JP3408180B2 - フコイダンの抽出方法 - Google Patents
フコイダンの抽出方法Info
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Description
からのフコイダンの抽出方法に関する。さらに詳しく
は、製造設備における腐食等の問題がなく、所望の範囲
内の平均分子量を有するフコイダンが効率的に得られる
フコイダンの抽出方法に関する。
ダンは、優れた抗コレステロール作用,血液清澄作用,
抗血液凝固作用,抗癌作用,抗エイズウイルス作用,お
よび抗胃潰瘍作用等の薬理効果を有することから、効率
的に抽出することが望まれていた。
に、モズクから、60〜100℃の熱水を用い、30分
〜3時間の条件で、重量平均分子量が50,000〜5
00,000であり、中性糖含量が50〜90%であ
り、イオウ含量が3〜17%の範囲である熱水抽出物、
例えばフコイダンを含んだ熱水抽出物を抽出する方法が
開示されている。
や、刊行物である応用糖質科学,43巻,第2号,p.
143〜148,(1996)(刊行日1996年6月
30日)には、養殖オキナワモズクから、塩酸や硫酸等
の無機酸(濃度0.2N)を抽出剤として用い、室温に
て、24時間程度の時間をかけてフコイダンを抽出する
方法が開示されている。
開昭61−5752019号公報には、海藻から、水や
温水、あるいは塩酸を用いて抽出された高粘性のフコイ
ダン含有溶液に、β−1,3−グルカナーゼまたはプロ
テアーゼを溶存させて、フコイダン含有溶液に含まれる
高粘性付与物質を分解し、低粘性のフコイダン含有溶液
を製造する方法、あるいは、さらに限外濾過膜を用いて
フコイダンを製造する方法が開示されている。
開平7−59563号公報および特開平7−59564
号公報には、真ウニ類から抽出したフコイダン分解酵素
であり、至適pHがpH3〜3.5付近であり、至適温
度が50〜55℃付近であり、SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法で約分子量23000のフコイダン
分解酵素(特開平6−62852号公報)や、至適pH
がpH4〜4.5付近であり、至適温度が60℃付近で
あるフコイダン分解酵素(特開平7−59563号公
報)や、至適pHがpH3〜4.0付近であり、至適温
度が45℃付近であるフコイダン分解酵素(特開平7−
59564号公報)を用いたフコイダンの製造方法が開
示されている。
10−70970号公報に開示された製造方法では、フ
コイダンの収率が、使用原料に対して1%未満と低く、
しかも、フコイダンに含まれるフコース(ウロン酸)の
含有量が少ないという問題が見られた。
に開示された製造方法では、腐食性の高い強酸を抽出剤
として用いているため、製造設備を腐食しやすいという
問題が見られた。もちろん、耐腐食性の高い無機材料等
を使用することにより、製造設備の腐食をある程度は防
止することができるものの、耐腐食性の高い無機材料等
は、極めて高価であったり、加工性が乏しい等の問題が
あり、経済的に不利であった。また、同公報等に開示さ
れた製造方法で得られるフコイダンは、分子量が高すぎ
て、所望の分子量、例えば、10,000〜5,00
0,000の範囲内の値とすることが容易でなかった。
なお、例えば、抗エイズウイルス作用を典型的に示すに
は、フコイダンの平均分子量を100,000〜20
0,000の範囲内の値とするのが好ましいことが知ら
れており、同様に、抗胃潰瘍作用を典型的に示すには、
フコイダンの平均分子量を200,000程度の値とす
るのが好ましいことが知られている。さらに、抽出剤と
して強酸を使用した場合、得られたフコイダンにつき、
最終的に強塩基を用いて中和する必要があり、製造工程
数が増えたり、含有する不純物量が増えるという問題が
見られた。
開昭61−5752019号公報に開示された製造方法
では、抽出剤として、強酸である塩酸を用いた場合に
は、特開平10−165114号公報等と同様の腐食性
や分子量性等の問題があり、一方、抽出剤として、水や
温水(40℃、14時間)を用いた場合には、特開平1
0−70970号公報と同様の抽出効率が極めて低いと
いう問題が見られた。
開平7−59563号公報および特開平7−59564
号公報に開示されたフコイダン分解酵素を用いた製造方
法であれば、製造設備の腐食性の問題は見られないもの
の、かかるフコイダン分解酵素を用いただけでは、フコ
イダンに含まれるフコースの収率が低いという問題が見
られた。
意検討したところ、酵素処理の前に、膨潤処理を施すこ
とにより、製造設備を腐食したり、フコイダンを過度に
分解することなく、しかも高い抽出率が得られることを
見出し本発明を完成したものである。すなわち、本発明
