JP3411441B2 - 取外し防止形十字穴付きねじ及び取外し防止形多角形穴付きねじ - Google Patents
取外し防止形十字穴付きねじ及び取外し防止形多角形穴付きねじInfo
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16B—DEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
- F16B23/00—Specially shaped nuts or heads of bolts or screws for rotations by a tool
- F16B23/0007—Specially shaped nuts or heads of bolts or screws for rotations by a tool characterised by the shape of the recess or the protrusion engaging the tool
- F16B23/0023—Specially shaped nuts or heads of bolts or screws for rotations by a tool characterised by the shape of the recess or the protrusion engaging the tool substantially cross-shaped
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16B—DEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
- F16B23/00—Specially shaped nuts or heads of bolts or screws for rotations by a tool
- F16B23/0076—Specially shaped nuts or heads of bolts or screws for rotations by a tool causing slipping of the tool in loosening rotation, i.e. disabling unscrewing unless another tool is used
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- Y10S411/00—Expanded, threaded, driven, headed, tool-deformed, or locked-threaded fastener
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は取外し防止形十字穴
付きねじ及び六角穴などの多角形穴付きねじの改良に関
する。なお、ねじは小ねじ、ボルトをも含む。
付きねじ及び六角穴などの多角形穴付きねじの改良に関
する。なお、ねじは小ねじ、ボルトをも含む。
【０００２】
【従来の技術】十字穴付きねじは、一般にプラスドライ
バと称する工具（正式には、十字ねじ回し−JIS B 463
3)若しくはプラスドライバを先端に備えたナットランナ
で、締付け及び取り外しを行なうことができる。しか
し、調整箇所や危険箇所等のように勝手に手を触れては
いけない所に使用するねじの場合、通常の工具では取り
外すことができないようにすることが望ましい。六角穴
付きねじは、六角レンチ（正式には、六角棒スパナ−JI
S B 4648）で締付け及び取り外しを行なうが、調整箇所
や危険箇所等のように勝手に手を触れてはいけない所に
使用するねじの場合、同様に、通常の工具では取り外す
ことができないようにすることが望ましい。
バと称する工具（正式には、十字ねじ回し−JIS B 463
3)若しくはプラスドライバを先端に備えたナットランナ
で、締付け及び取り外しを行なうことができる。しか
し、調整箇所や危険箇所等のように勝手に手を触れては
いけない所に使用するねじの場合、通常の工具では取り
外すことができないようにすることが望ましい。六角穴
付きねじは、六角レンチ（正式には、六角棒スパナ−JI
S B 4648）で締付け及び取り外しを行なうが、調整箇所
や危険箇所等のように勝手に手を触れてはいけない所に
使用するねじの場合、同様に、通常の工具では取り外す
ことができないようにすることが望ましい。
【０００３】そこで、例えば特公平５−６５７２４号公
報「取外し防止形十字穴ねじ」が提案されている。この
ねじは、同公報の第１図によれば、係止溝３の弛め側
に、壁面８，９と、これらに続く逃げ面１０，１１を備
えたものである。同第３図に示されるとおり、想像線で
示されるプラスドライバを弛め側に廻すと、プラスドラ
イバは壁面８，９を介して逃げ面１０に載り上がり、逃
げ面１０が斜面となっているために、結果として、プラ
スドライバは後退しねじから外れる。従って、普通の工
