JP3476036B2 - 高剛性ポリプロピレン系樹脂 - Google Patents

高剛性ポリプロピレン系樹脂

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JP3476036B2
JP3476036B2 JP02791995A JP2791995A JP3476036B2 JP 3476036 B2 JP3476036 B2 JP 3476036B2 JP 02791995 A JP02791995 A JP 02791995A JP 2791995 A JP2791995 A JP 2791995A JP 3476036 B2 JP3476036 B2 JP 3476036B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高剛性ポリプロピレン系
樹脂に関し、さらに詳しくは、流動性及び耐衝撃性を損
なうことなく剛性を向上させた、射出成形分野などにお
いて好適に用いられるポリプロピレン系樹脂に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリプロピレンは機械的特性及び
加工性に優れることから、フィルムや各種成形品の素材
として多くの分野において幅広く用いられており、とり
わけ射出成形分野における需要が多い。しかしながら、
この結晶性ポリプロピレンは、ポリスチレンやABS樹
脂などに比べて、剛性と耐衝撃性とのバランスに劣るた
め、用途が制限されるのを免れない。また、平均分子量
を高めると衝撃強度が向上し、剛性と耐衝撃性とのバラ
ンスに優れたものとなるが、加工性が低下し、特に射出
成形において生産性が悪くなるという問題が生じる。そ
こで、加工性を損なうことなく、剛性と耐衝撃性とのバ
ランスを向上させたものが求められている。ところで、
結晶性ポリプロピレンの剛性あるいは弾性率を改良する
目的で、分子量の異なるポリマー混合物を二段階の重合
で製造する方法が知られている。例えば特開昭57−1
90006号公報においては、固有粘度〔η〕がそれぞ
れ0.6〜1.7デシリットル/gと1.5〜4.5デシリット
ル/gである重合体の混合物を製造する方法が、特開昭
58−7406号公報においては、固有粘度〔η〕がそ
れぞれ0.6〜3.5デシリットル/gと5〜10デシリッ
トル/gの重合体の混合物を製造する方法が開示されて
いる。しかしながら、これらの方法においても剛性ある
いは、弾性率の改善はまだ不充分である。さらに、特開
平4−356511号公報においては、分子量2,00
0〜26,000の成分の含有量Ai(重量%)と極限
粘度〔η〕とが、式 logAi ≧ 1.60−1.32×log〔η〕 の関係を満たすポリプロピレンが提案されているが、こ
のポリプロピレンは、弾性率及び耐熱性は改良されてい
るものの、剛性と耐衝撃性とのバランスの改良は不充分
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、流動性及び耐衝撃性を損なうことなく、剛性
を向上させ、加工性が良好で、かつ剛性と耐衝撃性との
バランスに優れる高剛性ポリプロピレン系樹脂を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する高剛性ポリプロピレン系樹脂を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、メルトインデックス及び
100℃のo−ジクロロベンゼンに対する不溶成分含有
量が特定の値以上であって、該不溶成分が、特定の割合
の分子量が異なる成分の混合物からなり、かつ特定の値
のメルトインデックス及び緩和時間τを有するものが、
その目的に適合しうることを見出した。本発明は、かか
る知見に基づいて完成したものである。すなわち、本発
明は、メルトインデックスが10g/10分以上であっ
て、100℃のo−ジクロロベンゼンに対する不溶成分
含有量が60重量%以上であり、かつ該不溶成分が、
(イ)メルトインデックスが10〜100g/10分で
あること、(ロ)ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー法により求めたポリスチレン基準の分子量分布にお
いて、分子量5,000以下の成分含有量が5重量%以
下、分子量104 〜105 の成分含有量が50重量%以
上、分子量106 以上の成分含有量が5重量%以上であ
ること、及び(ハ)溶融粘弾性の測定による緩和時間τ
が2.0秒以上であることを特徴とする高剛性ポリプロピ
レン系樹脂を提供するものである。
【0005】本発明のポリプロピレン系樹脂は、分子量
の異なるプロピレン単独重合体の混合物であってもよ
く、またこの単独重合体の混合物とプロピレン/α−オ
レフィン共重合体との混合物であってもよいが、次に示
す性状を有することが必要である。まず、本発明のポリ
プロピレン系樹脂は、メルトインデックス(MI)が1
0g/10分以上であることが必要である。このMIが
10g/10分未満では流動性が悪く、加工性に劣る。
また、MIがあまり大きすぎると機械的特性が低下する
ので、加工性及び機械的特性のバランスの面から、好ま
しいMIは30〜90g/10分の範囲であり、特に4
0〜70g/10分の範囲が好適である。なお、このM
Iは、JIS K−7210に準拠して測定した値であ
る。次に、本発明のポリプロピレン系樹脂は、100℃
のo−ジクロロベンゼンに対して不溶な成分の含有量が
60重量%以上であることが必要である。この含有量が
60重量%未満では剛性などの機械的特性が不充分であ
る。機械的特性の面から、該不溶成分の含有量は70重
量%以上が好適である。
【0006】また、上記不溶成分は、(イ)MIが10
〜100g/10分であること、(ロ)ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)法により求めたポ
