JP3398485B2 - ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物

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JP3398485B2 JP20360994A JP20360994A JP3398485B2 JP 3398485 B2 JP3398485 B2 JP 3398485B2 JP 20360994 A JP20360994 A JP 20360994A JP 20360994 A JP20360994 A JP 20360994A JP 3398485 B2 JP3398485 B2 JP 3398485B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高剛性、高耐熱性で、
耐衝撃性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】アイソタクティックな結晶性ポリプロピ
レン(以下PPと略記する。)は、剛性、表面光沢、耐
熱性に優れているが、工業材料等に必要な低温の耐衝撃
性に劣るという欠点を有している。耐衝撃性を改良する
方法としては、非晶性のゴム状物質を、ブレンドあるい
は多段重合等によって加える方法が広く行なわれてい
る。しかしながら、これらの改質は、ポリプロピレンの
本来の特徴である剛性、表面硬度、耐熱性等を低下させ
るという欠点を有している。特に耐熱性は、ゴム成分の
添加量が多くなるに従い急激に低下する。
【0003】ゴムを含んだPP系材料の耐衝撃性を改良
する目的で、タルク、ガラス繊維等のフィラーを用いる
試みも多く行なわれているが、密度の上昇、外観の悪化
等から、量的に制限され、材料として満足するものが得
られていない。従って、耐熱性を保ったまま耐衝撃性を
向上させる為には出来るだけ少ないゴム量で耐衝撃性を
発現させる事が望ましい。これを実現させる公知の手段
として、マトリックスPPとゴムの界面の補強とゴムの
微分散化が挙げられる。界面の補強としては、グラフト
反応を用いるものも提案(Lohse et.al.,Macromolecule
s,24,561(1991))されているが、ゲルの発生、MFRの
低下等により満足な結果が得られていない。より少ない
ゴム量で耐衝撃性を向上させるもう一つの手段として微
分散化も提案されている。Wu(Wu,Polymer,26,1855(1
985))によると、ナイロンにゴム(EPDM)が分散し
た系では、ゴム分散粒子間の距離に耐衝撃性が支配され
る。PP/エチレンプロピレンラバー(EPR)の系で
もこの事が成り立つ事が示されている(Akiyoshi et.a
l.,Polymer Preprints,39,3699(1990) )。同じゴム量
で粒子壁間距離を小さくする為には、ゴムを微分散させ
る必要がある。PP/EPR系で微分散を達成するに
は、PPと相溶性の良い比較的エチレン含量の少ないE
PRをブレンドするのが有効とみられるが、ゴム成分の
一部がPP相に溶け込むと考えられ、前記のように耐熱
性が悪化してしまう。
【0004】微分散を達成する手法として最も有効なの
は、PPの後でゴム成分を重合する多段重合の手法でい
わゆるブロック共重合体を得ることである。しかしなが
ら、この手法でも、特に耐熱性において満足できるもの
が得られていない。高耐熱性のブロック共重合体を多段
重合で得るためには、一般的にチタン系触媒が用いられ
る。従来のチタン系触媒を用いて得られた重合体のゴム
成分中には、平均値で表わされるCEより低いものが多
く含まれており(いわゆる組成分布が広く)、また分子
量分布も十分に狭くないのでゴム成分の一部がPP相に
溶け込む結果、耐熱性が悪化すると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ゴム
成分のPP相への溶け込みが抑えられると同時に微分散
化が達成され、その結果、高剛性、高耐熱性を維持した
まま、耐衝撃性に優れているポリプロピレン系樹脂組成
物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、ポリプ
ロピレン樹脂50〜90重量部、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体10〜40重量部よりなり、エチレン−α
