JPH1171431A - ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH1171431A
JPH1171431A JP20812097A JP20812097A JPH1171431A JP H1171431 A JPH1171431 A JP H1171431A JP 20812097 A JP20812097 A JP 20812097A JP 20812097 A JP20812097 A JP 20812097A JP H1171431 A JPH1171431 A JP H1171431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
component
content
polypropylene
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP20812097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3732623B2 (ja
Inventor
Koji Sumitomo
孝司 住友
Susumu Nakagawa
将 中川
Masatoshi Toda
昌利 戸田
Yutaka Kobayashi
豊 小林
Motoki Yamada
材 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority to JP20812097A priority Critical patent/JP3732623B2/ja
Publication of JPH1171431A publication Critical patent/JPH1171431A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3732623B2 publication Critical patent/JP3732623B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性,剛性及び耐衝撃性を高いレベルでバ
ランスよく有するポリプロピレン系樹脂及びポリプロピ
レン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 MIが30〜70、25℃キシレン可溶
成分の含有量(x)が5〜15重量%であって、該可溶
成分が、(イ)エチレン単位含有量(z)が20〜30
重量%、(ロ)135℃デカリン中での極限粘度が2.0
0以上であり、かつ25℃キシレン不溶成分が、(ハ)
エチレン単位含有量(y)が、式 100y〔y×(1−x/100)+x〕≦1.13z−
16.6 を満たし、(ニ)GPC法による分子量106 以上の成
分の含有量が2重量%以上で、(ホ)MIが40〜13
0であり、(ヘ)立体規則性指標が98.5%以上である
ポリプロピレン系樹脂、並びに、(A)このポリプロピ
レン系樹脂45〜90重量%、(B)エチレン系共重合
体5〜50重量%及び(C)タルク0〜25重量%を含
有するポリプロピレン系樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン系樹
脂及びポリプロピレン系樹脂組成物に関し、さらに詳し
くは、従来のものに比べて、流動性,剛性,引張り破断
伸び及び耐衝撃性などが高いレベルで、かつバランスよ
く保持され、自動車部品や各種家庭用電気器具のハウジ
ング材料などに好適に用いられるポリプロピレン系樹脂
及びポリプロピレン系樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリプロピレンは機械的特性及び
加工性に優れることから、フィルムや各種成形品の素材
として多くの分野において幅広く用いられており、とり
わけ射出成形分野における需要が多い。しかしながら、
この結晶性ポリプロピレンは、ポリスチレンやABS樹
脂などに比べて、剛性と耐衝撃性とのバランスに劣るた
め、用途が制限されるのを免れない。また、平均分子量
を高めると衝撃強度が向上し、剛性と耐衝撃性とのバラ
ンスに優れたものとなるが、加工性が低下し、特に射出
成形において生産性が悪くなるという問題が生じる。そ
こで、加工性を損なうことなく、剛性と耐衝撃性とのバ
ランスを向上させたものが求められている。
【0003】ところで、結晶性ポリプロピレンの剛性あ
るいは弾性率を改良する目的で、分子量の異なるポリマ
ー混合物を二段階の重合で製造する方法が知られてい
る。例えば特開昭57−190006号公報において
は、固有粘度〔η〕がそれぞれ0.6〜1.7デシリットル
/gと1.5〜4.5デシリットル/gである重合体の混合
物を製造する方法が、特開昭58−7406号公報にお
いては、固有粘度〔η〕がそれぞれ0.6〜3.5デシリッ
トル/gと5〜10デシリットル/gの重合体の混合物
を製造する方法が開示されている。しかしながら、これ
らの方法においても剛性あるいは、弾性率の改善はまだ
不充分である。
【0004】さらに、特開平4−356511号公報に
おいては、分子量2,000〜26,000の成分の含
有量Ai(重量%)と極限粘度〔η〕とが、式 logAi ≧ 1.60−1.32×log〔η〕 の関係を満たすポリプロピレンが提案されているが、こ
のポリプロピレンは、弾性率及び耐熱性は改良されてい
るものの、剛性と耐衝撃性とのバランスの改良は不充分
である。また結晶性ポリプロピレンは、特に低温衝撃強
度が低いため、一般にエチレン−プロピレンゴム(EP
R)などのゴム状弾性体を添加することによる改良が行
われている。しかしながら、この場合、耐衝撃性は向上
するものの、剛性が著しく低下するのを免れないという
問題が生じる。したがって、剛性を低下させることな
く、耐衝撃性を向上させたポリプロピレン系樹脂組成物
が望まれていた。
【0005】一方、従来、ポリプロピレン系樹脂に、エ
チレン−ブテン−1共重合体を配合することが種々試み
られている。例えば、ポリプロピレン系樹脂に、特定の
エチレン−ブテン−1共重合体を配合することにより、
剛性と耐衝撃性のバランスに優れるものが得られること
が開示されており(特開平6−192506号公報,同
7−18151号公報)、そして、使用するエチレン−
ブテン−1共重合体が、融解ピーク温度80℃以下で、
X線法結晶化度20%未満のような結晶化度の低いもの
ほど、優れた効果を発揮するとしている。また、特開平
9−87478号公報では、融解温度60〜100℃の
エチレン−ブテン−1共重合体を用いることにより、剛
性と耐衝撃性のバランスを向上させうることが開示され
ている。
【0006】しかしながら、このようなエチレン−ブテ
ン−1共重合体を配合してなるポリプロピレン系樹脂組
成物は、剛性と耐衝撃性の高いレベルでのバランスにつ
いては、必ずしも充分に満足しうるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、従来のポリプロピレン系樹脂やポリプロピレ
ン系樹脂組成物に比べて、流動性,剛性,引張り破断伸
び及び耐衝撃性が高いレベルでバランスのとれたポリプ
ロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のメルト
インデックス及び25℃キシレンに対する可溶成分含有
量を有し、かつ25℃キシレンに対する可溶成分及び不
溶成分が、それぞれ特定の性状を有するポリプロピレン
系樹脂、及びこのポリプロピレン系樹脂と特定の共重合
体と場合によりタルクとをそれぞれ所定の割合で含有す
るポリプロピレン系樹脂組成物、あるいは、通常のポリ
プロピレン系樹脂と特定の性状を有するエチレン−ブテ
ン−1共重合体と、場合によりタルクとをそれぞれ所定
の割合で含有するポリプロピレン系樹脂組成物がその目
的に適合しうることを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいて完成したものである。
【0009】すなわち、本発明は、 (1)メルトインデックスが30〜70g/10分であ
って、25℃キシレンに対する可溶成分の含有量(x)
が5〜15重量%であり、かつ該可溶成分が、(イ)同
位体炭素核磁気共鳴分光(13C−NMR)法で求めたエ
チレン単位含有量(z)が20〜30重量%であるこ
と、及び(ロ)135℃デカリン中での極限粘度〔η〕
が2.00デシリットル/g以上であること、並びに25
℃キシレンに対する不溶成分が、(ハ)同位体炭素核磁
気共鳴分光(13C−NMR)法法で求めたエチレン単位
含有量(y:重量%)が、式〔I〕 100y/〔y×(1−x/100)+x〕≦1.13z−16.6・・〔I〕 の関係を満たすこと、(ニ)ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)法で求めたポリスチレン基準
の分子量分布曲線において、分子量106 以上の成分の
含有量が2重量%以上であること、(ホ)メルトインデ
ックスが40〜130g/10分であること、及び
(ヘ)同位体炭素核磁気共鳴分光(13C−NMR)法で
