JP7002494B2 - 電解装置及び電解方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電解装置及び電解方法に関する。
従来の電解装置では、電解槽の長手方向の一端側の下部から電解液が供給され、他端側の上部から電解液が排液される下入れ上抜き方式と呼ばれる電解液の給排液が行われてきた。電解槽内の液組成及び添加剤濃度を均一に保つことは、例えば電気銅の品質及び電解成績を向上させるために重要な技術の一つであり、これまで色々な方法が検討されている。
例えば、特開2007-204779号公報(特許文献1)には、電解槽の長手方向の一端側から電解液の上層部及び下層部へ電解液を給液し、反対側の端部側の液面上層部から排液する方法が提案されている。特開2015-209550号公報(特許文献2)には、電解槽の長手方向の一端の上部から電解液が側面に向けて給液され、他端の下部から排液される方法が提案されている。また、全く別の方法として、特開2014-189851号公報(特許文献3)及び特許第5227404号公報(特許文献4)には、電解槽の底や電解槽脇から電解液を給液する方法が提案されている。
特開2007-204779号公報 特開2015-209550号公報 特開2014-189851号公報 特許第5227404号公報
しかしながら、電解が進むと電解槽内に液の濃度差が生まれ、電解槽底へいくほど比重の重い液が溜まる。給液口から給液された液は、電解槽底の液より比重が軽いため、特許文献1及び2に記載されるような下入れ上抜き方式の電解液の給排液を行った場合には、給液位置より下方に電解液や添加剤が供給されないデッドスペースが生じる。電解槽内に添加剤が供給されない領域が生じると電着物の表面が荒れる場合や、電解液が供給されないことによって液中の銅濃度が部分的に上昇して不動態化が起こりやすくなる場合がある。
特許文献3に記載された発明では、電解槽の下方且つカソードの側方から電解液を供給し、電解槽の上部の電解液排出口から電解液を排液することで、排液側の電解槽底部の銅濃度上昇を防ぐことはできる。しかしながら、給液側は、従来と同様に上方から供給されているため、給液側の電解槽下方には電解液が供給されないデッドスペースが生じ、電解槽内の混合状態を十分に改善できているとはいえない。
特許文献4に記載された発明では、電解槽の底及び電解槽脇から電解液を供給することにより、電解槽内の電解液の混合状態を改善することができる。しかしながら、特許文献4では、電解液を下方から上方へと強制的に対流させることにより、殿物の巻き上げなどによるカソードの汚染の問題が発生するおそれがある。
上記課題を鑑み、本開示は、槽内全体に渡ってより均一に電解液を給液でき、電解液の混合状態を改善することが可能な電解装置及び電解方法を提供する。
本発明の実施の形態に係る電解装置は一実施態様において、電解液を収容する電解槽の長手方向に沿って互いに間隔を空けて配置された電極を電解液中に浸漬し、電解液を循環しながら電解処理する電解装置であって、長手方向に延びる電解槽の第1の側壁に沿って延び、互いに間隔を空けて配置された複数の給液口から第1の側壁と対向する電解槽の第2の側壁側に向けて電解液を給液する給液配管と、給液配管よりも下方に配置され、第2の側壁に沿って延び、互いに間隔を空けて配置された複数の排液口から電解液を排液する排液配管と、排液配管により排液された電解液を電解槽外へ排液する排液部とを備え、排液配管が、長手方向に沿って少なくとも2本以上の配管を備える電解装置である。
本発明の実施の形態に係る電解方法は一実施態様において、電解液を収容する電解槽の長手方向に沿って互いに間隔を空けて配置された電極を電解液中に浸漬し、電解液を循環しながら電解処理する電解方法であって、長手方向に延びる電解槽の第1の側壁に沿って延びる給液配管に設けられた複数の給液口から第1の側壁と対向する電解槽の第2の側壁側に向けて電解液を給液し、給液配管よりも下方に配置され、第2の側壁に沿って長手方向に延びる複数の排液配管の複数の排液口を介して電解液を排液し、排液配管によって排液された電解液を電解槽外へ排液することを含む電解方法である。