リスチレン基準の分子量分布において、分子量5,00
0以下の成分含有量が5重量%以下、分子量104 〜1
5 の成分含有量が50重量%以上、分子量106 以上
の成分含有量が5重量%以上であること、及び(ハ)緩
和時間τが2.0秒以上であることが必要である。上記
(イ)のMIが10g/10分未満では加工性に劣り、
100g/10分を超えると衝撃強度が低下する。加工
性及び耐衝撃性のバランスの面から、好ましいMIは3
0〜90g/10分の範囲であり、特に40〜70g/
10分の範囲が好適である。なお、このMIはJIS
K−7210に準拠して測定した値である。
【0007】また、上記のGPC法で求めた分子量5,
000以下の成分含有量が5重量%を超えると耐衝撃性
に劣り、耐衝撃性をより良好なものにするためには、こ
の成分含有量は4重量%以下であるのが望ましい。一
方、分子量104 〜105 の成分含有量が50重量%未
満では剛性及び流動性の向上効果が充分に発揮されず、
剛性及び流動性をより良好なものとするためには、この
成分含有量は50〜55重量%の範囲が望ましい。さら
に、分子量106 以上の成分含有量が5重量%未満では
剛性及び耐衝撃性の向上効果が充分に発揮されない。し
かし、この成分含有量があまり多すぎると加工性が低下
するおそれがあるので、剛性及び耐衝撃性の向上効果及
び加工性のバランスの面から、分子量106 以上の成分
含有量は5〜10重量%の範囲が好ましい。次に、緩和
時間τが2.0秒未満では剛性及び耐衝撃性の向上効果が
充分に発揮されない。剛性及び耐衝撃性をより良好なも
のとするためには、この緩和時間τは3.0秒以上である
のが望ましい。
【0008】なお、100℃のo−ジクロロベンゼンに
対する不溶成分は次のようにして取得した。すなわち、
試料20gをo−ジクロロベンゼン(以下、ODCBと
略記する)300ミリリットルに加え、約150℃で完
全に溶解させたのち、この溶液をシリカゲルカラム(1
0cmφ×30cm)に注入し、5℃/時間の速度で3
0℃まで降温する。次いで、100℃まで昇温し、温度
が一定になったところでポリマーが完全に析出しなくな
るまで溶出させ、5倍量のアセトン中に再沈殿させてポ
リマーを回収し、100℃溶出成分とする。次に、OD
CBを5ミリリットル/分で流しながら、135℃まで
昇温し、ポリマーを溶出させ、さらに5倍量のアセトン
中に再沈殿させてポリマーを回収し、100℃のODC
Bに対する不溶成分(100℃ODCB不溶成分)とす
る。また、このようにして得られた100℃ODCB不
溶成分における各分子量成分の含有量は次のようにして
求めた。すなわち、GPC法にて、以下に示す方法で分
子量分布を測定し、得られた分子量分布曲線の面積を1
00としたとき、分子量5,000以下の成分の面積、
分子量104 〜105 の成分の面積及び分子量106
上の成分の面積の割合を各成分の含有量とした。例え
ば、図1の分子量分布曲線において、斜線部分は分子量
106 以上の成分を示し、Mは分子量を示す。
【0009】〈GPC測定〉試料20mgを1,2,4
−トリクロロベンゼン10ミリリットルに、150℃で
完全に溶解したものを試料溶液とした。検量線は単分散
ポリスチレン(分子量500万〜500の範囲)を用
い、Universal calibration法に
より作成した。なお、粘度式の定数は下記の値を用い
た。 Kps = 1.21 × 10-4 , αps = 0.707 Kpp = 1.34 × 10-4 , αpp = 0.750 また、測定条件は次のとおりである。 カラム :Shodex UT−806M(長さ
30cm)2本 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン 温度 :140℃ 検出器 :RI検出器(Waters 150
c) サンプル濃度 :0.2%(w/v) 注入量 :240マイクロリットル 流速 :1.0ミリリットル/分 さらに、緩和時間τは、レオメトリック社製システム4
にて、温度175℃、歪み30%の条件で溶融粘弾性を
測定し、その貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”と角速度
ωとから、式 τ(sec) = G’/ωG” により求めた。ここで、ω=0.1rad/secとし
た。
【0010】本発明のポリプロピレン系樹脂の製造方法
については、上記条件を満たすポリプロピレン系樹脂が
得られる方法であればよく、特に制限されず、様々な方
法を用いることができる。例えば、アイソタクチックポ
リプロピレンを与える重合触媒を用い、各成分が所定の
割合になるように段階的に、好ましくは2段で、重合条
件を調整することにより、プロピレンの重合を行い、ポ
リプロピレン混合物を得る方法、このようにして得られ
たポリプロピレン混合物にプロピレン/α−オレフィン
共重合体を混合する方法、上記のようにプロピレンを段
階的に重合させてポリプロピレン混合物を得たのち、さ
らにプロピレンとα−オレフィンを共重合させる方法な
どを用いることができる。ここで、段階的に重合条件を
変える方法としては、回分式で行ってもよく、連続式で
行ってもよい。また、分子量の高い成分を初めに重合し
たのち、分子量の低い成分を重合し、ポリプロピレンの
各成分が所定の割合になるように調整してもよく、初め
に分子量の低い成分を重合したのち、分子量の高い成分
を重合し、ポリプロピレンの各成分が所定の割合になる
ように調整してもよい。
【0011】上記α−オレフィンとしては、例えばエチ
レン,ブテン−1,ペンテン−1,ヘキセン−1などの
直鎖状α−オレフィン、3−メチルブテン−1;4−メ
チルペンテン−1などの分岐状α−オレフィンが挙げら
れる。これらは単独で用いてよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよいが、特にエチレンが好適である。重合