具では取り外すことはできないというものである。上記
公報のねじとほぼ同形のねじを次図で再度説明する。
報「取外し防止形十字穴ねじ」が提案されている。この
ねじは、同公報の第１図によれば、係止溝３の弛め側
に、壁面８，９と、これらに続く逃げ面１０，１１を備
えたものである。同第３図に示されるとおり、想像線で
示されるプラスドライバを弛め側に廻すと、プラスドラ
イバは壁面８，９を介して逃げ面１０に載り上がり、逃
げ面１０が斜面となっているために、結果として、プラ
スドライバは後退しねじから外れる。従って、普通の工
具では取り外すことはできないというものである。上記
公報のねじとほぼ同形のねじを次図で再度説明する。
【０００４】図１１は従来の取外し防止形十字穴ねじの
工具係止部の平面図であり、工具係止部１００は、十字
をなす４本の溝１０１・・・（・・・は複数個を示す。以下同
様。）と、中央凹部１０２と、縦壁状押圧面１０３・・・
と、逃げ面１０４・・・とからなる。逃げ面１０４はａか
らｂへ上り勾配としたものである。
工具係止部の平面図であり、工具係止部１００は、十字
をなす４本の溝１０１・・・（・・・は複数個を示す。以下同
様。）と、中央凹部１０２と、縦壁状押圧面１０３・・・
と、逃げ面１０４・・・とからなる。逃げ面１０４はａか
らｂへ上り勾配としたものである。
【０００５】図１２（ａ），（ｂ）は従来の取外し防止
形十字穴ねじの作用図である。（ａ）において、ドライ
バ１１０を矢印の如く回してその翼部１１１・・・で押
圧面１０３・・・を押すことで、ねじを時計方向に回転さ
せることができる。（ｂ）に示すとおり、もし、ドライ
バ１１０を反時計方向に廻した場合は、翼部１１１・・・
が矢印の如く逃げ面１０４・・・に摺接し、図面奥から
表へ押上げられて、実質的にねじの工具係止部１００か
ら外れる。
形十字穴ねじの作用図である。（ａ）において、ドライ
バ１１０を矢印の如く回してその翼部１１１・・・で押
圧面１０３・・・を押すことで、ねじを時計方向に回転さ
せることができる。（ｂ）に示すとおり、もし、ドライ
バ１１０を反時計方向に廻した場合は、翼部１１１・・・
が矢印の如く逃げ面１０４・・・に摺接し、図面奥から
表へ押上げられて、実質的にねじの工具係止部１００か
ら外れる。
【０００６】図１３は別の作用図であり、上記公報の第
６図に相当する図である。ドライバ１１０の翼部１１１
は水平に近い底辺１１２と、斜めの側辺１１３とからな
り、ドライバ１１０を反時計方向に回動すると、側辺１
１３がねじ側の短い壁面１０６、これに続く逃げ面１０
７の順で矢印の如く押上げられる。
６図に相当する図である。ドライバ１１０の翼部１１１
は水平に近い底辺１１２と、斜めの側辺１１３とからな
り、ドライバ１１０を反時計方向に回動すると、側辺１
１３がねじ側の短い壁面１０６、これに続く逃げ面１０
７の順で矢印の如く押上げられる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】回転中心から側辺１１
３の中間までの距離をＲ、側辺１１３の中央における反
力をｆ、トライバ１００の回転力をＴｒとすれば、Ｔｒ
＝Ｒ×ｆの式が成立する。Ｒが十分に大きいため、Ｔｒ
も大きくなる。Ｔｒは摩擦トルクであり、弛めるトルク
でもあるから、締付けが不十分なねじでは、締付けトル
クよりＴｒが大きくなることがあり、ドライバを逆転さ
せると、ねじが弛んでしまう虞れがある。
３の中間までの距離をＲ、側辺１１３の中央における反
力をｆ、トライバ１００の回転力をＴｒとすれば、Ｔｒ
＝Ｒ×ｆの式が成立する。Ｒが十分に大きいため、Ｔｒ
も大きくなる。Ｔｒは摩擦トルクであり、弛めるトルク
でもあるから、締付けが不十分なねじでは、締付けトル
クよりＴｒが大きくなることがあり、ドライバを逆転さ
せると、ねじが弛んでしまう虞れがある。
【０００８】一方、１サイズ下のプラスドライバを誤っ
て使用すると、次の様な不都合があることも分かった。
図１４（ａ），（ｂ）は１サイズ下のプラスドライバの
作用説明図である。（ａ）は工具係止部１００に１サイ
ズ下のプラスドライバ１１０を差込んだ状態を示す。こ
のドライバ１１０の翼部１１１・・・は逃げ面１０４・・・か
らはみ出すことはない。（ｂ）は（ａ）のｂ−ｂ線断面
図であり、ドライバの翼部の側辺１１３，１１３が逃げ
面１０４，１０４にせっていることを示す。従って、
（ａ）において、プラスドライバ１１０を矢印の如く
反時計方向に廻すと、トライバの側辺１１３，１１３が
逃げ面１０４，１０４を押し、結果としてねじは反時計
方向に廻ってしまう。
て使用すると、次の様な不都合があることも分かった。
図１４（ａ），（ｂ）は１サイズ下のプラスドライバの
作用説明図である。（ａ）は工具係止部１００に１サイ
ズ下のプラスドライバ１１０を差込んだ状態を示す。こ
のドライバ１１０の翼部１１１・・・は逃げ面１０４・・・か
らはみ出すことはない。（ｂ）は（ａ）のｂ−ｂ線断面
図であり、ドライバの翼部の側辺１１３，１１３が逃げ
面１０４，１０４にせっていることを示す。従って、