求めた立体規則性指標が98.5%以上であることを特徴
とするポリプロピレン系樹脂、
【0010】(2)(A)上記(1)のポリプロピレン
系樹脂45〜90重量%,(B)エチレン及び/又は炭
素数3以上のα−オレフィンを主成分とする共重合体5
〜50重量%及び(C)タルク0〜25重量%を含有す
ることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物(以
下、ポリプロピレン系樹脂組成物Iと称す。)、及び
【0011】(3)(A’)ポリプロピレン系樹脂45
〜90重量%,(B’)ブテン−1単位含有量が10〜
25モル%,メルトインデックスが0.5〜10g/10
分,融解ピーク温度が20〜50℃,結晶化発熱量が2
0〜50J/g及び結晶化発熱量(J/g)/ブテン−
1単位含有量(モル%)が1.4以上であるエチレン−ブ
テン−1共重合体5〜50重量%及び(C)タルク0〜
25重量%を含有することを特徴とするポリプロピレン
系樹脂組成物(以下、ポリプロピレン系樹脂組成物II
と称す。)を提供するものである。
【0012】なお、本発明における13C−NMRの測定
はすべて下記の方法による。すなわち、NMR試料管に
試料220mgを採取し、これに1,2,4−トリクロ
ロベンゼン/重ベンゼン混合溶媒(容量比90/10)
3ミリリットルを加えたのち、キャップをして130℃
で均一に溶解後、13C−NMRの測定を次に示す測定条
件で行う。 装置: 日本電子(株)製JNM−EX400 パルス幅: 9μs(45°) パルス繰り返し時間:4秒 スペクトル幅: 20000Hz 測定温度: 130℃ 積算回数: 1000〜10000回
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のポリプロピレン系樹脂
は、以下に示す性状を有するものである。まず、メルト
インデックス(MI)が30〜70g/10分の範囲で
ある。このMIが30g/10分未満では流動性が不充
分で、加工性が悪く、また70g/10分を超えると耐
衝撃性が低下する。流動性及び耐衝撃性などの面から、
好ましいMIは35〜55g/10分の範囲であり、特
に37〜50g/10分の範囲が好適である。なお、こ
のMIは、JIS K−7210に準拠し、温度230
℃、荷重2.16kgの条件で測定した値である。
【0014】次に、25℃キシレンに対する可溶成分の
含有量(x)が5〜15重量%の範囲である。この可溶
成分の含有量が5重量%未満では耐衝撃性及び伸び引張
り破断伸びが不充分であり、また15重量%を超えると
剛性及び流動性が低下する。耐衝撃性,剛性及び流動性
のバランスなどの面から、この可溶成分の好ましい含有
量は5〜13重量%の範囲であり、特に5〜10重量%
の範囲が好適である。
【0015】またこの可溶成分は、(イ)13C−NMR
法で求めたエチレン単位含有量(z)が20〜30重量
%の範囲にあること、及び(ロ)135℃デカリン中で
の極限粘度〔η〕が2.00デシリットル/g以上である
ことが必要である。上記エチレン単位含有量(z)が2
0重量%未満では剛性が不充分であり、また30重量%
を超えると伸びが低下する。耐衝撃性及び伸びなどの面
から、このエチレン単位含有量(z)は22〜30重量
%の範囲が好ましい。また135℃デカリン中での極限
粘度〔η〕が2.00デシリットル/g未満では耐衝撃性
が不充分である。耐衝撃性などの面から、この極限粘度
〔η〕は2.4デシリットル/g以上が好ましく、特に2.
6デシリットル/g以上が好ましい。
【0016】さらに、25℃キシレンに対する不溶成分
が、(ハ)13C−NMR法で求めたエチレン単位含有量
(y:重量%)が、式〔I〕 100y/〔y×(1−x/100)+x〕≦1.13z−16.6・・〔I〕 〔ただし、xは25℃キシレンに対する可溶成分の含有
量(重量%)、zは前記可溶成分中のエチレン単位含有
量(重量%)を示す。〕の関係を満たすこと、(ニ)G
PC法で求めたポリスチレン基準の分子量分布曲線にお
いて、分子量106 以上の成分の含有量が2重量%以上
であること、(ホ)MIが40〜130g/10分であ
ること、及び(ヘ)13C−NMR法で求めた立体規則性
指標が98.5以上であることが必要である。13C−NM
R法で求めたエチレン単位含有量(y)が上記関係式
〔I〕を満たさない場合は、伸びが低下するとともに、
剛性及び耐衝撃性のバランスが低下する。また、GPC
法で求めたポリスチレン基準の分子量分布曲線におい
て、分子量106 以上の成分の含有量が2重量%未満で
は剛性が不充分である。なお、この分子量106 以上の
成分の含有量は次のようにして求めた値である。すなわ
ち、GPC法にて、以下に示す方法で分子量分布を測定
し、得られた分子量分布曲線の面積を100としたと
き、分子量106 以上の成分の面積の割合を、分子量1
6 以上の成分の含有量とした。例えば、図1の分子量
分布曲線において、斜線部分は分子量106 以上の成分
を示し、Mは分子量を示す。
【0017】〈GPC測定〉試料20mgを1,2,4
−トリクロロベンゼン10ミリリットルに、150℃で
完全に溶解したものを試料溶液とした。検量線は単分散
ポリスチレン(分子量500万〜500の範囲)を用
い、Universal calibration法に
より作成した。なお、粘度式の定数は下記の値を用い
た。 Kps = 1.21 × 10-4 , αps = 0.707 Kpp = 1.34 × 10-4 , αpp = 0.750 また、測定条件は次のとおりである。 カラム :Shodex UT−806M(長さ30cm)2本 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン 温度 :140℃ 検出器 :RI検出器(Waters 150c) サンプル濃度 :0.2%(w/v) 注入量 :240マイクロリットル 流速 :1.0ミリリットル/分
【0018】また、25℃キシレンに対する可溶成分の
エチレン単位含有量(z)及び不溶成分のエチレン単位
含有量(y)は、下記の方法により求めた値である。す
なわち、試料の13C−NMRを測定し、そのスペクトル
における35〜21ppm〔テトラメチルシラン(TM
S)化学シフト基準〕領域の7本のピーク強度から、ま
ずエチレン(E),プロピレン(P)のtriad連鎖
分率(モル%)を次式により計算する。 fEPE =〔K(Tδδ)/T〕×100 fPPE =〔K(Tβδ)/T〕×100 fEEE =〔K(Sγδ)/4T+K(Sδδ)/2T〕
×100 fPPP =〔K(Tββ)/T〕×100 fPEE =〔K(Sβδ)/T〕×100 fPEP =〔K(Sββ)/T〕×100 ただし、T=K(Tδδ)+K(Tβδ)+K(Sγ
δ)/4+K(Sδδ)/2+K(Tββ)+K(Sβ
δ)+K(Sββ) ここで例えばfEPE はEPEtriad連鎖分率(モル
%)を、K(Tδδ)はTδδ炭素に帰属されるピーク
の積分強度を示す。
【0019】次に、エチレン単位含有量(重量%)を上
記triad連鎖分率を用いて次式により計算する。 エチレン単位含有量(重量%)=28{3fEEE +2
(fPEE +fEPE )+f PPE +fPEP }×100/〔2
8{3fEEE +2(fPEE +fEPE )+fPPE
PEP }+42{3fPPP +2(fPPE +fPEP )+f
EPE PEE }〕 さらに、上記MIが40g/10分未満では流動性が不
充分で加工性が悪く、一方130g/10分を超えると
剛性,引張り破断伸びおよび耐衝撃性のバランスが低下
する。流動性,剛性及び耐衝撃性のバランスなどの面か
ら、このMIは50〜110g/10分の範囲が好まし
く、特に50〜90g/10分の範囲が好適である。な
お、このMIは、JIS K−7210に準拠し、温度
230℃,荷重2.16kgの条件で測定した値である。
また、13C−NMR法で求めた立体規則性指標が98.5
%未満では剛性が不充分である。
【0020】なお、上記立体規則性指標は下記の方法に
より求めた値である。すなわち、25℃キシレンに対す
る不溶成分の13C−NMRスペクトルにおいて、メチル
炭素のシグナルは、立体規則性の影響により低磁場から
高磁場にわたり、mmmm,mmmr,rmmr,mm
rr,mmrm+rrmr,rmrm,rrrr,mr
rr,mrrmの9本のピークに分裂して観測される。
この9本のうち、ピーク強度の強いmmmm,mmm
r,mmrr,mmrm+rrmr,rrrr,mrr
mの6本のピークに着目し、該不溶成分の立体規則性指
標を次式により算出する。
【0021】立体規則性指標(%)=Lmmmm×100/
(Lmmmm+Lmmmr+Lmmrr+Lmmrm +rrmr +Lrrrr+L
mrrm) ここで、Lmmmm,Lmmmr,Lmmrr,Lmmrm+rrmr ,L
rrrr及びLmrrmは、それぞれ13C−NMRスペクトルに
おけるmmmm,mmmr,mmrr,mmrm+rr
mr,rrrr及びmrrmのピークのベースラインか
らの高さである。ただし、mmmmのピークは、化学シ
フトとピーク高さの異なる複数の離散点から構成されて
