JP3412144B2 - 銅電解精製におけるAg回収率の向上方法 - Google Patents
銅電解精製におけるAg回収率の向上方法Info
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- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Description
ード上に析出させて行くCuの電解精製工程において、
Cuに付髄してカソード上に取り込まれて行き易いAg
の挙動を抑制し、電解槽中にスライムとして残存するA
g量を高め、結果的に、副産物としてAg回収率を向上
する方法に関する。
この性質が生かされて、近年大いに市場が拡大している
電子電気機器業界の発展につれてその需要が伸びてい
る。しかしながら、鉱石採取時にCuと共存する種々の
不純物がある。例えば、As、Sb、BiやAgであ
る。これら不純物のうちAs、Sb、Bi等はCu製品
中に微量に存在しても、製品の電気伝導性や加工特性を
著しく損なううえ、採取鉱石の選鉱から溶解までの各工
程において、これらの不純物をCuから完全に分離する
ことは困難であり、結果的に溶製アノード中に不純物と
して存在する。そこで、溶製アノードを用いてCuの電
解精製操作を行う場合に、As、Sb、Bi等の不純物
がカソード、すなわち電気銅中に取り込まれないよう、
数々の工夫が為されている。
通常入手されるCu製品に関する限り何等の不都合を示
さないので、Cu精製工程においては、工程中において
Cl- を共存させること以外に、Agを隔離するための
特別な方法が採られぬまま今日に至っているのが実情で
ある。ただ、Agは承知の通り貴金属であるため、Ag
の分別採取量を増加させることは資源の活用に繋がり、
さらに、製錬工程より生産される製品の総合付加価値を
高めることにもなる。
合、通常、硫酸銅にニカワ等の添加物を添加した電解液
を満たした電解槽を用意すると共に、陽極に溶製アノー
ドを、陰極にCu種板を配し、電解液の温度を60℃前
後に保持し、かつ、析出によるCu濃度の減衰を補うた
めの給液操作を行いながら所望の電流密度により所望の
時間通電する。また、Cuの電解精製作業中、電解液か
らカソード、すなわち電気銅に析出させるAg量を抑制
するために、電解液に微量の塩素イオンを添加し、Ag
Clの形でAgを電解スライムとして沈殿採取してい
る。しかし、電解液中に存在する塩素イオンがあまり過
剰になると、カソードに析出するCuがデンドライト状
になり、製品外観の平滑性を損ない製品価値を低下させ
るので、多量の塩素イオンの添加は積極的には行われて
いなかった。
液からカソード上に析出させて電気銅を得る銅電解精製
工程において、Cuに付髄してカソード上に取り込まれ
て行き易いAgの挙動を抑制し、電解槽中に残存するA
g量を高め、結果的に、副産物としてAg回収率を向上
する方法を開示することを目的とする。
め、本発明者等は研究を重ねた結果、Cuの電解精製工
程において、電解液中の塩素イオンを従来より増加して
も、カソード近傍の電解液温度を調整すればカソード電
着面でのデンドライトの発生を防止でき、平滑な表面を
持った製品が得られることを見出だし、本発明に至っ
た。すなわち、本願発明では、Cuの電解精製工程にお
いて、電解液中に塩素イオン濃度を30mg/lより高
く60mg/l以下とし、好ましくは40mg/l以上
50mg/l以下とし、カソード近傍の電解液温度を5
5℃以下にする。カソード近傍の電解液温度は、カソー
ド下端部近傍の電解液温度で制御する。
は、例えば電解液の給液温度を調整したり、あるいは給
液方法を変更し、あるいはこれらを共に行うことにより
実現できる。給液方法の変更としては、給液位置をカソ
ード下端部近傍に置くことがある。なお、電解液温度を
低くしすぎると、生産性が低下し、さらに、あまりに低
下させると粒状電着が起きるため好ましくない。
解液中に塩素イオン濃度を30mg/l以上60mg/
l以下とするため、銀イオンは従来より多く塩化銀とな
り、スライムとして電解槽中に沈澱する。この結果、同