（ａ）において、プラスドライバ１１０を矢印の如く
反時計方向に廻すと、トライバの側辺１１３，１１３が
逃げ面１０４，１０４を押し、結果としてねじは反時計
方向に廻ってしまう。
【０００９】そこで、本発明の目的は、逆転時に発生
する摩擦トルクＴｒを下げることのできるねじ及び１
サイズ下のプラスドライバでも弛めることのできないね
じを提供することにある。
する摩擦トルクＴｒを下げることのできるねじ及び１
サイズ下のプラスドライバでも弛めることのできないね
じを提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１は、十字穴付きねじに、中央凹部と、十字を
なす４本の溝と、縦壁状の押圧面と、ドライバを逆転さ
せたときにこのドライバの先端の底辺を押上げる第１逃
げ面と、この第１逃げ面につづく第２逃げ面とからなる
工具係止部を備え、第１逃げ面は溝に段差を介すること
なく連続して上り勾配に形成したことを特徴とする。
に請求項１は、十字穴付きねじに、中央凹部と、十字を
なす４本の溝と、縦壁状の押圧面と、ドライバを逆転さ
せたときにこのドライバの先端の底辺を押上げる第１逃
げ面と、この第１逃げ面につづく第２逃げ面とからなる
工具係止部を備え、第１逃げ面は溝に段差を介すること
なく連続して上り勾配に形成したことを特徴とする。
【００１１】ドライバを逆転させると、ねじ側の第１逃
げ面がドライバ先端の略水平の底辺を押上げて、ドライ
バを工具係止部から押出す。第１逃げ面がドライバの底
辺を押上げるので、逆転時に発生する摩擦トルクが小さ
くなる。摩擦トルクが小さいので、弛め側にねじが回転
する心配はない。
げ面がドライバ先端の略水平の底辺を押上げて、ドライ
バを工具係止部から押出す。第１逃げ面がドライバの底
辺を押上げるので、逆転時に発生する摩擦トルクが小さ
くなる。摩擦トルクが小さいので、弛め側にねじが回転
する心配はない。
【００１２】更に、第１逃げ面が略水平であるため、１
サイズ下のドライバを差込むと、このドライバは第１逃
げ面のエッジにのみ当接する。エッジに掛かるだけであ
るから、ドライバを逆転させてもねじが弛み側に廻るこ
とはない。
サイズ下のドライバを差込むと、このドライバは第１逃
げ面のエッジにのみ当接する。エッジに掛かるだけであ
るから、ドライバを逆転させてもねじが弛み側に廻るこ
とはない。
【００１３】請求項２は、六角穴付きねじなどの多角形
穴付きねじに、中央の底と、平面視多角形の辺に設けた
押圧面と、これらの押圧面の外縁に沿って形成され、多
角形レンチを逆転させたときにこのレンチの先端の底面
を押上げる第１逃げ面と、これら第１逃げ面を囲う円周
面とからなる工具係止部を備え、第１逃げ面は底に段差
を介することなく連続して上り勾配に形成したことを特
徴とする。
穴付きねじに、中央の底と、平面視多角形の辺に設けた
押圧面と、これらの押圧面の外縁に沿って形成され、多
角形レンチを逆転させたときにこのレンチの先端の底面
を押上げる第１逃げ面と、これら第１逃げ面を囲う円周
面とからなる工具係止部を備え、第１逃げ面は底に段差
を介することなく連続して上り勾配に形成したことを特
徴とする。
【００１４】六角レンチなどの多角形レンチを逆転させ
ると、ねじ側の第１逃げ面がレンチ先端の底面を押上げ
て、レンチを工具係止部から押出す。第１逃げ面がレン
チの底面を押上げるので、逆転時に発生する摩擦トルク
が小さくなる。摩擦トルクが小さいので、弛め側にねじ
が回転する心配はない。
ると、ねじ側の第１逃げ面がレンチ先端の底面を押上げ
て、レンチを工具係止部から押出す。第１逃げ面がレン
チの底面を押上げるので、逆転時に発生する摩擦トルク
が小さくなる。摩擦トルクが小さいので、弛め側にねじ
が回転する心配はない。
【００１５】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。図１は本発明に係る取外し防止
形十字穴付きねじの工具係止部の平面図であり、取外し
防止形十字穴付きねじ１の工具係止部２は、十字をなす
４本の溝３・・・と、中央凹部４と、縦壁状の押圧面５・・・
と、回転方向に勾配を付けた第１逃げ面６・・・、径方向
に且つ回転方向に勾配を付けた第２逃げ面７・・・とから
なる。
づいて以下に説明する。図１は本発明に係る取外し防止
形十字穴付きねじの工具係止部の平面図であり、取外し
防止形十字穴付きねじ１の工具係止部２は、十字をなす
４本の溝３・・・と、中央凹部４と、縦壁状の押圧面５・・・
と、回転方向に勾配を付けた第１逃げ面６・・・、径方向
に且つ回転方向に勾配を付けた第２逃げ面７・・・とから
なる。
【００１６】図２は図１の２矢視斜視図であり、押圧面
５の図左に、溝３、この溝３の左辺から上り勾配で延び
た第１逃げ面６と第２逃げ面７との位置関係を示す。第
１逃げ面６は、回転方向に沿って昇るテラス状スロープ
である。第２逃げ面７は、径方向に且つ回転方向に昇る
スロープであり、第１逃げ面６の外縁線とトップ面８と
を滑らかに繋ぐ面である。
