JP3404701B2 - 麦茶飲料の製造方法 - Google Patents

麦茶飲料の製造方法

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正巳 笹目
隆士 山本
弘二 西海
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株式会社 伊藤園
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に透明容器詰め
に適した麦茶飲料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】健康志向の高まりとともに無糖飲料の必
要性が高まり、特に麦茶は昔ながらの嗜好性飲料或いは
止渇性飲料の位置付けから、より高水準・高品質のもの
が求められるようになってきた。また、麦茶は、従来一
般家庭において煮だす等の工程を経て飲用されてきた
が、近年アウトドアでの飲用機会の増加や簡便性などの
点から麦茶飲料が市販され、最近では透明ボトル容器詰
めの麦茶飲料の需要が高まり、これに伴って麦茶飲料の
製造分野では、濁りを生じさせない麦茶飲料の製法が着
目されている。
【0003】一方、麦茶飲料の製造に関しては、香味を
高めるために溶出率を増やすと焙煎麦茶中の澱粉などの
濁り原因物質も多く溶出するようになり、懸濁乃至沈殿
を生じさせないように溶出率を抑えると香味が淡白にな
ってしまうなどの課題があった。そこで従来は、濁り原
因物質の溶出のみを抑えるために、濁り原因成分の少な
い焙煎麦を用いる方法や、抽出の段階で溶出量を調整す
る方法などが開示されてきた。例えば、膨化した焙煎大
麦を一定の割合で含む大麦を用いる方法(特開平1−1
96283号)、焙煎大麦を2種以上の異なる抽出方法
にて抽出した後、それらの抽出液を混合する方法(特開
平1−296962号)、水に炭酸塩類或いはリン酸塩
類とアスコルビン酸とを添加溶解し、その溶液のpHを
6〜7に調整した後、これに麦茶原料を加えて原料中の
エキス分を抽出し、再度炭酸塩類等を添加溶解してpH
を6〜7に調整する方法(特開平1−291774号)
などである。
【0004】
【本発明が解決すべき課題】しかしながら、従来の麦茶
飲料の製法はいずれも、大麦の種類、焙煎方法、焙煎度
合、粉砕法等を限定せざるを得ないため一般的な焙煎大
麦を使用することができないうらみがあったほか、麦茶
特有の香味を高めるために飲料濃度を一定以上にすると
懸濁・沈殿を生じるようになり、結局のところ麦茶特有
の香味を高めて深味のある麦茶飲料を製造することは困
難であった。
【0005】そこで本発明は、かかる課題に鑑み、懸濁
乃至沈殿を生ぜず、しかも一般的な焙煎大麦を用いるこ
とができ、それでいて麦茶特有の香味を十分に高めるこ
とができる麦茶飲料の製造方法を提供せんとするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題解
決のため、焙煎大麦の濁り原因物質と乳化剤の関係に着
目し、焙煎大麦乳化剤を添加した温水にて浸漬すること
により、ろ過工程の前に意図的に濁り原因物質を沈殿乃
至懸濁させ、この沈殿乃至懸濁をろ過によって除去する
ことにより麦茶飲料の懸濁乃至沈殿を防止すると共に、
麦茶特有の香気成分を乳化させて麦茶特有の香味を一層
高めるようにしたものである。
【0007】すなわち、本発明の麦茶飲料の製造方法で
は、焙煎大麦を、乳化剤を添加した温水に浸漬し(第1
工程)、その後、温水で抽出し(第2工程)、第1及び
第2工程より得られた浸漬液及び抽出液をろ過するよう
にしたことを特徴とする。乳化剤を添加した温水に焙煎
大麦を浸漬することにより、焙煎大麦に含まれる澱粉な
どの濁り原因物質を吸着させて溶出させ、これらの沈殿
乃至懸濁を促進させることができるから、後工程でのろ
過により麦茶飲料から濁りの原因を除去することができ
る。従って、長期保存においても懸濁及び沈殿が生じる
ことがなく、しかも成分濃度を高めても懸濁及び沈殿が
生じることがないから香味豊かな麦茶飲料を得ることが
できる。また同時に、溶出された麦茶特有の油溶性香気
成分を乳化させて麦茶特有の香味を一層高めることがで
きる。さらには、乳化剤を添加した温水に浸漬すること
により、麦茶飲料の色調に好影響を与えることができる
ばかりか、静菌効果をも得ることができる。
【0008】ここで、本発明の乳化剤としては、ショ糖
脂肪酸エステルを特に好適に使用することができる。乳
化剤は、約500〜1250ppm濃度となるように添
加するのが濁り防止に効果的であり、特に750〜10
00ppm濃度とするのがが好ましい。500ppmよ
り少ないと飲料の濁り防止を効果的に図ることができ
ず、1250ppm濃度より多いと乳化剤の苦みが感じ
られるようになるばかりか、最終製品とした場合に沈殿
乃至懸濁を生じるおそれがでてくる。また、浸漬時間
は、約20分〜35分とするのが好ましい。20分より
短いと飲料の濁り防止を効果的に図ることができず、3
5分より長いと雑味が感じられるようになる。
【0009】更に、第2工程での温水抽出により、第1
工程で得た油溶性香気成分を安定的に回収することがで
き、それと同時に甘味、うま味等の麦茶飲料の味の基本
となる成分を溶出させることができる。ここで、かかる
温水抽出は、シャワーリングにより行うのが好ましい。
例えば、第1工程後に浸漬液を回収し、その後シャワー
リングによる温水抽出を行うようにすることができる。
シャワーリングにより温水抽出すれば、焙煎大麦を破砕
することなくうま味等の成分を溶出させることができ
る。また、抽出する際の温水の温度は、約80〜95℃
であるのが好ましい。80℃より低い水温では、うま味
がなく淡白となるから香味のバランスが悪くなるように
なり、95℃より高い水温では、苦みが感じられるよう
になるばかりか、最終製品とした場合に沈殿を生じるお
それがでてくる。
【0010】上記第1及び第2工程で得られた浸漬液及