一アノードから回収するAg量を多くすることができ
る。このとき、カソード下端部近傍の電解液温度を55
℃以下とするため、カソード表面近傍の電解液の温度が
従来より低下するため、塩化銀の溶解度が低下し、銀イ
オンのスライム化が一層促進される。これと同時に、電
着状態が変化し、塩素イオンが高いにもかかわらずデン
ドライトの発生が防止できる。
れている電解槽の模式断面図を図1に、また液面より深
さ方向の液温の変化を図2に示す。図1の電解槽は、本
願発明が適用されるものである。この電解槽において
は、アノード10とカソード20が交互に配置され、給
液管30を介して電解槽下部に電解液が給液され、反対
側の液面近くから排液管40を介して排液される。図2
に示されるように、従来では、給液温度は約60℃であ
り、給液位置での電解液温度が最も高く、この位置より
も深いところでは、槽底からの放熱により急激に液温が
低下し、この位置より浅くなると、液温はいったん低下
するものの、カソード下端から液面にかけては通電によ
る発熱のためにわずかな温度低下しか見られない。よっ
て、本願発明の方法のように、カソード下端部近傍の電
解液温度を55℃に制御すれば、カソード上部での電解
液温度をほぼ55℃に維持できることになる。本発明で
電解液中の塩素イオン濃度を上げても、デンドライトの
発生を防止できるのは、このように電解液温度を下げる
ことができるからである。
の温度勾配が逆転し、カソード下端部近傍よりカソード
上端部近傍の方が温度が高くなることがある。このよう
な場合には、カソードの電着面に粒が生じやすくなる。
しかし、この温度は通電量などの操業度により異なって
くるため、あらかじめカソード近傍の温度勾配を測定し
て求めておくことが好ましい。
が45g/l、硫酸が190g/lの割合で調整した電
解液を用意し、この電解液にCu量1t当たり80gの
ニカワと、Cu量1t当たり60gのチオ尿素とを添加
した後、電解液の塩素イオン濃度を45mg/lになる
ように調整した。さらに、陽極に横1050mm、縦1
030mm、厚さ38mm、単重360kg、Ag含有
量500ppmの溶製アノードをアノード間隔が105
mmになるように配置し、上記のアノードのそれぞれを
挟んで、カソードとして横1070mm、縦1050m
m、厚さ0.7mmの銅種板27枚を配置した。そし
て、カソード下端部の電解液(図1の20a)の温度を
55℃に保って、電流密度250A/m2 で240時間
電解精製操作を持続した。次いで、カソードを引き上
げ、その後27枚の種板を配置して、240時間の電解
精製操作を継続した。
アノードの溶出全重量が7769kgとなり、合計3.
88kgのAgが電解槽中に溶出した。電気銅中のAg
の含有割合は僅かに7ppmであって、電解液中より電
気銅中に取り込まれたAg量は0.06kgに止まっ
た。その結果、電解槽中には3.82kgのAgを残存
させていることになり、溶出Agを電解槽中に残存させ
る割合、すなわちAg回収率として98.5%を確保し
た。
5mg/lになるように調整し、電解液の温度を45℃
に保った他は実施例1と同様にして処理した場合、採取
された電気銅の組成中Agの含有割合は僅かに10pp
mであって、電解液中より電気銅中に取り込まれたAg
量は0.08kgに止まった。その結果、電解槽中には
3.80kgのAgを残存させていることになり、溶出
Agを電解槽中に残存させる割合、すなわちAg回収率
として97.9%を確保した。
5mg/lになるように調整し、電解液の温度を50℃
に保った他は実施例1と同様にして処理した場合、採取
された電気銅の組成中Agの含有割合は僅かに7ppm
であって、電解液中より電気銅中に取り込まれたAg量
は0.04kgに止まった。その結果、電解槽中には
3.82kgのAgを残存させていることになり、溶出
Agを電解槽中に残存させる割合、すなわちAg回収率
として98.5%を確保した。
た他は実施例1と同様にして処理した場合、採取された
電気銅の組成中Agの含有割合は僅かに10ppmであ
って、電解液中より電気銅中に取り込まれたAg量は
0.08kgに止まった。その結果、電解槽中には3.