形式については特に制限はなく、スラリー重合,気相重
合,塊状重合,懸濁重合,溶液重合のいずれの方法も用
いることができる。重合条件については、各段階共、重
合温度は、通常0〜100℃、好ましくは30〜90℃
の範囲で選ばれ、また重合圧力は、通常常圧〜45kg
/cm2 G、好ましくは1〜40kg/cm2 Gの範囲
で選ばれる。また、いずれの段階においても、重合体の
分子量調節は、公知の手段、例えば重合器中の水素濃度
を調節することにより行うことができる。
【0012】本発明のポリプロピレン系樹脂の製造にお
いて用いられるアイソタクチックポリプロピレンを与え
る重合触媒としては、様々なものがあるが、例えば
(A)(a)マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び
電子供与体からなる固体触媒成分、及び必要に応じて用
いられる(b)結晶性ポリオレフィンから構成される固
体成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、通常用い
られる(C)電子供与性化合物とからなる重合触媒を好
ましく挙げることができる。
【0013】前記(A)固体成分は、(a)成分のマグ
ネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からな
る固体触媒成分と、必要に応じて用いられる(b)成分
の結晶性ポリオレフィンとから構成されている。該
(a)成分の固体触媒成分は、マグネシウム,チタン,
ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分とするものであ
って、マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体
とを接触させることによって調製することができる。な
おこの場合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマグ
ネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれ
る。
【0014】該マグネシウム化合物としては、例えば、
マグネシウムジクロリドなどのマグネシウムジハライ
ド,酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,ハイドロ
タルサイト,マグネシウムのカルボン酸塩,ジエトキシ
マグネシウムなどのアルコキシマグネシウム,アリロキ
シマグネシウム,アルコキシマグネシウムハライド,ア
リロキシマグネシウムハライド,エチルブチルマグネシ
ウムなどのアルキルマグネシウム,アルキルマグネシウ
ムハライドあるいは有機マグネシウム化合物と電子供与
体,ハロシラン,アルコキシシラン,シラノール及びア
ルミニウム化合物等などの反応物などを挙げることがで
きるが、これらの中でマグネシウムハライド,アルコキ
シマグネシウム,アルキルマグネシウム,アルキルマグ
ネシウムハライドが好適である。またこれらのマグネシ
ウム化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0015】また、マグネシウム化合物として、金属マ
グネシウムとハロゲンとアルコールとの反応生成物を用
いることもできる。この際用いられる金属マグネシウム
は特に制限はなく、任意の粒径の金属マグネシウム、例
えば、顆粒状,リボン状,粉末状などのものを用いるこ
とができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に
制限はないが、表面に酸化マグネシウムなどの被膜が生
成されていないものが好ましい。さらに、アルコールと
しては任意のものを用いることができるが、炭素数1〜
6の低級アルコールを用いることが好ましく、特に、エ
タノールは触媒性能の発現を著しく向上させる固体触媒
成分を与えるので好適である。アルコールの純度及び含
水量も限られないが、含水量の多いアルコールを用いる
と金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウムが形成さ
れるので、含水量が1重量%以下、特に2000ppm
以下のアルコールを用いることが好ましく、水分は少な
ければ少ないほど有利である。
【0016】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
種類に制限はなく、ハロゲン含有化合物としては、ハロ
ゲン原子をその分子中に含む化合物であればいずれのも
のでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類につ
いては特に制限されないが、塩素,臭素又はヨウ素、特
にヨウ素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の中
ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。これらの
状態,形状,粒度などは特に限定されず、任意のもので
よく、例えば、アルコール系溶媒(例えば、エタノー
ル)中の溶液の形で用いることができる。アルコールの
使用量は、金属マグネシウム1モルに対して2〜100
モル、好ましくは5〜50モルの範囲で選ばれる。アル
コール量が多すぎると、モルフォロジーの良好なマグネ
シウム化合物が得られにくい傾向がみられ、少ない場合
は、金属マグネシウムとの反応が円滑に行われなくなる
おそれがある。
【0017】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物は
通常、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲ
ン原子として0.0001グラム原子以上、好ましくは0.
