JP3411908B2 - 弾性表面波装置およびその製造方法 - Google Patents
弾性表面波装置およびその製造方法Info
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Description
【0001】技術分野
本発明は、携帯電話、自動車電話、無線機器等に使用さ
れる弾性表面波装置と、その製造方法とに関する。
れる弾性表面波装置と、その製造方法とに関する。
【0002】背景技術
弾性表面波装置、すなわち弾性表面波フィルタや弾性表
面波共振子は、携帯電話等の高周波回路部のフィルタと
して、誘電体フィルタに替わり盛んに利用されるように
なってきた。その理由として弾性表面波フィルタは誘電
体フィルタに比べ素子寸法が小さいこと、また、同じ素
子寸法で比較すると電気的特性が優れていることなどが
挙げられる。
面波共振子は、携帯電話等の高周波回路部のフィルタと
して、誘電体フィルタに替わり盛んに利用されるように
なってきた。その理由として弾性表面波フィルタは誘電
体フィルタに比べ素子寸法が小さいこと、また、同じ素
子寸法で比較すると電気的特性が優れていることなどが
挙げられる。
【0003】弾性表面波装置は、ニオブ酸リチウム、タ
ンタル酸リチウム等からなる圧電性基板表面に、交差指
型変換器(IDT)や反射器などの各種電極を形成した
ものである。弾性表面波装置の電極には、通常、Alま
たはAl合金(Al−Cu等)が使用される。しかし、
AlおよびAl合金は高湿環境下で腐食しやすく、この
腐食による電極の断線、腐食生成物によるフィルタ特性
の劣化が発生しやすいという問題がある。従来、電極の
腐食による特性劣化を防止する方法として、セラミック
パッケージで気密封止することにより環境と遮断する方
法がとられてきた。
ンタル酸リチウム等からなる圧電性基板表面に、交差指
型変換器(IDT)や反射器などの各種電極を形成した
ものである。弾性表面波装置の電極には、通常、Alま
たはAl合金(Al−Cu等)が使用される。しかし、
AlおよびAl合金は高湿環境下で腐食しやすく、この
腐食による電極の断線、腐食生成物によるフィルタ特性
の劣化が発生しやすいという問題がある。従来、電極の
腐食による特性劣化を防止する方法として、セラミック
パッケージで気密封止することにより環境と遮断する方
法がとられてきた。
【0004】しかし、セラミックパッケージによる気密
封止で電極の腐食を防止する方法では、微小な気密リー
クが生じやすい。そのため、パッケージによって封止し
た後、気密度を検査する工程が必要であり、この検査工
程が製造コスト上昇の要因となっていた。また、製造コ
スト低減のためには、高価なセラミックパッケージでは
なく樹脂パッケージの利用が望ましいが、樹脂パッケー
ジは耐湿性の点でセラミックパッケージに劣る。
封止で電極の腐食を防止する方法では、微小な気密リー
クが生じやすい。そのため、パッケージによって封止し
た後、気密度を検査する工程が必要であり、この検査工
程が製造コスト上昇の要因となっていた。また、製造コ
スト低減のためには、高価なセラミックパッケージでは
なく樹脂パッケージの利用が望ましいが、樹脂パッケー
ジは耐湿性の点でセラミックパッケージに劣る。
【0005】このほか、IDTを形成した圧電性基板表
面を薄膜によって被覆することにより、IDTの腐食を
防止する方法が知られている。
面を薄膜によって被覆することにより、IDTの腐食を
防止する方法が知られている。
【0006】例えば特公平3−190311号公報に
は、圧電性基板の電極形成面上に、厚さ100Å以下の
疎水性および絶縁性を有する膜を形成した弾性表面波装
置が記載されている。同公報には、上記膜の構成材料と
してヘキサメチルジシラザン、アジド系化合物およびイ
ソシアネート系化合物が挙げられており、実施例では、
厚さ50Å以下のヘキサメチルジシラザン膜をスプレー
コートにより形成している。同公報には、この膜を形成
した結果、挿入損失が0.2〜0.3dB大きくなった旨
の記載がある。
は、圧電性基板の電極形成面上に、厚さ100Å以下の
疎水性および絶縁性を有する膜を形成した弾性表面波装
置が記載されている。同公報には、上記膜の構成材料と
してヘキサメチルジシラザン、アジド系化合物およびイ
ソシアネート系化合物が挙げられており、実施例では、
厚さ50Å以下のヘキサメチルジシラザン膜をスプレー
コートにより形成している。同公報には、この膜を形成
した結果、挿入損失が0.2〜0.3dB大きくなった旨
の記載がある。
【0007】また、特開平4−294625号公報に
は、弾性表面波素子において、電極材料の脱落および腐
食を防止するために、クロム等の耐食性金属や二酸化シ
リコン等の誘電体からなる保護膜を、圧電性基板の電極
形成面にスパッタ法や蒸着法により形成することが記載
されている。同公報の実施例では、クロムからなる厚さ
100Åの保護膜を形成している。
は、弾性表面波素子において、電極材料の脱落および腐
食を防止するために、クロム等の耐食性金属や二酸化シ
リコン等の誘電体からなる保護膜を、圧電性基板の電極
形成面にスパッタ法や蒸着法により形成することが記載
されている。同公報の実施例では、クロムからなる厚さ
100Åの保護膜を形成している。
【0008】また、電極の腐食防止を目的とはしていな
いが、圧電性基板の電極形成面に薄膜を形成した弾性表
面波装置は、以下のものも知られている。
いが、圧電性基板の電極形成面に薄膜を形成した弾性表
面波装置は、以下のものも知られている。
【0009】特公平2−47886号公報には、圧電性
基板の全面または一部に金属を蒸着することにより、共
振周波数を調整する方法が記載されている。同公報に
は、蒸着する金属として、Ag、Au、Cr、Ni等が
挙げられている。また、同公報には、蒸着量がわずかで
あって、蒸着金属は孤立した微細な点状に付着するた
め、電極指間で短絡が生じることはない旨が記載されて
いる。
基板の全面または一部に金属を蒸着することにより、共