80kgのAgを残存させていることになり、溶出Ag
を電解槽中に残存させる割合、すなわちAg回収率とし
て97.9%を確保した。
3mg/lになるように調整し、電解液の温度を55℃
に保った他は実施例1と同様にして処理した場合、採取
された電気銅の組成中Agの含有割合は僅かに6ppm
であって、電解液中より電気銅中に取り込まれたAg量
は0.05kgに止まった。その結果、電解槽中には
3.83kgのAgを残存させていることになり、溶出
Agを電解槽中に残存させる割合、すなわちAg回収率
として98.7%を確保した。
5mg/lになるように調整し、電解液の温度を60℃
に保った他は実施例1と同様にして処理した場合、採取
された電気銅の組成中Agの含有割合は10ppmであ
って、電解液中より電気銅中に取り込まれたAg量は
0.08kgであった。しかし、得られたカソードの表
面は荒れていて、その商品価値は低いものとなってい
た。
5mg/lになるように調整し、電解液の温度を60℃
に保った他は実施例1と同様にして処理した場合、採取
された電気銅の組成中Agの含有割合は31ppmであ
って、電解液中より電気銅中に取り込まれたAg量は
0.24kgに上った。その結果、電解槽中には3.6
4kgのAgしか残存させないことになり、溶出Agを
電解槽中に残存させる割合、すなわちAg回収率は9
3.8%を確保するに止まった。
5mg/lになるように調整し、電解液の温度を60℃
に保った他は実施例1と同様にして処理した場合、得ら
れたカソードの表面は荒れていて、商品価値が全くない
ものとなっていた。
0mg/lになるように調整し、電解液の温度を50℃
に保った他は実施例1と同様にして処理した場合、採取
された電気銅の組成中Agの含有割合は14ppmであ
って、電解液中より電気銅中に取り込まれたAg量は
0.11kgになった。その結果、電解槽中には3.7
7kgのAgを残存させていることになり、溶出Agを
電解槽中に残存させる割合、すなわちAg回収率は9
7.2%であった。また、得られたカソードの表面は荒
れていて、商品価値は低くなっていた。
0mg/lになるように調整した他は実施例1と同様に
して処理した場合、採取された電気銅の組成中Agの含
有割合は20ppmであって、電解液中より電気銅中に
取り込まれたAg量は0.16kgであった。その結
果、電解槽中には3.72kgのAgを残存させている
ことになり、溶出Agを電解槽中に残存させる割合、す
なわちAg回収率として95.9%であった。また、得
られたカソードの表面は荒れていて、商品価値は低くな
っていた。
電解精製する場合に電解槽中に残存するAgの割合を高
くし、副産物として回収するAg量を増大することが容
易になり、生産品の付加価値を増大できる。
で、Cuを電解精製する場合に電解槽中に残存するAg
の割合を高くし、副産物として回収するAg量を増大す
ることが容易になり、生産品の付加価値を増大できる。
る。
関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 硫酸浴を使用し、溶製アノードを用い
て、電気銅を得る電解精製において、電解液中の塩素イ
オン濃度を30mg/lより高く60mg/l以下と
し、かつ、カソード下端部近傍の電解液の温度を55℃
以下にすることを特徴とするAg回収率の向上方法。 - 【請求項2】 電解液中の塩素イオン濃度を40mg/
l以上50mg/l以下にすることを特徴とする請求項
1に記載のAg回収率の向上方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33707794A JP3412144B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 銅電解精製におけるAg回収率の向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33707794A JP3412144B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 銅電解精製におけるAg回収率の向上方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08176878A JPH08176878A (ja) | 1996-07-09 |
JP3412144B2 true JP3412144B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=18305223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33707794A Expired - Lifetime JP3412144B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 銅電解精製におけるAg回収率の向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3412144B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5612145B2 (ja) | 2013-03-07 | 2014-10-22 | パンパシフィック・カッパー株式会社 | 電気銅の製造方法 |
JP6364920B2 (ja) * | 2014-04-23 | 2018-08-01 | 三菱マテリアル株式会社 | 電解精錬方法 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP33707794A patent/JP3412144B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08176878A (ja) | 1996-07-09 |
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