JPS6342716B2 - - Google Patents
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- JPS6342716B2 JPS6342716B2 JP59193942A JP19394284A JPS6342716B2 JP S6342716 B2 JPS6342716 B2 JP S6342716B2 JP 59193942 A JP59193942 A JP 59193942A JP 19394284 A JP19394284 A JP 19394284A JP S6342716 B2 JPS6342716 B2 JP S6342716B2
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Description
【発明の詳細な説明】
発明の分野
本発明は、金電解法に関するものであり、特に
は陰極板としてチタン板を使用して金電解を行な
うに当たり、先ず該チタン陰極板上に薄い金層を
電着させて障壁層を形成し、その後通常の電解を
行なうことにより電着金中へのチタン汚染を防止
することを特徴とする金電解法に関する。本発明
により5N(99.999%)純度の高純度金が得られ
る。
は陰極板としてチタン板を使用して金電解を行な
うに当たり、先ず該チタン陰極板上に薄い金層を
電着させて障壁層を形成し、その後通常の電解を
行なうことにより電着金中へのチタン汚染を防止
することを特徴とする金電解法に関する。本発明
により5N(99.999%)純度の高純度金が得られ
る。
従来技術
金は、金鉱石の製錬による他、銅、鉛、亜鉛等
の製錬の副産物として回収されており、原料に応
じた様々の精製方法が実施されている。こうした
方法のほとんどは、最終的に、電解精製に依存し
ている。一例として我国における従来からの銅電
解殿物からの回収例によれば、銅電解殿物を最初
硫酸浸出などにより脱銅後、650〜700℃で酸化焙
焼しSeをSeO2として揮発分離する。
の製錬の副産物として回収されており、原料に応
じた様々の精製方法が実施されている。こうした
方法のほとんどは、最終的に、電解精製に依存し
ている。一例として我国における従来からの銅電
解殿物からの回収例によれば、銅電解殿物を最初
硫酸浸出などにより脱銅後、650〜700℃で酸化焙
焼しSeをSeO2として揮発分離する。
焙焼殿物に溶剤を加え、還元溶錬してAuとAg
を貫鉛中に捕集し、分銀炉で灰吹法により処理し
て粗銀とした後、Moebius電解法によりAgを回
収し、更にそのアノードスライムからAuを回収
する。即ち、Ag電解からのアノードスライムは
硝酸で処理して、Ag、Pdを溶解後Au95〜98%、
Ag1〜3%含有する金電解解アノードとされる。
陰極板は純金板を用いる。金電解においてはアノ
ードの不働態化が起るので、直流に交流を重畳し
て電解を行うWohlwill法が実施されている。
を貫鉛中に捕集し、分銀炉で灰吹法により処理し
て粗銀とした後、Moebius電解法によりAgを回
収し、更にそのアノードスライムからAuを回収
する。即ち、Ag電解からのアノードスライムは
硝酸で処理して、Ag、Pdを溶解後Au95〜98%、
Ag1〜3%含有する金電解解アノードとされる。
陰極板は純金板を用いる。金電解においてはアノ
ードの不働態化が起るので、直流に交流を重畳し
て電解を行うWohlwill法が実施されている。
こうした金電解法における陰極板としては、上
述したように、種板と呼ばれる金の薄板が用いら
れ、この種板に金を電着させる方法がとられてき
た。これは、耐食性の問題からまた電着する金製
品への不純物混入を防止する観点から、金電着の
ためには工業的には同一材質である金種板を使用
しなければならないとの考えが当業者には定着し
た考えとなつていたからである。従つて、斯界で
は、この伝統的考えの下で長い間金の種板のみが
使用されてきた。
述したように、種板と呼ばれる金の薄板が用いら
れ、この種板に金を電着させる方法がとられてき
た。これは、耐食性の問題からまた電着する金製
品への不純物混入を防止する観点から、金電着の
ためには工業的には同一材質である金種板を使用
しなければならないとの考えが当業者には定着し
た考えとなつていたからである。従つて、斯界で
は、この伝統的考えの下で長い間金の種板のみが
使用されてきた。
従来技術の問題点
種板として純金板の使用は金回収上重大な不利
益を与える。即ち、種板を製造する為種板電解と
呼ばれる余分な電解槽設備を必要とする。種板電
解においては、金母板とよばれる金の圧延板をカ
ソードとして用い、この金母板上に薄く金を電着
させ、そして後この電着金を剥して金電解におけ
る陰極板を製造する。従つて、種板電解は非常に
手間のかかる作業であり、金製造工程に余計なコ
スト負担を招いている。更にもつとも重要なこと
として、種板電解は、生産量の約5%に相当する
金種板と種板を作成する為の金母板を仕掛品とし
て保有する必要性を必然的に招き、金の仕掛り金