び抽出液は、ただちに急冷し、その後ろ過するのが好ま
しい。急冷することにより、濁り原因物質の沈殿乃至懸
濁を一層促進させることができ、最終製品としての麦茶
飲料の懸濁及び沈殿の発生をより一層確実に防止できる
ばかりか、製造時間の短縮を図ることもできる。 ここ
で、急冷法は、例えばプレート式熱交換機などを用いて
約10〜30℃程度に急冷するのがよい。
【0011】また、ろ過の方法としては、遠心分離ろ過
と形状選別ろ過とを組合せて行うのが好ましく、特に形
状選別ろ過を行うことは効果的である。例えば98℃の
温水で第2工程の抽出をする場合、形状選別ろ過を行わ
なければ沈殿が発生する場合があるが、形状選別ろ過を
行えば沈殿の発生を防止することができるなど、形状選
別ろ過により麦茶飲料の懸濁及び沈殿の発生を更に一層
確実に防止できる。なお、かかる形状選別ろ過では、よ
り微細な成分をも除去できるように、メッシュサイズ5
0μ以下の多層構造のストレーナーを用いるのが好まし
い。
【0012】上記工程により得られた麦茶液は、そのま
ま或いは必要に応じて希釈し、pHを調整し、常法によ
って殺菌乃至容器詰めすることができる。例えば、缶詰
飲料であれば容器充填後に加熱殺菌を行えばよいし、P
ETボトル詰飲料であれば殺菌後に容器充填を行うよう
にすればよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
(実施例1)焙煎大麦20gを先ず、所定のショ糖脂肪
酸エステル濃度(0ppm、250ppm、500pp
m、1000ppm、1500ppm、3000pp
m)に調整した90℃、10倍容量の温水に25分間浸
漬した。この浸漬液を回収し、続いて当該焙煎大麦をシ
ャワーリングにより90℃の温水で抽出し、原料焙煎大
麦を分離して抽出液を回収した。この時、焙煎大麦由来
の抽出効率が20%になるように調整した。上記抽出効
率は、以下の数式により算出した。 抽出効率(%)=抽出液量×抽出成分濃度×比重÷大麦
重量×100 (抽出成分濃度は、抽出成分の浸漬液及び抽出液量に対
する濃度)
【0014】次に、上記回収した浸漬液及び抽出液を、
プレート式熱交換機を用いて約20℃に急冷し、遠心分
離ろ過を行った後、メッシュサイズ50μ以下の多層構
造ストレーナーを用いて形状選別を行った。その後L−
アスコルビン酸及び炭酸水素ナトリウムを添加してpH
約6.0に調整し、1000mlにメスアップして調合
液を得た。そして、この調合液を密閉容器に充填し殺菌
を行い、得られた液の明度(L値)を機械分析(日本電
色工業株式会社製色差計(Σ80))により測定すると
共に、官能評価及び沈殿評価を行い、その結果を図1及
び表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】(実施例2)焙煎大麦20gを、ショ糖脂
肪酸エステル濃度1000ppmに調整した90℃、1
0倍容量の温水に所定時間(10分、20分、30分、
40分)浸漬し、その後は実施例1と同様に処理した。
そして、得られた液の明度測定(L値)及び官能評価を
行い、その結果を図2及び表2に示した。
【0017】
【表2】
【0018】(実施例3)焙煎大麦20gを、ショ糖脂
肪酸エステル濃度1000ppmに調整した90℃、1
0倍容量の温水に25分間浸漬した後、シャワーリング
により所定温度(60℃、70℃、80℃、90℃、9
8℃)の温水で抽出し、その後は実施例1と同様に処理
した。そして、得られた液の官能評価及び沈殿評価を行
い、その結果を下記表3に示した。
【0019】(比較例1)また、上記実施例3における
形状選別ろ過を行わず、その他の点は実施例3と同様に
処理して得られた液の官能評価及び沈殿評価を行い、そ
の結果を上記実施例3の結果と共に表3に示した。
【0020】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1により製造した麦茶飲料にお
ける乳化剤濃度と明度との関係を示したグラフである。
【図2】本発明の実施例2により製造した麦茶飲料にお
ける抽出時間と明度との関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西海 弘二 東京都渋谷区本町3丁目47番10号 株式 会社伊藤園内 (72)発明者 社 三雄 東京都渋谷区本町3丁目47番10号 株式 会社伊藤園内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 2/00 - 2/72

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焙煎大麦を、乳化剤を約500〜125
    0ppm濃度に添加してなる温水に浸漬した後、温水で
    抽出し、得られた浸漬液及び抽出液をろ過する工程を有
    する麦茶飲料の製造方法。
  2. 【請求項2】 焙煎大麦を、乳化剤を約500〜125
    0ppm濃度に添加してなる温水に浸漬した後、温水で
    抽出し、得られた浸漬液及び抽出液を急冷した後ろ過す
    ることを特徴とする麦茶飲料の製造方法。
  3. 【請求項3】 浸漬時間は、約20〜35分である請求
    1又は2に記載の麦茶飲料の製造方法。
  4. 【請求項4】 抽出する際の温水の温度は、約80〜9
    5℃である請求項1乃至3のいずれかに記載の麦茶飲料
    の製造方法。
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JP7099833B2 (ja) * 2018-03-13 2022-07-12 株式会社 伊藤園 組成物及びその製造方法
JP7088697B2 (ja) * 2018-03-13 2022-06-21 株式会社 伊藤園 容器詰麦茶飲料及びその製造方法

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