JP3816965B2 - ポリオレフィン系樹脂 - Google Patents

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JP3816965B2
JP3816965B2 JP32774493A JP32774493A JP3816965B2 JP 3816965 B2 JP3816965 B2 JP 3816965B2 JP 32774493 A JP32774493 A JP 32774493A JP 32774493 A JP32774493 A JP 32774493A JP 3816965 B2 JP3816965 B2 JP 3816965B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はポリオレフィン系樹脂に関し、さらに詳しくは、広い弾性率範囲で高い耐熱性と優れた力学的特性を有し、かつその力学的特性の温度依存性が小さい上、成形品の表面ベトツキがないポリオレフィン系樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂は、その用途に応じて要求される弾性率は様々であるが、従来、この多様な要求を満足させるために、オレフィン種を適宜選択するなど、樹脂デザインを変えることにより対処してきた。
しかしながら、特に低弾性率のものについていえば、使用される温度によっては、本来備えている力学的特性が低下したり、低分子量成分に起因すると考えられる成形品の表面のベトツキが避けられないなどの問題があった。
本発明者らは、先に特定の構造を有する軟質ポリプロピレン樹脂を開発した(特開平3−14851号公報)。しかしながら、このポリプロピレン樹脂は、熱可塑性エラストマーとして優れた力学的特性を具備しているものの、(1)製造過程におけるポリマー粉体や成形品の表面ベトツキ、(2)温度による力学的特性の変化、などの点で改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、広い弾性率範囲で優れた力学的特性を有し、かつその力学的特性の温度依存性が小さい上、成形品の表面ベトツキがないポリオレフィン系樹脂を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有するポリオレフィン系樹脂を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の極限粘度及び沸騰n−ヘプタン不溶成分量を有し、かつパルスNMRで測定したゴム成分の緩和時間の温度30℃及び80℃における測定値と該沸騰n−ヘプタン不溶成分量とが特定の関係にあるオレフィンの単独重合体又は共重合体が、その目的に適合しうることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成したものである。
【0005】
すなわち、(A)(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分、及び必要に応じて用いられる(ロ)結晶性ポリオレフィンから構成される固体成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)一般式(I)
【化2】
Figure 0003816965
〔式中、R 1 は炭素数1〜20のアルキル基、R 2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基を示し、mは1〜6の整数、nは0〜(6−m)の整数を示す。〕
で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物と、必要に応じて用いられる(D)電子供与性化合物とからなる触媒系であって、(B)有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウムを用いる触媒系で製造されたオレフィンの単独重合体又は共重合体であって、(イ)温度135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が1.0〜9.0デシリットル/gで、(ロ)沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)が10〜99重量%であり、かつ(ハ)パルスNMRで測定したゴム成分の緩和時間の温度30℃における測定値〔T2H R(30):μs〕及び80℃における測定値〔T2H R(80):μs〕と、上記沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)との関係が、式
2H R(80)≦670−2.2×W
2H R(80)/T2H R(30)≦8.8+0.086×W
を満たすことを特徴とするポリオレフィン系樹脂を提供するものである。
【0006】
本発明のポリオレフィン系樹脂は、温度135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.5〜10デシリットル/g、好ましくは1.0〜9.0デシリットル/gの範囲にあることが必要である。この極限粘度〔η〕が0.5デシリットル/g未満では力学的特性が不充分であり、10デシリットル/gを超えると成形加工性が悪化する。また、沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)が10〜99重量%、好ましくは20〜99重量%の範囲にあることが必要である。この不溶成分量が上記範囲を逸脱すると本発明の目的が充分に達せられない。該不溶成分量(W)は、ソックスレー抽出試験器を用い、沸騰n−ヘプタンで6時間抽出した後の抽出残分を沸騰n−ヘプタン不溶成分とし、その重量分率で表した値である。
