JP3774262B2 - 高純度電気銅の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅アノードを用いた銅の電解精製後に得られる硫酸酸性の銅電解液からの電解採取による高純度電気銅の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、銅品位が99.998重量%以上の高純度電気銅の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅製錬においては、通常、転炉からの粗銅を、酸化製錬、還元処理をした後、アノード(銅品位が約99重量%)に鋳造し、これを、種板からなるカソードと共に用いて、硫酸酸性電解液中で電解精製して、電気銅を得ている。この電解精錬では、アノードから溶解する銅の量がカソードに電着する銅の量よりも若干多いため、次第に電解液中の銅濃度は増大し硫酸濃度は減少し、また、不純物も蓄積される。そのため、循環電解液の一部を取り出して、定期的に電解後液再生処理を行っている。慣用的には、鉛不溶性アノード(鉛又は鉛基合金、例えば、Pb−Ag合金、Ag1重量%)を用い、種板をカソードとして銅の電解採取(脱銅電解)を行い、同時に硫酸を再生した上で、電解後液を本系統の循環電解液に回送している。
【0003】
この再生処理において、結果として必然的に電着銅が得られるが、アノードとして鉛系合金を使用するため、電着銅が鉛で汚染され、純度の低い電気銅が得られ、工業的に使用する事ができないため、この電着銅は前工程の溶練に繰り返されている。電解採取では、電着銅トン当たり約2000KWH以上の電力を消費するため、電着銅を前工程に繰り返し処理する事は著しいエネルギーの浪費となっている。また、通常は、アノード及びカソードに直角に電解液を流すが、この場合には、アノードとカソードとの間の電解液の流れが不均一となり、電解液中の銅濃度が局部的に減少するため、As、Sb、Bi等の不純物が電着銅中に高くなる傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、本発明は、簡便に、銅アノードを用いた銅の電解精製後に得られる硫酸酸性の銅電解液からの電解採取により、銅品位の高い高純度銅を直接製造できる方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、銅の電解採取用の不溶性アノードとしては、硫酸酸性の銅電解液に侵されず酸素過電圧の小さいものが望まれることから、鉛又は鉛基合金が慣用的に用いられてきたが、金属基体(コア)に貴金属系金属酸化物を被覆したものの方が安定していること、及び、銅電解液として銅濃度が25g/L以上のものを用いると、鉛以外の不純物、特に、ヒ素、アンチモン及びビスマスの混入を妨げることを知見し、(1)アノードとして、鉛基合金を用いず、表面が貴金属系金属酸化物からなる不溶性アノードを用いること、及び、(2)硫酸酸性の鉛電解液として、銅濃度が25g/L以上のものを用いることを特徴とする、硫酸酸性の銅電解液から、電解採取により、銅品位が99.998重量%以上の高純度銅を直接製造できる方法を提案するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、銅アノードを用いた銅の電解精製後に得られる硫酸酸性の銅電解液からの電解採取による高純度電気銅の製造方法において、銅濃度が25g/L以上の硫酸酸性の銅電解液から、金属基体に貴金属系金属酸化物が被覆されたものからなる不溶性アノードを用いて、電解採取により、電気銅を得ることを特徴とする高純度電気銅の製造方法に関する。また、本発明の別の態様は、銅アノードを用いた銅の電解精製後に得られる硫酸酸性の銅電解後液からの電解採取による高純度電気銅の製造方法において、銅濃度が25g/L以上の硫酸酸性の銅電解液から、金属基体に貴金属系金属酸化物が被覆されたものからなる不溶性アノードを用いて、電解採取により、電気銅を得る工程と、銅電解後液から、鉛アノードを用いて、電解採取により、電着銅を得る工程と 電着銅を銅アノードの作製工程に回送する工程とを含むことを特徴とする高純度電気銅の製造方法に関する。
【0007】
好ましくは、該金属基体に貴金属系金属酸化物が被覆されたものからなる不溶性アノードとカソードを互いに平行に配置し、且つ、該電解液をそれらに対して平行に流す。
【0008】
本発明の方法の実施により、銅品位が99.998重量%以上の高純度電気銅が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、硫酸酸性の銅電解液からの電解採取による高純度電気銅の製造方法に関する。銅電解液は、鋳造した銅アノードを用いて電解精製した後の電解後液がある。
【0010】
本発明では、不溶性アノードとして、金属基体(コア)に貴金属系金属酸化物が被覆されたものを用いる。弁金属基体として、典型的なものは、チタン板である。また、貴金属系金属とは、金、銀及び白金族元素を意味する。好ましくは、イリジウムである。貴金属系金属酸化物の弁金属基体への被覆は、慣用的な手段、例えば、塗布・焼付け技術を用いて実施できる。被膜の量は、1m2当たり10〜50g程度である。また、アノードの大きさは、従来の鉛又は鉛基合金を用いた場合と同様でよい。
【0011】
カソードは、本発明では従来の電解採取で用いられてきたものと同じものを用いることができる。すなわち、銅のように目的金属と同じ純金属を種板として用いても、異なる金属を用いて析出後に銅をはぎ取ってもよい。
【0012】
本発明では、銅濃度が25g/L以上の銅電解液を用いる。これは、銅濃度が25g/L未満になった場合には、電解採取の操業を停止することを意味する。なお、銅濃度に関連して、電解槽1槽当たりの電解液中の銅の減少量を5g/L以下にすれば、より不純物の少ない電気銅が得られることも見いだした。