おり、またmmmrのピークはmmmmの主ピークのテ
ーリング上に乗っているので、これらのピークのベース
ラインからの高さは、常法に従って補正を行う。
【0022】なお、25℃キシレンに対する可溶成分及
び不溶成分は、次のようにして取得した。すなわち、ま
ず(1)試料を5±0.05g精秤して1000ミリリッ
トルナス型フラスコに入れ、さらにBHT(酸化防止
剤)1±0.05gを添加したのち、回転子及びパラキシ
レン700±10ミリリットルを投入する。次いで
(2)ナス型フラスコに冷却器を取り付け、回転子を作
動させながら、140±5℃のオイルバスでフラスコを
120±30分間加熱して、試料をパラキシレンに溶解
させる。
【0023】次に、(3)1000ミリリットルビーカ
ーにフラスコの内容物を注いだのち、ビーカー内の溶液
をスターラーで攪拌しながら、室温(25℃)になるま
で放冷(8時間以上)後、析出物を金網でろ取する。
(4)ろ液は、さらにろ紙にてろ過したのち、このろ液
を3000ミリリットルビーカーに収容されたメタノー
ル2000±100ミリリットル中に注ぎ、この液を室
温(25℃)にてスターラーで攪拌しながら、2時間以
上放置する。次いで(5)析出物を金網でろ取したの
ち、5時間以上風乾後、真空乾燥機にて100±5℃で
240〜270分間乾燥して、25℃キシレン可溶成分
を回収する。
【0024】一方、(6)上記(3)において金網でろ
取した析出物を、再度上記(1)及び(2)の方法に準
じてパラキシレンに溶解したのち、3000ミリリット
ルビーカーに収容されたメタノール2000±100ミ
リリットル中に素早く熱いまま移し、2時間以上スター
ラーで攪拌後、一晩室温(25℃)にて放置する。次い
で(7)析出物を金網でろ取したのち、5時間以上風乾
後、真空乾燥機にて100±5℃で240〜270分間
乾燥して、25℃キシレン不溶成分を回収する。
【0025】25℃キシレンに対する可溶成分の含有量
(x)は、試料重量をAg、前記(5)で回収した可溶
成分の重量をCgとすれば、 x(重量%)=100×C/A で表され、また不溶成分の含有量は(100−x)重量
%で表される。
【0026】この本発明のポリプロピレン系樹脂の製造
方法については、前記条件を満たすポリプロピレン系樹
脂が得られる方法であればよく、特に制限されず、様々
な方法を用いることができる。例えば、アイソタクチッ
クポリプロピレンを与える重合触媒を用い、各成分が所
定の割合になるように段階的に、好ましくは2段で、重
合条件を調整することにより、プロピレンの重合を行
い、ポリプロピレン混合物を得たのち、このポリプロピ
レン混合物にプロピレン/エチレン共重合体を混合する
方法、上記のようにプロピレンを段階的に重合させてポ
リプロピレン混合物を得たのち、この混合物の存在下で
さらにプロピレンとエチレンを共重合させる方法などを
用いることができる。ここで、段階的に重合条件を変え
る方法としては、回分式で行ってもよく、連続式で行っ
てもよい。また、分子量の高い成分を初めに重合したの
ち、分子量の低い成分を重合し、ポリプロピレンの各成
分が所定の割合になるように調整してもよく、初めに分
子量の低い成分を重合したのち、分子量の高い成分を重
合し、ポリプロピレンの各成分が所定の割合になるよう
に調整してもよい。
【0027】重合形式については特に制限はなく、スラ
リー重合,気相重合,塊状重合,懸濁重合,溶液重合の
いずれの方法も用いることができる。重合条件について
は、各段階共、重合温度は、通常0〜100℃、好まし
くは30〜90℃の範囲で選ばれ、また重合圧力は、通
常常圧〜45kg/cm2 G、好ましくは1〜40kg
/cm2 Gの範囲で選ばれる。また、いずれの段階にお
いても、重合体の分子量調節は、公知の手段、例えば重
合器中の水素濃度を調節することにより行うことができ
る。
【0028】本発明のポリプロピレン系樹脂の製造にお
いて用いられるアイソタクチックポリプロピレンを与え
る重合触媒としては、様々なものがあるが、例えば
(W)(a)マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び
電子供与体からなる固体触媒成分、及び必要に応じて用
いられる(b)結晶性ポリオレフィンから構成される固
体成分と、(X)有機アルミニウム化合物と、通常用い
られる(Y)電子供与性化合物とからなる重合触媒を好
ましく挙げることができる。
【0029】前記(W)固体成分は、(a)成分のマグ
ネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からな
る固体触媒成分と、必要に応じて用いられる(b)成分
の結晶性ポリオレフィンとから構成されている。該
(a)成分の固体触媒成分は、マグネシウム,チタン,
ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分とするものであ
って、マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体
とを接触させることによって調製することができる。な
おこの場合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマグ
ネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれ
る。
【0030】該マグネシウム化合物としては、例えば、
マグネシウムジクロリドなどのマグネシウムジハライ
ド,酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,ハイドロ
タルサイト,マグネシウムのカルボン酸塩,ジエトキシ
マグネシウムなどのジアルコキシマグネシウム,ジアリ
ーロキシマグネシウム,アルコキシマグネシウムハライ
ド,アリーロキシマグネシウムハライド,エチルブチル
マグネシウムなどのジアルキルマグネシウム,アルキル
マグネシウムハライドあるいは有機マグネシウム化合物
と電子供与体,ハロシラン,アルコキシシラン,シラノ
ール及びアルミニウム化合物等などの反応物などを挙げ
ることができるが、これらの中でマグネシウムジハライ
ド,ジアルコキシマグネシウム,ジアルキルマグネシウ
ム,アルキルマグネシウムハライドが好適である。また
これらのマグネシウム化合物は一種だけで用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】また、マグネシウム化合物として、金属マ
グネシウムとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物と
アルコールとの反応生成物を用いることもできる。この
際用いられる金属マグネシウムは特に制限はなく、任意
の粒径の金属マグネシウム、例えば、顆粒状,リボン
状,粉末状などのものを用いることができる。また、金
属マグネシウムの表面状態も特に制限はないが、表面に
酸化マグネシウムなどの被膜が生成されていないものが
好ましい。
【0032】さらに、アルコールとしては任意のものを
用いることができるが、炭素数1〜6の低級アルコール
を用いることが好ましく、特に、エタノールは触媒性能
の発現を著しく向上させる固体触媒成分を与えるので好
適である。アルコールの純度及び含水量も限られない
が、含水量の多いアルコールを用いると金属マグネシウ
ム表面に水酸化マグネシウムが形成されるので、含水量
が1重量%以下、特に2000ppm以下のアルコール
を用いることが好ましく、水分は少なければ少ないほど
有利である。
【0033】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
種類に制限はなく、ハロゲン含有化合物としては、ハロ
ゲン原子をその分子中に含む化合物であればいずれのも
のでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類につ
いては特に制限されないが、塩素,臭素又はヨウ素、特
にヨウ素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の中
ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。これらの
状態,形状,粒度などは特に限定されず、任意のもので
よく、例えば、アルコール系溶媒(例えば、エタノー
ル)中の溶液の形で用いることができる。
【0034】アルコールの使用量は、金属マグネシウム
1モルに対して2〜100モル、好ましくは5〜50モ
ルの範囲で選ばれる。アルコール量が多すぎると、モル
フォロジーの良好なマグネシウム化合物が得られにくい
傾向がみられ、少ない場合は、金属マグネシウムとの反
応が円滑に行われなくなるおそれがある。
【0035】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物は
通常、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲ
ン原子として0.0001グラム原子以上、好ましくは0.