【0007】
さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂は、パルスNMRで測定したゴム成分の緩和時間の温度30℃における測定値〔T2H R (30):μs〕及び80℃における測定値〔T2H R (80):μs〕と、上記沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)との関係が、式
2H R (80)≦670−2.2×W
2H R (80)/T2H R (30)≦8.8+0.086×W
を満たすことが必要である。上記関係式が満たされない場合、本発明の目的を達成することができない。
【0008】
上記のパルスNMRによるゴム成分の緩和時間(T2H R ) の測定法については、日本ブルカー(株)製,CXP−90NMR装置を用い、測定周波数90.1MHzにて観測核を 1Hとして、測定パルス系列をソリッドエコー法により測定した。観測パルス幅を2.0μ秒、FID(自由誘導減衰)観測後次のパルスを与えるまでの待ち時間を5秒とし積算回数は300回とした。なお、FIDは次の方法により解析した。
【0009】
(1)温度30℃でのFIDの解析方法
上記測定方法で測定したFID:Mexp (t)を、以下の式で計算されるMcal (t)に対して改訂マルカート法を用いた非線型最小二乗法により最適化する。
Mcal (t)=M0 c+G exp 〔(t/T2H C+G )2/2〕+M0 R exp(t/T2H R )
なお、添字のR,G,Cはそれぞれゴム的分子性を示す非晶成分、ガラス状非晶成分及び結晶成分を示す。また、最適化は変数としてM0 c+G ,M0 R ,T2H C+G ,T2H R を用い、初期値としてT2H R >3T2H C+G ,1μs<T2H C+G <15μsなる値を用いた。
【0010】
(2)温度80℃でのFIDの解析方法
exp (t)を以下の式で計算されるMcal (t)に対して改訂マルカート法を用いた非線型最小二乗法により最適化する。
Mcal (t)=M0 c exp 〔(t/T2H C )2/2〕+M0 G exp(t/T2H G ) +M0 R exp(t/T2H R )
なお、添字は上記と同じであり、また最適化における変数としてM0 C ,M0 R , M0 R ,T2H C , T2H G ,T2H R を用いた。
本発明のポリオレフィン系樹脂は、(A)(イ)マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分、及び必要に応じて用いられる(ロ)結晶性ポリオレフィンから構成される固体成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)一般式(I)
【0011】
【化1】
Figure 0003816965
【0012】
〔式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基、R2は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基を示し、mは1〜6の整数、nは0〜(6−m)の整数を示す。〕
で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物と、必要に応じて用いられる(D)電子供与性化合物とからなる触媒系であって、(B)有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウムを用いる触媒系の存在下、オレフィンを単独重合又は共重合させることにより、製造することができる。
【0013】
上記(A)固体成分は、(イ)成分のマグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分と、必要に応じて用いられる(ロ)成分の結晶性ポリオレフィンとから構成されている。該(イ)成分の固体触媒成分は、マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分とするものであって、マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体とを接触させることによって調製することができる。なお、この場合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマグネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれる。
【0014】
該マグネシウム化合物としては、例えばマグネシウムクロリドなどのマグネシウムジハライド、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、マグネシウムのカルボン酸塩、ジエトキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム、アリロキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロキシマグネシウムハライド、エチルブチルマグネシウムなどのアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライド、あるいは有機マグネシウム化合物と電子供与体、ハロシラン、アルコキシシラン、シラノール及びアルミニウム化合物等との反応物などを挙げることができるが、これらの中でマグネシウムハライド、アルコキシマグネシウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハライドが好適である。またこれらのマグネシウム化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
