JP3408889B2 - 保形性に優れた加工チーズ及びその製造方法 - Google Patents

保形性に優れた加工チーズ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷時柔らかく、かつ耐
熱性を有し、高温でも保形性に優れた加工チーズ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、チーズは大別してナチュラルチ
ーズとプロセスチーズ類があり、プロセスチーズ類は更
にプロセスチーズ、チーズフードなどに分類されてい
る。本発明でいうチーズは上記のいずれでもよく、また
単独でも2種以上の混合物でもよい。チーズは、それ自
体は耐熱性に乏しく加熱処理すると自らは融解し、軟化
流出するため、食品中で保形性を保ったままで加熱処理
する事が困難であった。
【0003】耐熱性加工チーズの製法は特公昭58−4
6311には、ナチュラルチーズに、縮合燐酸ナトリウ
ム(カリウム)やクエン酸ナトリウム等の溶融剤を1〜
4部(重量部、以下同じ)とアルブミンを1〜20部添
加混合し、最終製品の含水率が50〜60%の耐熱性軟
質加工チーズの製造方法が開示されている。しかし、牛
乳より得られたアルブミンは加熱融解したチーズに添加
混合すると、チーズとの混合時に熱変性を生じるため、
乳アルブミンのみを添加した加工チーズは耐熱性に劣
る。
【0004】また、特公昭55−11292にはチーズ
を破砕混合し、オルソ燐酸塩、ピロ燐酸塩、ポリ燐酸
塩、メタ燐酸塩、クエン酸塩等の溶融剤溶液を加え、加
熱融解して成形後、40〜100℃で加熱することによ
り耐熱保形性プロセスチーズの製造方法が開示されてい
る。ここで、溶融剤とは一般に、ナチュラルチーズの加
熱融解時にカゼインの凝固を防止するものであり、クエ
ン酸塩、重合燐酸塩が使用されている。しかしながら、
これらの方法による加工チーズは、高温時の保形性には
優れるものの、冷時の食感が堅すぎ、高温時の保型性
と、冷時の柔らかい食感とを同時に満足させる耐熱性の
加工チーズは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷時柔らか
く、加熱時の保形性に優れるという、これまでになかっ
た耐熱性の加工チーズ及び加工チーズの製造法を提供す
るものである。本発明で言う加工チーズとは、チーズを
30%以上含有した、チーズ風味の食品を指す。冷時柔
らかい加工チーズとは、常温(15〜25℃)におい
て、プロセスチーズと同様の堅さを示すものであり、カ
ードメーター(飯尾電気製)にて破断強度を測定したと
き600〜2500g/cm2程度の堅さを示すもので
ある。本発明の方法によると、プロセスチーズと同等の
堅さ食感を有しながら、加熱時にも融解しない加工チー
ズを製造することができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、チーズに卵白
蛋白と乳清蛋白の混合物(以下、蛋白混合物という)を
添加し、脱気混合する事により、加工チーズの食感を変
える事なく耐熱性を上げることに成功し、本発明を完成
させるに至った。乳清蛋白とは、牛乳より得られるホエ
ーを限外濾過により濃縮粉末化したもので、蛋白含量が
75%以上、蛋白組成の総グロブリンが50%以上含ま
れる。卵白蛋白とは、卵の白身の蛋白質を酵素、又は微
生物処理により脱糖した後、粉末化したものを指す。
【0007】蛋白混合物の添加量は、チーズ100部に
対し1〜10部がよく、種々の加熱条件、例えば蒸し器
で98℃、20分、オーブンで200℃、30分、オー
トクレーブで120℃、20分の各加熱条件等において
も加工チーズは融解することはない。しかし、蛋白混合
物の添加量が1部より少ない場合、耐熱性は得られず、
蒸し器で98℃、20分、オーブンで200℃、30
分、オートクレーブで120℃、20分の各加熱条件に
おいて融け出してしまう。又、蛋白混合物の添加量が1
0部より多い場合、蛋白混合物とチーズとの混合時の粘
度上昇により、均一な混合が困難となり、添加した蛋白
混合物が加工チーズの中に粉の状態で一部分残ってい
る。
【0008】蛋白混合物中の卵白蛋白と乳清蛋白の混合
比は卵白蛋白:乳清蛋白=1:1.5〜1:19でよ
く、できた加工チーズは耐熱性に優れ、蒸し器で98
℃、20分、オートクレーブで120℃、20分、オー
