻回された信号コイルと、
該鉄心に磁気結合された永久磁石とを有する公知のもの
で、リラクタ2a1が該信号発電子の鉄心の磁極部との対
向を開始する際及び該対向を終了する際にそれぞれ鉄心
中で生じる磁束の変化により信号コイルにパルス信号を
誘起する。 【0037】図3に示した例では、第1のパルス信号V
s1及び第2のパルス信号Vs2がそれぞれ負極性のパルス
信号及び正極性のパルス信号からなっているが、信号コ
イルの巻き方により、第1のパルス信号Vs1を正極性の
信号とし、第2のパルス信号Vs2を負極性の信号とする
こともできる。 【0038】本実施形態で用いるパルサ2においては、
機関の上死点位置(ピストンが上死点TDCに達したと
きのクランク軸の回転角度位置)θ0 から僅かに進角し
た位置に設定された始動時及び極低速時の点火時期に相
当する回転角度位置θ1 よりも一定角度進角した位置に
設定された基準位置θ3 に機関の回転角度が一致したと
きに第1のパルス信号Vs1が発生し、内燃機関の回転角
度位置が低速時の点火時期に相当する回転角度位置θ1
に一致したときに第2のパルス信号Vs2が発生するよう
に、ロータ2Aと信号発電子2Bとの位置関係が設定さ
れている。 【0039】なお本明細書では、パルサ2が発生する各
パルス信号がしきい値Vthに達する位置を各パルス信号
の発生位置としている。 【0040】パルス発生周期計測手段3は、パルサ2が
第1のパルス信号Vs1を発生する周期を計測するもの
で、点火時期制御部100を構成するマイクロコンピュ
ータ内に設けられてクロックパルスを計数することによ
り計時動作を行うタイマと、該タイマを制御するために
マイクロコンピュータが実行するプログラムとにより構
成される。 【0041】マイクロコンピュータは、パルサ2から第
1のパルス信号が入力される毎にパルス発生周期計測用
のタイマの計測値Tnを読み込むとともに、該タイマを
リセットして、次の第1のパルス信号が発生するまでの
時間(クランク軸が次の1回転に要する時間)の計測を
開始させる。 【0042】なおクロックパルスを計数するフリーラン
ニングカウンタを計時手段として用いて、第1のパルス
信号が発生する毎に該カウンタの計数値を読み込み、新
たに読み込んだ計数値と前回の第1のパルス信号の発生
時に読み込んだ該フリーランニングカウンタの計数値と
の差を、第1のパルス信号の発生間隔として検出するよ
うにパルス発生周期計測手段3を構成することもでき
る。 【0043】回転速度演算手段4は、第1のパルス信号
Vs1の発生間隔を与える時間Tnから内燃機関の回転速
度を演算する。時間Tnの単位をmsecとすると、回
転速度N[rpm]は、以下の式により与えられる。 【0044】 N=6000/Tn [rpm] …(1) 点火時期演算手段5は、演算された内燃機関の回転速度
に対して、内燃機関の点火時期を演算する手段で、この
点火時期の演算は、回転速度Nと点火時期との間の関係
を与える点火時期演算用マップを用いて行うことができ
る。 【0045】点火時期は、パルサが第1のパルス信号を
発生する基準位置θ3 から点火時期に相当する回転角度
位置まで機関が回転するのに要する時間Ti(第1のパ
ルス信号の発生時刻から点火時期までの間に点火タイマ
に計測させる時間で、この時間を点火時期計測用タイマ
時間と呼ぶ。)の形で演算される。 【0046】基準位置θ3 と点火位置θiとの間の角度
をα°とすると、点火時期計測用タイマ時間Ti'[μs
ec]は下記の式により与えられる。 【0047】 Ti'=(6×107 /Tn)×(α°/360°) …(2) 点火時期補正手段6は、第1のパルス信号Vs1が発生し
てから後記するパルサ割込みルーチンで点火タイマがセ
ットされるまでに要する時間Δtの存在に起因する点火
時期の遅れを無くすように、点火時期演算手段が演算し
た点火時期を補正する。点火時期補正手段6は、下記の
演算を行うことにより実際に点火タイマに計測させる点
火時期計測用タイマ時間Tiを演算する。 【0048】 Ti=Ti'−Δt …(3) 本実施形態では、上記回転速度演算手段4と、点火時期
演算手段5と、点火時期補正手段6とにより、主制御手
段Mが構成されている。 【0049】パルス発生周期読み込み手段7は、パルサ
2が第1のパルス信号Vs1を発生した時にパルス発生周