振周波数を調整する方法が記載されている。同公報に
は、蒸着する金属として、Ag、Au、Cr、Ni等が
挙げられている。また、同公報には、蒸着量がわずかで
あって、蒸着金属は孤立した微細な点状に付着するた
め、電極指間で短絡が生じることはない旨が記載されて
いる。
【0010】米国特許第3,965,444号明細書に
は、圧電性基板の電極形成面に、温度補償のためにSi
O2膜を形成することが記載されている。
は、圧電性基板の電極形成面に、温度補償のためにSi
O2膜を形成することが記載されている。
【0011】特開平4−150512号公報には、圧電
性基板の電極形成面に、半絶縁性薄膜を設けることが記
載されている。同公報では、半絶縁性薄膜の構成材料と
して、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、シリコン
窒化膜およびシリコンカーバイドが例示されている。こ
の半絶縁性薄膜を設けることにより、圧電性基板に発生
した静電気が電極間で放電し、素子の静電破壊が抑えら
れる。同公報の実施例では、半絶縁性薄膜として、厚さ
約500Å以上のシリコン窒化膜をプラズマCVD法に
より形成している。
性基板の電極形成面に、半絶縁性薄膜を設けることが記
載されている。同公報では、半絶縁性薄膜の構成材料と
して、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、シリコン
窒化膜およびシリコンカーバイドが例示されている。こ
の半絶縁性薄膜を設けることにより、圧電性基板に発生
した静電気が電極間で放電し、素子の静電破壊が抑えら
れる。同公報の実施例では、半絶縁性薄膜として、厚さ
約500Å以上のシリコン窒化膜をプラズマCVD法に
より形成している。
【0012】特開平9−83288号公報には、電極間
の放電を防止するために、圧電性基板の電極形成面に半
導体薄膜を形成することが記載されている。同公報の実
施例では、半導体薄膜として厚さ50nmのSi膜を用い
ている。
の放電を防止するために、圧電性基板の電極形成面に半
導体薄膜を形成することが記載されている。同公報の実
施例では、半導体薄膜として厚さ50nmのSi膜を用い
ている。
【0013】特開平9−199974号公報には、圧電
性基板の焦電効果による雑音の発生を抑制するために、
圧電性基板の電極形成面に抵抗体薄膜を形成することが
記載されている。同公報には、抵抗体薄膜として、スパ
ッタ法または蒸着法により形成されるシリコン薄膜が開
示されている。なお、同公報には抵抗体薄膜の厚さにつ
いての記載はない。
性基板の焦電効果による雑音の発生を抑制するために、
圧電性基板の電極形成面に抵抗体薄膜を形成することが
記載されている。同公報には、抵抗体薄膜として、スパ
ッタ法または蒸着法により形成されるシリコン薄膜が開
示されている。なお、同公報には抵抗体薄膜の厚さにつ
いての記載はない。
【0014】特開平7−326942号公報には、圧電
性基板の電極形成面に絶縁膜を設けた弾性表面波装置に
おいて、前記絶縁膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
をλとしたとき、kh≦0.15(ただし、k=2π/
λ)とすることが記載されている。同公報において絶縁
膜を設けるのは、中心周波数を調整するためである。同
公報には、khの下限として0.002が記載されてい
る。このときの周波数変化量は約80ppmである。同公
報の実施例では、スパッタ法により形成したMgO膜お
よびSiO2膜を絶縁膜として用いている。
性基板の電極形成面に絶縁膜を設けた弾性表面波装置に
おいて、前記絶縁膜の厚さをhとし、弾性表面波の波長
をλとしたとき、kh≦0.15(ただし、k=2π/
λ)とすることが記載されている。同公報において絶縁
膜を設けるのは、中心周波数を調整するためである。同
公報には、khの下限として0.002が記載されてい
る。このときの周波数変化量は約80ppmである。同公
報の実施例では、スパッタ法により形成したMgO膜お
よびSiO2膜を絶縁膜として用いている。
【0015】発明の開示
上述したように、圧電性基板の電極形成面に各種薄膜を
設けることは知られている。しかし、上記特公平3−1
90311号公報に示されるように、厚さ100Å程度
の有機膜を形成すると、挿入損失が劣化してしまう。ま
た、上記特開平4−294625号公報に記載されてい
るように厚さ100ÅのCr膜を形成すると、電極間で
短絡が生じ、電気特性を低下させてしまう。
設けることは知られている。しかし、上記特公平3−1
90311号公報に示されるように、厚さ100Å程度
の有機膜を形成すると、挿入損失が劣化してしまう。ま
た、上記特開平4−294625号公報に記載されてい
るように厚さ100ÅのCr膜を形成すると、電極間で
短絡が生じ、電気特性を低下させてしまう。
【0016】なお、電極形成面に設ける薄膜が誘電体膜
である場合も、金属膜ほど大きくはないが、短絡による
特性劣化は生じる。また、例えば上記特開平7−326
942号公報において、誘電体膜を設けることにより中
心周波数を調整していることからわかるように、絶縁膜
であってもやはり素子特性に影響を与える。
である場合も、金属膜ほど大きくはないが、短絡による
特性劣化は生じる。また、例えば上記特開平7−326
942号公報において、誘電体膜を設けることにより中
心周波数を調整していることからわかるように、絶縁膜
であってもやはり素子特性に影響を与える。
【0017】本発明はこのような事情からなされたもの
であり、AlまたはAl合金からなる電極を有する弾性
表面波装置において、電気特性に影響を与えることなく
耐湿性を向上させることを目的とする。
であり、AlまたはAl合金からなる電極を有する弾性
表面波装置において、電気特性に影響を与えることなく
耐湿性を向上させることを目的とする。
【0018】上記目的は、下記の構成により達成され
る。 (1) AlまたはAl合金からなる電極が設けられた