0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グ
ラム原子以上の割合で用いられる。0.0001グラム原
子未満では、得られたマグネシウム化合物を粉砕するこ
となく用いた場合、チタン担持量,触媒活性,生成ポリ
マーの立体規則性,生成ポリマーのモルフォロジーなど
が低下し、粉砕処理が不可欠なものとなり好ましくな
い。また、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の使
用量を適宜選択することにより、得られるマグネシウム
化合物の粒径を任意にコントロールすることが可能であ
る。
【0036】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公
知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグ
ネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含
有化合物とを、還流下で、水素ガスの発生が認められな
くなるまで、通常約20〜30時間反応させて所望のマ
グネシウム化合物を得る方法である。具体的には、例え
ばハロゲンとしてヨウ素を用いる場合には、アルコール
中に金属マグネシウム及び固体状のヨウ素を投入したの
ち、加熱し還流する方法、アルコール中に金属マグネシ
ウム及びヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還
流する方法、金属マグネシウムを含むアルコール溶液を
加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法など
が挙げられる。いずれの方法も、例えば窒素ガス,アル
ゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、場合により不活
性有機溶媒(例えば、n−ヘキサンなどの飽和炭化水
素)を用いて行うことが好ましい。金属マグネシウム、
アルコール、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
投入については、最初からそれぞれ全量を反応槽に投入
しておく必要はなく、分割して投入してもよい。
【0037】このようにして得たマグネシウム化合物
を、次の固体触媒成分の調製に用いる場合、乾燥させた
ものを用いてもよく、またろ別後ヘプタンなどの不活性
溶媒で洗浄したものを用いてもよい。いずれの場合にお
いても、得られたマグネシウム化合物は、粉砕あるいは
粒度分布を揃えるための分級操作をすることなく次工程
に用いることができる。
【0038】また、該チタン化合物としては、例えば、
テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ
−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタ
ン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシ
チタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェ
ノキシチタンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チ
タン,四臭化チタン,四ヨウ化チタンなどのテトラハロ
ゲン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド,エト
キシチタニウムトリクロリド,プロポキシチタニウムト
リクロリド,n−ブトキシチタニウムトリクロリド,エ
トキシチタニウムトリブロミドなどのトリハロゲン化モ
ノアルコキシチタン、ジメトキシチタニウムジクロリ
ド,ジエトキシチタニウムジクロリド,ジプロポキシチ
タニウムジクロリド,ジ−n−ブトキシチタニウムジク
ロリド,ジエトキシチタニウムジブロミドなどのジハロ
ゲン化ジアルコキシチタン、トリメトキシチタニウムク
ロリド,トリエトキシチタニウムクロリド,トリプロポ
キシチタニウムクロリド,トリ−n−ブトキシチタニウ
ムクロリドなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタン
などが挙げられるが、これらの中で高ハロゲン含有チタ
ン化合物、特に四塩化チタンが好適である。またこれら
のチタン化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0039】そして、電子供与体としては、後で(Y)
成分の電子供与性化合物として例示するものを用いるこ
とができる。該(a)固体触媒成分の調製は、公知の方
法(特開昭53−43094号公報,特開昭55−13
5102号公報,特開昭55−135103号公報,特
開昭56−18606号公報,特開昭56−16620
5号公報,特開昭57−63309号公報,特開昭57
−190004号公報,特開昭57−300407号公
報,特開昭58−47003号公報)で行うことができ
る。
【0040】このようにして調製された(a)固体触媒
成分の組成は通常、マグネシウム/チタン原子比が2〜
100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子供
与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。また、
(W)固体成分の調製において必要に応じて用いられる
(b)成分の結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ4−
メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレ
フィンから得られる結晶性ポリオレフィンが挙げられ
る。この結晶性ポリオレフィンは、(1)前記(a)固
体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて用
いられる電子供与性化合物とを組み合わせたものの存在
下に、プロピレンを予備重合させる方法(予備重合
法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどの結晶性パウダーに、前記(a)固体触媒
成分と必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物
と電子供与性化合物(融点100℃以上)とを分散させ
る方法(分散法)、(3)上記(1)の方法と(2)の
方法とを組み合わせる方法などを用いることにより得る
ことができる。
【0041】前記(1)の予備重合法においては、アル
ミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましく
は0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/チタ
ンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選
ばれる。予備重合の温度は、0℃〜90℃、好ましくは
5℃〜60℃の範囲になる様に調整する。(W)固体成
分における、(a)固体触媒成分と(b)結晶性ポリオ
レフィンとの割合については、(a)成分に対する
(b)成分の重量比が通常、0.03〜200、好ましく
は0.10〜50の範囲になるように選ばれる。
【0042】次に、(X)成分として用いられ有機アル
ミニウム化合物としては、一般式 AlR1 p 3-p 〔式中、R1 は炭素数2〜20のアルキル基又は炭素数
6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子、pは1〜3
の数を示す。〕で表される化合物を挙げることができ
る。例えば、トリエチルアルミニウム,トリイソプロピ
ルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリオ
クチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム,
ジエチルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピルア
ルミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウムモ
ノクロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリドなど
のジアルキルアルミニウムモノハライド,エチルアルミ
ニウムセスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセス
キハライドなどを好適に使用することができる。これら
のアルミニウム化合物は一種だけで用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】さらに、該触媒には、通常(Y)成分とし
て電子供与性化合物が用いられる。この電子供与性化合
物は、酸素,窒素,リン,イオウ,ケイ素などを含有す
る化合物であり、基本的にはプロピレンの重合におい
て、規則性の向上性能を有するものが考えられる。この
ような電子供与性化合物としては、例えば、有機ケイ素
化合物,エステル類,チオエステル類,アミン類,ケト
ン類,ニトリル類,ホスフィン類,エーテル類,チオエ
ーテル類,酸無水物,酸ハライド類,酸アミド類,アル
デヒド類,有機酸類,アゾ化合物などを挙げることがで
きる。
【0044】例えば、ジフェニルジメトキシシラン,ジ
フェニルジエトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン,ジシクロペンチルジメトキシシラン,ジ
イソプロピルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロ
ピルジメトキシシラン,ジベンジルジメトキシシラン,
テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラ
フェノキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチル
トリエトキシシラン,メチルトリフェノキシシラン,フ
ェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラ
ン,ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ素化合
物、モノメチルフタレート,モノエチルフタレート,モ