0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グ
ラム原子以上の割合で用いられる。0.0001グラム原
子未満では、得られたマグネシウム化合物を粉砕するこ
となく用いた場合、担持量,活性,立体規則性,生成ポ
リマーのモルフォロジーなどが低下し、粉砕処理が不可
欠なものとなり好ましくない。また、ハロゲン及び/又
はハロゲン含有化合物の使用量を適宜選択することによ
り、得られるマグネシウム化合物の粒径を任意にコント
ロールすることが可能である。
【0018】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公
知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグ
ネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含
有化合物とを、還流下で、水素ガスの発生が認められな
くなるまで、通常約20〜30時間反応させて所望のマ
グネシウム化合物を得る方法である。具体的には、例え
ばハロゲンとしてヨウ素を用いる場合には、アルコール
中に金属マグネシウム及び固体状のヨウ素を投入したの
ち、加熱し還流する方法、アルコール中に金属マグネシ
ウム及びヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還
流する方法、金属マグネシウムを含むアルコール溶液を
加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法など
が挙げられる。いずれの方法も、例えば窒素ガス,アル
ゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、場合により不活
性有機溶媒(例えば、n−ヘキサンなどの飽和炭化水
素)を用いて行うことが好ましい。金属マグネシウム、
アルコール、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
投入については、最初からそれぞれ全量を反応槽に投入
しておく必要はなく、分割して投入してもよい。特に好
ましい形態は、アルコールを最初から全量投入してお
き、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法で
ある。
【0019】このようにした場合、水素ガスの一時的な
大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望まし
い。また、反応槽も小型化することが可能となる。さら
には、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされ
るアルコールやハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物
の飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、
反応槽の規模を勘案して決めればよく、操作の煩雑さを
考えると通常5〜10回が好適である。また、反応自体
は、バッチ式,連続式のいずれでもよいことは言うまで
もない。さらには、変法として、最初から全量投入した
アルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入し、反
応により生成した生成物を別の槽に分離して除去したの
ち、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を
繰り返すということも可能である。こうして得たマグネ
シウム化合物を、次の固体触媒成分の調製に用いる場
合、乾燥させたものを用いてもよく、またろ別後ヘプタ
ンなどの不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。い
ずれの場合においても、得られたマグネシウム化合物
は、粉砕あるいは粒度分布を揃えるための分級操作をす
ることなく次工程に用いることができる。
【0020】また、該チタン化合物としては、例えば、
テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ
−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタ
ン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシ
チタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェ
ノキシチタンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チ
タン,四臭化チタン,四ヨウ化チタンなどのテトラハロ
ゲン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド,エト
キシチタニウムトリクロリド,プロポキシチタニウムト
リクロリド,n−ブトキシチタニウムトリクロリド,エ
トキシチタニウムトリブロミドなどのハロゲン化アルコ
キシチタン、ジメトキシチタニウムジクロリド,ジエト
キシチタニウムジクロリド,ジプロポキシチタニウムジ
クロリド,ジ−n−ブトキシチタニウムジクロリド,ジ
エトキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジア
ルコキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド,ト
リエトキシチタニウムクロリド,トリプロポキシチタニ
ウムクロリド,トリ−n−ブトキシチタニウムクロリド
などのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げ
られるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、