利がコストに占める割合が約5%にも及ぶという
欠点を呈する。
益を与える。即ち、種板を製造する為種板電解と
呼ばれる余分な電解槽設備を必要とする。種板電
解においては、金母板とよばれる金の圧延板をカ
ソードとして用い、この金母板上に薄く金を電着
させ、そして後この電着金を剥して金電解におけ
る陰極板を製造する。従つて、種板電解は非常に
手間のかかる作業であり、金製造工程に余計なコ
スト負担を招いている。更にもつとも重要なこと
として、種板電解は、生産量の約5%に相当する
金種板と種板を作成する為の金母板を仕掛品とし
て保有する必要性を必然的に招き、金の仕掛り金
利がコストに占める割合が約5%にも及ぶという
欠点を呈する。
このように、金電解における陰極板として金種
板の使用は、種板電解に伴う設備及び操業上のコ
スト増と金の仕掛け金利上のコスト増を招いてい
る。
板の使用は、種板電解に伴う設備及び操業上のコ
スト増と金の仕掛け金利上のコスト増を招いてい
る。
そこで、金種板に替わる別の材料製の陰極板の
使用も検討され、例えばGold Bull.、1981、14、
(2)65〜68頁に掲載された論文「新しい金精錬設備
(A New Gold Refining Facility)」は、チタ
ン陰極板の使用を開示した。そこでは、99.99%
純度の金がチタン陰極板上に電着された旨記載さ
れている。チタン陰極板は、電着金汚染が比較的
少ない点でそしてまたチタン圧延板を使用し得る
点でも、金陰極板に替わり得る優れた代替材とな
りうるものであるが、それでもどうしても電着金
汚染を生じる。そのため、上記文献においても、
電着金の純度は99.99%に留まつている。
使用も検討され、例えばGold Bull.、1981、14、
(2)65〜68頁に掲載された論文「新しい金精錬設備
(A New Gold Refining Facility)」は、チタ
ン陰極板の使用を開示した。そこでは、99.99%
純度の金がチタン陰極板上に電着された旨記載さ
れている。チタン陰極板は、電着金汚染が比較的
少ない点でそしてまたチタン圧延板を使用し得る
点でも、金陰極板に替わり得る優れた代替材とな
りうるものであるが、それでもどうしても電着金
汚染を生じる。そのため、上記文献においても、
電着金の純度は99.99%に留まつている。
発明の目的
そこで、本発明の目的は、5N(99.999%)純度
の高純度金を製造するため、陰極板としてチタン
板を使用して金電解を行なうに当たり電着金中へ
のチタン汚染を防止する対策を確立することであ
る。
の高純度金を製造するため、陰極板としてチタン
板を使用して金電解を行なうに当たり電着金中へ
のチタン汚染を防止する対策を確立することであ
る。
発明の概要
上記目的に向け検討を重ねた結果、電解開始時
に、通常の電解に先立つて、先ず該チタン陰極板
上に薄い金層を電着させて障壁層を形成する方法
が好適であることを見出すに至つた。
に、通常の電解に先立つて、先ず該チタン陰極板
上に薄い金層を電着させて障壁層を形成する方法
が好適であることを見出すに至つた。
この知見に基ずいて、本発明は、陰極板として
チタン板を使用して金電解を行なうに当たり、電
解開始後70〜80A/m2の電流密度で1〜3時間直
流で電解を行ない、該チタン陰極板上に薄い金層
を電着させることにより電着金中へのチタン汚染
を防止することを特徴とする金電解法を提供す
る。
チタン板を使用して金電解を行なうに当たり、電
解開始後70〜80A/m2の電流密度で1〜3時間直
流で電解を行ない、該チタン陰極板上に薄い金層
を電着させることにより電着金中へのチタン汚染
を防止することを特徴とする金電解法を提供す
る。
発明の具体的説明
本発明においては、金電解陰極板としてチタン
板が使用されるが、電解条件は従来からの操業条
件を実質そのまま使用しうる。例えば次の操業条
件が使用できる: 電解液 Au 50〜100g/ HCl 50〜100g/ 液 晶 40〜80℃ 電流密度 300A/m2以下 交直比(AC/DC) 2.5以下 本発明に従えば、電解の開始時に、直流のみで
不動態化の起らない電流密度、例えば70〜80A/
m2で1〜3時間電解することによつてチタン陰極
板の表面に薄い金層を電着させ、その後電流密度
を通常操業値に高めて電解が実施される。薄い金
層は障壁層として作用して電着金中へのチタン汚
染を低減し、これにより5N(99.999%)純度の高
純度金の製造が可能となる。
板が使用されるが、電解条件は従来からの操業条
件を実質そのまま使用しうる。例えば次の操業条
件が使用できる: 電解液 Au 50〜100g/ HCl 50〜100g/ 液 晶 40〜80℃ 電流密度 300A/m2以下 交直比(AC/DC) 2.5以下 本発明に従えば、電解の開始時に、直流のみで
不動態化の起らない電流密度、例えば70〜80A/
m2で1〜3時間電解することによつてチタン陰極
板の表面に薄い金層を電着させ、その後電流密度
を通常操業値に高めて電解が実施される。薄い金
層は障壁層として作用して電着金中へのチタン汚