ノプロピルフタレート,モノブチルフタレート,モノイ
ソブチルフタレート,モノアミルフタレート,モノイソ
アミルフタレート,モノメチルテレフタレート,モノエ
チルテレフタレート,モノプロピルテレフタレート,モ
ノブチルテレフタレート,モノイソブチルテレフタレー
ト,ジメチルフタレート,ジエチルフタレート,ジプロ
ピルフタレート,ジブチルフタレート,ジイソブチルフ
タレート,ジアミルフタレート,ジイソアミルフタレー
ト,メチルエチルフタレート,メチルイソブチルフタレ
ート,メチルプロピルフタレート,エチルブチルフタレ
ート,エチルイソブチルフタレート,エチルプロピルフ
タレート,プロピルイソブチルフタレート,ジメチルテ
レフタレート,ジエチルテレフタレート,ジプロピルテ
レフタレート,ジイソブチルテレフタレート,メチルエ
チルテレフタレート,メチルイソブチルテレフタレー
ト,メチルプロピルテレフタレート,エチルブチルテレ
フタレート,エチルイソブチルテレフタレート,エチル
プロピルテレフタレート,プロピルイソブチルテレフタ
レート,ジメチルイソフタレート,ジエチルイソフタレ
ート,ジプロピルイソフタレート,ジイソブチルイソフ
タレート,メチルエチルイソフタレート,メチルイソブ
チルイソフタレート,メチルプロピルイソフタレート,
エチルブチルイソフタレート,エチルイソブチルイソフ
タレート,エチルプロピルイソフタレート,プロピルイ
ソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸エス
テル、ギ酸メチル,ギ酸エチル,酢酸メチル,酢酸エチ
ル,酢酸ビニル,酢酸プロピル,酢酸オクチル,酢酸シ
クロヘキシル,プロピオン酸エチル,酪酸メチル,酪酸
エチル,吉草酸エチル,クロル酢酸メチル,ジクロル酢
酸エチル,メタクリル酸メチル,クロトン酸エチル,ピ
バリン酸エチル,マレイン酸ジメチル,シクロヘキサン
カルボン酸エチル,安息香酸メチル,安息香酸エチル,
安息香酸プロピル,安息香酸ブチル,安息香酸オクチ
ル,安息香酸シクロヘキシル,安息香酸フェニル,安息
香酸ベンジル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチル,
トルイル酸アミル,エチル安息香酸エチル,アニス酸メ
チル,アニス酸エチル,エトキシ安息香酸エチル,p−
ブトキシ安息香酸エチル,o−クロル安息香酸エチル,
ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ−ブチロラク
トン,δ−バレロラクトン,クマリン,フタリド,炭酸
エチレンなどのエステル類、安息香酸,p−オキシ安息
香酸などの有機酸類、無水コハク酸,無水安息香酸,無
水p−トルイル酸などの酸無水物、アセトン,メチルエ
チルケトン,メチルイソブチルケトン,アセトフェノ
ン,ベンゾフェノン,ベンゾキノンなどのケトン類、ア
セトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,オクチルアル
デヒド,トルアルデヒド,ベンズアルデド,ナフチルア
ルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリド,アセ
チルブロミド,プロピオニルクロリド,ブチリルクロリ
ド,イソブチリルクロリド,2−メチルプロピオニルク
ロリド,バレリルクロリド,イソバレリルクロリド,ヘ
キサノイルクロリド,メチルヘキサノイルクロリド,2
−エチルヘキサノイルクロリド,オクタノイルクロリ
ド,デカノイルクロリド,ウンデカノイルクロリド,ヘ
キサデカノイルクロリド,オクタデカノイルクロリド,
ベンジルカルボニルクロリド,シクロヘキサンカルボニ
ルクロリド,マロニルジクロリド,スクシニルジクロリ
ド,ペンタンジオレイルジクロリド,ヘキサンジオレイ
ルジクロリド,シクロヘキサンジカルボニルジクロリ
ド,ベンゾイルクロリド,ベンゾイルブロミド,メチル
ベンゾイルクロリド,フタロイルクロリド,イソフタロ
イルクロリド,テレフタロイルクロリド,ベンゼン−
1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハロ
ゲン化物類、メチルエーテル,エチルエーテル,イソプ
ロピルエーテル,n−ブチルエーテル,イソプロピルメ
チルエーテル,イソプロピルエチルエーテル,t−ブチ
ルエチルエーテル,t−ブチル−n−プロピルエーテ
ル,t−ブチル−n−ブチルエーテル,t−アミルメチ
ルエーテル,t−アミルエチルエーテル,アミルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフェニルエー
テル,エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテ
ル類、酢酸アミド,安息香酸アミド,トルイル酸アミド
などの酸アミド類、トリブチルアミン,N、N’−ジメ
チルピペラジン,トリベンジルアミン,アニリン,ピリ
ジン,ピロリン,テトラメチルエチレンジアミンなどの
アミン類、アセトニトリル,ベンゾニトリル,トルニト
リルなどのニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルプロパン),2,2’−アゾビス(2−エチルプロパ
ン),2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)など
のアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物
などが挙げられる。
【0045】これらの中で有機ケイ素化合物、エステル
類,ケトン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水
物,酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメト
キシシラン,シクロヘキシルメチルジメトキシシラン,
ジシクロペンチルジメトキシシラン,t−ブチル−n−
プロピルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、ジ
−n−ブチルフタレート,ジイソブチルフタレートなど
の芳香族ジカルボン酸ジエステル、安息香酸,p−メト
キシ安息香酸,p−エトキシ安息香酸,トルイル酸など
の芳香族モノカルボン酸のアルキルエステルなどが好適
である。これらの電子供与性化合物は一種だけで用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0046】触媒系の各成分のプロピレン重合時の使用
量については、(W)固体成分はその中に含有されるチ
タン原子に換算して、スラリー重合の場合には、反応媒
体1リットル当たり、通常0.0005〜1ミリモルの範
囲になるような量が用いられる。また、(X)有機アル
ミニウム化合物は、アルミニウム/チタン原子の比が、
通常1〜3000、好ましくは40〜800になるよう
な量が用いられ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活
性が不充分になるおそれがある。
【0047】次に、本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物について説明する。本発明のポリプロピレン系樹脂組
成物Iは、(A)前記本発明のポリプロピレン系樹脂4
5〜90重量%、(B)エチレン及び/又は炭素数3以
上のα−オレフィンを主成分とする共重合体5〜50重
量%及び(C)タルク0〜25重量%を含有するもので
ある。
【0048】上記(B)成分のエチレン及び/又は炭素
数3以上のα−オレフィンを主成分とする共重合体とし
ては、例えばエチレン−炭素数3以上のα−オレフィン
共重合体(具体的にはエチレン−プロピレン共重合体,
エチレン−ブテン共重合体,エチレン−オクテン共重合
体など)、スチレン−ジエン共重合体を水素化したもの
(具体的にはスチレン−ブタジエン共重合体を水素化し
たもの,スチレン−イソプレン共重合体を水素化したも
の,ジエン(共)重合体を水素化したもの(具体的には
1,2−ブタジエン−1,4−ブタジエン共重合体を水
素化したもの,ブタジエン−イソプレン共重合体を水素
化したもの等)が挙げられるが、これらの中でスチレン
単位を10〜35重量%の割合で含有するもの及びエチ
レン−ブテン−1共重合体が好ましい。エチレン−ブテ
ン−1共重合体としては、特に後述のポリプロピレン系
樹脂組成物IIにおいて、(B’)成分として用いられ
るような性状を有するものが、得られるポリプロピレン
系樹脂組成物の性能の点から好適である。この(B)成
分の共重合体は一種用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。さらに、(C)成分として用いられ
るタルクの粒径については特に制限はないが、耐衝撃性
の面から0.5〜3μmの範囲が有利である。また、この
タルクはシランカップリング剤などにより表面処理され
たものでもよい。
【0049】(A)成分のポリプロピレン系樹脂の含有
量が上記範囲を逸脱すると、加工性,剛性,引張り破断
伸び,耐衝撃性,外観などがバランスした樹脂組成物を
得ることが困難となる。これらのバランスの面から、こ
の(A)成分の含有量は、好ましくは50〜80重量
%,より好ましくは55〜75重量%,特に好ましくは
58〜70重量%の範囲である。また、(B)成分の共
重合体の含有量が5重量%未満では耐衝撃性,引張り破
断伸びの向上効果が充分に発揮されず、50重量%を超
えると剛性,流動性が低下する。耐衝撃性及び剛性など
の面から、この(B)成分の含有量は、好ましくは20
〜40重量%、より好ましくは10〜20重量%、特に
好ましくは13〜19重量%の範囲である。(C)成分
のタルクは含有しなくてもよいが、剛性を向上させるた
めに含有させるのが望ましい。しかし、その含有量が2
5重量%を超えると耐衝撃性や成形性が低下する。剛
性,耐衝撃性,引張り破断伸び及び成形性などの面か
ら、この(C)成分の含有量は、好ましくは5〜25重
量%、より好ましくは15〜25重量%、特に好ましく
は17〜23重量%の範囲である。
【0050】一方、本発明のポリプロピレン系樹脂組成
物IIは、(A’)ポリプロピレン系樹脂45〜90重
量%,(B’)下記の特定の性状を有するエチレン−ブ
テン−1共重合体5〜50重量%及び(C)タルク0〜
25重量%を含有するものである。上記(A’)成分の
ポリプロピレン系樹脂としては、結晶性のポリプロピレ
ン系樹脂が好ましく、特にアイソタクチック構造を有す
るプロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレンープ
ロピレンランダム共重合体からなる共重合部を有するメ
ルトインデックス(MI)が30〜100g/10分の
ブロック共重合体であって、共重合部の含有量が3〜2
0重量%で、かつ共重合部中のエチレン単位含有量が2
0〜35重量%であるものが好適である。ここで、共重
合部の含有量は、前記した25℃キシレンに対する可溶
成分の含有量(x)の測定方法と同様の方法により求め
た、25℃キシレンに対する可溶成分として求めること
ができる。また、該共重合部中のエチレン単位含有量
は、前記した25℃キシレンに対する可溶成分のエチレ
ン単位含有量(z)の測定方法と同様の方法により求め
ることができる。
【0051】上記ブロック共重合体において、共重合部
の含有量が3重量%未満では耐衝撃性が不充分であるお
それがあり、また20重量%を超えると(B’)成分を
配合する効果が充分に発揮されにくい。共重合部のエチ
レン単位含有量が20重量%未満では耐衝撃性が不充分
であるおそれがあり、また35重量%を超えると伸び性
が低下する傾向がみられる。さらに、MIが30g/1
0分未満では成形性に劣り、100g/10分を超える
と混練加工性が低下し、好ましくない。成形性及び混練
加工性などの点から、このMIは、特に40〜70g/
10分の範囲が好ましい。なお、このMIは、JIS
K−7210に準拠し、温度230℃,荷重2.16kg
の条件で測定した値である。このポリプロピレン系樹脂
の製造方法としては特に制限はなく、従来公知の方法の
中から任意の方法を選択して用いることができる。
【0052】上記(B’)成分のエチレン−ブテン−1
共重合体としては、ブテン−1単位含有量が10〜25
モル%,メルトインデックスが0.5〜10g/10分,
融解ピーク温度が20〜50℃,結晶化発熱量が20〜
50J/g及び結晶化発熱量(J/g)/ブテン−1単
位含有量(モル%)が1.4以上であるものが用いられ
る。ここで、ブテン−1単位含有量は、ジャーナル・オ
ブ・アプライドポリマー・サイエンス誌、第42巻、3
99〜408ページ(1991年)に記載された 13C−
NMR法によるブテン−1単位含有量の測定方法に準拠
した方法により求めた。また、融解ピーク温度及び結晶
化発熱量は示差走査熱量計(DSC)を用い、以下の方
法により測定した。即ち、DSC装置内に試料を入れ、
50℃より230℃まで加熱し、230℃で3分間保持
した後、10℃/分の割合で、−50℃まで降温した。
この降温の際に現れる発熱を結晶化発熱量として求め
た。試料は−50℃まで降温した後、−50℃で5分間
保持し、その後10℃/分の割合で昇温した。この昇温
の際に生じるピークより融解ピーク温度を求めた。ブテ
ン−1単位含有量が10モル%未満では低温耐衝撃性の
改良効果が充分に発揮されず、また、25モル%を超え
ると組成物製造時の取り扱い性が悪くなる。低温耐衝撃
性の改良効果及び取り扱い性などを考慮すると、このブ
テン−1単位の好ましい含有量は15〜20モル%の範
囲であり、特に16〜19モル%の範囲が好適である。
また、MIが0.5g/10分未満では(A’)成分のポ
リプロピレン系樹脂との混練が困難となり、10g/1
0分を超えると耐衝撃性の改良効果が充分に発揮されな
い。混練性及び耐衝撃性の改良効果などを考慮すると、
好ましいMIは、1〜5g/10分の範囲であり、特に
2〜3g/10分の範囲が好適である。このMIは、J
IS K−7210に準拠し、温度230℃,荷重2.1
6kgの条件で測定した値である。
【0053】さらに、融解ピーク温度(示差走査熱量計
による測定)が20℃未満では弾性率が不充分となり、
50℃を超えると耐衝撃性の改良効果が充分に発揮され
ない。弾性率及び耐衝撃性の改良効果などを考慮する
と、この融解ピーク温度は25〜45℃の範囲が好まし
く、特に30〜40℃の範囲が好ましい。また、結晶化
発熱量が20J/g未満では弾性率が不充分となり、5
0J/gを超えると耐衝撃性の改良効果が充分に発揮さ
れない。弾性率及び耐衝撃性の改良効果などを考慮する
と、この結晶化発熱量は25〜45J/gの範囲が好ま
しく、特に30〜40J/gの範囲が好ましい。次に、
結晶化発熱量(J/g)/ブテン−1単位含有量(モル
%)が1.4未満では剛性が低下する。剛性の面から、こ
の結晶化発熱量/ブテン−1 単位含有量は1.6以上が好
ましく、特に1.8以上が好ましい。なお、上記結晶化発
熱量は示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した値で
ある。
【0054】この(B’)成分のエチレン- ブテン-1共
重合体の製造方法としては、上記性状を有するものが得
られる方法であればよく、特に制限されず、例えばチー
グラー型触媒やメタロセン触媒を用い、溶液法や気相流
動床法などのプロセスを適用して製造することができ
る。(C)成分のタルクについては、前記ポリプロピレ
ン系樹脂組成物Iにおいて説明したとおりである。ま
た、(A’)成分のポリプロピレン系樹脂の含有量が4
5重量%未満では剛性が不充分となって、自動車部品用
途には適さなくなり、90重量%を超えると耐衝撃性が
低下する。剛性及び耐衝撃性のバランスなどの面から、
この(A’)成分の好ましい含有量は50〜80重量%
の範囲であり、特に55〜70重量%の範囲が好適であ
る。
【0055】(B’)成分のエチレン−ブテン−1共重
合体の含有量が5重量%未満では耐衝撃性の改良効果が
充分に発揮されず、50重量%を超えると剛性が低下
し、自動車部品用途には適さなくなる。耐衝撃性及び剛
性のバランスなどの面から、この(B’)成分の好まし
い含有量は20〜40重量%の範囲であり、特に25〜
35重量%の範囲が好適である。一方、(C)成分のタ
ルクは含有しなくてもよいが、剛性を向上させるために
含有させるのが望ましい。しかし、その含有量が25重
量%を超えると耐衝撃性及び成形性が低下する。剛性,
耐衝撃性及び成形性などの面から、この(C)成分の好
ましい含有量は3〜15重量%の範囲であり、特に5〜
10重量%の範囲が好適である。
【0056】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物I及
びIIにおいては、本発明の効果が損なわれない範囲
で、所望により、強化材,充填剤,顔料,核剤,耐候
剤,酸化防止剤,帯電防止剤,難燃剤,分散剤などの公
知の添加剤を配合することができる。本発明のポリプロ
ピレン系樹脂組成物I,IIの調製方法については特に
制限はなく、例えば前記(A)成分,(B)成分,
(C)成分又は(A’)成分,(B’)成分,(C)成
分及び必要に応じて用いられる添加成分を、一軸押出
機,二軸押出機,バンバリーミキサー,ニーダ,ロール
などを用いて溶融混練する方法等を採用できる。
【0057】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、ポリプロピレン系樹脂の物性
は、明細書本文中に記載した方法に従って求めた。
【0058】実施例1 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積約6リットルの攪拌機付のガラス製反応器を窒素
ガスで充分に置換し、これにエタノール〔和光純薬
(株)製、試薬特級〕約2430g,ヨウ素〔和光純薬
(株)製、試薬特級〕16g及び平均粒径350μmの
類粒状金属マグネシウム160gを仕込み、攪拌しなが
ら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるま
で、加熱下で反応させ、固体状反応生成物を得た。この
固体状生成物を含む反応液を減圧下で乾燥させることに
より、マグネシウム化合物(固体生成物)を得た。
【0059】(2)固体触媒成分の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積500ミリリットルの
ガラス製三つ口フラスコに、上記(1)で得られたマグ
ネシウム化合物16g,精製ヘプタン80ミリリット
ル,四塩化ケイ素2.4ミリリットル及びフタル酸ジエチ
ル2.3ミリリットルを仕込んだ。系内を90℃に保ち、
攪拌しながら四塩化チタン77ミリリットルを投入し、
110℃で2時間反応させたのち、上澄みを除去し、精
製n−ヘプタンで充分洗浄した。その後四塩化チタン1
22ミリリットルを加え、110℃で2時間反応させ、
次いで精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得
た。
【0060】(3)予備重合 5リットルのガラス製攪拌機及び温度計付き三口フラス
コを用いて、モレキュラーシーブス(4A)及び窒素バ
ブリングにより、脱水されたヘプタンを、窒素気流下で
4リットル投入した後、常温(25℃)にて、まず、ト
リエチルアルミニウム(TEA)26.8ミリモル、次
に、ジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDM
S)2.5ミリモル、更に、固体触媒成分をTi原子に換
算して5.3ミリモル(固体触媒成分として3.8g)を攪
拌しながら添加した。次に、攪拌しながら、常温にてプ
ロピレンを連続投入し、固体触媒重量当り、0.3倍量の
ポリプロピレンが生成する様に実施した。これを予備重
合触媒とした。
【0061】(4)プロピレン単独重合 よく窒素置換し、乾燥した10リットルの耐圧オートク
レーブに、モレキュラーシーブでよく脱水されたn−ヘ
プタン6リットルを窒素気流中で仕込んだ。次いで、ト
リエチルアルミニウム(TEA)7.5ミリモル及びジシ
クロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)0.5ミ
リモルを加えたのち、80℃にて窒素をプロピレンで置
換後、水素を3.2kg/cm2 精密ゲージにて導入し、
さらにプロピレンを8.0kg/cm2 Gになるまで攪拌
しながら導入した。
【0062】次に、上記(3)で得られた予備重合触媒
を、Ti原子換算で0.05ミリモル仕込んだのち、8.0
kg/cm2 Gになるようにプロピレンを連続的に導入
するとともに、重合温度を80℃に保持した。2時間重
合反応を行ったのち、大気圧まで脱圧した。次いで、オ
ートクレーブ内を、プロピレンで置換したのち、水素を
0.2kg/cm2 導入し、さらにプロピレンを連続的に
導入して、80℃に保持しながらプロピレン分圧5.5k
g/cm2 まで昇圧し、40分間重合を行った。その
後、大気圧まで脱圧した。また、この単独重合における
一段目と二段目の反応重量比を積算流量計の値を用いて
概算した。