圧電性基板表面に、この圧電性基板表面の少なくとも一
部および前記電極を被覆するように金属酸化物層が形成
されており、この金属酸化物層が、前記電極上において
連続膜となっており、かつ、前記圧電性基板表面におい
て不連続膜となっている弾性表面波装置。 (2) 前記金属酸化物層が遷移金属の酸化物を含有す
る(1)の弾性表面波装置。 (3) 前記金属酸化物層がCr酸化物を含有する
(2)の弾性表面波装置。 (4) AlまたはAl合金からなる電極が設けられた
圧電性基板表面に、連続膜とはならない厚さの金属層
を、少なくとも前記電極を被覆するように形成し、次い
で前記金属層を酸化することにより、前記金属層を、少
なくとも前記電極上において連続膜となっている金属酸
化物層に変化させる弾性表面波装置の製造方法。 (5) 蛍光X線膜厚計により測定した前記金属層の厚
さが0.1〜2nmである(4)の弾性表面波装置の製造
方法。
る。 (1) AlまたはAl合金からなる電極が設けられた
圧電性基板表面に、この圧電性基板表面の少なくとも一
部および前記電極を被覆するように金属酸化物層が形成
されており、この金属酸化物層が、前記電極上において
連続膜となっており、かつ、前記圧電性基板表面におい
て不連続膜となっている弾性表面波装置。 (2) 前記金属酸化物層が遷移金属の酸化物を含有す
る(1)の弾性表面波装置。 (3) 前記金属酸化物層がCr酸化物を含有する
(2)の弾性表面波装置。 (4) AlまたはAl合金からなる電極が設けられた
圧電性基板表面に、連続膜とはならない厚さの金属層
を、少なくとも前記電極を被覆するように形成し、次い
で前記金属層を酸化することにより、前記金属層を、少
なくとも前記電極上において連続膜となっている金属酸
化物層に変化させる弾性表面波装置の製造方法。 (5) 蛍光X線膜厚計により測定した前記金属層の厚
さが0.1〜2nmである(4)の弾性表面波装置の製造
方法。
【0019】発明を実施するための最良の形態
本発明では、圧電性基板上に、AlまたはAl合金から
構成される交差指型変換器(IDT)またはこれと反射
器電極とを含む電極を設けた弾性表面波装置において、
少なくとも電極を被覆するように金属酸化物層を設け
る。
構成される交差指型変換器(IDT)またはこれと反射
器電極とを含む電極を設けた弾性表面波装置において、
少なくとも電極を被覆するように金属酸化物層を設け
る。
【0020】前述したように、圧電性基板の電極形成面
に金属酸化物層を設けた弾性表面波装置は知られてい
る。しかし、本発明における金属酸化物層は、従来の弾
性表面波装置における金属酸化物層とは異なり、弾性表
面波装置の電気特性に影響を与えない薄い膜である。圧
電性基板の電極形成面を被覆する金属酸化物層が厚い
と、弾性表面波装置の電気特性に悪影響を及ぼす。例え
ば、金属酸化物は一般に絶縁物として扱われるが、金属
酸化物層が厚くなると電気抵抗が低くなるので、電極間
で短絡が生じ、弾性表面波フィルタの挿入損失を悪化さ
せてしまう。例えば弾性表面波装置では、圧電性基板と
電極との間に圧電膜としてZnO層を形成することもあ
るが、このZnO層にはLi等をドープして電気抵抗を
高くしている。本発明者らは、以下に示す第1から第4
の実験およびその検討の結果、極めて薄い金属酸化物層
で電極形成面を被覆すれば、弾性表面波装置の電気特性
に悪影響を与えず、かつ、電極の耐湿性(湿度による腐
食への耐性)を飛躍的に向上できることを見いだした。
に金属酸化物層を設けた弾性表面波装置は知られてい
る。しかし、本発明における金属酸化物層は、従来の弾
性表面波装置における金属酸化物層とは異なり、弾性表
面波装置の電気特性に影響を与えない薄い膜である。圧
電性基板の電極形成面を被覆する金属酸化物層が厚い
と、弾性表面波装置の電気特性に悪影響を及ぼす。例え
ば、金属酸化物は一般に絶縁物として扱われるが、金属
酸化物層が厚くなると電気抵抗が低くなるので、電極間
で短絡が生じ、弾性表面波フィルタの挿入損失を悪化さ
せてしまう。例えば弾性表面波装置では、圧電性基板と
電極との間に圧電膜としてZnO層を形成することもあ
るが、このZnO層にはLi等をドープして電気抵抗を
高くしている。本発明者らは、以下に示す第1から第4
の実験およびその検討の結果、極めて薄い金属酸化物層
で電極形成面を被覆すれば、弾性表面波装置の電気特性
に悪影響を与えず、かつ、電極の耐湿性(湿度による腐
食への耐性)を飛躍的に向上できることを見いだした。
【0021】第1の実験に用いた弾性表面波装置サンプ
ルは、以下の手順で作製した。
ルは、以下の手順で作製した。
【0022】圧電性基板には、36度回転Yカットタン
タル酸リチウムをX方向伝搬で使用した。電極の形成に
際しては、まず、厚さ150nmのAl−0.5質量%C
u合金膜をスパッタ法により形成した。次に、フォトリ
ソグラフィーおよびドライエッチングを利用して合金膜
を形状加工することにより、IDTの両外側に反射器電
極を有する弾性表面波共振子の電極パターンを形成し
た。この弾性表面波共振子の共振周波数は、約1.6GH
zである。
タル酸リチウムをX方向伝搬で使用した。電極の形成に
際しては、まず、厚さ150nmのAl−0.5質量%C
u合金膜をスパッタ法により形成した。次に、フォトリ
ソグラフィーおよびドライエッチングを利用して合金膜
を形状加工することにより、IDTの両外側に反射器電
極を有する弾性表面波共振子の電極パターンを形成し
た。この弾性表面波共振子の共振周波数は、約1.6GH
zである。
【0023】次に、圧電性基板の電極形成面の全面に、
金属Cr層をスパッタ法により形成した。次いで、酸素
雰囲気中において250℃で2時間熱処理することによ
り金属Cr層を酸化してCr酸化物層とし、弾性表面波
装置サンプルを得た。なお、比較のために、Cr酸化物
層を設けなかったほかは同様にして作製したサンプルも
用意した。
金属Cr層をスパッタ法により形成した。次いで、酸素
雰囲気中において250℃で2時間熱処理することによ