ブンで200℃、30分の加熱に耐え、なおかつ、なめ
らかな食感であった。しかし、乳清蛋白の混合比が、卵
白蛋白:乳清蛋白=1:19より多い場合、出来上がり
の加工チーズの食感は非常にソフトでなめらかである
が、蒸し器で98℃、20分、オートクレーブで120
℃、20分、オーブンで200℃、30分の加熱には耐
えられない。又、乳清蛋白の混合比が、卵白蛋白:乳清
蛋白=1:1.5より少ない場合、出来上がりの加工チ
ーズは、耐熱性を有しているが、食感に粉っぽさが残り
好ましくない。
【0009】本発明の基本的な原理は、添加する蛋白混
合物の熱凝固性及びチーズ中のカゼインとの反応性を利
用したものであり、加工チーズ製造中の温度管理が重要
となる。蛋白混合物は、熱に対する感受性が高く、60
℃より高い温度では、蛋白混合物中の一部分の蛋白成分
が徐々に蛋白変性、即ち熱凝固を生じ、約90℃では蛋
白混合物中の全ての蛋白成分が蛋白変性を起こし、熱凝
固は終了してしまう。このため、混合中に蛋白混合物の
熱凝固が一部分始まり、容器充填後に熱凝固が進行する
ように設定するのがよい。即ち、蛋白混合物を混合する
前のチーズの温度は任意であるが、チーズと蛋白混合物
の混合時の温度は65〜80℃の間がよく、80℃以上
で混合すると、混合中に蛋白混合物の蛋白変性が進みす
ぎ、出来上がりの加工チーズの食感は粉っぽくなり好ま
しくない。又、90℃以上で混合すると、蛋白混合物の
蛋白変性は混合中に終了してしまい、容器充填後の熱凝
固の進行がないため、耐熱性も損なわれる。一方、65
℃より低い温度では蛋白混合物の熱凝固が不充分である
ため、耐熱性に劣る。又、40℃より低い温度では、混
合時の粘度が高く、蛋白混合物との混合が困難となり、
加工チーズに添加した蛋白混合物が粉のままの状態で残
り好ましくない。
【0010】チーズと蛋白混合物の混合は、減圧装置の
付いた、ニーダーや、チーズ乳化釜を用い、脱気しなが
ら行う。その時の蒸気圧は、大気圧以下であればよく、
特に限定しないが、100mmHg以下であることが望
ましい。チーズと蛋白混合物の混合時間は特に限定され
ないが5〜10分程度でよい。脱気工程無しで行うと、
加工チーズの中に細かい気泡が入り、蒸し器、オートク
レーブ、オーブン等での加熱時に、気泡が大きくなり、
加工チーズが破壊されてしまう為、好ましくない。
【0011】更に、出来上がりの加工チーズの中心温度
を70〜120℃とし、5〜60分の加熱処理をする事
により、チーズと蛋白混合物の混合時の温度の範囲を広
げ、耐熱性を付与できる。加工チーズを例えば、直径5
cm、深さ2cmの円盤状の容器に充填し、加熱したウ
ォーターバスに浸漬し、あるいは、レトルト殺菌釜に入
れ、加工チーズにセンサーを刺し中心温度を70〜12
0℃とし、5〜60分加熱処理を行う。加熱処理無しで
は、チーズと蛋白混合物の混合時の温度が、65〜80
℃であったものが、加熱処理により40〜80℃に範囲
が広がる。
【0012】つまり、加熱処理を行うことにより、混合
時の加熱温度が、40〜65℃の範囲でも耐熱性を付与
でき、蒸し器で98℃、20分、オートクレーブで12
0℃、20分、オーブンで200℃、30分の加熱に耐
え、融解することはない。中心温度が70℃より低い温
度、又は5分より短い時間の加熱では、蒸し器で98
℃、20分、オートクレーブで120℃、20分、オー
ブンで200℃、30分の加熱の条件により融解し、満
足させる耐熱性は得られない。以下、本発明の具体的態
様を実験例、実施例により説明するが、本発明はこの実
験例、実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
実験例1 蛋白混合物の添加量について 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80部
を入れ、更に蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:
1.5)を0.4、0.8、2.4、4、5.6、8、
10、12.4、14部それぞれ加え、水にて全量を1
00部とし、60℃まで加温しながら、減圧(蒸気圧3
0mmHg)、混合を5分間行った。その後、内容物を
取り出し、直径5cm、長さ15cmのケーシングチュ
ーブに充填後、加熱したウォーターバスに浸し、80
℃、40分間加熱した。上記方法によりできた加工チー