５の図左に、溝３、この溝３の左辺から上り勾配で延び
た第１逃げ面６と第２逃げ面７との位置関係を示す。第
１逃げ面６は、回転方向に沿って昇るテラス状スロープ
である。第２逃げ面７は、径方向に且つ回転方向に昇る
スロープであり、第１逃げ面６の外縁線とトップ面８と
を滑らかに繋ぐ面である。
【００１７】図３は図１の３−３線断面図であり、中央
凹部４とテラス状の第１逃げ面６と第２逃げ面７とトッ
プ面８との繋がり状態を示す。
凹部４とテラス状の第１逃げ面６と第２逃げ面７とトッ
プ面８との繋がり状態を示す。
【００１８】以上の構成からなる取外し防止形十字穴付
きねじの作用を次に述べる。図４（ａ）〜（ｂ）は本発
明の取外し防止形十字穴付きねじの作用説明図であり、
各図の上部に記載した数値は、プラスドライバを弛め側
回動したときの相対回転角度である。ただし、作図の都
合でドライバ側を固定し、ねじ側を回転させた。（ａ）
は相対回転角度０゜に相当する作用図であり、通常のね
じの締付け姿勢を示す。（ｂ）は、（ａ）から１０゜だ
け弛め側に回動したときのものであり、ドライバの底辺
１１２がテラス状の第１逃げ面６に載り上がり始めたこ
とを示す。
きねじの作用を次に述べる。図４（ａ）〜（ｂ）は本発
明の取外し防止形十字穴付きねじの作用説明図であり、
各図の上部に記載した数値は、プラスドライバを弛め側
回動したときの相対回転角度である。ただし、作図の都
合でドライバ側を固定し、ねじ側を回転させた。（ａ）
は相対回転角度０゜に相当する作用図であり、通常のね
じの締付け姿勢を示す。（ｂ）は、（ａ）から１０゜だ
け弛め側に回動したときのものであり、ドライバの底辺
１１２がテラス状の第１逃げ面６に載り上がり始めたこ
とを示す。
【００１９】（ｃ）は、（ａ）から２０゜だけ弛め側に
回動したときのものであり、第１逃げ面６が中央へ膨出
しているためドライバの底辺１１２とのラップ代が増大
したことを示す。（ｄ）は、（ａ）から６０゜ほど弛め
側に回動したときのものであり、ドライバ１１０が十分
に押上げられたことを示す。
回動したときのものであり、第１逃げ面６が中央へ膨出
しているためドライバの底辺１１２とのラップ代が増大
したことを示す。（ｄ）は、（ａ）から６０゜ほど弛め
側に回動したときのものであり、ドライバ１１０が十分
に押上げられたことを示す。
【００２０】上記（ｂ）において、中心から第１逃げ面
６までの距離をＲ２とすれば、このＲ２は、従来の距離
Ｒ（図１３参照）より、十分に小さく、逆回転時に発生
する摩擦トルクは十分に小さくなる。従って、本実施例
のねじの取外し防止能力はより高くなったといえる。
６までの距離をＲ２とすれば、このＲ２は、従来の距離
Ｒ（図１３参照）より、十分に小さく、逆回転時に発生
する摩擦トルクは十分に小さくなる。従って、本実施例
のねじの取外し防止能力はより高くなったといえる。
【００２１】図５（ａ），（ｂ）は１サイズ小さなドラ
イバに対する実施例／従来例比較図であり、（ａ）は１
サイズ小さなドライバ１１０を実施例の工具係止部２に
嵌めようとしたものである、ドライバ１１０の側辺１１
３が第１逃げ面６の前縁に当って止まり、それ以上深く
入らない状態を示す。この状態でドライバ１１０を逆転
させると、当接部分がごく小さいため、大きな摩擦トル
クを発生するに至らず、ドライバ１１０だけが空転する
ことになる。（ｂ）は１サイズ小さなドライバ１１０を
従来の工具係止部１００に嵌めたものであり、ドライバ
１１０の側辺１１３が密に逃げ面１０４に接触している
ため、大きな摩擦トルクが発生し、ねじが弛んでしまう
ことになる。このことからも、本実施例のねじの取外し
防止能力はより高くなったといえる。
イバに対する実施例／従来例比較図であり、（ａ）は１
サイズ小さなドライバ１１０を実施例の工具係止部２に
嵌めようとしたものである、ドライバ１１０の側辺１１
３が第１逃げ面６の前縁に当って止まり、それ以上深く
入らない状態を示す。この状態でドライバ１１０を逆転
させると、当接部分がごく小さいため、大きな摩擦トル
クを発生するに至らず、ドライバ１１０だけが空転する
ことになる。（ｂ）は１サイズ小さなドライバ１１０を
従来の工具係止部１００に嵌めたものであり、ドライバ
１１０の側辺１１３が密に逃げ面１０４に接触している
ため、大きな摩擦トルクが発生し、ねじが弛んでしまう
ことになる。このことからも、本実施例のねじの取外し
防止能力はより高くなったといえる。
【００２２】次に、本発明の技術を多角形穴付きねじに
適用した例を、六角穴付きねじを例に説明する。図６は
本発明に係る六角穴付きねじの工具係止部の平面図、図
７は同斜視図である。六角穴付きねじ１０の工具係止部
１１は、中央の底１２と、平面視正六角形の辺に設けた
押圧面１３・・・と、この押圧面１３・・・に沿って外方に形
成した第１逃げ面１４・・・と、これら第１逃げ面１４・・・
を囲う円周面１５・・・とからなる。押圧面１３は図７に
示すとおり直角三角形状を呈し、それの斜辺に第１逃げ
面１４を形成したものであり、ｃからｄへ上り勾配とし