期計測手段3により計測された第1のパルス信号の発生
周期Tnを読み込む手段で、読み込んだパルス発生周期
TnをRAMに格納する。 【0050】回転速度判定手段8は、パルサが第1のパ
ルス信号を発生した時に、現在の回転速度が固定点火領
域と演算点火領域との境界を与える回転速度を超えてい
るか否かを判定する(現在の回転速度が固定点火領域で
あるか演算点火領域であるかを判定する)ための手段
で、パルス発生周期読み込み手段7が第1のパルス信号
の発生周期Tnを読み込んだ直後に今回読み込まれた第
1のパルス信号の発生周期Tnを設定値Tn1と比較して
今回読み込まれた第1のパルス信号の発生周期Tnが設
定値Tn1未満の時に内燃機関の回転速度が設定速度を超
えたと判定するように構成される。 【0051】点火タイマセット手段9は、パルサ2が第
1のパルス信号Vs1を発生した時に点火タイマ10に点
火時期を計測するための計測値をセットして、該点火タ
イマに点火時期の計測を開始させる手段である。本発明
においては、この点火タイマセット手段が、回転速度判
定手段8により内燃機関の回転速度が設定速度を超えて
いると判定されたときにのみ点火タイマ10に点火時期
の計測を開始させるように構成される。 【0052】点火信号供給手段11は、点火タイマ10
が、点火時期演算手段5により演算され、点火時期補正
手段6により補正された点火時期の計測を完了した時、
または機関の始動時及び極低速時の点火位置θ1 でパル
サ2が第2のパルス信号Vs2が発生した時に点火回路1
に点火信号を与えるように構成される。 【0053】この例では、パルス発生周期読み込み手段
7と、回転速度判定手段8と、点火タイマセット手段9
とにより割込み制御手段INが構成されている。 【0054】本発明は、図1に示した構成の内、割込み
制御手段INに回転速度判定手段8を設けた点、回転速
度判定手段8により内燃機関の回転速度が設定速度を超
えていると判定されたときにのみ点火タイマ10に点火
時期の計測を開始させるように点かタイマセット手段9
を構成した点、及び第1のパルス信号が発生してから点
火タイマがセットされるまでに要する時間の存在に起因
する点火時期の遅れを無くすように点火時期演算手段が
演算した点火時期を補正する点火時期補正手段を主制御
手段Mに設けた点を特徴としている。 【0055】図1に示した各手段のうち、回転速度演算
手段4、点火時期演算手段5、点火時期補正手段6、パ
ルス発生周期読み込み手段7、回転速度判定手段8、及
び点火タイマセット手段9を実現するためにマイクロコ
ンピュータに実行させるプログラムのメインルーチン及
びパルサ割込みルーチンのアルゴリズムの一例をそれぞ
れ図6及び図7に示した。 【0056】図6及び図7に示したアルゴリズムによる
場合には、CPUの電源が確立した後、先ず図6のステ
ップ1において各部をイニシャライズし、割込みを許可
した後、ステップ2において、パルサが発生する第1の
パルス信号の発生周期に相当する時間(回転速度計測時
間)Tnを回転速度Nに換算する。この回転速度計測時
間Tnは、パルサが第1のパルス信号Vs1を発生する毎
に実行される図7のパルサ割込みルーチンのステップ1
で読み込まれる。 【0057】図6のステップ2において回転速度Nを演
算した後、同図のステップ3において、演算された回転
速度Nにおける点火時期を演算する。この点火時期は、
第1のパルス信号が発生する位置である基準位置θ3 か
ら点火時期に相当する回転角度位置(点火位置)θiま
で機関のクランク軸が回転するのに要する時間(点火時
期計測用タイマ時間)の形で演算される。 【0058】点火時期を演算した後、図6のステップ4
において、図7の割込みルーチンで実行されるTn<T
n1の判定のための演算処理に要する時間に起因する点火
時期の遅れをなくすように、ステップ3で演算された点
火時期を補正する。その後ステップ5において他の必要
な演算処理を行わせた後、ステップ2に戻る。 【0059】パルサが第1のパルス信号を発生する毎に
図7の割り込みルーチンが実行される。この割込みルー
チンでは先ずステップ1においてパルス発生周期計測手
段を構成するタイマが計測している時間Tn(第1のパ
ルス信号の発生周期)をロードし、ステップ2におい
て、時間Tnが設定回転速度N1に相応する設定値Tn1
未満であるか否かを判定する。その結果、Tn<Tn1で