−オレフィン共重合体のエチレン含量が55wt%以
上、エチレン−α−オレフィン共重合体のエチレン含量
(CE)に対する、その25℃でのキシレン可溶分のC
Eの比が0.90以上、エチレン−α−オレフィン共重
合体のGPCで求めた分子量の10,000以下の成分
が10wt%以下であるポリプロピレン系樹脂組成物に
より達成される。
【0007】本発明に使用されるポリプロピレン樹脂
は、アイソタクティックポリプロピレン(ホモPPと略
記する)、または、プロピレンを主体とし少量(通常1
0wt%以下)のエチレン、ブテン−1等のα−オレフ
ィンのランダム共重合体であるが、剛性、耐熱性の視点
からホモPPが望ましい。
【0008】本発明においては、エチレン−α−オレフ
ィン共重合体として、エチレン含量(CE)が55wt
%以上、好ましくは60wt%以上、さらに好ましくは
65wt%以上である。エチレン含量(CE)に対す
る、その25℃でのキシレン可溶分のCEの比が0.9
0以上(可溶分CE/ポリマーCE>0.9)、好まし
くは0.95以上である。さらにGPCで求めた分子量
の10,000以下の成分が10wt%以下、好ましく
は5wt%以下であるものをゴム成分として用い、この
エチレン−α−オレフィン共重合体が、数平均粒径が2
μm以下でホモPPに分散させる事が望ましい。
【0009】またこの様なエチレン−α−オレフィン共
重合体としては、チタン系、バナジウム系、メタロセン
系のいずれを用いても良いが、特にメタロセン系触媒で
重合されたものが上記の共重合体を得るために望まし
い。従来のチタン系触媒で得られた共重合体は組成分布
が広く、また分子量分布も十分に狭くないので、共重合
体のエチレン含量(CE)が55wt%以上でも、一部
がPP相に溶け込む結果、耐熱性が悪化する。共重合体
のエチレン含量(CE)が55wt%以下、あるいはエ
チレン含量(CE)に対する、その25℃でのキシレン
可溶分のCEの比が0.90未満、あるいはGPCで求
めた分子量の10,000以下の成分が10wt%より
多いと、剛性、耐熱性が悪化する。
【0010】ここで言うメタロセン系触媒とは、オレフ
ィン重合用均一系触媒として広く知られているカミンス
キー触媒(メタロセン/メチルアルミノキサン)を代表
とする触媒系の事である。エチレン−α−オレフィン共
重合体の製造方法として、例えば、特開昭58−193
09号公報には、ビスシクロペンタジエニルジルコニウ
ムジクロリドと線状あるいは環状メチルアルミノキサン
とを触媒とするエチレン及びエチレンと他のα−オレフ
ィンとの共重合体の製造方法が開示されている。また、
プロピレンの重合において、立体特異性重合が可能であ
ることが公知となっている(特開昭58−19309、
特開平2−76887)。
【0011】本重合体のポリプロピレン樹脂とゴム成分
を得る手法としては、ブレンドと多段重合がある。ブレ
ンドの手法を用いる場合、ポリプロピレン樹脂を与える
触媒系としては、メタロセン、チタン系(マグネシウム
担持型、TiCl3 型)のいずれでもかまわないが、高
立体規則性のものが好ましい。また、必要に応じてブレ
ンド、多段重合等で分子量分布を広げたものを用いても
良い。ゴム成分として上に示したものを与える触媒系と
しては、チタン系、メタロセン系、バナジウム系がある
が、前記の理由で、メタロセン系で行なうことが好まし
い。ブレンドは、単軸、2軸いずれの押出機を用いて行
なってもかまわないが、練りが十分な2軸押出機を用い
るのが好ましい。多段重合を使用する場合の触媒として
は、チタン系、メタロセン系、バナジウム系があるが、
好ましくは、メタロセン系で行なう必要がある。
【0012】本発明において、発明の効果を上げるため
には、分散促進剤を用いることが好ましい。微分散を達
成するためにSBR等の分散促進剤を用いる手法が従来
から行なわれている。しかしながら、通常これらの添加
は耐熱性を大幅に悪化させる。本発明においてもこれら
の分散促進剤を用いてもかまわないが、本発明の目的に
有効な分散促進剤は、[η]が2.0以上、望ましくは
4.0以上で、プロピレン含量が50wt%以上、望ま
しくは60wt%以上のエチレン−プロピレン共重合
体、または、水添ブタジエンのブロックを含むオレフィ
ン系ブロック共重合体のブロック共重合体の何れかを1
〜10wt%用いる事が望ましい。エチレンプロピレン
共重合体の[η]が2.0未満では剛性、耐熱性の悪化