【0063】(5)プロピレン−エチレン共重合 引続きオートクレーブ内をプロピレンで置換し、水素を
0.3kg/cm2 導入したのち、エチレンとプロピレン
を流量及び流量比を1.6/1.0(NLM/NLM)で連
続的に導入し、57℃で40分間重合を行った(なお、
ここでNLMは、normal liters per minuteを示す) 。
その後、大気圧まで脱圧し、n−ヘプタンを含む重合パ
ウダーをステンレス製の400メッシュの金網を用い
て、57℃で分離したのち、さらに57℃のヘプタン4
リットルを用いて、30分間、攪拌,洗浄後、ステンレ
ス製の400メッシュの金網を用いて重合パウダーを分
離し、乾燥させて、最後の重合体を得た。重合条件を第
1表に、得られたポリプロピレン系樹脂の物性を第2表
に示す。
【0064】(6)ポリプロピレン系樹脂組成物の調製 上記(5)で得られたポリプロピレン系樹脂パウダー1
00重量部に対して、酸化防止剤としてイルガノックス
1010(商品名)を0.15重量部とP−EPQ(商品
名)を0.075重量部及び造核剤としてNA−11(商
品名)を0.2重量部の割合でよく混合したのち、二軸押
出機(日本製鋼所製,TEX35)にて溶融混練し、造
粒した。次に、この粒状ポリプロピレン系樹脂と第3表
に示す種類のエラストマーとタルクとを、第3表に示す
割合で混合したのち、二軸押出機で溶融混練後、造粒し
た。次いで、このポリプロピレン系樹脂組成物の造粒物
を射出成形機にて所定の試験片を作成した。この試験片
について、曲げ弾性率,アイゾッド衝撃強度、引張り破
断伸び及びMIをASTMに定める試験方法に従って測
定した。結果を第3表に示す。
【0065】実施例2〜10及び比較例1〜10 第1表に示す重合条件により、実施例1と同様にしてポ
リプロピレン系樹脂を製造した。その物性を第2表に示
す。次に、第3表に示す配合組成で、実施例1と同様に
して、ポリプロピレン系樹脂組成物を調製したのち、射
出成形して試験片を作成し、物性を測定した。結果を第
3表に示す。なお、比較例5,9については、本重合時
に使用する有機ケイ素化合物の種類を変更した以外は、
同様な重合手順により実施した。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】
【表12】
【0078】A:水素添加スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体,クラレ社製,セプトン 200
7 B:水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体,シェルケミカル社製,クレイトンG−165
7X C:エチレン−オクテン共重合体,ダウケミカル社製,
エンゲージEG8180 D:エチレン−オクテン共重合体,ダウケミカル社製,
エンゲージEG8200 E:1,2−ブタジエン−1,4−ブタジエン共重合体
の水添物,日本合成ゴム社製,ダイナロン6100P
【0079】比較例1〜4,6及び7は、25℃キシレ
ン可溶成分中のエチレン単位含有量が30重量%を大き
く超えており、引張り破断伸び又はアイゾッド衝撃強度
が実施例に比べて低い。比較例5は、25℃キシレン不
溶成分中のエチレン単位含有量が式〔1〕を満たしてお
らず、引張り破断伸び及びアイゾッド衝撃強度が実施例
に比べて低い。比較例8は、25℃キシレン不溶成分中
の分子量106 以上の成分の含有量が2重量%未満であ
り、曲げ弾性率が実施例に比べて低い。比較例9は、2
5℃キシレン不溶成分の立体規則性指標が98.5%未満
であり、曲げ弾性率が実施例に比べて低い。比較例10
は、25℃キシレン可溶成分の〔η〕が2デシリットル
/g未満であり、アイゾッド衝撃強度が実施例に比べて
低い。
【0080】実施例11〜16及び比較例11〜14 第4表に示す配合組成で、神戸製鋼所(株)製の2FC
M50φ混練機に一括投入して混練し、ポリプロピレン
系樹脂組成物のペレットを調製した。次いで、このペレ
ットを用い、東芝機械(株)製のIS100F3射出成
形機により、JIS規格に準拠した物性測定用試験片を
作成し、下記の要領に従って物性を測定した。その結果
を第4表に示す。
【0081】(1)曲げ弾性率 JIS K−7203に準拠し、23℃にて測定した。 (2)低温衝撃強度 JIS K−7110に準拠し、─30℃にて測定し
た。 (3)ロックウェル硬度R JIS K−7202に準拠して、23℃にて測定下。
なお、このロックウェル硬度Rは剛性の尺度となる。
【0082】
【表13】
【0083】
【表14】
【0084】〔注〕 PP:ポリプロピレン,出光石油化学(株)製,商品名
「J−6083H」,MI50g/10分,エチレン単
位含量6重量% EBM−1:エチレン−ブテン−1共重合体,三井石油
化学(株)製,商品名「IT100」,MI2g/10
分,ブテン−1単位含量17モル%,融解ピーク温度3
7℃,結晶化発熱量34J/g,結晶化発熱量/ブテン
−1単位含量2.0 EBM−2:エチレン−ブテン−1共重合体,三井石油
化学(株)製,商品名「IT101」,MI0.5g/1
0分,ブテン−1単位含量17モル%,融解ピーク温度
36℃,結晶化発熱量33J/g,結晶化発熱量/ブテ
ン−1単位含量1.9 EBM−3:エチレン−ブテン−1共重合体,日本合成
ゴム(株)製,商品名「B136」,MI2g/10
分,ブテン−1単位含量18モル%,融解ピーク温度2
2℃,結晶化発熱量20J/g,結晶化発熱量/ブテン
−1単位含量1.1 EBM−4:エチレン−ブテン−1共重合体,三井石油
化学(株)製,商品名「A−1085」,MI2g/1
0分,ブテン−1単位含量11モル%,融解ピーク温度
73℃,結晶化発熱量55J/g,結晶化発熱量/ブテ
ン−1単位含量5.5 タルク:浅田製粉(株)製,商品名「JM156」,平
均粒径1.5μm
【0085】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂及びポリ
プロピレン系樹脂組成物は、従来のものに比べて、流動
性,剛性及び耐衝撃性を高いレベルでバランスよく備え
ており、例えば自動車部品(バンパー,サイドモール,
エアスポイラー,トリムなど),家電部品,雑貨などの
成形材料として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 25℃キシレンに対する不溶成分の一例の分
子量分布曲線である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックスが30〜70g/1
    0分であって、25℃キシレンに対する可溶成分の含有
    量(x)が5〜15重量%であり、かつ該可溶成分が、
    (イ)同位体炭素核磁気共鳴分光(13C−NMR)法で
    求めたエチレン単位含有量(z)が20〜30重量%で
    あること、及び(ロ)135℃デカリン中での極限粘度
    〔η〕が2.00デシリットル/g以上であること、並び
    に25℃キシレンに対する不溶成分が、(ハ)同位体炭
    素核磁気共鳴分光(13C−NMR)法で求めたエチレン
    単位含有量(y:重量%)が、式〔I〕 100y/〔y×(1−x/100)+x〕≦1.13z−16.6・・〔I〕 の関係を満たすこと、(ニ)ゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィー(GPC)法で求めたポリスチレン基準
    の分子量分布曲線において、分子量106 以上の成分の
    含有量が2重量%以上であること、(ホ)メルトインデ
    ックスが40〜130g/10分であること、及び
    (ヘ)同位体炭素核磁気共鳴分光(13C−NMR)法で
    求めた立体規則性指標が98.5%以上であることを特徴
    とするポリプロピレン系樹脂。
  2. 【請求項2】 (A)請求項1記載のポリプロピレン系
    樹脂45〜90重量%、(B)エチレン及び/又は炭素
    数3以上のα−オレフィンを主成分とする共重合体5〜
    50重量%及び(C)タルク0〜25重量%を含有する
    ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分55〜75重量%,(B)成
    分10〜20重量%及び(C)成分15〜25重量%を
    含有する請求項2記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の共重合体が、スチレン単位
    10〜35重量%を含有するものである請求項3記載の
    ポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A’)ポリプロピレン系樹脂45〜9
    0重量%,(B’)ブテン−1単位含有量が10〜25
    モル%,メルトインデックスが0.5〜10g/10分,
    融解ピーク温度が20〜50℃,結晶化発熱量が20〜
    50J/g及び結晶化発熱量(J/g)/ブテン−1単
    位含有量(モル%)が1.4以上であるエチレン−ブテン
    −1共重合体5〜50重量%及び(C)タルク0〜25
    重量%を含有することを特徴とするポリプロピレン系樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A’)成分のポリプロピレン系樹脂
    が、アイソタクチック構造を有するプロピレン単独重合
    体からなるホモ部とエチレンープロピレンランダム共重
    合体からなる共重合部を有するメルトインデックスが3
    0〜100g/10分のブロック共重合体であって、共
    重合部の含有量が3〜20重量%であり、かつ共重合部
    中のエチレン単位含有量が20〜35重量%である請求
    項5記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
JP20812097A 1996-08-16 1997-08-01 ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物 Expired - Lifetime JP3732623B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20812097A JP3732623B2 (ja) 1996-08-16 1997-08-01 ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21620196 1996-08-16
JP8-216201 1997-06-18