本開示によれば、槽内全体に渡ってより均一に電解液を給液でき、電解液の混合状態を改善することが可能な電解装置及び電解方法が提供できる。
本発明の実施の形態に係る電解装置の上面概略図である。 本発明の実施の形態に係る電解装置を側面からみた場合の給液配管と排液配管との位置関係を示す概略図である。 給液配管が備える給液口及び排液配管が備える排液口を示す説明図である。 排液ボックスと排液配管の電解槽内の配置位置を表す説明図である。 給液部と排液ボックスを表す上面概略図である。 電解液が排液ボックスから給液部へと流れる様子を表す断面概略図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態に係る電解装置及び電解方法について説明する。なお、以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の構造、配置及び手順等を下記のものに特定するものではない。
(電解装置)
本発明の実施の形態に係る電解装置は、図1に示すように、電解液を収容するための直方体状の電解槽1を備える。電解槽1のサイズとしては、例えば、電解槽1の長さ(長手方向Xの内径)が5200~5900mm、幅(短手方向Yの内径)が1095~1110mm、深さが1275~1510mmとなるように形成することができる。
電解槽1は、長手方向Xに平行な方向に延びる第1の側壁11と、第1の側壁11に対向する第2の側壁12と、長手方向Xの一端において第1の側壁11及び第2の側壁12に垂直に延びる第3の側壁13と、長手方向Xの他端において第1の側壁11及び第2の側壁12に垂直に延び、第3の側壁13に対向する第4の側壁14とを有する。
電解槽1の第1の側壁11の上方には、電解槽1内に収容される電解液の液面もしくは液面近傍となる高さにおいて電解槽1の長手方向Xに沿って延びる給液配管2が配置されている。給液配管2は、電解槽1の第3の側壁13の上方に配置された給液部20に接続されている。給液部20は、図1(a)及び図1(b)に示す電解槽1の他に、電解槽1以外の他の電解槽に対しても電解液を給液することが可能な給液主管と、供給主管から給液配管2へ電解液を分岐させる分岐配管とを備えることができるが、この例に制限されないことは勿論である。
給液配管2には、長手方向Xに沿って複数の給液口21a、21b・・・21xが好ましくは等間隔に設けられている。電解液の混合状態を改善するためには、複数の給液口21a、21b・・・21xは、電解液の液面から400mm以内の高さ、より好ましくは200mm以内の高さ、さらに好ましくは50mm以内の高さに配置されることが好ましい。
給液配管2は、電解液の供給流量を20~100L/分となるように電解槽1内へ供給することが好ましい。電解液の供給流量が20L/分未満では添加剤が電解槽1内に行き渡る前に分解してしまい、電着した金属の平滑性が損なわれる場合や、不動態化を起こす場合がある。電解液の供給流量は電解効率の面から高い方が好ましいが、電解液の供給流量が100L/分を超えると、電解槽1内の殿物が巻き上げられてカソード板表面へ付着する場合がある。
本実施形態に係る電解装置では、供給流量を20~100L/分とすることで、殿物の巻き上げを抑制しながら電解槽1内に給液される電解液の混合状態をより改善することができ、より効率の高い電解精製を実施することができる。なお、電解液の供給流量は、30~90L/分とすることが好ましく、30~70L/分とすることがより好ましく、50~70L/分とすることが更に好ましい。
電解槽1の第4の側壁14側上方には、電解槽1内の電解液を電解槽1外へ排出するための排液部30及び排液部30に接続された排液ボックス32が設けられている。排液ボックス32には、図4に示すように、複数の排液配管3a、3b、3cがそれぞれ接続されている。排液配管3a、3b、3cは、図2に示すように、給液配管2よりも下方に配置され、第2の側壁12に沿って延び、互いに間隔を空けて電解槽1の長手方向に沿って配置された複数の排液口31a、31b・・・31f、31g、31h・・・31l、31m、31o・・・31xを備える。