また、マグネシウム化合物として、金属マグネシウムとハロゲンとアルコールとの反応生成物を用いることもできる。この際用いられる金属マグネシウムは特に制限はなく、任意の粒径の金属マグネシウム、例えば顆粒状、リボン状、粉末状などのものを用いることができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に制限はないが、表面に酸化マグネシウムなどの被膜が生成されていないものが好ましい。
さらに、アルコールとしては任意のものを用いることができるが、炭素数1〜6の低級アルコールを用いることが好ましく、特に、エタノールは触媒性能の発現を著しく向上させる固体触媒成分を与えるので好適である。アルコールの純度及び含水量も限られないが、含水量の多いアルコールを用いると金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウムが形成されるので、含水量が1重量%以下、特に2000ppm以下のアルコールを用いることが好ましく、水分は少なければ少ないほど有利である。
【0016】
ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の種類に制限はなく、ハロゲン原子をその分子中に含む化合物であればいずれのものでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類については特に制限されないが、塩素,臭素又はヨウ素、特にヨウ素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の中ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。これらの状態,形状,粒度などは特に限定されず、任意のものでよく、例えばアルコール系溶媒(例えば、エタノール)中の溶液の形で用いることができる。
アルコールの使用量は、金属マグネシウム1モルに対して2〜100モル、好ましくは5〜50モルの範囲で選ばれる。アルコール量が多すぎると、モルフォロジーの良好なマグネシウム化合物が得られにくい傾向がみられ、少ない場合は、金属マグネシウムとの反応がスムーズに行われなくなるおそれがある。
【0017】
ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物は通常、金属マグネシウム1モルに対して、0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グラム原子以上の割合で用いられる。0.0001グラム原子未満では、得られたマグネシウム化合物を粉砕することなく用いた場合、担持量,活性,立体規則性,生成ポリマーのモルフォロジーなどが低下し、粉砕処理が不可欠なものとなり好ましくない。また、ハロゲンの使用量を適宜選択することにより、得られるマグネシウム化合物の粒径を任意にコントロールすることが可能である。
【0018】
金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲンとを、還流下で、水素ガスの発生が認められなくなるまで、通常約20〜30時間反応させて所望のマグネシウム化合物を得る方法である。具体的には、例えばハロゲンとしてヨウ素を用いる場合には、アルコール中に金属マグネシウム及び固体状のヨウ素を投入したのち、加熱し還流する方法、アルコール中に金属マグネシウム及びヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還流する方法、金属マグネシウムを含むアルコール溶液を加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法などが挙げられる。いずれの方法も、例えば窒素ガス,アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、場合により不活性有機溶媒(例えば、n−ヘキサンなどの飽和炭化水素)を用いて行うことが好ましい。金属マグネシウム、アルコール、ハロゲンの投入については、最初からそれぞれ全量を反応槽に投入しておく必要はなく、分割して投入してもよい。特に好ましい形態は、アルコールを最初から全量投入しておき、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法である。
【0019】
このようにした場合、水素ガスの一時的な大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望ましい。また、反応槽も小型化することが可能となる。さらには、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされるアルコールやハロゲンの飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、反応槽の規模を勘案して決めればよく、操作の煩雑さを考えると通常5〜10回が好適である。また、反応自体は、バッチ式,連続式のいずれでもよいことは言うまでもない。さらには、変法として、最初から全量投入したアルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入し、反応により生成した生成物を別の槽に分離して除去したのち、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を繰り返すということも可能である。