は、製造設備における腐食等の問題がなく、所望の範囲
内の平均分子量を有するフコイダンが効率的に得られる
酵素を用いたフコイダンの抽出方法を提供することを目
的とする。
クからフコイダンを抽出する方法であり、抽出剤として
有機酸を用いるとともに、抽出工程のpHを2〜6の範
囲内の値とすることを特徴とする。このように有機酸を
使用することにより、製造設備に対する腐食性やフコイ
ダンの分子量性の問題がなく、しかも、強塩基で中和す
る必要もない。また、抽出工程のpHを所定範囲に制限
しているため、優れた抽出効率を得ることができる。
り、オキナワモズク1000gあたり、有機酸の使用量
を1〜100gの範囲内の値とすることが好ましい。こ
のように有機酸の使用量を制限することにより、フコイ
ダンについての優れた抽出効率が得られ、しかも、含ま
れる不純物量を減少させることができる。
り、有機酸が、クエン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、ステアリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、グ
リコール酸、安息香酸からなる群から選択される少なく
とも一つの化合物であることが好ましい。このような種
類の有機酸を使用することにより、優れた抽出効率が得
られ、しかも製造設備に対する腐食性やフコイダンの分
子量性の問題がない。
り、抽出工程の温度を25〜95℃の範囲内の値とする
ことが好ましい。このように抽出温度を制限することに
より、優れた抽出効率が得られ、製造管理も良好とな
る。
り、抽出工程の抽出時間を0.5〜72時間の範囲内の
値とすることが好ましい。このように抽出時間を制限す
ることにより、優れた抽出効率が得られ、経済性も良好
となる。
り、有機酸とともに、ギ酸、塩酸、硫酸、硝酸からなる
群から選択される少なくとも一つの無機酸を使用するこ
とが好ましい。このように無機酸を併用することによ
り、優れた抽出効率が得られ、経済性も良好となる。ま
た、有機酸と無機酸とを併用していることより、無機酸
の使用量が少なくなるため、製造設備に対する腐食性や
フコイダンの分子量性の問題も少なくなる。
り、フコイダンの平均分子量を、10,000〜1,0
00,000の範囲内の値とすることが好ましい。この
ようにフコイダンの平均分子量を制限することにより、
例えば、優れた抗エイズウイルス作用や抗胃潰瘍作用を
示すことができる。
て具体的に説明する。なお、以下の説明は、本発明の抽
出方法が理解できる程度に、概略的に行うものに過ぎな
い。したがって、本発明は以下の説明にのみ限定される
ものではない。
下の(1)〜(3)の工程を順次に含むフコイダンの抽
出方法である。 (1)オキナワモズクの前処理工程 (2)フコイダンの抽出工程 (3)フコイダンの後処理工程
抽出効率を向上させ、不純物量を減少させるために、前
処理(解凍、塩抜き、破砕)することが好ましい。
収穫後、保存性を良好にするため塩蔵したり、冷蔵して
あることが多いため、一般に前処理工程において、塩抜
きしたり、解凍することが好ましい。具体的には、水道
水を用いて表面の塩を洗い流した後、一例として、10
00リットルの容器内に、250Kgの割合でオキナワ
モズクを収容した状態で、水を流しながら0.5〜5時
間浸漬するのが好ましい。
に破砕するのが好ましい。この小片の大きさについても
特に制限されるものではないが、具体的に、カッターミ
キサー等を用いて、長さ(長辺)を0.1〜50mmの
範囲内の値とするのが好ましく、0.5〜30mmの範
囲内の値とするのがより好ましく、1〜5mmの範囲内
の値とするのがさらに好ましい。
第1の実施形態における抽出条件(有機酸の種類、有機
酸の使用量、抽出温度、抽出時間、抽出pH値、撹拌条
件)について説明する。
オン酸、酪酸、吉草酸、ステアリン酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル
酸、フタル酸、グリコール酸、安息香酸からなる群から
選択される少なくとも一つの有機酸を使用することが好
ましい。また、pH値の調整のしやすさが良好で、しか
も、高い抽出効率が得られることから、クエン酸を使用
することが好ましい。さらに、クエン酸と他の有機酸と
を併用する場合にも、使用する有機酸の使用量を100
重量%としたときに、そのうちクエン酸の使用量を、5
0重量%以上の値とすることが好ましく、70重量%以
上の値とすることがより好ましく、90重量%以上の値
とすることがさらに好ましい。
使用量を、オキナワモズク1000gあたり、1〜10
0gの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、
有機酸の使用量が1g未満となると、単位時間あたりの