たものである。
適用した例を、六角穴付きねじを例に説明する。図６は
本発明に係る六角穴付きねじの工具係止部の平面図、図
７は同斜視図である。六角穴付きねじ１０の工具係止部
１１は、中央の底１２と、平面視正六角形の辺に設けた
押圧面１３・・・と、この押圧面１３・・・に沿って外方に形
成した第１逃げ面１４・・・と、これら第１逃げ面１４・・・
を囲う円周面１５・・・とからなる。押圧面１３は図７に
示すとおり直角三角形状を呈し、それの斜辺に第１逃げ
面１４を形成したものであり、ｃからｄへ上り勾配とし
たものである。
【００２３】図８（ａ）〜（ｃ）は本発明に係る六角穴
付きねじの作用説明図である。（ａ）に示すとおり、工
具係止部１１に六角レンチ２０を白抜き矢印のごとく差
込む。（ｂ）において、六角レンチ２０を逆転させる
と、レンチの底面２１が第１逃げ面１４を昇り始める。
（ｃ）において、更に六角レンチ２０を逆転させると、
レンチの底面２１が第１逃げ面１４を更に昇り、遂には
レンチ２０が工具係止部１１から外れる。従って、本発
明の六角穴付きねじ１０を通常の工具で弛めることはで
きない。
付きねじの作用説明図である。（ａ）に示すとおり、工
具係止部１１に六角レンチ２０を白抜き矢印のごとく差
込む。（ｂ）において、六角レンチ２０を逆転させる
と、レンチの底面２１が第１逃げ面１４を昇り始める。
（ｃ）において、更に六角レンチ２０を逆転させると、
レンチの底面２１が第１逃げ面１４を更に昇り、遂には
レンチ２０が工具係止部１１から外れる。従って、本発
明の六角穴付きねじ１０を通常の工具で弛めることはで
きない。
【００２４】図９は本発明に係る六角穴付きねじの工具
係止部の別実施例平面図、図１０は同斜視図である。こ
の工具係止部３１は、中央の底３２と、押圧面３３・・・
と、この押圧面３３・・・に沿って外方に形成した第１逃
げ面３４・・・と、これら第１逃げ面３４・・・を囲う円周面
３５・・・とからなるものに、遊び部３６…を加えたもの
である。この遊び部３６は図１０に示すとおり、押圧面
３３と第１逃げ面３４の昇り開始点ｅとの間に一定の遊
びＬを持たせたものである。
係止部の別実施例平面図、図１０は同斜視図である。こ
の工具係止部３１は、中央の底３２と、押圧面３３・・・
と、この押圧面３３・・・に沿って外方に形成した第１逃
げ面３４・・・と、これら第１逃げ面３４・・・を囲う円周面
３５・・・とからなるものに、遊び部３６…を加えたもの
である。この遊び部３６は図１０に示すとおり、押圧面
３３と第１逃げ面３４の昇り開始点ｅとの間に一定の遊
びＬを持たせたものである。
【００２５】六角レンチの角を前記遊び部３６の遊びＬ
の間に臨ませさえすれば、レンチを必要な深さだけ工具
係止部３１に差込むことが出きる。この結果、六角レン
チの差込み作業が容易になる。ただし、遊びＬを過大に
すると、第１逃げ面３４の勾配が強くなること及び面積
が過小となるので、適度な寸法を選択する必要がある。
の間に臨ませさえすれば、レンチを必要な深さだけ工具
係止部３１に差込むことが出きる。この結果、六角レン
チの差込み作業が容易になる。ただし、遊びＬを過大に
すると、第１逃げ面３４の勾配が強くなること及び面積
が過小となるので、適度な寸法を選択する必要がある。
【００２６】尚、工具係止部２，１１，３１は、ねじ、
小ねじ、ボルト、ビス又はこれに類する金具のいずれに
形成してもよい。また、取付け防止形多角形穴付きねじ
１０に形成する多角形穴は、四角、六角、八角などの多
角形であれば、角数は自在である。
小ねじ、ボルト、ビス又はこれに類する金具のいずれに
形成してもよい。また、取付け防止形多角形穴付きねじ
１０に形成する多角形穴は、四角、六角、八角などの多
角形であれば、角数は自在である。
【００２７】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。上記目的を達成するために請求項１は、取外し防
止形十字穴付きねじに、ドライバを逆転させたときにこ
のドライバの先端の底辺を押上げる第１逃げ面を備え、
第１逃げ面は溝に段差を介することなく連続して上り勾
配に形成したことを特徴とし、トライバを逆転させたと
きに第１逃げ面がドライバの底辺を押上げるので、逆転
時に発生する摩擦トルクが小さくなる。摩擦トルクが小
さいので、弛め側にねじが回転する心配はない。
する。上記目的を達成するために請求項１は、取外し防
止形十字穴付きねじに、ドライバを逆転させたときにこ
のドライバの先端の底辺を押上げる第１逃げ面を備え、
第１逃げ面は溝に段差を介することなく連続して上り勾
配に形成したことを特徴とし、トライバを逆転させたと
きに第１逃げ面がドライバの底辺を押上げるので、逆転
時に発生する摩擦トルクが小さくなる。摩擦トルクが小
さいので、弛め側にねじが回転する心配はない。
【００２８】更に、第１逃げ面が略水平であるため、１
サイズ下のドライバを差込むと、このドライバは第１逃
げ面のエッジにのみ当接する。エッジに掛かるだけであ
るから、ドライバを逆転させてもねじが弛み側に廻るこ