あると判定されたとき(機関の現在の回転速度が設定速
度N1を超えていると判定されたとき)には、ステップ
3に進んで現在の回転速度が演算点火領域にあると判定
し、ステップ4で点火タイマ10に点火時期計測用タイ
マ時間Ti(図6のメインルーチンのステップ3で演算
され、ステップ4で補正された点火時期計測用タイマ時
間)をセットして、該点火タイマによる計時動作を開始
させる。その後更に他の処理が必要な場合には、ステッ
プ4でその処理を行った後メインルーチンに戻る。 【0060】図7の割込みルーチンのステップ2におい
て、Tn<Tn1でないと判定されたとき(機関の現在の
回転速度が設定速度N1以下であると判定されたとき)
には、ステップ6に進んで現在の回転速度が固定点火領
域にあると判定して、点火タイマをセットすることなく
メインルーチンに復帰する。 【0061】この例では、図6のメインルーチンのステ
ップ2により回転速度演算手段が、またステップ3によ
り点火時期演算手段がそれぞれ実現され、ステップ4に
より点火時期補正手段が構成される。これらの手段を実
現するメインルーチンにより主制御手段Mが構成され
る。 【0062】また図7のステップ1により、パルス発生
周期読み込み手段が、またステップ2により回転速度判
定手段がそれぞれ構成され、ステップ4により点火タイ
マセット手段が構成される。図7の割込みルーチンによ
り、割込み制御手段INが構成される。 【0063】上記のように、各点火サイクルにおいてパ
ルサ2が第1のパルス信号Vs1を発生する毎に、点火タ
イマのセットに先立って、機関の回転速度が固定点火領
域にあるのか演算点火領域にあるのかを判定するように
すると、回転速度領域の判定をリアルタイムで行うこと
ができるため、機関の低速時に回転速度領域が固定点火
領域であるにもかかわらず演算固定領域であると誤認し
て、過進角した位置で演算点火が行われるのを防ぐこと
ができる。従って、機関の極低速時に過進角した位置で
演算点火が行われて機関の動作が不安定になったり、機
関が停止したりするのを防ぐことができる。 【0064】また上記のように、第1のパルサ信号が発
生した時に回転速度領域の判定処理を行うと、この判定
処理を行うのに要する時間に相当する分だけ点火タイマ
のセットが遅れるため、点火時期演算手段により演算さ
れた点火時期計測用タイマ時間をそのまま点火タイマに
セットすると、点火時期が遅角するが、本発明では、回
転速度判定手段が判定を行うのに要する時間の存在に起
因する点火時期の遅れを無くすように、回転速度に対し
て演算した点火時期を補正する点火時期補正手段を主制
御手段に設けたので、点火タイマをセットする前に回転
速度領域の判定を行わせたことにより点火時期が正規の
点火時期から遅れるのを防ぐことができる。 【0065】上記点火時期補正手段は、点火時期演算手
段により演算された点火時期計測用タイマ時間Ti'か
ら、回転速度判定手段が判定処理を行うのに要する時間
(図7のステップ2を行うために必要な処理時間)Δt
を減じる前記(3)式の演算を行う過程により実現する
ことができる。 【0066】図1の点火装置において、機関の回転速度
変動が大きい極低速時に点火用コンデンサCiの両端で
検出される電圧Vcの波形、及びパルサが出力するパル
ス信号の波形の観測結果の一例を図4(A)及び(B)
に示した。なお図4(C)は、第1のパルス信号Vs1の
発生周期Tn(n=1,2,…,5)と、各Tnの回転
速度換算値と、点火時期計測用タイマ時間Tiとを示し
ている。 【0067】この例において、内燃機関の望ましい点火
特性は図5に示した通りであり、パルサのリラクタの極
弧角は30°であり、第2のパルス信号の発生位置θ1
は、上死点TDCから8°進角した位置である。 【0068】また図4(A)に付した番号1,2,…,
5は点火番号で、各点火番号が表示されている位置で点
火用コンデンサの放電が行われて(Vcが零になって)
点火動作が行われている。この例では、内燃機関が単気
筒機関であるため、点火番号相互間の区間がクランク角
360度(クランク軸の1回転)に相当している。また
この例では、固定点火から演算点火に切り換える際の設
定速度N1 (図5参照)を1000[rpm]としてい
る。 【0069】図4に示した例では、点火番号4から点火