り金属Cr層を酸化してCr酸化物層とし、弾性表面波
装置サンプルを得た。なお、比較のために、Cr酸化物
層を設けなかったほかは同様にして作製したサンプルも
用意した。
【0024】このようにして作製したサンプルのそれぞ
れについて、共振周波数frおよび反共振周波数faを
測定し、その差(fr−fa)を求めた。そして、Cr
酸化物層を設けなかったサンプルにおける「fr−f
a」を基準値として、各サンプルにおける「fr−f
a」の前記基準値との差を求めた。この差を「fr−f
a変化幅」として、図1に示す。なお、図1の横軸に示
す層厚は、蛍光X線膜厚計((株)リガク製のシステム
3640)により測定した金属Cr層の厚さであるが、
蛍光X線膜厚計によって測定すると、層厚は酸化によっ
て変化しないので、図中ではCr酸化物層の厚さとして
表示してある。すなわち、蛍光X線膜厚計では金属原子
の数を測定することにより膜厚を求めているので、金属
層の厚さと、これを酸化した金属酸化物層の厚さとは、
同じとなる。本明細書において金属層および金属酸化物
層の厚さは、蛍光X線膜厚計により測定した値とする。
れについて、共振周波数frおよび反共振周波数faを
測定し、その差(fr−fa)を求めた。そして、Cr
酸化物層を設けなかったサンプルにおける「fr−f
a」を基準値として、各サンプルにおける「fr−f
a」の前記基準値との差を求めた。この差を「fr−f
a変化幅」として、図1に示す。なお、図1の横軸に示
す層厚は、蛍光X線膜厚計((株)リガク製のシステム
3640)により測定した金属Cr層の厚さであるが、
蛍光X線膜厚計によって測定すると、層厚は酸化によっ
て変化しないので、図中ではCr酸化物層の厚さとして
表示してある。すなわち、蛍光X線膜厚計では金属原子
の数を測定することにより膜厚を求めているので、金属
層の厚さと、これを酸化した金属酸化物層の厚さとは、
同じとなる。本明細書において金属層および金属酸化物
層の厚さは、蛍光X線膜厚計により測定した値とする。
【0025】図1において「fr−fa変化幅」がゼロ
に近いほど、Cr酸化物層による電気特性への影響が小
さいことになる。図1から、Cr酸化物層の厚さが2nm
以下であれば、弾性表面波装置の電気特性に実質的に影
響を与えないことがわかる。また、この実験において、
Cr酸化物層の厚さが2nm以下であれば、Cr酸化物層
を設けない場合に比べ、frおよびfaそれぞれにおけ
るインピーダンスの絶対値に変化は認められなかった。
このことから、Cr酸化物層の厚さが2nm以下であれ
ば、Cr酸化物層を設けることによる短絡が実質的にな
く、挿入損失が劣化しないことが確認できた。
に近いほど、Cr酸化物層による電気特性への影響が小
さいことになる。図1から、Cr酸化物層の厚さが2nm
以下であれば、弾性表面波装置の電気特性に実質的に影
響を与えないことがわかる。また、この実験において、
Cr酸化物層の厚さが2nm以下であれば、Cr酸化物層
を設けない場合に比べ、frおよびfaそれぞれにおけ
るインピーダンスの絶対値に変化は認められなかった。
このことから、Cr酸化物層の厚さが2nm以下であれ
ば、Cr酸化物層を設けることによる短絡が実質的にな
く、挿入損失が劣化しないことが確認できた。
【0026】次に、弾性表面波装置の電気特性に影響を
与えない程度に薄い金属酸化物層の構造を調べるために
行った、第2の実験について説明する。
与えない程度に薄い金属酸化物層の構造を調べるために
行った、第2の実験について説明する。
【0027】第2の実験では、第1の実験と同様にし
て、36度回転Yカットタンタル酸リチウム基板上に、
様々な厚さの金属Cr層をスパッタ法により形成した。
これらの金属Cr層について抵抗率を測定し、金属Cr
層の厚さと抵抗率との積を算出した。図2に、横軸を金
属Cr層の層厚とし、縦軸を層厚と抵抗率との積とした
グラフを示す。
て、36度回転Yカットタンタル酸リチウム基板上に、
様々な厚さの金属Cr層をスパッタ法により形成した。
これらの金属Cr層について抵抗率を測定し、金属Cr
層の厚さと抵抗率との積を算出した。図2に、横軸を金
属Cr層の層厚とし、縦軸を層厚と抵抗率との積とした
グラフを示す。
【0028】図2では、金属Cr層の厚さが約3.5nm
を超える領域において、層厚の増加に伴って「抵抗率×
層厚」の値が直線状に増加している。このことは、この
層厚領域の金属Cr層において、金属Crのバルク体と
同等の抵抗率が保持されていることを示している。した
がって、この層厚領域では、ほぼ均一な連続膜が形成さ
れているといえる。一方、金属Cr層の厚さが約3.5
nm以下の領域では、層厚の減少に伴って、縦軸の「抵抗
率×層厚」の値が急激に増加している。この結果から、
この領域では、もはや金属Cr層の抵抗率がバルク体の
抵抗率とはかけ離れた値であることがわかる。このこと
は、この層厚領域では、金属Cr層が不連続な膜となっ
ていることを示している。
を超える領域において、層厚の増加に伴って「抵抗率×
層厚」の値が直線状に増加している。このことは、この
層厚領域の金属Cr層において、金属Crのバルク体と
同等の抵抗率が保持されていることを示している。した
がって、この層厚領域では、ほぼ均一な連続膜が形成さ
れているといえる。一方、金属Cr層の厚さが約3.5
nm以下の領域では、層厚の減少に伴って、縦軸の「抵抗
率×層厚」の値が急激に増加している。この結果から、
この領域では、もはや金属Cr層の抵抗率がバルク体の
抵抗率とはかけ離れた値であることがわかる。このこと
は、この層厚領域では、金属Cr層が不連続な膜となっ
ていることを示している。
【0029】図2に示される結果から、図1において弾
性表面波装置の電気特性に影響を与えない範囲の厚さを
もつCr酸化物層は、不連続な金属Cr層を酸化処理す
ることにより得られることがわかる。
性表面波装置の電気特性に影響を与えない範囲の厚さを
もつCr酸化物層は、不連続な金属Cr層を酸化処理す
ることにより得られることがわかる。
【0030】次に、金属Cr層およびこれを酸化したC