ズを一片が1cmのキューブに切断し、蒸し器にて98
℃、20分及び、オーブンで200℃、30分、さらに
一片が1cmのキューブの加工チーズを水に入れ、オー
トクレーブで120℃、20分加熱し、耐熱性の有無を
調べた。結果を表1に示した。
【0014】
【表1】
【0015】× :融解している ○ :融解せず、角がのこっている ● :融解せず、角がのこっているが、一部分に添加し
た蛋白混合物が残っている 表1より、蛋白混合物を0.8〜8部(チーズ100部
に対して1〜10部)添加することにより、加工チーズ
は融解せず、耐熱性を付与できた。
【0016】実験例2 卵白蛋白と乳清蛋白の混合比について 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、蛋白混合物(配合比は下記の表2、表3)を5部加
え、水にて全量を100部とし、50℃まで加温しなが
ら、減圧(蒸気圧30mmHg)し、混合を5分間行っ
た。その後、内容物を取り出し、直径5cm、長さ15
cmのケーシングチューブに充填後、加熱したウォータ
ーバスに浸し、75℃、10分間加熱した。上記方法に
よりできた加工チーズの食感を、15名の専門のパネラ
ーにてテストした。更にできた加工チーズを一片が1c
mのキューブに切断し、蒸し器にて98℃、20分及
び、オーブンで200℃、30分、さらに一片が1cm
のキューブの加工チーズを水に入れ、オートクレーブで
120℃、20分加熱し、耐熱性の有無を調べた。結果
を表2、表3に示した。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】× :融解している ○ :融解せず、角がのこっている 表2、表3より、蛋白混合物の配合は、卵白蛋白:乳清
蛋白が1:1.5〜1:19の間が耐熱性にすぐれ、な
おかつ食感もなめらかで良好なものであった。
【0020】実験例3 蛋白混合物の混合時の温度について(加熱処理有り) 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:19)を2
部加え、水にて全量を100部とし、30、40、5
0、60、70、80、85、90℃までそれぞれ加温
しながら、減圧(蒸気圧30mmHg)し、混合を5分
間行った。その後、内容物を取り出し、直径5cm、長
さ15cmのケーシングチューブに充填後、加熱したウ
ォーターバスに浸し、75℃、20分間加熱した。上記
方法によりできた加工チーズを一片が1cmのキューブ
に切断し、蒸し器にて98℃、20分及び、オーブンで
200℃、30分、さらに一片が1cmのキューブの加
工チーズを水に入れ、オートクレーブで120℃、20
分加熱し、耐熱性の有無を調べた。結果を表4に示し
た。
【0021】
【表4】
【0022】× :融解していた ○ :全く融解せず、角がのこっている ◎ :全く融解せず、角がのこっているが、一部に添加
した蛋白混合物が残っている ● :全く融解せず、角がのこっているが、粉っぽい食
感である 表4より、蛋白混合物の添加時の温度は40〜80℃の
間が耐熱性にすぐれ、なおかつ食感も良好なものであっ
た。
【00023】実験例4 蛋白混合物の混合時の温度について(加熱処理無し) 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:19)を2
部加え、水にて全量を100部とし、50、55、6
0、65、70、80、85、90℃までそれぞれ加温
しながら、減圧(蒸気圧30mmHg)し、混合を5分
間行った。上記方法によりできた加工チーズを一片が1
cmのキューブに切断し、蒸し器にて98℃、20分及
び、オーブンで200℃、30分、さらに一片が1cm
のキューブの加工チーズを水に入れ、オートクレーブで
120℃、20分加熱し、耐熱性の有無を調べた。結果
を表5に示した。
【0024】
【表5】
【0025】× :融解していた ○ :全く融解せず、角がのこっている ● :全く融解せず、角がのこっているが、粉っぽい食
感である 表5より、蛋白混合物の添加時の温度は65〜80℃の
間が耐熱性にすぐれ、なおかつ食感も良好なものであっ
た。
【0026】実験例5 混合時の脱気の有無について 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、白蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:9)を3
