JP6364920B2 - 電解精錬方法 - Google Patents
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Description
そして、このような電解精錬方法では、電解槽内における銅濃度や温度を一定に維持するために、電解液の循環を行い、不足した添加剤の補充を同時に行なっている。
すなわち、本発明の電解精錬方法は、板状を成す粗金属製の複数のアノードと板状を成す複数のカソードとを、前記アノードと前記カソードとが交互に板厚方向に間隔を開けて並ぶ配列で、電解槽内の電解液中に吊り下げ、前記電解槽に電解液を循環させつつ、前記アノードと前記カソードとに通電することで、前記カソードに金属を電着させる金属の電解精錬方法であって、電解処理時に、前記電解槽のうち板状をなす前記アノードおよび前記カソードと垂直な面の一方の側面と前記アノードおよび前記カソードとの間を成す領域、および前記一方の側面と対向する他方の側面と前記アノードおよび前記カソードとの間を成す領域に、前記電解槽の給液口から排液口に向けて前記電解液を流すように構成されており、前記給液口は、前記一方の側面および前記他方の側面にそれぞれ対向するように形成され、前記給液口から前記一方の側面および前記他方の側面に向けて前記電解液を流すことを特徴とする。
これによって、電解槽の上部から底部に向けて降下するように電解液が流れるので、下入れ上抜き還流方式で問題となる電解槽底部のスライムを巻き上げることを防止しつつ、カソードに添加剤を供給することができる。よって、スライムに含まれる不純物のカソードへの再付着を防止することができる。
図1(a)は、電解精錬装置を上から見た状態を示す平面図である。また、図1(b)は、電解精錬装置の側断面図である。
電解精錬装置10は、直方体状の電解槽11と、電解液を還流させる還流機構12と、電解槽11に挿入されるアノード31およびカソード32に電流を印加する給電機構(図示せず)とから構成されている。
本実施形態のように、銅を電解精錬する場合には、電解液Qとして、硫酸銅及び硫酸の混合水溶液に、ニカワやチオ尿素等の添加剤を混合させたものが使用される。
このような給液口21は、電解液Qの液面よりも下側で、かつ電解液Qの液面の近傍に位置している。
例えば図3(a),(b)に示すように、電解液Qの液面近傍で、かつ、電解槽11の一方の副側面11aにおける一方の主側面11c寄り、および他方の主側面11d寄りに、それぞれ独立した2つの給液口21c,21dを形成することもできる。こうした実施形態でも、電解槽11の一方の主側面11cおよび他方の主側面11dとアノード31およびカソード32との間の領域に沿って電解液Qを流すことができる。
こうした図5(a),(b)に示す実施形態では、電解液Qは、電解槽11の一方の主側面11cとアノード31およびカソード32との間を成す領域、および他方の主側面11dとアノード31およびカソード32との間を成す領域に沿って排液口22に向けて流れるとともに、電解液Qの液底付近から液面付近に上昇するように流れる。
上述した電解精錬装置10を使用した本発明の電解精錬方法について説明する。
図1に示す電解精錬装置10を使用して、例えば、粗銅を精錬する際には、まず、純度が99mass%程度の粗銅の厚板材をアノード31とし、また、純度が99.99mass%程度の銅の薄板材をカソード32として、電解槽11の一方の副側面11aに平行になるように、交互に電解槽11内に吊下させる。また、これらカソード32およびアノード31を給電機構(図示せず)に接続する。
即ち、電解槽11の給液口21から供給された電解液Qは、カソード32およびアノード31の下部領域ではなく、主に電解槽11の一方の主側面11cおよび他方の主側面11dとカソード32およびアノード31との間を成す領域を、比較的速い速度で排液口22に向けて流れていく。
(本発明例1)