こうして得たマグネシウム化合物を、次の固体触媒成分の調製に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、またろ別後ヘプタンなどの不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。いずれの場合においても、得られたマグネシウム化合物は、粉砕あるいは粒度分布をそろえるための分級操作をすることなく次工程に用いることができる。
【0020】
また、該チタン化合物としては、例えばテトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシチタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェノキシチタンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チタンなどのテトラハロゲン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド,エトキシチタニウムトリクロリド,プロポキシチタニウムトリクロリド,n−ブトキシチタニウムトリクロリド,エトキシチタニウムトリブロミドなどのハロゲン化アルコキシチタン、ジメトキシチタニウムジクロリド,ジエトキシチタニウムジクロリド,ジプロポキシチタニウムジクロリド,ジ−n−ブトキシチタニウムジクロリド,ジエトキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジアルコキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド,トリエトキシチタニウムクロリド,トリプロポキシチタニウムクロリド,トリ−n−ブトキシチタニウムクロリドなどのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げられるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタンが好適である。またこれらのチタン化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
さらに、該ハロゲン原子としてはフッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子などが挙げられるが、これらのハロゲン原子は通常ハロゲン化物としてマグネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれて用いられる。
また、電子供与体としては、後で(D)成分の電子供与性化合物として例示するものを用いることができる。
該(イ)固体触媒成分の調製は、公知の方法(特開昭53−43094号公報,特開昭55−135102号公報,特開昭55−135103号公報,特開昭56−18606号公報,特開昭56−166205号公報,特開昭57−63309号公報,特開昭57−190004号公報,特開昭57−300407号公報,特開昭58−47003号公報)で行うことができる。
【0022】
このようにして調製された(イ)固体触媒成分の組成は通常、マグネシウム/チタン原子比が2〜100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子供与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。
また、(A)固体成分の調製において必要に応じて用いられる(ロ)成分の結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ4−メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレフィンから得られる結晶性ポリオレフィンが挙げられる。この結晶性ポリオレフィンは、(1)前記(イ)固体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて用いられる電子供与性化合物とを組み合わせたものの存在下に、オレフィンを予備重合させる方法(予備重合法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエチレンやポリプロピレンなどの結晶性パウダーに、前記(イ)固体触媒成分と必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物(融点100℃以上)とを分散させる方法(分散法)、(3)上記(1)の方法と(2)の方法とを組み合わせる方法などを用いることにより得ることができる。
【0023】
上記(1)の予備重合法においては、アルミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましくは0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/チタンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選ばれる。
(A)固体成分における、(イ)固体触媒成分と(ロ)結晶性ポリオレフィンとの割合については、(イ)成分に対する(ロ)成分の重量比が通常、0.03〜200、好ましくは0.10〜50の範囲になるように選ばれる。
【0024】
次に、(B)成分として用いられ有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウムを好適に使用することができる。
【0025】
本発明における触媒系には、(C)成分として、一般式(I)
【0026】
【化2】
Figure 0003816965
【0027】