特に四塩化チタンが好適である。またこれらのチタン化
合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0021】そして、電子供与体としては、後で(C)
成分の電子供与性化合物として例示するものを用いるこ
とができる。該(a)固体触媒成分の調製は、公知の方
法(特開昭53−43094号公報,特開昭55−13
5102号公報,特開昭55−135103号公報,特
開昭56−18606号公報,特開昭56−16620
5号公報,特開昭57−63309号公報,特開昭57
−190004号公報,特開昭57−300407号公
報,特開昭58−47003号公報)で行うことができ
る。
【0022】このようにして調製された(a)固体触媒
成分の組成は通常、マグネシウム/チタン原子比が2〜
100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子供
与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。また、
(A)固体成分の調製において必要に応じて用いられる
(b)成分の結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ4−
メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレ
フィンから得られる結晶性ポリオレフィンが挙げられ
る。この結晶性ポリオレフィンは、(1)前記(a)固
体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて用
いられる電子供与性化合物とを組み合わせたものの存在
下に、プロピレンを予備重合させる方法(予備重合
法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどの結晶性パウダーに、前記(a)固体触媒
成分と必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物
と電子供与性化合物(融点100℃以上)とを分散させ
る方法(分散法)、(3)上記(1)の方法と(2)の
方法とを組み合わせる方法などを用いることにより得る
ことができる。
【0023】前記(1)の予備重合法においては、アル
ミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましく
は0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/チタ
ンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選
ばれる。(A)固体成分における、(a)固体触媒成分
と(b)結晶性ポリオレフィンとの割合については、
(a)成分に対する(b)成分の重量比が通常、0.03
〜200、好ましくは0.10〜50の範囲になるように
選ばれる。
【0024】次に、(B)成分として用いられ有機アル
ミニウム化合物としては、一般式(I) AlR1 p 3-p ・・・(I) 〔式中、R1 は炭素数3〜20のアルキル基又は炭素数
6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子、pは1〜3
の数を示す。〕で表される化合物を挙げることができ
る。例えば、トリイソプロピルアルミニウム,トリイソ
ブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウムなどの
トリアルキルアルミニウム,ジエチルアルミニウムモノ
クロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド,
ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,ジオクチルア
ルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウム
モノハライド,エチルアルミニウムセスキクロリドなど
のアルキルアルミニウムセスキハライドなどを好適に使
用することができる。これらのアルミニウム化合物は一
種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0025】さらに、該触媒には、通常(C)成分とし
て電子供与性化合物が用いられる。この電子供与性化合
物は、酸素,窒素,リン,イオウ,ケイ素などを含有す
る化合物であり、基本的にはプロピレンの重合におい
て、規則性の向上性能を有するものが考えられる。この
ような電子供与性化合物としては、例えば、有機ケイ素
化合物,エステル類,チオエステル類,アミン類,ケト
ン類,ニトリル類,ホスフィン類,エーテル類,チオエ
ーテル類,酸無水物,酸ハライド類,酸アミド類,アル
デヒド類,有機酸類,アゾ化合物などを挙げることがで
きる。
【0026】例えば、ジフェニルジメトキシシラン,ジ
フェニルジエトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン,ジシクロペンチルジメトキシシラン,ジ
イソプロピルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロ
ピルジメトキシシラン,ジベンジルジメトキシシラン,
テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラ
フェノキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチル
トリエトキシシラン,メチルトリフェノキシシラン,フ
ェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラ
ン,ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ素化合