r酸化物層の性状を具体的に調べるために行った第3の
実験について説明する。
r酸化物層の性状を具体的に調べるために行った第3の
実験について説明する。
【0031】第3の実験では、まず、金属Cr層の厚さ
を0.85nmとしたほかは第1の実験と同様にして、圧
電性基板の電極形成面を金属Cr層で被覆した。次い
で、金属Cr層を覆うAl層をスパッタ法により形成
し、断面構造観察用サンプルとした。なお、Al層で被
覆したのは、金属Cr層の表面状態を固定して、金属C
r層断面の観察を容易にするためである。このサンプル
を切断し、電極とAl層とに挟まれた金属Cr層を透過
型電子顕微鏡により観察したところ、図7に示すよう
に、金属Cr層が不連続膜となっていることが確認され
た。なお、図7において、中央付近を横切る鎖状の暗色
部が金属Cr層である。
を0.85nmとしたほかは第1の実験と同様にして、圧
電性基板の電極形成面を金属Cr層で被覆した。次い
で、金属Cr層を覆うAl層をスパッタ法により形成
し、断面構造観察用サンプルとした。なお、Al層で被
覆したのは、金属Cr層の表面状態を固定して、金属C
r層断面の観察を容易にするためである。このサンプル
を切断し、電極とAl層とに挟まれた金属Cr層を透過
型電子顕微鏡により観察したところ、図7に示すよう
に、金属Cr層が不連続膜となっていることが確認され
た。なお、図7において、中央付近を横切る鎖状の暗色
部が金属Cr層である。
【0032】また、金属Cr層形成後に、第1の実験と
同条件で金属Cr層を酸化することによりCr酸化物層
を形成したほかは上記断面構造観察用サンプルと同様に
して、サンプルを得た。このサンプルを切断し、電極と
Al層とに挟まれたCr酸化物層を透過型電子顕微鏡に
より観察したところ、図8に示すように、Cr酸化物層
が連続膜となっていることが確認された。なお、図8に
おいて、中央付近を横切る線状の暗色部がCr酸化物層
である。
同条件で金属Cr層を酸化することによりCr酸化物層
を形成したほかは上記断面構造観察用サンプルと同様に
して、サンプルを得た。このサンプルを切断し、電極と
Al層とに挟まれたCr酸化物層を透過型電子顕微鏡に
より観察したところ、図8に示すように、Cr酸化物層
が連続膜となっていることが確認された。なお、図8に
おいて、中央付近を横切る線状の暗色部がCr酸化物層
である。
【0033】この第3の実験の結果から、金属Cr層を
酸化することにより、少なくとも電極上において不連続
膜から連続膜へと変化することがわかる。このことが、
本発明において耐湿性が著しく向上する大きな要因とな
っていることは明らかである。
酸化することにより、少なくとも電極上において不連続
膜から連続膜へと変化することがわかる。このことが、
本発明において耐湿性が著しく向上する大きな要因とな
っていることは明らかである。
【0034】なお、第3の実験では、圧電性基板上に存
在する金属Cr層も酸化により連続膜に変化するかどう
かは確認できなかった。ただし、第1の実験において厚
さ2nm以下のCr酸化物層を有する弾性表面波装置の電
気特性が実質的に変化しなかったことから、すなわち、
IDTの正負電極間の絶縁性が保たれていたことから、
圧電性基板上に存在する金属Cr層は、酸化後も連続膜
とはなっていない可能性が高いと考えられる。
在する金属Cr層も酸化により連続膜に変化するかどう
かは確認できなかった。ただし、第1の実験において厚
さ2nm以下のCr酸化物層を有する弾性表面波装置の電
気特性が実質的に変化しなかったことから、すなわち、
IDTの正負電極間の絶縁性が保たれていたことから、
圧電性基板上に存在する金属Cr層は、酸化後も連続膜
とはなっていない可能性が高いと考えられる。
【0035】次に、Cr酸化物層の保護層としての効果
を調べるために行った、第4の実験について説明する。
を調べるために行った、第4の実験について説明する。
【0036】第4の実験では、まず、第1の実験と同様
にして圧電性基板上に電極を形成した。ただし、電極パ
ターンは、弾性表面波共振子をラダー連続したフィルタ
パターンとした。このフィルタパターンは、欧州の携帯
電話DCS1800システム用に設計されたものであ
る。
にして圧電性基板上に電極を形成した。ただし、電極パ
ターンは、弾性表面波共振子をラダー連続したフィルタ
パターンとした。このフィルタパターンは、欧州の携帯
電話DCS1800システム用に設計されたものであ
る。
【0037】次に、圧電性基板の電極形成面の全面に、
金属Cr層をスパッタ法により形成した。金属Cr層の
厚さは、0.4nm、0.7nm、1.5nmの3種とした。
次いで、第1の実験と同様にして金属Cr層に酸化処理
を施し、弾性表面波装置サンプルを得た。なお、比較の
ために、Cr酸化物層を設けなかったほかは同様にして
作製したサンプルも用意した。
金属Cr層をスパッタ法により形成した。金属Cr層の
厚さは、0.4nm、0.7nm、1.5nmの3種とした。
次いで、第1の実験と同様にして金属Cr層に酸化処理
を施し、弾性表面波装置サンプルを得た。なお、比較の
ために、Cr酸化物層を設けなかったほかは同様にして
作製したサンプルも用意した。
【0038】各サンプルをそれぞれセラミックパッケー
ジに入れ、IDTとセラミックパッケージとをワイヤボ
ンディングにより接続した。なお、バブルリーク法を用
いてあらかじめ気密試験を行い、リークが認められたパ
ッケージだけを用いた。このセラミックパッケージを温
度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内に放置し、耐
湿寿命の評価を行った。評価項目は、弾性表面波フィル
タの中心周波数f0の経時変化とした。
ジに入れ、IDTとセラミックパッケージとをワイヤボ
ンディングにより接続した。なお、バブルリーク法を用
いてあらかじめ気密試験を行い、リークが認められたパ
ッケージだけを用いた。このセラミックパッケージを温