図2の例では、電解槽1の上流側、即ち、給液部20に近い側の電解槽1内の電解液を排液可能な排液口31a~31fを備える排液配管3aと、電解槽1の中央付近の電解液を排液可能な排液口31g~31lを備える排液配管3bと、電解槽1の排液ボックス32に近い側の電解液を排液可能な排液口31m~31xを備える排液配管3cの3本の配管が上下に離間してそれぞれ配置される例が記載されているが、この配置に限定されないことは勿論である。
例えば、配管の長さが一番長い排液配管3aを、電解槽1の底部に最も近い位置に配置し、配管の長さが最も短い排液配管3cを、3つの排液配管3a、3b、3cの中で最も上部となるように配置することも可能であることは勿論である。
排液配管3a、3b、3cは、それぞれ排液ボックス32に接続された一端側とは反対側の先端部に排液口31a~31xがそれぞれ設けられている。図2に示すように排液配管3a、3b、3cの先端部にのみ排液口31a~31xが設けられることによって、一本の排液配管の全体に渡って排液口を均一に設ける場合に比べて、排液口31a~31xが形成される領域の電解槽1の長手方向に沿った長さをそれぞれ短くすることができるため、圧力損失を小さくでき、排液口31a~31xが配置された各領域の電解液をより効率的に排液しやすくなる。これにより、電解槽1長手方向の排液ムラが生じにくくなる。
なお、排液配管3a、3b、3cの最も先端部分にある例えば排液口31a、31g、31m等は排液ボックス32から最も遠い位置にあるため、排液配管3a、3b、3c内を流れる電解液の抵抗や圧力損失等により、排液ボックス32側へ十分に排液されない場合がある。図2に示すように、排液配管3a、3b、3cの排液口31a~31xの端部、即ち、排液口31fと排液口31g、排液口31lと排液口31mとが互いに上下に重なるように配置されることによって、排液配管3a、3b、3cの先端部においても十分に排液が行われるように構成することができる。これにより、電解槽1長手方向の排液ムラを生じにくくすることができる。
排液配管3a、3b、3cの管径は、給液配管2の管径よりも大きくなるように構成されることが好ましい。排液配管3a、3b、3c側の管径を給液配管2の管径よりも大きくすることによって、排液ボックス32から電解液のヘッド圧差を利用して電解液を電解槽1外へ排出させる際に、排液配管3a、3b、3cの圧力損失の影響をより小さくすることができる。これにより、より円滑に給液配管2内に吸い上げられた電解液を電解槽1の外へ排出しやすくできる。
排液配管3a、3b、3cの管径は、給液配管2の管径よりも1.5倍以上、より好ましくは2倍以上、更に好ましくは4倍以上大きくすることができる。
排液配管3a、3b、3cの高さは、底部に近づけすぎると電解槽1の底部の殿物などを巻き込んで排液口31a~31xの詰まり或いは不具合等を生じさせる場合がある。排液口31a~31xは、例えば、電解槽1内に収容される電極の下端部を起点に、上方に100mm、下方に300mmの範囲に配置されることが好ましく、より好ましくは上方に100mm、下方に100mmの範囲に配置される。
図3に示すように、給液配管2が備える給液口21a、21a、21c・・・21xの開口面積よりも排液配管3a、3b、3cが備える排液口31a、31b・・・31xの開口面積が大きくなるように形成されていることが好ましい。排液口31a、31b・・・31xの開口面積を大きくとることによって、排液配管3a、3b、3c内の電解液を電解槽1外へ排出させる際の圧力損失の影響をより小さくすることができる。
以下に限定されるものではないが、排液口31a~31xの各開口面積を給液口21a~21xの各開口面積に対して1~400倍、より典型的には100~200倍大きくすることができる。これにより、排液口31a~31xから電解槽1内の電解液を効率よく排液することができる。