抽出効率が著しく低下する場合があるためであり、一
方、有機酸の使用量が1000gを超えると、不純物量
が多くなったり、フコイダンの抽出効率が低下する場合
があるためである。したがって、抽出効率と、含まれる
不純物量等とのバランスがより良好となることから、有
機酸の使用量を、オキナワモズク1000gあたり、2
〜50gの範囲内の値とすることが好ましく、5〜30
gの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
を25〜95℃の範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、抽出温度が25℃未満となると、抽出効率が
著しく低下する場合があるためであり、一方、抽出温度
が95℃を超えると、製造管理が困難となったり、フコ
イダンが過度に分解する場合があるためである。したが
って、抽出効率と、製造管理等とのバランスがより良好
となることから、抽出温度を30〜90℃の範囲内の値
とすることが好ましく、50〜88℃の範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
pH値を2〜6の範囲内の値とする必要がある。この理
由は、pH値が2未満となると、製造設備に対する腐食
性が高くなるためであり、一方、pH値が6を超える
と、抽出効率が著しく低下するためである。したがっ
て、製造設備に対する腐食性と、抽出効率とのバランス
がより良好となることから、抽出時のpH値を3.0〜
5.5の範囲内の値とすることが好ましく、3.2〜
5.0の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
間を0.5〜72時間の範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、抽出時間が0.5時間未満となると、
抽出効率が著しく低下する場合があるためであり、一
方、抽出時間が72時間を超えると、経済的に不利とな
る場合があるためである。したがって、経済性と、抽出
効率とのバランスがより良好となることから、抽出時間
を1〜24時間の範囲内の値とすることが好ましく、2
〜5時間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
撹拌することが好ましい。具体的には、撹拌翼を用い
て、5〜200rpmの回転数で撹拌することが好まし
く、10〜100rpmの回転数で撹拌することがより
好ましく、20〜80rpmの回転数で撹拌することが
さらに好ましい。この理由は、撹拌翼の回転数が5rp
m未満となると、抽出効率が著しく低下する場合がある
ためであり、一方、撹拌翼の回転数が200rpmを超
えると、気泡を巻き込みやすくなり、逆に抽出効率が低
下したり、製造設備が大掛かりとなる場合があるためで
ある。
めには、抽出工程で得られた抽出液を、後処理(遠心分
離、脱塩、濃縮、粉末化)することが好ましい。
遠心分離処理することにより、固液分離することができ
る。すなわち、遠心分離処理することにより、不純物等
の固形分と、フコイダンを多く含む溶液とを効率的に分
離することができる。ここで、遠心分離処理条件は、特
に制限されるものではないが、例えば、抽出工程で得ら
れた抽出液が40℃以下の温度になったことを確認後、
3,000〜100,000rpmの回転数で、1〜3
0分間の時間とすることが好ましい。
置を用いて、例えば、分画分子量6,000以下の条件
で、限外濾過処理を行うことが好ましい。このように限
外濾過処理することにより、低分子量成分を除外して、
フコイダン成分を多く含む溶液を、限外濾過濃縮液とし
て得ることができ、結果として、塩分量や分子量が所定
範囲内のフコイダンを効率的に得ることができる。な
お、塩分計で測定される濾液(限外濾過濃縮液)におけ
る塩分濃度が、0.1重量%以下の値となるまで、限外
濾過濃縮と、濾過水の加圧とからなる限外濾過処理を繰
り返し行うことが好ましい。
コイダンの濃度を、例えば、2倍以上の値とすることが
好ましい。このように濃縮化することにより、後工程に
おける粉末化が容易となり、高収率でフコイダンパウダ
ーを得ることができる。
不純物を除外したフコイダンパウダーを効率的に得るこ
とができる。なお、スプレードライ装置を用いる場合に
は、粉末化が容易なように、減圧濃縮装置により得られ
たフコイダン濃縮液に、デキストリン等の賦型剤を、フ
コイダン100重量部あたり、50〜500重量部の範
囲内で添加することが好ましい。
1の実施形態と同様に、上記(1)〜(3)の工程を順
次に含むフコイダンの抽出方法である。ただし、(2)
フコイダンの抽出工程において、抽出剤として、有機酸
と無機酸とからなる混合物を使用していることを特徴と