を招き、プロピレン含量が上記に示した値に満たないと
分散促進剤としての効果が無い。分散促進剤の量が1w
t%以下ではその効果が発現しない。10wt%以上で
は、耐熱性の低下を招く。さらに好ましくは、2〜5w
t%である。
【0013】分散促進剤として用いるエチレン系共重合
体を得る触媒系としては、チタン系(マグネシウム担持
系、TiCl3 系)、メタロセン系、バナジウム系のい
ずれを用いても良い。いずれの分散促進剤も、押出機中
で混練りして添加することが出来るが、分散促進剤の
内、エチレン系共重合体は、多段重合で加えることもで
きる。
【0014】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に
は、必要に応じて、通常のポリプロピレンに配合される
熱酸化安定剤、増核剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤等
全ての添加剤、及び過酸化剤等のラジカル開始剤や不飽
和カルボン酸等の変性剤を使用出来る。更に、各種ポリ
エチレン、ポリブテン、エチレン−ブテン共重合体等の
オレフィン系共重合体、タルク、炭酸カルシウム、炭酸
リチウム、マイカ、グラスファイバー等の無機充填剤を
混合して使用する事も出来る。特に剛性、耐熱性の向上
のためには、核剤並びに充填剤を用いることが望まし
い。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。諸物性の測定は、以下
の方法によって行なった。 (1)[η](極限粘度)測定 テトラリンに溶解した希薄溶液を用い135℃にて測定
した。 (2)分子量分布測定 Waters社製150C型GPC装置にshodex
AT−80M/Sカラムを2本直列に接続して用い
た。BHTを0.01%含有する1,2,4−トリクロ
ロベンゼンを溶媒とし、試料を溶解後、0.5μmの焼
結金属フィルターでろ過し、140℃で測定した。得ら
れたクロマトグラムは、標準ポリスチレンを用いて更正
した。分子量はユニバーサル法を用いてポリプロピレン
と喚算した。得られた分子量と溶出量との関係より、各
分子量の重量分率を求めた。 (3)キシレン可溶分 本文でいうキシレン可溶分とは、130℃のオルトキシ
レンに完全溶解の後、25℃に冷却した際、溶解してい
る部分をいう。 (4)エチレン含量13 C−NMR(400MHz)により測定した。 (5)MFR JIS K−7210により測定した。 (6)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に準じノッチ付試験片を用いて行な
った。 (7)曲げ弾性率 JIS K−7207により測定した。 (8)HDT JIS K−7207により測定した。 (9)平均分散粒子径 画像処理装置に東芝製TOSPIX−U(商品名)を用
い、電子顕微鏡から得られた実画像から求めた。
【0016】参考例1 [ホモPPno重合] 固体触媒成分の調製 窒素雰囲気下、無水塩化マグネシウム47.6g(50
0mmol)、デカン259mlおよび2−エチルヘキ
シルアルコール234ml(1.5mol)を130℃
で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液中
に無水フタル酸11.1g(75mmol)を添加し、
130℃にて更に1時間撹拌混合を行い、無水フタル酸
を該均一溶液に溶解させた。得られた均一溶液を室温に
冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン2.0
l(18mol)中に1時間にわたって全量滴化した。
滴化終了後、混合溶液の温度を4時間かけて110℃に
昇温し、110℃に到達したところでフタル酸ジイソブ
チル26.8ml(125mmol)を添加し、2時間
110℃で撹拌反応させた。反応終了後、熱時濾過にて
固体成分を採取し、その後、この反応物に四塩化チタン
2.0l(18mol)を懸濁させた後、110℃で2
時間反応させた。反応終了後、再度、熱時濾過にて固体
成分を採取し、110℃のデカン2.0lで7回、室温
のヘキサン2.0lで3回洗浄した。 予備重合 窒素雰囲気下のもと内容積3lのオートクレーブ中に、
n−ヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム6.