給液口21a~21x及び排液口31a~31xの形状、穴径(スリット径)及び間隔は、電解槽1の大きさ等に応じて適宜調整することができる。図3に示す例では、給液口21a、21b、21・・・21xは円形状又は楕円形状、矩形状を有し、互いに間隔d1を空けて配置されている。排液口31a、31b・・・31xは、スリット径d2を有する長円或いは略長方形状を有し、互いに間隔d3を空けて配置されている。
以下に制限されないが、図3の例に示すように、給液配管2には、電解槽間隔d1が50mm間隔で穴径が5φの円又は楕円形状給液口21a、21b、21・・・21xが形成されている。排液配管3a、3b、3cの先端部には、幅10mm、スリット径(d2)400mmの長円形状又は略矩形形状の排液口31a、31b、・・・が、200mmの間隔d3を有してそれぞれ配置されている。
図2に示すように、電解槽1の第4の側壁14側には、電解液を電解槽1外へ排液する排液部30が配置されている。排液部30には排液ボックス32が接続されている。図5に示すように、排液部30には、電解槽1内の電解液を排出するための排出口300が設けられている。図6に示すように、排出口300の下方には、電解液を電解槽1外へ排出するために排出口300に接続された排出配管301が設けられている。
排液ボックス32は、図6に示すように、電解液の液面LSよりも下方となる底面32aを備える。底面32aには、図5に示すように、排液配管3a、3b、3cの出口3A、3B、3Cがそれぞれ接続されている。電解槽1から排液配管3a、3b、3c内に排液された電解液は、電解液の液面LSと排液ボックス32内の電解液の液面lsの高さの差Hによるヘッド圧差により汲み上げされる。
排液部30と排液配管3a、3b、3cとの間に排液ボックス32が配置されることにより、ポンプ等の動力を使用せず、且つ電解槽1の底部に沈積する殿物の巻き込みを抑制しながら、電解槽1の下方から電解液を電解槽1の外部へ抜き出すことができる。
排液ボックス32の電解液と接する側の側壁32bの上端部の高さは、電解槽1内の電解液の液面LSに対して数mm~数十mm上方となるように配置されている。排液ボックス32は、電解槽1内に収容された電解液と接する側の側壁32bに、電解槽1内の電解液中の異物を排液ボックス32へ送るための切り欠き部33を備えることが好ましい。この切り欠き部33は、図4に示すように、電解槽1の上方側から下方側に向かってその開口幅AWが小さくなるような形状を有している。切り欠き部33の形状としては、V字形状、U字形状、台形形状等の種々の形状を取り得るが、具体的な形状は特に限定されない。
電解槽1内には、電解を行うにつれて電解液の液面LSにゴミ等の異物が溜まる場合がある。この異物が電解槽1内に留まると、電解に悪影響を与える恐れがある。本発明の実施の形態に係る電解装置によれば、電解槽1の電解液の液面LS付近にたまるゴミなどの異物を含む電解液を切り欠き部33からオーバーフローさせて排出することができるため、電解槽1内の電解液の液面LS付近のゴミの滞留を抑制することができる。
図6に示すように、排液ボックス32と排液部30との間には、排液ボックス32から排液部30へと流れる電解液を堰き止めるように配置された調整板35が配置されている。調整板35が配置されることにより、排液配管3(3a、3b、3c)を介して排液ボックス32内に回収された電解液が、調整板35の上端からオーバーフローして排液部30へと流れる。
例えば、大きさの異なる調整板35を配置することにより、調整板35の排液ボックス32の底面32aからの高さhを変更することが可能である。調整板35の高さhを変更することにより、電解槽1内の電解液の液面LSと排液ボックス32内の電解液の液面lsとの高さの差Hを調整することができる。これにより、電解槽1内の電解液の液面LSとの電解液の液面lsとの高さの差Hによるヘッド圧差を調整して、どのような給液量であっても電解槽1内の電解液の液面LSの高さを一定に保つことができる。