JP9-161525 1997-06-18
JP16152597 1997-06-18
JP20812097A JP3732623B2 (ja) 1996-08-16 1997-08-01 ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005186104A Division JP2005281708A (ja) 1996-08-16 2005-06-27 ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1171431A true JPH1171431A (ja) 1999-03-16
JP3732623B2 JP3732623B2 (ja) 2006-01-05

Family

ID=27321872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20812097A Expired - Lifetime JP3732623B2 (ja) 1996-08-16 1997-08-01 ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3732623B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000053673A1 (fr) * 1999-03-10 2000-09-14 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Composition de resine propylene et element d'habillage interieur automobile renfermant celle-ci
WO2000058398A1 (fr) * 1999-03-26 2000-10-05 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Composition de resine propylene et processus de production
JP2005194297A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Toyoda Gosei Co Ltd プロピレン系樹脂組成物
WO2009116608A1 (ja) 2008-03-21 2009-09-24 株式会社プライムポリマー 長繊維強化樹脂組成物及びその成形体
WO2010137305A1 (ja) 2009-05-29 2010-12-02 株式会社プライムポリマー 長繊維強化樹脂組成物及びその成形体
US8420728B2 (en) 2008-09-30 2013-04-16 Mitsui Chemicals, Inc. Fiber-reinforced resin composition and molded body thereof
CN108982569A (zh) * 2018-07-20 2018-12-11 中国科学院昆明植物研究所 一种同时定量血浆内、外源性葡萄糖的二维核磁共振方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000053673A1 (fr) * 1999-03-10 2000-09-14 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Composition de resine propylene et element d'habillage interieur automobile renfermant celle-ci
EP1081189A1 (en) * 1999-03-10 2001-03-07 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Propylene resin composition and interior automotive member comprising the same
EP1081189A4 (en) * 1999-03-10 2002-04-24 Idemitsu Petrochemical Co PROPYLENE RESIN COMPOSITION AND AUTOMOTIVE INTERIOR PARTS THAT CONTAIN
US6867252B1 (en) 1999-03-10 2005-03-15 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Propylene resin composition and interior automotive member comprising the same
WO2000058398A1 (fr) * 1999-03-26 2000-10-05 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Composition de resine propylene et processus de production
JP2005194297A (ja) * 2003-12-26 2005-07-21 Toyoda Gosei Co Ltd プロピレン系樹脂組成物
WO2009116608A1 (ja) 2008-03-21 2009-09-24 株式会社プライムポリマー 長繊維強化樹脂組成物及びその成形体
US8420728B2 (en) 2008-09-30 2013-04-16 Mitsui Chemicals, Inc. Fiber-reinforced resin composition and molded body thereof
WO2010137305A1 (ja) 2009-05-29 2010-12-02 株式会社プライムポリマー 長繊維強化樹脂組成物及びその成形体
CN108982569A (zh) * 2018-07-20 2018-12-11 中国科学院昆明植物研究所 一种同时定量血浆内、外源性葡萄糖的二维核磁共振方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3732623B2 (ja) 2006-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3352319B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物およびその射出成形体
KR100514013B1 (ko) 폴리프로필렌계수지및폴리프로필렌계수지조성물
US8211978B2 (en) Moldability modifier and polypropylene resin composition using the same
JP3732623B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物
US6201090B1 (en) Propylene/ethylene block copolymer
JP2003327642A (ja) プロピレン−エチレンブロック共重合体
JP3738272B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた自動車用内装部材
JP3544252B2 (ja) 自動車内装部材用ポリプロピレン系樹脂組成物および自動車用内装部材
JP3139525B2 (ja) プロピレン単独重合体及びそれを用いた延伸フィルム
JP2804554B2 (ja) プロピレン系エラストマー組成物
JP2001233923A (ja) プロピレン−エチレンブロック共重合体、樹脂組成物及びブロー成形体
US5777056A (en) Polyolefinic resin and a resin composition comprising said resin
JP2001002841A (ja) 自動車部品用ポリプロピレン組成物
JP4364975B2 (ja) 自動車部品用ポリプロピレン系組成物
JP2005281708A (ja) ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂組成物
JPH0867783A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH03168238A (ja) 樹脂組成物
JP3476036B2 (ja) 高剛性ポリプロピレン系樹脂
JP2818790B2 (ja) 軟質ポリプロピレン系複合材料
WO2002032973A1 (en) Flexible polypropylene resin
JP3688775B2 (ja) 軟質樹脂組成物
JPH06240069A (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH0971714A (ja) 自動車内装部材用プロピレン系樹脂組成物および自動車用内装部材
JP3151052B2 (ja) プロピレン系樹脂組成物
JPH08109294A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040408

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081021

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091021

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101021

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101021

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111021

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111021

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121021

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121021

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131021

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term