〔式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル基、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基を示し、mは1〜6の整数、nは0〜(6−m)の整数を示す。〕
で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物が用いられる。
【0028】
このアルコキシ基含有芳香族化合物の具体例としては、m−メトキシトルエン;o−メトキシフェノール;m−メトキシフェノール;2−メトキシ−4−メチルフェノール;ビニルアニソール;p−(1−プロペニル)アニソール;p−アリルアニソール;1,3−ビス(p−メトキシフェニル)−1 −ペンテン;5−アリル−2−メトキシフェノール;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアルコール;メトキシベンジルアルコール;ニトロアニソール;ニトロフェネトールなどのモノアルコキシ化合物、o−ジメトキシベンゼン;m−ジメトキシベンゼン;p−ジメトキシベンゼン;3,4−ジメトキシトルエン;2,6−ジメトキシフェノール;1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンなどのジアルコキシ化合物、1,3,5−トリメトキシベンゼン;5−アリル−1,2,3−トリメトキシベンゼン;5−アリル−1,2,4−トリメトキシベンゼン;1,2,3−トリメトキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼン;1,2,4−トリメトキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼン;1,2,3−トリメトキシベンゼン;1,2,4−トリメトキシベンゼンなどのトリアルコキシ化合物などが挙げられるが、これらの中でジアルコキシ化合物及びトリアルコキシ化合物が好適である。これらのアルコキシ基含有芳香族化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
さらに、該触媒には、必要に応じ(D)成分として電子供与性化合物が用いられる。この電子供与性化合物は、酸素,窒素,リン,イオウ,ケイ素などを含有する化合物であり、基本的にはプロピレンの重合において、規則性の向上性能を有するものが考えられる。
このような電子供与性化合物としては、例えば、有機ケイ素化合物,エステル類,チオエステル類,アミン類,ケトン類,ニトリル類,ホスフィン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水物,酸ハライド類,酸アミド類,アルデヒド類,有機酸類,アゾ化合物などを挙げることができる。
【0030】
例えば、ジフェニルジメトキシシラン,ジフェニルジエトキシシラン,ジベンジルジメトキシシラン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラフェノキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,メチルトリフェノキシシラン,フェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、モノメチルフタレート,モノエチルフタレート,モノプロピルフタレート,モノブチルフタレート,モノイソブチルフタレート,モノアミルフタレート,モノイソアミルフタレート,モノメチルテレフタレート,モノエチルテレフタレート,モノプロピルテレフタレート,モノブチルテレフタレート,モノイソブチルテレフタレート,ジメチルフタレート,ジエチルフタレート,ジプロピルフタレート,ジブチルフタレート,ジイソブチルフタレート,ジアミルフタレート,ジイソアミルフタレート,メチルエチルフタレート,メチルイソブチルフタレート,メチルプロピルフタレート,エチルブチルフタレート,エチルイソブチルフタレート,エチルプロピルフタレート,プロピルイソブチルフタレート,ジメチルテレフタレート,ジエチルテレフタレート,ジプロピルテレフタレート,ジイソブチルテレフタレート,メチルエチルテレフタレート,メチルイソブチルテレフタレート,メチルプロピルテレフタレート,エチルブチルテレフタレート,エチルイソブチルテレフタレート,エチルプロピルテレフタレート,プロピルイソブチルテレフタレート,ジメチルイソフタレート,ジエチルイソフタレート,ジプロピルイソフタレート,ジイソブチルイソフタレート,メチルエチルイソフタレート,メチルイソブチルイソフタレート,メチルプロピルイソフタレート,エチルブチルイソフタレート,エチルイソブチルイソフタレート,エチルプロピルイソフタレート,プロピルイソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸エステル、ギ酸メチル,ギ酸エチル,酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ビニル,酢酸プロピル,酢酸オクチル,酢酸シクロヘキシル,プロピオン酸エチル,酪酸メチル,酪酸エチル,吉草酸エチル,クロル酢酸メチル,ジクロル酢酸エチル,メタクリル酸メチル,クロトン酸エチル,ビバリン酸エチル,マレイン酸ジメチル,シクロヘキサンカルボン酸エチル,安息香酸メチル,安息香酸エチル,安息香酸プロピル,安息香酸ブチル,安息香酸オクチル,安息香酸シクロヘキシル,安息香酸フェニル,安息香酸ベンジル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチル,トルイル酸アミル,エチル安息香酸エチル,アニス酸メチル,アニス酸エチル,エトキシ安息香酸エチル,p−ブトキシ安息香酸エチル,o−クロル安息香酸エチル,ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ−ブチロラクトン,δ−バレロラクトン,クマリン,フタリド,炭酸エチレンなどのエステル類、安息香酸,p−オキシ安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸,無水安息香酸,無水p−トルイル酸などの酸無水物、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,アセトフェノン,ベンゾフェノン,ベンゾキノンなどのケトン類、アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,オクチルアルデヒド,トルアルデヒド,ベンズアルデド,ナフチルアルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリド,アセチルブロミド,プロピオニルクロリド,ブチリルクロリド,イソブチリルクロリド,2−メチルプロピオニルクロリド,バレリルクロリド,イソバレリルクロリド,ヘキサノイルクロリド,メチルヘキサノイルクロリド,2−エチルヘキサノイルクロリド,オクタノイルクロリド,デカノイルクロリド,ウンデカノイルクロリド,ヘキサデカノイルクロリド,オクタデカノイルクロリド,ヘンジルカルボニルクロリド,ジクロヘキサンカルボニルクロリド,マロニルジクロリド,スクシニルジクロリド,ペンタンジオレイルジクロリド,ヘキサンジオレイルジクロリド,ジクロヘキサンジカルボニルジクロリド,ベンゾイルクロリド,ベンゾイルブロミド,メチルベンゾイルクロリド,フタロイルクロリド,イソフタロイルクロリド,テレフタロイルクロリド,ベンゼン−1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハロゲン化物類、メチルエーテル,エチルエーテル,イソプロピルエーテル,n−ブチルエーテル,イソプロピルメチルエーテル,イソプロピルエチルエーテル,t−ブチルエチルエーテル,t−ブチル−n−プロピルエーテル,t−ブチル−n−ブチルエーテル,t−アミルメチルエーテル,t−アミルエチルエーテル,アミルエーテル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフェニルエーテル,エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテル類、酢酸アミド,安息香酸アミド,トルイル酸アミドなどの酸アミド類、トリブチルアミン,N、N’−ジメチルピペラジン,トリベンジルアミン,アニリン,ピリジン,ピロリン,テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル,ベンゾニトリル,トルニトリルなどのニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン),2,2’−アゾビス(2−エチルプロパン),2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)などのアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物などが挙げられる。
【0031】
これらの中で有機ケイ素化合物、エステル類,ケトン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水物,酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメトキシシラン,フェニルトリエトキシシランなどの有機ケイ素化合物、ジ−n−ブチルフタレート,ジイソブチルフタレートなどの芳香族ジカルボン酸ジエステル、安息香酸,p−メトキシ安息香酸,p−エトキシ安息香酸,トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸のアルキルエステルなどが好適である。これらの電子供与性化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
触媒系の各成分の使用量については、(A)固体成分はチタン原子に換算して反応容積1リットル当たり、通常0.0005〜1モルの範囲になるような量が用いられる。また、(B)有機アルミニウム化合物は、アルミニウム/チタン原子の比が、通常1〜3000、好ましくは40〜800になるような量が用いられ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不充分になるおそれがある。さらに、(C)アルコキシ基含有芳香族化合物は(A)固体成分中のチタン原子に対するモル比が通常、0.01〜500、好ましくは1〜300になるような割合で用いられ、この量が0.01未満では生成ポリマーの物性が低下するおそれがあり、500を超えると触媒活性が不充分になるおそれがある。
【0032】
本発明のポリオレフィン系樹脂は、前記した触媒系の存在下に、少なくとも一種のα−オレフィンを重合させることにより得ることができる。原料として用いられるα−オレフィンとしては、炭素数2〜30のものが好ましく、例えば、エチレン,プロピレン,ブテン−1,ペンテン−1,4−メチル−1ペンテン,ヘキセン−1,ヘプテン−1,オクテン−1,ノネン−1,デセン−1などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合形式としては、特に制限はなく、スラリー重合,気相重合,バルク重合,溶液重合,懸濁重合などが用いられる。