図5に示すように、排液ボックス32には、排液配管3a、3b、3cの出口3A、3B、3Cが接続された底面32aを複数の領域に分割するための分割壁37が排液ボックス32に設けられていることが好ましい。分割壁37を配置せずとも各出口3A、3B、3Cからそれぞれ排出される電解液の量を把握することは可能であるが、排液ボックス32に分割壁37が配置されることにより、各出口3A、3B、3Cからそれぞれ排出される電解液の量を目視により把握しやすくできる。
図1の電解装置には不図示の電解液の環流機構が設けられている。環流機構は、電解槽1の排液部30から排出された電解液にニカワやチオ尿素等の添加剤を追加するとともに、必要な成分調整と温度調整を行い、調整後の電解液を給液配管2から電解槽1内へと環流する。電解装置には不図示の給電機構が設けられている。給電機構は、電解槽1内の長手方向に沿って交互に配置されるアノード板とカソード板とを含む電極の間に直流電流を印加する電源装置と配線とを備えている。
アノード板及びカソード板の構成は特に限定されない。アノード板は電解精製もしくは電解採取を行う際の陽極となり、粗金属製の板材で構成される。カソード板は電解精製もしくは電解採取を行う際の陰極となり、導電性に優れた板状の金属で構成される。
電解槽1内の電解液の混合状態を改善するために種々の検討が行われてきたが、電解槽1内の長手方向の一端側から長手方向の他端側へと電解液を流す従来の下入れ上抜き方式の電解装置では電解液供給方向上流側と下流側で電解液中の銅などの金属イオン濃度及び添加物の濃度に偏りが生じるとともに、電解が進むにつれて電解槽1の上部から底部へいくほど金属イオン濃度が高くなる傾向にあった。
本発明の実施の形態に係る電解装置によれば、電解槽1の幅(Y)方向、即ち、電解槽1の第1の側壁11側から第2の側壁12側へと電解液を供給するように構成するとともに、給液配管2の給液口21a、21b・・・23xの設置位置を、排液配管3a、3b、3cの排液口31a、31b・・・31xよりも相対的に上方となるように構成した、いわゆる、「横入れ上入れ下抜き方式」を採用する。その結果、電解槽1の底部の銅イオン濃度などの金属イオン濃度の上昇を効果的に抑制できるとともに、電解液中に含まれる種々の添加剤の濃度分布を電解槽1内全体でより均一化することができる。
さらに、電解槽1において上方から下方へと電解液を流すことにより、殿物の巻き上げの恐れも少なくなる。そのため、電解液の供給流量を大きくしても殿物の巻き上げを抑制しながら電解液の混合状態を改善することができ、電着物の電着効率も従来に比べて改善させることができる。さらに、電着物の表面性状に影響を及ぼすニカワなどの添加物を電解槽全体にわたって均一に行き渡らせることができるため、電解槽1全体において品質の揃った電着物が得られる。
(電解方法)
本発明の実施の形態に係る電解装置を用いて電解液を電気分解することにより、複数のカソード板に銅などの金属を電着させることができる。以下においては、本発明の実施の形態に係る電解装置を用いて電気分解する例として粗銅を精錬する場合について説明する。
まず、例えば純度が99mass%程度の粗銅の板材をアノード板とし、純度が99.99mass%程度の銅の板材又はステンレス板をカソード板として、複数のアノード板と複数のカソード板とを交互に板厚方向に間隔を空けて、電極板の下端が電解槽1の底面から所定の間隔が空くように電解槽1内に配置する。
給液部20に接続された給液配管2の複数の給液口21a、21b・・・23xから硫酸銅及び硫酸の混合水溶液にニカワやチオ尿素などの添加剤を添加した電解液を供給し、排液ボックス32及び排液部30に接続された排液配管3a、3b、3cの複数の排液口31a、31b・・・31xから電解槽1内の電解液を排液し、不図示の環流機構によって、電解液を循環させる。