図1に示す電解精錬装置を用いた。電解槽は長さ4800mm×幅1200mm×深さ1350mmの大きさとし、図2に示す構造の給液口を備えた給液方向規制部材を電解槽の一方の副側面における電解液の表面近傍に設置し、電解液の環流供給を行った(上入れ下抜き環流方式)。ここでは、図2に示す給液方向規制部材を備えているが、図3に示すように、電解槽の一方の主側面および他方の主側面にそれぞれ沿って電解液が流れるように給液口を形成してもよい。そして、電解槽の他方の副側面における電解液の液底近傍に形成された排液口から電解液を排出させ、背面側で電解液の液面側からオーバーフローさせて還流機構に流入させる。電解槽には、粗銅アノード(高さ980mm×幅960mm×厚さ45mm)を46枚と、銅カソード(高さ1000mm×幅1000mm×厚さ0.7mm)45枚を吊下させる。ついで、電解槽内を電解液で満たし、環流給液しつつ通電する。電解液温度は62℃とし、電解液の給液流量は毎分50リットルとする。電解精錬条件としては、カソード電流密度を205A/m2とし、2回採り(1回目:13日、2回目:13日)を行った。なお、2回採りとは、アノード1枚につき2回電解してカソードすなわち精錬銅を2枚製造する操業方法のことであり、1回目の精錬銅を製造する操業を「1stCrop操業」、2回目の精錬銅を製造する操業を「2stCrop操業」と称する。こうした電解槽および操業条件で、環流供給された添加剤を含む電解液がカソードに到達するまでの所要時間を流体解析より求めた。
本発明例1と同様の環流給液方法を用いて電解精錬を行うが、図5(a),(b)に示すような、電解液の液底近傍から給液し、電解液の液面近傍から排液する、下入れ上抜き環流方式の電解精錬装置を採用した。電解槽に吊下される粗銅アノードおよび銅カソードのサイズや枚数は、本発明例1と同様である。電解液温度は62℃とし、給液流量は毎分50リットルとした。カソード電流密度は205A/m2とし、環流供給された添加剤を含む電解液がカソードに到達するまでの所要時間を流体解析より求めた。
本発明例と同じサイズの電解槽を用いて、本発明例2と同じく「下入れ上抜き環流方式」で電解精錬を行ったが、図6(a),(b)に示すように、環流供給される電解液が、電解槽の一方の副側面の中央に1箇所形成された給液口から、排液口に向かうような構造とした。電解槽に吊下される粗銅アノードおよび銅カソードのサイズや枚数は、本発明例1と同様である。また、電解液の温度や給液流量、カソード電流密度は、本発明例と同様とした。この条件で供給された添加剤を含む電解液がカソードに到達するまでの所要時間を流体解析より求めた。
一方、比較例では、電解液が一方および他方の主側面とアノードおよびカソードとの間の領域を流れる流速が本発明例1、2より小さくなることにより、添加剤を含む電解液の供給のばらつきの解消が困難であると考えられる。
11 電解槽
12 還流機構
21 給液口
22 排液口
31 アノード
32 カソード
Claims (2)
- 板状を成す粗金属製の複数のアノードと板状を成す複数のカソードとを、前記アノードと前記カソードとが交互に板厚方向に間隔を開けて並ぶ配列で、電解槽内の電解液中に吊り下げ、前記電解槽に電解液を循環させつつ、前記アノードと前記カソードとに通電することで、前記カソードに金属を電着させる金属の電解精錬方法であって、
電解処理時に、前記電解槽のうち板状をなす前記アノードおよび前記カソードと垂直な面の一方の側面と前記アノードおよび前記カソードとの間を成す領域、および前記一方の側面と対向する他方の側面と前記アノードおよび前記カソードとの間を成す領域に、前記電解槽の給液口から排液口に向けて前記電解液を流すように構成されており、
前記給液口は、前記一方の側面および前記他方の側面にそれぞれ対向するように形成され、前記給液口から前記一方の側面および前記他方の側面に向けて前記電解液を流すことを特徴とする金属の電解精錬方法。 - 前記電解液は、前記電解槽に貯留されている前記電解液の液面近傍に形成された前記給液口から給液され、前記電解液の液底近傍に形成された前記排液口から排液されることを特徴とする請求項1に記載の金属の電解精錬方法。
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