部加え、水にて全量を100部とし、70℃まで加温し
ながら、減圧(蒸気圧100mmHg)、及び減圧せ
ず、それぞれ混合を5分間した。その後内容物を取り出
し、直径5cm、長さ15cmのケーシングチューブに
充填後、加熱したウォーターバスに浸し、80℃、10
分間加熱した。上記方法によりできた加工チーズを一片
が1cmのキューブに切断し、蒸し器にて98℃、20
分及び、オーブンで200℃、30分、さらに一片が1
cmのキューブの加工チーズを水に入れ、オートクレー
ブで120℃、20分加熱し、耐熱性の有無を調べた。
乳清蛋白と卵白蛋白を主原料チーズに混合するとき、蒸
気圧100mmHgまで減圧すると、オートクレーブで
120℃、20分加熱に耐え、融け出す事はなかった、
しかし、減圧無しではオートクレーブでの加熱中に崩れ
てしまった。
【0027】実験例6 蛋白混合物を添加した加工チーズの加熱処理温度につい
て 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:4)を3部
加え、水にて全量を100部とし、50℃まで加温しな
がら、減圧(蒸気圧30mmHg)し、混合を5分間行
った。その後、内容物を取り出し、直径5cm、長さ1
5cmのケーシングチューブに充填後、レトルト殺菌釜
或いは、加熱したウォーターバスに浸し、中心温度がそ
れぞれ、50、60、70、80、90、120℃で5
分間保持されるよう加熱した。中心温度はセンサーを刺
し測定した。上記方法によりできた加工チーズを、一片
が1cmのキューブに切断し、蒸し器にて98℃、20
分、及びオーブンで200℃、30分、さらに一片が1
cmのキューブの加工チーズを水に入れ、オートクレー
ブで120℃、20分加熱し、耐熱性の有無を調べた。
結果を表6に示した。
【0028】
【表6】
【0029】× :融解している ○ :全く融解せず、角がのこっている 表6より、蛋白混合物を添加した加工チーズの加熱温度
は中心温度70〜120℃が耐熱性にすぐれていた。
【0030】実施例1 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:2.3)を
4部加え、水にて全量を100部とし、60℃まで加温
しながら、減圧(蒸気圧100mmHg)、混合を5分
間行った。その後、内容物を取り出し、直径5cm、長
さ15cmのケーシングチューブに充填後、加熱したウ
ォーターバスに浸し、80℃で40分間加熱して加工チ
ーズを得た。
【0031】上記方法でできた加工チーズを短冊状に切
断し、竹輪の中心に挿入し、おでんの具とした。又、比
較として市販のプロセスチーズを同様に竹輪に挿入し、
おでんの具とした。本発明の方法で作った加工チーズ
は、竹輪の中に加工チーズが残っていたが、市販のプロ
セスチーズは煮汁の中に融け出してしまった。また、お
でんの具とする前に、スライスし、食したところ、両者
の食感の差は認められなかった。
【0032】実施例2 減圧可能なニーダーの中に市販のナチュラルチーズ80
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:9)を7
部、メタリン酸ナトリウム0.5部加え、水にて全量を
100部とし、80℃まで加温しながら、減圧(蒸気圧
20mmHg)、それぞれ混合を5分間した。その後内
容物を取り出し、直径5cm、長さ15cmのケーシン
グチューブに充填後、加熱したウォーターバスに浸し、
75℃で30分間加熱して加工チーズを得た。
【0033】上記方法でできた加工チーズをスライス
し、パン生地に層状に挟み、パンを焼成した。又、市販
のプロセスチーズを使い同様に、パンを焼成した。本発
明の方法で作った加工チーズはパンの中に層状に加工チ
ーズが残っていたが、市販のプロセスチーズは、融けだ
し、パンの中には残っていなかった。
【0034】実施例3 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:4)を2部
加え、水にて全量を100部とし、80℃まで加温しな
がら、減圧(蒸気圧100mmHg)、混合を5分間行
った。その後、内容物を取り出し、直径5cm、長さ1
5cmのケーシングチューブに充填後、加熱したウォー
ターバスに浸し、80℃で10分間加熱して加工チーズ