給電機構を用いてアノード板とカソード板との間に直流電流を印加し、アノード板の銅を電解液中にイオンとして溶出させてカソード板へ電着させる。このとき、アノード板及びカソード板の側面と対向する電解槽1の第1の側壁11の上方から電解液を電解槽1内へ供給し、第1の側壁11と対向する電解槽1の第2の側壁12の下方で電解液を排液配管3a、3b、3c内へ排液させるように液流を発生させる。
排液配管3a、3b、3c内へ排液された電解液は、排液ボックス32により汲み上げられて、排液部30を介して排液される。電解槽1内の電解液の上層に浮遊するゴミなどの異物は、排液ボックス32が備える切り欠き部33から越流により排液ボックス32内へ収容され、電解槽1の外部へ排出される。
本発明の実施の形態に係る電解方法によれば、電解槽1の短手方向Yの一端から短手方向Yの他端側へ、且つ上方から下方へ向けて電解槽1の長手方向Xに沿った複数箇所から電解液を流すことにより、電解槽1の長手方向Xの一端側から他端側へと電解液を流す従来の方式と比べて、電解槽1内の電解液の混合状態をより良好にすることができる。
特に、本発明の実施の形態に係る電解方法によれば、電解槽1下部の銅イオンなどの金属イオン濃度の上昇を抑制し、金属イオンを液中により均一に分散できるため、高い電流密度又は不純物濃度の高い材料をアノード板に用いて電解精製を実施した場合の不動態化現象をより効率的に抑制することが可能となる。
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態及び運用技術が明らかとなろう。
給液配管2及び排液配管3a、3b、3cがそれぞれ備える給液口21a、21b・・・23x及び排液口31a、31b・・・31xの位置は、電解槽1内に浸漬されるアノード板及びカソード板が配置される位置との関係で調整することができる。例えば、給液配管2に設けられた複数の給液口21a、21b・・・23x及び排液配管3a、3b、3cに設けられた複数の排液口31a、31b・・・31xを、それぞれアノード板とカソード板との間に設けられた隙間に面するように設け、電解液をアノード板とカソード板との空間に供給するように構成することができる。このようにしてアノード板及びカソード板の表面に液流を発生させることにより、高い電流密度又は不純物濃度の高い材料をアノード板に用いて電解精製を実施した場合の不動態化現象をより効率的に抑制することが可能となる。
電解槽1内に収容されるアノード板とカソード板との間の空間には、給液口21a、21b・・・23x及び排液口31a、31b・・・31xがそれぞれ1箇所ずつ配置されるだけでなく、アノード板とカソード板との間の空間の広さに対応して給液口21a、21b・・・23x及び排液口31a、31b・・・31xが空間内に複数配置されるようにしてもよい。また、電解液、特に添加剤の混合状態が悪化しやすい電解槽1の長手方向中央側から排液側の給液口21a、21b・・・23x及び排液口31a、31b・・・31xの個数を電解槽1の長手方向中央側から給液側の個数よりも多くするようにしてもよい。
給液配管2及び排液配管3a、3b、3cがそれぞれ備える給液口21a、21b・・・23x及び排液口31a、31b・・・31xの各開口面積は、基本的には長手方向Xに沿ってそれぞれ等しい大きさとなる例を示しているが、電解槽1の長手方向X上流側と下流側で異なる開口面積を有していてもよい。給液配管2及び排液配管3a、3b、3cは複数の配管又は一の配管が長手方向に沿って枝状に分岐した配管を用いることができる。
このように、本発明は上記の開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によって表されるものであり、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲において変形し具体化し得る。
1…電解槽
2…給液配管
3(3a、3b、3c)…排液配管
3A、3B、3C…出口
11…第1の側壁
12…第2の側壁
13…第3の側壁
14…第4の側壁
20…給液部