とはない。
サイズ下のドライバを差込むと、このドライバは第１逃
げ面のエッジにのみ当接する。エッジに掛かるだけであ
るから、ドライバを逆転させてもねじが弛み側に廻るこ
とはない。
【００２９】請求項２は、六角穴付きねじなどの多角形
穴付きねじに、中央の底と、平面視多角形の辺に設けた
押圧面と、これらの押圧面の外縁に沿って形成され、多
角形レンチを逆転させたときにこのレンチの先端の底面
を押上げる第１逃げ面と、これら第１逃げ面を囲う円周
面とからなる工具係止部を備え、第１逃げ面は底に段差
を介することなく連続して上り勾配に形成したことを特
徴とし、六角レンチなどの多角形レンチを逆転させる
と、ねじ側の第１逃げ面がレンチ先端の底面を押上げ
て、レンチを工具係止部から押出す。第１逃げ面がレン
チの底面を押上げるので、逆転時に発生する摩擦トルク
が小さくなる。摩擦トルクが小さいので、弛め側にねじ
が回転する心配はない。
穴付きねじに、中央の底と、平面視多角形の辺に設けた
押圧面と、これらの押圧面の外縁に沿って形成され、多
角形レンチを逆転させたときにこのレンチの先端の底面
を押上げる第１逃げ面と、これら第１逃げ面を囲う円周
面とからなる工具係止部を備え、第１逃げ面は底に段差
を介することなく連続して上り勾配に形成したことを特
徴とし、六角レンチなどの多角形レンチを逆転させる
と、ねじ側の第１逃げ面がレンチ先端の底面を押上げ
て、レンチを工具係止部から押出す。第１逃げ面がレン
チの底面を押上げるので、逆転時に発生する摩擦トルク
が小さくなる。摩擦トルクが小さいので、弛め側にねじ
が回転する心配はない。
【図１】本発明に係る取外し防止形十字穴付きねじの工
具係止部の平面図
具係止部の平面図
【図２】図１の２矢視斜視図
【図３】図１の３−３線断面図
【図４】本発明の取外し防止形十字穴付きねじの作用説
明図
明図
【図５】１サイズ小さなドライバに対する実施例／従来
例比較図
例比較図
【図６】本発明に係る六角穴付きねじの工具係止部の平
面図
面図
【図７】本発明に係る六角穴付きねじの工具係止部の斜
視図
視図
【図８】本発明に係る六角穴付きねじの作用説明図
【図９】本発明に係る六角穴付きねじの工具係止部の別
実施例平面図
実施例平面図
【図１０】本発明に係る六角穴付きねじの工具係止部の
別実施例斜視図
別実施例斜視図
【図１１】従来の取外し防止形十字穴ねじの工具係止部
の平面図
の平面図
【図１２】従来の取外し防止形十字穴ねじの作用図
【図１３】別の作用図
【図１４】１サイズ下のプラスドライバの作用説明図
１…取外し防止形十字穴付きねじ、２…工具係止部、３
…溝、４…中央凹部、５…押圧面、６…第１逃げ面、７
…第２逃げ面、１０…多角形穴付きねじ（六角穴付きね
じ）、１１，３１…工具係止部、１２，３１…底、１
３，３３…押圧面、１４，３４…第１逃げ面、１５，３
５…円周面、２０…多角形レンチ（六角レンチ）、２１
…レンチの底面、１１０…プラスドライバ、１１１…翼
部、１１２…ドライバの底辺、１１３…ドライバの側
辺。
…溝、４…中央凹部、５…押圧面、６…第１逃げ面、７
…第２逃げ面、１０…多角形穴付きねじ（六角穴付きね
じ）、１１，３１…工具係止部、１２，３１…底、１
３，３３…押圧面、１４，３４…第１逃げ面、１５，３
５…円周面、２０…多角形レンチ（六角レンチ）、２１
…レンチの底面、１１０…プラスドライバ、１１１…翼
部、１１２…ドライバの底辺、１１３…ドライバの側
辺。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平２−27012（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭61−89511（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭53−15465（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭56−32115（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭59−144213（ＪＰ，Ｕ)
実開 昭59−144214（ＪＰ，Ｕ)
実開 平２−41714（ＪＰ，Ｕ)
特公 平５−65724（ＪＰ，Ｂ２)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F16B 23/00
Claims (2)
- 【請求項１】 中央凹部と、十字をなす４本の溝と、縦
壁状の押圧面と、ドライバを逆転させたときにこのドラ
イバの先端の底辺を押上げる第１逃げ面と、この第１逃
げ面につづく第２逃げ面とからなる工具係止部を備え、
前記第１逃げ面は前記溝に段差を介することなく連続し
て上り勾配に形成したことを特徴とする取外し防止形十
字穴付きねじ。 - 【請求項２】 中央の底と、平面視多角形の辺に設けた
押圧面と、これらの押圧面の外縁に沿って形成され、多
角形レンチを逆転させたときにこのレンチの先端の底面