度60℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内に放置し、耐
湿寿命の評価を行った。評価項目は、弾性表面波フィル
タの中心周波数f0の経時変化とした。
【0039】各サンプルについて、放置時間と中心周波
数の変化量Δf0との関係を、図3〜図6にそれぞれ示
す。図3はCr酸化物層の厚さが0.4nmであるサンプ
ルの結果、図4はCr酸化物層の厚さが0.7nmである
サンプルの結果、図5はCr酸化物層の厚さが1.5nm
であるサンプルの結果、図6はCr酸化物層を設けなか
ったサンプルの結果である。
数の変化量Δf0との関係を、図3〜図6にそれぞれ示
す。図3はCr酸化物層の厚さが0.4nmであるサンプ
ルの結果、図4はCr酸化物層の厚さが0.7nmである
サンプルの結果、図5はCr酸化物層の厚さが1.5nm
であるサンプルの結果、図6はCr酸化物層を設けなか
ったサンプルの結果である。
【0040】図3〜図5では、1000時間放置後にお
いてもΔf0が1MHz以下であるのに対し、図6では、1
000時間放置後のΔf0が10MHz前後と極めて大きく
なっている。なお、各図中には複数のサンプルについて
の結果を表示してあり、各図のそれぞれにおいてこれら
複数のサンプル間でばらつきが存在するが、このばらつ
きは、気密封止の不完全さの程度がサンプルごとに異な
っているためである。図3〜図5から、気密封止の不完
全さの程度によらず、本発明により耐湿性が著しく向上
することがわかる。
いてもΔf0が1MHz以下であるのに対し、図6では、1
000時間放置後のΔf0が10MHz前後と極めて大きく
なっている。なお、各図中には複数のサンプルについて
の結果を表示してあり、各図のそれぞれにおいてこれら
複数のサンプル間でばらつきが存在するが、このばらつ
きは、気密封止の不完全さの程度がサンプルごとに異な
っているためである。図3〜図5から、気密封止の不完
全さの程度によらず、本発明により耐湿性が著しく向上
することがわかる。
【0041】なお、以上では、Cr酸化物層の厚さが
0.4〜1.5nmの範囲での結果を示したが、本発明者
らの研究によれば、金属酸化物層の厚さが好ましくは
0.1nm以上、より好ましくは0.2nm以上であれば、
金属酸化物層が保護層として十分に機能することがわか
った。また、上述したように、金属酸化物層の厚さが2
nm以下であれば、電気特性に実質的に悪影響を与えな
い。したがって、金属酸化物層の厚さは、0.1〜2nm
であることが好ましい。
0.4〜1.5nmの範囲での結果を示したが、本発明者
らの研究によれば、金属酸化物層の厚さが好ましくは
0.1nm以上、より好ましくは0.2nm以上であれば、
金属酸化物層が保護層として十分に機能することがわか
った。また、上述したように、金属酸化物層の厚さが2
nm以下であれば、電気特性に実質的に悪影響を与えな
い。したがって、金属酸化物層の厚さは、0.1〜2nm
であることが好ましい。
【0042】以上の実験結果から、弾性表面波装置にお
いて所定厚さのCr酸化物層を電極の保護層として設け
ることにより、弾性表面波装置の電気特性に影響を与え
ずに耐湿性を飛躍的に向上できることがわかる。
いて所定厚さのCr酸化物層を電極の保護層として設け
ることにより、弾性表面波装置の電気特性に影響を与え
ずに耐湿性を飛躍的に向上できることがわかる。
【0043】以上の実験では、保護層としてCr酸化物
層を用いたが、本発明において保護層に用いる金属酸化
物は特に限定されない。ただし、好ましくは、Al以外
の遷移金属、特に、Cr、FeもしくはNi、またはこ
れらの少なくとも1種を含有する合金の酸化物を用い、
特にCr酸化物を用いることが好ましい。
層を用いたが、本発明において保護層に用いる金属酸化
物は特に限定されない。ただし、好ましくは、Al以外
の遷移金属、特に、Cr、FeもしくはNi、またはこ
れらの少なくとも1種を含有する合金の酸化物を用い、
特にCr酸化物を用いることが好ましい。
【0044】金属酸化物層の形成方法は特に限定されな
いが、好ましくは、金属層を形成した後、酸化処理を施
す方法を用いる。金属層の形成には、スパッタ法や蒸着
法等の気相成長法を用いることができ、このうち特にス
パッタ法が好ましい。酸化処理の方法は特に限定されな
いが、好ましくは、酸化性雰囲気中で熱処理する方法を
用いる。酸化性雰囲気としては、空気中、または空気よ
りも酸素分圧の高い雰囲気(例えば純酸素雰囲気)とす
ることが好ましい。熱処理の際の処理温度および処理時
間は、処理雰囲気中の酸素分圧や金属層の組成などの各
種条件に応じて適宜決定すればよいが、通常、処理温度
は200〜270℃の範囲から、処理時間は1〜10時
間の範囲から選択することが好ましい。処理温度が低す
ぎたり処理時間が短すぎたりすると、金属層の酸化が不
十分となりやすく、その結果、IDTを構成する電極間
において電気抵抗が低くなって弾性表面波装置の損失が
大きくなってしまうことがある。一方、処理温度が高す
ぎたり処理時間が長すぎたりすると、IDTが酸化され
てしまうことがあり、この場合も弾性表面波装置の損失
増大を招くことになる。
いが、好ましくは、金属層を形成した後、酸化処理を施
す方法を用いる。金属層の形成には、スパッタ法や蒸着
法等の気相成長法を用いることができ、このうち特にス
パッタ法が好ましい。酸化処理の方法は特に限定されな
いが、好ましくは、酸化性雰囲気中で熱処理する方法を
用いる。酸化性雰囲気としては、空気中、または空気よ
りも酸素分圧の高い雰囲気(例えば純酸素雰囲気)とす
ることが好ましい。熱処理の際の処理温度および処理時
間は、処理雰囲気中の酸素分圧や金属層の組成などの各
種条件に応じて適宜決定すればよいが、通常、処理温度
は200〜270℃の範囲から、処理時間は1〜10時
間の範囲から選択することが好ましい。処理温度が低す
ぎたり処理時間が短すぎたりすると、金属層の酸化が不
十分となりやすく、その結果、IDTを構成する電極間
において電気抵抗が低くなって弾性表面波装置の損失が