0g(0.053mol)、t−ブチルトリメトキシシ
ラン3.1g(0.017mol)、及び上記で得られ
た固体触媒成分100gを投入し、0〜5℃の温度範囲
で5分間撹拌した。次に固体成分1gあたり10gのプ
ロピレンが重合するようにプロピレンをオートクレーブ
中に供給し、0〜5℃の温度範囲で1時間予重合した。
得られた予重合触媒は、n−ヘプタン500mlで3回
洗浄を行い、以下の重合に使用した。 プロピレンの重合 窒素雰囲気下、内容積60lの撹拌機付きオートクレー
ブ1機を用いて、以下のように重合を行った。上記の方
法で調製された予備重合触媒成分2.0g、トリエチル
アルミニウム11.4g(100mmol)、t−ブチ
ルトリメチキシシラン5.9g(33mmol)をい
れ、ついでプロピレン18kg、ポリマーのMFRが3
0になるように水素を供給し、70℃で30分間重合を
行った。未反応ガスをパージして目的のポリプロピレン
を得た。
【0017】参考例2 [ゴム成分1(メタロセン触媒で重合したEPR)]脱
水トルエン3lを6lオートクレーブに充填して、これ
に東ソー・アクゾ製メチルアルモキサントルエン溶液
(分子量 1026)をAl原子で380mmol加
え、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムクロリド
(Et(Ind)2ZrCl2)1.9×10-2mmol/mlのトル
エン溶液30mlを添加し常温で10分撹拌した。オー
トクレーブの温度を2℃に冷却した後、エチレン/プロ
ピレン(モル比7/3)混合ガスをマスフローメーター
を用いてオートクレーブに導入し、この温度で1時間重
合を行った。重合後、大量のメタノール−塩酸中に内容
物を投入して、生成した−プロピレン共重合体を分離
し、ポリマーを減圧下50℃で溶媒を除いた。収量は1
50gであった。得られたエチレン共重合体のエチレン
含量(CE)は70wt%、共重合体のCEに対する、
その25℃でのキシレン可溶分のCEの比は0.98、
GPCで求めた分子量の10,000以下の成分は2w
t%であった。
【0018】参考例3 [ゴム成分2(EPR)] 固体触媒成分の調製 窒素雰囲気下、無水塩化マグネシウム47.6g(50
0mmol)、デカン259mlおよび2−エチルヘキ
シルアルコール234ml(1.5mol)を130℃
で2時間加熱反応を行い均一溶液とした後、この溶液中
に無水フタル酸11.1g(75mmol)を添加し、
130℃にて更に1時間撹拌混合を行い、無水フタル酸
を該均一溶液に溶解させた。得られた均一溶液を室温に
冷却した後、−20℃に保持された四塩化チタン2.0
l(18mol)中に1時間にわたって全量滴化した。
滴化終了後、混合溶液の温度を4時間かけて110℃に
昇温し、110℃に到達したところでフタル酸ジイソブ
チル26.8ml(125mmol)を添加し、2時間
110℃で撹拌反応させた。反応終了後、熱時濾過にて
固体成分を採取し、その後、この反応物に四塩化チタン
2.0l(18mol)を懸濁させた後、110℃で2
時間反応させた。反応終了後、再度、熱時濾過にて固体
成分を採取し、110℃のデカン2.0lで7回、室温
のヘキサン2.0lで3回洗浄した。 TiCl4 [C64 (COO・i- C492 ]の調
四塩化チタン19g(100mmol)を含むヘキサン
1.0lの溶液にフタル酸ジイソブチル27.8g(1
00mmol)を0℃を維持しながら約30分間滴下し
た。滴下終了後、40℃に昇温し30分間反応させた。
反応終了後、固体成分を採取しヘキサン500mlで5
回洗浄し目的物を得た。TiCl4 [C64 (COO・i- C492 によ
る処理 上記で得られた固体触媒40gをトルエン600mlに
懸濁させ、25℃でTiCl4 [C64 (COO・i-
492 ]10.3g(22mmol)と1時間反
応させた。反応終了後、四塩化チタン200ml(1.
8mol)を加えて、110℃で2時間反応させた。反
応終了後、熱時濾過にて固体成分を採取し、その後、こ
の反応物にトルエン600ml、四塩化チタン200m
l(1.8mol)を懸濁させた後、110で2時間反
応させた。反応終了後、再度熱時濾過にて固体成分を採
取し、110℃のトルエン1.0lで7回、室温のヘキ
サン1.0lで3回洗浄した。 予備重合 窒素雰囲気下のもと内容積3lのオートクレーブ中に、
n−ヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム6.