番号5の間で機関の回転速度が860[rpm]となっ
て、設定速度1000[rpm]よりも低下しているた
め、点火番号5の点火は第2のパルス信号Vs2が発生す
る位置(固定点火位置)で行う必要がある。ところが図
8及び図9に示したアルゴリズムにより点火時期を制御
していた従来の点火装置では、点火番号5の点火を固定
点火とするか演算点火とするかの判定を、点火番号3か
ら4の間に計測された回転速度1111[rpm]を用
いて行うようにしていたため、点火番号5の点火に先立
って、第1のパルス信号Vs1が発生した際に、点火番号
5の点火が演算点火であるとの誤判定が行われ、図4に
番号5´で示したように、固定点火位置よりも進角した
演算点火位置で点火が行われるという問題があった。 【0070】図4に示した例において、点火番号5の点
火に先立ってパルサがリラクタの回転方向の前端側エッ
ジを検出して第1のパルス信号Vs1を発生してから、リ
ラクタの回転方向の後端側エッジを検出して第2のパル
ス信号Vs2を発生するまでの間に経過した時間(リラク
タ通過時間)は13msec(実測値)である。このリ
ラクタ通過時間から機関の回転速度Nを求めると、リラ
クタの極弧角が30°であることから、N=60000
/(13×360/30)=384[rpm]である。
図5に示したように、設定速度N1 からN3 までの間の
回転領域における演算点火位置θ2 を、基準位置θ3 か
ら24°の位置とすると、点火番号5の点火に先立って
行う回転速度領域の判定に用いる回転速度1111[r
pm]に対して演算される点火時期計測用タイマ時間T
i(基準位置θ3 から24°の区間を回転するのに要す
る時間)は、Ti=(6×107 /1111)×(2
4°/360°)=3600μsecとなる。この36
00μsecに相当する角度は、[3600×384×
360°)/6]×107 =約8.3°となる。これ
より、上死点から測った点火番号5´の点火位置は38
°−8.3°=29.7°となる。点火番号5の点火
は、本来であれば第2のパルス信号の発生位置(上死点
から8.3°の位置)で行われなければならないとこ
ろ、上死点から29.7°進角した位置で点火が行われ
ることになり、正規の点火位置よりも大幅に進角してし
まう。このように点火位置が過進角すると、機関の回転
が不安定になったり、機関が停止したりする。 【0071】これに対し、本発明によれば、第1のパル
ス信号が発生した時に実行するパルサ割込みにおいて、
パルス発生周期計測手段から取り込んだ第1のパルス信
号の発生周期Tnを設定値Tn1(N1=1000rpm
の場合には、Tn1=60000μsec)と比較するこ
とにより、回転速度領域の判定を行って、この判定によ
り演算点火領域にあると判定されたときにのみ点火タイ
マをセットするので、図4に示した例において、点火番
号5の点火は、正しく第2のパルス信号Vs2の発生位置
で行わせることができ、過進角を防止することができ
る。 【0072】上記の例では、単気筒の内燃機関を点火す
る場合を例にとったが、多気筒内燃機関を点火する点火
装置にも本発明を適用することができる。多気筒内燃機
関を点火する場合には、例えば、点火回路1を各気筒毎
に設け、基準位置及び始動時の点火位置でそれぞれパル
ス信号Vs1及びVs2を発生する信号発電子2Bを各気筒
毎に設ければよい。 【0073】上記の例では、コンデンサ放電式の点火回
路を用いているが、電流遮断形の点火回路を用いる場合
にも本発明を適用することができる。 【0074】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、各点火
サイクルにおいてパルサが第1のパルス信号を発生する
毎に回転速度領域の判定を行って、その判定結果に応じ
て、固定点火または演算点火を行わせるようにしたの
で、固定点火を行うべき機関の極低速時に過進角した演
算点火位置で演算点火が行われて機関の動作が不安定に
なったり、機関が停止したりするのを防ぐことができ
る。 【0075】また本発明によれば、回転速度判定手段が
判定を行うのに要する時間に起因する点火時期の遅れを
無くすように、回転速度に対して演算した点火時期を補
正する点火時期補正手段を主制御部に設けたので、点火
タイマをセットする前に回転速度領域の判定を行わせた
ことにより点火時期が正規の点火時期から遅れるのを防
ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内燃機関用点火装置の構成例を
示したブロック図である。 【図2】図1の点火装置で用いる点火回路の構成例を示
した回路図である。 【図3】図1の点火装置で用いるパルサが発生するパル
ス信号の波形の一例を示した波形図である。 【図4】図1の点火装置で用いる点火回路のコンデンサ
の端子電圧の波形とパルサの出力波形との一例を示した
波形図である。 【図5】本発明が対象とする内燃機関用点火装置により
得られる点火特性の一例を示した線図である。 【図6】本発明の実施形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズ
ムの一例を示したフローチャートである。 【図7】本発明の実施形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムのパルサ割込みルーチンのアル
ゴリズムの一例を示したフローチャートである。 【図8】従来の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズム
の一例を示したフローチャートである。 【図9】従来の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのパルサ割込みルーチンのアルゴ
リズムの一例を示したフローチャートである。 【符号の説明】 1…点火回路、2…パルサ、3…パルス発生周期計測手
段、4…回転速度演算手段、5…点火時期計測手段、6
…点火時期補正手段、7…パルス発生周期読み込み手
段、8…回転速度判定手段、9…点火タイマセット手
段、10…点火タイマ、11…点火信号供給手段、M…
主制御手段、IN…割込み制御手段。
示したブロック図である。 【図2】図1の点火装置で用いる点火回路の構成例を示
した回路図である。 【図3】図1の点火装置で用いるパルサが発生するパル
ス信号の波形の一例を示した波形図である。 【図4】図1の点火装置で用いる点火回路のコンデンサ
の端子電圧の波形とパルサの出力波形との一例を示した
波形図である。 【図5】本発明が対象とする内燃機関用点火装置により
得られる点火特性の一例を示した線図である。 【図6】本発明の実施形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズ
ムの一例を示したフローチャートである。 【図7】本発明の実施形態においてマイクロコンピュー
タが実行するプログラムのパルサ割込みルーチンのアル
ゴリズムの一例を示したフローチャートである。 【図8】従来の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのメインルーチンのアルゴリズム
の一例を示したフローチャートである。 【図9】従来の点火装置においてマイクロコンピュータ
が実行するプログラムのパルサ割込みルーチンのアルゴ
リズムの一例を示したフローチャートである。 【符号の説明】 1…点火回路、2…パルサ、3…パルス発生周期計測手
段、4…回転速度演算手段、5…点火時期計測手段、6
…点火時期補正手段、7…パルス発生周期読み込み手
段、8…回転速度判定手段、9…点火タイマセット手
段、10…点火タイマ、11…点火信号供給手段、M…
主制御手段、IN…割込み制御手段。
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Fターム(参考) 3G019 AB01 AC03 BA02 DA05 DB07
GA01 GA05 HA07
3G022 BA07 CA06 DA03 EA03 GA01
GA02 GA05
3G084 BA17 CA03 CA09 DA34 EA07
EA11 FA33 FA38 FA39
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 点火信号が与えられた時に点火用の高電
圧を発生する点火回路と、 内燃機関の回転角度位置が該機関の低速時の点火時期に
相当する回転角度位置よりも一定角度進角した位置に設
定された基準位置に一致したときに第1のパルス信号を
発生し、前記内燃機関の回転角度位置が前記低速時の点
火時期に相当する回転角度位置に一致したときに第2の