物、モノメチルフタレート,モノエチルフタレート,モ
ノプロピルフタレート,モノブチルフタレート,モノイ
ソブチルフタレート,モノアミルフタレート,モノイソ
アミルフタレート,モノメチルテレフタレート,モノエ
チルテレフタレート,モノプロピルテレフタレート,モ
ノブチルテレフタレート,モノイソブチルテレフタレー
ト,ジメチルフタレート,ジエチルフタレート,ジプロ
ピルフタレート,ジブチルフタレート,ジイソブチルフ
タレート,ジアミルフタレート,ジイソアミルフタレー
ト,メチルエチルフタレート,メチルイソブチルフタレ
ート,メチルプロピルフタレート,エチルブチルフタレ
ート,エチルイソブチルフタレート,エチルプロピルフ
タレート,プロピルイソブチルフタレート,ジメチルテ
レフタレート,ジエチルテレフタレート,ジプロピルテ
レフタレート,ジイソブチルテレフタレート,メチルエ
チルテレフタレート,メチルイソブチルテレフタレー
ト,メチルプロピルテレフタレート,エチルブチルテレ
フタレート,エチルイソブチルテレフタレート,エチル
プロピルテレフタレート,プロピルイソブチルテレフタ
レート,ジメチルイソフタレート,ジエチルイソフタレ
ート,ジプロピルイソフタレート,ジイソブチルイソフ
タレート,メチルエチルイソフタレート,メチルイソブ
チルイソフタレート,メチルプロピルイソフタレート,
エチルブチルイソフタレート,エチルイソブチルイソフ
タレート,エチルプロピルイソフタレート,プロピルイ
ソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸エス
テル、ギ酸メチル,ギ酸エチル,酢酸メチル,酢酸エチ
ル,酢酸ビニル,酢酸プロピル,酢酸オクチル,酢酸シ
クロヘキシル,プロピオン酸エチル,酪酸メチル,酪酸
エチル,吉草酸エチル,クロル酢酸メチル,ジクロル酢
酸エチル,メタクリル酸メチル,クロトン酸エチル,ビ
バリン酸エチル,マレイン酸ジメチル,シクロヘキサン
カルボン酸エチル,安息香酸メチル,安息香酸エチル,
安息香酸プロピル,安息香酸ブチル,安息香酸オクチ
ル,安息香酸シクロヘキシル,安息香酸フェニル,安息
香酸ベンジル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチル,
トルイル酸アミル,エチル安息香酸エチル,アニス酸メ
チル,アニス酸エチル,エトキシ安息香酸エチル,p−
ブトキシ安息香酸エチル,o−クロル安息香酸エチル,
ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ−ブチロラク
トン,δ−バレロラクトン,クマリン,フタリド,炭酸
エチレンなどのエステル類、安息香酸,p−オキシ安息
香酸などの有機酸類、無水コハク酸,無水安息香酸,無
水p−トルイル酸などの酸無水物、アセトン,メチルエ
チルケトン,メチルイソブチルケトン,アセトフェノ
ン,ベンゾフェノン,ベンゾキノンなどのケトン類、ア
セトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,オクチルアル
デヒド,トルアルデヒド,ベンズアルデド,ナフチルア
ルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリド,アセ
チルブロミド,プロピオニルクロリド,ブチリルクロリ
ド,イソブチリルクロリド,2−メチルプロピオニルク
ロリド,バレリルクロリド,イソバレリルクロリド,ヘ
キサノイルクロリド,メチルヘキサノイルクロリド,2
−エチルヘキサノイルクロリド,オクタノイルクロリ
ド,デカノイルクロリド,ウンデカノイルクロリド,ヘ
キサデカノイルクロリド,オクタデカノイルクロリド,
ヘンジルカルボニルクロリド,ジクロヘキサンカルボニ
ルクロリド,マロニルジクロリド,スクシニルジクロリ
ド,ペンタンジオレイルジクロリド,ヘキサンジオレイ
ルジクロリド,ジクロヘキサンジカルボニルジクロリ
ド,ベンゾイルクロリド,ベンゾイルブロミド,メチル
ベンゾイルクロリド,フタロイルクロリド,イソフタロ
イルクロリド,テレフタロイルクロリド,ベンゼン−
1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハロ
ゲン化物類、メチルエーテル,エチルエーテル,イソプ
ロピルエーテル,n−ブチルエーテル,イソプロピルメ
チルエーテル,イソプロピルエチルエーテル,t−ブチ
ルエチルエーテル,t−ブチル−n−プロピルエーテ
ル,t−ブチル−n−ブチルエーテル,t−アミルメチ
ルエーテル,t−アミルエチルエーテル,アミルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフェニルエー
テル,エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテ
ル類、酢酸アミド,安息香酸アミド,トルイル酸アミド
などの酸アミド類、トリブチルアミン,N、N’−ジメ
チルピペラジン,トリベンジルアミン,アニリン,ピリ
ジン,ピロリン,テトラメチルエチレンジアミンなどの
アミン類、アセトニトリル,ベンゾニトリル,トルニト
リルなどのニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルプロパン),2,2’−アゾビス(2−エチルプロパ
ン),2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)など
のアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物
などが挙げられる。
【0027】これらの中で有機ケイ素化合物、エステル
類,ケトン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水
物,酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメト
キシシラン,シクロヘキシルジメトキシシラン,ジシク
ロペンチルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロピ
ルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、ジ−n−
ブチルフタレート,ジイソブチルフタレートなどの芳香
族ジカルボン酸ジエステル、安息香酸,p−メトキシ安
息香酸,p−エトキシ安息香酸,トルイル酸などの芳香
族モノカルボン酸のアルキルエステルなどが好適であ
る。これらの電子供与性化合物は一種だけで用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0028】触媒系の各成分の使用量については、
(A)固体成分はチタン原子に換算して反応容積1リッ
トル当たり、通常0.0005〜1モルの範囲になるよう
な量が用いられる。また、(B)有機アルミニウム化合
物は、アルミニウム/チタン原子の比が、通常1〜30
00、好ましくは40〜800になるような量が用いら
れ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不充分に
なるおそれがある。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、ポリプロピレン系樹脂の物性
については、明細書本文中に記載した方法に従って、1
00℃ODCB不溶成分を得たのち、そのMI(JIS
K−7210に準拠),各分子量成分の含有量,緩和
時間τを求めるとともに、以下のようにして試験片を作
成し、曲げ弾性率(JIS K−7203に準拠),引
張弾性率(JIS K−7113に準拠)及びアイゾッ
ト衝撃強度(JIS K−7110に準拠、23℃にて
測定)を求めた。また、ポリプロピレン系樹脂全体のM
I(JIS K−7210に準拠)も求めた。
【0030】<試験片の作成>ポリプロピレン系樹脂
に、酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバガ
イギー社)及びDHT(チバガイギー社),中和剤とし
てステアリン酸カルシウム及びP−EPQ(チバガイギ
ー社)を、増核剤としてPt−BBA−Al(チバガイ
ギー社)を添加したのち、東洋精機社製2軸セグメント
押出機で混練して造粒し、次いで、日本製鋼社製成形機
N100BIIを用い、成形温度200℃,金型温度45
℃にて射出成形し、試験片を作成した。
【0031】実施例1 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積約6リットルの攪拌機付のガラス製反応器を窒素
ガスで充分に置換し、これにエタノール〔和光純薬
(株)製、試薬特級〕約2430g,ヨウ素〔和光純薬
(株)製、試薬特級〕16g及び平均粒径350μmの
類粒状金属マグネシウム160gを仕込み、攪拌しなが
ら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるま
で、加熱下で反応させ、固体状反応生成物を得た。この
固体状生成物を含む反応液を減圧下で乾燥させることに
より、マグネシウム化合物(固体生成物)を得た。 (2)固体触媒成分の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積500ミリリットルの
ガラス製三つ口フラスコに、上記(1)で得られたマグ
ネシウム化合物16g,精製ヘプタン80ミリリット
ル,四塩化ケイ素2.4ミリリットル及びフタル酸ジエチ
ル2.3ミリリットルを仕込んだ。系内を90℃に保ち、
攪拌しながら四塩化チタン77ミリリットルを投入し、
110℃で2時間反応させたのち、さらに四塩化チタン
122ミリリットルを加え、110℃で2時間反応さ
せ、次いで精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分
を得た。 (3)プロピレンの重合 内容積200リットルのオートクレーブに精製したn−
ヘプタン100リットルを仕込んだのち、有機シラン化
合物をSi元素換算でヘプタン溶液として75ミリモル加
え、次いでトリエチルアルミニウムをヘプタン溶液とし
て150ミリモル加え、さらに上記(2)で得られた固
体触媒成分をヘプタンスラリーとしてTi元素換算で0.7
5ミリモル添加した。触媒投入後、重合槽内を60℃に
昇温したのち、プロピレンを供給し、重合を開始した。
重合開始後、重合槽内が80℃になった時点で、プロピ
レンの供給を停止し、水素ガスを水素分圧とプロピレン
分圧との比が約0.8になるように約10分間で供給した
のち、プロピレンの供給を全圧9.5kg/cm2 Gとな
るように供給し、スラリーを乾燥して得られるポリマー
のMIが所定のMIになるまでプロピレンの重合を行っ
た。 (4)ポリプロピレンの物性測定 上記(3)で得られたポリプロピレンの物性を測定し
た。結果を第1表に示す。
【0032】比較例1 (1)プロピレンの重合 実施例1と同じ重合槽を用い、触媒供給についても同様
に行ったのち、重合槽を60℃に昇温し、水素分圧を約
2kg/cm2 Gとなるように供給した。その後プロピ
レンを供給し、重合を開始した。重合槽内温度が80℃
になった時点でプロピレンの供給を全圧9.5kg/cm
2 Gとなるように供給し、2.5時間重合を行った。 (2)ポリプロピレンの物性測定 上記(1)で得られたポリプロピレンの物性を測定し
た。結果を第1表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 (1)プロピレンの重合 実施例1と同じ重合槽を用い、実施例1と同様に重合を
開始した。重合槽内が80℃になった時点でプロピレン
の供給を停止し、水素ガスを水素分圧とプロピレン分圧
との比が約0.9になるように約10分間で供給したの
ち、実施例1と同様にプロピレンの供給を行い、所定の