を押上げる第１逃げ面と、これら第１逃げ面を囲う円周
面とからなる工具係止部を備え、前記第１逃げ面は前記
底に段差を介することなく連続して上り勾配に形成した
ことを特徴とする取外し防止形多角形穴付きねじ。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07740696A JP3411441B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 取外し防止形十字穴付きねじ及び取外し防止形多角形穴付きねじ |
| US08/822,638 US5765980A (en) | 1996-03-29 | 1997-03-21 | Loosening preventive screw |
| DE19712252A DE19712252C2 (de) | 1996-03-29 | 1997-03-24 | Lockerungssichere Schraube |
| IT97RM000179A IT1291124B1 (it) | 1996-03-29 | 1997-03-28 | Vite antiallentamento |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07740696A JP3411441B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 取外し防止形十字穴付きねじ及び取外し防止形多角形穴付きねじ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09264312A JPH09264312A (ja) | 1997-10-07 |
| JP3411441B2 true JP3411441B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=13633038
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07740696A Expired - Fee Related JP3411441B2 (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | 取外し防止形十字穴付きねじ及び取外し防止形多角形穴付きねじ |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5765980A (ja) |
| JP (1) | JP3411441B2 (ja) |
| DE (1) | DE19712252C2 (ja) |
| IT (1) | IT1291124B1 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015017685A (ja) * | 2013-07-12 | 2015-01-29 | 日東精工株式会社 | いじり止め駆動穴付き締結具 |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20050100991A1 (en) * | 2001-04-12 | 2005-05-12 | Human Genome Sciences, Inc. | Albumin fusion proteins |
| GB2376278A (en) * | 2001-06-06 | 2002-12-11 | Heras Uk Fencing Systems Ltd | Security fastener |
| US6736580B2 (en) | 2002-01-16 | 2004-05-18 | Hi-Shear Corporation | Lobed drive for hi-lite fastener |
| US6655888B2 (en) * | 2002-01-16 | 2003-12-02 | Hi-Shear Corporation | Lobed drive for hi-lite fastener |
| JP4197599B2 (ja) * | 2002-03-12 | 2008-12-17 | 勝行 戸津 | いじり防止ねじ及びドライバービットとの組合せ並びにいじり防止ねじ製造用ヘッダーパンチ |
| US7255522B2 (en) * | 2004-10-07 | 2007-08-14 | Phillips Screw Company | Spiral drive fastener with engagement ramp |
| DE102008036577A1 (de) | 2008-07-31 | 2010-02-04 | Arnold Umformtechnik Gmbh & Co. Kg | Schraubenantriebsausbildung |
| DE102015213554A1 (de) * | 2015-07-17 | 2017-01-19 | Audi Ag | Schraube |