21a~21x…給液口
30…排液部
31a~31x…排液口
32…排液ボックス
32a…底面
32b…側壁
33…切り欠き部
35…調整板
37…分割壁
300…排出口
301…排出配管

Claims (9)

  1. 電解液を収容する電解槽の長手方向に沿って互いに間隔を空けて配置された電極を前記電解液中に浸漬し、前記電解液を循環しながら電解処理する電解装置であって、
    前記長手方向に延びる前記電解槽の第1の側壁に沿って延び、互いに間隔を空けて配置された複数の給液口から前記第1の側壁と対向する前記電解槽の第2の側壁側に向けて前記電解液を給液する給液配管と、
    前記給液配管よりも下方に配置され、前記第2の側壁に沿って延び、互いに間隔を空けて配置された複数の排液口から前記電解液を排液する排液配管と、
    前記排液配管により排液された前記電解液を前記電解槽外へ排液する排液部と
    を備え、
    前記排液配管が、前記長手方向に沿って少なくとも2本以上の配管を備え、前記2本以上の配管の先端部が上下方向に重なるように配置され、前記複数の排液口が少なくとも前記先端部にそれぞれ互いに間隔を空けて配置され、前記2本以上の配管のうち下方側の配管の最も先端部分に配置された排液口が、その上方にある配管の前記複数の排液口の一部と上下方向に重なるように配置されていることを特徴とする電解装置。
  2. 前記電解液の液面よりも下方となる底面を備え、前記底面に前記排液配管の出口が接続され、前記排液配管内の前記電解液を汲み上げ可能な排液ボックスを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電解装置。
  3. 前記排液配管が、長手方向上流側の電解液を回収可能な第1の配管と長手方向下流側の電解液を回収可能な第2の配管の少なくとも2本以上の配管を備えることを特徴とする請求項1に記載の電解装置。
  4. 前記給液配管の管径よりも前記排液配管の管径が大きいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電解装置。
  5. 前記給液口の開口面積よりも前記排液口の開口面積が大きいことを特徴とする請求項1に記載の電解装置。
  6. 前記排液ボックスが、前記電解液と接する側の側壁に、前記電解槽内の電解液中の異物を前記排液ボックスへ送るための切り欠き部を備えることを特徴とする請求項2に記載の電解装置。
  7. 前記排液ボックスと前記排液部との間に配置される調整板を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の電解装置。
  8. 前記排液配管の出口が接続された前記底面を複数の領域に分割するための分割壁が前記排液ボックスに設けられていることを特徴とする請求項2、6、7のいずれか1項に記載の電解装置。
  9. 電解液を収容する電解槽の長手方向に沿って互いに間隔を空けて配置された電極を前記電解液中に浸漬し、前記電解液を循環しながら電解処理する電解方法であって、
    前記長手方向に延びる前記電解槽の第1の側壁に沿って延びる給液配管に設けられた複数の給液口から前記第1の側壁と対向する前記電解槽の第2の側壁側に向けて前記電解液を給液し、
    前記給液配管よりも下方に配置され、前記第2の側壁に沿って前記長手方向に延び、先端部が上下方向に重なるように配置された複数の排液配管であって、少なくとも前記先端部に互いに間隔を空けて配置された複数の排液口を備え、前記複数の排液配管のうち下方側の排液配管の最も先端部分に配置された排液口が、その上方にある排液配管の前記複数の排液口の一部と上下方向に重なるように配置されている前記複数の排液配管が備える前記複数の排液口を介して前記電解液を排液し、
    前記排液配管によって排液された前記電解液を前記電解槽外へ排液すること
    を含む電解方法。
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