MIになるまで重合した。 (2)ポリプロピレン組成物の調製 上記(1)で得られたポリプロピレン90重量部とエチ
レン/プロピレン共重合体(MI0.5g/10分,エチ
レン単位含有量35重量%)10重量部とを混合し、ポ
リプロピレン組成物を調製した。 (3)ポリプロピレン組成物の物性測定 上記(2)で得られたポリプロピレン組成物の物性を測
定した。結果を第2表に示す。
【0035】比較例2 (1)プロピレンの重合 実施例1と同じ重合槽を用い、触媒供給についても同様
に行ったのち、水素ガスを35℃で約10リットル供給
したのち、重合槽を60℃に昇温してプロピレンを供給
し、重合を開始した。その後は実施例2と同様に実施し
た。 (2)ポリプロピレン組成物の調製 上記(1)で得られたポリプロピレンを用い、実施例2
−(2)と同様にしてポリプロピレン組成物を調製し
た。 (3)ポリプロピレン組成物の物性測定 上記(2)で得られたポリプロピレン組成物の物性を測
定した。結果を第2表に示す。
【0036】比較例3 (1)ポリプロピレン組成物の調製 比較例1で得られたポリプロピレンを用い、実施例2−
(2)と同様にしてポリプロピレン組成物を調製した。 (2)ポリプロピレン組成物の物性測定 上記(1)で得られたポリプロピレン組成物の物性を測
定した。結果を第2表に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例3 (1)プロピレン,エチレンの重合 実施例1と同じ重合槽を用い、実施例1と同様に重合を
開始した。重合槽内が80℃になった時点でプロピレン
の供給を停止し、水素ガスを水素分圧とプロピレン分圧
との比が約0.85になるように約60分間で供給し、実
施例1と同様にプロピレンの供給を行い、所定のMIに
なるまで重合を行った。プロピレンの重合後、全圧0.5
kg/cm2 Gまで脱気し、重合槽内温度を57℃に降
温し、エチレン分圧が4kg/cm2 になるまで供給
し、ヘプタンに溶解したプロピレンとエチレンとの共重
合を行った。重合終了後、排出されたスラリーをデカン
ターで処理してポリマーとヘプタンを分離し、乾燥し
た。 (2)ポリプロピレン組成物の物性測定 上記(1)で得られたポリプロピレン組成物の物性を測
定した。結果を第3表に示す。
【0039】比較例4 (1)プロピレン,エチレンの重合 実施例1と同じ重合槽を用い、実施例1と同様に重合を
開始した。重合槽内が80℃になった時点でプロピレン
の供給を停止し、水素ガスを水素分圧とプロピレン分圧
との比が約0.8になるように約60分間で供給し、実施
例1と同様にプロピレンの供給を行い、所定のMIにな
るまで重合を行った。次に、実施例3と同様にしてプロ
ピレンとエチレンとの共重合を行った。 (2)ポリプロピレン組成物の物性測定 上記(1)で得られたポリプロピレン組成物の物性を測
定した。結果を第3表に示す。
【0040】比較例5 (1)プロピレン,エチレンの重合 実施例1と同じ重合槽を用い、実施例1と同様に重合を
開始した。重合槽内が80℃になった時点でプロピレン
の供給を停止し、水素ガスを水素分圧とプロピレン分圧
との比が約0.9になるように約60分間で供給し、実施
例1と同様にプロピレンの供給を行い、所定のMIにな
るまで重合を行った。次に、実施例3と同様にしてプロ
ピレンとエチレンとの共重合を行った。 (2)ポリプロピレン組成物の物性測定 上記(2)で得られたポリプロピレン組成物の物性を測
定した。結果を第3表に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂は、流動
性及び耐衝撃性を損なうことなく、剛性を向上させたも
のであって、加工性が良好で、かつ剛性と耐衝撃性との
バランスに優れており、特に射出成形分野における素材
として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 100℃のo−ジクロロベンゼンに対する不
溶成分における各分子量成分の含有量を求めるための該
不溶成分の一例の分子量分布曲線である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−117342(JP,A) 特開 平8−3223(JP,A) 特開 平3−12409(JP,A) 特開 平5−5010(JP,A) 特開 平5−86119(JP,A) 特開 昭57−185304(JP,A) 特開 昭58−7411(JP,A) 特開 昭62−273208(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 6/00 - 246/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックスが10g/10分以
    上であって、100℃のo−ジクロロベンゼンに対する
    不溶成分の含有量が60重量%以上であり、かつ該不溶
    成分が、(イ)メルトインデックスが10〜100g/
    10分であること、(ロ)ゲルパーミエーションクロマ
    トグラフィー法により求めたポリスチレン基準の分子量
    分布において、分子量5,000以下の成分含有量が5
    重量%以下、分子量104 〜105 の成分含有量が50
    重量%以上、分子量106 以上の成分含有量が5重量%
    以上であること、及び(ハ)溶融粘弾性の測定による
    和時間τが2.0秒以上であることを特徴とする高剛性ポ
    リプロピレン系樹脂。
  2. 【請求項2】 プロピレンの単独重合体である請求項1
    記載の高剛性ポリプロピレン系樹脂。
  3. 【請求項3】 プロピレンの単独重合体とプロピレン/
    α−オレフィン共重合体との混合物である請求項1記載
    の高剛性ポリプロピレン系樹脂。
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