0g(0.053mol)、t−ブチルトリメトキシシ
ラン3.1g(0.017mol)、及び上記で得られ
た固体触媒成分100gを投入し、0〜5℃の温度範囲
で5分間撹拌した。次に固体成分1gあたり10gのプ
ロピレンが重合するようにプロピレンをオートクレーブ
中に供給し、0〜5℃の温度範囲で1時間予重合した。
得られた予重合触媒は、n−ヘプタン500mlで3回
洗浄を行い、以下の重合に使用した。エチレン−プロピレン共重合体の重合 窒素雰囲気下、内容積6.0l撹拌機付きオートクレー
ブ中にプロピレン1344g(32mol)、水素を
1.54mol%(300kg/cm2 )仕込み60℃
に昇温した。プレコンタクト装置に仕込んだn−ヘキサ
ン30ml、トリエチルアルミニウム400molpp
m、ジシクロペンチルメトキシシラン60molppm
を5分間接触させた後、更に、上記固体触媒を仕込み5
分間接触させた。次に触媒追添装置を用いて上記のプレ
コンタクト触媒をエチレンを用いて圧入し、エチレン分
圧10.4kg/cm2 (15mol%)で、60℃で
30分間重合した。未反応ガスをパージして目的のEP
Rを得た。得られた共重合体のCEは、56wt%、E
PR成分のエチレン含量(CE)に対するEPR成分の
25℃でのキシレン可溶分のCEの比は0.97、GP
Cで求めた分子量の10,000以下の成分は4wt%
であった。
【0019】参考例4 [ゴム成分4(EPR)] エチレン−プロピレン共重合体の重合 参考例1のホモPPと同様の触媒を用い、以下のように
重合した。窒素雰囲気下、内容積6.0l撹拌機付きオ
ートクレーブ中にプロピレン1344g(32mo
l)、水素を1.54mol%(300kg/cm2
仕込み60℃に昇温した。プレコンタクト装置に仕込ん
だn−ヘキサン30ml、トリエチルアルミニウム40
0molppm、ジシクロペンチルメトキシシラン60
molppmを5分間接触させた後、更に、上記固体触
媒を仕込み5分間接触させた。次に触媒追添装置を用い
て上記のプレコンタクト触媒をエチレンを用いて圧入
し、エチレン分圧10.4kg/cm2 (15mol
%)で、60℃で30分間重合した。未反応ガスをパー
ジして目的のEPRを得た。得られた共重合体のEPR
成分のエチレン含量(CE)は55wt%、それに対す
るEPR成分の25℃でのキシレン可溶分のCEの比は
0.85、GPCで求めた分子量の10,000以下の
成分は12wt%であった。
【0020】参考例5 [分散促進剤1(エチレン−プロピレン共重合体)]参
考例1のホモPPと同様の触媒を用い、以下のように重
合した。窒素雰囲気下、内容積6.0l撹拌機付きオー
トクレーブ中にプロピレン1344g(32mol)、
水素を0.67mol%(130kg/cm2 )仕込み
60℃に昇温した。プレコンタクト装置に仕込んだn−
ヘキサン30ml、トリエチルアルミニウム400mo
lppm、ジシクロペンチルメトキシシラン60mol
ppmを5分間接触させた後、更に、上記固体触媒を仕
込み5分間接触させた。次に触媒追添装置を用いて上記
のプレコンタクト触媒をエチレンを用いて圧入し、エチ
レン分圧5.2kg/cm2 (7.0mol%)で、6
0℃で30分間重合した。未反応ガスをパージして目的
のEPRを得た。得られたEPRの[η]の値は4.
1、プロピレン含量は65wt%であった。
【0021】実施例1、2 参考例2のゴム成分1と参考例1のホモPPに市販の安
定剤であるBHT0.08重量部、イルガノックス10
10を0.05重量部、カルシウムステアレート0.0
1重量部、核剤としてAPBB0.4重量部を加えを加
え2軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶
融混練りした。得られた組成物を用いて試験片を作製
し、物性を測定した。結果を表1に示した。
【0022】実施例3 参考例2のゴム成分1と参考例5の分散促進剤1(6w
t%)に、市販の安定剤であるBHT0.08重量部、
イルガノックス1010を0.05重量部、カルシウム
ステアレート0.01重量部を加え2軸押出機(KTX
−37)を使用して200℃で溶融混練りし、マスター
バッチを作製した。得られたマスターバッチ、参考例1
のホモPP、核剤としてAPBBを、同じく2軸押出機
を用いて溶融混練りした。得られた組成物を用いて試験
片を作製し、物性を測定した。結果を表1に示した。
【0023】実施例4、5 参考例2のゴム成分1と分散促進剤2(E6100P:
日本合成ゴム社のトリブロック共重合体)(実施例4は
5wt%、実施例5は3wt%)とに、市販の安定剤で
あるBHT0.08重量部、イルガノックス1010を
0.05重量部、カルシウムステアレート0.01重量
部を加え2軸押出機(KTX−37)を使用して200
℃で溶融混練りし、マスターバッチを作製した。得られ
たマスターバッチ、参考例1のホモPP、核剤としてA
PBBを同じく2軸押出機を用いて溶融混練りした。得
られた組成物を用いて試験片を作製し、物性を測定し
た。結果を表1に示した。
【0024】実施例6 参考例3のゴム成分2と参考例1のホモPPに市販の安
定剤であるBHT0.08重量部、イルガノックス10
10を0.05重量部、カルシウムステアレート0.0
1重量部、核剤としてAPBB0.4重量部を加えを加
え2軸押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶
融混練りした。得られた組成物を用いて試験片を作製