を得た。
【0035】上記方法でできた加工チーズをつきたての
餅に挿入し、4日間常温にて保存後、チーズ入りの餅を
焼成した。又、市販のプロセスチーズを用い同様の処理
を行った。本発明の方法の加工チーズは餅の中に残って
いたが、市販のチーズは、餅を焼成する間に、融け出し
てしまった。
【0036】実施例4 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ80
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:1.5)を
8部加え、水にて全量を100部とし、70℃まで加温
しながら、減圧(蒸気圧50mmHg)、混合を5分間
行った。その後、内容物を取り出し、直径5cm、長さ
15cmのケーシングチューブに充填後、加熱したウォ
ーターバスに浸し、80℃で10分間加熱して加工チー
ズを得た。
【0037】上記方法でできた加工チーズを、サイコロ
状にカットし、グラタンの上に乗せオーブンで焼成し
た。又、市販のプロセスチーズを同様に、グラタンの上
に乗せオーブンで焼成した。本発明の方法の加工チーズ
は形が残っていたが、市販のプロセスチーズは、融解し
ていた。
【0038】実施例5 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ98
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:2.3)を
2部加え、水にて全量を100部とし、65℃まで加温
しながら、減圧(蒸気圧80mmHg)、混合を5分間
行った。その後、内容物を取り出し、直径5cm、長さ
15cmのケーシングチューブに充填後、加熱したウォ
ーターバスに浸し、90℃で20分間加熱して加工チー
ズを得た。
【0039】上記方法でできた加工チーズを、サイコロ
状にカットし、シチューのルウの中に入れ、120℃、
20分のレトルト殺菌をした。又、市販のプロセスチー
ズを用い、同様にシチューをレトルト殺菌した。本発明
の方法の加工チーズはシチューの中に加工チーズの形が
残っていたが、市販のプロセスチーズは、シチューの中
に融け込み、形は残っていなかった。
【0040】実施例6 減圧可能なニーダーの中に市販のプロセスチーズ97
部、蛋白混合物(卵白蛋白:乳清蛋白=1:19)を3
部加え全量を100部とし、50℃まで加温しながら、
減圧(蒸気圧30mmHg)、混合を5分間行った。そ
の後、内容物を取り出し、直径5cm、長さ15cmの
ケーシングチューブに充填後、加熱したウォーターバス
に浸し、75℃で20分間加熱して加工チーズを得た。
【0041】上記方法でできた加工チーズを短冊状に裁
断し、てんぷら用のバッターに漬け、180℃の油でて
んぷらとした。又、市販のプロセスチーズを用い、同様
にてんぷらにした。本発明の方法の加工チーズは、てん
ぷらの衣の中に加工チーズが残っていたが、市販のチー
ズは、衣の中からチーズが融け出してしまった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳清蛋白として蛋白組成の総グロブリンが
    50%以上含まれるものを使用し、チーズ100重量部
    に対して、卵白蛋白と乳清蛋白との混合比(重量比)が
    1:1.5〜1:19である蛋白混合物を1〜10重量
    部添加することを特徴とする加工チーズ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の加工チーズを製造するに際
    し、チーズに卵白蛋白と乳清蛋白との蛋白混合物を65
    〜80℃で脱気しながら混合することを特徴とする加工
    チーズの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の加工チーズを製造するに際
    し、チーズに卵白蛋白と乳清蛋白との蛋白混合物を40
    〜80℃で脱気しながら混合した後、この混合物の中心
    温度を70〜120℃とし、5〜60分間加熱処理する
    ことを特徴とする加工チーズの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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