| US11173589B2 (en) * | 2018-11-06 | 2021-11-16 | Bryce Fastener Company, Inc. | Methods and apparatus for a fastener head having a dual zone socket area and a mating driver bit |
| JP7223398B2 (ja) * | 2018-12-27 | 2023-02-16 | 若井ホールディングス株式会社 | ねじ |
| US11598447B2 (en) * | 2020-12-04 | 2023-03-07 | Micro Matic Usa, Inc. | Hazardous material container plug |
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| US4355552A (en) * | 1980-04-14 | 1982-10-26 | Technofast, Inc. | Recessed head screw |
| GB2149872A (en) * | 1983-11-17 | 1985-06-19 | Peter John Gill | Tamper resistant fasteners |
| DE3403063A1 (de) * | 1984-01-30 | 1985-08-08 | DVG Deutsche Verpackungsmittel GmbH, 8505 Röthenbach | Schraube |
| JPS61157813A (ja) * | 1984-12-28 | 1986-07-17 | 株式会社ト−プラ | 取外し防止形十字穴ねじ |
| US5171117A (en) * | 1991-10-16 | 1992-12-15 | Textron Inc. | Fastener with multilobular internal recess and tool entry ramps |
| US5291811A (en) * | 1992-05-14 | 1994-03-08 | Textron Inc. | Back-side taper wedging drive system |
| US5277531A (en) * | 1992-09-10 | 1994-01-11 | Snap-On Tools Corporation | Device having socket with retention surfaces |
| IT233880Y1 (it) * | 1994-07-19 | 2000-02-10 | Lobo Spa | Vite del tipo antirimozione |
| US5647712A (en) * | 1996-05-09 | 1997-07-15 | Fleetguard, Inc. | One directional socket-driven component |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP07740696A patent/JP3411441B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1997
- 1997-03-21 US US08/822,638 patent/US5765980A/en not_active Expired - Lifetime
- 1997-03-24 DE DE19712252A patent/DE19712252C2/de not_active Expired - Fee Related
- 1997-03-28 IT IT97RM000179A patent/IT1291124B1/it active IP Right Grant
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|---|---|---|---|---|
| JP2015017685A (ja) * | 2013-07-12 | 2015-01-29 | 日東精工株式会社 | いじり止め駆動穴付き締結具 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| DE19712252A1 (de) | 1997-10-30 |
| IT1291124B1 (it) | 1998-12-29 |
| DE19712252C2 (de) | 2000-02-17 |
| ITRM970179A1 (it) | 1998-09-28 |
| US5765980A (en) | 1998-06-16 |
| JPH09264312A (ja) | 1997-10-07 |
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