染を低減し、これにより5N(99.999%)純度の高
純度金の製造が可能となる。
更には、電解初期に直流のみで電着させること
から初めて、次第に交直比を増して電解を行なう
のも効果的である。
から初めて、次第に交直比を増して電解を行なう
のも効果的である。
電解から電解までの間で陰極板が電解液中に浸
漬されている時間、停電時に陰極板が電解液に浸
漬されている時間等陰極板が無用に電解液に浸漬
されている時間を出来る限り少なくする配慮も必
要である。
漬されている時間、停電時に陰極板が電解液に浸
漬されている時間等陰極板が無用に電解液に浸漬
されている時間を出来る限り少なくする配慮も必
要である。
チタン板としては、高品位チタン圧延板を適切
な寸法に切出し、適宜のリボン等を取付けて陰極
板とする。縁周辺の絶縁、溝付等電着金の剥離の
為に従来用いられたような対策をそのまま利用し
うる。
な寸法に切出し、適宜のリボン等を取付けて陰極
板とする。縁周辺の絶縁、溝付等電着金の剥離の
為に従来用いられたような対策をそのまま利用し
うる。
実施例 1
直流のみで、不動態化の起らない電流密度
80A/m2で2時間先ず電解することによつてチタ
ン陰極板の表面に約20ミクロン厚の金を電着させ
た後、電流密度を250A/m2に上げ、交/直比=
1.5で70時間の電解を行つた。電解液としては
Au80g/、HCl70g/の組成のものを使用
した。結果は下表の通りであり、電着金に対する
チタン汚染は見られなかつた。
80A/m2で2時間先ず電解することによつてチタ
ン陰極板の表面に約20ミクロン厚の金を電着させ
た後、電流密度を250A/m2に上げ、交/直比=
1.5で70時間の電解を行つた。電解液としては
Au80g/、HCl70g/の組成のものを使用
した。結果は下表の通りであり、電着金に対する
チタン汚染は見られなかつた。
電解前液中のTi 0.2mg/
電解後液中のTi 0.4mg/
電着金中のTi 0.1ppm未満
99.999%純度の電着金が製造出来た。
発明の効果
金種板に較べてコスト削減、操業性の簡易化等
メリツトの大きいチタン板を陰極板として用いて
も、品質の低下なく高純度金を製造することを可
能ならしめ、金電解においてチタン陰極板の使用
を実用的なものとした。
メリツトの大きいチタン板を陰極板として用いて
も、品質の低下なく高純度金を製造することを可
能ならしめ、金電解においてチタン陰極板の使用
を実用的なものとした。
Claims (1)
- 1 陰極板としてチタン板を使用して金電解を行
なうに当たり、電解開始後70〜80A/m2の電流密
度で1〜3時間直流で電解を行ない、該チタン陰
極板上に薄い金層を電着させることにより電着金
中へのチタン汚染を防止することを特徴とする金
電解法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19394284A JPS6173894A (ja) | 1984-09-18 | 1984-09-18 | 高純度金製造のための電解法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19394284A JPS6173894A (ja) | 1984-09-18 | 1984-09-18 | 高純度金製造のための電解法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1716288A Division JPS63213688A (ja) | 1988-01-29 | 1988-01-29 | 高純度金製造のための電解法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6173894A JPS6173894A (ja) | 1986-04-16 |
JPS6342716B2 true JPS6342716B2 (ja) | 1988-08-25 |
Family
ID=16316306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19394284A Granted JPS6173894A (ja) | 1984-09-18 | 1984-09-18 | 高純度金製造のための電解法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6173894A (ja) |
-
1984
- 1984-09-18 JP JP19394284A patent/JPS6173894A/ja active Granted
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
GOLD BULL=1981 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6173894A (ja) | 1986-04-16 |
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