JP3404938B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、毛髪化粧料に関し、詳
しくは、毛髪になめらかさ及びしなやかさを付与し、櫛
通り性がよく、洗い流し時のすすぎ性を改善した毛髪化
粧料に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
りシャンプー、リンス、ヘアコンデショナー、ヘアトリ
ートメント等の毛髪化粧料には、髪になめらかさを付与
し、ぱさつきを抑える等の目的でアルキル第四級アンモ
ニウム塩、N−長鎖アシル塩基性アミノ酸アルキルエス
テル塩等のカチオン界面活性剤が添加されている(特公
昭62−29402号公報)。このうちN−長鎖アシル
塩基性アミノ酸アルキルエステル塩は、皮膚や粘膜に対
して低刺激であるため、毛髪化粧料の配合成分として好
ましいものである。しかしながら、現在毛髪化粧料によ
く使用されているNα−長鎖アシルアルギニン低級アル
キルエステル塩は、毛髪のしなやかさ、櫛通り性に関し
ては、やや不足気味であった。この点を解決する方法と
して、特開平2−764号公報には、エステル基を長鎖
アルキル基に代えたNα−長鎖アシルアルギニンエステ
ル塩を配合することが提案されているが、仕上がり感に
ついてアルキル第四級アンモニウムクロライドと比較し
た場合には、十分に満足できるものではなく、また洗い
流し時のすすぎ性についても改善が求められていた。 【0003】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のNα−長鎖ア
シルアルギニン分岐アルキルエステル塩が、従来知られ
ていたNα−長鎖アシルアルギニンアルキルエステル塩
と比較して優れた仕上がり感を与え、洗い流し時もすす
ぎ性がよいことを見いだし、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。 【0004】すなわち、本発明は、下記一般式(I)で
表されるNα−長鎖アシルアルギニン分岐アルキルエス
テルまたはその塩を含有することを特徴とする毛髪化粧
料に関する。 【化2】 (式中、R1 CO−は、炭素原子数8〜22の飽和また
は不飽和の脂肪酸アシル基を、R2 は、イソプロピル基
またはイソブチル基を表す。) 【0005】上記一般式(I)で表されるNα−長鎖ア
シルアルギニンエステルまたはその塩のアシル基として
は、炭素原子数8〜22の飽和もしくは不飽和の天然ま
たは合成脂肪酸から誘導されるアシル基であり、例えば
ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステ
アロイル基等の単一脂肪酸残基のほか、ヤシ油脂肪酸ア
シル基、牛脂脂肪酸アシル基等の天然の混合脂肪酸アシ
ル基であってもよい。またR2 としては、イソプロピル
基またはイソブチル基であるが、イソプロピル基のほう
がより好ましい。 【0006】塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の無機酸
塩、酢酸塩、クエン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、
脂肪酸塩、酸性アミノ酸塩、L−またはDL−ピロリド
ンカルボン酸塩等の有機酸塩が用いられ、その中でも塩
酸塩、L−またはDL−ピロリドンカルボン酸塩が好ま
しい。 【0007】このようなNα−長鎖アシルアルギニンエ
ステルは公知の方法、例えば脂肪酸クロライドをアルギ
ニンのアルカリ溶液に加えることによりNα−長鎖アシ
ルアルギニンとした後、アルコールと酸触媒存在下に脱
水エステル化を行うことにより容易に製造することがで
きる。 【0008】上記Nα−長鎖アシルアルギニン分岐アル
キルエステルまたはその塩はそれらのいずれか一種を単
独で使用することもできるが、二種以上を併用すること
も可能である。また本発明の効果を損なわない範囲内で
アルキル第四級アンモニウム塩等の従来のカチオン界面
活性剤と併用することもできる。 【0009】本発明の毛髪化粧料におけるNα−長鎖ア
シルアルギニン分岐アルキルエステルまたはその塩の配
合量は通常0.01〜20重量%以上、好ましくは0.