パルス信号を発生するパルサと、 前記パルサが前記第1のパルス信号を発生する周期を計
測するパルス発生周期計測手段と、 前記パルス発生周期計測手段により計測された第1のパ
ルス信号の発生周期から前記内燃機関の回転速度を演算
する回転速度演算手段、及び前記回転速度演算手段によ
り演算された回転速度に対して前記内燃機関の点火時期
を演算する点火時期演算手段を有する主制御手段と、 前記パルサが第1のパルス信号を発生した時に前記パル
ス発生周期計測手段により計測された第1のパルス信号
の発生周期を読み込むパルス発生周期読み込み手段、及
び前記パルサが前記第1のパルス信号を発生した時に点
火タイマに前記点火時期を計測するための計測値をセッ
トして該点火タイマに点火時期の計測を開始させる点火
タイマセット手段を有するパルサ割込み制御手段と、 前記点火タイマが前記点火時期の計測を完了した時また
は前記第2のパルス信号が発生した時に前記点火回路に
点火信号を与える点火信号供給手段とを備えた内燃機関
用点火装置において、 前記パルサ割込み制御手段は、前記パルス発生周期読み
込み手段が第1のパルス信号の発生周期を読み込んだ直
後に今回読み込まれた第1のパルス信号の発生周期を設
定値と比較して今回読み込まれた第1のパルス信号の発
生周期が設定値未満の時に前記内燃機関の回転速度が設
定速度を超えたと判定する回転速度判定手段を更に備
え、 前記点火タイマセット手段は、前記回転速度判定手段に
より前記内燃機関の回転速度が設定速度を超えていると
判定された時にのみ前記点火タイマに前記点火時期の計
測を開始させるように構成され、 前記主制御手段は、前記第1のパルス信号が発生してか
ら前記点火タイマがセットされるまでに要する時間の存
在に起因する点火時期の遅れを無くすように前記点火時
期演算手段が演算した点火時期を補正する点火時期補正
手段を備えていること、を特徴とする内燃機関用点火装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002101666A JP2003293922A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 内燃機関用点火装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002101666A JP2003293922A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 内燃機関用点火装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003293922A true JP2003293922A (ja) | 2003-10-15 |
Family
ID=29241916
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002101666A Pending JP2003293922A (ja) | 2002-04-03 | 2002-04-03 | 内燃機関用点火装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003293922A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100439681C (zh) * | 2005-12-07 | 2008-12-03 | 孙英姬 | 一种汽车引擎的停止起动装置 |
-
2002
- 2002-04-03 JP JP2002101666A patent/JP2003293922A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100439681C (zh) * | 2005-12-07 | 2008-12-03 | 孙英姬 | 一种汽车引擎的停止起动装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050131 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080213 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080617 |