している。したがって、かかる抽出剤について、以下、
中心的に説明することにする。
しては、第1の実施形態で説明したものと同様のものを
使用することができる。よって、ここでの有機酸につい
ての説明は省略する。また、第2の実施形態で使用する
無機酸としては、例えば、ギ酸、塩酸、硫酸、硝酸から
なる群から選択される少なくとも一つが挙げられる。た
だし、製造設備に対する腐食を有効に防止するために、
無機酸を添加した場合にも、抽出時のpHを2〜6の範
囲内の値とする必要がある。したがって、抽出剤の全体
量を100重量%としたときに、無機酸の使用量を、5
0重量%未満の値とすることが好ましく、より好ましく
は、0.1〜30.0重量%の範囲内の値とすることで
あり、さらに好ましくは、1.0〜10.0重量%の範
囲内の値とすることである。
用する場合には、無機酸の使用量が比較的少なくする必
要があることから、抽出効率が低下する場合があり、そ
のため、抽出温度を40〜95℃の比較的高い温度範囲
内の値とするのが好ましく、50〜95℃の範囲内の値
とするのより好ましく、60〜90℃の範囲内の値とす
るのがさらに好ましい。
機酸と無機酸とを、それぞれ別個に用いることも好まし
い。ただし、その場合にも、製造設備に対する腐食を有
効に防止するために、上述した無機酸の使用量の範囲内
とすることが好ましい。
モズク(産地:今帰仁)を、流水で3回洗浄し、表面の
塩分を取り除いた後、1、000リットルの容器内に収
容し、さらに水を流しながら1時間水道水に浸漬した。
次いで、容器からオキナワモズクを取り出し、カッター
ミキサーを用いて、オキナワモズクの長さ(長辺)を約
2mmとした。この小片化したオキナワモズクから、以
下の抽出条件でフコイダンを抽出し、さらに以下の後処
理条件で、最終的にフコイダンの粉末を5Kg製造し
た。
中の含フコイダン量を測定したところ、54.0重量%
であった。また、カルバゾール法により、得られたフコ
イダン中のフコース硫酸含有多糖類量を測定したとこ
ろ、36.0重量%であった。また、イオンクロマトグ
ラフィにより、得られたフコイダン中の硫酸量を測定し
たところ、13.3重量%であった。さらに、550℃
加熱灰化法により、得られたフコイダン中の灰分を測定
したところ、22重量%以下であり、105℃加熱乾燥
法により、得られたフコイダン中の水分を測定したとこ
ろ、6重量%以下であった。
フコースの収率を算出したところ、2.0%という高い
値が得られた。
(平均重量分子量)を測定したところ、180,000
であった。よって、本発明が好ましいとする平均分子量
の範囲内であることが確認された。
数を測定したところ、単位重量1gあたり、300個未
満であることを確認した。また、得られたフコイダンの
大腸菌群を、BGLB法にて測定したところ、陰性であ
ることを確認した。
性白血病細胞(5万個)に、得られたフコイダンを1μ
g/mlの濃度で添加し、その状態で、培養を続けた。
その結果、培養時間18時間で、細胞数は約3万個まで
減少し、さらに培養を続けたところ、培養時間40時間
で、細胞数は0(消滅)まで減少した。一方、フコイダ
ンを添加しなかったコントロールでは、培養時間18時
間で、細胞数は約6万個まで増加し、さらに培養を続け
たところ、培養時間40時間で、細胞数は約15万個ま
で増加した。よって、得られたフコイダンは、ヒト前骨
髄性白血病細胞に対する優れた抗癌作用を有することが
確認された。
性白血病細胞(5万個)に、得られたフコイダンを1μ
g/mlの濃度で添加し、その状態で、培養を続け、ア
ポトーシス(死細胞の割合)を測定した。その結果、培
養開始時には、アポトーシスは約20%であったが、培
養時間22時間で、アポトーシスは約70%まで増加
し、培養時間48時間で、アポトーシスはさらに約90
%まで増加し、培養時間70時間で、アポトーシスはさ
らに約100%まで増加し、細胞はすべて死細胞となっ
た。一方、フコイダンを添加しなかったコントロールで
は、培養開始時、培養時間22時間、48時間および7
0時間において、それぞれアポトーシスは約20%であ
り、アポトーシスの変化はみられなかった。よって、得
られたフコイダンは、ヒト前骨髄性白血病細胞に対する
優れたアポトーシス誘導作用を有することが確認され
た。
cm、幅2.54cm、厚さ0.1mm)を、100m
lの抽出剤に浸漬し、温度90℃に保持したところ、1
000時間経過後も、2000時間経過後にも、特に腐
食の観察は観察されなかった。
昇させ、抽出時間を1時間から0.5時間としたほか
は、実施例1と同様にフコイダンを製造した。
得られたフコイダンについて、(1)成分評価、(2)
収率、(3)平均分子量、(4)細菌数、(5)抗癌作
用、(6)アポトーシス誘導作用、(7)腐食性をそれ