大きくなってしまうことがある。一方、処理温度が高す
ぎたり処理時間が長すぎたりすると、IDTが酸化され
てしまうことがあり、この場合も弾性表面波装置の損失
増大を招くことになる。
【0045】また、上記方法のほか、本発明では、例え
ば金属酸化物ターゲットを用いたスパッタ法によって
も、連続膜ではない金属酸化物層を形成することが可能
である。その場合の金属酸化物層の好ましい厚さは、金
属層を酸化して得た金属酸化物層の場合と同様である。
ただし、この場合、電極上においても金属酸化物層が連
続膜とはならないので、電極の耐湿性向上効果が劣るこ
とになる。
ば金属酸化物ターゲットを用いたスパッタ法によって
も、連続膜ではない金属酸化物層を形成することが可能
である。その場合の金属酸化物層の好ましい厚さは、金
属層を酸化して得た金属酸化物層の場合と同様である。
ただし、この場合、電極上においても金属酸化物層が連
続膜とはならないので、電極の耐湿性向上効果が劣るこ
とになる。
【0046】金属酸化物層は、少なくとも電極を被覆す
るように圧電性基板表面に形成すればよい。ただし、本
発明では金属酸化物層の被覆範囲を電極付近だけに限る
必要はない。本発明では、IDTの正負電極にまたがっ
て金属酸化物層を形成しても短絡が生じないので、この
ような場合に特に有効である。弾性表面波装置の製造に
際しては、大面積の圧電性基板に多数の素子パターンを
同時に形成した後、圧電性基板を素子単位に切り出して
多数の素子を一挙に得る。したがって、多数の素子パタ
ーンを形成した大面積基板の全面に金属酸化物層を形成
し、その後、素子単位に切り出せば、金属酸化物層を設
けることによる工程数増加を最小限に抑えることができ
るので、好ましい。
るように圧電性基板表面に形成すればよい。ただし、本
発明では金属酸化物層の被覆範囲を電極付近だけに限る
必要はない。本発明では、IDTの正負電極にまたがっ
て金属酸化物層を形成しても短絡が生じないので、この
ような場合に特に有効である。弾性表面波装置の製造に
際しては、大面積の圧電性基板に多数の素子パターンを
同時に形成した後、圧電性基板を素子単位に切り出して
多数の素子を一挙に得る。したがって、多数の素子パタ
ーンを形成した大面積基板の全面に金属酸化物層を形成
し、その後、素子単位に切り出せば、金属酸化物層を設
けることによる工程数増加を最小限に抑えることができ
るので、好ましい。
【0047】本発明が適用される弾性表面波装置は、電
極材料としてAlまたはAl合金を用いたものであれば
よく、そのほかの構成、例えば電極寸法、電極パター
ン、圧電性基板の構成材料など、は特に限定されない。
電極材料として用いるAl合金としては、例えばAl−
Cu、Al−Ta、Al−Ti、Al−Sc−Cu、A
l−Wなどのいずれであってもよい。Al合金からなる
電極において、Alに添加する添加物の含有量は、一般
に2質量%以下である。
極材料としてAlまたはAl合金を用いたものであれば
よく、そのほかの構成、例えば電極寸法、電極パター
ン、圧電性基板の構成材料など、は特に限定されない。
電極材料として用いるAl合金としては、例えばAl−
Cu、Al−Ta、Al−Ti、Al−Sc−Cu、A
l−Wなどのいずれであってもよい。Al合金からなる
電極において、Alに添加する添加物の含有量は、一般
に2質量%以下である。
【0048】発明の効果
本発明では、AlまたはAl合金からなる電極を有する
弾性表面波装置の耐湿性を飛躍的に向上させることがで
きる。そのため、パッケージに封入した後の気密検査工
程を省くことが可能であり、また、安価な樹脂パッケー
ジを使用することもできるので、製造コストを低減でき
る。しかも、本発明により耐湿性を向上させた場合、弾
性表面波装置の特性に与える影響は実質的にない。 [図面の簡単な説明]
弾性表面波装置の耐湿性を飛躍的に向上させることがで
きる。そのため、パッケージに封入した後の気密検査工
程を省くことが可能であり、また、安価な樹脂パッケー
ジを使用することもできるので、製造コストを低減でき
る。しかも、本発明により耐湿性を向上させた場合、弾
性表面波装置の特性に与える影響は実質的にない。 [図面の簡単な説明]
【図1】Cr酸化物層の厚さと電気特性に与える影響と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
【図2】金属Cr層において、層厚と「抵抗率×層厚」
との関係を示すグラフである。
との関係を示すグラフである。
【図3】厚さ0.4nmのCr酸化物層を有する弾性表面
波装置について、高温高湿環境下での放置時間と中心周
波数の変化量との関係を示すグラフである。
波装置について、高温高湿環境下での放置時間と中心周
波数の変化量との関係を示すグラフである。
【図4】厚さ0.7nmのCr酸化物層を有する弾性表面
波装置について、高温高湿環境下での放置時間と中心周
波数の変化量との関係を示すグラフである。
波装置について、高温高湿環境下での放置時間と中心周
波数の変化量との関係を示すグラフである。
【図5】厚さ1.5nmのCr酸化物層を有する弾性表面
波装置について、高温高湿環境下での放置時間と中心周
波数の変化量との関係を示すグラフである。
波装置について、高温高湿環境下での放置時間と中心周
波数の変化量との関係を示すグラフである。
【図6】Cr酸化物層を有しない弾性表面波装置につい
て、高温高湿環境下での放置時間と中心周波数の変化量
との関係を示すグラフである。
て、高温高湿環境下での放置時間と中心周波数の変化量
との関係を示すグラフである。
【図7】薄膜を表す図面代用写真であって、電極とAl
層とで挟まれた金属Cr層の断面を示す透過型電子顕微
鏡写真である。
層とで挟まれた金属Cr層の断面を示す透過型電子顕微
鏡写真である。
【図8】薄膜を表す図面代用写真であって、電極とAl
層とで挟まれたCr酸化物層の断面を示す透過型電子顕
微鏡写真である。
層とで挟まれたCr酸化物層の断面を示す透過型電子顕