【0013】
また、遊離硫酸濃度は、好ましくは、不純物の共析の阻止及び緻密性及び平滑性を優れた電着被膜の生成の観点から、100〜300g/Lである。浴温は、好ましくは、通常の電解条件と同じ50〜70℃である。電流密度は、通常の鉛アノードでは250A/m2程度であるが、本発明では500A/m2も可能である。好ましくは、300〜500A/m2である。
【0014】
本発明の実施に際しては、金属基体に貴金属系金属酸化物が被覆されたものからなる不溶性アノードとカソードを互いに平行に配置し、且つ、電解液をそれらに対して平行に流すことにより更に一層銅品位の高い電気銅が得られる。電解液を、アノード及びカソードに対して直角方向に流すと、アノードとカソードとの間の電解液の流れが不均一となり、ヒ素、アンチモン、ビスマス等の不純物が電着層中に混入され易かったためと考えられる。
【0015】
本発明の別の態様は、高純度銅が得られる銅濃度25g/Lまでは金属基体に貴金属系金属酸化物が被覆されたものからなる不溶性アノードを用いて電解採取を行い、25g/L未満では、不溶性アノードを通常の鉛アノードに代えて電解採取を続ける。得られた電着銅には不純物が多く混入しているが、これを、銅アノードの作製工程に回送する。具体的には、粗銅を造る錬銅工程に回送し、溶錬して銅アノードに鋳造する。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
以下の条件で銅の電解採取を実施した:
▲1▼ 不溶性アノード: 酸化イリジウム被覆チタン板(縦×横×厚み=1m×1m×3mm)(2枚)
カソード: 銅板(縦×横×厚み=1m×1m×0.6mm)(1枚)
カソードに平行に且つそれを挟んで2枚のアノードを配置した。アノードとカソードとの距離は、50mmであった。
【0017】
▲2▼ 電解液:総量1000L
組成:銅(Cu)45g/L、遊離硫酸190g/L、ヒ素(As)5g/L、アンチモン(Sb)0.5g/L、ビスマス(Bi)0.1g/L
(更に、添加剤として、ニカワ、チオ尿素、塩酸を含ませた。)
温度:60℃
電解液は、流量3.2L/minで、アノード及びカソードに対して、平行に流れるように循環させた。
【0018】
▲3▼ 電流密度:400A/m2
電解採取終了後の電解後液中の銅の濃度は、25g/Lであった。また、電着銅は20Kgであった。
【0019】
(実施例2)
電解液をアノード及びカソードに対して直角に流れるようにし、電解液流量を7.9L/minにした以外は、実施例1と同じ条件で処理した。電解採取終了後の電解後液中の銅の濃度は、25g/Lであった。また、電着銅は20Kgであった。
【0020】
(比較例1)
鉛−銀合金(銀:1重量%)を不溶性アノードとして用いた以外は、実施例1と同じ条件で処理した。なお、電解採取終了後の電解後液中の銅の濃度は、25g/Lであった。また、電着銅は20Kgであった。
【0021】
実施例1及び2並びに比較例1で得られた電着銅の成分の分析値は、以下の表1に示す通りであった。なお、不純物に関しては、As、Sb、Bi及びPbの濃度の分析値を特に列挙した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、簡便に、銅電解液からの電解採取により、銅品位の高い高純度銅を直接製造できる。
Claims (6)
- 銅アノードを用いた銅の電解精製後に得られる硫酸酸性の銅電解液からの電解採取による高純度電気銅の製造方法であって、
銅濃度が25g/L以上の硫酸酸性の銅電解液から、金属基体に貴金属系金属酸化物が被覆されたものからなる不溶性アノードを用いて、電解採取により、銅品位が99.998重量%以上である高純度電気銅を得て、
次いで、前記銅電解液の銅濃度が25g/L未満になった場合には、電解採取の操業を停止することを特徴とする、前記高純度電気銅の製造方法。 - 銅アノードを用いた銅の電解精製後に得られる硫酸酸性の銅電解液からの電解採取による高純度電気銅の製造方法であって、
銅濃度が25g/L以上の硫酸酸性の銅電解液から、金属基体に貴金属系金属酸化物が被覆されたものからなる不溶性アノードを用いて、電解採取により、銅品位が99.998重量%以上である高純度電気銅を得て、
次いで、前記銅電解液の銅濃度が25g/L未満になった場合には、前記不溶性アノードを鉛アノードに代えて電解採取の操業を続けて、銅アノードへと鋳造されるべき、不純物が混入された電気銅を得ることを特徴とする、前記高純度電気銅の製造方法。 - 前記不溶性アノードの金属基体がチタンであり、貴金属系金属酸化物が酸化イリジウムである、請求項1又は2に記載の高純度電気銅の製造方法。
- 前記不溶性アノードをカソードと互いに平行に配置し、且つ、前記銅電解液をそれらに対して平行に流すことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高純度電気銅の製造方法。
- 前記不溶性アノードの貴金属系酸化物が、金属基体1m 2 あたり10〜50gであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高純度電気銅の製造方法。
- 前記高純度銅を得るための銅電解液中の遊離硫酸濃度が100〜300g/Lであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の高純度電気銅の製造方法。
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1996
- 1996-05-27 JP JP13194496A patent/JP3774262B2/ja not_active Expired - Fee Related
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