ぞれ評価したところ、実施例2においても、実施例1と
同様の結果が得られた。
に、クエン酸と塩酸(塩酸濃度:0.02N)とを混合
使用し、抽出工程のpHを3.0から2.0としたほか
は、実施例1と同様にフコイダンを製造した。
得られたフコイダンについて、(1)成分評価、(2)
収率、(3)平均分子量、(4)細菌数、(5)抗癌作
用、(6)アポトーシス誘導作用、(7)腐食性をそれ
ぞれ評価したところ、実施例3においても、実施例1と
同等の結果が得られた。
の塩蔵品のかわりに、知念産の生オキナワモズク(実施
例4)および塩蔵品(実施例5)を使用したほかは、実
施例1と同様にフコイダンを製造した。
得られたフコイダンについて、(1)成分評価、(2)
収率、(3)平均分子量、(4)細菌数、(5)抗癌作
用、(6)アポトーシス誘導作用、(7)腐食性をそれ
ぞれ評価したところ、実施例4および5においても、実
施例1と同等の結果が得られた。
に、0.2Nの塩酸を使用し、抽出工程のpHの値を
3.0から2.0とし、抽出温度を88℃から25℃に
し、抽出時間を2時間から16時間としたほかは、実施
例1と同様にフコイダンを製造した。
得られたフコイダンについて、(1)成分評価、(3)
平均分子量、(7)腐食性をそれぞれ評価した。その結
果、抽出剤による腐食性が確認され、得られたフコイダ
ンの平均分子量は100,000であった。なお、成分
評価については、実施例1と同等であった。
95℃にしたほかは、比較例1と同様にフコイダンを製
造した。
得られたフコイダンについて、(1)成分評価、(3)
平均分子量、(7)腐食性をそれぞれ評価した。その結
果、抽出剤によるさらなる腐食性が確認され、得られた
フコイダンの平均分子量は70,000以下であった。
なお、成分評価については、実施例1と同等であった。
フコイダンの抽出方法によれば、抽出剤として有機酸を
用いるとともに、pH値を所定範囲に制限しているため
に、製造設備における腐食等の問題がなく、所望の平均
分子量を有するフコイダンが効率的に得られるようにな
った。また、本発明のフコイダンの抽出方法の好適態様
によれば、抽出剤として、有機酸と無機酸とを併用する
とともに、pH値を所定範囲に制限しているために、製
造設備における腐食等の問題がないばかりか、さらに高
い抽出効率が得られるようになった。
Claims (7)
- 【請求項1】 オキナワモズクからフコイダンを抽出す
る方法において、抽出剤として有機酸を用いるととも
に、抽出工程のpHを2〜6の範囲内の値とすることを
特徴とするフコイダンの抽出方法。 - 【請求項2】 前記オキナワモズク1000gあたり、
前記有機酸の使用量を1〜100gの範囲内の値とする
ことを特徴とする請求項1に記載のフコイダンの抽出方
法。 - 【請求項3】 前記有機酸が、クエン酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、吉草酸、ステアリン酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル
酸、フタル酸、グリコール酸、安息香酸からなる群から
選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴と
する請求項1または2に記載のフコイダンの抽出方法。 - 【請求項4】 前記抽出工程の温度を25〜95℃の範
囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か一項に記載のフコイダンの抽出方法。 - 【請求項5】 前記抽出工程の抽出時間を0.5〜72
時間の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4
のいずれか一項に記載のフコイダンの抽出方法。 - 【請求項6】 前記有機酸とともに、ギ酸、塩酸、硫
酸、硝酸からなる群から選択される少なくとも一つの無
機酸を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれ
か一項に記載のフコイダンの抽出方法。 - 【請求項7】 前記フコイダンの平均分子量を、10,
000〜1,000,000の範囲内の値とすることを
特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のフコイ
ダンの抽出方法。
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JP03893799A JP3408180B2 (ja) | 1999-02-17 | 1999-02-17 | フコイダンの抽出方法 |
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