気相重合により重合を行う場合の重合条件については、重合圧力は通常10〜45kg/cm2 、好ましくは20〜30kg/cm2 、重合温度は通常40〜90℃、好ましくは60〜75℃の範囲で適宜選ばれる。重合体の分子量調節は、公知の手段、例えば、重合器中の水素濃度を調節することにより行うことができる。重合時間は原料のオレフィンの種類や反応温度によって左右され、一概に定めることはできないが、5分〜10時間程度で充分である。
【0033】
重合に際しては、触媒系を構成する各成分、すなわち、(A)〜(D)成分を所定の割合で混合し、接触させたのち、ただちにオレフィンを導入し、重合を開始してもよいし、接触後0.2〜3時間程度熟成させたのち、オレフィンを導入してもよい。さらに、この触媒成分は不活性溶媒やオレフィンなどに懸濁して供給することができる。
本発明においては、重合後の後処理は常法により行うことができる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるオレフィンなどを除くために、窒素気流などを通過させてもよい。また、所望に応じて押出機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添加することもできる。また、バルク重合法においては、重合後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペレット化することもできる。
【0034】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0035】
実施例1
(1)マグネシウム化合物の調製
撹拌機付きのガラス製反応器(内容積約6リットル)を窒素ガスで充分に置換し、エタノール約2430g、ヨウ素16g及び金属マグネシウム160gを投入し、撹拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくなるまで、加熱下で反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状生成物を含む反応液を減圧下乾燥させることによりマグネシウム化合物を得た。
(2)固体触媒成分(A)の調製
窒素ガスで充分に置換したガラス製三ツ口フラスコ(内容積500ミリリットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していないもの)16g,精製ヘプタン80ミリリットル,四塩化ケイ素2.4ミリリットル,及びフタル酸ジエチル2.3ミリリットルを加えた。系内を90℃に保ち、撹拌しながら四塩化チタン77ミリリットルを投入して110℃で2時間反応させたのち、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタ122ミリリットルを加え、110℃で2時間反応させたのち、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分(A)を得た。
【0036】
(3)気相重合
5リットルのステンレス製耐圧オートクレーブに、ポリプロピレンパウダー20g,トリイソブチルアルミニウム(TIBA)2.5ミリモル,1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.125ミリモル,ジフェニルジメトキシシラン(DPDMS)0ミリモル及び上記固体触媒成分(A)をチタン原子換算で0.05ミリモル含むヘプタン溶液20ミリリットルを加え、系内を5分間排気したのち、全圧が28kg/cm2 Gになるまでプロピレンガスを供給しながら、1.7時間気相重合を行い、極限粘度〔η〕(135℃デカリン)が3.73デシリットル/gのポリマーを得た。このポリマーの沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)は35.0重量%であった。また、このポリマーのT2H R (30),T2H R (80),T2H R (80)/T2H R (30)を求めた。これらの結果を第1表に示す。
次にこのようにして得られたポリマーをプレス成形して試験片を作成し、アイゾット衝撃強度(JIS7110に準拠)、引張弾性率(JIS7113に準拠)及び剛性保持率(23→60℃)を求めるとともに、官能試験により表面ベトツキを評価した。これらの結果を第2表に示す。
【0037】
実施例2
実施例1と同様の触媒を用い、気相重合時のTIBA,ADMB及びDPDMSの量をそれぞれ5.0ミリモル,0.125ミリモル及び0.2ミリモルとし、実施例1と同様にして重合を行った。得られたポリマーの沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)は62.4重量%、極限粘度〔η〕は4.27デシリットル/gであった。結果を第1表及び第2表に示す。
【0038】
実施例3
実施例1と同様の触媒を用い、気相重合時のTIBA,ADMB及びDPDMSの量をそれぞれ5.0ミリモル,0.125ミリモル及び0.4ミリモルとし、実施例1と同様にして重合を行った。得られたポリマーの沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)は81.7重量%、極限粘度〔η〕は4.90デシリットル/gであった。結果を第1表及び第2表に示す。
【0039】
実施例4
実施例1と同様の触媒を用い、気相重合時のTIBA,ADMB及びDPDMSの量をそれぞれ5.0ミリモル,0.125ミリモル及び0.5ミリモルとし、実施例1と同様にして重合を行った。得られたポリマーの沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)は91.3重量%、極限粘度〔η〕は5.42デシリットル/gであった。結果を第1表及び第2表に示す。
【0040】
比較例1
(1)固体触媒成分の調製