微鏡写真である。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭5−116089(JP,A)
特開 昭60−149214(JP,A)
特開2000−269771(JP,A)
特開 昭62−98812(JP,A)
特開 平2−206215(JP,A)
特開 昭60−244108(JP,A)
特開 平4−294625(JP,A)
特開 平8−307190(JP,A)
実開 平7−39118(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H03H 3/08
Claims (5)
- 【請求項1】 AlまたはAl合金からなる電極が設け
られた圧電性基板表面に、この圧電性基板表面の少なく
とも一部および前記電極を被覆するように金属酸化物層
が形成されており、この金属酸化物層が、前記電極上に
おいて連続膜となっており、かつ、前記圧電性基板表面
において不連続膜となっている弾性表面波装置。 - 【請求項2】 前記金属酸化物層が遷移金属の酸化物を
含有する請求の範囲第1項の弾性表面波装置。 - 【請求項3】 前記金属酸化物層がCr酸化物を含有す
る請求の範囲第2項の弾性表面波装置。 - 【請求項4】 AlまたはAl合金からなる電極が設け
られた圧電性基板表面に、連続膜とはならない厚さの金
属層を、少なくとも前記電極を被覆するように形成し、 次いで前記金属層を酸化することにより、前記金属層
を、少なくとも前記電極上において連続膜となっている
金属酸化物層に変化させる弾性表面波装置の製造方法。 - 【請求項5】 蛍光X線膜厚計により測定した前記金属
層の厚さが0.1〜2nmである請求の範囲第4項の弾性
表面波装置の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34075799 | 1999-11-30 | ||
JP11-340757 | 1999-11-30 | ||
PCT/JP2000/002104 WO2001041304A1 (fr) | 1999-11-30 | 2000-03-31 | Dispositif a onde acoustique de surface et procede de production correspondant |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=18340027
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000607256A Expired - Fee Related JP3411908B2 (ja) | 1999-11-30 | 2000-03-31 | 弾性表面波装置およびその製造方法 |
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Country | Link |
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US (1) | US6580198B2 (ja) |
EP (1) | EP1158668B1 (ja) |
JP (1) | JP3411908B2 (ja) |
CN (1) | CN1159843C (ja) |
DE (1) | DE60035966T2 (ja) |
TW (1) | TW465180B (ja) |
WO (1) | WO2001041304A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7148610B2 (en) * | 2002-02-01 | 2006-12-12 | Oc Oerlikon Balzers Ag | Surface acoustic wave device having improved performance and method of making the device |
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JP3646116B2 (ja) | 2003-07-17 | 2005-05-11 | Tdk株式会社 | 表面弾性波素子、表面弾性波装置、表面弾性波デュプレクサ、及び表面弾性波素子の製造方法 |
JP4279271B2 (ja) | 2005-06-01 | 2009-06-17 | アルプス電気株式会社 | 弾性表面波素子及びその製造方法 |
CN1921301B (zh) * | 2005-08-26 | 2010-09-29 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 表面声波元件 |
JP3961012B1 (ja) * | 2006-03-22 | 2007-08-15 | Tdk株式会社 | 弾性表面波装置 |
US8143681B2 (en) * | 2006-04-20 | 2012-03-27 | The George Washington University | Saw devices, processes for making them, and methods of use |
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CN101421922B (zh) * | 2006-04-24 | 2011-03-23 | 株式会社村田制作所 | 弹性表面波装置 |
US8018010B2 (en) * | 2007-04-20 | 2011-09-13 | The George Washington University | Circular surface acoustic wave (SAW) devices, processes for making them, and methods of use |
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