01〜10重量%である。 【0010】本発明の毛髪化粧料にはアニオン界面活性
剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、多価アルコ
ール、油脂、高分子化合物、乳化剤、保湿剤、キレート
剤、Nε−ラウロイルリジン等の機能性粉体、感触向上
剤、過脂剤、生薬等の薬剤、エタノール、粘度調整剤、
防腐防黴剤、パール化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、p
H調整剤、香料、色素等毛髪化粧料に通常用いられる成
分を配合することができる。そのような成分としては、
例えば以下のようなものがあげられる。 【0011】アニオン界面活性剤としては、例えば高級
脂肪酸塩、N−長鎖アシルグルタミン酸、N−長鎖アシ
ルアスパラギン酸、N−長鎖アシルグリシン、N−長鎖
アシルアラニン、N−長鎖アシルスレオニン、N−長鎖
アシルザルコシン、N−長鎖アシル−β−アラニン、N
−長鎖アシル−N−メチル−β−アラニン等のN−アシ
ルカルボン酸またはその塩、エーテルカルボン酸塩、ア
ルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、N−アシルス
ルホン酸塩、O−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸
塩、エーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩等を挙げること
ができる。 【0012】両性界面活性剤としては、例えばアルキル
ベタイン、スルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン
を挙げることができる。 【0013】ノニオン界面活性剤としては、脂肪酸アル
カノールアミド、アルキルグリコシド、糖アルコールヒ
ドロキシ脂肪族エーテル誘導体等を挙げることができ
る。 【0014】高分子化合物としては、アラビアゴム、ト
ラガントガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カ
ラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、
セラック、ロジン、カゼイン、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルエー
テル、ポリアミド樹脂、シリコン油、キチン、部分脱ア
セチル化キチン、加水分解コラーゲン、ポリアスパラギ
ン酸、ポリグルタミン酸ナトリウム等を挙げることがで
きる。 【0015】本発明の毛髪化粧料の剤型は特に制限され
ず、液体、ペースト状、ゲル状、固体、粉末等任意の剤
型とすることができる。本発明の毛髪化粧料は、毛髪用
の洗浄剤を含めた化粧料として適するもので、シャンプ
ー、コンデショナー、リンス、ヘアムース、毛髪用石鹸
等として用いることができる。 【0016】 【発明の効果】本発明の毛髪化粧料は、従来のN−長鎖
アシル塩基性アミノ酸アルキルエステル塩配合のものと
比較して、毛髪へのなめらかさ及びしなやかさの付与、
櫛通り性及び洗い流し時のすすぎ性の点で優れたもので
ある。また本発明の毛髪化粧料は、従来のN−長鎖アシ
ル塩基性アミノ酸アルキルエステル塩配合のものと同様
に皮膚や粘膜に対する刺激が低く、安全性の高いもので
ある。 【0017】 【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 【0018】製造例1 イソプロパノール60mlに塩化チオニル10ml及び
特開昭48−18437号公報記載の方法により製造し
たNα−ラウロイル−L−アルギニン塩酸塩10gを加
え、室温で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られ
た油状物をクロロホルムに溶解して10%食塩水で洗浄
した。クロロホルム溶液を硫酸マグネシウムで乾燥した
後、溶媒を留去してNα−ラウロイル−L−アルギニン
イソプロピルエステル塩酸塩7gを得た。 【0019】製造例2 イソプロパノールの代わりにイソブタノールを用いたほ
かは製造例1と同様の方法により、Nα−ラウロイル−
L−アルギニンイソブチルエステル塩酸塩を製造した。 【0020】製造例3 Nα−ラウロイル−L−アルギニン塩酸塩の代わりにN
α−ココイル−L−アルギニン塩酸塩を用いたほかは製
造例1と同様の方法により、Nα−ココイル−L−アル
ギニンイソプロピルエステル塩酸塩を製造した。 【0021】製造例4 Nα−ラウロイル−L−アルギニン塩酸塩の代わりにN
α−ココイル−L−アルギニン塩酸塩を用いたほかは製
造例2と同様の方法により、Nα−ココイル−L−アル
ギニンイソブチルエステル塩酸塩を製造した。 【0022】試験例1 表1に示す組成の毛髪化粧料を調製し、男女各10人の
専門パネラーに使用させ、洗い流し時のすすぎ性、乾燥
後の毛髪のなめらかさ、しなやかさ及び櫛通り性を官能
評価により評価した。評価は、下記の基準により行い平
均値を求め、1〜2を(×)、2.1〜3を(△)、
3.1〜4を(○)、4.1〜5を(◎)で表した。 【0023】非常によい(5)、よい(4)、普通
(3)、あまりよくない(2)、悪い(1) 【0024】 【表1】【0025】表1から明らかなように本発明の毛髪化粧
料は、従来のN−長鎖アシルアルギニンアルキルエステ
ル塩を配合したものと比較して、仕上がり感、櫛通り
性、すすぎ性の点で優れており、アルキル第四級アンモ
ニウム塩を配合したものとほぼ同等のものであることが
わかる。 【0026】実施例5、6 シャンプー 表2、3に示す配合組成物を70〜80℃で加熱溶解
し、その後室温まで冷却してシャンプーを得た。本品は
洗い流し時のすすぎ性が良好であり、洗い上がり感も十
分満足のいくものであった。 【0027】 【表2】【0028】 【表3】 【0029】実施例7〜9 リンス 表4〜6に示す配合組成物を70〜80℃で加熱溶解
し、その後室温まで冷却してリンスを得た。本品は洗い
流し時のすすぎ性がよく、乾燥後の仕上がり感も十分満
足のいくものであった。 【0030】 【表4】 【0031】 【表5】【0032】 【表6】 【0033】実施例10、11 ヘアコンデショナー 表7、8に示す配合組成物を70〜80℃で加熱溶解
し、その後室温まで冷却してヘアコンデショナーを得
た。 【0034】 【表7】 【0035】 【表8】【0036】実施例12 毛髪用化粧水 表9に示す配合組成物を40〜50℃で加熱溶解し、そ
の後室温まで冷却して毛髪用化粧水を得た。 【0037】 【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−108722(JP,A) 特開 昭59−108708(JP,A) 特開 平5−271035(JP,A) 特開 平6−72832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/06 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】下記一般式(I)で表されるNα−長鎖ア
    シルアルギニン分岐アルキルエステルまたはその塩を含
    有することを特徴とする毛髪化粧料。 【化1】 (式中、R1 CO−は、炭素原子数8〜22の飽和また
    は不飽和の脂肪酸アシル基を、R2 は、イソプロピル基
    またはイソブチル基を表す。)
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