し、物性を測定した。結果を表1に示した。
【0025】実施例7 参考例1のホモPPと実施例1〜5と同様のゴム成分1
と分散促進剤2(E6100P:日本合成ゴム社のトリ
ブロック共重合体)(15wt%)とに、市販の安定剤
であるBHT0.08重量部、イルガノックス1010
を0.05重量部、カルシウムステアレート0.01重
量部を加え2軸押出機(KTX−37)を使用して20
0℃で溶融混練りし、マスターバッチを作製した。得ら
れたマスターバッチ、ホモPP、核剤としてAPBBを
同じく2軸押出機を用いて溶融混練りした。得られた組
成物を用いて試験片を作製し、物性を測定した。結果を
表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例8 実施例1、2と同様にゴム成分1を用い、核剤(APB
B)の代わりにタルクを15wt%用いた例を表2に示
した。
【0028】実施例9、10 実施例3と同様にゴム成分1、分散促進剤1を用い、核
剤(APBB)の代わりにタルクを15wt%用いた例
を表2に示した。
【0029】実施例11、12 実施例4、5と同様にゴム成分1、分散促進剤2を用
い、核剤(APBB)の代わりにタルクを15wt%用
いた例を表2に示した。
【0030】比較例1、2 参考例1のホモPPとゴム成分3(EP1:日本合成ゴ
ム社のEPR、エチレン含量51wt%)に、市販の安
定剤であるBHT0.08重量部、イルガノックス10
10を0.05重量部、カルシウムステアレート0.0
1重量部、核剤としてAPBB0.4重量部を加え2軸
押出機(KTX−37)を使用して200℃で溶融混練
りした。得られた組成物を用いて試験片を作製し、物性
を測定した。結果を実施例と共に表1に示した。
【0031】比較例3 参考例4のゴム成分4に市販の安定剤であるBHT0.
08重量部、イルガノックス1010を0.05重量
部、カルシウムステアレート0.01重量部、核剤とし
てAPBB0.4重量部を加え2軸押出機(KTX−3
7)を使用して200℃で溶融混練りした。得られた組
成物を用いて試験片を作製し、物性を測定した。結果を
実施例と共に表1に示した。
【0032】比較例4 比較例3と同じゴム成分4を用い、核剤(APBB)の
代わりにタルクを15wt%用いた例を表2に実施例と
ともに示した。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂は、ゴム
成分のPP相への溶け込みが抑えられると同様に微分散
化が達成され、その結果、高剛性、高耐熱性を維持した
まま耐衝撃性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 重信 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電 工株式会社 大分研究所内 (56)参考文献 特開 平6−192500(JP,A) 特開 平1−168743(JP,A) 特開 平8−12827(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08F 4/64 - 4/69

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン樹脂50〜90重量部
    このポリプロピレン樹脂に分散しているエチレン−
    プロピレン共重合体10〜40重量部よりなり、エチ
    レン−プロピレン共重合体のエチレン含量が55wt%
    以上、エチレン−プロピレン共重合体のエチレン含量
    (CE)に対する、その25℃でのキシレン可溶分のC
    Eの比が0.90以上、エチレン−プロピレン共重合体
    のGPCで求めた分子量の10,000以下の成分が1
    0wt%以下であり、エチレン−プロピレン共重合体の
    数平均粒径が1.1〜3.2μmであるポリプロピレン
    系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 分散促進剤として、[η]が2.0以上
    でプロピレン含量が50wt%以上のエチレン−プロピ
    レン共重合体または水添ブタジエンのブロックを含むオ
    レフィン系ブロック共重合体の何れかを1〜10wt%
    含む請求項記載のプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン樹脂50〜90重量部
    と、このポリプロピレン樹脂に分散しているエチレン−
    α−オレフィン共重合体10〜40重量部とよりなり、
    エチレン−α−オレフィン共重合体のエチレン含量が5
    5wt%以上、エチレン−α−オレフィン共重合体のエ
    チレン含量(CE)に対する、その25℃でのキシレン
    可溶分のCEの比が0.90以上、エチレン−α−オレ
    フィン共重合体のGPCで求めた分子量の10,000
    以下の成分が10wt%以下であり、分散促進剤として
    [η]が2.0以上でプロピレン含量が50wt%以上
    のエチレン−プロピレン共重合体を1〜10wt%含む
    ポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記エチレン−α−オレフィン共重合体
    のα−オレフィンがプロピレンである請求項3記載のプ
    ロピレン系樹脂組成物。
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