充分に窒素置換した内容積500ミリリットルのガラス製三ッ口フラスコに、精製ヘプタン20ミリリットル,Mg(OC2 5)2 (ドイツヒュルス社製)4g及びフタル酸ジ−n−ブチル1.2gを加え、系内を90℃に保ち、かきまぜながらTiCl4 4ミリリットルを滴下したのち、さらにTiCl4 111ミリリットルを追加投入して、110℃に昇温し、2時間反応させ、次いで、80℃の精製ヘプタン100ミリリットルで洗浄した。次に、得られた固相部にTiCl4 115ミリリットルを加え、110℃でさらに2時間反応させた。反応終了後、生成物を精製ヘプタン100ミリリットルで数回洗浄して、固体触媒成分とした。
【0041】
(2)固体成分の調製
充分に窒素置換した内容積2.5リットルのガラス製耐圧三ッ口フラスコに、精製ヘプタン1.7リットル,Al(C2 5)3 0.07モル,ジフェニルジメトキシシラン(DPDMS)0.05ミリモル及び前記(1)で得られた固体触媒成分120gを加えたのち、系内を30℃に保ち、攪拌しながらプロピレンを連続的に供給し、内圧を0.5kg/cm2 Gに保持した。この反応を1時間継続したのち、精製ヘプタン1リットルで5回洗浄して、固体成分を調製した。
【0042】
(3)気相重合
5リットルのステンレス製耐圧オートクレーブに、ポリプロピレンパウダー20g,Al(C2 5)3 3ミリモル,ADMB 0.15ミリモル,DPDMS 0.23ミリモル及び前記(2)の固体成分100mg(チタン原子に換算して0.06ミリモル)を含むヘプタン溶液20ミリリットルを加え、系内を5分間排気したのち、全圧が28kg/cm2 Gになるまでプロピレンガスを供給しながら、70℃で1.7時間気相重合を行った。得られたポリマーの沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)は64.9重量%,極限粘度〔η〕は3.43デシリットル/gであった。結果を第1表及び第2表に示す。
【0043】
比較例2
気相重合におけるADMB/DPDMSの量比を調整し、沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)を37.1重量%にした以外は、全く比較例1と同様に実施した。得られたポリマーの極限粘度〔η〕は3.31デシリットル/gであった。結果を第1表及び第2表に示す。
【0044】
比較例3
気相重合におけるADMB/DPDMSの量比を調整し、沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)を76.0重量%にした以外は、全く比較例1と同様に実施した。得られたポリマーの極限粘度〔η〕は3.98デシリットル/gであった。結果を第1表及び第2表に示す。
【0045】
比較例4
気相重合におけるADMB/DPDMSの量比を調整し、沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)を90.0重量%にした以外は、全く比較例1と同様に実施した。得られたポリマーの極限粘度〔η〕は4.19デシリットル/gであった。結果を第1表及び第2表に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003816965
【0047】
【表2】
Figure 0003816965
【0048】
【発明の効果】
本発明のポリオレフィン系樹脂は、広い弾性率範囲で高い耐熱性と優れた力学的特性を有し、かつその力学的特性の温度依存性が小さい上、成形品の表面ベトキツがないなどの優れた特徴を有している。
該ポリオレフィン系樹脂は、例えばサイドモール,オーバーフェンダー,マッドガード,軟質バンパー,ハンドル,シフトノブ,アームレスト,コンソールボックス,シートなどの自動車部品、さらには土木建築材,フィルム・シートなどの素材として好適に用いられる。

Claims (1)

  1. (A)(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体触媒成分、及び必要に応じて用いられる(ロ)結晶性ポリオレフィンから構成される固体成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)一般式(I)
    Figure 0003816965
    〔式中、R 1 は炭素数1〜20のアルキル基、R 2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基を示し、mは1〜6の整数、nは0〜(6−m)の整数を示す。〕
    で表されるアルコキシ基含有芳香族化合物と、必要に応じて用いられる(D)電子供与性化合物とからなる触媒系であって、(B)有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウムを用いる触媒系で製造されたオレフィンの単独重合体又は共重合体であって、(イ)温度135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が1.0〜9.0デシリットル/gで、(ロ)沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)が10〜99重量%であり、かつ(ハ)パルスNMRで測定したゴム成分の緩和時間の温度30℃における測定値〔T2H R(30):μs〕及び80℃における測定値〔T2H R(80):μs〕と、上記沸騰n−ヘプタン不溶成分量(W)との関係が、式
    2H R(80)≦670−2.2×W
    2H R(80)/T2H R(30)≦8.8+0.086×W
    を満たすことを特徴とするポリオレフィン系樹脂。
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